JPH02446B2 - - Google Patents
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- JPH02446B2 JPH02446B2 JP3633182A JP3633182A JPH02446B2 JP H02446 B2 JPH02446 B2 JP H02446B2 JP 3633182 A JP3633182 A JP 3633182A JP 3633182 A JP3633182 A JP 3633182A JP H02446 B2 JPH02446 B2 JP H02446B2
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Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
本発明はモノフイラメントの製造方法に関す
る。更に詳しくは、熱可塑性樹脂を特定のノズル
より溶融押出し延伸することにより、高強力且高
デニールのモノフイラメントを製造する方法に関
する。 従来、一般モノフイラメントの成形は、熱可塑
性樹脂を断面形状が真円のノズルより溶融押出
し、通常、冷却水槽中を通過させ、あるいは、必
要に応じて処理浴を用いて固定させ原糸を作り、
これを使用樹脂に応じた最適な温度で3〜10倍の
低倍率延伸を行なつて製造され、400デニールの
製品で直線強度として2g/d〜7g/dのもの
が得られている。 更に高強力モノフイラメントの成形に至つて
は、11〜20倍の高倍率延伸を行なつて、直線強度
12g/d以上(400デニール以下)のものが得ら
れている。この場合、高倍率延伸を行なう為、
400デニールの製品を得ようとすると、未延伸糸
繊度が、一般モノフイラメント成形時と比較して
倍近くになり、冷却時にフイラメント内部の熱収
縮のズレによる真空気泡が発生しやすくなり、こ
の気泡によつて延伸切れを招くという結果をもた
らす。 更に、800デニール以上の高強力・高デニール
糸に至つては、未延伸糸繊度は一般モノフイラメ
ント成形時の数倍にも及び、真空気泡の多発によ
り、ほとんど紡糸不能の状態となる。 紡糸冷却時に発生する真空気泡を解消させる対
策としては、例えば、特公昭51−32724号公報に
は「押出ノズル孔の長軸aと短軸bの比(a/
b)が1.8〜4.0、面積πabが3.14mm2以上からなるノ
ズルを、ノズル基盤の円線上に該押出ノズル孔の
長軸を合致させて数個等間隔に配設してなる太デ
ニールのモノフイラメント成形製造用ノズル」な
る発明が、又特公昭55−3442号公報には「ポリオ
レフイン系合成樹脂より1000〜10000デニールの
モノフイラメントを製造する際に、長辺と短辺の
比が2:1〜5:1になるような長方形様断面図
を有するノズルを使用することを特徴とするポリ
オレフイン系合成樹脂モノフイラメントの製造方
法」なる発明が記載されている。 これらの従来技術に共通していることは、これ
らのノズルを使用し、10〜12倍程度の延伸によつ
て高々直線強度6〜7g/d、10000d程度の製
品しか得られない点である。 これを直線強度12g/d以上の高強力糸を得る
ために、更に高倍率延伸を施すことは、以上の技
術では真空気泡を解消させるのに限界があり、延
伸切れが多発するほか、紡糸部の糸ゆれ、高倍率
延伸時のフイラメントの白濁等のトラブルを生
じ、高強力・高デニール糸を得ることは不可能で
ある。 一方、高デニール化に対する従来技術として
は、特公昭56−48607号公報や実公昭46−31966号
公報などの発明、考案にみられる様に連結繊維が
ある。ところが、以上の連結繊維の製造技術では
やはり12倍以下の延伸のみが可能であり、20倍程
度の高倍率延伸を行なつた場合、連結糸がスプリ
ツト(割裂)するという致命的な欠点を有するこ
ととなる。 本発明は、上述の事情を改善すべく種々研究の
結果、到達したもので高強力・高デニールモノフ
イラメントの製造方法を提供することを目的とす
る。 即ち、本発明は、熱可塑性樹脂を、押出ノズル
孔の長軸aと短軸bの比(a/b)が1〜2、断
面積π/4abが3.14mm2未満からなる単孔を、短軸b 方向に重ね間隔が0.1b〜0.3bで複数個重ね合せた
ノズルより溶融押出し、該押出物を延伸すること
を特徴とするモノフイラメントの製造方法に存す
る。 本発明が適用される熱可塑性樹脂とは、溶融紡
糸可能なもの、例えば、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等であれば特
