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JPH02142895A - 高温特性の優れた油井管ジョイント部分の気密保持用シール剤 - Google Patents

高温特性の優れた油井管ジョイント部分の気密保持用シール剤

Info

Publication number
JPH02142895A
JPH02142895A JP29472288A JP29472288A JPH02142895A JP H02142895 A JPH02142895 A JP H02142895A JP 29472288 A JP29472288 A JP 29472288A JP 29472288 A JP29472288 A JP 29472288A JP H02142895 A JPH02142895 A JP H02142895A
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JP
Japan
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grease
oil
temperature
fatty acids
acid
Prior art date
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Granted
Application number
JP29472288A
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English (en)
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JPH0470346B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Matsumoto
一博 松本
Kazushi Maruyama
丸山 和士
Eiji Tsuru
英司 都留
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON KOUYU KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
NIPPON KOUYU KK
Nippon Steel Corp
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Publication date
Application filed by NIPPON KOUYU KK, Nippon Steel Corp filed Critical NIPPON KOUYU KK
Priority to JP29472288A priority Critical patent/JPH02142895A/ja
Publication of JPH02142895A publication Critical patent/JPH02142895A/ja
Publication of JPH0470346B2 publication Critical patent/JPH0470346B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、高温気密用コンパウンドグリースに関する
。蒸気注入井又は蒸気その他の高温ガス、原油生産井に
用いる油井管継手のコンパウンドグリースにおいて、水
分と熱サイクルとグリースの相互作用を利用して、継手
の高温気密性を高める効果のある組成で、構成される高
温気密用途のコンパウンドグリースに関する。特に重質
油回収のためのスチイームインジェクション用油井管継
手に適したコンパウンドグリースに関する。
[先行技術とその問題点] 重質油の2次、3次回収技術として、蒸気注入法がある
。高温高圧蒸気(最高354℃、176気圧)を地上か
ら、油井管内を通して油層に導き。
原油を温めることにより粘度を低下させ、油の流動性を
促進し、回収を容易にする方法である。
米国で開発、実用化された本技術は、現在米国カリフォ
ルニヤを中心に世界各地で、広〈実施されているが、し
