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JPH09504273A - Hivに対して使用するための多分岐ペプチド構築物 - Google Patents

Hivに対して使用するための多分岐ペプチド構築物

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JPH09504273A
JPH09504273A JP7509049A JP50904995A JPH09504273A JP H09504273 A JPH09504273 A JP H09504273A JP 7509049 A JP7509049 A JP 7509049A JP 50904995 A JP50904995 A JP 50904995A JP H09504273 A JPH09504273 A JP H09504273A
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Abstract

(57)【要約】 HIV−1のgp120タンパク質のV3ループから誘導されるペプチドから形成され、0から4個のアミノ酸が先行しており、2から4個のアミノ酸が後に続いているコンセンサス配列GPGRを含有し、好ましくはGPGRの直前の3個のアミノ酸中にIを含有しておらず、そして最も好ましくはGPGRAFである多分岐ペプチド構築物はレセプター親和性の増強を示し、細胞と細胞の融合を防止する。これら構築物は、直接的なウイルス抑制効果を有している。これら構築物は、同じペプチド配列が数倍存在しているので、これらのMBPCは、HIV−1及ひHIV−2の幾つかの株のウイルスエンベロープ/細胞膜融合及び感染細胞膜/非感染細胞膜融合の種々の段階をインビトロで中和することができる。注目すべきは、これら構築物はリンパ球及びマクロファージに対してはCD4レセプターを、結腸上皮細胞に対してはGalCerレセプターの両方を遮断するのに有効である。これらの結果は、HIV−1及びHIV−2感染の治療において使用できる可能性を開くものである。

Description

【発明の詳細な説明】 HIVに対して使用するための多分岐ペプチド構築物発明の背景 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、恐らく後天性免疫不全症候群(エイズ) の病因学的作用物である。HIVは種々の細胞タイプに持続的な感染をもたらす 。細胞の多くは細胞表面の結合部位として抗原、CD4レセプターを発現する。 このような細胞では、細胞感染の第1段階は、細胞のCD4表面抗原とHIVの 外部エンベロープ糖タンパク質との結合によるウイルス結合で示される。この結 合の後にウイルスエンベロープと標的細胞膜の融合及び内在化に係わる一連の現 象が続き、これによって細胞が感染する。次に、HIV感染細胞は他の細胞を感 染させ、合胞体(巨大多核細胞)を形成することができる。HIV−1感染細胞 と非感染CD4+細胞(CD4レセプターを有する細胞)間の合胞体形成はCD 4レセプターとHIV表面エンベロープ糖タンパク質間の相互作用に係わってい る。この過程は可溶性CD4、抗CD4及び抗V3抗体によって阻止される。 インビボ(in vivo)で細胞から細胞へのウイルス拡散に関与する細胞融合過程 は血漿中和抗体を使えないようにし、リンパ球枯渇によって既に損傷した免疫系 からウイルスを脱出させる。HIVによって活性化されたBリンパ球は異なる抗 体集団を産生させる。抗体のなかにはgp120−CD4の相互作用を妨げないで、 膜融合、即ち細胞感染に関与する過程を阻止するものもある。これらの抗体は主 としてエンベロープ糖タンパク質V3ループに対して向けられている。 種々のHIV−1単離体でのV3ループの可変性が非常に高いため、抗V3抗 体は一般的に、抗体を産生させた単離体を中和するにすぎない。それ故、中和は 当該単離体に限定され、そして単離体特異的と称される。これらの抗体は細胞融 合阻止に関して有効であり、細胞−ウイルス結合に対する活性はない。 