JPH0240621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は回転磁気シート装置に係り、特に電子
式スチルカメラ等の磁気記録装置若しくは再生装
置として用いられる回転磁気シート装置に関す
る。

〔考案の背景〕

最近、固体撮像素子や撮像管等の撮像装置と、
記録媒体として安価で比較的記憶容量の大きな磁
気デイスクを用いた記録装置とを組合せて被写体
を純電子的にスチル撮影して回転する磁気シート
に記録し、画像の再生は別段のテレビジヨンシス
テムやプリターなどで行なう電子式スチルカメラ
システムが開発され、大きく注目されている。

かかるシステムに用いられる磁気シートは通常
シートパツクの形態で用いられる。シートパツク
はその内部に静止画像情報等を磁気記録する磁気
シートが回転可能に収納され、このシートパツク
は電子カメラ内に組み込まれた回転磁気シート装
置に装着して使用される。

ところで、この種のシートパツクは、磁気ヘツ
ドが挿入される前記窓部に開閉自在なシヤツタを
設け、回転磁気シート装置に挿入して磁気記録再
生する以外の場合はシヤツタにより窓部を閉じて
防塵対策手段としている。そしてこのようなシヤ
ツタはシートパツクの回転磁気シート装置への挿
入・排出動作に連動して開閉するようにしてい
る。例えば実開昭58−94181号公報の明細書に開
示されている回転磁気シート装置では、回転磁気
シート装置側に係合突起を備えた保持レバーを設
け、シートパツクを挿入すると保持レバーの係合
突起がシヤツタの係止孔と係合しシートパツクの
挿入動作と連動してシヤツタを開き、シートパツ
クの排出動作と連動してシヤツタを閉じるように
している。

一方、シートパツクでは磁気記録・再生時以外
にシヤツタがスライドして不用意に開かないよう
にロツク機構を備えたものがある。

〔考案の目的〕

本考案はこのようなロツク機構を備えたシート
パツクのシヤツタを確実に開閉することができ、
特にシートパツクを完全挿入前に引抜いてもシー
トパツクはシヤツタが必ず閉状態で排出される回
転磁気シート装置を提案することを目的としてい
る。

〔考案の概要〕

本考案は前記目的を達成する為に、シヤツタ開
閉装置が、シートパツクの挿入時にはシートパツ
クに設けられたシヤツタを窓部閉位置にロツクす
るためのロツク部材を解除するとともに前記シヤ
ツタを窓部開位置に開放するロツク解除部と、シ
ートパツクの排出時には前記シヤツタを窓部開位
置から閉位置に閉止するシヤツタ閉止部と、シー
トパツクの挿入又は排出を検知して前記シヤツタ
閉止部を前記シヤツタに当接又は退避させるシー
トパツク検知部とが一体的に動作するように構成
されていることを特徴としている。

〔実施例〕

以下添付図面に従つて本考案に係る回転磁気シ
ート装置の好ましい実施例を詳説する。

第１図では電子カメラ等の磁気記録若しくは再
生装置に使用されるシートパツクの平面図が示さ
れ、第２図はその断面図である。第１図に示すよ
うにシートパツク１０は略方形状に構成され、そ
の内部に静止画像情報等が記録される磁気シート
１２が回転自在に収納されている。磁気シート１
２の中央部には補強部材としてのセンタコア１４
が設けられており、このセンタコア１４はシート
パツク１０の円形状の開口部１６から外部に露出
している。シートパツク１０には後述する磁気ヘ
ツドが位置する窓部１８が開口し、この磁気ヘツ
ド用窓部１８はスライド可能なシヤツタ２０によ
り開閉される。即ち、シヤツタ２０は略コ字形に
折曲形成され、シートパツク１０の一方の側縁
（第１図では右側）から挟んで摺動自在に取付け
られている。シヤツタ２０はシートパツク１０が
後述するインナバケツトに挿入される前には窓部
１８を閉じて磁気シート１２に塵埃が付着するの
を防止し、シートパツク１０がインナバケツトに
挿入されるとシヤツタ２０は第１図上で下方向に
移動しヘツド用窓部１８を開放させ、磁気シート
１２への記録再生が可能となる。

