JPH021532B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一端が閉鎖され外側から加熱できる
長い分解管の中でプロセスガスを触媒分解するた
めの触媒成形体をもつた分解管で、該分解管がプ
ロセスガスを戻すための中央内側管を有し、異な
つた形状の触媒成形体が交互に該内側管上に配置
され、内側管に心出しされた一方の触媒成形体が
該分解管の外側壁に対して自由な環状横断面積を
有するような分解管に関する。

この分解管は管形分解炉に装備するために用い
られ、これはその上端で共通の一枚の支持板に取
り付けられ、その下側端を閉鎖され、外側から高
温ガスで、たとえば原子炉冷却回路からの約950
℃のヘリウムガスで加熱される。化学工業におい
ては、内側管と外側管との間の中間室に多数の小
さな触媒成形体がゆるく堆積して詰められている
ような内側管付きの分解管が用いられている。し
かしこの堆積物は正確に計算できずにしばしば異
なつた圧力損失を有するので、西ドイツ特許出願
公開第2634600号公報および同第2634534号公報に
よれば、内側管上に配置されかつプロセス貫流用
の軸心に平行な多数の開口を有しているようなほ
ぼ円筒状の成形体が提案されている。この西ドイ
ソ特許出願第2634534号公報においては既に、一
枚の成形体の上側が次の成形体の下側に合わさ
れ、それによつてこれらの成形体がお互いに心合
せされることが提案されている。又同公報では該
成形体の表面を拡大するために長いリブも提案さ
れている。

いずれの場合にも内側管がほゞその全長に亘つ
て成形体の中央部分で取り囲まれ、この成形体が
この箇所で熱絶縁作用をするので、内側管からプ
ロセスガスへの所望でかつ必要な熱伝達が妨げら
れる。更にいずれの場合にも、プロセスガスが強
制的に高温外側管を急速に流れるので、管横断面
積に亘つて不均一な温度分布および速度分布が生
ずる。ガスが完全に分解されるようにするために
は、プロセスガスにおいて十分均一な高い温度が
望まれる。

本発明の目的は特許請求の範囲第１項の上位概
念部分に基づく分解管にあり、その中に触媒成形
物を含んでいるこの分解管が、内側管とプロセス
ガスないし成形体との間の熱交換を改善するよう
にし、触媒横断面積において十分均一な温度分布
をもつようにし、更にプロセスガスに対する小さ
な圧力損失と大きな熱交換面積と高い熱伝達との
間の経済的な妥協を示すようにするものである。
更に内側管内を上昇する高温プロセスガスが外側
管と内側管との間を下降するプロセスガスで対向
流で冷却され、それによつて保持板の熱負荷が軽
減され、分解管の外の再生式熱交換器が小形にな
るかさもなければ省略できるので、このことは望
ましいことである。

特許請求の範囲第１項の記載に基づく分解管
は、２つの異なつた形状をして内側管上に交互に
重ねて通された触媒成形体を有している。この一
方の触媒成形体は僅かな間隔を隔てて内側管に心
出しされ、外側管に対してはプロセスガスの貫流
のために自由な環状横断面積を形成している。他
方の触媒成形体は同様に僅かな間隔を隔てて外側
管に心出しされ、内側管に対してはプロセスガス
用の自由な環状横断面積を形成している。すべて
の運転状態において触媒成形体および管が自由に
膨脹できるようにするために、触媒成形体と外側
管ないし内側管との間に空隙が必要である。更に
空隙面が熱交換に関与するようにするために、プ
ロセスガスはその空隙も流れなければならない。
異なつた両触媒成形体の間には、触媒成形体を軸
方向に間隔を隔てるための複数の半径方向リブが
設けられ、これらのリブは半径方向においてプロ
セスガス用の自由な横断面積を形成している。こ
の形成によつてプロセスガスの大部分は触媒成形
体を蛇行状に通過して導かれ、触媒成形体の全面
を洗流し、常に交互に外側管および内側管に接触
し、それによつて横断面における万一の温度差は
非常に迅速に平衡される。触媒成形体を軸方向に
間隔を隔てるための上述のリブは、特許請求の範
囲第２項に基づいて片側だけに配置され、その場
合この触媒成形体は反対側に平らな環状面を持た
ねばならない。しかし特許請求の範囲第３項およ
び第４項に基づいて、一方の触媒成形体が両側に
リブあるいは突記を有することもでき、この場合
他方の触媒成形体は両側にそれぞれ平らな環状面
を持たなければならない。

