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JPH0955402A - 半導体素子用キャリアテープ - Google Patents

半導体素子用キャリアテープ

Info

Publication number
JPH0955402A
JPH0955402A JP22608895A JP22608895A JPH0955402A JP H0955402 A JPH0955402 A JP H0955402A JP 22608895 A JP22608895 A JP 22608895A JP 22608895 A JP22608895 A JP 22608895A JP H0955402 A JPH0955402 A JP H0955402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pocket
carrier tape
pedestal
semiconductor element
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP22608895A
Other languages
English (en)
Inventor
Rikiya Yamashita
力也 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP22608895A priority Critical patent/JPH0955402A/ja
Publication of JPH0955402A publication Critical patent/JPH0955402A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属リード部とプラスチック成形品よりなる
半導体素子を収納し、搬送供給するキャリアテープにお
いて、送り孔のピッチが安定し、ポケット部の強度があ
り、搬送時の衝撃によっても半導体素子を安定して固定
し、充分な帯電防止機能をもち、カバーテープを剥離す
るときにも剥離帯電がなく、半導体素子を安定して装着
できるキャリアテープの提供を目的とする。 【解決手段】 搬送用送り孔21と、開口部22を設け
た帯状基材2に、別加工で作成したポケット1を接着し
たプラスチック帯状成型品10にあって、該ポケット1
に設けた台座3に載置する半導体素子6の金属リード部
61が該ポケット1とは接触しないように台座3とポケ
ット部の側壁との間に、半導体素子6の移動を制限する
移動制御凸状部4を形成し、そして、その表面抵抗率
が、1012Ω/□より大きくないように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家電製品、電子機器
に、装着する半導体素子を、収納、供給する半導体素子
用キャリアテープに関し輸送、供給そして装着時におけ
る半導体素子の機械的破壊と静電気による破損を防止す
るキャリアテープに属する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属リード
部とプラスチック成形品よりなる半導体素子を収納し、
搬送するキャリアテープにおいて、該半導体素子を載置
する台座あるいは台座の上部周辺部の加工寸法精度がよ
く、その部分に所望の厚さをもち、保形性があり、衝撃
によっても半導体素子を安定して供給できるばかりでな
く、また、台座孔や送り孔を安定した大きさ、ピッチで
成形し充分な帯電防止機能をもち、更にポケットと送り
孔との位置精度がよく、カバーテープをヒートシールす
る部分などのプラスチックシート表面に凹凸がなく安定
した条件でヒートシールでき、シール強度も安定した巻
取りができ、そしてカバーテープを剥離するときにも剥
離帯電がなく、キャリアテープに充填した半導体素子を
安定して装着できる半導体素子用キャリアテープの提供
を目的ととするものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明の半導体素子用キャリアテープにおいて
は、金属リード部とプラスチック成形部分よりなる半導
体素子を収納するための部品用ポケットと、少なくとも
片側に搬送用送り孔とを等間隔に設けたプラスチック帯
状成形品に、該ポケットを覆いヒートシールするヒート
シーラント層をもつカバーテープからなる半導体素子用
キャリアテープにおいて、該部品用ポケット部の半導体
素子と接触する近傍の表面抵抗率又は体積抵抗率が、2
3℃、相対湿度90%の条件で1012Ω/□より大きく
なく、かつ、該ポケットには半導体素子金属リード部分
がポケット部の底面及び側壁と接触しないように半導体
素子を支える台座と台座及びポケット部の側壁との間に
金属リード部と接触せず半導体素子の移動を制限する移
動制御凸状部を形成しており、前記カバーテープのシー
ラント層表面は表面抵抗率が23℃90%RH環境下に
おいて1012Ω/□より大きくない半導体素子用キャリ
アテープである。また、該移動制御凸状部は、棒状又は
板状に設けられたものである半導体素子用キャリアテー
プである。また、上記台座の台座中央部近傍が、半導体
素子部分との接触面積を少なくするように凹状の空気溜
を設けられた半導体用キャリアテープである。そして、
プラスチック帯状成形品の基材が、厚さ0.1〜0.8
mmのプラスチックシートであり、該基材に設ける搬送
用送り孔と同一工程で成形された部品用ポケット用開口
部に射出成形で部品用ポケットを形成される半導体素子
用キャリアテープである。また、部品用ポケット用開口
部及び搬送用送り孔とを等間隔に設けた厚さ0.1〜
0.8mmの帯状基材のポケット用開口部に射出成形法
による部品用ポケットを設けられたキャリアテープで
る。そして、上記プラスチック帯状成形品の基材が、熱
可塑性樹脂と酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛に導電
処理を施した粒径0.01〜1μmの導電性微粉末又は
導電性カーボン及び界面活性剤からなり、該導電性微粉
末、導電性カーボン、界面活性剤が、熱可塑性樹脂10
0部に対し1〜300重量%含む半導体素子用キャリア
テープである。また、上記プラスチック帯状成形品の基
材が、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛に導電処理を
施した粒径0.01〜1μmの導電性微粉末又は導電性
カーボン及び界面活性剤を樹脂ワニスに分散調整した導
電性塗布剤を少なくとも一方の側に塗布して設けられた
半導体素子用キャリアテープである。そして、上記プラ
スチック帯状成形品の基材が、2層以上の積層物であ
り、少なくともその半導体素子と接触する内面層の体積
抵抗率が、1012Ω・cmを超えない半導体素子用キャ
リアテープである。また、上記部品用ポケットが、熱可
塑性樹脂と酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛等の金属
酸化物に導電処理を施した粒径0.01〜1μmの導電
性微粉末又は導電性カーボン、界面活性剤からなり、該
導電性微粉末、導電性カーボン、界面活性剤が熱可塑性
樹脂100部に対し1〜300重量%含み、ポケットの
表面抵抗率が1012Ω/□を超えない射出成形品である
半導体素子用キャリアテープである。そして、上記部品
用ポケットの少なくとも片面が、酸化錫、酸化インジウ
ム、酸化亜鉛の金属酸化物に導電処理を施した粒径0.
