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JPH0977605A - 薬剤分散液及びその製造方法 - Google Patents

薬剤分散液及びその製造方法

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Publication number
JPH0977605A
JPH0977605A JP23803995A JP23803995A JPH0977605A JP H0977605 A JPH0977605 A JP H0977605A JP 23803995 A JP23803995 A JP 23803995A JP 23803995 A JP23803995 A JP 23803995A JP H0977605 A JPH0977605 A JP H0977605A
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JP
Japan
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oil
drug
inorganic porous
fine particles
porous fine
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Application number
JP23803995A
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English (en)
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JP3707107B2 (ja
Inventor
Masaaki Mizuguchi
正昭 水口
Harumi Betsui
晴美 別井
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Suzukiyushi Industrial Corp
Original Assignee
Suzukiyushi Industrial Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Suzukiyushi Industrial Corp filed Critical Suzukiyushi Industrial Corp
Priority to JP23803995A priority Critical patent/JP3707107B2/ja
Publication of JPH0977605A publication Critical patent/JPH0977605A/ja
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Publication of JP3707107B2 publication Critical patent/JP3707107B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薬剤分散液の改良を行い、徐放機能を有し、ま
た揮発性薬剤と溶解しにくい水または有機分散液の中に
均一に分散させ、さらに、無機多孔質微粒子も均一に分
散させることのできる薬剤分散液及びその製造方法を提
供すること。 【解決手段】薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と分散
液とアクリル酸重合体とアルカリ塩と、からなる薬剤分
散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤を均一に分散
させた分散液に関し、詳しくは無機多孔質微粒子に薬剤
を担持させて、さらに分散液に分散させた薬剤分散液に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、忌避剤、農薬、香料等の薬剤は、
様々な用途に用いられており、例えば、農薬、忌避剤等
は昆虫または動物の忌避、香料等は芳香剤として用いら
れている。水溶性または非水溶性の忌避剤、香料等の薬
剤の使用形態としては、薬剤と溶解性のある水または有
機溶媒等に溶解して薬剤溶解液として用いている。そし
て、その溶解液は、溶解した状態で散布していた。さら
に薬剤が水または有機溶媒等に溶解しない場合には、界
面活性剤や乳化剤を用いて乳化液とした分散液を作製し
散布していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのために様々な問題
があった。即ち、従来の溶解液の場合には、夏期等の比
較的気温の高い時期あるいは、気温の高い環境下で散布
するとすぐに薬剤が揮発してしまい、その効力が10日
前後と短く持続性に問題があった。さらに乳化液にした
状態でも、薬剤の含有量も限られており、また溶解液と
同様に気温の高い環境下で散布するとすぐに揮発してし
まうなどの問題もあった。また、無機多孔質微粒子を分
散液等の液体に分散させると、攪拌直後は分散している
が、時間の経過とともに沈降してしまい、ポンプ等で移
送しても液体と分離した状態となっており、均一でない
という問題を抱えていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は薬剤分散
液の改良を行い、徐放機能を有し、さらにアクリル酸重
合体を用いることにより、薬剤と溶解しにくい水または
有機溶媒中に均一に薬剤を分散させ、さらに、徐放性の
ある薬剤分散液及びその製造方法を提供しようとするも
のである。
【0005】即ち、前記課題は、薬剤を担持させた無機
多孔質微粒子と、分散液と、アクリル酸重合体と、アル
カリ塩と、からなる薬剤分散液によって解決することが
できる。そして薬剤分散液には、前記分散液を水または
アルコール類の少なくとも一方にしたり、あるいはその
前記アルコール類が、炭素数1〜3のものとすることが
できる。また、前記薬剤を忌避剤とすることもできる。
さらに本発明に用いられる前記無機多孔質微粒子が界面
反応法で得られたものも用いることができる。薬剤分散
液には、0.01〜60重量%の前記無機多孔質微粒子
を含むものを用いたり、その無機多孔質微粒子に、1〜
500重量%の薬剤を担持させることもできる。薬剤分
散液の製造方法は、分散液に、アクリル酸重合体とアル
カリ塩とを加えて増粘させるとともに、さらに薬剤を担
持させた無機多孔質微粒子を加えて分散させて行うもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる薬剤として
は、特に10℃〜100℃で、好ましくは25℃〜50
℃の環境下において揮発しやすい化合物を用いることが
できる。その具体的な薬剤としては、香料、忌避剤、農
薬、消臭剤、植物エキス剤、紫外線遮蔽剤、酸化防止
剤、止痒剤、発毛促進剤、ビタミン剤、制汗剤、日やけ
止め剤、防腐剤、保湿剤、収斂剤、油性剤等である。ま
た、香料、忌避剤、農薬、消臭剤、植物エキス剤、紫外
線遮蔽剤、酸化防止剤、止痒剤、発毛促進剤、ビタミン
剤、制汗剤、日やけ止め剤、防腐剤、保湿剤、収斂剤、
油性剤等の中から選ばれた1種または2種以上のものも
用いることができる。
【0007】その香料としては、匂いを漂わす人体に無
害なものである。それには天然香料と合成香料とに分け
られ、さらに天然香料は植物性香料と動物性香料に分け
られる。天然香料と合成香料とを混合して、匂いを調整
した調合香料も用いることができる。
【0008】その天然香料としては、アカシア油、アニ
スシード油、アビエス油、アプシンス油、アルモンドビ
ッター油、アンゲリカ油、アンブレットシード油、イノ
ンド油、イランイラン油、イリス油、ういきょう油、ウ
ィンターグリーン、ウォームウッド油、エストラゴン
油、エレミ油、オークモス油、オコチア油、オニオン
油、オポパナックス油、オランダセリ油、オリス油、オ
リバナム油、オレンジ油、カシア油(桂油、桂皮油)、
カシー油、カナンガ油、カミツレ油、カモミル油、ガヤ
ックウッド油、カヤプテ油、カラシ油、カラムス油、ガ
ーリック油、カルダモン油、ガルバナム油、黄ずいせん
油、キャラウエー油、苦へんとう油、クミン油、クラリ
ーセージ油、グレープフルーツ油、クローブ油、ローレ
ル葉油、コエンドロ油、コスタス油、コランダー油、サ