V3ループ関連ペプチドによってHIV感染を阻止する幾つかの試みがなされ ており、このようなペプチドの有効性に関する問題が提起されている。例えば、 ドゥロッシ(De Rossi)等[Virology、184、187-196(1991年)]は或るV3ペプチ ドがウイルス感染を高めることを見出した。V3ループから得られる環状又は非 環状の他の合成ペプチドは細胞融合の重要な段階で無効であった。それ故、ウイ ルス単離体と関係のないウイルス−細胞融合や細胞対細胞融合を阻止できるアン タゴニストペプチドは開発されていない。 更に最近では、幾つかの研究によってHIV−1及びHIV−2の両者につい てCD4と無関係の細胞感染経路が証明されており、少なくとも1つの別のウイ ルスレセプターの存在が示唆されている。これらの推定上の非CD4HIVレセ プターのうちの1つが最近CD4-脳由来細胞及び結腸上皮細胞で同定された。 このレセプターは中性糖タンパク質であり、ガラクトシルセラミド(GalCer) と呼ばれる。脳や腸のCD4-/GalCer+細胞のHIV感染によってこれらの器 官におけるHIV関連疾患の幾つかを説明することができる。更に、或る粘膜上 皮細胞の頂部面にGalCerが存在すると性交中にウイルスの侵入を促進する可能 性がある。V3ループから誘導されたペプチドはGalCerレセプターを阻止する 能力が未だ明らかにされていない。 これらの問題の幾つかに応えて、担体を使用しない抗原を開発するために、ポ リマー中でリジン骨格を使用する放射状に枝分かれし た系がジェイ・ピー・タム(J.P.Tam)[Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85、54 09-5413(1988年)]によって使用された。これらの抗原は種々の疾病に対するワク チンを産生させるように設計された。特に、HIV感染に対するワクチンを産生 させる抗原はPCT出願第WO93/03766号にタムが記載しており、そして本質 的に配列IGPGR(アミノ酸に関するIUPAC協定の一文字表記)を含み、 有用な免疫応答を発揮するのに有効な配列は11個のアミノ酸長の配列である。同 上の13頁、29-31行。しかしながら、このような抗原は疾病に対する可能性のあ る直接的な治療方法と考えられているのではなくて、身体の免疫学的応答を誘発 するように意図されている。発明の要約 本発明にはHIV感染患者を治療するための方法及びペプチド構築物とその製 法が含まれる。本発明の方法によれば、治療投与用の多分岐ペプチド構築物は2 から64個までのペプチドと結合したコアマトリックスを含み、上記の各ペプチド は0から4個までのアミノ酸残基が先行しており、2から4個までのアミノ酸残 基が後に続いているアミノ酸配列GPGR(Gly Pro Gly Arg)を含んでいる。図面 図1は、HIVとCD4+又はCD4-細胞について提案される結合メカニズム である。 図2は、3つの異なるHIV株に関してヒト末梢血リンパ球(PBL)の感染 に与える多分枝ペプチド構築物(MBPC)の効果の試験結果を示したものであ り、3つの異なるMBPCに対するp24の量(pg/ml)又は逆転写酵素(RT) 活性をプロットしており、1はなし;2は[GPGRAF]8−多リジン核(ML C);3は[R KSIHIGPGRAFYT]4−MLC; 4は[PPYVEPTTTQC]4−M LCである。 図3は、ヒトマクロファージ感染に対するMBPCの試験結果であり、MBP Cをp24の量(pg/ml)に対してプロットしている。5つの異なるMBPCを使 用しており、1はなし; 2は[GPGRAF]8-MLC; 3は[GPGRAF]8− MLCD;4は[GPG(R)DAF]8−MLC; 5は[RKSIHIGPGRAFY T]4−MLC; 及び6は[PPYVEPTTTQC]4−MLCである。 図4Aは、MBPCなしで感染させた培養物における合胞体形成を示している 。 図4Bは、[GPGRAF]8−MLCで処理したマクロファージでは合胞体が 形成されていないことを示している。 