【発明の詳細な説明】
ADPCM音声コーダのための適応誤差制御
関連出願との相互参照
本出願は、同一譲受人に譲受された1993年2月2日出願の同時係属中の出
願連続番号第08/013,625号(ドケット番号PACI−0105)に関
連し、ここに引用により援用する。
発明の分野
本発明は、一般に適応差分パルス符号変調(「ADPCM」)音声コーダに関
し、より特定的にはADPCM音声コーダのための適応誤差制御に関する。
発明の背景
音声データまたは信号は、一般に通信のアプリケーションで送信または受信さ
れる際には圧縮および伸長(符号化および復号化)される。音声圧縮またはコー
ド化の一般的な技術はADPCMである。国際電信電話諮問委員会(The Consul
tative Committee in International Telegraphy and Telephony)(「CCIT
T」)は、音声信号の32Kbps(ビット/秒)コード化のためのCCITT
標準G.721として知られる特定のADPCMアルゴリズムを採用しており、
これは1988年のCCITTブルーブック(Blue Book)のCCITT推奨G.
721「32Kビット/秒適応差分パルスコード変調」(CCITT Recommendation
G.721“32Kbits/s Adaptive Differential Pulse Code Modulation”)に記載
されており、G.721システ
ムに関するその教示をここに引用により援用する。CCITT標準G.721は
、地上ワイヤ線のアプリケーションのために開発され、通信チャネルの誤り率が
非常に低ければ複雑さがかなり少なく処理遅延が最小の「トールクォリティ」音
声圧縮および伸長を与える。一般に、地上ワイヤ線のアプリケーションは不完全
な通信チャネルのために非常に低い誤り率を有し、その点ではG.721システ
ムはこのようなアプリケーションと非常によく機能する。しかしながら、CCI
TT標準G.721は、誤り率がさほど低くない可能性のあるワイヤレス通信の
アプリケーションにおける音声圧縮またはコード化のためにも採用されている。
たとえば、CCITT標準G.721は、日本のパーソナルハンディホン(PH
P)およびヨーロッパのDECTシステム等のパーソナルコミュニケーションサ
ービス(「PCS」)のアプリケーションのための音声圧縮またはコード化に関
しても採用されている。
しかしながら、G.721音声コード化システムは、PCSアプリケーション
(たとえば日本のPHPまたはヨーロッパのDECTシステム)等の誤り率が(
ワイヤ線のアプリケーションよりも)高い通信のアプリケーションおよび他の誤
り率がより高い通信のアプリケーションでは速く劣化することがわかった。さら
に、G.721音声コード化システムが用いられると、不完全な通信チャネルの
ために誤差のレベルが低くても音声信号において起こる「カチ
ッ」および「ポン」という音を出すことがわかったために、ワイヤ線のアプリケ
ーションよりも誤り率が大きく高くない場合でさえも、知覚される音声の質が低
くなり得ることがわかった。コイントットおよびG.デパッソ(Cointot and G
.de Passoz)の「チャネル誤差に強い60チャネルPCM−ADPCMコンバ
ータ」(A 60-Channel PCM-ADPCM Converter Robust to Channel Errors)、19
82年音響、音声および信号処理国際会議議事録(Proceedings of the Interna
tional Conference of Acoustics,Speech,and Signal Processing 1982)、お
よびD.キムおよびC.K.ウン(D.Kim and C.K.Un)の「誤差制御が改良さ
れたADPCMシステム」(ADPCM System with Improved Error Control)、1
983年音響、音声および信号処理国際会議議事録に記載されるように、ADP
CMコード化システムをチャネル誤差に対してより強くするように変形すること
は、PCS標準が、正確なCCITT G.721標準を用いなくてはならない
ことを明確にしているために不可能である。
正確なG.721音声コード化システムを用いてシステムの知覚される音声の
質を向上させる既知の技術には、デビッド・J・グッドマン(David J.Goodman
)らによるパケット音声通信における失われた音声セグメントを復元するための
波形置換技術」(Waveform Substitution Techniques for Recovering Missing
Speech Segments in Packe
t Voice Communications)、音響、音声および信号処理に関するIEEE議事録
(IEEE Transactions on Acoustics,Speech and Signal Processing)、Vol.AS
SP-34,No.6、1986年12月、およびヨコタキヨシらによる「ADPCM
コード化音声のための新しい損失ATMセル再構成機構」(A New Missing ATM
Cell Reconstruction Scheme for ADPCM-Coded Speech)、1989年音響、音