ばしば、油井開発現場が大都市に隣接しているため、油
井の安全性、環境汚染に対して、政府の厳しい法規が定
められている。
坑井保護管(ケーシングパイプ)及び、採油管(チュー
ビングパイプ)からの蒸気、炭化水素ガス、あるいは蒸
気と混合させる炭酸ガス等の地層へのリークは、井戸の
爆発、又は地下水汚染等、多大の被害をもたらす。
第1図は、高気密性油井管継手の代表例を示したもので
ある。 第1図は、油井管継手の金属接触気密部を示し
、第1図(a)は、その断面図、第1図(’b)は、金
属接触覚密部拡大図である。気密は、雄ネジ先端と、酸
ネジ最奥部の金属接触部で確保するように、設計されて
いる。このネジ継手を含め、従来の金属対金属接触部を
有する継手では、高気密性を達成するために、継手構造
を工夫し、いかに接触部に高血圧を発生させるかに創意
工夫があった。
しかし、実際の油井環境下では、高温雰囲気及び、複合
荷重負荷(内圧、外圧、軸力)等のために、金属接触部
は、化学的、物理的変化が生じている。250℃を超え
る高温環境では、現行のリチウム石ケン又は、カルシウ
ム石ケン基グリースでは、滴点降下、蒸発がおこり、加
えて複合荷重を受けると、接触位置が動き、塑性変形し
ていた所には、すき間が生じることが、懸念される。
例えば、蒸気注入井では、蒸気の対流、副射熱による継
手の加熱現象のみならず、熱応力による複合荷重条件の
苛酷化は、継手の高温気密性の要求を切実なものとして
いる。
かかる、特殊油井環境に対しては、従来の金属接触−辺
側の継手設計では、気密性を保証することはむずかしい
。従来通り、接触部を圧接して隙間を閉じるだけでなく
、たとえ微細な隙間があっても、その間を充填物でシー
ルする技術が考えられる等である。
従来のコンパウンド組成物は、カルシウム、リチウム、
アルミニウムなどの金属石ケンを増ちょう剤としてこれ
に黒鉛、−2硫化モリブデン、テフロンなどの固体潤滑
剤や、銅、鉛、亜鉛などの金属粉及び、これらの酸化物
などの固体粉末を添加したものである。これらグリース
の滴点は、せいぜい200°C前後で、温度が滴点近く
になると、流れ出し高温気密性は期待できなかった。又
滴点250℃以1−のウレアグリースをベースグリース
に用いた発明もあるが、これらも325℃−354℃に
おける性能は定かでない。
従来からカルシウム複合石ケン基グリースは、高級脂肪
酸と低級脂肪酸とのモル比の変換、用いる脂肪酸の種類
、製法等により、滴点300℃以1−のものや、高温で
軟化しない耐熱性の良好な性状をもつものができている
。しかし、高温でのシール性保持をグリースに求めた場
合、気密性は滴点のみでは評価できない。たしかにグリ
ースは、滴点近くになるとオイルに近い状態になり、流
出してしまい気密保持は不能になってしまう。したがっ
て高温気密性評価の一要素として滴点は、重要であるが
、この他の重要な要因として、流動性がある。グリース
は、非ニユートン物体であり、塑性を有するため、外力
を加えないと粘性を示さない。グリースに外力を加える
と、組織間にズリ現象が生じ始め流動しはじめるが、こ
の波動せしめるために要する最小のせん断応力を降伏値
とゆう。グリースの流動特性を左右する要因には、ミセ
ルの形状、大きさ、からみあい等の構造面に大きく依存
し、さらに、熱的な要因を加味して考えると、グリース
のもつ相転移が関係してくる。高温での、高気密性を保
持するためには、高い温度条件下でより大きな外力(圧
力)に対し流動しにくい特性のあるグリース組成物が要
求される。
[発明の目的] 本発明者は、]−記の各種の問題点に着眼し、より高温
で高気密性を有するグリース組成物を、開発すべく鋭意
努力した結果、カルシウム複合石ケン基グリースをベー
スにして、これに固体潤滑剤と軟質金属粉末とを組み合
わせた、耐熱性のあるコンパウンド組成物を、見い出し
たものである。
本発明は、高滴点、高降伏値、熱硬化性を具備し、金属
接触シール部の高温気密性を高めることを目的としたコ
ンパウンドグリースに関するものであり、特に250°
Cから354℃に及ぶ高温環境に用いる油井管継手の金
属接触シール機能を支援する為の高温気密用途コンパウ
ンドグリースの発明である。
