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JPH0987985A - 製紙用化学パルプの漂白方法 - Google Patents

製紙用化学パルプの漂白方法

Info

Publication number
JPH0987985A
JPH0987985A JP24755295A JP24755295A JPH0987985A JP H0987985 A JPH0987985 A JP H0987985A JP 24755295 A JP24755295 A JP 24755295A JP 24755295 A JP24755295 A JP 24755295A JP H0987985 A JPH0987985 A JP H0987985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bleaching
pulp
peroxide
chlorine dioxide
chemical pulp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24755295A
Other languages
English (en)
Inventor
Takamasa Fukushima
隆正 福島
Tetsuo Koshizuka
哲夫 腰塚
Takeshi Miyauchi
雄 宮内
Akiyo Shimada
章代 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP24755295A priority Critical patent/JPH0987985A/ja
Publication of JPH0987985A publication Critical patent/JPH0987985A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高白色度化された製紙用化学パルプの製造にお
いて、二酸化塩素の使用量を低減させ、これにより有機
塩素化合物の副生を抑え、漂白排水による環境汚染を防
止することにある。 【解決手段】化学パルプを脱リグニンおよび漂白する方
法において、蒸解処理された化学パルプに対して、二酸
化塩素漂白を行うに際し、漂白前のpHまたは、漂白の
初期pHまたは、漂白の終期pHを1〜3で行い、次い
でアルカリ性媒体中で過酸化物、または過酸化物と酸素
により脱リグニンおよび漂白を行うことを特徴とする製
紙用化学パルプの漂白方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用化学パルプ
の製造に関するものである。更に詳しくは、化学パルプ
の脱リグニンおよび漂白処理における改良に関する方法
である。
【0002】
【従来の技術】製紙用化学パルプの漂白は多段にわたる
漂白処理により実施される。従来よりこの多段漂白には
漂白剤として塩素系薬品が使用されている。具体的に
は、塩素(C)、次亜塩素酸塩(H)、二酸化塩素
(D)の組み合わせにより、例えば、C−E−H−D、
C/D−E−H−D(C/Dは塩素と二酸化塩素の併用
漂白段、Eはアルカリ抽出段)などのシーケンスによる
漂白が行われてきた。しかし、これらの塩素系漂白薬品
は漂白時に環境に有害な有機塩素化合物を副生するた
め、この有機塩素化合物を含む漂白排水の環境汚染が問
題になっている。
【0003】有機塩素化合物の副生を低減・防止する方
法には、塩素系薬品の使用量を低減させるか、ないしは
使用しないことが最も効果的であり、特に初段の分子状
塩素を使用しないことが最も有効な方法である。この方
法で製造されたパルプはECF(エレメンタリークロリ
ンフリー)パルプと呼ばれており、現在欧州では大部分
このパルプである。
【0004】ECFパルプの製造方法として、特公平2
−221482号、特公平4−245988号、特公平
6−207390号では、その脱リグニンを行う方法と
して、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ等の酵素を用いる
ことが提案されている。しかしながら、この方法には、
酵素使用によるパルプ粘度の低下、収率の低下といった
問題があり、また酵素自体非常に高価なため、漂白コス
トが増大するという問題がある。
【0005】他に注目されている方法としては、特公平
3−40888号、特公平5−163691号、特公平