声および信号処理国際会議議事録があり、ここに引用により援用する。一般的な
波形置換技術の1つは、ゼロ置換として知られている。この波形置換技術では、
誤差を含む受信された音声セグメントがゼロまたはADPCM符号化されたゼロ
に等価なものと置換えられる。この技術はまた、音声セグメントまたはパケット
全体が受信されなかったときにも用いられる。この波形置換技術は、誤差を有す
る受信した音声セグメントを完全にゼロに置換するために、その貴重な情報を用
いていない。
第2の波形置換技術は最終パケット置換として知られている。この波形遅延技
術では、誤差を含む受信音声セグメントが最後に受信した音声セグメントと置換
される。したがって、この技術はこれまで受信した音声セグメントをストアする
記憶装置を必要とする。この技術は、ADPCMデコーダにおいてミストラッキ
ングを起こし、結果として生成される復号された音声信号において可聴な「カチ
ッ」という音を生成することがわかった。
第3の一般的な波形置換技術は、ピッチ同期波形置換として知られている。こ
の技術では、受信した音声セグメントがそのピッチに基づいて分類される。誤差
を有する音声セグメントが受信されると、そのピッチが決定され、誤差を有する
受信音声信号と類似したピッチを有する先に受信された音声セグメントが置換さ
れる。このシステムはミストラッキングを低減し、その結果、最終パケット置換
技術によって生成される可聴な「カチッ」という音も低減する。しかしながら、
この技術はG.721システムのアルゴリズムをかなり複雑にしてしまう。さら
に、これらの一般的な波形置換技術はすべて、誤差を有する受信音声セグメント
をゼロまたは何らかの先に受信した音声セグメントと完全に置換するために、そ
の中の貴重な情報を用いていない。
本発明のある目的は、受信した音声セグメントに誤差が存在する場合には、復
号化された音声信号における可聴な「カチッ」および「ポン」という音を生成す
る、ADPCMエンコーダおよびデコーダで用いられる実際の圧縮および伸長プ
ロセスを補償することによって、誤差を有する受信音声セグメントにおける貴重
な情報を用いてADPCM符号化信号の知覚される質を向上することである。
発明の概要
受信したADPCM符号化音声信号の知覚される音声の質を向上するADPC
M音声コーダの適応誤差制御のための装置および方法において、上述の問題が克
服され、本発
明の目的が達成される。この方法は、受信したADPCM符号化信号をADPC
Mサンプルに変換するステップと、ADPCMサンプルの絶対値を定めるステッ
プとを含む。この方法の1ステップでは、あるADPCMサンプルの絶対値が第
2の予め定められた値を上回ればそのADPCMサンプルの値を第1の予め定め
られた値に置換する。最後に、この発明の1ステップではADPCMデコーダを
用いてADPCMサンプルを復号化する。
具体的には、本発明のステップで、受信したADPCM符号化信号の関数とし
て受信信号の信頼性を定め、対応する受信信号の定められた信頼性の関数として
、あるADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値を上回る場合には
そのADPCMサンプルの値を第1の予め定められた値と置換してもよい。
さらに、この方法のステップで、あるADPCMサンプルの絶対値が第2の予
め定められた値を上回る場合、および対応する信号の信頼性の判断の結果として
受信機の誤差が検出された場合には、そのADPCMサンプルの値を第1の予め
定められた値と置換してもよい。
この方法はさらに、受信信号のセグメントが失われているか判断するステップ
と、受信信号のセグメントが失われていれば対応するADPCMサンプルをAD
PCMで符号化された無音と置換するステップとを含んでもよい。
図面の簡単な説明
添付の図面を参照して、本発明の以下の詳細な説明を読むことにより、本発明
がより良く理解され、その数々の目的および利点が明らかになるであろう。
図1は、本発明に従って構成される例示的なADPCM音声信号受信機および
デコーダシステムのブロック図である。
図2は、CCITT G.721標準エンコーダの一部のブロック図である。
図3は、図1に示されるCCITT G.721標準デコーダの一部のブロッ
ク図である。
図4は、本発明に従って構成される例示的なADPCM二重システムのブロッ
ク図である。
詳細な説明
本発明に従って構成される、適応誤差制御を与える例示的なADPCM受信機
およびデコーダシステムが図1に示され、包括的に10で示される。システム1
0は、アンテナ22と、受信システム20と、絶対値リミッタ30と、決定論理
ユニット40と、音声帯域データ検出ユニット50と、受信信号選択ユニット6
0と、ADPCMデコーダ70とを含むように示される。システム10の簡単な
説明を行ない、次にシステム10の各構成要素の動作を詳細に説明する。
アンテナ22によって音声信号が受信され、受信システム20によって音声セ
グメントまたはパケットで処理され、
各音声セグメントまたはパケットはADPCMサンプルを含む。受信システム2
0は、受信した音声信号からADPCMサンプルと、受信した音声信号において
音声セグメントまたはパケットが失われているかどうか、または受信システム2