に制限はないが、特に高密度ポリエチレンで、メ
ルトインデツクスが0.1g/10min.〜2.0g/
10min.、密度が0.950〜0・960g/cm2位のものが
好ましい。かかる樹脂は、異種モノマーとの共重
合体であつても良く、又必要に応じて、抗酸化
剤、滑剤、紫外線吸収剤、艶消剤、安定剤、着色
剤、発泡剤、難燃剤等を含んでいてもよい。 次に、本発明の製造方法に使用されるノズルに
ついて図示の実施例に基づいて説明する。 第1図は、本発明の製造方法に使用されるノズ
ルの要素となる単孔の原理図(断面形状図)を例
示する。第2図は、本発明の製造方法に使用され
るノズルの一実施態様を示す原理図であつて、当
該ノズルはその要素である単孔2個を重ね合せて
成り、夫々の単孔の断面形状は長軸aと短軸bの
比(a/b)が2.0以下、面積π/4abが3.14未満を 満足する限り特に問題はないが、(a/b)が2.0
を越えるものは、単孔それ自身がかなり偏平にな
るうえに、複数個重ね合わせると薄く割裂しやす
いモノフイラメントとなり、成形時に紡糸部の糸
ゆれの問題や延伸時のフイラメントのねじれ等の
トラブルが生じやすくなる。同時に断面積が3.14
mm2以上になると、複数個重ね合せることによつ
て、紡糸圧力が十分得られず、ノズル直下で切れ
やすくなり、収率が要くなる。 この為、本発明の製造方法で使用されるノズル
の要素となる単孔は、長軸aと短軸bの比(a/
b)が1〜2、断面積が3.14mm2未満を満足する必
要がある。特にa/bが1.2〜1.6の楕円又は長円
が好ましい。尚第2図では一方の単孔の長軸をa
とし、又他方の単孔の長軸をa′として示した。同
様に以下説明する第3図でも単孔の長軸をa,
a′,a″で示し、又重ね間隔もd,d′で示した。 本発明の製造方法で使用されるノズルは、これ
らの単孔を短軸b方向に、第2図及び第3図に示
す様に重ね間隔dあるいはd′が0.1b〜0.3bの長さ
で、複数個(第3図の実施例では3個)重ね合せ
て成る。茲に重ね間隔d及びd′は0.1b〜0.3bの条
件を満足する限り、dとd′とが相異つていても又
同じであつてもよいが、通常d=d′であることが
好ましい。 本発明に於いては、単孔を短軸b方向に重ね合
さず、第4図に示す様に長軸a方向に重ね合せる
と、得られたモノフイラメントは極度に偏平にな
るので、通常の意味でのモノフイラメントとして
の定義、用途にはずれることが多いので除外し
た。同時に0.1b〜0.3bの間隔dで重ね合せること
が必要であり、この場合0.1b未満であると、高倍
率延伸時に割裂しやすくなる。又0.3bを超える
と、冷却工程時に真空気泡が発生しやすくなり、
延伸切れが多くなる。 又単孔を重ね合せる個数は、限定されないが、
一般には10個以下、特に、高強力モノフイラメン
トを得たい場合は2〜3個が好ましい。 更に、ノズル孔配列は任意でよいが、特にノズ
ル基盤の円線上に押出ノズル孔の短軸線bを合致
させて等間隔に配設することが好ましい。これの
逆に配列すると、未延伸糸の冷却工程時の熱収縮
のズレを解消させる効果が小さくなるためであ
る。 本発明に於いては、上記したノズルより押出さ
れた樹脂は、通常冷却水槽中を通過させ、あるい
は必要に応じて処理浴を用いて固化させ、原糸を
作り、これを使用樹脂に応じた最適な温度で高倍
率延伸を行なう。高倍率延伸は、一段で湿式であ
つても良いし、加熱ロール方式、熱板式、加熱空
気浴式を用いても良く、又、これらのいづれの組
合せによる多段延伸であつても良い。 延伸倍率は、出来上つた繊維状物質の直線強度
に最も重大な影響を与えるが、本発明の方法に於
て、高倍率延伸が可能となり、結果的に高強力フ
イラメントが得られる。又、結節強度は、同一延
伸倍率の比較では、30〜50%高く、伸度も大き
い。 ドラフト比f〔f=V1/V0、V0はノズル出口
の押出線速度(m/min)、V1は引取線速度
(m/min)〕は、任意で良いが好ましくは1.00≦
f≦3.50にするのが好ましい。多段延伸を行なう
場合、各段の延伸倍率は各段での白濁開始倍率よ
り0.2〜0.5倍低くなる様に設定し、延伸温度は、
第1段延伸を100℃以下、第2段以降の延伸を100
℃以上にすることが適当である。 本発明の製造方法によれば、従来のモノフイラ
メントノズルを使用する方法では到底できなかつ
た高強力且高デニールモノフイラメントの製造
が、従来のプロセスをほとんど変えることなく、
可能になつたばかりでなく、製造時の糸ゆれがほ
とんどなく、又高倍率延伸を行なつても割裂しな