5−302285号にオゾンを用いる方法が提案されて
いる。オゾンを使用すると、脱リグニンは非常に進行
し、白色度もかなり向上するが、これもまたパルプ粘度
の低下、収率の低下といった問題がある。更に、オゾン
も非常に高価な薬品であり、オゾンの使用は漂白コスト
の著しい増大につながるものである。
【0006】欧州におけるECFパルプの製造方法とし
ては、蒸解後、または酸素漂白の後に、分子状塩素の代
わりに分子状塩素に比べ有機塩素化合物の副生が極めて
少ない二酸化塩素で処理を行い、ついでアルカリ抽出な
いしは、アルカリ性条件下での非塩素系漂白剤である過
酸化物漂白を行い後段に移行する方法が一般的である。
しかしながら、初段で用いる塩素を二酸化塩素に置換
するためには、二酸化塩素の発生装置の製造能力として
は現行の3〜5倍が必要となり、その増設のためには巨
額の投資が必要となる。
【0007】一般に、二酸化塩素処理を行う場合、紙パ
ルプ技術協会編「パルプ処理および漂白」233〜25
5頁によれば、その処理pHについては、以下のように
記載されている。二酸化塩素処理のpHは5〜6が好ま
しい。低pH域では反応速度が小さく、pHが高くなる
につれて反応速度も大きくなるが、白色度でみると最も
高白色度を示すのがpH6付近であり、それ以上pHが
高くなると白色度は低下する。またパルプ粘度は、pH
5付近で最大となり、pH7以上では明らかに低下す
る。これらのことから、実際に処理を行う場合、初期p
H7前後で処理を開始し、pH4付近で終わらせる様に
するのが一般的である(この場合のpHの低下は、反応
によって生成する酸の作用によるものである)。上記の
ようなpHで二酸化塩素処理の後に過酸化物処理を行う
場合、パルプおよび使用する水中の重金属除去が充分に
行われていないため、過酸化物の効果が充分に発揮され
ないことが多い。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高
白色度化された製紙用化学パルプの製造において、初段
二酸化塩素漂白を行い、後に過酸化物漂白を行う場合、
過酸化物の効果を上げることにより、二酸化塩素の使用
量を低減させ、これにより有機塩素化合物の副生を抑
え、漂白排水による環境汚染を防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、経済的に
パルプを脱リグニン・漂白する方法に取り組み、高白色
度・高品質のパルプが得られ、かつ、塩素系漂白薬品使
用量を大幅に削減できる方法について鋭意検討した結
果、分子状塩素の代替として注目されている二酸化塩素
に着目し、二酸化塩素を使用する化学パルプの漂白工程
において過酸化物処理を行う場合、二酸化塩素段の終期
pHを1〜3、または初期pHを1〜3に調整すること
により、後に行う過酸化物処理後に極めて効果的に脱リ
グニンおよび高白色度化されたパルプが得られることを
見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明は、蒸解処理された化学
パルプに対して、終期pHが1〜3となる様な、または
初期pHが1〜3である二酸化塩素処理を行い、後にア
ルカリ性媒体中で過酸化物、または過酸化物と酸素によ
り脱リグニン・漂白を行うことを特徴とする製紙用化学
パルプの漂白方法に関する。本発明は、製紙用化学パル
プの漂白処理に適し、特に広葉樹および針葉樹由来のク
ラフトパルプの脱リグニンおよび漂白処理に適する。
【0011】本発明の第1の特徴は、pHを1〜3で処
理した二酸化塩素漂白後パルプの白色度は、終期pH4
程度で処理を行う従来の二酸化塩素漂白後パルプに比
べ、低い白色度を示すが、後の過酸化物漂白において大
幅に白色度が向上することである。第2の特徴は、二酸
化塩素処理および、酸処理をそれぞれ単独で処理した場
合に比べ、両者を併用することにより非常に良く金属除
去が出来、特に従来除去しにくいとされていた鉄の除去
に優れていることである。更に一般の方法に比べて二酸
化塩素の使用量が少なくて済むため、初段塩素処理の現
行プロセスから、初段二酸化塩素処理のECFプロセス
へ移行する場合、二酸化塩素の発生装置の能力増強が最
小限、または増強無しでの対応が可能となり、投資コス
トが低く抑えられる、経済的に優れた方法であるという
ことである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の強酸性条件下二酸化塩素