図5Aは、GalCerレセプターを介したヒト上皮細胞感染に与えるMBPCの 効果を示す。 図5Bは、GalCerレセプターに対するgp120の結合を阻止するMBPCの能 力を示す。 図6A、6B、7A、7B及び7Cは全て、より長いMBPCで免疫化したウ サギ血清と比較したとき、短いMBPCで免疫化したウサギ血清は相対的に活性 がないことを示している。発明の詳細な説明 I 構造 本発明は、HIV感染並びにHIV感染の拡散及び拡大を阻止できる多分枝ペ プチド構築物(MBPC)に関するものである。MBPCはペプチドが共有結合 しているコアマトリックスを有している。コアマトリックスは天然(in nature) で枝分かれしており、好ましくはその各分枝が同一である樹枝状ポリマーである 。このコアマト リックスは、末端官能基を有する分子分枝が共有結合している少なくとも2つの 官能基を有するコア分子に基づいている。適当なコア分子にはアンモニア又はエ チレンジアミンが含まれる。適当な分子分枝には、コア分子上で重合化されてい るアクリル酸エステルモノマーが含まれる。このような分子は、コア分子から技 分かれしたモノマーの数に依存して種々の分技数を提供するように創製すること ができる。2から64個の分岐、好ましくは4から16個の間の分岐を有するMBP Cが本発明で使用されるように意図されている。 コアマトリックスを形成するために使用される代表的な例はリジンである。中 心リジン残基を2個のリジン残基に、各々のカルボキシル基を介して中心リジン 残基のアミノ基の1つに結合させる。これによって4個のアミノ基を持つ分子が 提供され、これは4個のペプチドを有するMBPC用のコアマトリックスとなる ことができる。或いは、リジン残基のカルボキシル基を介して4個のリジン残基 を中心リジンに結合しているリジン残基のアミノ基の1つに結合させることによ って8個の分技を有する分子を提供することができる。この分子は8個のペプチ ドを有するMBPC用のコアマトリックスとして役立つか、或いは8個のリジン 残基を受け入れて16個のペプチドを有するMBPC用のコアマトリックスを形成 することができる。容易に理解されるように、より大きいMBPC、例えば32個 の分技を有するMBPCを、必要に応じて同様に構築することができる。 ペプチドのC末端をコアマトリックスの各分岐と共有結合させてMBPCを形 成させる。これらのペプチドは、好ましくは同一であることができ、又は互いに 異なっていることができる。得られた分子は表面のペプチド集団と、表面に出ず 、それ故抗原とならない内部コアマトリックスを有する。本明細書で意図されて いるペプチド と異なるペプチドを有する類似構造の例についてはジェイ・ピー・タム[Proc.N atl.Acad.Sci.USA、85、5409-5413(1988年)]並びにタムに付与された米国特 許第5229490号及びそこで引用された参照文献を参照されたい。 スペーサーは、所望の場合、ペプチドとコアマトリックスの間に含めることが できる。最初のリジン残基のカルボキシル基は遊離のままであるか、アミド化さ れているか又はβ−アラニン若しくは別の封鎖化合物と結合していることができ る。 ペプチドにはD又はL−アミノ酸残基を含めることができる。Dアミノ酸の方 がペプチダーゼによって切断され難いのでインビボではより長く持続するが、L アミノ酸は、以下で考察するように、より良い活性を有している。 更に、ペプチド類似体、即ちペプチドの炭素骨格を使用しているが−CONH −ペプチド結合を有していない合成構築物をペプチドの代わりに使用することが できる。かくして、本明細書でペプチドと言うときには、ペプチド類似体も含め るように考えていると理解すべきである。ペプチド類似体の方がペプチダーゼに 対して耐性であり、そしてインビボでより長く持続すると考えられる。 本発明のMBPCにはHIV−1ウイルスの表面エンベロープ糖タンパク質gp 120のV3ループから誘導されるペプチドが含まれ、そして該ペプチドから得ら れるコンセンサスアミノ酸配列GPGR(IUPACの一文字アミノ酸表記、即 ちGly−Pro−Gly−Arg)が含まれる。