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JPH0961611A - バイナリーオプティックス及びそれを用いたレーザ加工装置 - Google Patents

バイナリーオプティックス及びそれを用いたレーザ加工装置

Info

Publication number
JPH0961611A
JPH0961611A JP8172891A JP17289196A JPH0961611A JP H0961611 A JPH0961611 A JP H0961611A JP 8172891 A JP8172891 A JP 8172891A JP 17289196 A JP17289196 A JP 17289196A JP H0961611 A JPH0961611 A JP H0961611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
point
binary optics
light
diffraction grating
shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8172891A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Yamaguchi
哲 山口
Katsuhiro Minamida
勝宏 南田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP8172891A priority Critical patent/JPH0961611A/ja
Publication of JPH0961611A publication Critical patent/JPH0961611A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ光の強度分布を平均化し所望の形状
にビーム整形するバイナリーオプティクス及びそれを用
いた集光光学系、並びにそれらを用いて望ましい加工を
施すことを可能とし、更に小型化されたレーザ加工装置
を提供する。 【構成】 回折格子よりなるバイナリーオプティック
ス内の各位置に於ける回折格子の向きとピッチとを、入
射光の形状及び強度分布と、変換したい出射光の形状及
び強度分布とに対応させて透過型または反射型として設
計することにより、所望のビームスポットを作ることを
可能にし、均一強度を保ったまま微小スポットに絞り込
むことを可能にする。更にレーザ加工プロセスを有利に
すると共に効率の高い加工を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光の強度分布
を平均化し所望の形状にビーム整形する光学素子及びそ
れを用いた集光光学系及びそれを用いてより効率的な加
工を施すことを可能とするレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バイナリーオプティックスはガラス基板
の表面に刻まれた回折格子により集光する光学素子であ
る(G. J. Swanson et al., US Patent 4895790, (199
0))。図9(a)及び図9(b)に示すように、バイナ
リーオプティックス21の断面の構造は光の波長オーダ
ーの階段状になっており、進行する光の波面は階段の厚
みの違いによりその進行方向が変えられる。即ち、光の
透過長が隣の階段と異なるために、光の位相がずれ、光
の干渉効果により回折して光路が曲げられる。階段の繰
り返しピッチは光路長を一波長だけ違える幅として与え
られる。YAGレーザ光を集光する目的のバイナリーオ
プティックスはその階段構造として幅が数μm、厚さが
1μm程度のものである。通常のバイナリーオプティッ
クス21は図9(a)のように同心円状のパターンから
なり、凸レンズのような単レンズの機能を有している。
凸レンズ機能のバイナリーオプティックスは、入射した
平行光線を一点につまり焦点に集めるように働く。この
ような機能を有するバイナリーオプティックスのピッチ
p(r)と中心からの距離rとの関係は、例えば、
【0003】
【数2】p(r)=λ√(1+f2/r2
【0004】として表される。ここで、λはレーザ光の
波長、fは焦点距離である。このようなバイナリーオプ
ティックスにビームの断面形状が円形で強度分布がガウ
