JPH0988980A - 軸受用シール及びその製造方法 - Google Patents
軸受用シール及びその製造方法Info
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- JPH0988980A JPH0988980A JP7246175A JP24617595A JPH0988980A JP H0988980 A JPH0988980 A JP H0988980A JP 7246175 A JP7246175 A JP 7246175A JP 24617595 A JP24617595 A JP 24617595A JP H0988980 A JPH0988980 A JP H0988980A
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- seal
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/72—Sealings
- F16C33/76—Sealings of ball or roller bearings
- F16C33/78—Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
- F16C33/784—Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race
- F16C33/7843—Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc
- F16C33/7853—Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc with one or more sealing lips to contact the inner race
- F16C33/7856—Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc with one or more sealing lips to contact the inner race with a single sealing lip
-
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- F16C33/7816—Details of the sealing or parts thereof, e.g. geometry, material
- F16C33/783—Details of the sealing or parts thereof, e.g. geometry, material of the mounting region
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Sealing Of Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 小サイズの軸受用として好適に使用でき、シ
ール自身の反りや軸受外輪の変形等の不具合を確実に防
止できるとともに、軸受外輪から内輪にかけて確実に密
封することができ、しかも生産効率の向上及びコストの
削減を図ることができる軸受用シールを提供する。 【解決手段】 環状の金属製芯板21の一面と、芯板貫
通孔21aの内周縁部とに弾性部材からなる弾性被覆層
22が形成された環状積層板20をもって構成され、外
周縁部が他面側に折曲されて立上がり状の縁曲げ部30
が形成され、軸受1に装着した状態では、縁曲げ部30
が芯板21の弾性反発力により外輪1aに圧接して、縁
曲げ部30近傍の弾性被覆層22が、外輪1aに形成さ
れた内周段部1fに密着するとともに、貫通孔内周縁部
の弾性被覆層22が軸受内輪1bに密着してシールリッ
プとして機能するよう構成されてなる軸受用シール。
ール自身の反りや軸受外輪の変形等の不具合を確実に防
止できるとともに、軸受外輪から内輪にかけて確実に密
封することができ、しかも生産効率の向上及びコストの
削減を図ることができる軸受用シールを提供する。 【解決手段】 環状の金属製芯板21の一面と、芯板貫
通孔21aの内周縁部とに弾性部材からなる弾性被覆層
22が形成された環状積層板20をもって構成され、外
周縁部が他面側に折曲されて立上がり状の縁曲げ部30
が形成され、軸受1に装着した状態では、縁曲げ部30
が芯板21の弾性反発力により外輪1aに圧接して、縁
曲げ部30近傍の弾性被覆層22が、外輪1aに形成さ
れた内周段部1fに密着するとともに、貫通孔内周縁部
の弾性被覆層22が軸受内輪1bに密着してシールリッ
プとして機能するよう構成されてなる軸受用シール。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軸受の内外両輪
間の環状開放部に装着される軸受用シール及びその製造
方法に関し、特にミニチュア軸受等の小サイズの軸受用
として好適に使用できる軸受用シール及びその製造方法
に関する。
間の環状開放部に装着される軸受用シール及びその製造
方法に関し、特にミニチュア軸受等の小サイズの軸受用
として好適に使用できる軸受用シール及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図15ないし図17に示すように、密封
型の転がり軸受(1)においては、外輪(1a)及び内
輪(1b)間の環状開放部(1c)を、環状の軸受用シ
ール(2)により密封する場合がある。
型の転がり軸受(1)においては、外輪(1a)及び内
輪(1b)間の環状開放部(1c)を、環状の軸受用シ
ール(2)により密封する場合がある。
【0003】このような軸受用シールは多種類存在する
が、ミニチュア軸受等の小径軸受(1)に装着される小
サイズの軸受用シール(2)は、金属板からなるものが
主流である。この種のシール(2)は、金属板を環状に
打抜き、その環状金属板の外周縁部を折曲して立上がり
状の縁曲げ部(2a)を形成して製造するのが一般的で
ある。
が、ミニチュア軸受等の小径軸受(1)に装着される小
サイズの軸受用シール(2)は、金属板からなるものが
主流である。この種のシール(2)は、金属板を環状に
打抜き、その環状金属板の外周縁部を折曲して立上がり
状の縁曲げ部(2a)を形成して製造するのが一般的で
ある。
【0004】そしてこのシール(2)は、図17の想像
線状態にある縁曲げ部(2a)を、同図実線状態に示す
ように、かしめて外輪(1a)の内周溝(1d)に圧接
状態に嵌め込んで軸受(1)に装着するものである。
線状態にある縁曲げ部(2a)を、同図実線状態に示す
ように、かしめて外輪(1a)の内周溝(1d)に圧接
状態に嵌め込んで軸受(1)に装着するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の軸受用シール(2)において、縁曲げ部(2a)を
かしめて外輪(1a)の内周溝(1d)に嵌め込むと
き、かしめ処理に伴う強い力が外輪(1a)に加わって
外輪(1a)が変形し、外輪(1a)の寸法精度、例え
ば真円度が低下して品質が低下するという問題が発生す
る。更に金属のかしめ処理により微鉄粉が発生し異物と
して混入して、音響問題等の不具合をもたらす場合があ
る。また金属製シール(2)は、外輪(1a)との密着
性が不充分であり、シール(2)及び外輪(1a)間で
のグリース漏れ等を確実に防止できないばかりか、シー
ル(2)を内輪(1b)へ接触させることができず、シ
ール(2)及び内輪(1b)間の密封性が悪いという問
題を抱えている。
来の軸受用シール(2)において、縁曲げ部(2a)を
かしめて外輪(1a)の内周溝(1d)に嵌め込むと
き、かしめ処理に伴う強い力が外輪(1a)に加わって
外輪(1a)が変形し、外輪(1a)の寸法精度、例え
ば真円度が低下して品質が低下するという問題が発生す
る。更に金属のかしめ処理により微鉄粉が発生し異物と
して混入して、音響問題等の不具合をもたらす場合があ
る。また金属製シール(2)は、外輪(1a)との密着
性が不充分であり、シール(2)及び外輪(1a)間で