ンダルウッド油、シダーウッド油、シトロネラ油、ジャ
スミン油、ショウガ油、しょうぶ根油、ジル油、、ジン
ジャー油、ジンジャークラス油、シンナモン油、すいせ
ん油、スターアニス油、スパイク油、スペアミントオイ
ル、セージ油、ゼラニウム油、タイム油、タンジェリン
油、チュベローズ油、テレビン油、ナーシサス油、ナツ
メグ油、ニオガヨモギ油、にくずく油、ネロリ油、パイ
ン油、パセリ油、バジル油、バーチ油、パチュリ油、ハ
ッカ油、バラ油、パルマローザ油、白檀油、ヒヤシンス
油、ベイ油、ベイ葉油、ベチバー油、ペニーロイヤル
油、ヘノポジ油、ペパーミント油、ベリラ油、芳油、芳
しょう葉油、ホップ油、ポライ油、ミモザ油、ミルテ
油、ミルトル油、ミル油、ミント油、メース油、ユーカ
リ油、ライム油、ラバンジン油、ラベンダー油、リセア
キュベバ油、リナロエ油、レモングラス油、レモン油、
ローズウッド油、ローズマリー油、ローズ油、ロベージ
油等が例示できる。そして、この例示された天然香料の
中から選んだ1種または2種以上のものも用いることが
できる。
【0009】また、合成香料としては、α−ピネン、β
−ピネン、カンフェン、d−リモネン、ジペンテン、テ
ルピノーレン、アロオシメン、オシメン、p−サイメ
ン、β−カリオフィレン、青葉アルコール、3−オクテ
ノール、9−デセノール、リナロール、ゲラニオール、
ネロール、シトネロール、l−シトロネロール、ジメチ
ルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒ
ドロリナロール、ラバンジュロール、アロシメロール、
ミルセノール、α−ピネオール、抱水テルピン、l−メ
ントール、ボルネオール、イソプレゴール、ノポール、
ボルニルメトキシシクロヘキサノール、メロリドール、
ファルネソール、サンタロール、イソ・イ・スーパー、
サンダロール、セドロール、ベチベロール、パチュリア
ルコール、ベンジルアルコール、β−フェニルアルコー
ル、γ−フェニルプロピルアルコール、シンナミックア
ルコール、アニスアルコール、α−アミルシンナミック
アルコール、ジメチルベンジルカルビノール、メチルフ
ェニルカルビノール、β−フェニルエチルジメチルカル
ビノール、ジメチルフェニルカルビノール、β−フェニ
ルエチルメチルエチルカルビノール、フェノキシエチル
アルコール、フェニルグリコール、tert−ブチルシ
クロヘキサノール、アニソール、p−アセチルアニソー
ル、ジフェニルオキサイド、ジメチルハイドロキノン、
p−クレゾールメチルエーテル、アネトール、ジヒドロ
アネトール、チモール、カルバクロール、オイゲノー
ル、イソオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイ
ソオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、サフロー
ル、イソサフロール、β−ナフトールメチルエーテル、
β−ナフトールエチルエーテル、バニトロープ、n−ヘ
プチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニ
ルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、n−ウンデシル
アルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、ドデシルアルデ
ヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、n−トリデシル
アルデヒド、n−テトラデシルアルデヒド、n−ヘキサ
デシルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シト
ロネラール、ヒドロキシシトロネラ−ル、ペリラアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、
フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒ
ド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシル
シンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンア
ルデヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール、サイクラメ
ンアルデヒド、p−tert−α−メチルヒドロシンナ
ミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、ヒドロトロパ
アルデヒド、バニリン、エチルバニリン、γ−ウンデカ
ラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニ
ルラクトン、p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチ
ル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、リラール、
マイラックアルデヒド、シトロネリルオキシアセトアル
デヒド、シトラールジメチルアセタール、シトラールジ
エチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチル
アセタール、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−
アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−
n−ノニルケトン、メチルヘプテン、ジアセチル、l−
カルボン、d−カルボン、メントン、d−プレゴン、ピ
ペリトン、しょう脳、メチルセドリン、アセトフェノ
ン、p−メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、ベンジリデンアセトン、メチ
ルナフチルケトン、ヨノン、ダマスコン、ダマセノン、
メチルヨノン、イロン、マルトール、エチルマルトー
ル、ヒドキシフラン、ネロン、ヒドロキシフェニルブタ
ノン、アニシルアセトン、ジャスモン、ヒドロジャスモ
ン、ヌートカトン、ムスコン、ジベトン、シクロペンタ
デカン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリ
ド、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、エチ
レンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、12
−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノ
リド、10−オキサヘキサデカノリド、ムスクキシロー
ル、ムスク・ケトン、ムスク・アンブレット、ムスク・
チベテン、モスケン、ファントリド、セレストリド、ト
ラセオライド、ベルサリド、トナリド、ガラクソリド、
ローズオキサイド、オキサイドケトン、3,3,6−ト
リメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン、ジヒドロメ
チルペンテニルピラン、リナロールオキサイド、シネオ
ール、ビシクロジヒドロホモファルネシルオキサイド、
フェニルエチルイソアミルエーテル、ギ酸ゲラニル、ギ
酸ベンジル、ギ酸フェニル、酢酸エチル、酢酸イソアミ
ル、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、
酢酸メンチル、酢酸ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸
テルピニル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸
メチルフェニルカルビニル、酢酸シンナミル、酢酸アニ
シル、酢酸パラクレジル、酢酸イソオイゲノール、酢酸
ミルセニル、酢酸第3級ブチルシクロヘキシル酢酸ジヒ
ドロテルピニル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イ
ソアミル、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸リ
ナリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸テルピニ
ル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸シンナミル、
酪酸エチル、酪酸イソアミル、酪酸ゲラニル、酪酸リナ
リル、イソ酪酸リナリル、酪酸シトロネリル、イソ酪酸
シトロネリル、イソ酪酸ベンジル、イソ吉草酸n−プロ
ピル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸ゲラニル、イ
ソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、ヘプチンカ
ルボン酸メチル、ヘプチンカルボン酸イソアミル、ヘプ
チンカルボン酸エチル、ピルビン酸イソアミル、オクチ
ンカルボン酸メチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エ
チル、β−メチルメルカプトプロピオン酸メチル、安息
香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸イソブチル、安
息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリ
ル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル
酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イ
ソアミル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸ベンジ
ル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンナミ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、サリチル酸
メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソブチル、サ
リチル酸イソアミル、サリチル酸アリル、サリチル酸ベ
ンジル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、
アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、メチルアンス
ラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、ジヒドロジャ
スモン酸メチル、ジャスモン酸メチル、合成オークモ
ス、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、
クマリン、インドール、スカトール、2−メチルテトラ
ヒドロキノリン、6−メチルキノリン、6−メチルテト
ラヒドロキノリン、7−メチルキノリン、イソブチルキ
ノリン、6−イソプロピルキノリン、テトラメチルピラ
ジン、アセチルピロール、ゲラニルトリル、ブロムスチ
ール、酢酸トリクロルメチルフェニルカルビニル、フル
フリルメルカプタン等が例示できる。そして、この例示
された合成香料の中から選んだ1種または2種以上のも
のも用いることができる。
【0010】その農薬としては、農業用の薬剤であり、
動物、昆虫、ダニ、線虫、微生物等を忌避もしくは死滅
させるものである。それには殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ
剤、殺線虫剤等がある。
【0011】その殺菌剤としては、植物病原菌等の様々
な細菌類、真菌類を死滅させることができる薬剤であ
る。その具体的な殺菌剤としては、ヂチオカーバメイト
剤(マンゼブ、マンネブ、ポリカバメート等)、有機硫
黄系剤(キャプタン、カプタホル、フォルベット等)、
有機リン剤(O,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチ
オホスフェ−ト、O−エチル−S,S−ジフェニルジチ
オホスフェート等)、有機塩素剤(ペンタクロロフェノ
ール、クロロスロニル等)、有機ヒ素剤(メチルアルセ
ニックヂメチルカーバメイト、ドデシル硫酸)、脂肪族
ハロゲン剤(臭化メチル、クロルピクリン等)、その他
にベノミル、オキシカルボキシン、フェナジンオキサイ
ド、アニラジン、硫酸オキシキノリン、水酸化トリフェ
ニルスズ、ヒドロキシイソキサゾール、ピナパクリル、
ブチオベート、無機硫黄剤(硫黄、多硫化石灰等)、銅
剤(ボルドー液)、抗生物質(ストレプトマイシン、ノ
ボビオシン、クロラムフェニコール、ブラストサイジン
S、カスガマイシン、バリダマイシンA、ポリオキシ
ン、シクロヘキシミド等)、その他植物由来の殺菌成分
(ヒュムロン(humulon)、ルプロン(lupu
lon)、アリシン、アリルイソチアネート(ally
l isotiocyanate))、クロロゲン酸、
ソラニン、タンゲリチン(tangeritin)、ベ
ルベリン、ヒノキチオール、ヨウ素等が例示できる。そ
して、この例示された殺菌剤の中から選んだ1種または
2種以上のものも用いることができる。
【0012】また殺虫剤としては、ゴキブリ、カ、ノ
ミ、ダニ等の衛生害虫、農業害虫を死滅させることがで
きる薬剤である。その具体的な殺虫剤としては、有機リ
ン殺虫剤(ジクロルボス、サイノフォス、O−エチル−
O−フェニルホスフォチオネート、マラソン、パラチオ
ン等)やカーバメイト系殺虫剤(1−ナフチル−N−メ
チルカーバメイト、イソプロカーブ等)、有機ハロゲン
系殺虫剤(ディーディーティ、ベンザヘキサクロライ
ド、エルドリン、アルドリン、ジエルドリン等)、ニコ
チン類(ニコチン、ノルニコチン等)、フルオロ酢酸ア
ミド、ピレスロイド類(ピレスリン、アレスリン等)、
植物由来の精油(シネオール、ディルオイル、日本ハッ
カオイル、ユーカリオイル、ターペンティンオイル
等)、ホウ酸等が例示できる。そして、この例示された
殺虫剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0013】その殺ダニ剤としては、ハダニ、コナダニ
等のダニ類を死滅させることができる薬剤である。その
具体的な殺ダニ剤としては、ケルセン、プロクロノー
ル、クロルベジレート、クロルプロピレート、フェニソ
ブロモレート、クロルフェンソン(chlorfens
on)、テトラジホン、プロパルギト(proparg
ito)、ピナパクリル、水酸化トリシクロヘキシルス
ズ、酸化フェンブタスズ、キノチオメート、アミトラ
ズ、ベンゾメート、ポリナクチオンズ(polynac
tions)、ラベンダーオイル、メリッサオイル、ペ
パーミントオイル、サルビアオイル、ローズマリーオイ
ル等が例示できる。そして、この例示された殺ダニ剤の
中から選んだ1種または2種以上のものも用いることが
できる。
【0014】その殺線虫剤としては、マツノザイセンチ
ュウ、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ等を死滅
させることができる薬剤である。具体的な殺線虫剤とし
ては、メスルフェンホス、酒石酸モランテル、クロルピ
クリン、2,3−ジクロロプロパンと1,3−ジクロロ
プロペンの混合物、1,2−ジブロモメタン、メチルイ
ソシアネート等が例示できる。そして、この例示された
殺線虫剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用
いることができる。
【0015】その抗菌剤としては、殺菌剤とは異なり、
死滅させずに細菌類や真菌類の生育を抑制させることが
できる薬剤である。その具体的な抗菌剤としては、メチ
ルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ワニ
リン、シンナミックアルデヒド、p−ヒドロキシ安息香
酸エステル、d−リモネン、エチルアルコール、カンフ
ァー、フェニルオキシド、p−ジクロルベンゼン、ジメ
チルフマレート、ヒバオイル、アスナロオイル、タイワ
ンヒノキオイル、カシアオイル、ディルオイル、レモン
オイル、シトロネラオイル、クローブオイル、タイムオ
イル、リナロール、トランス−ピノカルベオール、p−
イソプロピルシクロヘキサノール、カンフェレニックア
ルデヒド、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン等