0によって生成されたADPCMサンプルに対応する音声セグメントまたはパケ
ットに関して誤差が検出されたかどうかを含み得る信頼性情報とを発生する。
絶対値リミッタ30はADPCMサンプルを受取り、その絶対値がある最大値
に制限された絶対値制限ADPCMサンプル32を生成する。音声帯域データ検
出ユニット50もまたADPCMサンプルを受取り、ADPCMサンプルによっ
て表わされるデータがモデムまたは音声帯域データと考えられるかどうかを判断
し、この情報52を決定論理ユニット40に与える。決定論理ユニット40は、
受信システム20からの信頼性情報および音声帯域データ検出ユニット50から
のモデムデータ情報52を受取り、受取った情報の関数として、受信信号選択ユ
ニット60の動作を制御する。
特に、本発明の好ましい実施例では、決定論理ユニット40は常に受信信号選
択ユニット60に対して、ADPCMサンプルがモデムまたは音声帯域データを
表わすことをモデムデータ情報52が示せばADPCMデコーダ70にADPC
Mサンプルを送るように指示する。さらに、受信システム20からの信頼性情報
により、対応する音声セグ
メントについて誤差が受取られなかったこと、かつ音声セグメントが失われてい
なかったことが示されれば、決定論理ユニット40はまた受信信号選択ユニット
60に対してADPCMサンプルをADPCMデコーダ70に送るように指示す
る。
これ以外の場合、受信システム20からの信頼性情報により対応する音声セグ
メントについて誤差が受取られたこと、かつ音声セグメントが失われなかったこ
とが示されれば、決定論理ユニット40は受信信号選択ユニット60に対して絶
対値が制限されたADPCMサンプル32をADPCMデコーダ70に送るよう
に指示し、または受信システム20からの信頼性情報により対応する音声セグメ
ントが失われたことが示されれば、決定論理ユニット40は受信信号選択ユニッ
ト60に対してADPCMで符号化された無音をADPCMデコーダ70に送る
ように指示する。
受信信号選択ユニット60は、ADPCMサンプル、絶対値が制限されたAD
PCMサンプル32、またはADPCMで符号化された無音を決定論理ユニット
40からの指示42に基づいてADPCMデコーダ70に送る。最後に、ADP
CMデコーダ70は受信信号選択ユニット60から受取ったサンプルを復号化し
、復号化された音声信号を発生する。
本発明において、絶対値が制限されたADPCMサンプル32は、対応する音
声セグメントについて誤差がある場
合にはADPCMサンプルを置換するように選択される。CCITT標準G.7
21システムの符号化および復号化システムにおいて短期予測を用いることによ
って、絶対値が制限されたサンプルでサンプルを置換すると可聴な「カチッ」お
よび「ポン」という音を排除することが本発明者によって見出された。絶対値が
制限されたサンプル32で置換することによって、デコーダの量子化器スケール
ファクタは信号のピークを低減しながら信号の長期的平均エネルギを追跡するこ
ととなる。しかしながら、全体的に、知覚される音声の質は音声信号のピークの
低減により大きく影響を受けることはなく、デコーダの量子化器スケールファク
タを誤差により大きくなり過ぎないようにすることによって音声信号の知覚され
る音声の質を向上する。
エンコーダおよびデコーダシステムの概説を行ない、音声セグメントについて
誤差が検出されたときに量子化器スケールファクタが大きくなり過ぎないように
することによって絶対値制限ADPCMサンプルの置換が音声信号の知覚される
音声の質をいかに向上するかを示す。CCITT標準G.721のエンコーダお
よびデコーダシステムのより詳細な説明は、CCITT推奨G.721「32K
ビット/秒適応差分パルス符号変調」、CCITTブルーブック、1988年に
記載され、G.721の教示に関して先に引用により援用した。CCITT G
.721システムのエンコーダおよびデコーダシステムの概要を図2および
3を参照して説明する。
図2は、CCITT標準G.721エンコーダのブロック図を示す。このエン
コーダにおいて、ADPCMサンプルI(k)が入力された音声信号s(k)お
よび予測された音声信号Se(k)の量子化された差d(k)から発生される。
特に、ADPCMサンプルI(k)は差信号d(k)から量子化スケールファク
タy(k)を引いたlog2の量子化に等しく、ここで量子化器スケールファク
タは前のADPCMサンプルI(k)の値に基づいて適応的に計算される。CC
ITT標準G.721デコーダのブロック図が図3に示される。図3に示される
ように、デコーダはまたSe(k)を予測し、この値を用いて受信したADPC
Mサンプルを復号化する。しかしながら、ADPCMサンプルが誤差を含む場合
には、デコーダはSe(k)を正確に予測できないかもしれない。
ADPCMサンプルI(k)は差信号d(k)から量子化器スケールファクタ
y(k)を引いたもののlog2から発生されるため、量子化器スケールファク
タは実効的には差信号d(k)のしたがってADPCMサンプルI(k)の2y( k)
スケーリングファクタである。量子化器スケールファクタy(k)は絶対値の
大きいADPCMサンプルI(k)で大きく重み付けされ、その結果、ADPC
Mサンプルの受信された音声セグメントが誤差を有する場合には、絶対値のより
