JPH019714Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は平ボデイ型貨物自動車の荷役装置に関
する。

［従来の技術］ 従来のこの種装置は、第１図に示すように荷役
装置のテーブルをリヤーアオリとして兼用するも
のであるので、平ボデイの荷の積卸しに際して荷
役装置を用いない軽い荷の積卸しであつても必ず
荷役装置を作動してリフトテーブルを開放しなけ
ればならない上、リフトテーブルは直立状態に格
納されるためリフトテーブルによつて後方の視界
が妨げられることになり、リフトテーブルの長さ
を小さくしなければならなかつた。このように、
従来のものにおいては、荷役装置を用いる必要が
ない軽い荷の積卸しの時にも荷役装置を作動して
リフトテーブルを開放しなければならず荷役作業
が煩雑で時間がかかるものであつた。さらにリフ
トテーブルによつて後方の視界が妨げられないよ
うにリフトテーブルの長さが小さく構成されてい
るので大きな荷の荷役が困難であつた。

一方、床領域の下方でその縁辺内に格納される
ようになされたリフト装置を装備したバン型貨物
自動車が特公昭45−18525号で提案されている。
これは床下に折畳状態で格納されたリフトテーブ
ルを使用時には伸出できるように構成されている
ため、リフトテーブルによつて後方の視界が妨げ
られることがないと共に、伸出された長いリフト
テーブルによつて大きな荷の積卸しを行なうこと
ができる。しかし、このようなリフト装置をリヤ
ーアオリを有する平ボデイ型貨物自動車に装備さ
せた場合、荷役装置を必要とする重い荷の積卸し
の際、積卸し口を開放するとリヤーアオリが床端
部に垂下するため、リフトテーブルを使用状態に
伸出させて上昇したとき荷役装置側と垂下状態の
アオリとが衝突するため、リフトテーブルを床面
まで昇降する動作が不可能であつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記従来技術においては、前者のテーブルをリ
ヤーアオリとして兼用したものでは荷役装置を用
いる必要のない軽い荷の積卸しの時にも荷役装置
を作動してリフトテーブルを開放しなければなら
ず荷役作業が煩雑で時間を要する上、リフトテー
ブルの長さが小さいため大きな荷の荷役が困難で
あるという問題があつた。これを解決するため後
者のもののように床領域の下方でその縁辺内に格
納されるようになされたリフト装置を装備した場
合には、荷役装置を必要とする重い荷の積卸しの
際、積卸し口を開放するとリヤーアオリが床端部
に垂下するため、リフトテーブルを使用状態に伸
出させて上昇したとき荷役装置側と垂下状態のア
オリとが相互に衝突するため、リフトテーブルの
床面までの昇降が不可能であり、重い荷の荷役装
置ができないという問題があつた。

このような問題を解決するため、リヤーアオリ
を観音開き型構造にしたり、あるいは抜き差し可
能な構造にして、リヤーアオリが開放状態のとき
床端で垂下しないで積卸し口を開放できるように
することが考えられるが、観音開き型構造の場合
横に長いリヤーアオリを左右に開かなければなら
ないため開閉作業が面倒である上、横に長いリヤ
ーアオリが荷台の左右外方に大きく張り出すため
人や障害物に衝突する虞れがあつて危険であるこ
とが予想され、また抜き差し可能な構造にした場
合には荷役の都度に重いリヤーアオリを持ち運ぶ
必要があるため荷役作業が重労働になることが予
想される。

そこで本考案はリヤーアオリの簡単でかつ安全
な開閉、格納操作によつて床下格納型荷役装置の
使用が可能な平ボデイ型貨物自動車の荷役装置を
提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は平ボデイ型貨物自動車の床端部にリヤ
ーアオリを上下方向回転可能に枢着し、前記リヤ
ーアオリを前記床外面側に固定する磁石又は鎖等
の連結部材を設け、床下方に床下格納型荷役装置
を設けてなり、前記荷役装置の床下格納状態で前
記リヤーアオリを前記枢着部を支点として回転さ
せて開くことにより軽い荷の積卸しを行ない、前
記リヤーアオリを前記枢着部を支点として床外面
側まで回転させて前記連結部材により床外面側に
固定した状態で前記荷役装置により重い荷の積卸
しを行なうことができるようにしてなる平ボデイ
型貨物自動車の荷役装置である。

［作用］ 本考案は荷役装置を床下方に格納した状態でリ
ヤーアオリを枢着部を支点として回転させて開く
ことにより積卸し口を開放して軽い荷の積卸しを
行ない、また床下方に格納された荷役装置を下降
させた状態でリヤーアオリを枢着部を支点として
床外面側まで回転させて連結部材によつてリヤー
アオリを床外面側に固定した後、荷役装置を昇降
する。この場合リヤーアオリは床下に格納されて
いるため、リフトテーブルの昇降時に荷役装置側
とリヤーアオリとが衝突して不都合を生じること
がなく円滑な荷役作業を行なうことができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を参照して説明する。

第２図乃至第４図に示すように、平ボデイ型貨
物自動車の床５の端部に上下方向回動可能に枢着
されたリヤーアオリ２と、このリヤーアオリ２を
床５の外面側に固定する磁石又は鎖等の連結部材
６と、床下格納型荷役装置１とを具備して構成さ
れている。