処理(以下、この処理をADまたはAD段と称すること
がある)は、パルプの状態にもよるが、たとえばパルプ
濃度1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%、更に
好ましくは5〜20重量%、温度は20〜110℃、好
ましくは40〜80℃、処理時間は15〜300分、好
ましくは、60〜180分、pHについては、終期pH
1〜3、または初期pHが1〜3、または二酸化塩素添
加前にpHを1〜3に調整して実施される。ここでの終
期pH1〜3とは、所定処理時間経過後のpHが1〜3
であることを意味し、その調整はパルプの状態、二酸化
塩素添加量にもよるが、酸により初期pHを4〜5とす
る事により達成し得る。また、初期pHとは、パルプと
二酸化塩素と酸を混合した直後のpHを言い、反応の進
行により低下する前のpHの事である。
【0013】AD段での二酸化塩素の使用量は、用いる
蒸解後のパルプの含有リグニン量によっても異なるが、
絶乾パルプあたり0.05〜3.0重量%、好ましくは
0.1〜1.0重量%である。AD段のpH調整には酸
が用いられるが、ここでの酸としては、無機酸、有機酸
のどちらも使用出来、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸、シュウ
酸、およびこれらの酸の混合物が最適である。中でも硫
酸は、安価に入手出来るのみならず、腐食性が低いの
で、最も好適に使用出来る。AD段処理後のパルプは脱
水機により分離され、次いで好ましくは洗浄を受ける。
本発明のAD処理にはこの脱水・洗浄工程も含まれる。
【0014】AD段後のパルプは、後に過酸化物、また
は過酸化物と酸素による脱リグニン・漂白工程に供せら
れる(以下、この過酸化物漂白工程をEpまたはEp
段、過酸化物と酸素による漂白工程をEopまたはEo
p段と称することがある)。この処理において、パルプ
はアルカリ性媒体中、過酸化物、または過酸化物と酸素
による脱リグニン・漂白作用を受ける。過酸化物と酸素
を併用する場合においては、過酸化物と酸素は、実質
上、パルプに同時に作用する。Ep段、またはEop段
でのアルカリ剤としては、苛性ソーダ、苛性カリ、石
灰、ソーダ灰等が使用できる。中でも苛性ソーダは安価
であるとともに、蒸解工程へリサイクルすることにより
蒸解工程での薬品の補充量を軽減できるので、好適に使
用できる。アルカリ剤の使用量は、NaOH換算で絶乾
パルプあたり0.1〜6.0重量%、好ましくは0.5
〜3.0重量%である。アルカリ剤の使用量がこれより
少ないと、脱リグニン・漂白効果が低くなり、これより
多いとパルプの粘度が顕著に低下する。Eop段での酸
素としては、酸素ガスおよび空気が使用できるが、酸素
ガスが好ましい。酸素の使用量は、絶乾パルプあたり
0.1〜1.0重量%が好適であり、またEop段の操
作圧力は大気圧〜3.5Kgf/cm2 (ゲージ圧)が
好ましい。
【0015】Ep段またはEop段での過酸化物として
は、過酸化水素、過酸化水素と無機塩類との付加物、過
酸化ソーダ、過硫酸塩類、過ギ酸、過酢酸等の無機およ
び有機の過酸化物が使用でき、一般には過酸化水素が好
適に使用される。過酸化物の使用量は、100%過酸化
水素換算で絶乾パルプあたり0.05〜8.0重量%、
好ましくは0.2〜3.0重量%である。過酸化物の使
用量がこれより少ないと、脱リグニン・漂白効果が低
く、これより多いと過酸化物の効率が低下する。本発明
のEp段、Eop段におけるパルプへの薬品の添加順序
は、アルカリ剤、酸素の順が好ましく、過酸化物の添加
は、アルカリ剤の添加後で、酸素添加の直前、同時また
は直後において行われるのが好ましい。本発明のEp
段、Eop段のパルプ濃度は7〜30重量%、好ましく
は10〜20重量%である。温度は40〜120℃、好
ましくは70〜100℃である。処理時間は15〜18
0分、好ましくは30〜120分である。
【0016】更に、Ep、Eop段においてマグネシウ
ム化合物を併用するのが好ましい。マグネシウム化合物
の使用により、過酸化物の脱リグニン・漂白作用が増大
し、かつパルプの粘度低下が軽減される。マグネシウム
化合物としては、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネ
シウム等が使用できるが、一般には硫酸マグネシウムが
使用される。マグネシウム化合物の使用量は、マグネシ