ス型(山型)のレーザ光を入射すると、バイナリーオプ
ティックスからの出射光はどの位置に於てもビーム形状
が円形であり、強度分布はやはり山型である。
【0005】一方、一般にレーザ発振器を用いてレーザ
加工を行う方法としては単にレーザ光を集束して照射す
る方法が用いられていた。また、通常は集束されたビー
ムスポット形状は円形であるが、加工する対象によって
はビーム形状が円形以外の各種形状であることが望まし
い場合がある。この場合にはレーザ光をビーム拡大した
後、例えば矩形の形状をした開口を通した後レンズで集
束して所望のビームスポット形状を得ていた。
【0006】しかしながら、開口を通してビームの中央
部分の強度の高い部分のみを取り出していたため、開口
から外れた光線はロスとなり効率の面で問題があった。
また、レーザ光強度の空間分布を表す横モードはこのよ
うなきれいなガウシアン分布を有するTEM00モードば
かりではない。特に、レーザ出力が大きくなると、高次
のモードで発振しやすく、マトリックス状の斑点模様の
形状を有するTEMnnモードやドーナツ状のリングモー
ドであるTEM01 *モードになりがちである。このよう
なモードのレーザ光はうまく集束させることが困難であ
った。
【0007】ところで、上記したレーザ加工装置にあっ
ては共振器からの出射光をビーム整形したり、集光させ
るためのバイナリーオプティックスを含む光学素子が多
く配設されることもあり、その光路が長くなり、軸線方
向長さが冗長しがちであった。そこで、光路中に反射ミ
ラーを介設して光路を折り返させることが考えられる
が、部品点数が多くなり、各光学素子の配置調整が複雑
になるばかりでなく、特に高出力のレーザ光は通常のミ
ラーでは損失が大きいため、高反射率の高価なミラーを
用いなければならず、そのコストも高騰化しがちであっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みてなされたもので、高次横モードのレーザビーム
を強度分布が均一でビーム形状が所望の形のレーザビー
ムを効率良く得ることを第1の目的とし、レーザ加工装
置を簡便に小型化することを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために本発明は、高次モードのレーザビームを、強度
が平均化された所望の形状のビームに変換するべく前記
ビームの光軸を中心として該光軸に直交する面に形成さ
れた回折格子よりなるバイナリーオプティックスに於
て、当該バイナリーオプティックス上の或る点Pの位置
に於ける回折格子の配列方向は、前記点対称の入射光の
半径方向の強度分布と、変換したい出射光の形状とから
当該バイナリーオプティックス上に求められる点Qと前
記点Pとを結ぶ方向であり、前記点Qは、当該バイナリ
ーオプティックス上に光軸を原点Oとする極座標を定義
して前記面内に原点Oを中心として、前記点Pを通り、
かつレーザのモードの対称性と同じ対称性を有する図形
を描き、更に前記点Pを通る該図形内の光の強度の積分
値を平均化した強度で割った値と等しい面積を有し、か
つ前記所望の出射光の形状を、前記原点Oを中心として
縮小または拡大して得られる相似図形を描き、前記点P
と前記中心Oとを結ぶ直線と、座標軸と、前記図形とに
囲まれる部分図形内の光の強度の積分値と、前記相似図
形の辺上の点Qと前記中心Oとを結ぶ直線と座標軸と、
前記相似図形とに囲まれる部分図形内の光の強度の積分
値とが一致するように決められており、当該バイナリー
オプティックスの前記回折格子のピッチpが、線分PQ
の長さをd、光の波長λ、当該バイナリーオプティック
スから所望の図形を得る位置までの距離hとして、
【0010】
【数3】p=λ√(1+h2/d2
【0011】として表されることを特徴とするバイナリ
ーオプティックス及びこれを第1のバイナリーオプティ
ックスとし、所望の図形を得るの位置に、前記点Qに於
ける回折格子の配列方向が前記点Pと前記点Qとを結ぶ
方向であり、かつ回折格子のピッチが前記第1のバイナ
リーオプティックスの点Pに於ける回折格子のピッチに
等しい第2のバイナリーオプティックスを配置したこと
を特徴とする高次モードのレーザビームを強度が平均化
された所望の形状の平行ビームに変換するための集光光
学系、更に前記バイナリーオプティックス、または前記
集光光学系を集光光学系として備えたことを特徴とする
