JPH02215848A - 耐放射線性ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐放射線性ポリプロピレン系樹脂組成物に関し
、詳しくは放射線、特にＴ線、Ｘ線、電子線等の高エネ
ルギー放射線の照射に対して優れた耐性を有するととも
に、透明性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関す
る。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕一般に
、ポリプロピレン系樹脂は衛生性に優れ、かつその成形
品は内容物を透視しうる半透明性を有しているため、食
品容器、医療器具等に広く利用されている０食品容器、
医療器具等は、その用途の性質上、使用前に滅菌を行な
うことが必要であり、従来から水蒸気を利用した加熱滅
菌、エチレンオキサイドガスを利用するガス滅菌あるい
は過酸化水素による滅菌等が行なわれている。

近年、放射線を照射することにより滅菌を行なう放射線
滅菌法が発達し、短時間でほぼ完全に滅菌できる点で優
れているため、食品容器、医療器具等の滅菌に広く利用
されている。ところが、ポリプロピレン系樹脂は、放射
線に対して耐性が低いため、ポリプロピレン系樹脂を用
いた食品容器や医療器具等に放射線滅菌法を利用すると
、分解。

劣化反応が進行し、黄変を起こして透明性が損なわれ、
また機械的強度等の物性も著しく低下して、それらの容
器等が使用に供し得ないものとなる。

そこで、放射線照射によるポリプロピレン系樹脂の物性
低下を防止するため、種々の安定剤を添加する方法が提
案されている。具体的には、（１）フェノール系、リン
系あるいは硫黄系の化合物を配合する方法（特開昭４９
−３９６３７号公報）、、（２）ヒンダードアミンを配
合゛する方法（特開昭５５−１９１９９号公報）及び（
３）分子量分布を狭くしたポリプロピレン系樹脂に非品
性添加物を配合する方法（米国特許第４２７４９３２号
明細書）などである。

これらの方法により、ある程度は放射線照射によるポリ
プロピレン系樹脂の物性低下は防止できるが、様々な問
題がある０例えば（１）の方法では、変色、耐熱性の低
下、添加物の溶出などが起こり、実用的ではない。（２
）の方法では、毒性物質の溶出やヒンダードアミンが経
時的に成形品表面にブリードするなどの問題がある。さ
らにヒンダードアミン単独の添加では、成形時に分子量
低下などが起こり、得られる成形品の強度が著しく低下
する。

そこで、本発明者らは、放射線照射を行なった場合に、
ポリプロピレン系樹脂の有する耐衝撃性。

剛性、透明性等の物性を実用上支障ない範囲に保持でき
るとともに、安全、衛生上の面でも満足し得るポリプロ
ピレン系樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた。

〔課題を解決するための手段〕

その結果、ポリプロピレン系樹脂に特定のエチレン−α
−オレフィン共重合体を一定範囲で配合して得られる樹
脂組成物が、放射線照射に対して安定であり、目的とす
る物性を備えたものであることを見出した。

本発明はかかる知見に基いて完成したものである。すな
わち本発明は、（ａ）ポリプロピレン系樹脂９５〜９９
．５重量％及び（ｂ）密度０．９１０〜０．９４０ｇ／
ｃｍ３であり、かつ主鎖の炭素原子１０００個当りの側
鎖基数が５〜３０個であるエチレン−α−オレフィン共
重合体５〜０．５重量％からなることを特徴とする耐放
射線性ポリプロピレン系樹脂組成物を提供するものであ
る。

本発明において、（ａ）成分として用られるポリプロピ
レン系樹脂は、特に制限はなく、種々のものを使用する
ことができる。具体的には、プロピレン単独重合体、プ
ロピレン−エチレン共重合体。

プロピレン−α−オレフィン共重合体あるいはこれらの
混合物等である。共重合体は、不規則、交互、ブロック
あるいはグラフト共重合体など特に制限はない、上記プ
ロピレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフ
ィンとしては、ｌ−ブテン、１−ペンテン、１−ヘキセ
ン、４−メチル−１−ペンテンなどが挙げられる。

また、ポリプロピレン系樹脂の分子量についても特に制
限はないが、一般に、数平均分子量が、２０．０００−
１００．０００特に５０．０００〜ａｏ、ｏｏｏのもの
が好適である。

本発明は上述のポリプロピレン系樹脂を（ａ）成分とし
、エチレン−α−オレフィン共重合体を（ｂ）成分とす
る。ここで、エチレン−α−オレフィン共重合体は、密
度０．９１０〜０．９４０　ｇ／ｃｄ、好ましくは０．
９１５〜０．９３０　ｇ／ｃｊであり、かつ主鎖の炭素
原子１０００個当りの側鎖アルキル基数（短鎖分岐数）
が５〜３０個、好ましくは５゜〜２０個である。このエ
チレン−α−オレフィン共重合におけるα−オレフィン
としては、特に制限はなく種々のものが使用できる０例
えは、プロピレン、１−ブテン、４−メチル−１−ペン
テン。