本発明の目的は、基油に鉱油及び、合成油を用い、高級
脂肪酸と低級脂肪酸とを組み合せたもののカルシウム塩
、いわゆるカルシウム複合石ケンを増ちょう剤に用いた
グリースをベースに、固体潤滑剤と軟質金属粉末とを添
加した高温気密用コンパウンドグリースを提供する事に
ある。実用1−は、250℃から354℃高温雰囲気に
さらされる蒸気注入用油井管継手、及び、他の高温環境
に用いる継手に高気密性を附与することを狙っている。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、上記の点に着眼し、より高温で高気密性を
有するグリース組成物を、開発すべく鋭意努力した結果
、カルシウム複合石ケン基グリースをベースにして、こ
れに固体潤滑剤と軟質金属粉末とを組み合わせた、耐熱
性のあるコンパウンド組成物を、見い出したものである
すなわち本発明に係る高温気密用コンパウンドグリース
は、鉱油及び、合成油をベースに、脂肪酸がステアリン
酸のような高級脂肪酸と、酢酸のような低級脂肪酸とを
、組み合せたもののカルシウム塩を、増ちょう剤とする
滴点250度以上の、いわゆるカルシウム複合石ケン基
グリースと、固体潤滑剤、軟質金属粉末との組み合せか
らなることを特徴とする。
本発明を構成するベースグリースの基油としては、通常
の鉱油系、又は合成油系の潤滑油を使用する。鉱油系潤
滑油としては、石油系鉱油、例えば、必要な油の性質を
得るために、原油を蒸溜して得られる潤滑留分を、任意
の精製処理(酸処理、溶剤精製、白土処理、水素化処理
)により精製した石油系鉱油がある。又、合成油系潤滑
油としては、ジエステルやポリオールエステルなどのエ
ステル油、直鎖アルキルベンゼンや、分岐アルキルベン
ゼン等のアルキルベンゼン油、ボリブデン、ポリαオレ
フィン等のポリオレフィン油、この他にポリグリコール
、ポリフェニルエーテル、シリコーン油、フッ素化物等
がある。
更に、添加剤類としては、従来から使用されているもの
、即ち、酸化防止剤、防錆剤、油性向上剤、極圧剤、増
粘剤、清浄分散剤等を、適宜使用することができる。
本発明を構成するベースグリースの増ちょう剤原料とし
て脂肪酸があるが、当該脂肪酸はステアリン酸のような
高級脂肪酸と、酢酸のような低級脂肪酸とを、組み合せ
たものを使用する。
本発明を構成するベースグリースの増ちょう剤原料とし
ての高級脂肪酸類は、通常、動植物油脂から導かれる脂
肪酸、又は、かかる脂肪酸と動植物油脂との混合物を意
味し、脂肪酸は一種類でも混合物でもよい。動植物油脂
から導かれる市販の脂肪酸は、通常完全に加水分解され
た純粋の脂肪酸からだけからなるものでなく、少量の未
反応の油脂が混入しているものもあるが、これらも使用
可能である。
一般的には、炭素数lθ〜22の飽和及び、不飽和脂肪
酸とそれらのグリセライド、又はエステルの単体もしく
は混合物である。かかる脂肪酸の代表的な例は、大豆油
、菜種油、ヌカ油、綿実油、ヒマシ油、パーム油、ヤシ
油、牛油、豚油、羊毛油、鯨油、魚油から導かれる脂肪
酸、及びこれらの脂肪酸と上記油脂との混合物、さらに
は、それらを水添したものである。これらを構成する主
な、脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12ヒドロキシステア
リン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リルン酸等の不飽
和脂肪酸である。
本発明に係るカルシウムコンプレックスグリースを形成
するためには、上記高級脂肪酸に加えて、低級脂肪酸の
組み合せが必要である。これらの低級脂肪酸は、炭素数
2〜6の飽和、又は不飽和のモノ、ジ、トリカルボン酸
例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉嘆酸
、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン
酸等であり、この他にも、乳酸、クエン酸、酒石酸など
のヒドロキシ誘導体も、使用可能である。好ましくは、
炭素数2〜4の低級脂肪酸で特に、酢酸が、好ましい。
上記高級脂肪酸と、低級脂肪酸とのモル比は、1:0.
