JPH01306062A - 鋳造用鋳抜きピン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は金型鋳造に用いられる鋳抜きピンに関し、−層
詳細には、材質の異なる部材を用いて同軸的に内側と外
側との二重構造に鋳抜きピンを構成し、特に、内部部材
に銅合金のような熱伝導性の高い材質を用い、前記内部
部材を介して溶湯に直接接触する外部部材を間接的に冷
却するように構成することにより、冷却用媒体を使用す
ることなく好適に冷却効果が得られると共に、溶湯から
受ける熱ｉ＃’Ｊを緩和して耐久性を向上させることを
可能とした鋳造用鋳抜きピンに関する。

［発明の背景コ ダイカスト鋳造法、低圧鋳造法のように、金型を用いる
鋳造には、通常、鋳抜きピンが鋳造品の軽量化あるいは
ボルト孔等を形成するために用いられる。

従来、鋳抜きピンは合金鋼の中、熱間工具鋼（ＪＩＳ　
　５ＫＤ６１）をその素材として、さらに耐熱性を向上
させるために焼入れ、焼戻し等の熱処理を施して製造し
ていた。鋳抜きピンは金型内において高温の溶湯内に浸
漬されるため、溶湯の高熱に直接曝されるからである。

こうした溶湯の熱に対処するために、鋳抜きピンには内
部に冷却用媒体、例えば、冷却水が通ずる通路が形成さ
れ、この通路を通流する水によって直接鋳抜きピンを冷
却している。然しなから、特に小径の鋳抜きピンの場合
、内部に通路を形成する加工が困難であるため、十分な
冷却水を通すことが出来ず、従って、鋳造した際に鋳抜
きピンに焼き付けが生じるという欠点が指摘されている
。

また、鋳抜きビン内部の通路に冷却水を流すためには、
金型に設けた冷却水通路との接合個所に０１Ｊング、パ
ツキン等の漏洩防止部材を装着しなければならない。と
ころが金型はかなりの温度に昇温するため、これらの０
リング等が劣化し損傷し易い。この結果、冷却水が金型
あるいは金型の下部に設けた溶湯保持炉に洩れることが
ある。特に、溶湯保持炉に水がかかり、そのまま看過し
た場合、溶湯保持炉の温度を低下させるという不都合が
発生し、このことは以後の鋳造サイクルの進行が不可能
となるという事態まで発展することがある。

さらに、このように鋳抜きピンを水によって直接冷却す
る型式では溶湯による加熱と冷却水による冷却との間の
温度変化が激しく、これを繰り返すことによって鋳抜き
ピンが不断の熱衝撃に曝されることになる。従って、鋳
抜きピンが長期の使用に耐えることが出来ず、耐用性の
面から問題点が指摘されている。

［発明の目的］ 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもので
あって、鋳抜きピンを熱伝導性の高い銅合金系材質から
なる内部部材と、この内部部材に、例えば、焼嵌め、圧
入等により一体化された外部部材とから構成し、当該鋳
抜きピンを冷却媒体が通流する冷却ブロック等に取り付
は可能とし、冷却水の冷却効果を熱伝導の良好な内部部
材を介して直接溶湯に接触する外部部材に伝達すること
により、直接冷却水を用いた場合に惹起する不都合を回
避し、しかも、熱衝撃を軽減させるために極端な温度変
化に曝さず耐久性を向上させることを可能とする鋳造用
鋳抜きピンを提供することを目的とする。

［目的を達成するための手段］ 前記の目的を達成するために、本発明は熱伝導性の高い
金属からなるピン形状の内部部材と、耐熱性の鉄系材質
からなり前記内部部材を囲繞する外部部材とを同軸的に
組み合わせて一体構造とするよう構成することを特徴と
する。

また、本発明は内部部材の尾端部に冷却水により直接冷
却される冷却部材に係着するためのフランジ部を形成し
、冷却部材の冷却効果が前記内部部材に伝達されるよう
に構成したことを特徴とする。

さらに、本発明は外部部材を内部部材に対して焼嵌めま
たは圧入により一体化し若しくは内部部材に対して外部
部材を鋳ぐるみ構成したことを特徴とする。

［実施態様］ 次に、本発明に係る鋳造用鋳抜きピンについて好適な実
施態様を挙げ、この鋳抜きピンが使用される鋳造用金型
との関連において添付の図面を参照しながら以下詳細に
説明する。

