JPH0977758A - テトラヒドロフラン誘導体の製造方法 - Google Patents
テトラヒドロフラン誘導体の製造方法Info
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- JPH0977758A JPH0977758A JP7232329A JP23232995A JPH0977758A JP H0977758 A JPH0977758 A JP H0977758A JP 7232329 A JP7232329 A JP 7232329A JP 23232995 A JP23232995 A JP 23232995A JP H0977758 A JPH0977758 A JP H0977758A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Furan Compounds (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 種々の医薬、農薬の中間体として有用な2−
ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体の工業的に有利な
製造方法の提供。 【解決手段】 一般式(I)で示される4−ヒドロキシ
ブタンニトリル誘導体を酸性物質および水の存在下、金
属触媒を用いて還元的に環化させる一般式(II)で示
される2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体の製造
方法。 [式中、R1乃至R6は水素原子または置換基を有して
いてもよいアルキル基、アリール基もしくはアラルキル
基を表す]
ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体の工業的に有利な
製造方法の提供。 【解決手段】 一般式(I)で示される4−ヒドロキシ
ブタンニトリル誘導体を酸性物質および水の存在下、金
属触媒を用いて還元的に環化させる一般式(II)で示
される2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体の製造
方法。 [式中、R1乃至R6は水素原子または置換基を有して
いてもよいアルキル基、アリール基もしくはアラルキル
基を表す]
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−ヒドロキシテ
トラヒドロフラン誘導体の製造方法に関する。本発明に
より製造される2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導
体は、種々の医薬、農薬の中間体として、例えば抗炎症
剤、鎮痛剤として効果が期待されている(1S,4R)
−シス−1−エチル−1,3,4,9−テトラヒドロ−
4−(フェニルメチル)ピラノ[3,4−b]インドー
ル−1−酢酸の合成中間体として有用である。
トラヒドロフラン誘導体の製造方法に関する。本発明に
より製造される2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導
体は、種々の医薬、農薬の中間体として、例えば抗炎症
剤、鎮痛剤として効果が期待されている(1S,4R)
−シス−1−エチル−1,3,4,9−テトラヒドロ−
4−(フェニルメチル)ピラノ[3,4−b]インドー
ル−1−酢酸の合成中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、2−ヒドロキシテトラヒドロフラ
ン誘導体の製造方法としては、例えば、シンナミルア
ルコールを原料とし、アゾビスイソブチロニトリル−水
素化トリブチルスズを用いるブロモアセタールのラジカ
ル環化を経由して2−ヒドロキシ−4−ベンジルテトラ
ヒドロフランを製造する方法[シンセティック・コミュ
ニケーションズ(Synthetic Communications)、22巻、
8 号、1127頁(1992年)参照]、2−置換−2−プロ
ペノールを原料として、ロジウム触媒下、オキソ反応に
より2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを
製造する方法[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミ
ストリー(Journal of Organic Chemistry)、37巻、18
35-1837 頁(1972年)参照]などが知られている。
ン誘導体の製造方法としては、例えば、シンナミルア
ルコールを原料とし、アゾビスイソブチロニトリル−水
素化トリブチルスズを用いるブロモアセタールのラジカ
ル環化を経由して2−ヒドロキシ−4−ベンジルテトラ
ヒドロフランを製造する方法[シンセティック・コミュ
ニケーションズ(Synthetic Communications)、22巻、
8 号、1127頁(1992年)参照]、2−置換−2−プロ
ペノールを原料として、ロジウム触媒下、オキソ反応に
より2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフランを
製造する方法[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミ
ストリー(Journal of Organic Chemistry)、37巻、18
35-1837 頁(1972年)参照]などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のブロモアセタ
ールのラジカル環化を経由する方法では、中間体となる
ブロモアセタールの合成にN−ブロモスクシンイミド等
の高価な試薬を用いており、また、環化反応においては
スズ化合物およびシアン化合物のような毒性が高く、高
価で、しかも工業的に取扱いの難しい試薬や技術を用い
る必要がある。また、上記の方法では、原料の2−置
換−2−プロペノールを製造するに際し、アルキルアル
デヒドをマンニッヒ反応に付すことによりα−アルキル
アクロレインとした後、水素化リチウムアルミニウムで
還元するという方法で製造しているが、この原料合成に
使用する還元剤が高価であり、工業的に有利な方法とは
いい難い。しかも、いずれの方法も光学活性化合物を合
成する目的には使用できない。しかして、本発明の目的
は、高価で毒性の高い試薬を用いることなく、容易に入