上記MBPCは種々の細胞タイプのヒ ト細胞培養物中でHIV感染を阻止するのに有効である。この阻止はウイルス株 には関係がなく、HIV−2株に対してさえ有効であると思われる。かくして、 上記MBPCは全く驚くべき治療特性を有している。 対応するモノマーペプチドは治療効果を有していないことに注目 すべきである。この差は、コアマトリックスがペプチドのコンホーメーションを 変化させるために生じると思われる。特異的に、かつ予想されなかったことに、 GPGRモノマーがコアマトリックスに結合しているとき、ペプチド中のGPG Rの後の2個のアミノ酸が折り曲がることが見出された。それ故、コアマトリッ クスに結合したペプチド中のGPGRの後に続く少なくとも2個のアミノ酸残基 が存在することが好ましい。しかしながら、ペプチドが長すぎる場合、MBPC は抗原性となるので、GPGR配列の後に4個より多いアミノ酸を有し、該配列 の前に4個より多いアミノ酸を有していることは望ましくない。それ故、ペプチ ドは12個もしくはそれ以下のアミノ酸を有しているであろう。 HIV−1及びHIV−2レトロウイルスによる感染の阻止に活性を示す特定 のMBPCには以下のものが含まれ、これらをアミノ酸のIUPAC表記法を使 用して記載する。 β−アラニンに接続する上記で示したOH末端は、そのカルボキシル基を示し 、アミノ基はリジン残基のカルボキシル基と結合している。NH2末端はβ−ア ラニンのカルボキシル基が修飾されてカルボキサミド末端を形成していることを 示し、β−アラニンは、そのアミノ基がリジン残基のカルボキシル基と結合して いる。以下に 記載する実施例では、OH体を使用した。 所望の治療効果を有するためにペプチドはコンセンサス配列GPGRを含有す べきであるが、例えばIGPGR又はIXXGPGR(式中、Xは任意のアミノ 酸残基である)のように、GPGRの前にイソロイシンのコンホーメーション配 列が含有されたり、V3ループからイソロイシンのコンホーメーション配列が含 有されたりすると、IGPGR配列を含有するペプチドが12個又はそれより少な いアミノ酸残基のものであるとき、MBPCが治療処置として殆ど有効でなくな るか、又は無効になることが見出されているので、本発明で使用するには好まし くない。GPGRに先行する3個のアミノ酸のなかにイソロイシン(I)が存在 している配列は比較的保持(conserve)されている配列であり、HIVゲノムの約 98%に見られるが、驚くべきことに、望ましくないことが発見された。 IGPGR又はIXXGPGR配列を含有するMBPCは好ましくないにも拘 わらず、このペプチド配列を有するMBPCは、複製されたペプチドが12個のア ミノ酸残基より長い場合、合胞体の形成を阻止することが見出された。例えば、 合胞体の形成を阻止するこのようなより大きいMBPCの1つは、4つに枝分か れしたMBPCの各分枝に結合したペプチドがRKSIHIGPGRAFYTで あるMBPCである。しかしながら、このような大きいMBPCは、このような 大きい分子が、たとえ低濃度(10-4M)であっても抗体を誘発し、HIV感染患 者の抗体によって認識され、阻止されることが示されており、そしてこれら両方 のためにHIV感染患者に長期間に亘って上記MBPCを使用できなくなること が示されているので、望ましくない。これらのMBPCはまた、それらの有効濃 度に近い濃度で細胞培養物に対して毒性を示す。更に、これらMBPCの大きさ のためにMBPCの構築が困難、かつ高価となり、プロ テアーゼ分解に対して一層感受性となる。 それ故、本発明は2から64個まで、好ましくは4から32個までのペプチドが結 合しているコアマトリックスを含むMBPCを提供し、その際各ペプチドは0か ら4個までのアミノ酸残基で先行され、2から4個までのアミノ酸残基で後続さ れている配列GPGRを含んでいる。好ましくは、該ペプチドはIGPGR又は IXXGPGR(式中、Xはアミノ酸残基である)のような、Gの前の3個のア ミノ酸の中にIの配列を含むべきでない。好ましくは、8又は16に枝分かれした コアマトリックスに結合したペプチドはGPGRAFである。