01〜1μmの導電性微粉末又は導電性カーボン及び界
面活性剤を樹脂ワニスに分散調整した導電性塗布剤を少
なくとも一方の側に設けられた半導体素子用キャリアテ
ープである。
【0004】
【従来の技術】従来の半導体素子用キャリアテープは、
プラスチックシートを熱成形法(加圧成形法、真空成形
法あるいは圧空成形法)により部品収納用ポケット、台
座、台座周辺の凸部や搬送用送り孔を設け、長尺巻取り
状態にて使用されている。
【0005】IC、あるいはLSI用のキャリアテープ
の場合は、移送するとき半導体素子とキャリアテープと
の摩擦あるいは接触により発生する静電気で回路が短絡
したり、ポケット側壁との接触により金属リード部の機
械的破損を防ぐために、ポケットと半導体素子の底部と
の接触を防止するために、台座あるいはリブ状のものを
設けて半導体素子を固定するように構成されていた。
【0006】キャリアテープの成形は、熱成形による方
法、すなわちシートを加熱した後、金型内で部品用ポケ
ットを加圧成形法、真空成形法あるいは圧空成形法で行
われていた。また、台座孔、送り孔の加工は、シートの
加熱前、金型内で部品用ポケット(以下単にポケットと
記載する)との同時加工、ポケット加工後などのいずれ
かの方法で形成されていた。または、射出成形法により
台座をもつキャリアテープを製造することも検討されて
はいる。
【0007】しかしながら、シートの熱成形によるキャ
リアテープは、延伸率が大きいためシートの賦型性に限
界があり、ポケットの側壁、台座あるいは台座の上部周
辺部の成形で孔があいたり、ポケットの台座あるいは台
座の上部周辺部の加工寸法精度が劣ったり、その部分の
厚さが薄くなることがある。したがって、保形性が劣り
衝撃によって変形や破損を起こしやすく部品を所定の位
置に保持することが困難であるという問題点があった。
【0008】台座孔や送り孔をシートに設けた後、ポケ
ットを熱成形する加工は、加熱によるシートの収縮、膨
張による孔径のバラツキ、孔と孔とのピッチのバラツ
キ、送り孔とポケットの寸法変化を発生し易く、そのよ
うなキャリアテープで電子部品に半導体素子を装着する
ときは、送りの位置精度、タイミングがずれて安定搬送
ができないという問題点があった。
【0009】加熱シートの金型内での加工は、成形品が
小さい場合、ポケットと孔の距離が短くなり、機械加工
法で金型を製作する場合、緻密な加工精度、硬度が高い
金型材料が必要になり金型コストが上昇するという問題
点があった。
【0010】ポケットを形成した後の孔あけは、送り孔
とポケットの位置を決めることが難しく、孔の位置が変
動し易く、位置精度が安定しないため、そのようなキャ
リアテープに半導体素子を組み込んで部品を装着すると
きは、送りの位置精度タイミングがずれて安定搬送がで
きず基板の実装で、半導体素子の位置がずれて装着され
るという問題点があった。
【0011】加熱シートを金型内に送り成形する加熱成
形は、サイクル間で金型の型締め跡がキャリアテープの
表面に凹凸模様を形成されることがある。この凹凸模様
にカバーテープがヒートシールされる場合、ヒートシー
ル圧力の違いからシール強度が異なり、剥離強度ムラを
生じ、著しいときは、剥離するとき充填してある部品が
飛び出したりするという問題点があった。
【0012】半導体素子は電気回路を樹脂で包埋した構
造であり、半導体素子とキャリアテープであるプラスチ
ックとが接触し摩擦したときは、静電気を発生し、その
静電気により電気回路が短絡して破損するという問題点
があったり、あるいは、カバーテープを剥離するときに
発生する静電気(剥離帯電)により電気回路が短絡して
破損したりするという問題点があった。
【0013】射出成形法によるキャリアテープの製造
は、射出成形用樹脂の特性や、金型の構造から厚さが
0.1mm以下のものの成形が困難である。また、射出
成形用樹脂の特性から射出成形法で製造したプラスチッ
ク帯状成形品に半導体素子を充填して、カバーテープで
ヒートシールしたものは、ポケット間の屈曲性が劣り、
巻取り状にした場合には折れ易いため装着に使用できる
巻取り化ができないという問題点があった。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の半導体素子用キャリアテ
ープは、図1(B)に示す送り孔21、ポケット用開口
部22を設けた帯状基材2と、射出成形で作成したポケ
ット1とを接着部16で一体に接合したプラスチック帯
状成形品10よりなる図1(C)に示すキャリアテープ
である。そして、該ポケットには、図1(A)の断面図
に示すように台座3、台座3とポケット1の側壁37と
の間の底部33より立ち上がる移動制御凸状部4を設け
たものである。半導体素子6の金属リード部61は、ポ
ケットの凹部12の底部33及び側壁37と接触しない
ように台座3に載置して、移動制御凸状部4で所定位置
に遊嵌してカバーテープ7で密封するキャリアテープで
ある。(なお、本明細書で記載する遊嵌とは、半導体素
子6が台座3と側壁37との間に設けられる移動制御凸
状部4で移動範囲を規制されて、多少動くことができる
程度に隙間をもたせた状態のことである。) そして、前記ポケット及びカバーテープシーラント層表
面の表面抵抗率が23℃90%RH環境下において10
12Ω/□より大きくない半導体素子用キャリアテープで
ある。
【0015】また、該移動制御凸状部4は、棒状又は板
状に設けられたものである半導体素子用キャリアテープ
である。
【0016】また、上記台座の台座中央部近傍が、半導
体素子部分との接触面積を少なくするように凹状の空気
溜を設けられた半導体用キャリアテープである。
【0017】そして、プラスチック帯状成形品の基材
が、厚さ0.1〜0.8mmのプラスチックシートであ
り、該基材に設ける搬送用送り孔と同一工程で成形され
た部品用ポケット用開口部に射出成形で部品用ポケット
を形成される半導体素子用キャリアテープである。
【0018】本発明のキャリアテープは、図1に示すよ
うに半導体素子6を帯状基材2にポケット1を設けた帯
状成形品10の台座3に、半導体素子6の金属リード部
61をポケット1に宙づり状態に収納し、移動制御凸状
部4で所定位置に遊嵌させてカバーテープ7で密封する
ものである。
【0019】帯状基材2は、製膜適性、孔加工性、ポケ
ット1の成形樹脂、カバーテープ7との接着性を勘案し
て選択されるものである。具体的にはポリプロピレン、
ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステ
ル共重合体、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重