レーザ加工装置を提供する。また、上記第2の目的を達
成するために本発明は、上記バイナリーオプティックス
を反射型とし、該バイナリーオプティックスを集光光学
系に含むレーザ加工装置を提供する。
【0012】バイナリーオプティックスは、回折格子を
面全体に刻んだものであり、格子の向きとピッチを場所
に対応して変化させることで入射光の向きと、強度を自
由に変換できる。図9(a)、図9(b)に於て、バイ
ナリーオプティックス21の面に垂直に入射した光線
は、回折格子のピッチをp、レーザ光の波長をλとし
て、格子の配列方向(但し、階段を登る向き)に、回折
角cot-1√((p/λ)2−1)だけ傾斜した回折光
として出射する。従って、格子の配列方向とピッチとを
決めることにより、バイナリーオプティックスの面の各
点に入射した光線が回折されてバイナリーオプティック
スから距離hだけ離れた位置で所望の図形と所望の強度
分布となる。また、このバイナリーオプティックスを反
射型とすることで別途高反射ミラーを用いなくとも光路
を折り返させることができ、レーザ加工装置の特に軸線
方向長さを短くでき、装置を小型化できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。図1に本発明の第1の実施形態に於け
るバイナリーオプティックスによる光路変換の模式図を
示す。このバイナリーオプティックス1は半導体微細加
工技術を利用し、石英基板(直径50mm)にマスクを
かけ露光した後、エッチングして図1に示すような断面
形状に作製されている。
【0014】このようなバイナリーオプティックス1に
入射する光源としては平均出力100Wのレーザ加工用
のNd:YAGレーザが用いられる。実際にはレーザ発
振器から出射したレーザ光は細いので、図示されていな
いが、焦点距離の異なる2枚のレンズの組合せで構成さ
れるビーム拡大器で拡大され、平行光に変換された後、
本発明のバイナリーオプティックス1に入射するように
なっている。このレーザ光はビーム形状が円形をなし、
バイナリーオプティックス1に入射する前にビーム拡大
器で拡大されるものとする。
【0015】レーザビームは、バイナリーオプティック
ス1に刻まれたパターンにより、各位置でそれぞれの方
向に光の進行方向が変えられ、バイナリーオプティック
ス1から距離hだけ離れた位置Fでは、変換したい出射
光の形状及び強度分布のレーザビームスポットが得られ
る。
【0016】i)リングモードの場合:入射光は強度分
布が点対称であるリングモードとしてTEM01 *の分布
2として近似的に、
【0017】
【数4】I(r)=aexp(−b(r−c)2−dr2)
【0018】を仮定する。ここで、rは中心からの距
離、a、b、c,及びdは係数である。図2に於て、バ
イナリーオプティックス1上の点Pに入射した光線は回
折されて、図1に於けるバイナリーオプティックス1か
ら距離hだけ離れた位置(所望の図形を得る位置)Fに
到達し、その位置に於ける光軸Lに垂直な面内にあっ
て、図2に於ける点Qを光軸Lと平行に距離hだけ並進
した位置に到達したとする。その位置でビーム形状が所
望の図形であり強度分布が平均化され均一なビームプロ
フィールを得るように点Qを決めてやれば良い。光線が
点Qに到達するためには、バイナリーオプティックス1
上の点Pに於ける回折格子の配列方向を直線PQの方向
に一致させ、回折格子のピッチpを、
【0019】
【数5】p=λ√(1+h2/d2
【0020】とすれば良い。ここで、dは距離PQであ
る。バイナリーオプティックス1の基板の屈折率から制
限されるピッチpに対応して、hは一定距離以上に制限
される。本実施例ではhは200mmとした。
【0021】また、所望の図形を得る位置Fでビーム形
状が図形M1であり強度分布が平均化され均一なビーム
プロフィールを得るための点Pと点Qとの関係は次のよ
うに決められる。即ち、図2に於て、
【0022】1.レーザビームの光軸と垂直な面内に、
光軸を原点Oとする極座標を定義する。
【0023】2.レーザのモードと同じ対称性を持つ図
形として円を考え、レーザのビーム半径(通常は1/e
2強度半径)を半径とする円R1内の入射光を所望の図
形を得る位置Fで図形M1(r=f(θ))の形状で、
強度が一定uであるビームプロフィールBP1の出射光
に変換されるとすると、円R1内に於ける入射光強度の
積分値(底面が円R1、断面がC56101516の体