しかしながら、A Fはペプチダーゼの影響を受け易く、それ故インビボで分解し易いように思われ るので、置換されたアミノ酸が同一の特性を有する場合、AFを置換することは 可能であり、望ましいと考えられる。 II MBPCの調製 MBPC構造の製造、即ちペプチドが結合している技分かれしたコア(これは 、これまで多抗原性ペプチド(MAP)と称されていた)の製造は当該技術分野 で既に知られている。タム等、J.Immun.148、914-920(1992年)及びワン(Wang) 等、Science、254、285-288(1991年)参照。好ましくは、少量(1キログラム未 満)では、固相法を使用してMBPCを得る。ペプチド鎖の段階的組立ては4− (オキシメチル)−フェニルアセトアミドメチル コポリ(スチレン−1%ジビ ニルベンゼン)上で自動的に実施することができる。ヒドロキシベンゾトリアゾ ール活性エステル(Boc−アミノ酸−OBt)との系統的ダブルカップリングスキーム を含むBoc/ベンジル法を使用することができる。樹脂からの最終分離は無水フッ 化水素を用いて実施する(0℃で1時間)ことができる。次に、MBPCをジエ チルエーテルで洗浄し、水に溶解する。凍結乾燥後、MBPCを0.1N酢酸で平 衡化したP2又はG15タイプの分子ろ過カラムで予め精製することができる。次 に、溶出フラクションを回収することができる。精製段階は、C8又はC18逆相 HPLCを使用して達成される。MBPCは、酸加水分解(6NHCl、115℃ 、24時間)及びエレクトロスプレーマススペクトル法によるアミノ酸含量によっ て特徴を決定することができる。 III 治療効果及び用途 本発明は、2から64個まで、好ましくは4から32個までのペプチドが結合して いるコアマトリックスを含むMBPCを患者に投与するHIV感染の治療方法を 提供し、その際各ペプチドは0から4個までのアミノ酸残基で先行され、2から 4個までのアミノ酸残基で後続されている配列GPGRを含んでいるが、好まし くは配列IGPGR又はIXXGPGR(式中、Xはアミノ酸残基である)では ない。MBPCは、10-3Mから10-7Mの間、好ましくは約10-6Mの血清値で投与 すべきである。 本発明に従って製造されるMBPCはHIV感染とHIV誘発細胞変性効果の 両方をインビトロで阻止し、そしてその結果宿主生物内のウイルス増殖及びウイ ルス拡散を阻止することができる。 本発明に従って製造されるMBPCはウイルスエンベロープ−細胞膜融合段階 、そしてまた合胞体形成に必須の感染細胞膜−非感染細胞膜の融合段階も中和し 、これらの段階はいずれも細胞感染、宿主生物内でのウイルス増殖及びウイルス 拡散に不可欠であると考えられる。MBPCは、明らかにCD4レセプターのC DR3ドメインに結合することによって、HIVの89.6株を含有しているリンパ 球やマクロファージのような細胞に存在するCD4レセプターを遮 断することができる。かくして、本発明のMBPCはHIV−1とHIV−2に よって誘発される合胞体の形成を遮断し、そしてヒト末梢血リンパ球(PBL) やマクロファージの感染を阻止する。このような遮断は細胞が他の抗原又は分裂 誘発因子により活性化される能力を喪失させない、即ちリンパ球の機能性はMB PCによって保持される。 リンパ球の機能性の保持がなされるならば、人為的エイズの潜在的な問題は本 発明で回避される。それ故、本発明のMBPCが、T細胞を活性化するレセプタ ーではなく、融合レセプターに結合していることは、HIVに対するこれまでの いかなる治療法を超える1つの主要な進歩である。 HIV感染の予防に加えて、本発明のMBPCは処置前に感染している細胞内 のHIV産生を抑制することが示されている。 本発明のMBPC、そして特に、好ましい8×GPGRAF及び16×GPGR AFMBPCの全く予想されなかった1つの特性は、これらMBPCがHIVの レセプターであるGalCerレセプターに結合する能力を示したことである。この レセプターは結腸上皮細胞及び中枢神経系CD4-細胞中に存在することが示さ れている。