手可能な原料から2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘
導体を工業的に有利に製造する方法を提供することにあ
る。
ールのラジカル環化を経由する方法では、中間体となる
ブロモアセタールの合成にN−ブロモスクシンイミド等
の高価な試薬を用いており、また、環化反応においては
スズ化合物およびシアン化合物のような毒性が高く、高
価で、しかも工業的に取扱いの難しい試薬や技術を用い
る必要がある。また、上記の方法では、原料の2−置
換−2−プロペノールを製造するに際し、アルキルアル
デヒドをマンニッヒ反応に付すことによりα−アルキル
アクロレインとした後、水素化リチウムアルミニウムで
還元するという方法で製造しているが、この原料合成に
使用する還元剤が高価であり、工業的に有利な方法とは
いい難い。しかも、いずれの方法も光学活性化合物を合
成する目的には使用できない。しかして、本発明の目的
は、高価で毒性の高い試薬を用いることなく、容易に入
手可能な原料から2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘
導体を工業的に有利に製造する方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、一般式(I)
目的は、一般式(I)
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 お
よびR6 は水素原子または置換基を有していてもよいア
ルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を表す。)
で示される4−ヒドロキシブタンニトリル誘導体(以
下、これを4−ヒドロキシブタンニトリル誘導体(I)
と略記することがある)を酸性物質および水の存在下、
金属触媒を用いて還元的に環化させることを特徴とする
一般式(II)
よびR6 は水素原子または置換基を有していてもよいア
ルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を表す。)
で示される4−ヒドロキシブタンニトリル誘導体(以
下、これを4−ヒドロキシブタンニトリル誘導体(I)
と略記することがある)を酸性物質および水の存在下、
金属触媒を用いて還元的に環化させることを特徴とする
一般式(II)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 お
よびR6 は前記定義のとおりである。)で示される2−
ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体(以下、これを2
−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体(II)と略記す
ることがある)の製造方法を提供することにより達成さ
れる。
よびR6 は前記定義のとおりである。)で示される2−
ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体(以下、これを2
−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体(II)と略記す
ることがある)の製造方法を提供することにより達成さ
れる。
【0009】
【発明の実施の形態】前記一般式(I)および(II)に
おいて、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 が表
すアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のいずれ
でもよく、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。ま
た、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル
基などが挙げられ、アラルキル基としてはベンジル基な
どが挙げられる。これらのアルキル基、アリール基およ
びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基と
しては塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が挙げら
れる。また、アリール基およびアラルキル基のアリール
基部分は置換基として、メチル基、エチル基、プロピル
基などの炭素数1〜6の低級アルキル基を有していても
よい。
おいて、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 が表
すアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のいずれ
でもよく、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。ま
た、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル
基などが挙げられ、アラルキル基としてはベンジル基な
どが挙げられる。これらのアルキル基、アリール基およ
びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基と
しては塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が挙げら
れる。また、アリール基およびアラルキル基のアリール
基部分は置換基として、メチル基、エチル基、プロピル
基などの炭素数1〜6の低級アルキル基を有していても
よい。
【0010】原料である4−ヒドロキシブタンニトリル
誘導体(I)は、光学活性体、ラセミ体いずれでもよ
く、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(Journal of Organic Chemistry)、58巻、5717-5723
頁(1993年)または特開平6−25173号公報に記載
の方法にしたがって製造することができる。例えば、2
−ベンジル−1,3−プロパンジオールを出発原料と
し、これをシュードモナス属等の微生物に由来するエス
テラーゼを使用し、酢酸無水物、酢酸ビニルなどのアシ
ル化剤で不斉アシル化することにより光学活性モノエス
テル体とし、水酸基をトシル化し、青酸ナトリウム等と
反応させることによってニトリル基を導入し、エステル
