JPH0233440B2

JPH0233440B2 -

Info

Publication number: JPH0233440B2
Application number: JP56074676A
Authority: JP
Inventors: Michio Itoi
Original assignee: SERUHOORU KOGYO KK
Current assignee: SERUHOORU KOGYO KK
Priority date: 1981-05-18
Filing date: 1981-05-18
Publication date: 1990-07-27
Also published as: JPS57190697A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、産業排水やシ尿等の高濃度廃水をは
じめとする汚水処理に用いる散気装置に関する。

一般に下水や排水等の汚水は活性汚泥曝気槽に
貯水され、該曝気槽内に沈設された散気装置か
ら、噴射された空気により、活性汚泥に付着した
汚水中の汚濁物質を、栄養源として前記活性汚泥
に吸収酸化せしめることで浄化処理がなされてい
る。

第１図は、かかる従来の散気装置の断面図であ
る。図中、１は散気部、２は多数の小孔３が形成
された多孔質板、４は枝管であり、図示しないコ
ンプレツサーに一端が接続された送気管に連通し
ており、該枝管４に形成した穴部４ａには散気部
１の根元部１ａが組み込まれている。

前記多孔質板２の小孔３は、該小孔３の直径が
100乃至400μm程度で比較的大きいため、汚濁物
質が該小孔３内部に侵入し目づまりを起し易く、
再使用が不可能になり易い欠点があつた。しかも
該目づまりを防止するために、コンプレツサーよ
り多孔質板２へ送る単位面積あたりの風量を、
100ml／min・cm²以上にしなければならず、この
風量では気泡の分散性を低め且つ大型コンプレツ
サーを必要とするので大量の電力を消費するた
め、近年の省エネルギーに相反するものであつ
た。さらに前記100ml／min・cm²以上の風量のも
とでは、前記小孔３より散気すると、一つの小か
ら出た気泡５ａと該小孔に隣接する他の小孔から
出た気泡５ｂとが併合して、大きな気泡５ｃを形
成するいわゆる合泡現象を生じ易い。この合泡現
象が生じると理想の微細気泡を発生できず、汚濁
物質の浄化に利用される酸素の割合、即ち酸素溶
解効率が低下し、高々10％未満となり効率の良い
汚水処理を行なうことができない。又、多孔質板
２は単層に形成されているので、耐久性を保持し
且つ微細気泡を得るためには、該多孔質板の厚み
を相当厚くしなければならず、その結果ブロアに
多大なエネルギーロスを生じる。

以上から本発明は、散気装置の目づまりを防止
できると共に電力消費量を低減でき、しかも合泡
現象を無くせ、更には耐久性を維持しながら圧力
損失を低減せしめる散気装置を提供することを目
的とする。

以下、本発明の一実施例を図面をもちいて詳細
に説明する。

第２図は汚水処理装置の断正面図、第３図は本
発明による散気部の断側面図、第４図は散気部内
における空気の通過過程を示す断面図、第５図は
保護用ネツトの正面図である。

第２図において、１１は曝気槽で該曝気槽１１
内には活性汚泥及び汚濁物水溶液等の混合液体１
２が貯えられている。１３は曝気槽１１内の底部
に沈設された散気装置で、コンプレツサー１４に
より加圧された空気が、送気管１５を通つて圧送
される。尚、送気管１５を通つて圧送されてきた
空気は、該送気管に接続された集合管１６及び該
集合管１６より導出した枝管１７を介して散気部
１８に至り、該散気部表面より気泡流となつて前
記混合液体１２内に噴射される。

第３図は、本発明による散気装置の拡大断側面
図であり、図中散気部１８は、断面形状が上に開
いた漏斗状を成し、その根元部にはチエツキバル
ブ１９が設けてある。該チエツキバルブ１９は、
矢印Ａ方向への空気の流出は許容するも、逆矢印
A′方向からの水流の流入を防止するためのもの
で、一般にはゴム材等より成り、バネ２０により
矢印A′方向にバイアスされている。２１は、キ
ヤツプ部で後述する複数枚の多孔質板を該キヤツ
プ部内部に把持すると共に散気部１８の本体にネ
ジ止め可能に設けてあり、一方の端部には円形状
のフランジ２２が、他方の端部には複数個の抜け
防止部材２３…が設けてある。２４は平板状の第
一の多孔質体である。該多孔質板２４はプラスチ
ツク等の多孔質で樹脂の粉末、たとえばポリアミ
ド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、塩化ビニール樹脂、ACS樹脂等の熱可塑性
樹脂の粉末を平板状に圧縮成形後、該圧縮成形品
を型に入れたまま窒素ガス等の不活性雰囲気中に
約250℃にて約30分間焼成したもので、第４図に
示すように細かい無数の小孔２４ａ…を備えてい
る。２５は前記第１の多孔質板２４上に配設した
第２の多孔質板である。該第２の多孔質板２５も
前記第１の多孔質板２４と同様に製造されるもの
であるが、該第２の多孔質板２５は、その製造前
の樹脂の粉末を前記第１の多孔質板２４より細か
くしたものである。従つて製造された第２の多孔
質板２５は、第１の多孔質板２４より細かい無数
の小孔２５ａ…を有するものである。