この結合によって、MBPCは関連の少ないHIV−1とHIV−2 の両単離体によるヒト腸細胞の感染を阻止する。 本発明のMBPCのもう1つの利点は、これらMBPCが囓歯類、ウサギ及び サルで高投与量で非毒性であり、そしてそれ故治療的に使用されたとき、現在の 多数のエイズ治療法とは対照的に、患者に危害を与えないことが見出されたこと である。 本発明のMBPCのもう1つの利点は、これらMBPCが10-4M又はそれ未満 の濃度で免疫原性でなく、それ故、V3ループから誘導されたペプチド又はそれ らの構築物に関する全ての先行技術の方 法とは異なって、ワクチンでないことである。MBPCの免疫原性欠如は、免疫 反応によってMBPCを阻止するか又は破壊する抗体が生じるので有利である。 上記したRKSIHIGPGRAFYTのような免疫原性MBPCは、同一の個 体に2,3回しか使用できず、そしてその後このMBPCは無効になるであろう 。 A CD4レセプターの遮断 実験データは、本発明のMBPC、特にMBPC.3及びMBPC.12による、 CD4+細胞のHIV感染過程に与える特異的な阻止効果及びHIV−1及びH IV−2誘発性合胞体形成の総合的な遮断を証明している。インビトロで阻止効 果が観察されたMBPC濃度はMBPC.3及びMBPC.12で約10-6M、他のM BPCではより高い濃度である。中和は試験した全てのHIV株、即ちHIV− 1のMN、Lai、NDK及び89.6並びにHIV−2のRodで観察された。対照的 に、MBPCで使用した個々のペプチドフラグメントは、非常に高濃度、例えば 5×10-4Mでさえ、合胞体形成阻止に対して不活性である。 かくしてMBPCは、細胞感染に必要な結合後の現象、即ち融合段階に関与し 、そしてV3ループが相違している関連の少ないHIV−1及びHIV−2単離 体によって使用される細胞分子と相互作用することができる。この仮定上のV3 結合部位の良好な候補はCD4のV1領域のCDR3ドメインである。その理由 は、i)この領域に特異的な抗CD4抗体(例えば、13B8-2)がHIV−1感染中 の融合過程を遮断し、ii)CDR3由来の合成ペプチドが融合アッセイで或る程 度の阻止効果を有しており、そしてiii)MBPCがCD4のCDR3ドメインに 対応する合成ペプチドを認識するからである。 本発明のMBPCはウイルスエンベロープの結合を変化させることなくリンパ 球に結合し(CDR2ドメインを介して)、そして一方HIV感染効果を防止す る。MBPCは可溶性CD4にも結合する。それ故、MBPC結合は可溶性CD 4の存在下で阻止される。 自然環境下での領域特異的な抗CD4抗体とCD4レセプター間の相互作用に 与える本発明のMBPCの効果を試験した。マクロファージで発現されたCD4 に対する抗CDR3モノクローナル抗体(MAb)13B8-2の本来的(in situ)結合 は本発明のMBPCの存在下で劇的に、かつ特異的に低下した。gp120結合部位 を認識する抗CD4MAb(Leu3a及びOKT4aMAb)を含む他の抗CD4MAbの 結合は、MBPCの非存在下と存在下で同一であった。これらのデータは、MB PCがCD4のCDR3領域に結合し、その結果、少なくとも1部、gp120V3 ループとCD4のこの領域間の相互作用を遮断することによって作用することを 証明している。 HIV−1のV3ループは、HIV−1とその標的細胞間の融合過程の重要な 決定基であると考えられているにも拘わらず、本発明までは未だこの特性を治療 的に使用することは可能になっていなかった。この主な理由は、V3がHIV− 1単離体間で高度の多様性を示す高可変領域であるということである。抗V3中 和抗体は一般的にタイプ特異性であり、そして最良の場合でも密接に関連した単 離体しか中和することができない。本発明のMBPCは、細胞を標的とし、ウイ ルス決定基を標的としないので、該MBPCはエンベロープ可変性に固有の問題 を迂回する。それ故、本発明で使用されるMBPCは、HIV−1V3ループの コンセンサス配列から誘導されるけれども、非常に多様性のHIV−1(NDK )を含む種々のHIV−1株、そして更には関連のないHIV−2ROD株も中 和することができる。