のグリース漏れ等を確実に防止できないばかりか、シー
ル(2)を内輪(1b)へ接触させることができず、シ
ール(2)及び内輪(1b)間の密封性が悪いという問
題を抱えている。
【0006】一方、比較的大きいサイズの軸受用シール
としては、環状の金属製芯板に弾性部材からなる被覆層
が形成されたものが知られている。
としては、環状の金属製芯板に弾性部材からなる被覆層
が形成されたものが知られている。
【0007】この軸受用シールは、外周に弾性部材から
なる外周シール部が形成されており、その外周シール部
を軸受外輪の内周溝に圧縮状態で嵌め込んで固定するも
のである。このシールでは、外周シール部が軸受外輪に
十分に密着し、シール及び外輪間のグリース漏れ等を確
実に防止できる。しかも中央の貫通孔内周にも、弾性部
材からなる内周シール部を形成することが可能であり、
この内周シール部を軸受内輪に密着させることにより、
その部分の密封も確実に行える。
なる外周シール部が形成されており、その外周シール部
を軸受外輪の内周溝に圧縮状態で嵌め込んで固定するも
のである。このシールでは、外周シール部が軸受外輪に
十分に密着し、シール及び外輪間のグリース漏れ等を確
実に防止できる。しかも中央の貫通孔内周にも、弾性部
材からなる内周シール部を形成することが可能であり、
この内周シール部を軸受内輪に密着させることにより、
その部分の密封も確実に行える。
【0008】しかしながら、この軸受用シールを製造す
るには、環状の芯板を得るための打抜き工程及び折曲工
程の他、芯板を型内に並べて加硫圧縮成形し弾性被覆層
を形成する工程、更に余剰の弾性部(バリ)を除去する
工程等、多数の工程が必要となり、生産効率が低下し
て、コストの増大を招くという問題があった。中でも加
硫圧縮成形において型内に芯板を位置精度良く並べた
り、あるいは微細なバリを丁寧に引き裂いたりする作業
は、多大な労力と膨大な時間が必要であり、製品の小型
化に伴ってその作業負担が大きくなっていき、ミニチュ
ア軸受用等の小さいサイズのシールを製造する場合、一
段と生産効率の低下及びコストの増大を招くという問題
が発生する。
るには、環状の芯板を得るための打抜き工程及び折曲工
程の他、芯板を型内に並べて加硫圧縮成形し弾性被覆層
を形成する工程、更に余剰の弾性部(バリ)を除去する
工程等、多数の工程が必要となり、生産効率が低下し
て、コストの増大を招くという問題があった。中でも加
硫圧縮成形において型内に芯板を位置精度良く並べた
り、あるいは微細なバリを丁寧に引き裂いたりする作業
は、多大な労力と膨大な時間が必要であり、製品の小型
化に伴ってその作業負担が大きくなっていき、ミニチュ
ア軸受用等の小さいサイズのシールを製造する場合、一
段と生産効率の低下及びコストの増大を招くという問題
が発生する。
【0009】なお、ミニチュア軸受用のシールとして、
合成樹脂製のものも一部採用されている。このシール
は、周知の射出成形加工により効率良く製造できるが、
軸受回転中の温度上昇による樹脂の熱クリープ現象によ
り、有害な反り等が発生して、密封が不十分となり、グ
リース漏れ等が発生するという問題がある。
合成樹脂製のものも一部採用されている。このシール
は、周知の射出成形加工により効率良く製造できるが、
軸受回転中の温度上昇による樹脂の熱クリープ現象によ
り、有害な反り等が発生して、密封が不十分となり、グ
リース漏れ等が発生するという問題がある。
【0010】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、小サイズの軸受用として好適に使用でき、シール自
身の反りや軸受外輪の変形等の不具合を確実に防止でき
るとともに、軸受外輪から内輪にかけて確実に密封する
ことができ、しかも生産効率の向上及びコストの削減を
図ることができる軸受用シール及びその製造方法を提供
することを目的とする。
し、小サイズの軸受用として好適に使用でき、シール自
身の反りや軸受外輪の変形等の不具合を確実に防止でき
るとともに、軸受外輪から内輪にかけて確実に密封する
ことができ、しかも生産効率の向上及びコストの削減を
図ることができる軸受用シール及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1の発明は、軸受の内外両輪間の環状開放部
に装着される軸受用シールであって、環状の金属製芯板
の少なくとも一面と、芯板中央の貫通孔内周縁部とに弾
性部材からなる弾性被覆層が形成された環状積層板をも
って構成され、外周縁部が他面側に折曲されて縁曲げ部
が形成され、軸受に装着した状態では、前記縁曲げ部が
芯板の弾性反発力により軸受外輪に圧接して、前記縁曲
げ部近傍の弾性被覆層が、軸受外輪に形成された内周段
部に密着するとともに、前記貫通孔内周縁部の弾性被覆
層が軸受内輪に密着するよう構成されてなるものを要旨
とする。
め、本願第1の発明は、軸受の内外両輪間の環状開放部
に装着される軸受用シールであって、環状の金属製芯板
の少なくとも一面と、芯板中央の貫通孔内周縁部とに弾
性部材からなる弾性被覆層が形成された環状積層板をも
って構成され、外周縁部が他面側に折曲されて縁曲げ部
が形成され、軸受に装着した状態では、前記縁曲げ部が
芯板の弾性反発力により軸受外輪に圧接して、前記縁曲
げ部近傍の弾性被覆層が、軸受外輪に形成された内周段
部に密着するとともに、前記貫通孔内周縁部の弾性被覆
層が軸受内輪に密着するよう構成されてなるものを要旨
とする。
【0012】この第1の発明の軸受用シールは、例えば
本願第2の発明の製法によって製造可能である。すなわ
ちこの第2の発明は、軸受の内外両輪間の環状開放部に
装着される軸受用シールの製造方法であって、金属板の
シール形成位置の中心部を打抜いて貫通孔を穿設する第
1の孔開け工程と、前記金属板の一面と、前記貫通孔の
内部とに、弾性部材からなる弾性被覆層を形成して積層
板を得る被覆層形成工程と、前記積層板の貫通孔に対応
する部分の弾性被覆層を、貫通孔内周縁部に弾性被覆層
が残存する態様に打抜く第2の孔開け工程と、前記積層
板のシール形成位置を打抜いて、環状積層板を得るブラ
ンキング工程と、シール外周縁部を他面側に折曲して、
縁曲げ部を形成する縁曲げ工程と、を含むものを要旨と
する。
本願第2の発明の製法によって製造可能である。すなわ
ちこの第2の発明は、軸受の内外両輪間の環状開放部に
装着される軸受用シールの製造方法であって、金属板の
シール形成位置の中心部を打抜いて貫通孔を穿設する第
1の孔開け工程と、前記金属板の一面と、前記貫通孔の
内部とに、弾性部材からなる弾性被覆層を形成して積層
板を得る被覆層形成工程と、前記積層板の貫通孔に対応
する部分の弾性被覆層を、貫通孔内周縁部に弾性被覆層
が残存する態様に打抜く第2の孔開け工程と、前記積層
板のシール形成位置を打抜いて、環状積層板を得るブラ
ンキング工程と、シール外周縁部を他面側に折曲して、
縁曲げ部を形成する縁曲げ工程と、を含むものを要旨と
する。
【0013】本発明の軸受用シールにおいては、シール
外周縁部の弾性被覆層が軸受外輪に密着するとともに、
貫通孔内周縁部の弾性被覆層が軸受内輪に密着するた
め、軸受の内外両輪間を確実に密封でき、グリース漏れ
等を確実に防止できる。
外周縁部の弾性被覆層が軸受外輪に密着するとともに、
貫通孔内周縁部の弾性被覆層が軸受内輪に密着するた
め、軸受の内外両輪間を確実に密封でき、グリース漏れ
等を確実に防止できる。
【0014】更に軸受への装着時に外輪に加わる力は、
主として芯板の弾性反発力であり、例えば金属製シール
のように、かしめ処理に伴う多大な力が外輪に加わるよ
うなことがない。このため小サイズで剛性の低い外輪に
装着する場合であっても、外輪変形等による不具合を確
実に防止できる。
主として芯板の弾性反発力であり、例えば金属製シール
のように、かしめ処理に伴う多大な力が外輪に加わるよ
うなことがない。このため小サイズで剛性の低い外輪に
装着する場合であっても、外輪変形等による不具合を確
実に防止できる。
【0015】更に本発明のシールは、金属製の芯板を具
備しているため、例えば合成樹脂製シールとは異なり、