5から1=3まで変換できるが、好ましくは、l:1モ
ルである。高級脂肪酸と氷酢酸の場合、上記モル比を大
きくしてゆくと硬化現象が著しく大きくなるが、生成さ
れるグリースのちょう度は軟らかくなる傾向を示す。こ
のように上記モル比が熱サイクルによる硬化度合に大き
く関係してくる。高級脂肪酸と氷酢酸の場合、上記の現
象を考慮し−・番バランスのとれた比率がl=1のモル
比である。
これらの脂肪酸類の、ケン化に供する金属塩として、消
石灰のようなカルシウムの水酸化物や、カルシウムアル
コラードのようなものが有効である。カルシウムアルコ
ラードは、アルコール部分が、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコール等で、これらのすべての化合
物、すなわちメチルオキシド、エチルオキシド、プロポ
キシド、インプロポキシド、ブトキシド等が、利用でき
る。又これらのアルコール基を混在させたものも利用し
得る。
本発明の、コンパウンド組成物にあっては、1−記グリ
ース30〜60%と固体潤滑剤と軟質金属粉末からなる
、最大粒径がいずれも50ミクロン以ドの固体粉末、4
0〜70%が添加されている。
固体潤滑剤としては、従来から各方面の潤滑に供してい
る、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒
化ホウ素、フッ化黒鉛、窒化ケイ素等の無機物と、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、アセター
ル、ナイロン66、ポリイミド及び、有機モリブデン等
の有機物が、有効である。
軟質金属粉末としては、鉛粉、亜鉛末、銅粉、アルミ粉
、鉛粉等があり、これらの酸化物も有用である。
固体粉末の最大粒径が、50ミクロンより大きくなると
、摩擦面に導入される際、群を生じ、潤滑性が低下し、
反対に、粒子径が小さくなると、般に気密シール性が低
下する傾向があり、そのために、従来のコンパウンド類
は、100 ミクロン以上の、かなり大きな粒子を、含
有させていた。
しかし1本発明のように、さらに高温、高圧の条件での
気密シール性保持とゆう、苛酷な条件が付%されている
と、ジヨイント部分の材質面や、加工精度の向ヒなどの
、技術開発が進み、粒径の大きなものを使用すると、か
えって気密シール性を、阻害する結果となるそこで、固
体粉末の粒径は、50ミクロン以下がのぞましい。
固体潤滑剤と軟質金属粉末との使用割合は、固体潤滑剤
1重量部に対して、軟質金属粉末2〜3重量部の割合が
、好ましい。
軟質金属粉末は、1種類のみの添加でもよいが、特に好
ましいのは、鉛粉、亜鉛末、銅粉の3種の組み合せがよ
い。
[作 用] 本発明のカルシウム複合石ケン基タイプのベースグリー
スは、300°C以−ヒの高い滴点をもち、300°C
を越えてもグリース状を保持すると共に、相転移温度も
高く、外圧に対し、強い抵抗力を示す。
本発明のカルシウムコンプレックスグリースは、高温−
常温−高温の熱サイクルを、繰り返し受ける蒸気注入下
の条件下では、硬化が促進される事により、その効果が
、増幅される。さらに、蒸気が介在する実井戸の環境下
では、その結果が、特に顕著にあられれる。以下の表1
のデータは、本発明のベースグリースを、蒸気有無の条
件fで、150°Cで数時間加熱した後、放冷後の性状
をチェフクしたデータである。表1から明らかなように
加熱サイクルを繰り返し行うことによってちょう度の硬
化をもたらす。硬化する度合は単に加熱のみの状態より
蒸気存在下の条件下の方が著しい。これがためにグリー
スの降伏値がトリ、硬化が進行すると、グリースのもつ
降伏値が上り、外圧に対して流動しにくい効果が増強さ
れる。この傾向は、サイクルを繰り返す事により、ます
ます、促進され、より強固になる。そのため、気密シー
ル性をより向トさせる効果をもたらす。硬化のメカニズ
ムに関しては、今だ解明されていないが、製法、配合割
合等の、条件により微妙に変ってくる。又、水分の存在
下では、これが触媒的作用をして重合が進み、硬化が、