驚くべきことに、本発明のMBPCは、AZ Tに耐性の株、J−1を含む初期HIV−1単離体、即ち患者から直接集めた単 離体による感染を阻止することも見出された。 以下の実施例は、HIV感染に関して本発明のMBPCの有効性、利用性及び 用途の広範さ、並びにこれらMBPCとCD4+リンパ球及びマクロファージと の結合及び融合を説明するものであって、限定を意図するものではない。実施例1 合胞体形成遮断 細胞は、5%ウシ胎児血清、1%グルタミン、1%ストレプトマイシン−ペニ シリンを補充したRPMI1640培地(スコットランドアービンのGibco)中、5% CO2を有する湿潤化雰囲気下で培養した。CEM又はC8166細胞はHIV−1 Lai、HIV−2 Rod又はHIV−1 MNでそれぞれ長期に感染させた。感染 細胞(1×104個)は種々の濃度のMBPCと共に96ウェルのプレート中で2時 間インキュベートした。次に、感染していないMolt−4細胞(4×104個)を10 0μlの培地に加えた。合胞体は37℃で18時間後に計数した。結果は下記の表に示 す。 MBPC.4は(IGPGRAF)4−(K)2−K−βA−OHである。Mono.3はヘ キサペプチドGPGRAFであり、MBPC.5はテトラデカペプチドMBPC( RKSIHIGPGRAFYT)4−(K)2−K−βA−OHである。MBPC.3 は上記で述べたとおりである。合胞体の存在は、計数した量に概ね比例して配分 した+印で示す。 MBPC.3は、HIVによって誘発された合胞体形成に対して約10-6Mの濃度 でインビトロ阻止効果を示し、そしてMBPC.5は僅かに高い濃度で阻止効果を 示した。MBPC.12(結果は示していない)はMBPC.3の結果に類似した結 果を示した。比較すると、モノマ一体Mono.3は全体的に不活性であり、このこ とは10-4Mのより高い濃度のMono.3でも確認されている。実施例2 PBLの感染防止 RT−欠失HIV−1(IIIB)単離体で長期感染させた50×103個の8E5細胞 を、96ウェルのプレート中で表示したペプチドの存在下で150×103個のフィトヘ マグルチニン(PHA)剌激ヒト末梢血リンパ球(PBL)と共培養した。使用 したMBPCは、MLCと呼称されるコアリジンマトリックスに結合したペプチ ドとペプチド数によって記載する。この実験で使用したアミノ酸は全て右旋性で あった。 MBPCの化学合成は上記したようにして固相技術で行った。ペプチド鎖は最 適のt−ブチルオキシカルボニル/ベンジル化学を使用して4−(オキシメチル) −PAM樹脂上で段階的に延長した。精製MBPCのアミノ酸分析は推定される アミノ酸比率と一致した。 [GPGRAF]8−MLCはエレクトロスプレーマススペクトル法によって更 に特徴化した(実験的Mr=5672Da)。 合胞体数はペプチドの継続的な存在下での24時間インキュベーシ ョン後に測定し、そしてこれらの結果は下記表3に示す。表中、+++は、ウェ ル中に存在する合胞体数が未処理対照ウェルと類似していたことを示し、−はウ ェル中に合胞体が全く存在していないことを示し、±はウェル中に少数の合胞体 がまれに存在していたことを示す。この試験での合胞体形成は抗CD4抗体OK T4A(抗CDR2)及び13B8-2(抗CDR3)によって遮断され、これまでの 報告と一致した。コアリジン構造(「MLC」と称する)自体はこの試験で合胞 体形成を誘発しなかった。毒性はMTTアッセイ(以下に記載する)か又はトリ パンブルー排除技術のどちらかで評価した。 これらの実験条件下で、[GPGRAF]8−MLCは5×10-7Mほどの低濃度 で合胞体形成の著しい阻止を誘発し、一方対応するモノマーペプチドGPGRA Fは使用した濃度範囲(5×10-5M)で活性でなかった。N末端のアセチル化( [Ac−GPGRAF]8−MLC)、イソロイシン(I)残基の付加([IGPG RAF]8−MLC)及びGPGRAF配列へのD−アミノ酸の導入によって活性 が顕著に失われた。