合体ケン化物、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン、ABS樹脂などや、これら
の混合物が用いられる。そして、必要に応じて、粘着付
与剤、ワックス、無機、有機の充填剤、滑剤などを添加
することができる。
【0020】帯状基材の厚さは、材質にもよるが0.1
〜0.8mm好ましくは、0.1〜0.6mmの延伸あ
るいは未延伸のシートである。0.1mm以下の厚さで
は、キャリアテープの剛性が弱く、張力をかけ、高速で
搬送したときに切断したり、半導体素子を充填したとき
半導体素子の荷重で撓んだりして搬送適性に欠けること
があり、また0.8mm以上になると剛性が強過ぎて可
撓性を失い、長尺の巻取り化ができなくなる。また、シ
ートの巾は、キャリアテープの巾により決定されるが、
300mm巾程度の多列でポケット用の開口部を設けて
ポケット1を付加形成した後、所望の列にスリッターを
行う。
【0021】帯状基材の帯電処理は、帯電防止剤を基材
樹脂に練り込んだり、成膜シートの表面あるいは射出成
形したポケットの表面に塗布により行うことができる。
【0022】帯電防止剤としては次のものが挙げられ
る。 ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネ
ストブラックなどの粒子径0.02〜0.15μm、表
面積40m2 /g以上の導電性カーボン。 酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛などの金属酸化
物、金属硫化物、硫酸塩にドーピングなどの導電処理を
施した一次粒子系0.01〜1μmの導電性微粉末。 銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、金などの粒子径
0.01〜10μmの繊維状又は粉末状の金属を主体と
する導電性微粉末。 アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性イオン系
の界面活性剤。 脂肪酸誘導体、4官能性珪素部分加水分解物、ビス−
アンモニウム系有機半導体。 上記帯電防止剤のなかから、金属酸化物、界面活性剤、
あるいは導電性カーボンが、静電気除去特性、半導体素
子に対する非汚染性の点から好ましいものである。
【0023】帯電防止剤による処理は、製膜工程で樹脂
に混入する練り込み方式、あるいは製膜されたシートに
塗布することで行われる。
【0024】練り込み方式は、樹脂100重量部に対
し、帯電防止剤を1〜300重量%の添加、特に5〜5
0重量%添加することが好ましい。帯電防止剤が1重量
%未満である場合その表面抵抗率が、23℃、相対湿度
90%で1013Ω/□以上(以下、表面抵抗率の測定は
23℃、相対湿度90%で行った数値を記載する)、2
3℃、相対湿度15%における5000Vから500V
に減衰するまでの減衰時間(電荷減衰時間)が、5秒以
上であり(以下電荷減衰時間の測定は上記の条件で行っ
た数値を記載する)、静電気の除去効果が充分ではな
く、半導体素子とポケットとの接触などで発生した静電
気や、カバーテープを剥離したときの静電気により電子
部品の回路が、短絡、破損することがある。また、帯電
防止剤が300重量%を超える場合、製膜時の溶融粘度
が上昇して流動性が低下するのみならず、製膜した場合
も脆くなり必要な強度を保つことができない。
【0025】塗布方式に用いる帯電防止用塗布液は、バ
インダーとして合成樹脂を主として、溶解あるいは分散
したワニスに、帯電防止剤を分散して作成する。
【0026】帯電防止用塗布液のバインダーは、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリスチレン、塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、メチルセル
ロース、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂ワニス、ポリカ
ーボネートなどや、これらの変性物、混合したものある
いは、熱硬化、又は電離放射線硬化型樹脂であるアクリ
レート、シリコーンを使用することもできる。そして、
バインダーを、溶解あるいは分散する溶剤は、通常のエ
ステル、炭化水素、ケトン、アルコールなどの有機溶剤
のみならず、水を用いた溶液又は分散体として使用され
る。
【0027】帯電防止用塗布液のバインダー100重量
部に対する帯電防止剤の添加量は、1〜300重量%、
特に5〜150重量%添加することが好ましい。帯電防
止剤が1重量%未満である場合、表面抵抗率が1013Ω
/□以上、また、電荷減衰時間が5秒以上であり、静電
気の除去効果が充分ではなく、電子部品の回路が、短
絡、破損することがある。また、帯電防止剤が100重
量%を超える場合、塗布膜の接着、強度が低下し、塗布
膜の脱落することがある。
【0028】帯電防止剤の塗布厚さは、表面抵抗率が1
12Ω以下/□以下となるように適宜設定できるもので
あるが、コスト、塗布機より限定されるもので、0.1
〜100μm、好ましくは1〜50μmである。また、
塗布膜の基材に対する接着が充分でない場合は、基材の
塗布面にウレタン系、イソシアネート系、ポリエチレン
イミン系などのワニスをプライマーとして使用すること
もできる。
【0029】上記の帯状基材は、単層又は2層以上の多
層積層物で構成することができる。多層化は、コスト、
基材の機械的特性(伸び、剛性、屈曲性、引っ張り強
度、引裂き強度など)、熱的特性(耐熱性、耐寒性、軟
化温度など)、環境的特性(耐薬品性、耐溶剤性、耐水
性、耐放射線性、耐光性、廃棄性など)、ガス透過特性
(酸素バリアー性、水蒸気透過性、無機あるいは有機ガ
スバリアー性など)、吸水特性などを考慮して構成を選
択することができる。
【0030】多層積層物を構成する材料は、熱可塑性樹
脂であるポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース誘導体、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸
共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ア
イオノマー、ポリビニールアルコール、エチレン・酢酸
ビニル共重合体ケン化物、アクリル系樹脂、シリコーン
樹脂、ポリカーボネートのみならず、不飽和ポリエステ
ル、熱硬化性樹脂、又は電離放射線硬化型樹脂であるア
クリレート、シリコーンの他にセロファンなどのフィル