シートパツク１０には、第３図に示すようにシ
ヤツタ２０のロツク部材２１が設けられ、ロツク
部材２１には凹部２１Ａが形成されている。一方
シヤツタ２０には、切起しによつて内方へ突出し
た凸部２０Ａが形成されている。ロツク部材２１
は、それ自身で弾性力を持ち、常態ではシートパ
ツク１０の側溝１０Ａに位置し、シヤツタ２０の
閉位置でシヤツタ２０の凸部２０Ａが嵌入してシ
ヤツタ２０をロツクする。第１図に於いてシート
パツク１０のシヤツタ２０の反対側側端には係止
用の凹部２２が形成され、この凹部２２は後述す
るようにインナバケツトに挿入する際にシートパ
ツク１０の仮止めに用いられる。尚、シートパツ
ク１０に於いて、符号１０Ｂで示す部分はシート
パツク挿入時の方向指示面である。

第４図では本実施例に係る回転磁気シート装置
が示され、本実施例は回転磁気シート装置の本体
２４、インナバケツト２６、上蓋２８から構成さ
れている。先ず装置本体２４の内部構造について
説明すると、装置本体２４内には磁気シート駆動
用のモータ３０が配設され、このモータ３０の駆
動軸３２は第１図に示すシートパツク１０のセン
タコア１４の中心孔１５に嵌入し、シートパツク
１０内で磁気シート１２を所定回転数で回転させ
る。また第４図に於いて３４は磁気ヘツドの送り
用モータ、３６はこのモータ３４の出力軸に連結
されたリードスクリユウ、３８はこのリードスク
リユウ３６に螺合すると共にガイドシヤフト４０
によつて案内されて移動されるヘツドキヤリツ
ジ、４２はヘツドキヤリツジ３８上に設けられた
磁気ヘツドである。従つてモータ３４が所定回転
数ごとに回転されると、ヘツドキヤリツジ３８は
リードスクリユウ３６の回転によつてガイドシヤ
フト４０の軸線方向に所定ピツチごとに移動さ
れ、従つて磁気ヘツド４２は磁気シート１２の半
径方向（図上Ａ方向）に移動し、磁気シート１２
上に静止画像情報を１トラツクごとに記録あるい
は再生することができる。

装置本体２４の端部にはブラケツト４４，４４
が設けられこのブラケツト４４，４４にはピン４
６を介してインナバケツト２６と上蓋２８とが枢
支されている。上蓋２８は図に示すようにインナ
バケツト２６を収納可能な形状に構成されてい
る。本体２４と上蓋２８との間並びに上蓋２８と
インナバケツト２６との間には図示しないスプリ
ングが配設され、従つて第４図に示すように上蓋
２８を開放した状態に於いてはインナバケツト２
６は装置本体２４並びに上蓋２８とから離れイン
ナバケツト２６のシートパツク挿入口４８を開放
する。

インナバケツト２６の第４図上で左端面２６ａ
には軸５０を介して係止部材５２が揺動自在に支
持されている。この係止部材５２には係止爪５４
が突設されており、この係止爪５４はインナバケ
ツト２６の端面２６ａに形成された係止孔５６に
臨んでいる。係止孔５６は、前記シートパツク１
０を完全にインナバケツト２６内に挿入した状態
でシートパツク１０の係止凹部２２と対応する位
置に形成されている。この係止部材５２はその係
止爪５４がシートパツク１０の係止凹部２２内に
位置してシートパツク１０をインナバケツト２６
内に係留する。

一方インナバケツト２６の他方の側端部２６ｂ
にはシヤツタ開閉爪６０が設けられる。即ちシヤ
ツタ開閉爪６０は第５図に示すように軸６２を中
心に揺動自在に設けられ、第５図上で上側から先
端触子部６４、ロツク解除部６６、シヤツタ閉止
部６８が形成されている。インナバケツト２６の
先端部２６ｂには先端触子部６４に対応する位置
に開口部７０が形成され、またロツク解除部６６
に対応する位置に開口部７２が形成され、更にシ
ヤツタ閉止部６８に対応する位置に開口部７４が
形成されている。インナバケツト２６の側端部２
６ｂにはねじりバネ７６が設けられ、このバネ７
６によりシヤツタ開閉爪６０は軸６２を中心に第
５図上で反時計方向に付勢されている。従つてシ
ヤツタ開閉爪６０はシートパツク１０と当接する
前においては、バネ７６の付勢力により先端触子
部６４は開口部７０から突出しシートパツク１０
の挿入域に臨み、またシヤツタ閉止部６８は開口
部７４から外れ、シートパツク１０の挿入域から
退避している。