ウムイオンとして絶乾パルプあたり0.005〜0.7
5重量%、好ましくは0.01〜0.3重量%である。
マグネシウム化合物の添加は、アルカリ剤、酸素および
過酸化物の添加以前においてなされるのが好ましい。す
なわち、パルプスラリーが中性〜弱酸性域状態にある時
にマグネシウム化合物を添加することが、マグネシウム
化合物の均一分散性の面で好ましい。
【0017】本発明のAD−Ep(またはEop)によ
って得られる漂白パルプは、そのままでもかなり高い白
色度を示すが、更に継続して単段または多段の漂白工程
を付加したフル漂白により、一層高い白色度を示すパル
プを得ることが出来る。その場合、Ep段、Eop段ま
でにおいて既に高度の脱リグニンが行われ、かつその段
階で高白色度状態にあるため、後続漂白用薬品として、
塩素および次亜塩素酸塩をほとんどまたは全く使用しな
い漂白が可能である。たとえば、O−AD−Ep(また
はEop)工程後、二酸化塩素(D)、次いで過酸化物
漂白(P)を行う、O−AD−Ep(またはEop)−
D−P等の、塩素および次亜塩素酸塩を使用しないフル
漂白シーケンスが可能である。これらのフル漂白シーケ
ンスでは、現行の代表的なシーケンスである、O−C/
D−Eo(E段に酸素併用)−H−Dと同等以上の高粘
度・高白色度のパルプ製品を得ることが出来る。また、
塩素および次亜塩素酸塩を使用しないことから、現行法
に比べ副生する有機塩素化合物量の著しく少ない漂白が
可能である。
【0018】本発明における二酸化塩素(D)段の条件
は、通常のD段条件で行われる。たとえば、パルプ濃度
は7〜30重量%、温度は40〜90℃、時間は1〜4
時間、二酸化塩素使用量は0.1〜2.0重量%の範囲
で行われる。後続の過酸化物(P)段は、通常のP段条
件で行われる。すなわち、アルカリ性媒体中で過酸化物
により、パルプ濃度が7〜30重量%、温度が40〜1
00℃、時間が1〜4時間といった条件で行われる。ア
ルカリ剤としては、苛性ソーダ、苛性カリ、石灰、ソー
ダ灰等が挙げられるが、一般的には苛性ソーダが使用さ
れ、苛性ソーダ使用量としては0.1〜2.0重量%の
範囲で行われる。また、過酸化物としては、過酸化水
素、過酸化水素と無機塩類との付加物、過酸化ソーダ、
過ギ酸、過酢酸等の無機および有機の過酸化物が挙げら
れるが、一般的には過酸化水素が使用され、過酸化物の
使用量は、100%過酸化水素換算で、絶乾パルプあた
り0.1〜3.0重量%の範囲で行われる。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。各薬品の使用量は絶乾パルプあたりの重量%で示
し、過酸化物の使用量は、100%過酸化水素換算であ
る。使用したパルプは、クラフト蒸解後酸素漂白を行っ
たL材パルプである。また、分析方法は下記の方法によ
った。 ・パルプ:白色度 46.2%、 K価:7.4、 2
4.2cP ・分析評価: 白色度・・JIS−P8123(ハンター白色度法) K 価・・TAPPI K価法 粘 度・・J.TAPPI No.44法 金属量・・ICP法 AOX・・EPA METHOD 9020法 (三菱化成(株)製 TSX−10型 使用)
【0020】実施例1 クラフト蒸解後酸素漂白を行ったL材パルプについて、
下記条件にしたがってAD−Epによる脱リグニン漂白
を行った。(AD−Ep) AD(強酸性条件下二酸化塩素処理) 1)ClO2 量:0.2%、パルプ濃度:12%、処理
時間:2時間、処理温度:70℃、pH:漂白処理後に
pHが2になるように硫酸を添加、の条件で処理を行っ
た。 2)処理終了後、水にてパルプ濃度2.5%に希釈した
後、パルプ濃度22%に脱水した。さらに希NaOH水
溶液にてpH6〜8に調整し、パルプ濃度を20%と
し、次のEp段に移行した。Ep(過酸化物漂白) 1)H22 量:1.0%、NaOH量:1.2%、M
gSO4 量:0.25% パルプ濃度:10%、処理時間:90分、処理温度:9
0℃の条件で処理を行った。 2)反応終了後、水にてパルプ濃度2.5%に希釈し、
次いでパルプ濃度20%に脱水して漂白操作を終了し
た。
【0021】実施例2 実施例1のAD段の二酸化塩素処理前のpHを2に調整
した以外は、実施例1と同様な漂白を行った。(AD−
Ep) 実施例3 実施例1のAD段の二酸化塩素添加前のpHを2に調整
した以外は、実施例1と同様な漂白を行った。(AD−
Ep)
【0022】比較例1 実施例1のAD段の二酸化塩素処理後のpHが4となる