軸受回転中の熱劣化による有害な反り等が発生するのを
有効に防止でき、十分な耐久性を得ることができる。
備しているため、例えば合成樹脂製シールとは異なり、
軸受回転中の熱劣化による有害な反り等が発生するのを
有効に防止でき、十分な耐久性を得ることができる。
【0016】また、本発明の軸受用シールは、前記縁曲
げ部の軸線に対する傾斜角度を2°〜5°に設定し、軸
受装着状態において、前記縁曲げ部の外周面を、軸受外
輪に形成された内周端面に圧接させる構成と、前記縁曲
げ部の折曲角度を、5°〜60°に設定し、軸受装着状
態において、前記縁曲げ部の先端を、軸受外輪に形成さ
れた内周溝内面に圧接させる構成とのいずれの構成も採
用することができる。
げ部の軸線に対する傾斜角度を2°〜5°に設定し、軸
受装着状態において、前記縁曲げ部の外周面を、軸受外
輪に形成された内周端面に圧接させる構成と、前記縁曲
げ部の折曲角度を、5°〜60°に設定し、軸受装着状
態において、前記縁曲げ部の先端を、軸受外輪に形成さ
れた内周溝内面に圧接させる構成とのいずれの構成も採
用することができる。
【0017】このうち後者の構成を採用する場合、軸受
装着状態において、外輪に悪影響を与える外径方向の押
圧力を低減させることができ、より確実に、有害な外輪
変形を防止できる。
装着状態において、外輪に悪影響を与える外径方向の押
圧力を低減させることができ、より確実に、有害な外輪
変形を防止できる。
【0018】一方、本発明のシールは、上記第2の発明
で特定するように、孔開け工程、ブランキング工程、縁
曲げ工程等のプレス加工や、金属板に被覆層を形成する
工程等、作業者にとって負担の少ない作業のみで製造で
きるので、生産効率の向上及びコストの削減を図ること
ができる。しかもこの製法は、製品サイズが小さくなろ
うとも作業者への負担は増加せず、ミニチュア軸受用等
の小さいサイズのシールを製造する場合でも、低コスト
で高い生産効率を維持できる。
で特定するように、孔開け工程、ブランキング工程、縁
曲げ工程等のプレス加工や、金属板に被覆層を形成する
工程等、作業者にとって負担の少ない作業のみで製造で
きるので、生産効率の向上及びコストの削減を図ること
ができる。しかもこの製法は、製品サイズが小さくなろ
うとも作業者への負担は増加せず、ミニチュア軸受用等
の小さいサイズのシールを製造する場合でも、低コスト
で高い生産効率を維持できる。
【0019】またこの第2の発明においては、ブランキ
ング工程と、縁曲げ工程との2つの工程を同時に行うこ
とが可能であり、その場合には、生産効率をより一層向
上させることができる。
ング工程と、縁曲げ工程との2つの工程を同時に行うこ
とが可能であり、その場合には、生産効率をより一層向
上させることができる。
【0020】
<第1の実施形態>図1ないし図3はこの発明の第1の
実施形態である軸受用シール(S1)を示す図である。
これらの図に示すように、このシール(S1)は、環状
の金属製芯板(21)の一面と、芯板貫通孔(21a)
の内周縁部とに弾性部材からなる弾性被覆層(22)が
形成された環状積層板(20)をもって構成され、外周
縁部が他面側に折曲されて立上がり状の縁曲げ部(3
0)が形成されてなるものである。
実施形態である軸受用シール(S1)を示す図である。
これらの図に示すように、このシール(S1)は、環状
の金属製芯板(21)の一面と、芯板貫通孔(21a)
の内周縁部とに弾性部材からなる弾性被覆層(22)が
形成された環状積層板(20)をもって構成され、外周
縁部が他面側に折曲されて立上がり状の縁曲げ部(3
0)が形成されてなるものである。
【0021】一方、このシール(S1)を装着する軸受
(1)の外輪(1a)内周には、奥の方から順に、内周
段部(1f)、内周溝(1d)、内周端面(1e)が形
成されている。
(1)の外輪(1a)内周には、奥の方から順に、内周
段部(1f)、内周溝(1d)、内周端面(1e)が形
成されている。
【0022】そしてこの軸受(1)に、上記軸受用シー
ル(S1)を装着するには、シール(S1)をその縁曲
げ部(30)を芯板(21)の弾性反発力に抗して内側
に撓ませるようにして、両輪(1a)(1b)間の環状
開放部(1c)に適合させて嵌め込めば良い。これによ
り、シール外周の弾性被覆層(22)が外輪(1a)の
内周端面(1e)及び内周段部(1f)に密着するとと
もに、貫通孔(21a)の内周縁部に設けられた弾性被
覆層(22)が内輪(1b)に密着した状態で、縁曲げ
部(30)の外周面が芯板(21)の弾性反発力により
外輪(1a)の内周端面(1e)に圧接して、軸受
(1)へ固定される。
ル(S1)を装着するには、シール(S1)をその縁曲
げ部(30)を芯板(21)の弾性反発力に抗して内側
に撓ませるようにして、両輪(1a)(1b)間の環状
開放部(1c)に適合させて嵌め込めば良い。これによ
り、シール外周の弾性被覆層(22)が外輪(1a)の
内周端面(1e)及び内周段部(1f)に密着するとと
もに、貫通孔(21a)の内周縁部に設けられた弾性被
覆層(22)が内輪(1b)に密着した状態で、縁曲げ
部(30)の外周面が芯板(21)の弾性反発力により
外輪(1a)の内周端面(1e)に圧接して、軸受
(1)へ固定される。
【0023】以下、上記軸受用シール(S1)の構成を
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0024】上記シール(S1)の芯板(21)として
は、剛性のある金属からなるものを使用でき、中でもス
テンレス、アルミニウム、冷間圧延鋼板等からなるもの
を好適に使用できる。また弾性被覆層(22)として
は、弾性部材からなるものを使用でき、例えばニトリル
ゴム(NBR)、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタン
ゴム等の合成ゴムからなるもの、更にポリアミド、ポリ
アセタール、ポリブチレンテレフタレート、熱可塑性エ
ラストマー、熱可塑性ウレタン等の合成樹脂からなるも
のを使用でき、中でも特にNBRからなるものを好適に
使用できる。
は、剛性のある金属からなるものを使用でき、中でもス
テンレス、アルミニウム、冷間圧延鋼板等からなるもの
を好適に使用できる。また弾性被覆層(22)として
は、弾性部材からなるものを使用でき、例えばニトリル
ゴム(NBR)、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタン
ゴム等の合成ゴムからなるもの、更にポリアミド、ポリ
アセタール、ポリブチレンテレフタレート、熱可塑性エ
ラストマー、熱可塑性ウレタン等の合成樹脂からなるも
のを使用でき、中でも特にNBRからなるものを好適に
使用できる。
【0025】積層板(20)は、厚さが0.1〜0.5
mmのものを使用するのが好ましく、好適には上限値が
0.3mm以下のもの、より一層好適には、下限値が
0.15mm、上限値が0.25mmのものを使用する
のが良い。すなわち積層板(20)の厚さが薄くなり過
ぎると、十分な剛性が得られず、変形等が生じ易くなる
ので、好ましくない、逆に厚さが厚くなり過ぎると、剛
性が高くなり過ぎて、軸受(1)への装着が困難になる
とともに、材料費が高騰するので、好ましくない。
mmのものを使用するのが好ましく、好適には上限値が
0.3mm以下のもの、より一層好適には、下限値が
0.15mm、上限値が0.25mmのものを使用する
のが良い。すなわち積層板(20)の厚さが薄くなり過
ぎると、十分な剛性が得られず、変形等が生じ易くなる
ので、好ましくない、逆に厚さが厚くなり過ぎると、剛
性が高くなり過ぎて、軸受(1)への装着が困難になる
とともに、材料費が高騰するので、好ましくない。
【0026】芯板(21)の厚さは、0.1〜0.3m
mのものを使用するのが良く、好適には、下限値が0.
15mm以上、上限値が0.25mm以下のものを使用
するのが良い。すなわち芯板(21)の厚さが薄くなり
過ぎると、剛性が低下し、厚過ぎると剛性が高くなり過
ぎて、上記と同様の問題が生じ、好ましくない。
mのものを使用するのが良く、好適には、下限値が0.
