JPH0214983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車の着脱ルーフの格納装置に関
する。

第１図に示す如く、スポーツカーなどのように
ルーフ１が非常に小さい車体２においては、ルー
フ１に形成された開口３，３にスライドルーフで
はなく着脱ルーフ４，４を取付けるようになつて
おり、また着脱ルーフ４，４は、軽量化、コンパ
クト化を図つて着脱作業を容易にするために２枚
に分割されている（実開昭55−120518号参照）。

ところで、上記のような分割着脱ルーフを取外
して格納する際、従来ではトランクルームのフロ
ア上に寝かして置き、ストラツプなどで係止する
だけであるため、トランクルームには分割着脱ル
ーフの上に乗せる以外は荷物を収納することがで
きないうえ、分割着脱ルーフの格納、取出し作業
が煩わしいという問題があつた。

このため、実公昭57−59384号公報では、ドア
の内張りに収納部を設けてルーフを収納し、ゴム
バンド等のロツク装置によりロツクする収納装置
が提案されている（以下、後者装置という。）。

しかしながら、この構成では、ドアの内張りに
内方側に膨出する別部材を取付けて、この部材と
内張りとの間に収納部を形成するものであるか
ら、別部材の膨出により車室内のスペースが削減
される。

また、ロツク装置が別部材よりもさらに車室内
方側に突出しているため、この点でも車室内のス
ペースが削減され、危険でもある。

さらに、車体前後方向から収納部に差込むよう
にルーフを収納し、逆に収納部から引き抜くよう
にルーフを取り出す必要があるから、ルーフにす
り傷等がつきやすいのみならず、収納・取り出し
作業も簡単にできない等の問題があつた。

本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされた
もので、車体のトランクルームサイドを利用し
て、着脱ルーフをルームサイドに沿わせて直立状
態で格納可能な格納部を形成し、この格納部に、
着脱ルーフの位置決め部を形成し、係止フツク部
材を設ける構成として、トランクルームを有効に
活用でき、格納、取出し作業も簡単かつ迅速に行
なえるように工夫したものである。

以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第２図に示すように、スポーツカータイプの自
動車の車体１０のルーフ１１には、左右に長い長
方形状の開口１２が形成され、該開口１２は、中
央部分で左右に分割された分割着脱ルーフ１３
ａ，１３ｂで覆われている。

該分割着脱ルーフ１３ａ，１３ｂは、２枚の左
右セパレートタイプの他、折畳み可能なヒンジタ
イプ、前後に分割するタイプ、３枚以上に分割す
るタイプのいずれであつてもよい。

一方、第３図〜第５図に示すように、車体１０
の後部座席１５後方のトランクルーム１６のルー
ムサイド１７は、車体１０に連結されたフエンダ
インナパネル１８と、該パネル１８に連結された
トランクルームフロアパネル１９とで画成され、
車体１０には内方へ突出するトランクルームサイ
ドフレーム２０が連結されると共に、フロアパネ
ル１９の上方にはリヤフレーム２１が位置し、ま
た、後部座席１５の真うしろにはサスペンシヨン
タワー２２が位置している。

なお、２３はリヤクオータウインド、２４はバ
ツクドアである。

上記ルームサイド１７には、上記サイドフレー
ム２０の上面、内側面を覆い、フエンダインナパ
ネル１８側へ彎曲して下方へ伸長し、下端２５ａ
が上記リヤフレーム２１の上面とほぼ一致して鉤
状に曲折させた合成樹脂製のトランクルームサイ
ドトリム２５が設けられ、該サイドトリム２５で
内側へ窪んだ格納スペース２６が形成される。

該格納スペース２６には、サイドトリム（ルー
ムサイド１７）２５に合わせて直立状態で２枚の
分割着脱ルーフ１３ａ，１３ｂが格納され、この
分割着脱ルーフは格納部２６の下壁に形成された
位置決め部４０、上壁に位置するフツク部材２７
で保持される。

該位置決め部４０は、リヤフレーム２１の上面
とサイドトリム２５の下端２５ａとの間に所定間
隔で２つの凹部２８ａ，２８ｂを形成した位置決
め板２８を配置してボルト２９で固定して形成さ
れる。そして、この各凹部２８ａ，２８ｂで分割
着脱ルーフ１３ａ，１３ｂの下部を位置決めす
る。

また、第６図にも示すようにフツク部材２７
は、サイドフレーム２０の下面にヒンジブラケツ
ト３０ａ，３０ｂを上記凹部２８ａ，２８ｂに対
応させてボルト３１，３１で固定し、該ヒンジブ
ラケツト３０ａ，３０ｂに合成樹脂製のロツクレ
バー３２ａ，３２ｂをヒンジピン３３，３３で上
下動可能に枢着して、該ロツクレバー３２ａ，３
２ｂに対応するサイドトリム２５に、ロツクレバ
ー３２ａ，３２ｂの出没開口３４ａ，３４ｂを形
成すると共に、上記ロツクレバー３２ａ，３２ｂ
を突出位置Ａと没入位置Ｂとに規制する思案点ば
ね３５，３５を設けて構成している。そして、こ
の各ロツクレバー３２ａ，３２ｂで分割着脱ルー
フ１３ａ，１３ｂの上部を当て止めて倒れないよ
うに位置決めする。