ムを使用することもできる。
【0031】多層積層物は、上記の材料による単層シー
トの積層、又は塗布して得られるものである。そして、
シートの少なくともいずれか1層あるいは、塗布膜に帯
電防止剤を含ませた層を1層組み合わせて構成すること
ができる。
【0032】多層積層物に含む導電性をもつ層の表面抵
抗率は、電荷減衰時間が5秒以下であることが好まし
い。表面抵抗率が1012Ω/□、電荷減衰時間が5秒を
超える場合は、静電気の除去効果が充分ではなく、電子
部品の回路が、短絡、破損することがある。
【0033】多層積層物を構成する単位層の厚さは、
0.1〜600μmが好ましく、0.1μm以下では構
成した層の特性を得ることができず、600μm以上の
場合は、プラスチック帯状基材の可撓性を損ない巻取り
とすることが困難となる。
【0034】プラスチック帯状基材は、公知の方法で製
膜することができる。例えば、Tダイス法、サーキュラ
ダイス法、溶剤溶融流延法、カレンダー法などの延伸又
は未延伸で製膜を行う。
【0035】多層積層物よりなるプラスチック帯状基材
は、2層以上のフィルム又はシートの、熱ラミネーショ
ン、ホットメルト接着剤や、イソシアネート系接着剤に
よるドライラミネーション法、あるいは、イソシアネー
ト系、イミン系プライマー層に熱可塑性樹脂をTダイ法
により溶融押出しコーティング法、共押出し製膜法など
通常の方法で得ることができる。
【0036】多層積層物の塗布による製膜法は、グラビ
ア版、又は斜線版などによるダイレクトあるいはリバー
スコーティング、ロールコーティング、コンマーコーテ
ィング、エアナイフコーティングなどの他にシルク印刷
法、転写印刷法、ドライオフセット印刷法、パッド印刷
方法などの公知の塗布、印刷方法を用いることができ
る。
【0037】射出成形法により形成するポケットは、帯
状基材の構成要素であるプラスチックと熱融着する材料
から、コスト、成形性、機械的特性を考慮して選択する
ことが好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ABS樹脂、ポリウレタン、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル
共重合体、アイオノマー、ポリビニールアルコール、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物などが用いられ
る。そして、必要に応じて、粘着付与剤、ワックス、無
機、有機の充填剤、滑剤などを添加することができる。
【0038】射出成形によるポケットと、プラスチック
帯状基材とを嵌合により固定する場合は、熱溶着できる
材料以外からも自由に選択することができる。
【0039】ポケットの厚さは、充填する半導体素子の
形状、重量によって決定されるものであり必要以上の厚
さは避けるべきであり、最大で3mmである。
【0040】射出成形法に用いる樹脂の帯電処理は、帯
電防止剤の練り込みや、成型品の表面に塗布により行う
ことができる。練り込みに使用される帯電防止剤は、プ
ラスチック帯状基材と同様なものを使用することができ
次のものが挙げられる。 ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネ
ストブラックなどの粒子径0.02〜0.15μm、表
面積40m2 /g以上の導電性カーボン。 酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛などの金属酸化
物、金属硫化物、硫酸塩にドーピングなどの導電処理を
施した一次粒子系0.01〜1μmの導電性微粉末。 銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、金などの粒子径
0.01〜10μmの繊維状又は粉末状の金属を主体と
する導電性微粉末。 アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性イオン系
の界面活性剤。 脂肪酸誘導体、4官能性珪素部分加水分解物、ビスー
アンモニウム系有機半導体。 上記帯電防止剤のなかから、金属酸化物、界面活性剤、
あるいは導電性カーボンが、静電気除去特性、半導体素
子に対する非汚染性の点から好ましいものである。
【0041】帯電防止剤による処理は、射出成形工程で
混入する練り込み方式、あるいは製膜されたシートに塗
布することで行われる。練り込み方式は、樹脂100重
量部に対し、帯電防止剤を1〜300重量%の添加、特
に5〜50重量%添加することが好ましい。帯電防止剤
が1重量%未満である場合、表面抵抗率が1013Ω/□
以上、減衰時間(電荷減衰時間)が5秒以上であり、静
電気の除去効果が充分ではなく、半導体素子とポケット
との接触、あるいはカバーテープを剥離するときに発生
する静電気で電子部品の回路が、短絡、破損することが
ある。また、帯電防止剤が300重量%を超える場合、
射出成形時の溶融粘度が上昇して流動性が低下するのみ
ならず、射出成形物も脆くなり必要な強度を保つことが
できない。
【0042】ポケットの帯電防止用塗布液は、バインダ
ーとして合成樹脂を主として、溶剤に溶解あるいは分散
したワニスに、帯電防止剤を加えて作成する。
【0043】バインダーは、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、
セルロース誘導体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ア
クリル系樹脂、シリコーン樹脂ワニス、ポリカーボネー
トなどや、これらの変性物、混合したものあるいは、熱
硬化、又は電離放射線硬化型樹脂であるアクリレート、
シリコーンを使用することもできる。
【0044】上記 バインダーを、溶解あるいは分散す
る溶剤は、通常のエステル、炭化水素、ケトン、アルコ
ールなどの有機溶剤のみならず、水を用いた溶液又は分
散体として使用される。
【0045】帯電防止用塗布液のバインダー100重量
部に対する帯電防止剤の添加量は、1〜300重量%、
特に5〜50重量%添加することが好ましい。帯電防止
剤が1重量%未満である場合、表面抵抗率が1013Ω/
□以上、電荷減衰時間が5秒以上であり、静電気の除去
効果が充分ではなく、電子部品の回路が、短絡、破損す
ることがある。また、帯電防止剤が300重量%を超え
る場合、塗布膜の接着、強度が低下し、塗布膜の脱落す
ることがある。
【0046】帯電防止塗布膜の厚さは、表面抵抗率が1
12Ω以下/□以下となるように適宜設定できるもので
あるが、コスト、塗布機からも限定されるもので、0.