第２図Ａは床下格納型荷役装置１が格納状態
で、床下格納型リヤーアオリ２が遮蔽の状態にあ
つて走行が可能な状態を示している。

第２図Ｂは第２図Ａの状態からリヤーアオリ２
を枢着部８を支点として180゜回転することにより
垂下して積卸し口を開放したものであり、ダンボ
ール詰め等の軽い荷の積卸しを行なう状態を示し
ている。この場合リヤーアオリ２を開放するのに
荷役装置は邪魔にならない。

第２図Ｃはリヤーアオリ２を遮蔽状態にしてか
ら荷役装置１を作動させてアーム３を接地させた
状態を示している。

第２図Ｄは第２図Ｃの状態からリフトテーブル
４を開いて使用状態にするとともにリヤーアオリ
２を枢着部８を支点として270゜回転することによ
り床５の外面まで移動して磁石又は鎖等の連結部
材６により床５の外面側に固定し、このようにし
てリヤーアオリ２を床下に格納した後、リヤーア
オリ２に邪魔されることなくリフトテーブル４に
より重い荷の積卸しを行なうことができる状態を
示している。

第３図はリヤーアオリ２が遮蔽状態、荷役装置
１が床下格納状態の後面図であり、リヤーアオリ
２を床下に格納し易いようにリヤーアオリ２の高
さがサイドアオリ７よりも低く形成され、かつ、
リヤーアオリ２の枢着部８がやや長く延設されて
いる。それは第４図のリヤーアオリ２の作用状態
を示す断面図にさらに詳細に示されている。又リ
ヤーアオリ２の枢着部８間に床下格納時のリフト
アーム３先方部が位置するように設けられてい
る。

このように上記実施例においては、平ボデイ型
貨物自動車に床下格納型リヤーアオリ２と床下格
納型荷役装置１を独立して装備せしめたから、リ
フトの必要のない軽い荷を積卸しする場合には普
通の平ボデイと同様に使用出来ることになる。す
なわちリフトテーブル４に邪魔されずにリヤーア
オリ２を枢着部８を支点として180゜回転させるこ
とにより、リヤーアオリ２を垂下させて開放する
ことができるため従来のように荷役装置を使用す
る必要のない軽い荷の積卸しの際でも必ず荷役装
置を作動せねばならないと言う欠点が一掃され作
業性の優れた荷役装置となる。さらにリフトが必
要な重い荷を積卸しする場合にはリヤーアオリ２
を枢着部８を支点として270゜回転し、磁石等の連
結部材６により床５の外面側に固定することによ
りリフトテーブル４の上昇時に垂下状態のリヤー
アオリ２と荷役装置１側とが衝突してリヤーアオ
リ２に邪魔されるという不具合がなくリフトテー
ブル４を昇降出来ることになり荷役効果の優れた
装置になる。また床下格納型荷役装置１を用いる
ためリフトテーブル４の長さが大きいものを使用
することができ大きい荷の積卸しが可能である。
さらに、観音開き型リヤーアオリを用いた場合に
は開閉操作が面倒であつたり横に長いリヤーアオ
リを左右に張り出して回転させることによる危険
性があつたりするが、上記実施例ではリヤーアオ
リ２を上下方向に回転して床５の外面側に連結部
材６を介して固定するため開閉、格納操作が簡単
で、かつ、外方に張り出さないため安全性が高い
ものである。またリヤーアオリを抜き差し可能な
構造にした場合にはリヤーアオリの開閉の都度重
いリヤーアオリを持ち運ぶ必要があるため重労働
になるが、上記実施例ではリヤーアオリの自重に
よる回転モーメントを利用して容易に床５の外面
側に回転させて固定できるため作業が非常に楽で
ある。

なお本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく本考案の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能である。

［考案の効果］ 本考案は平ボデイ型貨物自動車の床端部にリヤ
ーアオリを上下方向回転可能に枢着し、前記リヤ
ーアオリを前記床外面側に固定する磁石又は鎖等
の連結部材を設け、床下方に床下格納型荷役装置
を設けてなり、前記荷役装置の床下格納状態で前
記リヤーアオリを前記枢着部を支点として回転さ
せて開くことにより軽い荷の積卸しを行ない、前
記リヤーアオリを前記枢着部を支点として床外面
側まで回転させて前記連結部材により床外面側に
固定した状態で前記荷役装置により重い荷の積卸
しを行なうことができるようにしてなるため、リ
ヤーアオリの簡単でかつ安全な開閉、格納操作に
よつて床下格納型荷役装置の使用が可能な平ボデ
イ型貨物自動車の荷役装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の側面図、第２図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ
は本考案の作用状態を示す側面図、第３図は後面
図、第４図はリヤーアオリの作用状態を示す断面
図である。 １……荷役装置、２……リヤーアオリ、５……
床、６……連結部材、８……枢着部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平ボデイ型貨物自動車の床端部に上下方向回転
   可能に枢着されたリヤーアオリと、このリヤーア
   オリを前記床外面側に固定する磁石又は鎖等の連
   結部材と、床下格納型荷役装置とを具備し、前記
   荷役装置の床下格納状態で前記リヤーアオリを前
   記枢着部を支点として回転させて開くことにより
   軽い荷の積卸しを行ない、前記リヤーアオリを前
   記枢着部を支点として床外面側まで回転させて前
   記連結部材により床外面側に固定した状態で前記
   荷役装置により重い荷の積卸しを行なうことがで
   きるようにしたことを特徴とする平ボデイ型貨物
   自動車の荷役装置。