積に相当)と、所望の図形M1内に於ける出射光強度B
P1の積分値(底面が図形M1、断面がC381318
の体積に相当)とは等しい。
【0024】3.上記面内に、原点Oを中心として、点
Pを通る円R2を描く。
【0025】4.点Pを通る円R2内の光の強度の積分
値(底面が円R2、断面がC47101417の体積に
相当)を強度が平均化された変換したい出射光の強度u
で割った値と等しい面積を有し、所望の出射光の形状M
1を原点Oを中心とした極座標の動径を縮小または拡大
して得られるM1と相似な図形M2(r=kf(θ))
を描く。ここで、kは定数であり、上記した積分値と等
しい面積という条件から決定される。
【0026】5.点Pと中心Oとを結ぶ直線と極座標軸
OXとに挟まれる扇形OPA内の光の強度の積分値(底
面が扇形OPA、断面がC47101の体積に相当)
と、上記r=kf(θ)を満足する上記相似形M2の辺
上の点Qと中心Oとを結ぶ直線と極座標軸OXと前記相
似図形M2の辺とに挟まれる変換したい出射光の部分図
形OQB内の光の強度の積分値(底面が部分図形OQ
B、断面がC29111の体積に相当)が一致するよ
うに点Qを決める。
【0027】ii)TEMmnモードの場合:入射光は強
度分布がマトリクス状の斑点模様であるTEM22モード
を仮定する。図3に於て、バイナリーオプティックス上
の点Pに入射した光線は回折されて、図1に於けるバイ
ナリーオプティックス1から距離hだけ離れた位置(所
望の図形を得る位置)Fに到達し、その位置に於ける光
軸Lに垂直な面内にあって、図3に於ける点Qを光軸と
平行に距離hだけ並進した位置に到達したとする。その
位置でビーム形状が所望の図形であり強度分布が平均化
され均一なビームプロフィールを得るように点Qを決め
てやれば良い。光線が点Qに到達するためには、バイナ
リーオプティックス1の点Pに於ける回折格子の配列方
向を直線PQの方向に一致させ、回折格子のピッチp
を、
【0028】
【数6】p=λ√(1+h2/d2
【0029】とすれば良い。ここで、dは距離PQであ
る。バイナリーオプティックス1の基板の屈折率から制
限されるピッチpに対応して、hは一定距離以上に制限
される。本実施例ではhは200mmとした。
【0030】また、所望の図形を得る位置でビーム形状
が図形Mであり強度分布が平均化され均一なビームプロ
フィールを得るための点Pと点Qとの関係は次のように
決められる。即ち、図9(a)に於て、
【0031】1.レーザビームの光軸と垂直な面内に、
光軸を原点Oとする極座標を定義する。
【0032】2.レーザのモードと同じ対称性を持つ図
形として矩形を考え、レーザビームを包絡する矩形S1
内の入射光を所望の図形を得る位置Fで図形M1(r=
f(θ))の形状で、強度が一定uであるビームプロフ
ィールBP1の出射光に変換されるとすると、矩形S1
内に於ける入射光強度の積分値(底面が矩形S1、断面
がC’5C’6C’10C’15C’16の体積に相当)と、所
望の図形M1内に於ける出射光強度BP1の積分値(底
面が図形M1、断面がC381318の体積に相当)と
は等しい。
【0033】3.上記面内に、原点Oを中心として、点
Pを通る矩形S1を縮小した矩形S2を描く。
【0034】4.点Pを通る矩形S2内の光の強度の積
分値(底面が矩形S2、断面がC'4C'7C'10C'14C'
17の体積に相当)を、強度が平均化された変換したい出
射光の強度uで割った値と等しい面積を有し、所望の出
射光の原点Oを中心とした極座標の動径を縮小または拡
大して得られる形状M1と相似な図形M2(r=k’f
(θ))を描く。ここで、k’は定数であり、上記の、
積分値と等しい面積という条件から決定される。
【0035】5.点Pと中心Oとを結ぶ直線と極座標軸
OXと矩形S2とに囲まれる図形OPA内の光の強度の
積分値(底面が図形OPA、断面がC'4C'7C'10C'1
の体積に相当)と、式r=k’f(θ)を満足する上記
相似形M2の辺上の点Qと中心Oとを結ぶ直線と極座標
軸OXと前記相似図形M2の辺とに挟まれる変換したい
出射光の部分図形OQB内の光の強度の積分値(底面が
部分図形OQB、断面がC29111の体積に相当)
が一致するよう点Qを決める。
【0036】以下、点Pに入射した光線が点Qに到達す
るよう、バイナリーオプティックス1の点Pに於ける回
折格子の配列方向を直線PQの方向に一致させ、