15mm以上、上限値が0.25mm以下のものを使用
するのが良い。すなわち芯板(21)の厚さが薄くなり
過ぎると、剛性が低下し、厚過ぎると剛性が高くなり過
ぎて、上記と同様の問題が生じ、好ましくない。
【0027】芯板(21)に積層される部分の被覆層
(22)の厚さは、0.03〜0.10mmのものを好
適に使用でき、中でも厚さの下限値が0.05mm以上
のものは、より一層好適に使用することができる。すな
わち被覆層(22)の厚さが薄過ぎると、軸受装着時に
おいて外輪(1a)に十分に密着できず、十分な密着性
を確保できなくなり、好ましくない。逆に被覆層(2
2)の厚さが厚くなり過ぎると、相対的に芯板(21)
の厚さが薄くなり、上記と同様の問題が生じるので、好
ましくない。
(22)の厚さは、0.03〜0.10mmのものを好
適に使用でき、中でも厚さの下限値が0.05mm以上
のものは、より一層好適に使用することができる。すな
わち被覆層(22)の厚さが薄過ぎると、軸受装着時に
おいて外輪(1a)に十分に密着できず、十分な密着性
を確保できなくなり、好ましくない。逆に被覆層(2
2)の厚さが厚くなり過ぎると、相対的に芯板(21)
の厚さが薄くなり、上記と同様の問題が生じるので、好
ましくない。
【0028】なお貫通孔(21a)内周縁部に設けられ
る被覆層(22)の厚さは、後述する製法上の観点か
ら、積層板(20)と同厚に設定される。
る被覆層(22)の厚さは、後述する製法上の観点か
ら、積層板(20)と同厚に設定される。
【0029】また縁曲げ部(30)は、シール(S1)
の中心軸線に対し多少外側に傾斜させるように形成する
のが良く、その傾斜角度αは、2°〜5°に設定するの
が良い。すなわちこの傾斜角度αが大きくなり過ぎる
と、軸受(1)に装着する際に縁曲げ部(30)を大き
く撓ませる必要があり、そのときの弾性反発力が大きく
なり、装着作業が困難になる恐れがある。逆に傾斜角度
αが小さくなり過ぎると、軸受(1)に装着した際に、
縁曲げ部(30)を軸受外輪(1a)に十分に圧接させ
ることができず、十分な取付強度が得られないので、好
ましくない。
の中心軸線に対し多少外側に傾斜させるように形成する
のが良く、その傾斜角度αは、2°〜5°に設定するの
が良い。すなわちこの傾斜角度αが大きくなり過ぎる
と、軸受(1)に装着する際に縁曲げ部(30)を大き
く撓ませる必要があり、そのときの弾性反発力が大きく
なり、装着作業が困難になる恐れがある。逆に傾斜角度
αが小さくなり過ぎると、軸受(1)に装着した際に、
縁曲げ部(30)を軸受外輪(1a)に十分に圧接させ
ることができず、十分な取付強度が得られないので、好
ましくない。
【0030】以上の構成の軸受用シール(S1)の製法
は、まず図4(a)及び図5(a)に示すように、芯板
(21)となる金属板(50)にプレス処理を施し、各
シール形成位置の中央に対応して多数の貫通孔(21
a)を穿設する。
は、まず図4(a)及び図5(a)に示すように、芯板
(21)となる金属板(50)にプレス処理を施し、各
シール形成位置の中央に対応して多数の貫通孔(21
a)を穿設する。
【0031】なおこの貫通孔(21a)の寸法は、後述
するシールリップとして機能する内周縁部の弾性被覆層
(22)が適度な剛性を保って、内輪との安定したシー
ル接触状態が保てるように設定する。
するシールリップとして機能する内周縁部の弾性被覆層
(22)が適度な剛性を保って、内輪との安定したシー
ル接触状態が保てるように設定する。
【0032】次に上記孔開き金属板(50)の表面(一
面)及び孔内周面(ゴム付け領域)に、アルカリ脱脂処
理や溶剤脱脂処理等の脱脂処理を行って清浄化した後、
ゴム付け領域をショットブラスト等を用いて粗面化す
る。
面)及び孔内周面(ゴム付け領域)に、アルカリ脱脂処
理や溶剤脱脂処理等の脱脂処理を行って清浄化した後、
ゴム付け領域をショットブラスト等を用いて粗面化す
る。
【0033】更に孔開き金属板(50)のゴム付け領域
に、リン酸塩処理等の化成処理を行う。
に、リン酸塩処理等の化成処理を行う。
【0034】続いてこの金属板(50)のゴム付け領域
に接着剤を塗布してから、図4(b)及び図5(b)に
示すように、NBRに、加硫剤の他、各種の添加剤を加
えたゴム溶液を、金属板(50)のゴム付け領域、すな
わち貫通孔(21a)を塞ぐようにして一面全域にコー
ティングする。その後、ゴム溶液の乾燥、加硫を行い、
弾性被覆層(22)を形成して、積層板を形成する。
に接着剤を塗布してから、図4(b)及び図5(b)に
示すように、NBRに、加硫剤の他、各種の添加剤を加
えたゴム溶液を、金属板(50)のゴム付け領域、すな
わち貫通孔(21a)を塞ぐようにして一面全域にコー
ティングする。その後、ゴム溶液の乾燥、加硫を行い、
弾性被覆層(22)を形成して、積層板を形成する。
【0035】次に図4(c)に示すように、貫通孔(2
1a)に対応する弾性被覆層(22)を、貫通孔(21
a)よりも小さい寸法の内径抜き孔(22a)が形成さ
れるように、換言すれば貫通孔(21a)の内周縁部に
沿って弾性被覆層(22)が残存する態様に、弾性被覆
層(22)を打抜く。
1a)に対応する弾性被覆層(22)を、貫通孔(21
a)よりも小さい寸法の内径抜き孔(22a)が形成さ
れるように、換言すれば貫通孔(21a)の内周縁部に
沿って弾性被覆層(22)が残存する態様に、弾性被覆
層(22)を打抜く。
【0036】このとき金属板(50)の一面全域に弾性
被覆層(22)が形成されていると、打抜き位置の位置
決めを行うのが困難となることがあるが、以下の方法を
採用することにより、その位置決めを正確かつ簡単に行
える。
被覆層(22)が形成されていると、打抜き位置の位置
決めを行うのが困難となることがあるが、以下の方法を
採用することにより、その位置決めを正確かつ簡単に行
える。
【0037】例えば前工程における被覆層(22)の形
成工程において、金属板(50)の両側各1列の貫通孔
(21a)をマスキングする等して、その列の貫通孔
(21a)には被覆層(22)を形成せずにおき、そし
てその両側各1列の貫通孔(21a)をガイド孔として
利用し、内径抜きを行うようにすれば良い。もちろんガ
イド孔を別工程で設けるようにしても良い。
成工程において、金属板(50)の両側各1列の貫通孔
(21a)をマスキングする等して、その列の貫通孔
(21a)には被覆層(22)を形成せずにおき、そし
てその両側各1列の貫通孔(21a)をガイド孔として
利用し、内径抜きを行うようにすれば良い。もちろんガ
イド孔を別工程で設けるようにしても良い。
【0038】次に図4(d)に示すように、積層板にお
けるシール形成位置の外周縁に沿って打抜いて、環状積