を加水分解することによって、光学活性な3−ベンジル
−4−ヒドロキシブタンニトリルを製造することができ
る。また、2−メチル−1,3−プロパンジオールを原
料とし、塩化チオニル等で環状スルフィネートとした
後、青酸ナトリウムで加熱処理することにより、3−メ
チル−4−ヒドロキシブタンニトリル(ラセミ体)を製
造することができる。
誘導体(I)は、光学活性体、ラセミ体いずれでもよ
く、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(Journal of Organic Chemistry)、58巻、5717-5723
頁(1993年)または特開平6−25173号公報に記載
の方法にしたがって製造することができる。例えば、2
−ベンジル−1,3−プロパンジオールを出発原料と
し、これをシュードモナス属等の微生物に由来するエス
テラーゼを使用し、酢酸無水物、酢酸ビニルなどのアシ
ル化剤で不斉アシル化することにより光学活性モノエス
テル体とし、水酸基をトシル化し、青酸ナトリウム等と
反応させることによってニトリル基を導入し、エステル
を加水分解することによって、光学活性な3−ベンジル
−4−ヒドロキシブタンニトリルを製造することができ
る。また、2−メチル−1,3−プロパンジオールを原
料とし、塩化チオニル等で環状スルフィネートとした
後、青酸ナトリウムで加熱処理することにより、3−メ
チル−4−ヒドロキシブタンニトリル(ラセミ体)を製
造することができる。
【0011】4−ヒドロキシブタンニトリル誘導体
(I)から、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体
(II)への還元的環化反応に使用する金属触媒として
は、ニトリルをイミンに還元する能力をもつ一般的金属
触媒、例えば、ラネーニッケル、ラネーコバルト、パラ
ジウム−炭素、白金−炭素、酸化白金等が挙げられる
が、ラネーニッケルが好ましい。触媒の使用量は、4−
ヒドロキシブタンニトリル誘導体(I)1モルに対して
通常約0.00001〜0.5モルの範囲が好ましい。
(I)から、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体
(II)への還元的環化反応に使用する金属触媒として
は、ニトリルをイミンに還元する能力をもつ一般的金属
触媒、例えば、ラネーニッケル、ラネーコバルト、パラ
ジウム−炭素、白金−炭素、酸化白金等が挙げられる
が、ラネーニッケルが好ましい。触媒の使用量は、4−
ヒドロキシブタンニトリル誘導体(I)1モルに対して
通常約0.00001〜0.5モルの範囲が好ましい。
【0012】酸性物質としては、酢酸等の有機酸、塩
酸、硫酸、トシル酸などの強酸などが使用可能である
が、酢酸を用いるのが好ましい。酸性物質の使用量は、
4−ヒドロキシブタンニトリル誘導体(I)1モルに対
して通常約1〜30モルの範囲が好ましい。
酸、硫酸、トシル酸などの強酸などが使用可能である
が、酢酸を用いるのが好ましい。酸性物質の使用量は、
4−ヒドロキシブタンニトリル誘導体(I)1モルに対
して通常約1〜30モルの範囲が好ましい。
【0013】反応は、溶媒中で行うのが好ましく、溶媒
としては、水、または水とメタノール、エタノール等の
アルコール系溶媒;ジオキサン、テトラヒドロフラン等
のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の炭化水素系
溶媒との混合溶媒などが使用できる。反応は水素雰囲気
下で行われ、約10〜100℃の範囲内の温度、約1〜
100kg/cm2 の範囲内の水素圧下で行われること
が好ましい。
としては、水、または水とメタノール、エタノール等の
アルコール系溶媒;ジオキサン、テトラヒドロフラン等
のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の炭化水素系
溶媒との混合溶媒などが使用できる。反応は水素雰囲気
下で行われ、約10〜100℃の範囲内の温度、約1〜
100kg/cm2 の範囲内の水素圧下で行われること
が好ましい。
【0014】このようにして得られる2−ヒドロキシテ
トラヒドロフラン誘導体(II)の単離・精製は、通常の
有機化合物の単離・精製において用いられる方法と同様
にして行われる。例えば、反応混合物に、酢酸エチル、
ジエチルエーテル、塩化メチレン等の有機溶媒を加え、
得られた溶液を飽和重層水、飽和食塩水で洗浄する。次
いで、有機層を乾燥、濃縮することによって、粗生成物
を得ることができる。この粗生成物を酢酸エチルとヘキ
サン等の有機溶媒で再結晶することによって光学純度の
高い目的物を得ることができる。
トラヒドロフラン誘導体(II)の単離・精製は、通常の
有機化合物の単離・精製において用いられる方法と同様
にして行われる。例えば、反応混合物に、酢酸エチル、
ジエチルエーテル、塩化メチレン等の有機溶媒を加え、
得られた溶液を飽和重層水、飽和食塩水で洗浄する。次
いで、有機層を乾燥、濃縮することによって、粗生成物
を得ることができる。この粗生成物を酢酸エチルとヘキ
サン等の有機溶媒で再結晶することによって光学純度の
高い目的物を得ることができる。
【0015】2−ヒドロキシテトラヒドロフラン誘導体
(II)は、例えば酸性条件下で脱水反応に付すことによ
り、2,3−ジヒドロフラン誘導体に、また、酸性条件
下でメタノール、エタノール等のアルコールと反応させ
ることにより、テトラヒドロフランエーテル誘導体に変
換させることが可能であり、いずれも種々の医薬、農薬
中間体として有用である。
(II)は、例えば酸性条件下で脱水反応に付すことによ
り、2,3−ジヒドロフラン誘導体に、また、酸性条件
下でメタノール、エタノール等のアルコールと反応させ
ることにより、テトラヒドロフランエーテル誘導体に変
換させることが可能であり、いずれも種々の医薬、農薬
中間体として有用である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0017】参考例1 (R)−3−ベンジル−4−ヒドロキシブタンニトリル
の製造 2−ベンジル−1,3−プロパンジオール135gをヘ
キサン675mlに溶解し、得られた溶液に酢酸ビニル
84.6gおよびリパーゼQL(名糖産業株式会社製)
1.2gを加え、37℃で19時間攪拌した。このとき
の転化率は97%であり、生成した2−ベンジル−3−
ヒドロキシプロピルアセテートの光学純度は92%e.