いという数々の効果を発揮する。特に製品デニー
ルには制限はないが、400デニール以上の製品を
得る場合に大きな効果を発揮する。 又本発明の製造方法により得られたフイラメン
トは、高強力且高デニールのものであるばかりで
なく、柔軟性に富み、又適当な割裂前の強度を有
しているので、撚糸にした場合でも毛羽立ちが少
ない。 以下に本発明を実施例、比較例を挙げて更に詳
細に説明する。 実施例1〜2、比較例1〜5 下記に示す条件下で、メルトインデツクス
(JISK6760)0.51g/min、密度0.953g/cm2の高
密度ポリエチレンを、第1表に示すノズルを使用
して、溶融押出し急冷後、多段延伸して糸を製造
した。得られた結果は第2表に示す通りである。
なお、下記条件は各実施例、各比較例とも共通で
ある。又当該ノズルの形状は楕円である。 押出機:50m/mφ L/D=24 スクリユウ:圧縮比4.0 ブレーカープレート:2.0φ×130H スクリーンパツク:80、100、120、150、100メツ
シユ計5枚 押出機温度:C1160 C2250 C3290 D1290 D2290
(℃) エアーギヤツプ:8cm 冷却槽温度:15℃ 延伸温度:第1段 100℃ 湿式 第2段 115℃ 加熱ロール 第3段 115℃ 加熱ロール 第4段 140℃ 加熱ロール 生産量:20Kg/Hr〜40Kg/Hr ワインダー錘数:30錘 モノフイラメント 物性測定方法:JISL 1070
1073による。
る。更に詳しくは、熱可塑性樹脂を特定のノズル
より溶融押出し延伸することにより、高強力且高
デニールのモノフイラメントを製造する方法に関
する。 従来、一般モノフイラメントの成形は、熱可塑
性樹脂を断面形状が真円のノズルより溶融押出
し、通常、冷却水槽中を通過させ、あるいは、必
要に応じて処理浴を用いて固定させ原糸を作り、
これを使用樹脂に応じた最適な温度で3〜10倍の
低倍率延伸を行なつて製造され、400デニールの
製品で直線強度として2g/d〜7g/dのもの
が得られている。 更に高強力モノフイラメントの成形に至つて
は、11〜20倍の高倍率延伸を行なつて、直線強度
12g/d以上(400デニール以下)のものが得ら
れている。この場合、高倍率延伸を行なう為、
400デニールの製品を得ようとすると、未延伸糸
繊度が、一般モノフイラメント成形時と比較して
倍近くになり、冷却時にフイラメント内部の熱収
縮のズレによる真空気泡が発生しやすくなり、こ
の気泡によつて延伸切れを招くという結果をもた
らす。 更に、800デニール以上の高強力・高デニール
糸に至つては、未延伸糸繊度は一般モノフイラメ
ント成形時の数倍にも及び、真空気泡の多発によ
り、ほとんど紡糸不能の状態となる。 紡糸冷却時に発生する真空気泡を解消させる対
策としては、例えば、特公昭51−32724号公報に
は「押出ノズル孔の長軸aと短軸bの比(a/
b)が1.8〜4.0、面積πabが3.14mm2以上からなるノ
ズルを、ノズル基盤の円線上に該押出ノズル孔の
長軸を合致させて数個等間隔に配設してなる太デ
ニールのモノフイラメント成形製造用ノズル」な
る発明が、又特公昭55−3442号公報には「ポリオ
レフイン系合成樹脂より1000〜10000デニールの
モノフイラメントを製造する際に、長辺と短辺の
比が2:1〜5:1になるような長方形様断面図
を有するノズルを使用することを特徴とするポリ
オレフイン系合成樹脂モノフイラメントの製造方
法」なる発明が記載されている。 これらの従来技術に共通していることは、これ
らのノズルを使用し、10〜12倍程度の延伸によつ
て高々直線強度6〜7g/d、10000d程度の製
品しか得られない点である。 これを直線強度12g/d以上の高強力糸を得る
ために、更に高倍率延伸を施すことは、以上の技
術では真空気泡を解消させるのに限界があり、延
伸切れが多発するほか、紡糸部の糸ゆれ、高倍率
延伸時のフイラメントの白濁等のトラブルを生
じ、高強力・高デニール糸を得ることは不可能で
ある。 一方、高デニール化に対する従来技術として
は、特公昭56−48607号公報や実公昭46−31966号
公報などの発明、考案にみられる様に連結繊維が
ある。ところが、以上の連結繊維の製造技術では
やはり12倍以下の延伸のみが可能であり、20倍程
度の高倍率延伸を行なつた場合、連結糸がスプリ
ツト(割裂)するという致命的な欠点を有するこ
ととなる。 本発明は、上述の事情を改善すべく種々研究の
結果、到達したもので高強力・高デニールモノフ
イラメントの製造方法を提供することを目的とす