【0037】
【数7】p=λ√(1+h2/d2
【0038】に従って、回折格子のピッチpを決めてや
れば良い。円R1または矩形S1内の任意の点について
同様に回折格子の配列方向とピッチを決めてやれば、円
R1または矩形S1内に入射したレーザ光を、所望の形
状で強度分布が平均化され均一なビームスポットに変換
できる。結局、円R1または矩形S1内に入射した強度
分布がガウス型のレーザ光は、形状が所望の図形で強度
分布が平均化され均一なビームスポットに変換される。
円R1または矩形S1外に入射したレーザ光線について
も強度分布が平均化された延長上に変換される。所望の
図形として矩形や三角形、星形、楕円形など各種の形状
にビームを変換することができる。
【0039】このように、バイナリーオプティックス1
の回折格子のピッチを、入射光線の強度分布とバイナリ
ーオプティックス1上の位置に応じて定めてやれば、所
望の図形が得られる位置Fに於て均一な強度分布のビー
ムプロフィールが得られる。また、このようなレーザ光
を用いて大面積表面処理加工ができる。
【0040】図4に本発明の2枚のバイナリーオプティ
ックスによる光路変換の模式図を示す。図4に於ける所
望の図形を得る位置Fに第2のバイナリーオプティック
ス2を配置するものであり、第2のバイナリーオプティ
ックス2に入射した光線はこれにより平行光に戻され
る。図2または図3に於て、第2のバイナリーオプティ
ックス2の点Qの位置には対応する第1のバイナリーオ
プティックス1の点Pの位置のピッチpと同じピッチで
あり回折格子の配列方向が直線QPの向きに一致する回
折格子を作っておけば、平行光に戻すことができる。こ
こで、第2のバイナリーオプティックス2の階段の傾き
は第1のバイナリーオプティックス1とは逆向きである
ことに注意する必要がある。こうして、図4に示される
ように、第2のバイナリーオプティックス2からの出射
光としてそのビームプロフィールの強度分布が均一でビ
ーム形状が任意のものが得られる。さらに、図5のよう
に平行光線を集束するレンズ3を組み合わせた光学系を
備えたレーザ加工装置により、焼き入れ加工やリペア加
工、マイクロエレクトロニクス分野に於ける穴開け、切
断加工ができる。本構成は各種形状のパターンの照射を
多数繰り返し行うのに適しており、通常の円形とは違っ
た異形の連続模様を板に与えるレーザダル加工やロール
ダル加工ができる。表面の微細模様が従来のものとは異
なるので、新鮮な感覚を与え付加価値を高めることがで
きる。
【0041】図5の出射光の位置には、図6に示すよう
に、別の形状の開口4を設け、ビームのエッジを鋭くす
ることもできる。これをレンズ5で絞って強度分布が均
一な別の形状を与えるビームスポットが得られる。これ
によりビームの中心部分の強度の高い部分のみを開口に
通していた従来法に比べて高効率の光結合を実現でき
る。
【0042】また、同じように、図5の出射光の位置
に、図7に示すように、マスク6を置いて、マスク6に
描かれた文字列などの複雑な模様を、強度分布が均一な
高効率のマーキングを対象物Aに施すこともできる。
【0043】図8に本発明の第2の実施形態に於けるバ
イナリーオプティックスによる光路変換の模式図を示
す。このバイナリーオプティックス11は、反射型をな
し、第1の実施形態と同様に半導体微細加工技術を利用
し、石英基板(直径50mm)にマスクをかけ露光した
後、エッチングして図8に示すような断面形状に作製さ
れ、その表面が鏡面加工されている。それ以外の構造は
レーザ光の入射方向が異なることを除いて第1の実施形
態と同様である。
【0044】
【発明の効果】かかる構造の回折格子からなるバイナリ
ーオプティックスは、1枚で強度が均一な所望のビーム
スポットを作ることを可能にする。また、集光光学系と
してかかる構成の集光光学系は、均一強度を保ったまま
微小スポットに絞り込むことを可能にする。さらに、レ
ーザ加工法としてかかる構成のレーザ装置は、加工プロ
セスを有利にすると共に効率の高い加工を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過型バイナリーオプティックスによ
る集光の様子を説明するための模式図。
【図2】回折格子の配列の向きを決めるための点Qを決
める方法の説明図であり、上部は入出射光のビーム形
状、下部は入出射光のビームプロィールを示す。