上記のように分割着脱ルーフ１３ａ，１３ｂの
格納装置を構成すれば、格納時には、まず一枚の
分割着脱ルーフ１３ａの下部を格納スペース２６
の位置決め板２８の凹部２８ａに嵌め込み、つい
で奥側のロツクレバー３１ａを出没開口３４ａか
ら突出位置Ａに回動させると、分割着脱ルーフ１
３ａの上部がロツクレバー３１ａで当て止めら
れ、分割着脱ルーフ１３ａが位置決めされる。同
様にして今１枚の分割着脱ルーフ１３ｂも位置決
めする。

このようにして分割着脱ルーフ１３ａ，１３ｂ
を格納スペース２６内に格納すれば、トランクル
ーム１６内を広く活用することができる。

つぎに取出し時には、まず手前のロツクレバー
３２ｂを出没開口３４ｂの没入位置Ｂに回動せ、
ついで一枚の分割着脱ルーフ１３ｂの下部を位置
決め板２８の凹部２８ｂから取出す。同様にして
今１枚の分割着脱ルーフ１３ａも取出す。

上記実施例では位置決め板２８をリヤフレーム
２１に固定したものであるが、第４図に二点鎖線
で示したように、分割着脱ルーフ１３ａ，１３ｂ
が長い場合には、位置決め板２８をフロアパネル
１９上に固定するようにしてもよい。

また、上記実施例では、トランクルーム１６の
一側のルームサイド１７に２枚の分割着脱ルーフ
１３ａ，１３ｂの格納スペース２６を形成したも
のであるが、両側のルームサイド１７，１７に分
割着脱ルーフ１３ａ，１３ｂを１枚づつ格納する
ような格納スペース２６を形成してもよい。

さらに上記実施例では、上方にロツクレバー３
２ａ，３２ｂ、下方に位置決め板２８を配置した
ものであるが、逆に配置するようにしてもよい。

以上の説明からも明らかなように、本考案は、
トランクルームサイドに着脱ルーフを格納可能な
格納部を形成して、位置決め部で位置決めしフツ
ク部材で係止するようにしたものであるから着脱
ルーフをルームサイドに沿わせて直立状態で格納
できるのでトランクルームを有効に活用できるよ
うになる。

また、着脱ルーフはロツク部材によりワンタツ
チで係脱することができ、格納、取出し作業も容
易かつ迅速に行なえるようになる。

さらにまた、上記後者装置と比べて、トランク
ルームサイドトリムを外方に膨出させて格納部を
形成するものであるから、車室内（トランクルー
ム）のスペースが削減されない。

また、フツク部材は、トランクルームサイドト
リムの内側端よりも外方側で、トランクルームサ
イドトリムから上下方向に出没自在に設けている
から、この点でも車室内（トランクルーム）のス
ペースが削減されず、安全でもある。

さらに、車幅方向から格納部に嵌め合わすよう
に格納し、逆に格納部から嵌め外すように取り出
せるから、ルーフにすり傷等がつきにくく、格
納・取り出し作業も簡単にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の分割着脱ルーフを備えた自動車
の斜視図、第２図は本考案に係る自動車の平面
図、第３図は第２図の自動車の後部断面図、第４
図は第３図の−断面、第５図は第４図の−
断面図、第６図はヒンジブラケツトとロツクレ
バーの分解斜視図である。 １０……車体、１１……ルーフ、１３ａ，１３
ｂ……分割着脱ルーフ、１６……トランクルー
ム、１７……ルームサイド、２０……サイドフレ
ーム、２１……リヤフレーム、２５……トランク
ルームサイドトリム、２６……格納スペース、２
７……ロツク機構、２８……位置決め板、３０
ａ，３０ｂ……ヒンジブラケツト、３２ａ，３２
ｂ……ロツクレバー、３４ａ，３４ｂ……出没開
口、３５……思案点ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体のルーフに形成された開口を覆う着脱ルー
   フが設けられた自動車であつて、 後部座席後方のトランクルーム両サイドに配置
   されるトランクルームサイドトリムを外方に膨出
   させて上記着脱ルーフをルームサイドに沿わせて
   直立状態で格納可能な格納部が形成されており、
   該格納部の上部と下部のいずれか一方に、上記着
   脱ルーフを位置決めする位置決め部が形成され、
   他方の車体部材には着脱ルーフを係脱可能に係止
   するフツク部材がルームサイドトリムの内側端よ
   りも外方側で該ルームサイドトリムから上下方向
   に出没自在に設けられていることを特徴とする自
   動車の着脱ルーフの格納装置。