２６は、第２の多孔質板２５上を配設した第３
の多孔質板である。該多孔質板２６も前記各多孔
質板２４，２５と同様に製造されるも、その製造
前の樹脂粉末を第２の多孔質板２５のそれよりも
さらに細かくしたものである。従つて、第３の多
孔質板２６は第２の多孔質板２５よりさらに細か
い無数の小孔２６ａ…を有する。２７は、第３の
多孔質板２６上に配設した多孔質材よりなる不織
布で、該不織布２７の一面（散気表面）にはフツ
素樹脂膜２８がコーテイングされてある。なお、
前記フツ素樹脂膜２８には第４図に示すように細
かい無数の約３乃至5μm程度の小孔２８ａ…が設
けてある。２９は散気表面保護用のネツトであ
り、このネツトは第５図イに示すように十文字状
に形成されている。尚、このネツトは第５図ロ，
ハに示すように、丸にＩ字状に設けてもよい。

さて、前記した多孔質板２４，２５，２６、不
織布２７を散気部１８に内設するには、本体より
キヤツプ部２１を外し、該キヤツプ部のフランジ
２２側に順次、ネツト２９、不織布２７、第３、
第２の多孔質板２６，２５を収納し、最後に第１
の多孔質板２４を内設し、複数個の抜け防止部材
２３…に係止させればよい。この時、抜け防止部
材２３…はフランジ２２側に向つて徐々に突出し
た傾斜面をなつているため、多孔質板の装着作業
は簡単で且つ、簡単には抜けることはない。その
後、キヤツプ部２１を本体にネジ止めすればよい
ものである。

そして、枝管１７より搬送された空気はチエツ
キバルブ１９を押圧し、散気部１８の空気室１８
ａ内に流入し、その後、各多孔質板２４，２５，
２６、不織布２７、フツ素樹脂膜２８を径由して
小さな気泡流となつて混合板１２内に噴射される
ものである。

そこで前記気泡流になる状態について第３図及
び第４図を用いて説明すると、空気室１８ａ（第
３図）内に流入した空気は先づ第１の多孔質板２
４の小孔２４ａに通過する過程で小さな気泡にさ
れる。その気泡は第２の多孔質板２５の小孔２５
ａによりさらに小さい気泡とされ、さらに第３の
多孔質板２６の小孔２６ａによりさらに小さい気
泡となる。そして最後に不織布２７、フツ素樹脂
膜２８の小孔２８ａより噴射されるものであり、
この時気泡は前記各多孔質板２４，２５，２６を
通過する過程で、徐々に細微化されるため、空気
（気泡）の分散性がよく、気泡は従来のような合
泡現象を発生することはない。

また、散気部１８（第３図）への空気の流入が
停止しても、フツ素樹脂膜２８表面に付着した汚
濁物質は、該膜２８に設けた小孔２８ａが非常な
微細孔であるため、内部に侵入することはなく、
目づまりを生じない。また該微細孔内部に侵入す
るものは、完全にろ過された清水に近いものであ
り、該清水は本散気装置において何ら支障をきた
すものではない。さらに膜２８に付着した汚濁物
質は再び気泡Ｂが噴射された時、該気泡により簡
単に剥離するものである。

以上、この発明によれば、散気槽内に存在する
汚濁物質の侵入を防止する機能を果す10μm以下
の小孔径の多孔性の膜を設けて、合泡現象を無く
しかつ電力消費量を高めることなく、酸素溶解効
率を高めて汚水処理を行なうことができる散気装
置を提供できる。従つて前記従来例よりも、極小
な微細気泡を発生でき、これによりコンプレツサ
ーより送られる空気が100ml／min・cm²以下の風
量でも使用可能であり、そのため気泡の分散性を
高め前記酸素溶解効率を倍以上にできる飛躍的成
果をもたらすことができる。また散気部１８への
空気流入を停止しても汚濁物質１２は、フツ素樹
脂膜２８に設けて小孔が極めて微細なために、該
散気部１８内部に侵入することはない。さらに該
散気部表面に付着した汚濁物質には、再び気泡流
Ｏが噴射された時、その分散性により簡単に剥離
する等多大な効果を有するものである。

また前記目づまりによる弊害を完全除去し且つ
気泡の分散特性に優れているので、シ尿や産業排
水等高濃度廃水に格段の威力を発輝し、しかも消
費電力が安価にできる等多大な効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断側面図である。第２図
乃至第５図は、本発明の１実施例を示し、第２図
は汚水処理装置の断正面図、第３図は散気部１８
を示す拡大断側面図、第４図は空気の通過過程を
示す要部断側面図、第５図は保護用ネツトであ
る。図において、１３は散気装置、１８は散気部、
２４，２５，２６は多孔質板、２４ａ，２５ａ，
２６ａは小孔、２７は不織布、２８はフツ素樹脂
膜、２８ａは小孔である。

Claims

【特許請求の範囲】１多孔質板を内設した散気部に空気を圧送し、
該空気を前記多孔質板の小孔を通過せしめて、前
記散気部から散気槽内に微細気泡を生成する散気
装置において、前記散気部は複数枚の多孔質板を
有し、これら各多孔質板の小孔径は、空気流入側
の多孔質板の平均小孔径より空気流出側に向つて
配置された多孔質板の平均小孔径を小さく形成
し、かつこれら多孔質板は順次間隔をおいて配設
せしめられるとともに、空気流出側の最先端に位
置する多孔質板の散気表面側は、前記散気槽内に
存在する汚濁物質の侵入を防止する10μm以下の
小孔径の多孔性の膜で覆われていることを特徴と
する散気装置。２散気表面の多孔性の膜を、不織布とその表面
を覆うフツ素樹脂膜で形成せしめたことを特徴と
する特許請求の範囲第１項記載の散気装置。