促進されるといわれている。
コンパウンド組成物に、添加されている固体潤滑剤や軟
質金属粉末は、締めつけの際、又は温度条件の変化によ
る膨張、圧縮の条件下でのネジかん合部の潤滑性と高気
密性を、保持させる助剤の目的で、添加されたものであ
る。
第2図は、金属接触部の圧着状況、グリースの分布状況
の模式図である。継手の接合部から、ガスは浸入し、圧
着部の隙間にトラップされたコンパウンドグリースを、
押し出しながらリークしようとする。コンパウンドグリ
ースに、気密性ヲ附与させるにはガスの押し出し圧力に
、打ち勝つだけのせん断抵抗を、持つように、コンパウ
ンドグリースを処方すればよい。
第3図に、高圧ガスと、そのリークを食い1トめるコン
パウンドグリースとの、力の釣合いを図示した。
リーク阻止に必要な、コンパウンドグリースのせん断心
力は、以下のように導き出される。
ガスのグリース押し出し力=PinXπr1キャピラリ
ー圧力=2PcaXπr″ コンパウンドグリースの流動抵抗=τ×2πrLPin
 Xπr =2PcaXπr +τX2wrLここでP
ca XπTユ=O 故にて=Pin/2L ここで、では、コンパウンドグリースが流れ出す迄は、
グリースの降伏値であり、流動開始後は、グリースの見
かけ粘度に相当する。
以上のコンパウンドグリースが、気密に果たす役割の解
析を踏まえて、本発明のコンパウンドグリースの優位性
を、第4図で説明する。
本発明のコンパウンドグリースは、高温−常温高温の熱
サイクルを、繰り返し受けると、硬化が促進される。こ
の硬化傾向は、蒸気が介在する条件下では、ますます促
進され硬くなってゆく。
硬化の促進度合いは、サイクルの回数が進むにつれて、
少なくなってゆき、やがては、一定の値になり、硬化は
止まる。
この現象を、図示したのが、第4図のグラフである。熱
サイクルを、繰り収し行う事により常温でのちょう度が
、小さくなる傾向を示すと共に、硬化したものが、温度
によりちょう度が、どのようなカーブで変化してゆくか
を示している。又、°“蒸気存在下゛′(実線)“°加
熱のみ′ (点線)等の各々の条件による相違も示して
いる。グリースは、ベースオイル中に、石けんミセル等
が、網目構造を形成している。一般にちょう度が小さい
とゆう事は、この網目構造が、三次元的により高密度に
存在している事を示している。
グリースは、非ニユートン流体であり、そのままで放置
された状態では、三次元的な網目構造を維持し、非流動
性を保持し、粘性を示さない。
これに、ある方向性を持った外力を加えて行くと、三次
元的な網目構造は崩れて行き、力の方向と平行に、ミセ
ルが配列し始め、ついに流動を開始する。流動をしはじ
める時点を、降伏点と呼ばれている。さらに、外力を強
めてゆくと、ミセルは力の力面と完全にf行に配列し、
粘瓜が低ドしてゆき、より容易に流動するようになる。
そして、しまいにはグリースのベースオイルの粘度と、
はぼ同じになる。非ニユートン物体であるグリース組成
物が、より高い圧力に対し、非流動性を維持し得る為に
は、より高い降伏値をもたせることが必要となる。
このための手段として、グリース組成物により強固な結
びつきをもつ、三次元的網目構造を、よりち密に形成さ
せる必要がある。ミセルが強固な結びつきと、よりち密
に存在すれば、外力による配向性に対し強い抵抗力をも
ち、その結果流動しにくい特性をもつ。
本発明のコンパウンドグリースの、ベースとなるグリー
ス組成物は、その特性として強固な結びつきと、ち密な
ミセル構造をもつように設計されたもので、さらに、製
造面に於いても十分に配慮して、形成されたものである
もうひとつの有効な手段として、ちょう度をより硬くす
る方法があるが、あまり硬くすると、塗布する際、作業
性に問題が生じ、均一に塗れない等の難点がある。
本発明のコンパウンドグリース組成物は、塗布の時点で
は柔かく、ネジ面への均一な塗布が容易にでき、作業性
の面で優位であるばかりでなく、実井戸での使用におい
ては、熱サイクルによる硬化が進む事により、へ気圧力