大きなADPCMサンプルによってデ
コーダは図3に示されるようにエンコーダの量子化器スケールファクタに一致し
ないこととなる傾向がある。すなわち、デコーダおよびエンコーダは同じ量子化
器スケールファクタy(k)、同じ予測信号Se(k)およびしたがって同じ音
声信号s(k)を発生しない傾向にある。特に、デコーダでのy(k)の値はエ
ンコーダでのy(k)の値に関して大きくなる傾向にあり、デコーダでのADP
CMサンプルI(k)の結果としてのスケーリングは、エンコーダでの音声信号
s(k)よりもはるかに大きなエネルギを伴う音声信号s(k)を生成する。そ
の結果、可聴な「カチッ」または「ポン」という音となる。
誤差を受取った際に絶対値が制限されたADPCMサンプルに置換することに
よって、デコーダの量子化器スケールファクタは、音声信号s(k)の長期平均
エネルギを追跡することとなり、したがって可聴な「カチッ」および「ポン」と
いう音の生成を回避する。上述のように、この置換によって復号化された音声信
号のピーク値はより小さくなるが、知覚される音声の質が量子化器スケールファ
クタにおける変化によって受ける影響よりもピーク値における変化によって受け
る影響の方が小さい。したがって、誤差が受取られない場合にも絶対値が制限さ
れたADPCMサンプルに置換することによって、知覚される音声の質が大きく
影響されることはなく、誤差が受取られるときに絶対値が制限されたADPCM
サンプルに置換することによ
って、復号化された信号の知覚される音声の質は向上するであろう。
上述のように、量子化器スケールファクタy(k)は絶対値の大きなADPC
Mサンプルで大きく重み付けされる。これは、CCITT標準G.721システ
ムy(k)は、ADPCMサンプルI(k)の長期および短期重み付け平均の組
合せから決定されるからであり、特にy(k)=a1(k)yu(k−1)+[1
−a1(k)]y1(k−1)であり、ここで短期重み付け平均はyu(k)=(
1−2-5)y(k)+2-5W[I(k)]であり、長期重み付け平均はy1(k
)=(1−2-6)y(k)+2-6yu(k)である。関数W[]は重み付け関数
であり、±7に関しては70.13に等しく、±6に関しては22.19、±5
に関しては12.38、±4に関しては7.00、±3に関しては4.00、±
2に関して2.56、±1に関しては1.13、および0に関しては−0.75
に等しい。その結果、y(k)は、重み付け関数W[]により4を上回る絶対値
を有するADPCMサンプルI(k)により大きく重み付けされることがわかる
であろう。量子化器スケールファクタy(k)はまた、適応速度制御パラメータ
a1(k)の値によっても影響される。適応速度制御パラメータa1(k)は、量
子化器スケールファクタy(k)が量子化器スケールファクタy(k)の短期ま
たは長期平均をより密に追従すべきかどうかを判断する。
デコーダの入力でADPCMサンプルI(k)の絶対値を制限することによっ
て、量子化器スケールファクタy(k)がエンコーダにおいて音声信号s(k)
のエネルギの長期平均を追跡し、デコーダで生成される音声信号S(k)におけ
る可聴な「カチッ」または「ポン」という音の存在を低減または排除する可能性
が高くなる。CCITT標準G.721システムのエンコーダおよびデコーダの
動作をこのように理解して、本発明のシステム10の構成要素の詳細な説明を再
び図1を参照して行なう。
本発明の例示的な実施例において、符号化されたADPCMサンプルI(k)
は変調され、ワイヤレス通信チャネルを介して送信される。変調されたADPC
MサンプルI(k)はアンテナ22によってセグメントまたはパケットで受信さ
れる。受信システム20はパケットの形態で変調されたADPCMサンプルI(
k)を受信し、ディジタルADPCMサンプルI(k)を発生する。理想的には
、通信チャネルに誤差がなければ、ディジタルADPCMサンプルI(k)は、
アンテナ22による変調、送信および受信に先立ってエンコーダによって発生さ
れるADPCMサンプルI(k)に等しいであろう。通信チャネルは一般に誤差
がないわけではないため、本発明の好ましい実施例では、受信システム20は音
声セグメントまたはパケットが受信された音声信号において失われているかどう
か、または受信システム20によって生成されたADPCMサンプ
ルに対応する音声セグメントまたはパケットについて誤差が検出されたかどうか
を含む信頼性情報を与える。例示的な受信システムは、1993年2月2日に出
願された、先に相互参照した同時係属中の出願連続番号第08/013,625
号(ドケット番号PACI−0105)に詳細に記載される。
本発明の例示的な実施例において、絶対値リミッタ30は受信システム20に
よって発生されたADPCMサンプルを受信し、その絶対値がある最大値に制限
された絶対値制限ADPCMサンプル32を生成する。すなわち、I(k)の絶
対値がある第1の予め定められた値Aを上回れば、I(k)の絶対値は第2の予
め定められた値Bに等しく設定され、I(k)の符号は一定のままである。本発
明の好ましい実施例において、Aの値は4に設定され、Bは4に設定され、I(
k)が4を上回れば、I(k)は4に設定され、I(k)が−4を下回れば、I