ように予め調整した以外は、実施例1と同様な漂白を行
った。(D−Ep) 比較例2 実施例1のAD段の二酸化塩素処理後のpHが6となる
ように予め調整した以外は、実施例1と同様な漂白を行
った。(D−Ep) 比較例3 実施例1のAD段の二酸化塩素処理後のpHが9となる
ように予め調整した以外は、実施例1と同様な漂白を行
った。(D−Ep)
【0023】実施例1〜3、比較例1〜3の結果を第1
表に示す。
【表1】 第1表 AD段pH 白色度(%) K価 粘度(cP) ──────────────────────────────────── 実施例1 処理後 2 78.2 3.8 22.5 2 処理前 2 79.0 3.7 22.8 3 D添加前 2 79.1 3.7 22.5 比較例1 処理後 4 74.0 4.5 22.5 2 処理後 6 73.7 4.6 22.2 3 処理後 9 69.8 4.9 22.0 ──────────────────────────────────── 以上のように、本発明法の条件で処理を行うことによ
り、著しい白色度の向上と、脱リグニンの進行がみられ
た。
【0024】実施例4 クラフト蒸解後酸素漂白を行ったL材パルプについて、
下記条件にしたがってAD処理を行った。(AD) AD(強酸性条件下二酸化塩素処理) 1)ClO2 量:0.2%、パルプ濃度:12%、処理
時間:2時間、処理温度:70℃、pH:二酸化塩素添
加前にpH2に調整、の条件で処理を行った。 2)処理終了後、水にてパルプ濃度2.5%に希釈した
後、パルプ濃度22%に脱水した。さらに希NaOH水
溶液にてpH6〜8に調整し、パルプ濃度を20%と
し、処理操作を終了した。
【0025】比較例4 実施例4のAD段の二酸化塩素を添加しない以外は、実
施例4と同様な漂白を行った。(A) 比較例5 実施例4のAD段の二酸化塩素添加前のpHを4に調整
した以外は、実施例4と同様な漂白を行った。(D) 比較例6 実施例4のAD段の二酸化塩素添加前のpHを6に調整
した以外は、実施例4と同様な漂白を行った。(D) 比較例7 実施例4のAD段の二酸化塩素添加前のpHを9に調整
した以外は、実施例4と同様な漂白を行った。(D)
【0026】実施例4、比較例4〜7の漂白結果を第2
表に示す。
【表2】 第2表 AD段pH 白色度(%) K価 粘度(cP) ──────────────────────────────────── 実施例4(AD) 2 51.9 5.4 23.0 比較例4(A) 2 51.0 6.2 23.2 5(D) 4 53.5 5.4 23.2 6(D) 6 53.9 5.8 23.4 7(D) 9 52.3 6.0 23.0 ──────────────────────────────────── 以上のように、二酸化塩素処理のみでの効果を比較する
と、本発明の条件でのAD処理に比べ、pH4、6で処
理した方が高白色度を示しており、脱リグニンは、pH
4での処理のものと同程度であった。しかし、実施例1
〜3、比較例1〜3に示した様に、Ep後の白色度、K
価は本発明法が格段に優れていた。
【0027】また、ここで実施例4、比較例4、6で処
理後のパルプ中の重金属量を、第3表に示す。
【表3】 第3表 重金属量(mg/kgパルプ) AD段pH Fe Mn Cu ──────────────────────────────────── 実施例4(AD) 2 8.2 3.0 0.9 比較例4(A) 2 26.5 6.2 1.4 6(D) 6 48.9 15.4 11.2 ──────────────────────────────────── 以上のように、AD処理は、A処理およびD処理に比べ
て、大変優れた金属除去を示す。
【0028】実施例5 クラフト蒸解後酸素漂白を行ったL材パルプについて、
下記条件にしたがってAD−Eopによる脱リグニン漂
白を行い、その後得られたパルプについて二酸化塩素漂
白、次いで過酸化物漂白を行った。(AD−Eop−D
−P) AD(強酸性条件下二酸化塩素処理) 1)ClO2 量:0.3%、パルプ濃度:12%、処理
時間:2時間、処理温度:70℃、pH:二酸化塩素添
加前にpH2に調整(調整には硫酸を用いた)、の条件
で処理を行った。 2)処理終了後、水にてパルプ濃度2.5%に希釈した
後、パルプ濃度22%に脱水した。さらに希NaOH水
溶液にてpH6〜8に調整し、パルプ濃度を20%と