が例示できる。そして、この例示された抗菌剤の中から
選んだ1種または2種以上のものも用いることができ
る。
【0016】その忌避剤としては、動物、衛生害虫、農
業害虫または昆虫を特定の箇所に接近もしくは付着しな
いようにすることができる薬剤である。その具体的な忌
避剤としては、レモングラスオイル、レモングラス、合
成ムスク、シンナミックアルデヒド、パインオイル、オ
イゲノール、ターピネオール、木酢、バニリン、アセト
キシフェニルブタン、ヘキサナール、ギ酸ゲラニル、
α,β−ピネン、リモネン、サフロール、アネトール、
アニスアルデヒド、γ−ラクトン、1,8−シネオー
ル、ナフタリン、アンゲリカ、環状テルペンアルコー
ル、メントール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、
エチルチオメトン、イソチオネート、クレゾール、香辛
料(コショウ、トウガラシ、ハッカ、シソ、チョウジ
等)、バニラ、ノニルラクトン、シトライル、リナロー
ル、2−ブトキシエタノール、ビスエーテル、シクロヘ
キサノン、イソホロン、スペアミントオイル、青葉アル
コール、桂皮アルコール、メチルノニルケトン、メチル
フェニルケトン、しょう脳、シトラール、ユーカリプト
ール、アリルイソチアネート、カプサイシン、シクロヘ
キシミド等が例示できる。そして、この例示された忌避
剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いるこ
とができる。
【0017】その消臭剤としては、不快な臭いを芳香
性、マスキング、中和してその臭いの原因を消すもので
ある。そのような消臭剤の具体的な例の芳香性よる消臭
剤としては、ローズ油、スズラン油、キンモクセイ油、
ジャスミン油、レモン油、クチナシ油、ミント油、バイ
オレット油等の香料を用いることができる。またマスキ
ングには前記香料の中でもシンナミックアルデヒド、バ
ニリン、ヘリオトロピン、クマリン、カルボン、カナフ
ァー、ボネオール等が例示できる。さらに中和して消臭
する消臭剤としては、テレピン油、丁子油、桂皮油、シ
ダー油、オレンジ油、レモン油、橙皮油等が例示でき
る。また、その他にフラボノイド等も用いることができ
る。そして、この例示された消臭剤の中から選んだ1種
または2種以上のものも用いることができる。
【0018】その植物エキス剤としては、各種の薬効を
もつものがあり、例えば、アロエエキス、カモミラエキ
ス、オレンジエキス、海藻エキス、オランダカラシエキ
ス、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、オウバ
クエキス、オウレンエキス、アンズエキス、キイチゴエ
キス、キズタエキス、キナエキス、クチナシエキス、ク
ワエキス、ゲンノショウコエキス、ゴボウエキス、混合
果実抽出液、混合植物抽出液、コンフリーエキス、シャ
クヤクエキス等が例示できる。そして、この例示された
植物エキス剤の中から選ばれた1種または2種以上のも
のも用いることができる。
【0019】その紫外線遮蔽剤としては、200〜40
0nmの波長の紫外線を吸収して、人体や香粧品に対す
る有害な作用を防止し、さらにその遮蔽剤により皮膚の
日焼け、香粧品の劣化等の現象の発生を防止する目的で
使用されるものである。その具体的な例としては、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノ
ン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−オキシ−5−メト
キシアセトフェノン等のベンゾフェノン系が例示でき
る。エチル−p−グルコシルイミドベンゾエート、グル
コシル−p−アミノベンゾエート、サリシレートエステ
ル、p−オクチルフェニルサリシエート、フェニルサリ
シアート等の安息香酸エステル系が例示できる。そし
て、この例示された紫外線遮蔽剤の中から選ばれた1種
または2種以上のものも用いることができる。
【0020】その酸化防止剤としては、物質が酸素によ
る酸化変質するのを防ぐ薬剤である。その酸化防止剤の
具体的なものとしては、ノルジヒドログアヤレチン酸、
グアヤク脂、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニ
ゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、α−トコフェロ
ール(ビタミンE)等が例示できる。また、亜硫酸ナト
リウム、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、イソ
アスコルビン酸、チオソルビトール、塩酸システイン、
チオグリコール酸、チオ硫酸ナトリウム等の水溶性酸化
防止剤が例示できる。そして、この例示された酸化防止
剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いる
ことができる。
【0021】その止痒剤としては、局所麻酔と清涼刺激
作用により痒みを防止するものであり、具体的なものと
してはカンフル、チモール、メントール、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル、抗ヒスタミン剤、アミノ安息
香酸エチル等が例示できる。そして、この例示された止
痒剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0022】その発毛促進剤としては、毛根部によく浸
透して、毛乳頭の血流を促進し、毛母細胞の分裂を盛ん
にして、毛髪の生長を促すものであり、具体的なものと
しては、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウ
キョウチンキ、セファランチン、レシチン、ヒノキチオ
ール、感光素301号、エストロゲン、パントテン酸、
センブリエキス、グリチルリチン等が例示できる。そし
て、この例示された発毛促進剤の中から選ばれた1種ま
たは2種以上のものも用いることができる。
【0023】そのビタミン剤としては、人体に栄養とし
て供給されるものであり、水溶性または脂溶性のビタミ
ンを用いることができる。そのビタミンの具体的なもの
としては、水溶性ビタミンでは、ビタミンB1 、ビタミ
ンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12のビタミンB群
や、ビタミンC等が例示できる。さらに脂溶性ビタミン
としてはビタミンA、ビタミンE、ビタミンD等が例示
できる。そして、この例示されたビタミン剤の中から選
ばれた1種または2種以上のものも用いることができ
る。
【0024】その制汗剤としては、発汗を抑制する作用
のあるものであり、具体的には、塩化アルミニウム、ア
ラントイン、クロルヒドロキシアルミニウム、硫酸アル
ミニウム、ミョウバン、アルミニウムクロロハイドロオ
キシド等が例示できる。そして、この例示されたビタミ
ン剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0025】その日焼け止め剤としては人体の日焼けを
防ぐものであり、上述の紫外線吸収剤と紫外線散乱剤と
を混合して用いられるものである。その紫外線散乱剤の
具体的なものとしては、酸化亜鉛、酸化チタン等が例示
できる。そして、この例示された紫外線散乱剤の中から
選ばれた1種または2種以上のものも用いることができ
る。
【0026】その防腐剤としては、微生物等の繁殖を抑
えて、薬剤等の品質を劣化せずに保存する目的で用いら
れるものであり、具体的には安息香酸、サリチル酸、デ
ヒドロ酢酸、ソルビン酸、ホウ酸、クロルキシレノー
ル、レゾルシン、パラオキシ安息香酸エステル、フェノ
キシエタノール、チモール、ヒノキチール、チオキソロ
ン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾトニウム、ラウ
リルジ(アミノエチル)グリシン、グルコン酸クロルヘ
キシジン、クロロブタノール等が例示できる。そして、
この例示された防腐剤の中から選ばれた1種または2種
以上のものも用いることができる。
【0027】その保湿剤としては、皮膚に対して保湿
し、うるおいを保つ作用のあるものであり、その具体的
には、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビッ
ト、1,3−ブチレングリコール、dl−ピロリドンカ
ルボン酸、乳酸ナトリウム等が例示できる。そして、こ
の例示された保湿剤の中から選ばれた1種または2種以
上のものも用いることができる。
【0028】その収斂剤としては、香粧品等に用いられ
皮膚を引き締めるものであり、具体的には、クエン酸、
酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、
硫酸カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニ
ウム、アラントインクロルジヒドロキシアルミニウム、
アルミニウムフェノオールスルフォン酸、パラフェノー
ルスルフォン亜鉛、硫酸亜鉛、アルミニウムクロロヒド
ロオキシド等が例示できる。そして、この例示された収
斂剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0029】その油性剤としては、香粧品等では、皮膚
に対して、柔軟性、清浄化、摩擦効果、保湿効果、光沢
効果等の様々な作用を与えるものである。それには、油
脂類、ロウ類、高級脂肪酸、炭化水素等であり、具体的
には、アルモンド油、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ
油、モクロウ、ヤシ油、ラノリン、セタノール、液状ラ
ノリン、パラフィン、ワセリン、スクワラン、オレイン
酸、ラウリル酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、
パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデ
シル等が例示できる。そして、この例示された収斂剤の
中から選ばれた1種または2種以上のものも用いること
ができる。
【0030】このような農薬、香料、忌避剤等の薬剤を
含浸もしくは担持させる無機多孔質微粒子としては、以
下のものが用いられる。この無機多孔質微粒子として
は、無機化合物より形成された多孔質なものであり、形
状としては、不定型等の様々な形のものを用いることが
できるが、特に好ましくは略球形状のものを用いること
が望ましい。その無機化合物としては、アルカリ土類金
属の炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硫酸塩や金属酸化物、金
属水酸化物、その他の金属珪酸塩、あるいはその他の金
属炭酸塩等が使用可能である。具体的には、アルカリ土
類金属の炭酸塩としては炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸マグネウム等が、アルカリ土類金属の珪酸塩と
しては珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウ
ム等が、またアルカリ土類金属の燐酸塩としては燐酸カ
ルシウム、燐酸バリウム、燐酸マグネシウム等が、そし
てまたアルカリ土類金属の硫酸塩としては硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等がそれぞれ挙げ
られる。さらに金属酸化物としてはシリカ、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化ニッケル、
酸化マンガン、酸化アルミニウム等が、金属水酸化物と
しては水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化クロム等がそれぞれ挙げ
られる。そしてその他の金属珪酸塩としては珪酸亜鉛、
珪酸アルミニウム等が、その他の金属炭酸塩としては炭
酸亜鉛、炭酸アルミニウム、炭酸銅等がそれぞれ挙げら
れる。
【0031】そして、無機多孔質微粒子は、特に界面反
応法で得られた無機系の材料を用いたものを用いること
が可能であり、例えば珪酸カルシウム等の無機多孔質な
るものを用いることができる。そして、特に特公昭57
−55454号公報に記載されている界面反応法によっ
て得られた球形の無機多孔質微粒子を好適に用いること
ができる。具体的なものとしては、既に商品化されてい
る球形の無機多孔質微粒子(商品名:ゴットボール、鈴
木油脂工業株式会社製)を用いることができる。
【0032】即ち、無機化合物としてシリカを用いる場
合、一例としてまず水ガラス溶液をソルビタンモノステ
アレートとポリオキシエチレンソルビタンモノオレエー
ト混合物の局方流動パラフィン溶液と共に乳化し、油中
水滴型乳濁液を調製し、さらに硫酸アンモニウム溶液に
加えて反応させて放置する。続いて濾過、洗浄、乾燥を
行うことにより、壁物質が無水珪酸からなる中空の多孔
質微粒子が得られるのである。
【0033】次いで、図1に示す如き機器構成のもと
で、前記工程により得られた図2に示す無機多孔質微粒
子1の空隙部2に、薬剤3を導入した。本装置は、排気
バルブ4とリークバルブ5を設けた真空チャンバー6と
薬剤3の溶液が入ったタンク7とが、導入バルブ8を介
して接続されているものであり、真空チャンバー6内で
無機多孔質微粒子1を減圧することによって、常圧状態
下にある薬剤3の溶解液を圧力差を利用して空隙部2に
導入した。そしてその概略工程の一例が以下に示される
のである。
【0034】まず無機多孔質微粒子1を真空チャンバー
6内にセットし、リークバルブ5、導入バルブ8を閉じ
るとももに排気バルブ4を開いて、真空チャンバー6内
を10〜10-3torrに減圧する。つぎに排気バルブ
4を閉じて真空チャンバー6内の排気を終了し、導入バ
ルブ8を開く。この時、薬剤3の溶解液の入ったタンク
7内は大気圧であるため、圧力差によって薬剤3が真空
チャンバー6内に導入される。真空チャンバー6内の排
気によって無機多孔質微粒子1の空隙部2も減圧状態に
あるので、真空チャンバー6内に導入された薬剤3を無
機多孔質微粒子1内部の空隙部2に浸透し担持させる。
続いてリークバルブ5を開いて真空チャンバー6を大気
圧に戻した後に濾過等によって過剰の薬剤3の溶解液を
分離し、薬剤3を担持させた無機多孔質微粒子が得られ
るのである。ここで用いられる無機多孔質微粒子1は、
例えば粒径で0.1〜300μm、壁厚で0.05〜1
50μm、空孔径で2nm〜2μm、そして嵩密度で
0.1〜5cc/g程度のものである。また薬剤3を無
機多孔質微粒子に担持させる量は1〜500重量%程度
とすることが望ましく、好ましくは10〜130重量%
にするのが良い。即ち1重量%未満であると、薬剤の持
続力が短く、また500重量%より多いと過剰となり無
機多孔質微粒子から流出するので前記範囲にするのが望
ましい。
【0035】こうして薬剤3を担持させた無機多孔質微
粒子1の概略断面構造が図2として示される。図例のも
のは壁物質が無水珪酸からなる非中空の無機多孔質微粒
子1内に、薬剤3が担持されているものであり、壁面に
存在する無数の空隙部2・・・より薬剤3が徐々に蒸散
し、薬剤の持つ抗菌作用や抗真菌作用を、長時間にわた
って持続させることができるのである。尚、図3に示し
ているような、中空の無機多孔質微粒子1の中空部9に
前記薬剤3を担持させることもできる。
【0036】そして、薬剤を担持させた前記無機多孔質
微粒子は、薬剤分散液に0.01〜60重量%を、好ま
しくは1〜30重量%を含有させることができる。即ち
0.01重量%未満であると、薬剤の持続力が短く、ま
た60重量%以上であると分散液の流動性が損なわれる
ので、前記範囲にするのが望ましい。
【0037】本発明の分散液としては、薬剤を分散させ
ることができる液体であり、0〜50℃の環境下で液体
状態であるものが望ましく、用途に応じて水または有機
溶媒や、さらにはその混合物も用いることができる。そ
の有機溶媒では、アルコール類、エーテル類、ケトン
類、アルデヒド類等を好適に用いることができる。そし
て、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール等が例示できる。さらに、エーテル類に
は、石油エーテル、ジエーテルエーテル等が例示でき
る。ケトン類にはアセトン、メチルエーテルケトン等が
例示できる。アルデヒド類にはホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド等が例示できる。好ましくはアルコール類
を用いることが望ましく、特に好ましくは炭素数が1〜
3のメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール等を用いることがで
きる。また、分散液の特に好ましい使用形態としては、
人体に用いることとからアルコール類と水との混合物を
用いることが望ましく、そのアルコール類の含有量とし
ては75〜95重量%を含むものが好適であり、より均
一に薬剤を分散させることができる。
【0038】次に、アクリル酸重合体としては、ポリア
クリル酸とも呼ばれアクリル酸を2以上重合したもの
で、特に架橋型アクリル酸重合体を用いることができ
る。そのアクリル酸重合体の具体的な例は、日本純薬
(株)製のジュンロンPW−110、ジュンロンPW−
150、昭和電工(株)製のカーボポール907、カー
ボポール910、カーボポール934、カーボポール9
34P、カーボポール940、カーボポール941、製
鉄化学工業(株)製のアクペックHV−505、和光純
薬(株)製のハイビスワコー103、ハイビスワコー1
04、ハイビスワコー105、ハイビスワコー204、
ハイビスワコー304等が例示できる。そのアクリル酸
重合体の薬剤分散液中の含有量としては、0.0001
〜6重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%とする
のが望ましい。即ち、0.0001重量%未満である
と、粘度が低すぎて均一に分散することができず、また
6重量%より多いと粘度が高すぎて均一に分散すること
ができなくなるので、前記範囲にするのが望ましい。
【0039】前記アルカリ剤としては、アクリル酸重合
体を中和するのに必要なものであり、アクリル酸重合体
に混合して増粘させる水不溶性もしくは水難溶性のもの
である。その具体的なアルカリ剤としては、ポリオキシ
エチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリ
ルアミン、ポリオキシエチレンプロピレンジアミン、ポ
リオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンヤシ
アミン、ジブチルアミン、トリ−(2−エチル)ヘキシ
ルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジブチル−2−
エチルヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジアリル
アミン、ジ−sec−イソブチルアミン、トリアリルア
ミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチ
ルアリルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、N
−メチルジアリルアミン、N−エチル−1,2−ジメチ
ルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミ
ン、ヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルヘ
キシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジ−n−オク
チルアミン、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミ
ン、トリ−n−オクチルアミン、ジブチルアミノプロピ
ルアミン、N−メチル−ジ−n−オクチルアミン、2−
エチルヘキシルアミン、ジ−(2−エチル)ヘキシルア
ミン等が例示できる。そして、そのアルカリ塩の含有量
としては、アクリル酸重合体を中和するのに必要となる
ものであり、架橋型アクリル酸重合体の含有量にもよる
が0.00001〜20重量%を、好ましくは0.01
〜0.5重量%とするのが望ましい。即ち、0.000
01重量%未満であると、中和が不十分となり均一に分
散することができず、また20重量%より多いと過剰と
なるので、前記範囲にするのが望ましい。
【0040】また、本発明では、用途に応じて界面活性
剤を加えることができる。その界面活性剤としては、陰
イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性
剤、非イオン界面活性剤等を用いることが可能であり、
特に人体に用いるために、化粧品原料基準に記載のもの
が望ましい。さらに、界面活性剤は、HLB値が1〜2
0のものを用いることが可能であり、特に好ましくは5
〜15のものを用いると、より均一に薬剤及び無機多孔
質微粒子を分散させることができる。その界面活性剤の
量としては、0.01〜5重量%とするのが望ましく、
0.01重量%未満であると薬剤を分散しにくなり、5
重量%より多いと過剰となるので、前記範囲にするのが
望ましい。その具体的な界面活性剤としては、以下のも
のが例示できる。陰イオン界面活性剤としては、ラウリ
ン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウ
ム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸
トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミ
ン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンチセルエーテル燐酸、ポリオキシエチレン
チセルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンス
テアリルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンオレイルエ
ーテル燐酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテル燐酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル燐酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル燐酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル燐酸ナトリウム、ラウロイルサル
コシンナトリウム、大豆リン脂質等が例示できる。
【0041】陽イオン界面活性剤としては、塩化ステア
リルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチ
ルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼン
トニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化セチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリ
ニウム、臭化ドミフェン等が例示できる。
【0042】両イオン界面活性剤としては、β−ラウリ
ルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルア
ミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチ
ル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等
が例示できる。
【0043】非イオン界面活性剤としては、自己乳化型
モノステアリン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸
グリセリン、親油型モノオレイン酸グリセライド、モノ
ステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プ
ロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコー
ル、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソル
ビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸
ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイ
ン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、ウンデシレン
酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミ
ド、ヤシ油脂脂肪ジエタノールアミド、モノラウリン酸
ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレ
ングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコー
ル、乳酸ミリスチル、乳酸チセル、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸アミ
ド、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノラ
ウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチ
ン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸
ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリ
オキシエチレン、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレ
ンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソル
ビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタ
ン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、
ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエ
チレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポ
リオキシエチレンラノリン等が例示できる。
【0044】そして、本発明の薬剤分散液の製造方法
は、分散液に、アクリル酸重合体とアルカリ塩とを加え
て増粘させて粘性のある分散液にするとともに、さらに
薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を加えて分散させる
ものである。そして、本発明の製造方法では、特に10
〜35℃の室温で行うことが望ましく、アクリル酸重合
体を攪拌しながら添加して、均一に分散する。そして、
アルカリ塩を加えて分散液を中和することにより、分散
液に粘性を与えることができる。そして、B型粘度計等
の粘度計で測定した粘性の値としては、10〜3000
00cps、好ましくは400〜1000cpsに調整
するのが望ましい。即ち、前記範囲外の粘性の値である
と均一に分散することができないので、前記範囲にする
のが望ましい。そして、このように粘性のある分散液に
は、前記薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を添加し
て、攪拌して均一に分散させることにより薬剤分散液が
得られる。その均一に分散させる手段としてはホモジナ
イザーにより、10〜13000rpm/分、好ましく
は5000〜8000rpm/分の回転数により高速攪
拌してホモジナイズすることが望ましい。即ち、10r
pm/分未満であると、均一に薬剤を分散させることが
できず、また13000rpm/分より回転数が高いと
アクリル酸重合体を剪断してしまい薬剤を分散させるこ
とができないので、前記範囲にするのが望ましい。
【0045】さらに本発明の作用は以下にとおりであ
る。本発明の薬剤分散液によれば、アクリル酸重合体と
アルカリ塩によって形成される増粘作用により、薬剤を
担持させた無機多孔質微粒子を分散液に均一に分散させ
て、さらにその分散液が揮発すると、無機多孔質微粒子
の表面にアクリル酸重合体の皮膜を形成させることがで
きる。分散液に水またはアルコール類の少なくとも一方
を用いた本発明の薬剤分散液は、分散液を早急に揮発さ
せることができる。前記アルコール類が、炭素数1〜3
のものであると、より効率よく分散液を揮発させること
ができる。前記薬剤が忌避剤を用いると、忌避剤を徐放
させることができる。前記無機多孔質微粒子を界面反応
法で得られたものであると、より均一に分散させること
ができ、さらに優れた徐放効果を得ることができる。
0.01〜60重量%の前記無機多孔質微粒子を含むも
のである薬剤分散液であると、より均一に分散させるこ
とができる。前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量
%の薬剤を担持させたものであると、効率よく薬剤を担
持させることができる。
【0046】
【実施例】本発明の詳細を図例を参照しながら説明す
る。 (実施例1)実施例1としては、薬剤に天然香料である
ペパーミント油を用いて下記に示す表1の配合により薬
剤分散液を作製した。即ち、エチルアルコール(商品
名:エチルアルコール特級、和光純薬株式会社製)に、
アクリル酸重合体(商品名:カーボポール、昭和電工株
式会社製)を加えて混合し、さらに粘性を与えるために
ポリオキシエチレンヤシアミン(商品名:エソミン−4
5、ライオン株式会社製)添加して、混合液を作製し
た。そして、ペパーミント油を無機多孔質微粒子(商品
名:ゴッドボールE−16C、鈴木油脂工業株式会社
製)に添加混合して、担持させた。このペーパミント油
を担持させた無機多孔質微粒子を、前記混合液に加え
て、室温下でホモジナイザーにより、毎分6000rp
mの回転数により5分間ホモジナイズしてペパーミント
油入り薬剤分散液を作製した。
【0047】(実施例2)実施例2としては、表1に示
す配合により薬剤に忌避剤であるN,N−ジエチル−m
−トルアミドを用いた以外は実施例1と同様の操作を行
い薬剤分散液を作製した。
【0048】(実施例3)実施例3としては、表1に示
す配合により薬剤に殺虫剤であるアレスリン(住友化学
株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行
い薬剤分散液を作製した。
【0049】(実施例4)実施例4としては、表1に示
す配合により薬剤に抗菌剤であるヒバオイル(商品名:
ヒバオイル、成田林業工業株式会社製)を用いた以外は
実施例1と同様の操作を行い薬剤分散液を作製した。
【0050】(実施例5)実施例5としては、表1に示
す配合により薬剤に殺菌剤であるカスガマイシン(商品
名:カスガマイシン塩酸塩一水和物、和光純薬株式会社
製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い薬剤
分散液を作製した。
【0051】(比較例1)比較例1としては、表1に示
す配合により薬剤に天然香料であるペパーミントオイル
をエチルアルコールに溶解した薬剤分散液を作製した。
【0052】(比較例2)比較例2としては、表1に示
す配合により薬剤に忌避剤であるN,N−ジエチル−m
−トルアミドを用いた以外は、比較例1と同様の操作を
行い薬剤分散液を作製した。
【0053】(比較例3)比較例3としては、表1に示
す配合により薬剤に殺虫剤であるアレスリン(住友化学
株式会社製)を用いた以外は、比較例1と同様の操作を
行い薬剤分散液を作製した。
【0054】(比較例4)比較例4としては、表1に示
す配合により薬剤に抗菌剤である実施例1と同じのヒバ
オイルを用いた以外は比較例1と同様の操作を行い薬剤
分散液を作製した。
【0055】(比較例5)比較例5としては、表1に示
す配合により薬剤に殺菌剤であるカスガマイシン(商品
名:カスガマイシン塩酸塩一水和物、和光純薬株式会社
製)に用いた以外は比較例1と同様の操作を行い薬剤分
散液を作製した。
【0056】
【表1】
【0057】尚、比較試験は、実施例1と比較例1、実
施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比
較例4、実施例5と比較例5の夫々について行った。以
下にその詳細を述べる。 (実施例1と比較例1の比較試験)天然香料を用いて、
香料の残存性について確認した。即ち、5gの実施例1
及び比較例1を、直径110mmの定量濾紙(商品名:
NO.3、アドバンテック東洋株式会社製)に吸着させ
て、さらに濾紙を庫内湿度が70%Rh、庫内温度が3
0℃の恒温恒湿槽にて香料を揮発させた。そして、20