(k)は−4に設定される。絶対値が制限されたADPCMサンプル32は、受
信信号選択ユニット60に渡される。
音声帯域データ検出ユニット50もまた、受信システム20によって発生され
たADPCMサンプルを受信し、ADPCMサンプルによって表わされるデータ
がモデムまたは音声帯域データであるかを判断する。音声帯域データ検出ユニッ
ト50はこの情報52を決定論理ユニット40に与える。音声帯域データ検出ユ
ニット50の一実施例は図
4を参照して説明される。本発明のこの実施例において、このシステムは、ある
信号が通信のアプリケーションによって通信チャネル上で受信され別の信号が同
じ通信のアプリケーションによって送信される全二重システムである。音声帯域
データ検出ユニット50の目的は、受信したADPCMサンプルがモデムまたは
音声帯域データを表わすかどうかを全二重チャネルにおいて判断することである
ため、音声帯域データ検出ユニット50は受信信号がモデムまたは音声帯域デー
タを示すかを判断するためにエンコーダ80の送信情報を用いてもよい。なぜな
ら、通信のアプリケーションがモデムまたは音声帯域データを送信していれば、
これは一般にモデムまたは音声帯域データを受信しているからである。
図4のシステム15はさらに、ADPCMエンコーダ80が発生し、送信シス
テム90が変調したADPCMサンプルを送信するためのアンテナ92を含む。
送信システムに関する教示については、相互参照する、1993年2月2日に出
願された同時係属中の出願番号08/013,625号(代理人の書類番号PA
CI−0105)を再び参照する。図4に示されるシステム15では、音声帯域
データ検出ユニットは、システムパラメータ、特に、エンコーダ80またはデコ
ーダ70の量子化スケールファクタy(k)およびデコーダ70の2次予測子係
数a1(k)、または受信システム20からもしくはADPCMエンコー
ダ80からのADPCMサンプルを受信するだろう。
本発明の実施例では、音声帯域データ検出ユニット50は、以前最後に送信さ
れたまたは受信した音声セグメントに対するエンコーダ80またはデコーダ70
いずれかの量子化スケールファクタy(k)およびデコーダ70に対する2次予
測子係数a1(k)の関数として、ADPCMサンプルI(k)がモデムまたは
音声帯域データを含むかどうかを判断する。この実施例では、データ検出変数D
がしきい値TDよりも小さければ、または2次予測子係数a1(k)がしきい値
TAよりも小さければ、ADPCMサンプルI(k)がモデムまたは音声帯域デ
ータを含むものと考えない。そうでなければ、ADPCMサンプルI(k)はモ
デムまたは音声帯域データを含むものと考えられる。ADPCMサンプルがモデ
ムまたは音声帯域データを表わすかどうかについての判断は次に決定論理ユニッ
ト40に与えられる。
本発明の実施例では、エンコーダ80またはデコーダ70のy(k)がTY(
本発明の好ましい実施例では3.0に設定される)よりも大きければD=D*(
1−α)+INCRであり、そうでなければD=D*(1−α)−DECRであ
る。Dが0よりも小さければ、Dは0に設定される。本発明の好ましい実施例で
は、α=1/512、INCR=1、およびDECR=−5である。本発明の好
ましい実施例では、音声セグメントは5ミリ秒ごとに受信され
る。結果として、Dは5ミリ秒ごとに更新され、したがってこのインジケータに
対する時定数は約2秒すなわち約512*5ミリ秒である。
モデムまたは音声帯域データ信号の場合のように信号に常にエネルギがあるな
らば、本発明の好ましい実施例では5ビットの小数部および10ビットの絶対値
を有する固定小数点変数であるDは、即座にその最大値512.0(約2秒での
時定数に基づく)に到達するだろう。本発明の好ましい実施例では、TDはDの
最大値の75%に、または384.0に設定される。音声帯域データ検出ユニッ
ト50はまた、2次予測子係数a1(k)の値を検査する。
音声帯域データ検出ユニットは、2次予測子係数a1(k)の値を検査し、一
定のエネルギを有するがモデムまたは音声帯域データを表わさない、たとえばダ
イヤルトーンのような一定のトーンが存在するかどうかを判断する。2次予測子
係数a1(k)が、本発明の好ましい実施例では1.25であるしきい値TAよ
りも大きければ、一定のトーンがADPCMサンプルI(k)に存在すると考え
られ、モデム情報信号52は、ADPCMサンプルにモデムまたは音声帯域デー
タが存在しないことを示すであろう。
システム15では、エンコーダのおよびデコーダのy(k)の内部の値および
デコーダの2次予測子係数a1(k)が利用できなければ、異なるシステムを用
いてADPCMサンプルI(k)がモデムまたは音声帯域データを
含むかどうかを判断する。本発明の実施例では、在庫のまたは標準的なCCIT
T標準G.721デコーダおよびエンコーダを使用するため、これらの値は利用
できないかもしれない。
もし内部の変数が利用できなければ、音声帯域データ検出ユニット50は、受
信したADPCMサンプルを用いてyd(k)を決定し、(もし利用できれば)
ADPCMエンコーダ80が発生するADPCMサンプルを用いてye(k)を
決定する。CCITT標準G.721デコーダおよびエンコーダが短期量子化器