し、次のEop段に移行した。 Eop(過酸化物+酸素漂白) 1)H22 量:1.0%、NaOH量:1.2%、M
gSO4 量:0.25% O2 量:0.5%、反応圧:初期2Kgf/cm2 (ゲ
ージ圧)→終期0Kgf/cm2 (ゲージ圧) パルプ濃度:10%、処理時間:90分、処理温度:9
0℃の条件で処理を行った。 2)反応終了後、水にてパルプ濃度2.5%に希釈し、
次いでパルプ濃度20%に脱水して次段、D段に移行し
た。 D(二酸化塩素漂白) 1)ClO2 量:0.2%、パルプ濃度:12%、処理
時間:2時間、処理温度:70℃の条件で処理を行っ
た。 2)反応終了後、水にてパルプ濃度2.5%に希釈し、
次いでパルプ濃度20%に脱水して次段、P段に移行し
た。 P(過酸化物漂白) 1)H22 量:0.2%、NaOH量:0.3%、パ
ルプ濃度:15%、処理時間:120分、処理温度:7
0℃の条件で処理を行った。 2)反応終了後、水にてパルプ濃度2.5%に希釈し、
次いでパルプ濃度20%に脱水して、漂白操作を終了し
た。
【0029】比較例8 現行の漂白方法として、実施例5と同様の酸素漂白後の
パルプを使用して、一般的に実施されている条件に従っ
て、C/D(Dによる有効塩素置換率:10%)−Eo
−H−Dのフル漂白を行った。 C/D:2.0%、Eo:NaOH量1.0%、O2
0.5%、H:1.0%、D:0.15%(C/D−E
o−H−D)
【0030】実施例5および比較例8の結果を第4表に
示す。また第4表には、実施例5の漂白により発生した
有機ハロゲン化合物(AOX)量と、比較例8の漂白に
より発生したAOX量を示した。
【表4】 第4表 白色度(%) 粘度(cP) AOX量(Kg/Pt) ──────────────────────────────────── 実施例5 87.9 13.9 0.26 比較例8 86.0 10.6 3.30 ────────────────────────────────────
【0031】
【発明の効果】本発明のAD−Ep(Eop)漂白によ
れば、大幅な粘度の低下を伴うことなく、効率的に脱リ
グニンを行うことが可能であり、かつ、著しく高い白色
度のパルプを得ることが出来る。その結果、後段漂白に
おいて塩素系薬品の使用量を大幅に低減出来るため、漂
白工程での有機塩素化合物の副生を大幅に軽減させるこ
とが可能となり、漂白排水による環境汚染防止に貢献で
きる。また、本発明の実施にあたっては、現在普及して
いる高温高圧酸素漂白設備、および中低圧酸素漂白設備
などをそのまま使用することが出来るので、大きな付加
的設備投資を必要としない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 章代 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学パルプを脱リグニンおよび漂白する
    方法において、蒸解処理された化学パルプに二酸化塩素
    漂白を行うに際し、漂白の初期pHを1〜3で二酸化塩
    素漂白を行い、次いでアルカリ性媒体中で過酸化物、ま
    たは過酸化物と酸素により脱リグニンおよび漂白を行う
    ことを特徴とする製紙用化学パルプの漂白方法。
  2. 【請求項2】 化学パルプを脱リグニンおよび漂白する
    方法において、蒸解処理された化学パルプに二酸化塩素
    漂白を行うに際し、漂白の終期pHを1〜3で二酸化塩
    素漂白を行い、次いでアルカリ性媒体中で過酸化物、ま
    たは過酸化物と酸素により脱リグニンおよび漂白を行う
    ことを特徴とする製紙用化学パルプの漂白方法。
  3. 【請求項3】 化学パルプを脱リグニンおよび漂白する
    方法において、蒸解処理された化学パルプに二酸化塩素
    漂白を行うに際し、漂白前のpHを1〜3にし、二酸化
    塩素漂白を行い、次いでアルカリ性媒体中で過酸化物、
    または過酸化物と酸素により脱リグニンおよび漂白を行
    うことを特徴とする製紙用化学パルプの漂白方法。
  4. 【請求項4】 過酸化物が過酸化水素である請求項1、
    2、3記載の製紙用化学パルプの漂白方法。
  5. 【請求項5】 蒸解処理後高温高圧酸素漂白処理された
    化学パルプを使用する請求項1、2、3記載の製紙用化
    学パルプの漂白方法。
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