層板(20)を得る。
けるシール形成位置の外周縁に沿って打抜いて、環状積
層板(20)を得る。
【0039】なおこの打抜きにおいても、上記と同様な
両側各1列の貫通孔(21a)をガイド孔として利用す
ることにより、正確かつ簡単に処理できる。
両側各1列の貫通孔(21a)をガイド孔として利用す
ることにより、正確かつ簡単に処理できる。
【0040】続いて環状積層板(20)の外周縁部を他
面側に折曲して、軸線方向に立上がり状に縁曲げ部(3
0)を形成し、図1に示すように本実施形態の軸受用シ
ール(S1)を得る。
面側に折曲して、軸線方向に立上がり状に縁曲げ部(3
0)を形成し、図1に示すように本実施形態の軸受用シ
ール(S1)を得る。
【0041】この軸受用シール(S1)によれば、シー
ル外周縁部の弾性被覆層(22)が軸受外輪(1a)に
密着するため、シール(S1)及び外輪(1a)間に十
分な密封性を確保できるとともに、貫通孔(21a)内
周縁部の弾性被覆層(22)が軸受内輪(1b)に密着
するため、シールリップとして機能し、シール(S1)
及び内輪(1b)間にも十分な密封性を確保でき、グリ
ース漏れ等を確実に防止できる。
ル外周縁部の弾性被覆層(22)が軸受外輪(1a)に
密着するため、シール(S1)及び外輪(1a)間に十
分な密封性を確保できるとともに、貫通孔(21a)内
周縁部の弾性被覆層(22)が軸受内輪(1b)に密着
するため、シールリップとして機能し、シール(S1)
及び内輪(1b)間にも十分な密封性を確保でき、グリ
ース漏れ等を確実に防止できる。
【0042】更に軸受(1)への装着時に外輪(1a)
に加わる力は、主として芯板(21)の弾性反発力であ
り、例えば従来の金属製シールのように、かしめ処理に
伴う多大な力が外輪(1a)に加わるようなことがな
い。このため小サイズで剛性の低い外輪(1a)に装着
する場合であっても、外輪変形等による不具合を確実に
防止できる。しかもかしめ処理が不要であるから、その
処理に伴う微鉄粉の発生を防止でき異物混入等の問題を
防止できる。なお本発明では、縁曲げ部(30)を少量
かしめて外輪(1a)に圧入することもあるが、その場
合でも、かしめ量は非常に少なく、外輪(1a)に加わ
る変形力は従来に比べて非常に小さくなり、外輪(1
a)を変形させる程度のものではなく、更に微鉄分の発
生もないので、上記の効果を確実に享受できる。
に加わる力は、主として芯板(21)の弾性反発力であ
り、例えば従来の金属製シールのように、かしめ処理に
伴う多大な力が外輪(1a)に加わるようなことがな
い。このため小サイズで剛性の低い外輪(1a)に装着
する場合であっても、外輪変形等による不具合を確実に
防止できる。しかもかしめ処理が不要であるから、その
処理に伴う微鉄粉の発生を防止でき異物混入等の問題を
防止できる。なお本発明では、縁曲げ部(30)を少量
かしめて外輪(1a)に圧入することもあるが、その場
合でも、かしめ量は非常に少なく、外輪(1a)に加わ
る変形力は従来に比べて非常に小さくなり、外輪(1
a)を変形させる程度のものではなく、更に微鉄分の発
生もないので、上記の効果を確実に享受できる。
【0043】またこのシール(S1)は、基本的には、
プレス工程や、ゴム溶液のコーティング工程等、作業者
にとって負担の少ない作業のみで製造することができる
ので、例えば従来のように環状芯板を型内に並べたり、
バリをひとつずつ引き裂いたりする等の負担の大きい作
業が不必要となり、生産効率の向上及びコストの削減を
図ることができる。しかも本実施形態に使用されるプレ
ス工程及びゴム塗装工程等は、製品サイズが小さくなろ
うとも作業者への負担はさほど増加せず、ミニチュア軸
受用等の小さいサイズのシールを製造する場合でも、低
コストで高い生産効率を維持できる。
プレス工程や、ゴム溶液のコーティング工程等、作業者
にとって負担の少ない作業のみで製造することができる
ので、例えば従来のように環状芯板を型内に並べたり、
バリをひとつずつ引き裂いたりする等の負担の大きい作
業が不必要となり、生産効率の向上及びコストの削減を
図ることができる。しかも本実施形態に使用されるプレ
ス工程及びゴム塗装工程等は、製品サイズが小さくなろ
うとも作業者への負担はさほど増加せず、ミニチュア軸
受用等の小さいサイズのシールを製造する場合でも、低
コストで高い生産効率を維持できる。
【0044】更に本実施形態のシール(S1)は、高強
度の芯板(21)を具備しているため、上記従来の合成
樹脂製シールとは異なり、熱劣化による有害な反り等が
発生するのを有効に防止でき、十分な耐久性を得ること
ができる。
度の芯板(21)を具備しているため、上記従来の合成
樹脂製シールとは異なり、熱劣化による有害な反り等が
発生するのを有効に防止でき、十分な耐久性を得ること
ができる。
【0045】なお、本実施形態においては、シール(S
1)の両面に弾性被覆層(22)を形成しても良く、そ
の場合には、芯板(21)の錆付きを防止でき、耐久性
を向上させることができる。
1)の両面に弾性被覆層(22)を形成しても良く、そ
の場合には、芯板(21)の錆付きを防止でき、耐久性
を向上させることができる。
【0046】また本実施形態では、シール(S1)を軸
受(1)に装着した場合、被覆層(22)のうち、内周
端面(1e)に対応する部分が削り落とされる場合があ
るが、この場合でも内周段部(1f)にはシール(S
1)の弾性被覆層(22)が密着するため、十分な密封
性を確保できることにかわりはない。さらに図示は省略
するが、被覆層(22)の内周端面(1e)に対応する
部分のみが残存している場合でも、その部分により十分
な密封性を確保できる。従って、本実施形態のシール
(S1)においては、軸受に装着した状態で、シール外
周縁部の内周端面(1e)への密接部および内周段部
(1f)への密接部のうち、少なくともいずれか一方の
密接部に、被覆層(22)が残存するよう構成されてい
れば良い。
受(1)に装着した場合、被覆層(22)のうち、内周
端面(1e)に対応する部分が削り落とされる場合があ
るが、この場合でも内周段部(1f)にはシール(S
1)の弾性被覆層(22)が密着するため、十分な密封
性を確保できることにかわりはない。さらに図示は省略
するが、被覆層(22)の内周端面(1e)に対応する
部分のみが残存している場合でも、その部分により十分
な密封性を確保できる。従って、本実施形態のシール
(S1)においては、軸受に装着した状態で、シール外
周縁部の内周端面(1e)への密接部および内周段部
(1f)への密接部のうち、少なくともいずれか一方の
密接部に、被覆層(22)が残存するよう構成されてい
れば良い。
【0047】更に本実施形態では図6に示すように、縁