スケールファクタyu(k)を決定するのに用いるのと同じ関数を利用して、フ
ァクタyd(k)およびye(k)が決定される。このようにして、yd(k)=
(1−2-5)yd(k)+2-5W[I(k)]、およびye(k)=(1−2-5)
ye(k)+2-5W[I(k)]となり、ここにおいてW[ ]は、±7に対し
ては70.13、±6に対しては22.19、±5に対しては12.38、±4
に対しては7.00、±3に対しては4.00、±2に対しては2.56、±1
に対しては1.13、0に対しては−0.75に等しい。次にyd(k)および
ye(k)を用いて、エンコーダに対してはy(k)をye(k)に置換え、デコ
ーダに対してはy(k)をyd(k)に置換えることにより、上述のようにDを
決定する。さらに、2次予測子係数a1(k)が利用できないため、システムの
この部分は使用されない。
詳細には、yd(k)またはye(k)がTYよりも大きければD=D*(1−α
)+INCRであり、そうでなければD=D*(1−α)−DECRである。し
かしながら、Dが0未満であればDは0に設定される。データ検出変数Dがしき
い値TD未満であれば、ADPCMサンプルI(k)はモデムまたは音声帯域デ
ータを含まないものとみなされる。そうでなければ、ADPCMサンプルI(k
)はモデムまたは音声帯域データを含むものと考えられ、それにかかわらずこの
情報52は決定論理ユニット50に与えられる。音声帯域データ検出ユニットの
最終的な実施例が図1に示されている。このユニットでは、デコーダ70は標準
または在庫のCCITT標準G.721デコーダであるため、エンコーダが発生
するデータは利用できず、かつ内部の変数y(k)およびa1(k)は利用でき
ない。音声帯域データ検出ユニット50は、ye(k)は決定されず、したがっ
てDがしきい値を超えるかどうかについてはyd(k)の関数としてのみ決定さ
れることを除き、前述の実施例におけるユニットと同じ機能を果たす。音声帯域
データ検出ユニット50の上記の実施例各々において、ユニット50は、ADP
CMサンプルがモデムまたは音声帯域データを表わすかどうかを示すモデムデー
タ情報信号52を発生する。
決定論理ユニット40は、受信システム20から信頼性情報を受信し、音声帯
域データ検出ユニット50からモデ
ムデータ情報信号52を受信し、受信した情報の関数として、受信信号選択ユニ
ット60の動作を制御する。
特に、上記のように、本発明の好ましい実施例では、もしモデムデータ情報5
2がADPCMサンプルがモデムデータを表わすということを示せば、決定論理
ユニット40は受信信号選択ユニット60に、ADPCMサンプルをADPCM
デコーダ70に導くように指示する。モデムデータを表わすADPCMサンプル
I(k)が絶対値が制限されたADPCMサンプル32に置換されれば、モデム
データには不利な影響が及ぼされるであろうため、このことは必要である。
もし受信システム20からの信頼性情報が、対応する音声セグメントに対する
誤差が受信されておらず、音声セグメントが失われていないことを示せば、決定
論理ユニット40は、受信信号選択ユニット60に、ADPCMサンプルをAD
PCMデコーダ70に導くように指示するだろう。もしたとえ誤差が検出されな
くても、絶対値が制限されたADPCMサンプル32がADPCMサンプルI(
k)に置き換われば、音声信号の周期性はなおも維持されているため復号化され
た信号の質は大きく劣化することはないだろう。本発明の好ましい実施例では、
受信信号選択ユニット60は、対応する音声セグメントで誤差が検出されたとき
、ADPCMサンプルI(k)を絶対値が制限されたサンプル32で置換するよ
うに指示されるのみである。
受信システム20からの信頼性情報が、対応する音声セグメントが失われてい
ることを示せば、決定論理ユニット40は、受信信号選択ユニット60に、AD
PCMで符号化された無音をADPCMデコーダ70に導くように指示するだろ
う。この場合、音声セグメントが失われているため、ADPCMサンプルは価値
のある情報を何ら含まない。このとき受信信号選択ユニット60は、ADPCM
サンプルI(k)を符号化された無音で置換する。CCITT標準G.721シ
ステムでは、サンプルに対する符号化された無音は0Fhである。
決定論理ユニット40からの指示信号42に基づき、受信信号選択ユニット6
0は、ADPCMサンプルI(k)、絶対値が制限されたADPCMサンプル3
2、またはADPCMで符号化された無音(0Fh)のいずれかを、ADPCM
デコーダ70に導く。本発明の好ましい実施例では、この判断および指示42は
、すべての音声セグメントつまり対応するADPCMサンプルI(k)に対して
1度発生される。受信システム20からの信頼性情報またはモデムデータから音
声への、データタイプにおける変化に基づき、音声セグメントにつき2度以上こ
の判断が行なわれ得る。
最後に、ADPCMデコーダは、受信信号選択ユニット60から受信したデー
タを復号化して復号化された音声信号を発生する。本発明の実施例では、ADP
CMデコーダは標準のまたは在庫のCCITT標準G.721デコーダ
であるため、特別に修正を施して標準エンコーダおよびデコーダを用いて本発明
を実現する必要はない。本発明の好ましい実施例では、ADPCMコーダは、音