前記の如く構成された本考案に係る回転磁気シ
ート装置の実施例の作用は次の通りである。先
ず、シートパツク１０をローデイングするには第
４図に示す上蓋２８の開状態でシートパツク１０
をインナバケツト２６内に挿入する。シートパツ
ク１０がインナバケツト２６内に挿入されると、
シートパツク１０はインナバケツトの両側縁にガ
イドされ方向指示面１０Ｂを第５図上で右上にし
て挿入される。シートパツク１０の挿入の際には
先端触子部６４がシートパツク１０の方向指示面
１０Ｂに当接する前に於いては第５図に示すよう
にバネ７６の付勢力によりシヤツタ閉止部６８は
シートパツク１０の挿入域から退避しているので
シートパツク１０と非接触状態にある。シートパ
ツク１０が挿入されシートパツク１０の方向表示
面１０Ｂが先端触子部６４に当接し、この先端触
子部６４が方向指示面１０Ｂを乗り上げ、シート
パツク１０の側縁に当接すると、この状態ではシ
ヤツタ開閉爪６０はバネ７６の付勢力に抗して時
計方向に回動し、シヤツタ閉止部６８がシヤツタ
２０の保持孔２０Ｂに嵌入する。シートパツク１
０が更に挿入されるとロツク解除部６６はシート
パツク１０側の第３図で示したロツク部材２１と
当接し、ロツク部材２１を内側に押圧して弾性変
形させ、ロツク部材２１とシヤツタ２０の凸部２
０Ａとのロツク関係を解除する。従つてこの状態
ではシヤツタ２０はロツク部材２１に拘束される
ことなくフリーな状態となつている。

この状態で更にシートパツク１０を押し進める
と、シヤツタ２０はシートパツク１０に対してフ
リーであり、しかもシヤツタ開閉爪６０のロツク
解除部６６がシヤツタ２０の上端部２３に当接し
ているので、第６図に示すようにシヤツタ２０の
みがシヤツタ開閉爪６０のロツク解除部６６によ
つて保持されることになり、シヤツタ２０はシー
トパツク１０の側縁を相対的に摺動し、シートパ
ツク１０がインナバケツト２６内に完全に押込ま
れることによつてシヤツタ２０は完全に開放され
る。

シートパツク１０をインナバケツト２６内に完
全に挿入するとシートパツク１０は係止爪５４に
よりインナバケツト２６内で仮止めされる。次に
この状態で上蓋２８を本体２４に向けて押し下げ
てゆくと、センタコア１４が駆動軸３２に装着さ
れ、磁気シート１２は駆動軸３２によつて回転さ
れる。

一方シートパツク１０をインナバケツト２６か
ら排出するには、上蓋２８を本体２４から開放
し、シートパツク１０を図示しないエジエクト機
構により第５図上で下方向に移動させると、シヤ
ツタ２０の保持孔２０Ｂ内上端部２５シヤツタ開
閉爪６０のシヤツタ閉止部６８が当接し、シヤツ
タ２０はシヤツタ開閉爪６０のシヤツタ閉止部６
８によつて保持されることになる。再びシートパ
ツク１０の側縁上を相対的に摺動し、窓部１８の
位置に移動する。この位置において第５図に示す
ようにシヤツタ開閉爪６０の先端触子部６４はシ
ートパツク１０の側縁から外れ、方向指示面１０
Ｂからすべり落ちた位置にあり、この位置ではシ
ヤツタ閉止部６８はシヤツタ２０の保持孔２０Ｂ
から外れ、この時にはロツク解除部６６はロツク
部材２１との押圧状態が解除されている。これに
よりロツク部材２１はその弾性力により再びシー
トパツク１０の側縁１０Ａに位置し、シヤツタ２
０の凸部２０Ａが凹部２１Ａに嵌入し、シヤツタ
２０はシートパツク１０の窓部閉位置に於いてロ
ツクされることになる。