人のパネラーよりスペアミント油の香りを確認して、香
りを感じるかどうかを検討してもらい、香りを感じる人
の人数を表2に記載した。
【0058】
【表2】
【0059】その結果、表2より明らかなように実施例
1の方が、長期間に亙ってスペアミントの香りを感じる
人が多かった。
【0060】(実施例2と比較例2の比較試験)忌避剤
を用いた場合にはその残効性を行った。その方法として
は、アカイエカの雌の成虫を用いて確認した。その方法
は、5gの実施例2及び比較例2を、直径110mmの
定量濾紙(商品名:NO.3、アドバンテック東洋株式
会社製)に吸着させて、さらにその濾紙を庫内温度が2
5℃の恒温槽内に設置して徐放試験を行った。そして、
中を2分割して分割した中心部分をアカイエカが通過で
きるように設計された30×30×30cmの飼育ケー
スの一方に、徐放試験中の濾紙を入れてアカイエカに対
する忌避効力を確認した。その確認方法は、徐放試験中
の濾紙を設置した飼育ケースの一方に20匹にアカイエ
カを入れて、濾紙を設置していない方に移動する数を日
数ごとに観察し、その数を表3に示した。
【0061】
【表3】
【0062】表3により明らかなように、実施例2は、
比較例2に比べてアカイエカに対して長期間に亙って忌
避効果を有していた。
【0063】(実施例3と比較例3の比較試験)実施例
3及び比較例3用いた場合には、忌避剤の残効性を行っ
た。その方法としては、チャバネゴキブリを用いて確認
した。その方法は、5gの実施例3及び比較例3を直径
100mmの定量濾紙(商品名:NO.3、アドバンテ
ック東洋株式会社製)に吸着させて、さらに濾紙を庫内
温度が25℃の恒温槽にて徐放試験を行った。徐放試験
を行った濾紙についてチャバネゴキブリに対して忌避効
力を確認した。その確認方法は、徐放試験を行った濾紙
を直径90mm×厚さ20mmのシャーレに入れて、さ
らにチャバネゴキブリを1匹入れてその死滅するかどう
かを毎日確認した。その結果を表4に示した。
【0064】
【表4】
【0065】表4より明らかなように実施例3の方が長
期間に亙って殺虫力を有していた。
【0066】(実施例4と比較例4の比較試験)まず、
室温が25℃に調整された無菌室内で、5gの実施例4
及び比較例4を直径90mm×高さ20mmのシャーレ
内に均一に広げて紫外線照射しながら無菌状態で徐放試
験を行った。そして、さらに徐放試験を終えたシャーレ
に、菌数が1×105 個/mlに調整した大腸菌(Esche
richia coli)または枯草菌(Bacillus subtilis )の培
養液を、生理食塩水(塩分が0.85%)により懸濁洗
滌した後に、その生理食塩水を1ml添加し、さらに5
gの滅菌した標準寒天培地(商品名:標準寒天培地、日
水製薬株式会社製)を添加して、混釈法により寒天培地
を作製した後に37℃の恒温槽で24時間培養して、生
育状況を確認して、コロニー数を表5に示した。
【0067】
【表5】
【0068】表5より明らかなように実施例4のほうが
コロニー数が少なく、抗菌力を長期間に亙って有してい
た。
【0069】(実施例5と比較例5の比較試験)まず、
室温が25℃に調整された無菌室内で、5gの実施例5
及び比較例5を直径90mm×高さ20mmのシャーレ
内に均一に広げて紫外線照射しながら無菌状態で徐放試
験を行った。そして、徐放試験を行ったシャーレは、大
腸菌(Escherichia coli)または枯草菌(Bacillus subti
lis )に対して殺菌効果を確認するために、実施例4及
び実施例4の比較試験と同様の操作を行い、生育状況を
確認して、コロニー数を表6に示した。
【0070】
【表6】
【0071】表6より明らかなように実施例5のほう
が、コロニー数が少なく殺菌力を長期間に亙って有して
いた。
【0072】
【発明の効果】本発明の薬剤分散液によれば、アクリル
酸重合体とアルカリ塩によって形成される増粘作用によ
り、薬剤を担持させ無機多孔質微粒子を分散液に均一に
分散させて、さらにその分散液が揮発すると、無機多孔
質微粒子の表面にアクリル酸重合体の皮膜を形成させる
ので、薬剤を長期間に亙って薬剤の効果を保つことがで
きる。また、分散液に水またはアルコール類の少なくと
も一方を用いた本発明の薬剤分散液は、分散液を早急に
揮発させることができるので、塗布または散布した後に
は、効率良く薬剤を均一に揮発させることができる。さ
らに水を用いた場合には、コスト的にも安くなる。前記
アルコール類が、炭素数1〜3のものであると、より効
率よく分散液を揮発させることができるので、塗布また
は散布した後には、さらに効率良く薬剤を均一に揮発さ
せることができる。前記薬剤が忌避剤を用いると、忌避
剤を徐放させることができるので、衛生害虫、農業害
虫、動物を長期間に亙って忌避させることができる。前
記無機多孔質微粒子を界面反応法で得られたものである
と、より均一に分散させてさらに優れた徐放効果を得る
ことができるので、長期間に亙って徐放効果を有するこ
とができる。0.01〜60重量%の前記無機多孔質微
粒子を含む薬剤分散液であると、より均一に分散させる
ことができるので、優れた徐放効果を有することができ
る。前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量%の薬剤
を担持させたものであると、効率よく薬剤を担持させる
ことができるので、長期間に亙って徐放効果を有するこ
とができる。上述のように本発明の薬剤分散液は、忌避
剤、香料、農薬等の薬剤を分散液に分散させることが可
能となり、また優れた徐放機能を有するので、その仄か
な香り、忌避、殺虫、殺菌、殺ダニ、殺線虫、殺ダニ効
果を長期間に亙って維持することができる。
【0073】また、本発明に製造方法によれば、分散液
に、アクリル酸重合体とアルカリ塩とを加えて増粘させ
ることにより、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を、
分散させることができるので、従来乳化剤や界面活性剤
を必要としていたものが、乳化工程などの工程が不要と
なり、手間も掛からずに簡単に分散させてコストダウン
を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機多孔質微粒子への薬剤を注入する
方法の説明図
【図2】本発明に用いる中実の無機多孔質微粒子の説明
【図3】本発明に用いる中空の無機多孔質微粒子の説明
【符号の説明】
1.無機多孔質微粒子 2.空隙部 3.薬剤 4.排気バルブ 5.リークバルブ 6.真空チャンバー 7.タンク 8.導入バルブ 9.中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 3/02 C08J 3/02 C08L 33/02 LHR C08L 33/02 LHR // B01J 13/02 B01J 13/02 L

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と、分
    散液と、アクリル酸重合体と、アルカリ塩と、からなる
    薬剤分散液。
  2. 【請求項2】前記分散液が、水またはアルコール類の少
    なくとも一方である請求項1記載の薬剤分散液。
  3. 【請求項3】前記アルコール類が、炭素数1〜3のもの
    である請求項2記載の薬剤分散液。
  4. 【請求項4】前記薬剤が忌避剤である請求項1、2また
    は3記載の薬剤分散液。
  5. 【請求項5】前記無機多孔質微粒子が界面反応法で得ら
    れたものである請求項1、2、3または4記載の薬剤分
    散液。
  6. 【請求項6】0.01〜60重量%の前記無機多孔質微
    粒子を含むものである請求項1、2、3、4または5記
    載の薬剤分散液。
  7. 【請求項7】前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量
    %の薬剤を担持させたものである請求項1、2、3、
    4、5また6記載の薬剤分散液。
  8. 【請求項8】分散液に、アクリル酸重合体とアルカリ塩
    とを加えて増粘させるとともに、さらに薬剤を担持させ
    た無機多孔質微粒子を加えて分散させる薬剤分散液の製
    造方法。
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