る。 即ち、本発明は、熱可塑性樹脂を、押出ノズル
孔の長軸aと短軸bの比(a/b)が1〜2、断
面積π/4abが3.14mm2未満からなる単孔を、短軸b 方向に重ね間隔が0.1b〜0.3bで複数個重ね合せた
ノズルより溶融押出し、該押出物を延伸すること
を特徴とするモノフイラメントの製造方法に存す
る。 本発明が適用される熱可塑性樹脂とは、溶融紡
糸可能なもの、例えば、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等であれば特
に制限はないが、特に高密度ポリエチレンで、メ
ルトインデツクスが0.1g/10min.〜2.0g/
10min.、密度が0.950〜0・960g/cm2位のものが
好ましい。かかる樹脂は、異種モノマーとの共重
合体であつても良く、又必要に応じて、抗酸化
剤、滑剤、紫外線吸収剤、艶消剤、安定剤、着色
剤、発泡剤、難燃剤等を含んでいてもよい。 次に、本発明の製造方法に使用されるノズルに
ついて図示の実施例に基づいて説明する。 第1図は、本発明の製造方法に使用されるノズ
ルの要素となる単孔の原理図(断面形状図)を例
示する。第2図は、本発明の製造方法に使用され
るノズルの一実施態様を示す原理図であつて、当
該ノズルはその要素である単孔2個を重ね合せて
成り、夫々の単孔の断面形状は長軸aと短軸bの
比(a/b)が2.0以下、面積π/4abが3.14未満を 満足する限り特に問題はないが、(a/b)が2.0
を越えるものは、単孔それ自身がかなり偏平にな
るうえに、複数個重ね合わせると薄く割裂しやす
いモノフイラメントとなり、成形時に紡糸部の糸
ゆれの問題や延伸時のフイラメントのねじれ等の
トラブルが生じやすくなる。同時に断面積が3.14
mm2以上になると、複数個重ね合せることによつ
て、紡糸圧力が十分得られず、ノズル直下で切れ
やすくなり、収率が要くなる。 この為、本発明の製造方法で使用されるノズル
の要素となる単孔は、長軸aと短軸bの比(a/
b)が1〜2、断面積が3.14mm2未満を満足する必
要がある。特にa/bが1.2〜1.6の楕円又は長円
が好ましい。尚第2図では一方の単孔の長軸をa
とし、又他方の単孔の長軸をa′として示した。同
様に以下説明する第3図でも単孔の長軸をa,
a′,a″で示し、又重ね間隔もd,d′で示した。 本発明の製造方法で使用されるノズルは、これ
らの単孔を短軸b方向に、第2図及び第3図に示
す様に重ね間隔dあるいはd′が0.1b〜0.3bの長さ
で、複数個(第3図の実施例では3個)重ね合せ
て成る。茲に重ね間隔d及びd′は0.1b〜0.3bの条
件を満足する限り、dとd′とが相異つていても又
同じであつてもよいが、通常d=d′であることが
好ましい。 本発明に於いては、単孔を短軸b方向に重ね合
さず、第4図に示す様に長軸a方向に重ね合せる
と、得られたモノフイラメントは極度に偏平にな
るので、通常の意味でのモノフイラメントとして
の定義、用途にはずれることが多いので除外し
た。同時に0.1b〜0.3bの間隔dで重ね合せること
が必要であり、この場合0.1b未満であると、高倍
率延伸時に割裂しやすくなる。又0.3bを超える
と、冷却工程時に真空気泡が発生しやすくなり、
延伸切れが多くなる。 又単孔を重ね合せる個数は、限定されないが、
一般には10個以下、特に、高強力モノフイラメン
トを得たい場合は2〜3個が好ましい。 更に、ノズル孔配列は任意でよいが、特にノズ
ル基盤の円線上に押出ノズル孔の短軸線bを合致
させて等間隔に配設することが好ましい。これの
逆に配列すると、未延伸糸の冷却工程時の熱収縮
のズレを解消させる効果が小さくなるためであ
る。 本発明に於いては、上記したノズルより押出さ
れた樹脂は、通常冷却水槽中を通過させ、あるい
は必要に応じて処理浴を用いて固化させ、原糸を
作り、これを使用樹脂に応じた最適な温度で高倍
率延伸を行なう。高倍率延伸は、一段で湿式であ
つても良いし、加熱ロール方式、熱板式、加熱空
気浴式を用いても良く、又、これらのいづれの組
合せによる多段延伸であつても良い。 延伸倍率は、出来上つた繊維状物質の直線強度
に最も重大な影響を与えるが、本発明の方法に於
て、高倍率延伸が可能となり、結果的に高強力フ
イラメントが得られる。又、結節強度は、同一延
伸倍率の比較では、30〜50%高く、伸度も大き
い。 ドラフト比f〔f=V1/V0、V0はノズル出口
の押出線速度(m/min)、V1は引取線速度
(m/min)〕は、任意で良いが好ましくは1.00≦