第１図において、参照符号１０は本発明に係る鋳抜きピ
ンが装着される鋳造用金型を示す。この鋳造用金型１０
は下型１２と、下型１２の上方に位置する上型１４と、
前記下型１２、上型１４に対して変位自在に嵌合する摺
動型１６とから構成される。

この場合、摺動型１６は左右一対として構成されるもの
であり、第１図にはその一方が図示されているものであ
る。前記下型１２、上型１４、摺動型１６の互いの対向
面によりキャビティＩ８が画成される。

そこで、下型１２には図示しない湯口が紙面の右端側に
設けられ、この湯口から低圧鋳造法によって当該鋳造用
金型１０の下方に設置される保持炉内の溶湯がストーク
等を介して所定の圧力でキャビティ１８内に充填される
。また、下型１２にはこれを冷却するための冷却水が循
環する通路２０が複数形成される。

次いで、摺動型１６は図示しないアクチュエータに連結
部材２２を介して接続され、シリンダ等のアクチュエー
タの駆動作用下に進退変位自在に構成されるものである
。前記下型１２と同様に、この摺動型１６にも冷却水が
循環される通路２４が複数形成される。

一方、上型１４は図示しないシリンダ等の駆動手段等に
より昇降自在に構成された可動ダイベース２６に対して
冷却ブロック２８を間に挟んで一体的に装着されるもの
である。従って、可動ダイベース２６と一体的に上型１
４は鉛直方向に変位自在である。なふ、前記冷却ブロッ
ク２８には複数の通路３０が形成され、これら通路３０
には下型１２、摺動型１６と同様に冷却水が通流する。

上型１４の所定部位には段付孔部３１が穿設され、本発
明に係る鋳造用鋳抜きピン３２は上型１４の前記段付孔
部３１を挿通して先端がキャビティ１８に臨み、且つそ
の尾端部は冷却ブロック２８に係着され、保持される。

第２図に前記鋳抜きピン３２の詳細を示す。当該鋳抜き
ピン３２は異なる材質から夫々形成された内部部材３４
と外部部材３６とから同軸的な二重構造として構成され
るものである。この場合、内部部材３４は銅合金等の熱
伝導性の良好な合金がその材質として選択されている。

そして、当該内部部材３４はフランジ状の尾端部３７と
ビン部３８とから構成され、上型１４に当該鋳造用鋳抜
きピン３２を装着した時に前記尾端部３７が冷却ブロッ
ク２８に広面積で当接される。

一方、この内部部材３４に外嵌する外部部材３６には鋳
鉄、鋳鋼、鉄鋼等の熱に対して耐久性のある鉄系の材料
が材質として選択され、本実施態様では、ダイス鋼をそ
の材料に用いている。

前記外部部材３６は軸心に沿って前記内部部材３４のピ
ン部３８の形状に対応した長孔３９が画成され、この長
孔３９に内部部材３４のピン部３８が嵌合することによ
り両者は同軸的に一体化する。特に、長孔３９の径を内
部部材３４のピン部３８の外径よりも小さく設定し、換
言すれば、圧入代を設け、焼散めあるいは圧入等により
一体化させている。

これに対して外部部材３４の尾端部４０は抜は止めのた
めにフランジ状に形成される。また、外部部材３６と上
型１４に形成した段付孔部３１の間に若干のクリアラン
スを設けるために、当該外部部材３６の外周部には段部
４１を形成し、当該鋳抜きピン３２が熱膨張した時の膨
張分を受容する間隙を画成しておく。

なお、外部部材３６の材質を鋳鉄、鋳鋼とする場合、鋳
造により鋳ぐむように形成してもよい。

一方、当該外部部材３６の先端部４２は実際に鋳造用鋳
抜きピン３２が上型１４に装着された時はキャビティ１
８に対して所定長臨入し、この先端部４２によってキャ
ビティ１８において凝固した鋳造品にボルト孔が形成さ
れるものである。なお、第１図において、参照符号４４
は鋳造品の中空部を形成する中子を示す。

本発明に係る鋳造用鋳抜きピンは基本的には以上のよう
に構成されるものであり、次にその作用並びに効果につ
いて説明する。

第１図において、低圧鋳造法によってアルミニウム合金
からなる溶湯を当該鋳造用金型１０内のキャビティ１８
に加圧充填する。この場合、鋳抜きピン３２は予め上型
１４に装着しておく。

キャビティ１８に溶湯が満たされると、鋳抜きピン３２
の先端は溶湯に浸漬した状態になる。そこで、所定時間
経過して後、上型１４の背面に装着した冷却ブロック２
８の通路３０に冷却水を通流させる。なお、下型１２の
通路２０と摺動型１６の通路２４にも鋳造条件に応じて
冷却水を通流させておく。