ｌ−オクテン等が挙げられる。

本発明の組成物のΦ）成分であるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体は、所謂直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬ
ＤＰＥ）と称されるものであり、その性状は上記条件を
満たすものであれば、他に特に制限はないが、メルトフ
ロレート（ＭＦＲ）が０．６〜３０ｇ／１０分、特に５
〜２５ｇ／１０分のものが好ましい。

本発明の組成物は、前述の（ａ）ポリプロピレン系樹脂
９５〜９９，５重量％及び上述の（ハ）エチレン−α−
オレフィン共重合体５〜０．５重量％、好ましくは（ａ
）ポリプロピレン系樹脂９６〜９９重量％及び（ｂ）エ
チレン−α−オレフィン共重合体４〜１重量％の割合で
配合される。

ここで、伽）エチレン−α−オレフィン共重合体の配合
割合が、０．５重量％未満では、得られる組成物は放射
線照射後の耐衝撃性が著しく低下して実用に耐えないも
のとなり、また５重量％を超えると透明性が大幅に低下
して好ましくない。

本発明の樹脂組成物は上記成分の他に、必要に応じて、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、顔料９分散
剤、中和剤等を適量添加することができる。具体的には
、酸化防止剤として２，６−ジーｔ−ブチル−ｐ−メチ
ルフェノール、　　ｎ　−オクタデシル−３−（４−ヒ
ドロキシ−３，５−ジーも一ブチルフェニル）プロピオ
ネート、テトラキス〔メチレン−３（３，５−ジーＬ−
ブチルー４−ヒドロキシフェニル）プロピオネートコメ
タン等のフェノール系酸化防止剤、ペンタエリスリトー
ルテトラキス（β−ラウリルチオプロピネート）、ジラ
ウリルチオプロピネート等の硫黄系酸化防止剤などがあ
る。

また、紫外線吸収剤としては、２−ヒドロキシ−４−ｎ
−オクトキシベンゾフェノン、２−　（２’−ヒドロキ
シ−３，５−ジ−ｔ−ブチルフェニル）５−クロロベン
ゾトリアゾール等を挙げることができる。

さらに、紫外線安定剤としては、ビス（２，２゜６−テ
トラメチル−４−ピペリジル）セバケート等が挙げられ
る。

これらの添加量は、放射線照射後の樹脂組成物の物性低
下、衛生面などに影響のない程度とすべきである。

本発明の樹脂組成物は前述のポリプロピレン系樹脂、エ
チレン−α−オレフィン共重合体及び必要により配合さ
れる添加剤の所定量を、ヘンシェルミキサー、その他の
混練機で混合し、均一分散させ゛た後、これを押出機に
より溶融、ベレット化することにより得ることができる
。

〔実施例〕

次に本発明の樹脂組成物を製造し、従来のものと比較を
行なった。

実施例１〜３ エチレン含有量（Ｃｗ）３．０モル％、密度０．９１０
ｇ／ａｉ、ＭＦＲ２５ｇ／１０分のプロピレン重合体と
、密度０．９１６　ｇ　／ｃｄ、側鎖基数（分岐度）が
主鎖の炭素原子１０００個あたり２０個のエチレン−１
−ブテン共重合体を表１に示す配合量で配合し、これを
押出機中２３０°Ｃにて、窒素雰囲気下３分間融解混練
し、ペレ・ントを成形した。

得られたベレットを射出成形機にて２００°Ｃで平板（
１３０Ｘ１３０Ｘ２ｍｌ）を成形した。

得られた平板について、γ線照射（照射！２．５Ｍｒａ
ｄ　）前後の耐衝撃性及び透明性について測定した。結
果を表１に示す。

なお、耐衝撃性は該平板を直径５０ｍの穴のあいた鉄板
上に置き、これに直径１／２インチの撃芯をあて、上部
より荷重を落下し、割れ高さの衝撃エネルギーの大きさ
にて表わした。

透明性は市販のへイズメーターを使用してＡＳＴＭＤ１
００３に準拠して測定した。

比較例１〜３ 実施例１〜３において、エチレン−１−ブテン共重合体
の配合量を表１に示す量にしたこと以外は、上記実施例
と同様にして平板を得１．Ｔ線照射前後の耐衝撃性及び
透明性を測定した。結果を表１に示す。

〔発明の効果〕

以上の如く、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
放射線照射に対して、透明性や機械的強度等の物性が安
定であるとともに、添加物のブリードや毒性分解物など
の溶出もなく衛生、安全性等に優れたものである。

したがって、本発明の樹脂組成物により得られる各種成
形品に対しては、物性低下をきたすことなく、また安全
かつ衛生的に放射線滅菌法を適用することができる。

よって本発明の樹脂組成物は、食品容器、医療器具等の
成形素材としてきわめて有効に利用される。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）（ａ）ポリプロピレン系樹脂９５〜９９．５重量
   ％及び（ｂ）密度０．９１０〜０．９４０ｇ／ｃｍ＾３
   であり、かつ主鎖の炭素原子１０００個当りの側鎖基数
   が５〜３０個であるエチレン−α−オレフィン共重合体
   ５〜０．５重量％からなることを特徴とする耐放射線性
   ポリプロピレン系樹脂組成物。