f≦3.50にするのが好ましい。多段延伸を行なう
場合、各段の延伸倍率は各段での白濁開始倍率よ
り0.2〜0.5倍低くなる様に設定し、延伸温度は、
第1段延伸を100℃以下、第2段以降の延伸を100
℃以上にすることが適当である。 本発明の製造方法によれば、従来のモノフイラ
メントノズルを使用する方法では到底できなかつ
た高強力且高デニールモノフイラメントの製造
が、従来のプロセスをほとんど変えることなく、
可能になつたばかりでなく、製造時の糸ゆれがほ
とんどなく、又高倍率延伸を行なつても割裂しな
いという数々の効果を発揮する。特に製品デニー
ルには制限はないが、400デニール以上の製品を
得る場合に大きな効果を発揮する。 又本発明の製造方法により得られたフイラメン
トは、高強力且高デニールのものであるばかりで
なく、柔軟性に富み、又適当な割裂前の強度を有
しているので、撚糸にした場合でも毛羽立ちが少
ない。 以下に本発明を実施例、比較例を挙げて更に詳
細に説明する。 実施例1〜2、比較例1〜5 下記に示す条件下で、メルトインデツクス
(JISK6760)0.51g/min、密度0.953g/cm2の高
密度ポリエチレンを、第1表に示すノズルを使用
して、溶融押出し急冷後、多段延伸して糸を製造
した。得られた結果は第2表に示す通りである。
なお、下記条件は各実施例、各比較例とも共通で
ある。又当該ノズルの形状は楕円である。 押出機:50m/mφ L/D=24 スクリユウ:圧縮比4.0 ブレーカープレート:2.0φ×130H スクリーンパツク:80、100、120、150、100メツ
シユ計5枚 押出機温度:C1160 C2250 C3290 D1290 D2290
(℃) エアーギヤツプ:8cm 冷却槽温度:15℃ 延伸温度:第1段 100℃ 湿式 第2段 115℃ 加熱ロール 第3段 115℃ 加熱ロール 第4段 140℃ 加熱ロール 生産量:20Kg/Hr〜40Kg/Hr ワインダー錘数:30錘 モノフイラメント 物性測定方法:JISL 1070
1073による。
【表】
【表】
上記第2表に示す結果から次のことが判る。
即ち、比較例1は、従来の断面積が本発明の範
囲を逸脱し、しかも単孔を重ねないノズルを使用
する為、ノズル下及び延伸時に糸切れが発生し、
得られたサンプル糸の強度も低い。比較例2は、
従来の連結繊維用ノズルである為、高倍率延伸時
に延伸糸が割裂し、サンプリングは不能である。
比較例3では、各単孔を長軸a方向に重ね合せた
ノズルである為、非常に糸ゆれが大きく、糸同志
が交差し、紡糸不能である。比較例4は、各単孔
のa/bが2.0を越える為、やはり糸ゆれや、フ
イラメントのねじれが多発し、サンプリング不能
である。比較例5は、各単孔の断面積π/4abが 3.14mm2を越える為、ノズル切れが多発し、紡糸不
能である。 従つて実施例1〜2のノズルを用いることにお
いて、高強力・高デニールモノフイラメントの製
造が可能となる。
囲を逸脱し、しかも単孔を重ねないノズルを使用
する為、ノズル下及び延伸時に糸切れが発生し、
得られたサンプル糸の強度も低い。比較例2は、
従来の連結繊維用ノズルである為、高倍率延伸時
に延伸糸が割裂し、サンプリングは不能である。
比較例3では、各単孔を長軸a方向に重ね合せた
ノズルである為、非常に糸ゆれが大きく、糸同志
が交差し、紡糸不能である。比較例4は、各単孔
のa/bが2.0を越える為、やはり糸ゆれや、フ
イラメントのねじれが多発し、サンプリング不能
である。比較例5は、各単孔の断面積π/4abが 3.14mm2を越える為、ノズル切れが多発し、紡糸不
能である。 従つて実施例1〜2のノズルを用いることにお
いて、高強力・高デニールモノフイラメントの製
造が可能となる。
第1図は、ノズルの要素となる単孔の断面形状
図である。aは長軸、bは短軸の長さ及び軸を表
わす。第2図及び第3図は、本発明のノズルの一
実施態様を示す原理図である。d,d′は重ね間隔
を表わす。第4図は、各単孔を、長軸a方向に重
ね合せた場合の断面形状図である。
図である。aは長軸、bは短軸の長さ及び軸を表
わす。第2図及び第3図は、本発明のノズルの一
実施態様を示す原理図である。d,d′は重ね間隔
を表わす。第4図は、各単孔を、長軸a方向に重
ね合せた場合の断面形状図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性樹脂を、押出ノズル孔の長軸aと短
軸bの比(a/b)が1〜2、断面積π/4abが 3.14mm2未満からなる単孔を、短軸b方向に重ね間