【図3】回折格子の配列の向きを決めるための点Qを決
める方法の説明図であり、上部は入出射光のビーム形
状、下部は入出射光のビームプロィールを示す。
【図4】本発明の2枚のバイナリーオプティックスを有
する集光光学系によりレーザビームを集光し所望の形状
で強度分布が均一な平行光として取り出す様子を説明す
るための模式図。
【図5】図2で取り出した平行光をレンズで集束し均一
強度分布を保ったまま所望図形の微小スポットを得る様
を示す模式図。
【図6】図5のビーム出射位置に更に開口を組み合わせ
た様を示す模式図。
【図7】図5のビーム出射位置に更にマスクを組み合わ
せた様を示す模式図。
【図8】本発明の反射型バイナリーオプティックスによ
る集光の様子を説明するための模式図。
【図9】(a)は従来のバイナリーオプティックスの平
面図、(b)はその断面と回折の様子を示す模式図。
【符号の説明】
1、2 バイナリーオプティックス 3 集光レンズ 4 開口 5 集光レンズ 6 マスク 11 バイナリーオプティックス 21 バイナリーオプティックス A マーキング対象物 F 所望の図形を得る位置 L 光軸 M、M1 所望の形状 M2 所望の形状と相似な図形 O 中心 R1 ビーム半径を半径とする円 R2 点Pを通る円 S1 高次モードのレーザビームを包絡する矩形 S2 点Pを通る矩形 BP1 所望の図形のビームプロフィール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高次モードのレーザビームを、強度が平
    均化された所望の形状のビームに変換するべく前記ビー
    ムの光軸を中心として該光軸に直交する面に形成された
    回折格子よりなるバイナリーオプティックスに於て、 当該バイナリーオプティックス上の或る点Pの位置に於
    ける回折格子の配列方向は、前記点対称の入射光の半径
    方向の強度分布と、変換したい出射光の形状とから当該
    バイナリーオプティックス上に求められる点Qと前記点
    Pとを結ぶ方向であり、 前記点Qは、当該バイナリーオプティックス上に光軸を
    原点Oとする極座標を定義して前記面内に原点Oを中心
    として、前記点Pを通り、かつレーザのモードの対称性
    と同じ対称性を有する図形を描き、更に前記点Pを通る
    該図形内の光の強度の積分値を平均化した強度で割った
    値と等しい面積を有し、かつ前記所望の出射光の形状
    を、前記原点Oを中心として縮小または拡大して得られ
    る相似図形を描き、前記点Pと前記中心Oとを結ぶ直線
    と、座標軸と、前記図形とに囲まれる部分図形内の光の
    強度の積分値と、前記相似図形の辺上の点Qと前記中心
    Oとを結ぶ直線と座標軸と、前記相似図形とに囲まれる
    部分図形内の光の強度の積分値とが一致するように決め
    られており、 当該バイナリーオプティックスの前記回折格子のピッチ
    pが、直線PQの長さをd、光の波長λ、当該バイナリ
    ーオプティックスから所望の図形を得る位置までの距離
    hとして、 【数1】p=λ√(1+h2/d2) として表されることを特徴とするバイナリーオプティッ
    クス。
  2. 【請求項2】 反射型をなすことを特徴とする請求項1
    に記載のバイナリーオプティックス。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のバイナ
    リーオプティックスを第1のバイナリーオプティックス
    とし、 所望の図形を得るの位置に、前記点Qに於ける回折格子
    の配列方向が前記点Pと前記点Qとを結ぶ方向であり、
    かつ回折格子のピッチが前記第1のバイナリーオプティ
    ックスの点Pに於ける回折格子のピッチに等しい第2の
    バイナリーオプティックスを配置したことを特徴とする
    高次モードのレーザビームを強度が平均化された所望の
    形状の平行ビームに変換するための集光光学系。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のバイナ
    リーオプティックス、または請求項3に記載の集光光学
    系を集光光学系として備えたことを特徴とするレーザ加
    工装置。
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