声帯域データ検出ユニット50のような外部装置にシステムパラメータを与える
能力がある。
本発明は特定的な実施例について説明され示されているが、上述され、かつ添
付の請求の範囲において示される本発明の原理から逸脱することなく修正および
変形を行ない得ることを当業者は認識するであろう。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項
【提出日】1995年6月7日
【補正内容】
請求の範囲
1.不完全な通信チャネルから受信したセグメントを有するADPCM符号化
信号の知覚された音声の質を向上させる方法であって、
a) ADPCM符号化信号の受信したセグメントをADPCMサンプルに変
換するステップと、
b) ADPCMサンプルの絶対値を決定するステップと、
c) 1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも大
きければ1つのADPCMサンプルの値を第1の予め定められた値と置換するス
テップとを含み、第1の予め定められた値の絶対値は0よりも大きく、さらに、
d) ステップc)の後、ADPCMデコーダを用いてADPCMサンプルを
復号化するステップを含む、ADPCM符号化信号の知覚された音声の質を向上
させる方法。
2.ステップc)は、
i) ADPCM符号化信号の受信したセグメントの関数として、受信したセ
グメントの信頼性を決定するステップと、
ii) ADPCM符号化信号の受信した対応するセグメントの決定された信頼
性の関数として、1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値
よりも大きければ1つのADPCMサンプルの値を第1の予め定められ
た値と置換するステップとを含み、第1の予め定められた値の絶対値は0よりも
大きい、請求項1に記載の方法。
3.ステップc)は、
i) ADPCM符号化信号の受信したセグメントの関数として、受信したセ
グメントがモデムまたは音声帯域データであるかどうかを判断するステップと、
ii) 1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも大
きく、かつ受信したセグメントがモデムまたは音声帯域データであると判断され
なければ、1つのADPCMサンプルの値を第1の予め定められた値と置換する
ステップとを含み、第1の予め定められた値の絶対値は0よりも大きい、請求項
1に記載の方法。
4.ステップi)は、
デコーダのシステムパラメータの関数として、受信したセグメントがモデムま
たは音声帯域データであるかどうかを判断するステップを含む、請求項3に記載
の方法。
5.ステップi)は、
デコーダおよびエンコーダのシステムパラメータの関数として、受信したセグ
メントがモデムまたは音声帯域データであるかどうかを判断するステップを含む
、請求項3に記載の方法。
6.ステップi)は、
エンコーダのADPCM符号化信号の送信されたセグメントの関数として、受
信したセグメントがモデムまたは音
声帯域データであるかどうかを判断するステップを含む、請求項3に記載の方法
。
7.ステップii)は、
iii) ADPCM符号化信号の受信したセグメントの関数として、受信した
セグメントの信頼性を決定するステップと、
iv) ADPCM符号化信号の受信した対応するセグメントの決定された信頼
性の関数として、1つのADPCMサンプルの絶対値か第2の予め定められた値
よりも大きく、かつ受信したセグメントがモデムまたは音声帯域データであると
判断されなければ、1つのADPCMサンプルの値を第1の予め定められた値と
置換するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
8.ステップii)は、
1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも大きく、
かつADPCM符号化信号の対応するセグメントの信頼性の決定が、受信した信
号の誤差が受信したセグメントに対して検出されたことを示せば、1つのADP
CMサンプルの値を第1の予め定められた値と置換するステップを含む、請求項
2に記載の方法。
9.ステップiv)は、
1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも大きく、
受信したセグメントがモデムまたは音声帯域データであると判断されず、かつA
DPCM符号
化信号の対応するセグメントの信頼性の決定が、受信した信号の誤差が受信した
セグメントに対して検出されたことを示せば、1つのADPCMサンプルの値を
第1の予め定められた値と置換するステップを含み、第1の予め定められた値の
絶対値は0よりも大きい、請求項7に記載の方法。
10.ADPCM符号化信号の受信したセグメントが失われているかどうかを
判断するステップと、
ADPCM符号化信号の受信したセグメントが失われていれば対応するADP
CMサンプルをADPCMで符号化された無音と置換するステップとをさらに含
む、請求項8に記載の方法。
11.ADPCM符号化信号の受信したセグメントが失われているかどうかを
判断するステップと、
ADPCM符号化信号の受信したセグメントが失われていれば対応するADP