隔が0.1b〜0.3bで複数個重ね合せたノズルより溶
融押出し、該押出物を延伸することを特徴とする
モノフイラメントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3633182A JPS58156010A (ja) | 1982-03-10 | 1982-03-10 | 高強力・高デニ−ルモノフイラメントの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3633182A JPS58156010A (ja) | 1982-03-10 | 1982-03-10 | 高強力・高デニ−ルモノフイラメントの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58156010A JPS58156010A (ja) | 1983-09-16 |
JPH02446B2 true JPH02446B2 (ja) | 1990-01-08 |
Family
ID=12466844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3633182A Granted JPS58156010A (ja) | 1982-03-10 | 1982-03-10 | 高強力・高デニ−ルモノフイラメントの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58156010A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04132246U (ja) * | 1991-01-31 | 1992-12-07 | 株式会社椿本チエイン | オートテンシヨナのピストンロツド仮止め機構 |
EP2165830A1 (en) | 2008-09-22 | 2010-03-24 | Fujifilm Corporation | Lithographic printing plate precursor and printing method using the same |
EP2168767A1 (en) | 2008-09-24 | 2010-03-31 | Fujifilm Corporation | Method of preparing lithographic printing plate |
EP3086176A1 (en) | 2005-02-28 | 2016-10-26 | Fujifilm Corporation | A lithographic printing method |
-
1982
- 1982-03-10 JP JP3633182A patent/JPS58156010A/ja active Granted
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04132246U (ja) * | 1991-01-31 | 1992-12-07 | 株式会社椿本チエイン | オートテンシヨナのピストンロツド仮止め機構 |
EP3086176A1 (en) | 2005-02-28 | 2016-10-26 | Fujifilm Corporation | A lithographic printing method |
EP3086177A1 (en) | 2005-02-28 | 2016-10-26 | Fujifilm Corporation | Method for preparing a lithographic printing place precursor |
EP2165830A1 (en) | 2008-09-22 | 2010-03-24 | Fujifilm Corporation | Lithographic printing plate precursor and printing method using the same |
EP2168767A1 (en) | 2008-09-24 | 2010-03-31 | Fujifilm Corporation | Method of preparing lithographic printing plate |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58156010A (ja) | 1983-09-16 |
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