1〜100μm、好ましくは2〜50μmである。
【0047】帯電防止塗布液は、スプレー塗装などの他
にシルク印刷法、転写印刷法、ドライオフセット印刷
法、パッド印刷方法などの公知の塗布、成形品の場合は
印刷方法が有効である。
【0048】帯状基材2に射出成形で形成するポケット
1の接着方法は公知の方法により適宜選定できる。好ま
しくは、予め射出成形法で形成したポケットを、帯状基
材に設けたポケット用開口部の接着部に、超音波接着
法、高周波接着法、ヒートシール法などの接着法や、接
着剤、溶剤による化学的接着法、嵌合などの物理的接着
法を用いて固定する。あるいは、予めポケット用開口部
を設けた帯状記事基材を射出成形用金型に装着し、ポケ
ットを形成すると同時に接着部で溶融接着する方法が用
いられる。
【0049】本発明の、帯状成型品に使用するカバーテ
ープは、従来より使用されている、基材シートに、帯状
基材ヘの接着シール層として、感熱シール接着剤層、粘
着シール型接着剤層、電離放射線硬化型シール接着剤
層、マイクロカプセル型シール接着剤層を設けたものが
使用できる。特に好ましい接着剤層は、感熱接着剤より
なるヒートシーラント層である。
【0050】カバーテープの基本的層構成は次のような
ものが例示される。 基材シート/接着剤層/中間層/ヒートシーラント層 基材シート/接着剤層/中間層/接着剤層/二軸延伸
フィルム層/ヒートシーラント層 基材シート/ヒートシーラント層 基材シートは、二軸延伸フィルムである、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ナイロンなどの一軸延伸フィル
ム、二軸延伸フィルム、未延伸フィルム、合成紙を使用
することができる。
【0051】中間層は、ポリオレフィン、ポリスチレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリ
ル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合
体、アイオノマー、ポリエステル及びこれらの変性物又
は混合物がある。
【0052】ヒートシーラント層は、ポリウレタン、ポ
リエステル、アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共
重合体、アイオノマー、シリコーンなどから適宜に選択
できる。
【0053】そして、カバーテープに帯電防止性をもた
せるために、構成する層のうち少なくとも一層に、前記
のプラスチック帯状基材と同様の帯電防止剤を加える。
例えば、ヒートシーラント層の表面に、界面活性剤、ビ
スアンモニウム系有機半導体層を形成することもでき
る。
【0054】カバーテープの剥離形態には、次のような
ものがあるが、望ましくは、層間剥離をして、その剥離
強度が100〜1000g/15mm巾で、剥離時の最
大値と最小値との差が100g/15mm巾未満にする
ことが望ましい。 ヒートシーラント層と、プラスチック帯状基材との間
で剥離する界面剥離型。 ヒートシーラント層内部で破壊剥離する凝集破壊型。 ヒートシーラント層と、中間層あるいは二軸延伸フィ
ルム層との間で剥離する層間剥離型。
【0055】以上のうように、本発明の半導体素子用キ
ャリアテープは、常温のプラスチックシートに同一工程
で、送り孔及びポケット用開口部を形成したプラスチッ
クシートの帯状基材に、同成形品と熱溶融接着できる射
出成形樹脂を用いて、ポケットを設けて形成するもので
ある。したがって、形状安定性のあるポケットと、寸法
安定性がある帯状基材シートとの可撓性とを兼ね備えた
キャリアテープであり、巻取りにすることができる。
【0056】すなわち、ポケットは射出成形品であるた
め、ポケット側壁、ポケット凹部、台座、移動制御凸状
部の寸法精度、厚み精度が安定したものである。そして
衝撃による台座、移動制御凸状部及びポケット側壁の変
形、曲がりをなくすることができる。また、ポケットの
台座と側壁との間に設ける移動制御凸状部は、台座に収
容する半導体素子を、安定して、移送中にも移動するこ
と遊嵌でき、摩擦による静電気の発生や、破損を防止す
るものである。
【0057】常温加工したキャリアテープと、カバーテ
ープとのヒートシールは、表面に凹凸模様がなく剥離強
度を安定させる効果を奏する。
【0058】キャリアテープは、導電性微粉末の練り込
みのみならず、塗布することによりできる生産性のよい
ものである。
【0059】本発明の半導体素子用キャリアテープの製
造方法について、図面を参照にして説明する。
【0060】図1(B)に示す送り孔21及びポケット
用開口部22は、プラスチックシートにプレス金型によ
るパンチングによる方法や、トムソン刃又はカッター
刃、レーザー加工などにより巻取り状で行う。次いで、
巻取りの供給及び巻上げユニットを設けた公知の射出成
形機の供給ユニットに、送り孔21と、ポケット用開口
部22を設けたプラスチックの帯状基材2を射出成形機
に挿入し、送り孔21あるいは/及びポケット用開口部
22で位置決めを行い、キヤビティに溶融樹脂を射出注
入してプラスチック帯状基材2に、ポケット1を成形し
て図1(A)、(C)及び(D)に示すように帯状基材
2の開口部22の端部とポケットの上部で、帯状基材と
ポケットの接着部16で融着して帯状成形品10構成す
る。このとき、成形用の樹脂が帯状基材2のカバーシー
トとのヒートシール面に付着しないように留意する。
【0061】そして、所望の列に帯状成形品10をスリ
ッターをして巻上げて、帯状成型品10の巻取りを作成
する。また、帯状基材2に、キャビティとコアから構成