曲げ部(30)に、周方向に沿って複数の切欠部(4
0)を形成して、縁曲げ部(30)の撓み力を小さく
し、軸受(1)への装着をスムーズに行えるよう構成し
ても良い。
曲げ部(30)に、周方向に沿って複数の切欠部(4
0)を形成して、縁曲げ部(30)の撓み力を小さく
し、軸受(1)への装着をスムーズに行えるよう構成し
ても良い。
【0048】また本実施形態のシール(S1)は、縁曲
げ部(30)を軸受外輪(1a)の内周端面(1e)に
弾接させて、軸受(1)への装着を図るものであるた
め、外輪(1a)の内周溝(1d)の形状にかかわら
ず、装着することができる。このため例えば図7に示す
ように、内周溝(1d)が小さい簡素な構造の外輪(1
a)にも装着することができる。
げ部(30)を軸受外輪(1a)の内周端面(1e)に
弾接させて、軸受(1)への装着を図るものであるた
め、外輪(1a)の内周溝(1d)の形状にかかわら
ず、装着することができる。このため例えば図7に示す
ように、内周溝(1d)が小さい簡素な構造の外輪(1
a)にも装着することができる。
【0049】<第2の実施形態>図8ないし図10はこ
の発明の第2の実施形態である軸受用シール(S2)を
示す図である。このシール(S2)は、外周縁部に設け
られる縁曲げ部(60)の形状が、上記第1の実施形態
のものと相違している。
の発明の第2の実施形態である軸受用シール(S2)を
示す図である。このシール(S2)は、外周縁部に設け
られる縁曲げ部(60)の形状が、上記第1の実施形態
のものと相違している。
【0050】すなわちこの第2の実施形態のシール(S
2)は、外周縁部が他面側に折曲されて、折曲角度βが
5°〜60°の縁曲げ部(60)が形成されてなるもの
である。
2)は、外周縁部が他面側に折曲されて、折曲角度βが
5°〜60°の縁曲げ部(60)が形成されてなるもの
である。
【0051】このシール(S2)を軸受(1)に装着す
るには、シール(S2)を両輪(1a)(1b)間の環
状開放部(1c)に適合させるように押し込んで、縁曲
げ部(60)を撓ませながら外輪(1a)の内周溝(1
d)に嵌め込めば良い。この装着状態においては、芯板
(21)の弾性反発力により、縁曲げ部(60)が折曲
方向に付勢されて、縁曲げ部(60)先端における芯板
(21)のエッジ部が、軸受外輪(1a)の内周溝(1
d)内面に圧接して、縁曲げ部(60)近傍の弾性被覆
層(22)が、外輪(1a)の内周段部(1f)に密着
するとともに、貫通孔(21a)の内周縁部に設けられ
た弾性被覆層(22)が内輪(1b)に密着する。
るには、シール(S2)を両輪(1a)(1b)間の環
状開放部(1c)に適合させるように押し込んで、縁曲
げ部(60)を撓ませながら外輪(1a)の内周溝(1
d)に嵌め込めば良い。この装着状態においては、芯板
(21)の弾性反発力により、縁曲げ部(60)が折曲
方向に付勢されて、縁曲げ部(60)先端における芯板
(21)のエッジ部が、軸受外輪(1a)の内周溝(1
d)内面に圧接して、縁曲げ部(60)近傍の弾性被覆
層(22)が、外輪(1a)の内周段部(1f)に密着
するとともに、貫通孔(21a)の内周縁部に設けられ
た弾性被覆層(22)が内輪(1b)に密着する。
【0052】ここで図11に示すように、軸受外輪(1
a)の内周溝(1d)は、一端部位置(P1)から底部
近傍位置(P2)までのシール圧接領域(1g)は、軸
線に対する傾斜角度γが45°程度の平面領域に形成さ
れており、この領域に軸受用シール(S1)の縁曲げ部
(60)の先端を圧接するように構成するのが好まし
い。すなわち、縁曲げ部先端の圧接位置が、上記圧接領
域(1g)から逸脱する場合、良好な装着力を得られな
いばかりか、場合によっては装着できないこともあり、
好ましくない。なお、軸受用シール(S2)の軸受
(1)への装着作業性を考慮すると、縁曲げ部(60)
先端が位置(P1)(P2)の中点よりも(P1)より
の位置に圧接するよう構成するのが、より一層好まし
い。
a)の内周溝(1d)は、一端部位置(P1)から底部
近傍位置(P2)までのシール圧接領域(1g)は、軸
線に対する傾斜角度γが45°程度の平面領域に形成さ
れており、この領域に軸受用シール(S1)の縁曲げ部
(60)の先端を圧接するように構成するのが好まし
い。すなわち、縁曲げ部先端の圧接位置が、上記圧接領
域(1g)から逸脱する場合、良好な装着力を得られな
いばかりか、場合によっては装着できないこともあり、
好ましくない。なお、軸受用シール(S2)の軸受
(1)への装着作業性を考慮すると、縁曲げ部(60)
先端が位置(P1)(P2)の中点よりも(P1)より
の位置に圧接するよう構成するのが、より一層好まし
い。
【0053】この第2の実施形態の軸受用シール(S
2)において、縁曲げ部(60)の折曲角度βは、5°
〜60°、好ましくは下限を10°以上、上限を40°
以下、より好ましくは、下限を20°以上、上限を40
°以下に設定するのが良い。すなわち折曲角度βが大き
過ぎたり、小さ過ぎたりすると、縁曲げ部(60)先端
の軸受外輪(1a)への圧接位置を、既述したシール圧
接領域(1g)内に設定できず、上記と同様な問題が発
生するので、好ましくない。
2)において、縁曲げ部(60)の折曲角度βは、5°
〜60°、好ましくは下限を10°以上、上限を40°
以下、より好ましくは、下限を20°以上、上限を40
°以下に設定するのが良い。すなわち折曲角度βが大き
過ぎたり、小さ過ぎたりすると、縁曲げ部(60)先端
の軸受外輪(1a)への圧接位置を、既述したシール圧
接領域(1g)内に設定できず、上記と同様な問題が発
生するので、好ましくない。
【0054】また軸受用シール(S2)を軸受(1)に
装着した状態においては、弾性被覆層(22)が内周段
部(1f)に密着しているが、良好な密着性を確保する
ために、この密着部分の被覆層(22)の厚さが、自然
状態のときよりも、1/4〜1/2圧縮されるよう密着
させるのが好ましい。
装着した状態においては、弾性被覆層(22)が内周段
部(1f)に密着しているが、良好な密着性を確保する
ために、この密着部分の被覆層(22)の厚さが、自然
状態のときよりも、1/4〜1/2圧縮されるよう密着
させるのが好ましい。
【0055】その他の構成は、上記第1の実施形態と同
様であるため、同一又は相当部分に同一符号を付して、
重複説明を省略する。
様であるため、同一又は相当部分に同一符号を付して、
重複説明を省略する。
【0056】以上の軸受用シール(S2)の製法は、実
質的に上記第1実施形態のそれと同様に行われる。
質的に上記第1実施形態のそれと同様に行われる。
【0057】すなわち、図4(a)及び図5(a)に示