に対しより強い抵抗力をもち、ますます気密シール性を
向上させるとゆう特性を発揮する。
[実施例] 本発明にかかわるカルシウムコンプレックスグリースの
調製は、まず適量の基油中に、酢酸等の低級脂肪酸類と
、牛脂脂肪酸等の高級脂肪酸類を添加し、加熱溶解後、
油中によく分散させる。ついで、80〜85℃で脂肪酸
類が溶解した段階で消石灰を少量の鉱油に分散させたも
のを反応系内に入れる。消石灰の代りにカルシウムアル
コラードを用いてもよく、アルコラードの方が反応性が
よい。これらカルシウム塩を投入した時点では分散性を
よくする目的で一時加熱を中断しある時間よく撹拌する
必要がある。この時点での分散が不充分だと粒が生じ外
観を著しく阻害するばかりでなく未反応物を多く残す結
果となる。
この時点では、反応をより効率よく進めるためと、石け
ん粒子が析出しないようにする目的で、ダブルアクショ
ン装置を用いてはげしく撹拌するか、反応装置外に、デ
イスパーミル等の装置を付設して、製造途中に循環ミル
処理して、粒子を粉砕する等の操作をするとより有効で
ある。反応によって副成される水や、アルコール類は、
適宜加熱によって蒸発してゆくが、この間の温度ト昇は
、比較的ゆるやかに行う必要がある。この後温度を、1
95〜200℃まで上げ、15〜30分間保持した後、
撹拌しなから放冷もしくは急冷する。一般にカルシウム
複合石けんタイプグリースは最高温度220°Cまで1
−げるとかだくなる現象がみられ従来のこの種グリース
の製法ではこの温度まで七げるのか通例であったが、本
発明に係るグリースは基気存在ドでの熱サイクルによる
硬化促進を目的とするため200°C以ドにとどめてい
る。この時点での微妙な序が1」的とする硬化現象に大
きく関与する。放冷後、各種添加剤及び、金属粉末類を
添加し、よく撹拌して均一に分散させる。必要に応じて
、デイスパーミルや、三段ロールミルにかける。
配合例 牛脂脂肪酸     13.6重液% 水  酢  酊         2.9 重−−%消
  b  灰         3.5 料量%錠、 
    油        80.0 改h1%鉱油す
と、牛脂脂肪酸、氷酢酸を反応釜に張り込み、撹拌しな
がら加熱し、溶解させる。温度が、80〜85°Cにな
った時点で、消石灰を少量の鉱油に分散させた物を、添
加する。この時点で、−時加熱をやめ、よく撹拌して分
散をよくする。その後、再び加熱を開始し、100°C
付近で、蒸気発生に伴う吹きが見られるが、さらに温度
を1−げ、1f15〜200°Cで、15〜30分間保
持した後、残りの鉱油を添加し、冷却する。十分に冷却
した後で、調製油や添加剤類、固体潤滑剤、金属粉末等
を添加し、よく分散させた後、デイスパーミルをかけ、
外観を円滑にする。
このようにして、調合された本発明に係るコンパウンド
グリースは、蒸気注入井をシュミレートする試験機を用
いて、高温気密性をテストし、その優位性を確認した。
第5図に、試験機の構成をしめす。サンプルは、最高3
54°C迄の種々の温度レベルに加熱し、継手内部には
、その温度の飽和蒸気圧力に相当する窒素ガス圧力をか
けた。又、サンプルは、軸方向に完全拘束されているた
め、温度の昇降に応じて最高材料の耐力に匹敵する熱応
力を受ける。第6図には、熱サイクルを金属シール結合
部に与えたときの軸方向の熱的強制圧迫荷重の挙動の一
例として、継手が受ける温度、荷重サイクル図を示す。
圧力は、常に178気圧に41Jjしている。第7図に
、ガスリークテストの結果を示す。
継手は、API規格のラウンドネジ(第8図(a) )
 、バットレスネジ(第8図(b) ) 、それに第1
図に示す金属接触気密部を具備するもの(第8図(C)
)の3種である。
材料の耐力は、55ksi  (K2S ) 、 80
ksi (L80)の2種類、ネジ及び金属接触部のコ
ーティングは、金属メツキ(銅)又はリン酸塩処理を施
した。
コンパウンドグリースは、現行コンパウンドグリースと
、本発明のカルシウム複合タイプシックナーの、2試料
について実験した。(コンパウンドグリースの組成を表