させるプレス金型により、送り孔21及びポケット用開
口部22を設け、その工程と連続して、射出成形を行い
帯状成型品10を作成することもできる。
【0062】射出成形法で形成するポケット1は、図2
に示すように、半導体素子6を載置する台座3、金属リ
ード部61をポケット1の凹部12に宙づり状態にて収
容できるものである。そして、金属リード部61の曲が
り、折れ、欠けを防止するため台座3とポケット側壁と
の間に板状、又は棒状の移動制御凸状部4を形成する。
【0063】ポケット1の凹部12は、半導体素子の金
属リード部61がポケット側壁37及び台座3と接触し
ない空隔をもつものである。そして台座3とポケット側
壁37に位置する凹部12に設ける図2(B)〜(E)
に示す周縁部板状移動制御凸状部41、コーナー部板状
移動制御凸状部42、辺部板状移動制御凸状部43及び
周縁部棒状移動制御凸状部44は、半導体素子の底部を
図3(A)、(B)に示す素子の収納位置を1ケの移動
制御凸状部で規制する収納遊嵌位置63、又は素子の収
納位置を2ケの移動制御凸状部で規制する収納遊嵌位置
64により規制して、金属リード部61と側壁37とは
接触させないものである。
【0064】図5に示すように半導体素子6を台座3に
載置し、金属リード部61と、移動制御凸状部4の先端
46までの突起高さAは、0.01〜5.0mm、好ま
しくは0.1〜2.0mmに構成することが望ましい。
この突起高さAが、0.01mm未満の場合は、台座3
に半導体素子6を収納する場合、半導体の素子が、図3
に示す遊嵌位置63又は64からずれて斜め方向に収納
されたり、また5mmより大きい場合は、移動制御凸状
部が半導体素子6を遊嵌位置に制御する効果が低下し
て、ポケット側壁37に、半導体素子の金属リード部6
1が接触することにより欠損を生ずることもある。
【0065】図5に示す、棒状又は板状の移動制御凸状
部の先端46とポケット側壁37との間隙距離Bは、半
導体素子の金属リード部61の寸法に併せて設定するも
のである。側壁37と金属リード部61の先端よりの距
離は0.5〜20mm、好ましくは2〜10mmであ
る。
【0066】図5に示す、移動制御凸状部4の断面形状
は特に規定はしないが、移動制御凸状部の先端46の曲
率半径Rが、0.1〜8.0mm、好ましくは0.5〜
3mmとすることが好ましく、先端のエッジ部がなくな
り誤って金属リード部61と移動制御凸状部とが接触し
た場合でも欠損を生じ難くなる。また、移動制御凸状部
の厚さDは、0.1〜8mm程度が好ましい。移動制御
凸状部の厚さDが、0.1mm未満では、移動制御凸状
部の剛性が不足し、衝撃や圧力により変形し、金属リー
ド部61を破損することがあり、また8mmを超えると
使用材料が多くなり、ポケットのサイズ、自重が大きく
なり、材料価格にはねかえるばかりではなくキャリアテ
ープを巻取るときプラスチック帯状基材が屈曲して巻取
り化が困難となる。
【0067】移動制御凸状部の立上がり部45は適宜に
選定できるが、耐衝撃性、耐圧性、耐熱性、耐屈曲性、
引っ張り強度を保持するためにも図6(A)、(B)に
示す底部開放型凸状部4A、又は台座開放型凸状部4B
より、(C)、(D)に示す底部密閉型凸状部4C、又
は台座密閉型凸状部4Dが好ましい。
【0068】半導体素子をポケット台座に収納する際、
図2に示すように半導体素子の台座3との接触部が、平
面状である場合、その接触部分で薄膜の空気層を発生し
易く、その空気層の圧変動により、半導体素子を飛び跳
ねさせたり、傾斜、回転などの移動により、金属リード
部61が側壁37、底部33あるいは台座3と接触して
欠損することがある。
【0069】また、半導体素子を搬送中に発生する静電
気電荷量は、仕事関数(接触回数、摩擦回数、圧力、接
触面積など)に比例するものである。したがって、摩擦
回数、接触回数及び接触圧力が同じであるならば、半導
体素子と台座との接触面積が大きい場合に、静電気の発
生量が大きくなり、ゴミの侵入及び金属リード部へのゴ
ミの付着による半導体素子の機能妨害や、発生した静電
気負荷による電気回路が短絡し、半導体素子の機能を失
うこととなる。
【0070】発生する静電気量を少なくするためには、
接触面積を少なくすることが有効であり、接触面積を少
なくするための方法としては、図7に示すように台座3
に半導体素子と接触しない部分となる空気溜5を設ける
ことが好ましい。
【0071】具体的に空気溜5を構成するには次の方法
が有効である。 半導体素子を収納するときに金属リード部61が、底
部33、側壁37と接触しないように収納させるための
位置決め用の孔として、図8に示す貫通した台座孔31
を台座3の中央部に設けて空気を逃がす方法。 図9に示すように空気の流路型空気溜51を台座3の
中央方向に放射線状に形成する方法。 図10に示す台座の中央部近傍に凹部を形成して凹部
型空気溜52を設ける方法。 この場合、凹部型空気溜52を図7に示すよう中心部に
向かって、更に深くなるように傾斜させて凹部52bを
設けるとにより効果的である。その追加した凹部の段差
深さ52hは、0.05〜10mm、好ましくは0.1
〜5mmである。段差深さ52hが0.5mmより小さ
い場合は空気層を溜める効果が少なく、また5mmを超
えるとポケットが深くなるため、成形材料が多くなり、
コスト面とポケット全体の側壁37が大きくかつ深くな
り、帯状成型品の巻取りが困難になるという問題を発生
する。 図11に示すように台座表面をマット加工して空気の
流路である粗面型空気溜53を設ける方法。 マット加工は、粗さ曲線において中心線平均粗さが1.