e.であった。反応混合液から酵素を濾別した後、減圧
濃縮し、(R)−2−ベンジル−3−ヒドロキシプロピ
ルアセテートを202g得た。この(R)−2−ベンジ
ル−3−ヒドロキシプロピルアセテート202gを塩化
メチレン300mlに溶解した後、得られた溶液にトリ
エチルアミン191mlを加えた。混合液を氷温冷却
後、パラトルエンスルホニルクロリド217gを加え、
3時間室温で反応させた。反応混合液に、酢酸エチル、
水を加えて分液した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に
濃縮することによって粗生成物を得た。粗生成物を酢酸
エチル100mlに溶解した後、得られた溶液にヘキサ
ン200mlを加えた。生成した結晶を濾取、洗浄し、
光学純度97%e.e.の(S)−2−ベンジル−3−
[(パラトルエンスルホニル)オキシ]プロピルアセテ
ートを299g得た。このうちの99gをジメチルスル
ホキシド670mlに溶解し、得られた溶液に青酸ナト
リウム15.8gを加えて60℃で2時間攪拌した。反
応混合液にイソプロピルエーテル、水を加えて分液し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧下で濃縮することによって粗(R)
−2−ベンジル−3−シアノプロピルアセテート56.
6gを得た。これをテトラヒドロフラン420ml、水
140mlに溶解し、得られた溶液に水酸化リチウム1
水和物11.9gを加え、室温で24時間攪拌した。反
応混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩
水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これ
を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより、37.9gの(R)−3−ベンジル−4
−ヒドロキシブタンニトリルを得た。
の製造 2−ベンジル−1,3−プロパンジオール135gをヘ
キサン675mlに溶解し、得られた溶液に酢酸ビニル
84.6gおよびリパーゼQL(名糖産業株式会社製)
1.2gを加え、37℃で19時間攪拌した。このとき
の転化率は97%であり、生成した2−ベンジル−3−
ヒドロキシプロピルアセテートの光学純度は92%e.
e.であった。反応混合液から酵素を濾別した後、減圧
濃縮し、(R)−2−ベンジル−3−ヒドロキシプロピ
ルアセテートを202g得た。この(R)−2−ベンジ
ル−3−ヒドロキシプロピルアセテート202gを塩化
メチレン300mlに溶解した後、得られた溶液にトリ
エチルアミン191mlを加えた。混合液を氷温冷却
後、パラトルエンスルホニルクロリド217gを加え、
3時間室温で反応させた。反応混合液に、酢酸エチル、
水を加えて分液した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に
濃縮することによって粗生成物を得た。粗生成物を酢酸
エチル100mlに溶解した後、得られた溶液にヘキサ
ン200mlを加えた。生成した結晶を濾取、洗浄し、
光学純度97%e.e.の(S)−2−ベンジル−3−
[(パラトルエンスルホニル)オキシ]プロピルアセテ
ートを299g得た。このうちの99gをジメチルスル
ホキシド670mlに溶解し、得られた溶液に青酸ナト
リウム15.8gを加えて60℃で2時間攪拌した。反
応混合液にイソプロピルエーテル、水を加えて分液し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧下で濃縮することによって粗(R)
−2−ベンジル−3−シアノプロピルアセテート56.