2に示す) カルシウム複合シックナータイプコンパウンドグリース
は、ネジのクリアランスの小さいAPI ラウンドネジ
と、金属接触部を有する継手において、高温気密性を実
施した。
特に、金属接触型継手に適用すれば、所期の目的温度2
50°C以上354℃迄の高温気密性が、保持できる事
が判った。一方、現行コンパウンドグリース塗布継手で
は、金属接触型継手を用いても、325℃が気密保持の
限界である事が判った。
このように、本発明のコンパウンドグリースは、高温使
用の継手の気密性を高めるシール材として、十分機能す
ることが実証された。以下 証として、継手の高温(3
54°C)気密試験終了後の金属接触シール部に付着し
たコンパウンドグリースの、劣化状況をカルシウム複合
タイプシックナーグリースと、現行コンパウンドグリー
スについて説明する。
付着物は、いずれも黒色炭化状で、粉末に近い状態であ
るが、本発明品の方が、現行品より、油分が多く残って
いる。(前者の残留油分23%に対し後者は12%) 付着物の電子顕微鏡観察では(写真lは、本発明品のカ
ルシウム複合タイプコンパウンドグリースの電子顕微鏡
写真、写真2は、リチウム石けんタイプコンパウンドグ
リースの電子顕微鏡写真)、本発明品は、ミセルの形状
が、加熱前後で変化がないのに対し、現行品は、ミセル
の状態がかなり細くなり、密度も、マバラになっている
これらの差は、高温における軟化、流動の相違を裏付け
ている。
[発明の効果1 本発明に係る高温特性の優れた油井管用コンパウンドグ
リースは、塗布の時点では柔かく、ネジ面への均一な塗
布が容易にでき、作業性の面で優位であるばかりでなく
、実井戸での使用においては、熱サイクルによる硬化が
進む事により、蒸気圧力に対しより強い抵抗力をもち、
ますます気密シール性を向上させるとゆう特性を発揮す
るという効果を有する。
硬化が進行すると、グリースのもつ降伏値が上り、外圧
に対して流動しにくい効果が増強される。この傾向は、
サイクルを繰り返す事により、ますます、促進され、よ
り強固になる。そのため、気密シール性をより向−トさ
せる効果をもたらす。
特に250℃から354℃に及ぶ高温環境雰囲気にさら
される蒸気注入用油井管継手、及び、他の高温環境に用
いる継手に高気密性を附与するという効果を有するので
有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、金属接触気密部を具備する油井管継手を示し
、第1図(a)は、その断面図、第1図(b)は、金属
接触気密部拡大図、第2図は、金属接触シール部の圧着
状況展開図、第3図は、コンパウンドグリースの気密機
構説明図、第4図は、コンパウンドグリースの気密特性
パラメータ(熱サイクル硬化、温度ちょう度変化)の説
明図、第5図は、高温気密試験機の構成図、第6図は、
供試継手の受ける荷重拳温度サイクル図、第7図は、ガ
スリークテストの結果説明図、第8図(a)第8図(b
)第8図(c)は、高温気密性試験に用いたネジ継手の
説明図、写真1は、本発明品のカルシウム複合タイプコ
ンパウンドグリースの電子顕微鏡写真、写真2は、リチ
ウム石けんタイプコンパウンドグリースの電子顕微鏡写
真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 鉱油及び、合成油をベースに、脂肪酸がステアリン酸の
    ような高級脂肪酸と、酢酸のような低級脂肪酸とを、組
    み合せたもののカルシウム塩を、増ちょう剤とする滴点
    250度以上の、いわゆるカルシウム複合石ケン基グリ
    ースと、固体潤滑剤、軟質金属粉末との組み合せからな
    ることを特徴とする高温気密用コンパウンドグリース。
JP29472288A 1988-11-24 1988-11-24 高温特性の優れた油井管ジョイント部分の気密保持用シール剤 Granted JPH02142895A (ja)

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