すように、金属板(50)に多数の貫通孔(21a)を
穿設する。続いて、金属板(50)の所定領域(ゴム付
け領域)を清浄化、粗面化して、更に化成処理を行った
後、図4(b)及び図5(b)に示すように、金属板
(50)のゴム付け領域に、弾性被覆層(22)を形成
して、積層板を得る。
すように、金属板(50)に多数の貫通孔(21a)を
穿設する。続いて、金属板(50)の所定領域(ゴム付
け領域)を清浄化、粗面化して、更に化成処理を行った
後、図4(b)及び図5(b)に示すように、金属板
(50)のゴム付け領域に、弾性被覆層(22)を形成
して、積層板を得る。
【0058】次に図4(c)に示すように、貫通孔(2
1a)に対応する弾性被覆層(22)を、貫通孔(21
a)よりも小さい寸法の内径抜き孔(22a)が形成さ
れるように、弾性被覆層(22)を打抜く。
1a)に対応する弾性被覆層(22)を、貫通孔(21
a)よりも小さい寸法の内径抜き孔(22a)が形成さ
れるように、弾性被覆層(22)を打抜く。
【0059】続いて、上記孔開き積層板に対し、各シー
ル形成位置を環状に打抜くブランキング工程と、シール
外周縁部を所定形状に折曲する縁曲げ工程とを行って、
上記構成の軸受用シール(S2)を得る。このとき、上
記第1の実施形態と同様に、ブランキング工程を行った
後、その打抜き製品に対し縁曲げ工程を行うのが一般的
であるが、作業効率の向上等を図るために、複合加工方
式を用いて、上記2つの工程を1回のプレス作業で行う
ことが可能である。言うまでもなく本発明では、いずれ
の方式を採用しても良いが、上記2つの工程を同時に行
う方式では、図8ないし図11に示すように、縁曲げ部
(60)の先端面が、軸線方向に対し平行になるが、上
記2つの工程を順次行う場合には、図12に示すよう
に、縁曲げ部(60)の先端面が、軸線方向に対し傾斜
するようになる。
ル形成位置を環状に打抜くブランキング工程と、シール
外周縁部を所定形状に折曲する縁曲げ工程とを行って、
上記構成の軸受用シール(S2)を得る。このとき、上
記第1の実施形態と同様に、ブランキング工程を行った
後、その打抜き製品に対し縁曲げ工程を行うのが一般的
であるが、作業効率の向上等を図るために、複合加工方
式を用いて、上記2つの工程を1回のプレス作業で行う
ことが可能である。言うまでもなく本発明では、いずれ
の方式を採用しても良いが、上記2つの工程を同時に行
う方式では、図8ないし図11に示すように、縁曲げ部
(60)の先端面が、軸線方向に対し平行になるが、上
記2つの工程を順次行う場合には、図12に示すよう
に、縁曲げ部(60)の先端面が、軸線方向に対し傾斜
するようになる。
【0060】以上のように、この第2の実施形態の軸受
用シール(S2)においても、上記第1実施形態のシー
ル(S1)と同様で、同様の効果を得ることができる。
用シール(S2)においても、上記第1実施形態のシー
ル(S1)と同様で、同様の効果を得ることができる。
【0061】しかもこの第2の実施形態のシール(S
2)においては、上記第1の実施形態の軸受用シール
(S2)よりも、外輪(1a)への悪影響を小さくしつ
つ、被覆部(22)の密着力を十分に確保することがで
きる。すなわち図11に示すように、本実施形態の軸受
用シール(S2)では、縁曲げ部(60)の先端位置に
おいて、内周溝(1d)のシール圧接領域(1g)を押
し込む力(圧接力F2A)が作用する。この圧接力F
2Aは、軸方向に平行な軸方向成分F2Yと、外輪(1a)
に悪影響を及ぼす外径方向成分F2Xとに分離することが
できる。ここで、内周溝(1d)のシール圧接領域(1
g)の軸線に対する傾斜角度γを45°とした場合、外
径方向成分F2X及び軸方向成分F2Yとは共に等しくな
り、このうちの軸方向成分F2Yが、弾性被覆層(22)
の密着力F2Bに相当することになる。つまりF2X=
F2Y、F2Y=F2Bという関係式が成立する。
2)においては、上記第1の実施形態の軸受用シール
(S2)よりも、外輪(1a)への悪影響を小さくしつ
つ、被覆部(22)の密着力を十分に確保することがで
きる。すなわち図11に示すように、本実施形態の軸受
用シール(S2)では、縁曲げ部(60)の先端位置に
おいて、内周溝(1d)のシール圧接領域(1g)を押
し込む力(圧接力F2A)が作用する。この圧接力F
2Aは、軸方向に平行な軸方向成分F2Yと、外輪(1a)
に悪影響を及ぼす外径方向成分F2Xとに分離することが
できる。ここで、内周溝(1d)のシール圧接領域(1
g)の軸線に対する傾斜角度γを45°とした場合、外
径方向成分F2X及び軸方向成分F2Yとは共に等しくな
り、このうちの軸方向成分F2Yが、弾性被覆層(22)
の密着力F2Bに相当することになる。つまりF2X=
F2Y、F2Y=F2Bという関係式が成立する。
【0062】従って、密着力F2Bが仮にa[N]である
とすると、外輪(1a)に悪影響を及ぼす外径方向成分
F2Xはa[N]となる。
とすると、外輪(1a)に悪影響を及ぼす外径方向成分
F2Xはa[N]となる。
【0063】これに対し図13に示すように、上記第1
の実施形態の軸受用シール(S1)において、外輪(1
a)に悪影響を及ぼす力は、縁曲げ部(30)の内周端
面(1e)への圧接力で表されるが、この圧接力を「F
1X」、縁曲げ部(30)及び内周端面(1e)間の摩擦
力を「F1Y」、その間の静摩擦係数を「μ」、弾性被覆
層(22)の内周段部(1f)への密着力を「F1B」と
したとき、F1Y=F1B、F1Y=F1X×μという関係式が
成立する。
の実施形態の軸受用シール(S1)において、外輪(1
a)に悪影響を及ぼす力は、縁曲げ部(30)の内周端
面(1e)への圧接力で表されるが、この圧接力を「F
1X」、縁曲げ部(30)及び内周端面(1e)間の摩擦
力を「F1Y」、その間の静摩擦係数を「μ」、弾性被覆
層(22)の内周段部(1f)への密着力を「F1B」と
したとき、F1Y=F1B、F1Y=F1X×μという関係式が
成立する。
【0064】このとき、密着力F1Bが、上記第2の実施
形態のものと同様にa[N]であると仮定すると、この
第1実施形態では、外輪(1a)に悪影響を及ぼす力
(圧接力)F1Xはa/μ[N]となる。ここで、鋼板
(外輪)とゴム(弾性被覆層)の静摩擦係数は、通常、
0.4〜0.6であるから、上記静摩擦係数μを、0.
5とすると、圧接力F1Xは、a/0.5[N]=2a
[N]となる。
形態のものと同様にa[N]であると仮定すると、この
第1実施形態では、外輪(1a)に悪影響を及ぼす力
(圧接力)F1Xはa/μ[N]となる。ここで、鋼板
(外輪)とゴム(弾性被覆層)の静摩擦係数は、通常、
0.4〜0.6であるから、上記静摩擦係数μを、0.