以下図面に示す実施例について説明するに、第
１図には複数の触媒成形体をもつた分解管の垂直
断面図が、第２図はその横断面図がそれぞれ示さ
れている。

第１図および第２図において外側管１と内側管
２との間には２つの異なつた触媒成形体３と４が
配置され、これらの触媒成形体３と４は互に重な
り合つており、内側管２に取り付けられかつ孔が
あけられている金属保持板５によつて複数個ごと
にそれぞれ支持されている。外側管１および内側
管２は周知の耐高熱性金属材料たとえばインコネ
ル617、ハステロイＸあるいはインカロイ800Hで
作られている。

異なつている両触媒成形体３と４は多孔性のセ
ラミツク材料で作られ、特殊な形に圧縮成形さ
れ、続いて乾燥されかつ焼結されている。これら
の触媒成形は水性のニツケル塩溶液で浸され、そ
の場合この溶液中に含まれるニツケルが触媒の作
用をする。更にこれらの触媒成形体は均質な触媒
材料で、すなわちその中にニツケルが細かく分散
された結合材料で作ることもできる。金属製保持
板５は内側管２に取り付けられ、沢山の触媒成形
体を支持しなければならない。これらの保持板５
が一定間隔で内側管２に取り付けられている場
合、１本の管内に配置されたすべての触媒成形体
の全重量が唯一の下側保持体にかかることが防止
される。異なつている両触媒成形体３と４はそれ
ぞれその下側に円周に亘つて分布された複数の半
径方向リブを有し、これらのリブ間には半径方向
流路を有している。これらの触媒成形体は軸方向
において交互に外側管１および内側管２に対して
自由環状横断面積を形成しているので、上から下
に向つて流れるプロセスガスは外側管から内側管
に蛇行して導かれる。半径方向流路並びに異なつ
た両環状室は、自由な流れ横断面積が流れ方向に
見てほゞ同じままであるような寸法にされてい
る。従つて一方の触媒成形体３は上から見て断面
ほゞ三角形のリブを有し、他方の触媒成形体４は
同様に上から見て断面ほゞ台形で角部が丸められ
ているリブを有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づく触媒成形体をもつた分
解管の垂直長手断面図、第２図はその横断面図で
ある。 １……外側管、２……内側管、３，４……触媒
成形体、５……保持板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端が閉鎖され外側から加熱できる長い分解
   管の中でプロセスガスを触媒分解するための触媒
   成形体をもつた分解管であつて、該分解管がプロ
   セスガスを戻すための中央内側管を有し、異なつ
   た形状の触媒成形体が交互に該内側管上に配置さ
   れ、内側管に心出しされた一方の触媒成形体が該
   分解管に対して自由な環状横断面積を有するよう
   な分解管において、 一方の触媒形成体３に対して交互に配置され
   た他方の触媒成形体４が外側管１からわずかな
   距離を隔てて同心的に配置され、しかも内側管
   ２に対して自由な環状横断面積を有し、 両触媒成形体３，４の少なくともひとつが軸
   方向に触媒成形体の間隔を隔てるために半径方
   向に自由な横断面積をもつた複数の半径方向リ
   ブを有する、 ことを特徴とする触媒成形体をもつた分解管。 ２ 触媒成形体３ないし４がその上側あるい
   は下側に平らな環状面を有し、 この触媒成形体３ないし４がその反対側に複
   数の半径方向リブを有している、 ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の分
   解管。 ３ 触媒成形体３ないし４がその上側および下側
   に複数の半径方向リブを有している、 ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の分
   解管。 ４ 交互に配置された触媒成形体３ないし４がそ
   の上側および下側にそれぞれ平らな環状面を有し
   ている、 ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の分
   解管。