0mm以下、最大高さが2.0mm以下であり、うねり
曲線においては、中心線うねりが1.0mm以下、最大
うねりが2.0mm以下が好ましい。 台座の面に図12に示す凸部54a、凹部54bより
なる凹凸溝状の凹凸型空気溜54を形成する方法。
【0072】上記、、及びに示す流路型空気溜
51、凹部型空気溜52、粗面型空気溜53及び凹凸型
空気溜54は、半導体素子6と台座3との接触部の面積
も小さくなり、発生する静電気電荷量が小さく、ゴミの
混入を防止するとともに、半導体回路の機能を保護する
上でも効果がある。
【0073】また、これらの台座孔31、粗面型空気溜
53と、流路型空気溜51、凹部型空気溜52、凹凸溝
による凹凸型空気溜54などを適宜組み合わせることに
より相乗効果を奏するものである。例えば、 (a) 台座孔31と流路型空気溜51とを組み合わせた図
13(A)、(B)に示す台座3。 (b) 台座孔31と凹部型空気溜52とを組み合わせた図
14に示す台座3。 (c) 台座孔31と粗面型空気溜53とを組み合わせた図
15に示す台座3。 (d) 台座孔31と凹部型空気溜52及び粗面型空気溜5
3とを組み合わせた図16に示す台座3。 (e) 台座孔31、流路型空気溜51及び粗面型空気溜5
3とを組み合わせた図17に示す台座3。 (f) 台座孔31と凹凸型空気溜54とを組み合わせた図
18に示す台座3。 (g) 台座孔31と凹部型空気溜52及び流路型空気溜5
1とを組み合わせた図19に示す台座3。 (h) 台座孔31と粗面型空気溜53及び凹凸型空気溜5
4とを組み合わせた図20に示す台座3。
【0074】
【発明の効果】本発明の半導体素子用キャリアテープ
は、常温のプラスチックシートに同一工程で、送り孔及
びポケット用開口部を形成したプラスチック帯状基材
と、成形精度のよい射出成形されたポケットとを複合し
て構成されている。したがって、形状安定性のあるポケ
ットと、寸法安定性があるシートとの可撓性を兼ね備え
たキャリアテープの巻取りを構成できる。
【0075】ポケットに形成する半導体素子を載置する
凸状の台座は、形状を自由に形成できる。そして台座の
周縁部に設ける移動制御凸状部は半導体素子の収納範囲
を規制して遊嵌し、静電気や金属リード部と側壁との接
触などによる半導体素子の損傷を防止する効果を奏す
る。そして、射出成形で形成される台座孔の位置精度及
び、常温のプラスチックシートに行われるため送り孔の
加工は、孔の寸法、ピッチの精度は安定したものとな
る。
【0076】常温加工したキャリアテープと、カバーテ
ープとのヒートシールは、表面に凹凸模様がなく剥離強
度を安定させる効果を奏する。キャリアテープは、導電
性微粉末の練り込みのみならず、塗布することによりで
きる生産性のよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)半導体素子を収納した本発明のキャリア
テープの断面を示す概念図である。 (B)帯状基材の平面を示す概念図である。 (C)帯状成型品の概念を示す斜視図である。 (D)帯状成型品のI−I断面を示す概念図である。
【図2】(A)移動制御凸状部で収納保持した半導体素
子の収納状態を示す断面概念図である。 (B)周縁部に設けた板状の移動制御凸状部の位置を示
す平面概念図である。 (C)コーナー部に設けた板状の移動制御凸状部の位置
を示す平面概念図である。 (D)辺部に設けた板状の移動制御凸状部の位置を示す
平面概念図である。 (E)周縁部に設けた棒状の移動制御凸状部の位置を示
す平面概念図である。
【図3】(A)半導体素子の収納遊嵌位置を示す概念の
平面図である。 (B)半導体素子の他の収納遊嵌位置を示す他の概念の
平面図である。
【図4】(A)半導体素子を収納したポケット内の位置
関係を示す断面図である。 (B)移動制御凸状部の底部からの形成位置を示す断面
概念図である。 (C)移動制御凸状部の他の底部からの形成位置を示す
断面概念図である。 (D)移動制御凸状部の台座からの形成位置を示す断面
概念図である。
【図5】移動制御凸状部の設定位置の寸法関係を湿す断
面概念図である。
【図6】(A)底部開放型の移動制御凸状部の形状を示
す断面概略図である。 (B)台座開放型の移動制御凸状部の形状を示す断面概
略図である。 (C)底部密閉型の移動制御凸状部の形状を示す断面概
略図である。 (D)台座密閉型の移動制御凸状部の形状を示す断面概
略図である。
【図7】(A)空気溜を設けた台座の断面概略図であ
る。
【図8】(A)台座孔設けた台座を示す断面の概念図で
ある。 (B)上記形状による空気溜の平面形状を示す概念図で
ある。
【図9】(A)流路型空気溜を設けた台座を示す断面の
概念図である。 (B)上記形状による空気溜の平面形状を示す概念図で
ある。
【図10】(A)凹部型空気溜を設けた台座を示す断面
の概念図である。 (B)上記形状による空気溜の平面形状を示す概念図で
ある。
【図11】(A)粗面型空気溜を設けた台座を示す断面
の概念図である。 (B)上記形状の空気溜の平面形状を示す概念図であ
る。
【図12】(A)凹凸型空気溜を設けた台座を示す断面
の概念図である。 (B)上記形状の空気溜の平面形状を示す概念図であ
る。
【図13】(A)台座孔と流路型空気溜とを複合した断
面の概念図である。 (B)上記形状の空気溜の平面形状を示す概念図であ
る。
【図14】台座孔と凹部型空気溜を複合した台座を示す
断面の概念図である。
【図15】台座孔と粗面型空気溜を複合した台座を示す
断面の概念図である。
【図16】台座孔と粗面型空気溜及び凹部型空気溜を複
合した台座を示す断面の概念図である。
【図17】台座孔と粗面型空気溜及び流路型空気溜とを
凹部型空気溜を複合した台座を示す断面の概念図であ
る。
【図18】台座孔と凹凸型空気溜とを凹部型空気溜を複
合した台座を示す断面の概念図である。
【図19】台座孔と流路型空気溜及び凹部型空気溜とを
複合した台座を示す断面の概念図である。
【図20】台座孔と粗面型空気溜及び凹凸型空気溜とを
凹部型空気溜を複合した台座を示す断面の概念図であ
る。
【符号の説明】