次にシートパツク１０がインナバケツト２６内
に挿入途中状態で引き出された場合についての作
用について説明する。シートパツク１０が挿入さ
れ、先端触子部６４が方向指示面１０Ｂを乗り上
げると、先ずシヤツタ閉止部６８がシヤツタ２０
の保持孔２０Ｂに嵌入する。したがつて挿入途中
状態に於いてシートパツク１０を引き抜くような
場合に於いても、シートパツク１０は完全挿入状
態から引き抜くと同様にシヤツタ２０はシートパ
ツク１０の側縁を摺動し、シヤツタ２０は窓部１
８を閉じる。この為、シートパツク１０を挿入途
中状態で引抜くような場合にも、窓部１８が開い
て排出されるようなことはない。

第７図では本考案に係る他の実施例の構造が示
されている。第７図に於いて第５図で示した実施
例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明
は省略する。第７図に於いてシヤツタ開閉爪６０
の回動中心孔は長孔８０として形成され、その長
孔８０内に中心軸６２が位置している。これによ
りシヤツタ開閉爪６０は全体として一方向に、即
ち第７図上で左方向に付勢され、シートパツク１
０はインナバケツト２６内に於いてシヤツタ開閉
爪６０の先端触子部６４とロツク解除部６６とに
より一方向に押圧されていることになる。これに
よりシートパツク１０がインナバケツト２６内で
がたつくようなことはなく、インナバケツトへの
挿入並びに排出動作においてシートパツク１０は
インナバケツト２６の側縁でガイドされ係止爪５
４との係合不良若しくはシヤツタ開閉爪６０との
係合不良のようなことが発生するようなことはな
い。

前記実施例ではシヤツタ開閉爪６０に、ロツク
解除部６６、シヤツタ閉止部６８を一体形成した
のであるが、ロツク解除部６６、シヤツタ閉止部
６８をシヤツタ開閉爪６０と別体に形成し、これ
をシヤツタ開閉爪６０に取付けて構成してもよ
い。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係る回転磁気シー
ト装置によれば、シヤツタ開閉爪にシヤツタのロ
ツク部材のロツクを解除すると共にシヤツタを開
放するロツク解除部及びシートパツク挿入時にシ
ートパツクのシヤツタとの係合位置に達しシート
パツクの排出時排出動作と連動してシヤツタを閉
じた後シヤツタとの係合を解除するシヤツタ閉止
部を設けているので、シートパツクを回転磁気シ
ート装置から挿入途中で引き抜くようなことがあ
つても、シヤツタは常にシヤツタ開閉爪のシヤツ
タ閉止部と係合状態にあるので、シートパツクが
シヤツタを開いたまま回転磁気シート装置から排
出されるようなことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例で用いられるシートパツクの
平面図、第２図はシートパツクの断面図、第３図
はシートパツクのロツク部材を示す一部拡大断面
図、第４図は回転磁気シート装置の全体構造を示
す斜視図、第５図並びに第６図は本実施例の要部
を示す断面図、第７図は他の実施例の要部を示す
断面図である。 １０……シートパツク、１２……磁気シート、
１４……センタコア、２０……シヤツタ、２１…
…ロツク部材、２４……回転磁気シート装置の本
体、２６……インナバケツト、２８……上蓋、６
０……シヤツタ開閉爪、６４……先端触子部、６
６……ロツク解除部、６８……シヤツタ閉止部、
７６……ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気ヘツドが挿入される窓部とこの窓部を開閉
   するためのシヤツタとを有するシートパツクを受
   け入れるバケツトと、このバケツトにシートパツ
   クを挿入することによつて前記シヤツタを開放さ
   せ、バケツトからシートパツクを排出することに
   よつて前記シヤツタを閉止させるためのシヤツタ
   開閉装置とを備えた回転磁気シート装置におい
   て、前記シヤツタ開閉装置は、 シートパツクに設けられた前記シヤツタを窓部
   閉位置にロツクするためのロツク部材を解除する
   とともに前記シヤツタを窓部開位置に開放するロ
   ツク解除部と、 前記シヤツタの保持孔と嵌合し前記シヤツタを
   窓部開位置から閉位置に閉止するシヤツタ閉止部
   と、 シートパツクの挿入又は排出を検知して前記シ
   ヤツタ閉止部を前記シヤツタに当接又は退避させ
   るシートパツク検知部とから構成され、 磁気シートパツクが挿入されると、前記シヤツ
   タ閉止部は、シヤツタの保持孔と嵌合し、その後
   ロツク解除部が前記ロツク部材を解除することを
   特徴とする回転磁気シート装置。