そこで、第２図に示すように、前記冷却ブロック２８は
通路３０内を流れる冷却水により直接冷却され、その冷
却効果は上型１４を介してキャビティ１８内の溶湯に及
び、溶湯は上型１４を介して間接的に冷却される。そし
て、冷却ブロック２８の冷却効果は鋳抜きピン３２を構
成する内部部材３４に伝達されることになる。

すなわち、通路３０に流れる冷却水によって直接冷やさ
れる冷却ブロック２８に対しては、前記内部部材３４の
尾端部３７が係着されているため、内部部材３４が熱伝
導性の極めて良好な銅合金系の材質から選択されている
ことを理由に、冷却効果は極めて効率よく当該内部部材
３４に伝達される。そして、当該内部部材３４に嵌合す
る外部部材３６が間接的に冷却される結果となる。従っ
て、溶湯に直接接触する外部部材３６の先端Ｒ４２は、
前述した通り、間接的に冷却されているため、溶湯との
間に焼き付けが発生することが好適に阻止される。

また、鋳抜きピン３２は溶湯の熱を受けてかなりの温度
に昇温されることになるが、冷却作用は冷却水の導入に
よる直接冷却ではなく銅合金からなる内部部材３４を介
して冷却ブロック２８の冷却効果を伝達するという間接
冷却であるため、急激に鋳抜きピン３２の温度が下がる
ということがない。従って、１鋳造サイクルにおける鋳
抜きピン３２の温度変化がそれほど急激ではない結果、
鋳抜きピン３２に作用する熱衝撃をかなりな程度緩和す
ることが可能となる。

こうして、溶湯が凝固してから型開きを行って鋳造サイ
クルを終了するが、同様の鋳造サイクルを繰り返して実
行する場合において、熱衝撃による鋳抜きピン３２の強
度等の機械的性質の劣化を防止し、その耐久性を向上さ
せることが可能となることが諒解されよう。

［発明の効果］ 以上のように、本発明によれば、鋳抜きピンを熱伝導性
の良好な銅合金系材質からなる内部部材と、直接溶湯に
接触する耐熱性の鋼材等からなる外部部材とから構成し
ている。当該鋳抜きピンを冷却するには、この鋳抜きピ
ンが装着される冷却ブロックの冷却効果を前記内部部材
を介して冷却水を用いることなく間接的に伝達している
ため、従来技術のような水洩れ等の不都合が発生せず、
鋳抜きピンの焼き付けなしに良好な鋳造作業を実施する
ことが可能となる。

また、冷却水による直接的な強制冷却を行っていないと
いうことは鋳抜きピンにおける温度変化が急激でないと
いうことを意味し、従って、熱衝撃を緩和することが可
能となり、その耐久性をかなりの程度向上させることが
出来るという効果を奏する。

以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明した
が、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並び
に設計の変更が可能なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る鋳抜きピンが適用される鋳造用金
型の一部省略断面図、 第２図は第１図における鋳抜きピンの構成を説明する拡
大断面図である。 １０・・・鋳造用金型　　　　　１２・・・下型１４・
・・上型　　　　　　　　１６・・・摺動型１８・・・
キャビティ　　　　　２８・・・冷却ブロック３０・・
・通路　　　　　　　　３１・・・段付孔部３２・・・
鋳抜きピン　　　　　３４・・・内部部材３６・・・外
部部材　　　　　　３７・・・尾端部３８・・・ビン部
　　　　　　　３９・・・長孔ＦＩＧ、１ ＦＩＧ、２

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）熱伝導性の高い金属からなるピン形状の内部部材
   と、耐熱性の鉄系材質からなり前記内部部材を囲繞する
   外部部材とを同軸的に組み合わせて一体構造とするよう
   構成することを特徴とする鋳造用鋳抜きピン。
2. （２）請求項１記載の鋳抜きピンにおいて、内部部材の
   尾端部には冷却水により直接冷却される冷却部材に係着
   するためのフランジ部を形成し、冷却部材の冷却効果が
   前記内部部材に伝達されるように構成したことを特徴と
   する鋳造用鋳抜きピン。
3. （３）請求項１記載の鋳抜きピンにおいて、外部部材を
   内部部材に対して焼嵌めまたは圧入により一体化し若し
   くは内部部材に対して外部部材を鋳ぐるみ構成したこと
   を特徴とする鋳造用鋳抜きピン。