1 ポケット 10 帯状成型品 12 ポケットの凹部 16 接着部 2 帯状基材 21 送り孔 22 開口部 3 台座 31 台座孔 32 移動制御凸状部の立上がり部 33 底部 34 脱気溝 37 側壁 4 移動制御凸状部 41 周縁部壁状移動制御凸状部 42 コーナー部板状移動制御凸状部 43 辺部板状移動制御凸状部 44 周縁部棒状移動制御凸状部 46 移動制御凸状部の先端 47 底部立上り型凸状部 48 台座保持型凸状部 49 台座突出し型凸状部 4A 底部開放型凸状部 4B 台座開放型凸状部 4C 底部密閉型凸状部 4D 台座密閉型凸状部 5 空気溜 51 流路型空気溜 52 凹型空気溜 52b 空気溜めの凹部 52h 段差深さ 53 粗面型空気溜 54 凹凸型空気溜 54a 空気溜めの凸部 54b 空気溜めの凹部 6 半導体素子 61 金属リード部 63、64 半導体素子の収納遊嵌位置 7 カバーテープ A 移動制御凸状部の先端と金属リード部との距離 B 側壁から移動制御凸状部までの距離 C 台座から移動制御凸状部までの距離 D 移動制御凸状部の巾
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】 空気溜を設けた台座の断面概略図であ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属リード部とプラスチック成形部分よ
    りなる半導体素子を収納するための部品用ポケットと、
    少なくとも片側に搬送用送り孔とを等間隔に設けたプラ
    スチック帯状成形品に、該ポケットを覆いヒートシール
    するヒートシーラント層をもつカバーテープからなる半
    導体素子用キャリアテープにおいて、該部品用ポケット
    部の半導体素子と接触する近傍の表面抵抗率又は体積抵
    抗率が、23℃、相対湿度90%の条件で1012Ω/□
    より大きくなく、かつ、該ポケットには半導体素子金属
    リード部分がポケット部の底面及び側壁と接触しないよ
    うに半導体素子を支える台座と台座及びポケット部の側
    壁との間に金属リード部と接触せず半導体素子の移動を
    制限する移動制御凸状部を形成しており、前記カバーテ
    ープのヒートシーラント層表面は、表面抵抗率が23℃
    90%RH環境下において1012Ω/□より大きくない
    ことを特徴とする半導体素子用キャリアテープ。
  2. 【請求項2】 該移動制御凸状部は、棒状又は板状に設
    けられたものであることを特徴とする請求項1記載の半
    導体素子用キャリアテープ。
  3. 【請求項3】 上記台座の台座中央部近傍が、半導体素
    子部分との接触面積を少なくするように凹状の空気溜を
    設けられたものであることを特徴とする請求項1記載の
    半導体用キャリアテープ。
  4. 【請求項4】 プラスチック帯状成形品の基材が、厚さ
    0.1〜0.8mmのプラスチックシートであり、該基
    材に設ける搬送用送り孔と同一工程で成形された部品用
    ポケット用開口部に射出成形で形成される部品用ポケッ
    トであることを特徴とする請求項1乃至3記載の半導体
    素子用キャリアテープ。
  5. 【請求項5】 部品用ポケット用開口部及び搬送用送り
    孔とを等間隔に設けた厚さ0.1〜0.8mmの帯状基
    材のポケット用開口部に射出成形法による部品用ポケッ
    トを設けられたものであることを特徴とする請求項1、
    2及び3記載の半導体素子用キャリアテープ。
  6. 【請求項6】 上記プラスチック帯状成形品の基材が、
    熱可塑性樹脂と酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛に導
    電処理を施した粒径0.01〜1μmの導電性微粉末又
    は導電性カーボン及び界面活性剤からなり、該導電性微
    粉末、導電性カーボン、界面活性剤が、熱可塑性樹脂1
    00部に対し1〜300重量%含むことを特徴とする請
    求項1記載の半導体素子用キャリアテープ。
  7. 【請求項7】 上記プラスチック帯状成形品の基材が、
    酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛に導電処理を施した
    粒径0.01〜1μmの導電性微粉末又は導電性カーボ
    ン及び界面活性剤を樹脂ワニスに分散調整した導電性塗
    布剤を少なくとも一方の側に塗布して設けられたもので
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体素子用キャ
    リアテープ。
  8. 【請求項8】 上記プラスチック帯状成形品の基材が、
    2層以上の積層物であり、少なくともその半導体素子と
    接触する内面層の体積抵抗率が、1012Ω・cmを超え
    ないものであることを特徴とする請求項1記載の半導体
    素子用キャリアテープ。
  9. 【請求項9】 上記部品用ポケットが、熱可塑性樹脂と
    酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛等の金属酸化物に導
    電処理を施した粒径0.01〜1μmの導電性微粉末又
    は導電性カーボン及び界面活性剤からなり、該導電性微
    粉末、又は導電性カーボン及び界面活性剤が熱可塑性樹
    脂100部に対し1〜300重量%含み、その表面抵抗
    率が1012Ω/□を超えない射出成形品であることを特
    徴とする請求項1乃至3記載の半導体素子用キャリアテ
    ープ。
  10. 【請求項10】 上記部品用ポケットの少なくとも片面
    が、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛の金属酸化物に
    導電処理を施した粒径0.01〜1μmの導電性微粉末
    又は導電性カーボン及び界面活性剤を樹脂ワニスに分散
    調整した導電性塗布剤を少なくとも一方の側に設けられ
    たものであることを特徴とする請求項1記載の半導体素
    子用キャリアテープ。
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