CMサンプルをADPCMで符号化された無音と置換するステップとをさらに含
む、請求項9に記載の方法。
12.不完全な通信チャネルから受信したセグメントを有するADPCM符号
化信号の知覚された音声の質を向上させるための装置であって、
ADPCM符号化信号の受信したセグメントをADPCMサンプルに変換する
ための手段と、
ADPCMサンプルの絶対値を決定するための手段と、
1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定めら
れた値よりも大きければ1つのADPCMサンプルの値を第1の予め定められた
値と置換するための置換手段とを含み、第1の予め定められた値の絶対値は0よ
りも大きく、さらに、
ADPCMデコーダを含み、デコーダは置換手段による処理の後にADPCM
サンプルを復号化する、ADPCM符号化信号の知覚された音声の質を向上させ
るための装置。
13.前記置換手段は、
ADPCM符号化信号の受信したセグメントの関数として、受信したセグメン
トの信頼性を決定するための手段と、
ADPCM符号化信号の受信した対応するセグメントの決定された信頼性の関
数として、1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも
大きければ、1つのADPCMサンプルの値を第1の予め定められた値と置換す
るための信頼性置換手段とを含み、第1の予め定められた値の絶対値は0よりも
大きい、請求項12に記載の装置。
14.前記置換手段は、
ADPCM符号化信号の受信したセグメントの関数として、受信したセグメン
トがモデムまたは音声帯域データであるかどうかを判断するための音声帯域判断
手段と、
1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも大きく、
かつ受信したセグメントがモデムまたは音声帯域データであると判断されなけれ
ば、1つのA
DPCMサンプルの値を第1の予め定められた値と置換するための音声帯域置換
手段とを含み、第1の予め定められた値の絶対値は0よりも大きい、請求項12
に記載の装置。
15.前記音声帯域判断手段は、
デコーダのシステムパラメータの関数として、受信したセグメントがモデムま
たは音声帯域データであるかどうかを判断するための手段を含む、請求項14に
記載の装置。
16.前記音声帯域判断手段は、
デコーダおよびエンコーダのシステムパラメータの関数として、受信したセグ
メントがモデムまたは音声帯域データであるかどうかを判断するための手段を含
む、請求項14に記載の装置。
17.前記音声帯域判断手段は、
エンコーダのADPCM符号化信号の送信されたセグメントの関数として、受
信したセグメントがモデムまたは音声帯域データであるかどうかを判断するため
の手段を含む、請求項14に記載の装置。
18.前記音声帯域置換手段は、
ADPCM符号化信号の受信したセグメントの関数として、受信したセグメン
トの信頼性を決定するための手段と、
ADPCM符号化信号の受信した対応するセグメントの決定された信頼性の関
数として、1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも
大きく、かつ受信したセグメントがモデムまたは音声帯域データである
と判断されなけれは、1つのADPCMサンプルの値を第1の予め定められた値
と置換するための信頼性音声帯域置換手段とを含み、第1の予め定められた値の
絶対値は0よりも大きい、請求項17に記載の装置。
19.前記信頼性置換手段は、
1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも大きく、
かつADPCM符号化信号の対応するセグメントの信頼性の決定が、受信した信
号の誤差が受信したセグメントに対して検出されたことを示せば、1つのADP
CMサンプルの値を第1の予め定められた値と置換するための手段を含む、請求
項13に記載の装置。
20.前記信頼性音声帯域置換手段は、
1つのADPCMサンプルの絶対値が第2の予め定められた値よりも大きく、
受信したセグメントがモデムまたは音声帯域データであると判断されず、かつA
DPCM符号化信号の対応するセグメントの信頼性の決定が、受信した信号の誤
差が受信したセグメントに対して検出されたことを示せば、1つのADPCMサ
ンプルの値を第1の予め定められた値と置換するための手段を含み、第1の予め
定められた値の絶対値は0よりも大きい、請求項18に記載の装置。
21.ADPCM符号化信号の受信したセグメントが失われているかどうかを
判断するための手段と、
ADPCM符号化信号の受信したセグメントが失われて
いれば対応するADPCMサンプルをADPCMで符号化された無音と置換する
ための手段とをさらに含む、請求項19に記載の装置。
22.ADPCM符号化信号の受信したセグメントが失われているかどうかを
判断するための手段と、
ADPCM符号化信号の受信したセグメントが失われていれば対応するADP
CMサンプルをADPCMで符号化された無音と置換するための手段とをさらに
含む、請求項20に記載の装置。
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