6gを得た。これをテトラヒドロフラン420ml、水
140mlに溶解し、得られた溶液に水酸化リチウム1
水和物11.9gを加え、室温で24時間攪拌した。反
応混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩
水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これ
を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより、37.9gの(R)−3−ベンジル−4
−ヒドロキシブタンニトリルを得た。
【0018】実施例1 (R)−3−ベンジル−4−ヒドロキシブタンニトリル
4gを脱気した50%酢酸水溶液20mlに溶解し、得
られた溶液にラネーニッケル0.4gを加え、オートク
レーブ中、50℃、10kg/cm2 で7時間反応させ
た。反応液から触媒を濾別し、濾液を水酸化ナトリウム
水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて
乾燥した後、減圧下に濃縮した。生成物をカラムクロマ
トグラフィーにより分離精製することにより、下記の物
性を有する2−ヒドロキシ−4−ベンジルテトラヒドロ
フラン2.5gを得た。
4gを脱気した50%酢酸水溶液20mlに溶解し、得
られた溶液にラネーニッケル0.4gを加え、オートク
レーブ中、50℃、10kg/cm2 で7時間反応させ
た。反応液から触媒を濾別し、濾液を水酸化ナトリウム
水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて
乾燥した後、減圧下に濃縮した。生成物をカラムクロマ
トグラフィーにより分離精製することにより、下記の物
性を有する2−ヒドロキシ−4−ベンジルテトラヒドロ
フラン2.5gを得た。
【0019】1H−NMRスペクトル(270MH
z)、CDCl3 、TMS、δ:1.56-2.86(m,5H), 3.5
0-4.10(m,3H), 5.50-5.55(m,1H), 7.11-7.30(m,5H)
z)、CDCl3 、TMS、δ:1.56-2.86(m,5H), 3.5
0-4.10(m,3H), 5.50-5.55(m,1H), 7.11-7.30(m,5H)
【0020】実施例2 (R)−3−ベンジル−4−ヒドロキシブタンニトリル
400mgを脱気したテトラヒドロフラン16mlおよ
び50%酢酸水溶液4mlの混合溶媒に溶解し、得られ
た溶液にラネーニッケル40mgを加え、オートクレー
ブ中、50℃、10kg/cm2 で18時間反応させ
た。反応液から触媒を濾別し、濾液を水酸化ナトリウム
水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて
乾燥した後、減圧下に濃縮した。生成物をカラムクロマ
トグラフィーにより分離精製することにより、実施例1
で得られたと同じ物性を有する2−ヒドロキシ−4−ベ
ンジルテトラヒドロフラン150mgを得た。
400mgを脱気したテトラヒドロフラン16mlおよ
び50%酢酸水溶液4mlの混合溶媒に溶解し、得られ
た溶液にラネーニッケル40mgを加え、オートクレー
ブ中、50℃、10kg/cm2 で18時間反応させ
た。反応液から触媒を濾別し、濾液を水酸化ナトリウム
水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて
乾燥した後、減圧下に濃縮した。生成物をカラムクロマ
トグラフィーにより分離精製することにより、実施例1
で得られたと同じ物性を有する2−ヒドロキシ−4−ベ
ンジルテトラヒドロフラン150mgを得た。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、2−ヒドロキシテトラ
ヒドロフラン誘導体(II)を工業的に有利に製造するこ
とができる。
ヒドロフラン誘導体(II)を工業的に有利に製造するこ
とができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 は水
素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、ア
リール基もしくはアラルキル基を表す。)で示される4
−ヒドロキシブタンニトリル誘導体を酸性物質および水
の存在下、金属触媒を用いて還元的に環化させることを
特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 は前
記定義のとおりである。)で示される2−ヒドロキシテ
トラヒドロフラン誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7232329A JPH0977758A (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | テトラヒドロフラン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7232329A JPH0977758A (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | テトラヒドロフラン誘導体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0977758A true JPH0977758A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=16937496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7232329A Pending JPH0977758A (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | テトラヒドロフラン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0977758A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001163866A (ja) * | 1999-12-07 | 2001-06-19 | Kuraray Co Ltd | 3−メチルテトラヒドロフランの製造方法 |
KR100614546B1 (ko) * | 2004-09-13 | 2006-08-25 | 한국과학기술연구원 | 입체선택성이 높은 테트라하이드로퓨란 고리화합물과 이의제조방법 |
-
1995
- 1995-09-11 JP JP7232329A patent/JPH0977758A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001163866A (ja) * | 1999-12-07 | 2001-06-19 | Kuraray Co Ltd | 3−メチルテトラヒドロフランの製造方法 |
KR100614546B1 (ko) * | 2004-09-13 | 2006-08-25 | 한국과학기술연구원 | 입체선택성이 높은 테트라하이드로퓨란 고리화합물과 이의제조방법 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041026 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050510 |