5とすると、圧接力F1Xは、a/0.5[N]=2a
[N]となる。
【0065】このように密着力(密封性)が等しい場合
でも、第2実施形態の軸受用シール(S2)では、外輪
(1a)に悪影響を及ぼす力F2Xが、第1実施形態のも
のF1Xと比べて、半分程度であり、外輪変形による真円
度の低下等をより確実に防止でき、品質の向上をより一
層図ることができる。
でも、第2実施形態の軸受用シール(S2)では、外輪
(1a)に悪影響を及ぼす力F2Xが、第1実施形態のも
のF1Xと比べて、半分程度であり、外輪変形による真円
度の低下等をより確実に防止でき、品質の向上をより一
層図ることができる。
【0066】なお、この第2の実施形態においても、軸
受(1)への嵌込時の作業性を向上させるため、縁曲げ
部(60)に所定間隔おきに複数の切欠部を形成しても
良い。
受(1)への嵌込時の作業性を向上させるため、縁曲げ
部(60)に所定間隔おきに複数の切欠部を形成しても
良い。
【0067】またこの軸受用シール(S2)は、軸受外
輪(1a)の形状を簡素化したもの、例えば図14に示
すように、外輪(1a)の内周段部(1f)から外輪
(1a)端部にかけて、軸線方向に対し傾斜するシール
圧接領域(1h)が形成された外輪(1a)にも適用す
ることができる。この場合には、シール圧接領域(1
h)と内周段部(1f)とによって、内周溝(1d)が
形成されることになる。
輪(1a)の形状を簡素化したもの、例えば図14に示
すように、外輪(1a)の内周段部(1f)から外輪
(1a)端部にかけて、軸線方向に対し傾斜するシール
圧接領域(1h)が形成された外輪(1a)にも適用す
ることができる。この場合には、シール圧接領域(1
h)と内周段部(1f)とによって、内周溝(1d)が
形成されることになる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、反りや
軸受外輪の変形等の不具合を確実に防止できるととも
に、軸受外輪から内輪にかけて確実に密封することがで
き、しかも生産効率の向上及びコストの削減を図ること
ができ、特にミニチュア軸受等の小径軸受用として好適
な軸受用シール及びその製法を提供できるという効果が
得られる。
軸受外輪の変形等の不具合を確実に防止できるととも
に、軸受外輪から内輪にかけて確実に密封することがで
き、しかも生産効率の向上及びコストの削減を図ること
ができ、特にミニチュア軸受等の小径軸受用として好適
な軸受用シール及びその製法を提供できるという効果が
得られる。
【図1】この発明の第1の実施形態である軸受用シール
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の軸受用シールの外周部を示す断
面図である。
面図である。
【図3】第1実施形態の軸受用シールを軸受装着状態で
示す断面図である。
示す断面図である。
【図4】第1実施形態の軸受用シールの製造過程を説明
するための図であって、同図(a)は第1孔開け工程で
の金属板の断面図、同図(b)は被覆層形成工程での積
層板の断面図、同図(c)は第2孔開け工程での積層板
の断面図、同図(d)はブランキング工程での積層板の
断面図である。
するための図であって、同図(a)は第1孔開け工程で
の金属板の断面図、同図(b)は被覆層形成工程での積
層板の断面図、同図(c)は第2孔開け工程での積層板
の断面図、同図(d)はブランキング工程での積層板の
断面図である。
【図5】 第1実施形態の軸受用シールの製造過程を説
明するための図であって、同図(a)は第1孔開け工程
での金属板の平面図、同図(b)は被覆層形成工程での
積層板の平面図である。
明するための図であって、同図(a)は第1孔開け工程
での金属板の平面図、同図(b)は被覆層形成工程での
積層板の平面図である。
【図6】第1実施形態の軸受用シールの変形例を示す平
面図である。
面図である。
【図7】第1実施形態の軸受用シールを他種の軸受に装
着した状態で示す一側部断面図である。
着した状態で示す一側部断面図である。
【図8】この発明の第2の実施形態である軸受用シール
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図9】第2実施形態の軸受用シールの外周部を示す断
面図である。
面図である。
【図10】第2実施形態の軸受用シールを軸受装着状態
で示す断面図である。
で示す断面図である。
【図11】第2実施形態の軸受用シールの縁曲げ部周辺
を軸受装着状態で示す拡大断面図である。
を軸受装着状態で示す拡大断面図である。
【図12】第2実施形態の軸受用シールの変形例を示す
断面図である。
断面図である。
【図13】第1実施形態の軸受用シールの縁曲げ部周辺
を軸受装着状態で示す拡大断面図である。
を軸受装着状態で示す拡大断面図である。
【図14】第2実施形態の軸受用シールを他種の軸受に
装着した状態で示す一側部断面図である。
装着した状態で示す一側部断面図である。
【図15】従来の軸受を示す一半部断面図である。
【図16】従来の軸受用シールを示す概略斜視図であ
る。
る。
【図17】従来の軸受用シールの一側部を軸受装着状態
で示す断面図である。
で示す断面図である。
1…軸受 1a…外輪 1b…内輪 1d…内周溝 1e…内周端面 1f…内周段部 20…環状積層板 21…芯板 21a…貫通孔 22…弾性被覆層 30、60…縁曲げ部 50…金属板 S1、S2…軸受用シール
Claims (5)
- 【請求項1】 軸受の内外両輪間の環状開放部に装着さ
れる軸受用シールであって、 環状の金属製芯板の一面と、芯板中央の貫通孔内周縁部
とに弾性部材からなる弾性被覆層が形成された環状積層
板をもって構成され、 外周縁部が他面側に折曲されて縁曲げ部が形成され、 軸受に装着した状態では、前記縁曲げ部が芯板の弾性反
発力により軸受外輪に圧接して、前記縁曲げ部近傍の弾
性被覆層が、軸受外輪に形成された内周段部に密着する
とともに、前記貫通孔内周縁部の弾性被覆層が軸受内輪
に密着するよう構成されてなることを特徴とする軸受用
シール。 - 【請求項2】 前記縁曲げ部の軸線に対する傾斜角度が
2°〜5°に設定され、軸受に装着した状態では、前記
縁曲げ部の外周面が、軸受外輪に形成された内周端面に
圧接するよう構成されてなる請求項1記載の軸受用シー
ル。 - 【請求項3】 前記縁曲げ部の折曲角度が、5°〜60
°に設定され、軸受に装着した状態では、前記縁曲げ部
の先端が、軸受外輪に形成された内周溝内面に圧接する
よう構成されてなる請求項1記載の軸受用シール。 - 【請求項4】 軸受の内外両輪間の環状開放部に装着さ
れる軸受用シールの製造方法であって、 金属板のシール形成位置の中心部を打抜いて貫通孔を穿
設する第1の孔開け工程と、 前記金属板の一面と、前記貫通孔の内部とに、弾性部材
からなる弾性被覆層を形成して積層板を得る被覆層形成
工程と、 前記積層板の貫通孔に対応する部分の弾性被覆層を、貫
通孔内周縁部に弾性被覆層が残存する態様に打抜く第2
の孔開け工程と、 前記積層板のシール形成位置を打抜いて、環状積層板を
得るブランキング工程と、 シール外周縁部を他面側に折曲して、縁曲げ部を形成す
る縁曲げ工程と、を含むことを特徴とする軸受用シール
の製造方法。 - 【請求項5】 前記ブランキング工程と、前記縁曲げ工
程とを同時に行う請求項4記載の軸受用シールの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7246175A JPH0988980A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 軸受用シール及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7246175A JPH0988980A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 軸受用シール及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0988980A true JPH0988980A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17144638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7246175A Pending JPH0988980A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 軸受用シール及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0988980A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000055132A (ja) * | 1998-08-07 | 2000-02-22 | Ntn Corp | フライホイールダンパ支持構造 |
JP2006525122A (ja) * | 2003-03-27 | 2006-11-09 | ミネベア株式会社 | ブッシュ及びその製造方法 |
US7547146B2 (en) | 2002-02-27 | 2009-06-16 | Nsk Ltd. | Rolling bearing seal or shield member |
KR20180078322A (ko) * | 2015-11-10 | 2018-07-09 | 트렐레보르크 씰링 솔루션즈 칼마르 아베 | 밀봉 캡 및 밀봉 캡의 제조 방법 |
-
1995
- 1995-09-25 JP JP7246175A patent/JPH0988980A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000055132A (ja) * | 1998-08-07 | 2000-02-22 | Ntn Corp | フライホイールダンパ支持構造 |
US7547146B2 (en) | 2002-02-27 | 2009-06-16 | Nsk Ltd. | Rolling bearing seal or shield member |
JP2006525122A (ja) * | 2003-03-27 | 2006-11-09 | ミネベア株式会社 | ブッシュ及びその製造方法 |
KR20180078322A (ko) * | 2015-11-10 | 2018-07-09 | 트렐레보르크 씰링 솔루션즈 칼마르 아베 | 밀봉 캡 및 밀봉 캡의 제조 방법 |
JP2018536810A (ja) * | 2015-11-10 | 2018-12-13 | トレレボルグ シーリング ソリューションズ カルマル エービー | シーリング・キャップ、および、シーリング・キャップを製造するための方法 |
US10941862B2 (en) | 2015-11-10 | 2021-03-09 | Trelleborg Sealing Solutions Kalmar Ab | Sealing cap and method for manufacturing a sealing cap |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060324 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060404 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060801 |