JPH018678Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は金属ガスケツトの改良に係り、特に
締結用ボルト孔とビードとの距離を略同一とすべ
くビードの会合部を締結部位に接近させることに
より、締結時の押圧力により強制的にビードの会
合部を偏平化し、シール性の向上を図る金属ガス
ケツトに関する。

〔考案の技術的背景〕

弾性を有する金属板にビードを形成し、このビ
ードによつて、例えばシリンダヘツドとシリンダ
ブロツクの接合面のシールを果す金属ガスケツト
は、ボルトの締結力によりデツキ面たる接合面に
シール線を形成してシール効果をあげている。

〔背景技術の問題点〕

しかし、第３，４図に示す如く、このような金
属ガスケツト２は、第１，第２シリンダ孔６，８
を夫々囲繞する囲繞ビードたる第１、第２ビード
１２，１４の第１、第２膨出部１２ａ，１４ａ
と、この第１、第２膨出部１２ａ，１４ａが会合
してなる会合部１８，１８間に接続ビードたる第
３ビード１６とが形成されている。そして、この
会合部１８，１８は複雑にビードが会合している
のでシール線が発生し難く、しかも前記第１、第
２シリンダ孔６，８に近接している。このため、
エンジン作動時には隣接するシリンダ孔内の圧力
差により会合部において、シール線が容易に切断
され、リークを生じる不都合がある。

〔考案の目的〕

そこでこの考案の目的は、締結用ボルト孔とビ
ードとの距離を略同一とすべく金属ガスケツトに
形成されるビードの会合部を締結部位に接近さ
せ、締結時の面圧力を利用して会合部のビードを
偏平化し、会合部におけるシール性を向上させ、
リークを確実に防止し得る金属ガスケツトを実現
するにある。

〔考案の構成〕

この目的を達成するためにこの考案は、弾性金
属板にビードを形成してシールを果す金属ガスケ
ツトにおいて、弾性金属板に設けた複数のシリン
ダ孔を夫々囲繞しシールするビードを設け、前記
弾性金属板の所望箇所に締結用ボルト孔を穿設
し、この締結用ボルト孔と前記ビードとの距離を
略同一とすべく前記ビードの会合部を締結用ボル
ト孔部位に接近させて形成したことを特徴とす
る。

〔考案の実施例〕 以下図面に基づいてこの考案の実施例を詳細に
説明する。

第１，２図はこの考案の実施例を示すものであ
る。第１図において、２は内燃機関用金属ガスケ
ツト、４は弾性金属板からなる基板、６は第１シ
リンダ孔、８は第２シリンダ孔、１０は締結部位
たるボルト孔である。前記基板４に各シール部位
をシールするビードを形成し、シリンダヘツドと
シリンダブロツク間のあらゆる歪を吸収すべく構
成する。このビードには前記金属ガスケツト２の
基板４に穿設された第１シリンダ孔６を囲繞する
形で第１ビード１２を設ける。また、第２シリン
ダ孔８を囲繞する形で第２ビード１４を設ける。
更に、第１ビード１２と第２ビード１４との夫々
の第１、第２膨出部１２ａ，１４ａが会合してな
る会合部１８，１８間、つまり前記第１、第２シ
リンダ孔６，８間に第３ビード１６を設ける。そ
して、第２図に示す如く、第３ビード１６の第３
膨出部１６ａの両端部たる会合部１８，１８を１
点鎖線で示す従来位置から実線で示す位置まで移
動し、締結用ボルト孔とビードとの距離を略同一
とすべく前記締結部位たるボルト孔１０に接近さ
せる構成とする。このとき、前記ボルト孔１０
は、第１，２図から明らかな如く、基板４の所望
箇所、例えば第１、第２シリンダ孔６，８間の第
３ビード１６の第３膨出部１６ａの会合部１８，
１８よりも外側、つまり第３ビード１６から離間
する側に夫々穿設されている。

次に作用について説明する。

シリンダヘツドとシリンダブロツク間の接合面
に締結用ボルト（図示せず）により介装した金属
ガスケツト２においては、弾性金属板たる基板４
に形成したビードにより接合面の歪による間隙が
密封され、ビードの会合部１８，１８を除く第１
および第２ビード１２，１４には良好なシール線
が形成され、接合面におけるオイル、ガスのリー
ク防止が達成される。

また、第３ビード１６の第３膨出部１６ａの両
端部たる会合部１８，１８を締結部位たるボルト
孔１０に接近させることにより、エンジン作動時
の第１、第２シリンダ孔６，８内の圧力差による
リークせんとする力が会合部１８，１８において
阻止される。つまり、締結用ボルト（図示せず）
の押圧力により、会合部１８，１８は充分に偏平
化され、強力なシール線が生起されるので、確実
なシールを果すことができるものである。そして
更に、前記第１、第２シリンダ孔６，８近傍から
離間させ締結部位たるボルト孔１０に各ビードの
膨出部の会合部１８，１８を接近させることとな
り、第１、第２シリンダ孔６，８近傍に位置する
ビード形状を簡略化し、各シリンダ圧力差による
影響がおよび難くなりシリンダ間のリークを防止
し得る。

そして、前記会合部１８，１８を締結部位たる
ボルト孔１０，１０近傍に位置させることによ
り、第１、第２シリンダ孔６，８間を狭くするこ
とができ、エンジンをコンパクト・軽量に構成す
ることができる効果もある。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明した如くこの考案によれば、締
結用ボルト孔とビードとの距離を略同一とすべく
金属ガスケツトに形成されるビードの会合部を締
結部位に接近させる構成としたので、締結時の押
圧力により強制的に会合部のビードを偏平化し得
て、またシリンダ間から会合部を離間し得て、こ
れらにより、シール線が切断されるのを防止して
会合部におけるシール性を向上させ、吹き抜け等
のリークを確実に防止し得るという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１，２図はこの考案の実施例を示し、第１図
は金属ガスケツトの概略平面図、第２図は第１図
の矢視部分の拡大図である。第３，４図はこの
考案の従来技術を示し、第３図は金属ガスケツト
の概略平面図、第４図は第３図の−線による
拡大断面図である。 図において、２は金属ガスケツト、４は基板、
６は第１シリンダ孔、８は第２シリンダ孔、１２
は第１ビード、１４は第２ビード、１６は第３ビ
ード、１８は会合部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性金属板にビードを形成してシールを果す金
   属ガスケツトにおいて、弾性金属板に設けた複数
   のシリンダ孔を夫々囲繞しシールするビードを設
   け、前記弾性金属板の所望箇所に締結用ボルト孔
   を穿設し、この締結用ボルト孔と前記ビードとの
   距離を略同一とすべく前記ビードの会合部を締結
   用ボルト孔部位に接近させて形成したことを特徴
   とする金属ガスケツト。