6個より少ない残基を有するMBPC(即ち、 [GPGRA]8−MLC又は[GPGR]8−MLC)並びに非関連配列を有するM BPCは細胞融合を阻止せず、コアマトリックスが生物学的活性に関与していな いことを示していた。 [RKSIHIGPGRAFYT]4−MLCは5×10-6Mの濃度で合胞体形成 を阻止することができた。GPGRAFモチーフに先行するイソロイシン残基は HIV−1単離体のなかで高度に保持されているので、イソロイシンの代わりに リジン又はスレオニンを用いて2つの関連構築物を合成した。これら3つの構築 物の抗融合活性に顕著な差異は見られなかった。しかしながら、[RKSIHI GPGRAFYT]4−MLC及びその誘導体は、5×10-5Mの濃度で使用したと き8E5細胞で毒性を幾らか誘発したので、ヒト治療法で使用するには望ましくな いことに注目すべきである。 これらの結果に基づいて、より強力な抗HIV MBPCは[GPGRAF]8 −MLCであるように思われた。別の試験で、この分子はHIV−1(LAI)、 HIV−1(NDK)又はHIV−2(ROD)で長期に感染させたTリンパ芽球様C EM細胞とHTLV形質転換MT−2細胞間の融合を阻止することもできた。実施例3 リンパ球の機能性に与えるMBPCの効果 a)抗原及び分裂誘発因子誘発細胞増殖に与えるMBPCの影響 3人の健常なHIV血清反応陰性ドナーから得た末梢血リンパ球(PBL)は 、フィコール・ハイパク技術によってヘパリン添加血液から単離した。培地は1 %グルタミン、1%抗生物質及び10%加熱不活性化ウシ胎児血清を補充したRP MI1640培地であった。細胞(105個)は、抗原(カンジジン、PPD)又は分 裂誘発因子(PHA)と共に又はこれらを用いないでMBPC(5×10-6M)の 存在下でインキュベートした。抗原又は分裂誘発因子で処理した細 胞は、1mCiの[3H]チミジンを8時間パルス投与した。次いで、細胞を採取しそ してDNA中の[3H]チミジン取込みを計数した。 b)混合リンパ球応答(MLR) このアッセイでは、3人の健常ドナーから得た末梢血リンパ球(105個)を、 微量滴定プレートウェル中で種々の濃度のMBPCの存在下又は非存在下で200 μlの最終容量で10人の血清反応陰性ドナーの混合物から得た105個の細胞と共に インキュベートした。リンパ球混合物は6日目に1μlの[3H]チミジンを8時間 パルス投与した。細胞を採取し、DNA中への[3H]チミジン取込みをベータカ ウンターで計数した。結果は、最初の試験で述べたMBPC.5と共に下記表4に 示す。 細胞のチミジン取込みは、処理プレートと対照プレートで類似している。PB Lの機能性が否定的な影響を受けていた場合、細胞再生産のマーカーであるチミ ジンの取込みはMBPC処理プレートでかなり増加したであろう。かくして、こ れらの結果は、PBLが抗原又は分裂誘発因子に応答する能力を失っっていると きに見られるように、PBLが増殖していないことを示している。実施例4 ヒトPBLの感染に与えるMBPCの効果 末梢血リンパ球(PBL)を健常ドナーから取得し、フィトヘマグルチニンで 剌激し、そして10%ウシ胎児血清及びインターロイキン−2を含有するRPMI 1640(完全培地)中で培養した。6× 106個の細胞/mlの試料は、10-5Mの濃度の指示されたMBPCで処理するか又 は処理しないかのどちらかであり、そしてMBPCを継続して存在させてHIV −1又はHIV−2(100TCID50)に37℃で1時間暴露した。完全に洗浄し た後、PBLは10-5Mの対応するMBPCを有する完全培地中で培養した。感染 状態は、RT活性を測定すること(HIV−1及びHIV−2単離体の両方につ いて)によって、またHIV−1単離体の場合には、感染10日後にHIV−1 p24gag測定(Coulter kit、10pg/mlでカットする)によって評価した。使用し たMBPC処理は次のとおりであった: 1 なし; 2 [GPGRAF]8−ML C; 3 [RKSIHIGPGRAFYT]4−MLC; 4 [PPPYVEPTT TQC]4−MLC(非−HIV関連MBPC)(MLCはコアリジン構造を示す )。図2に示した結果は3つの別個の実験を表わす。使用したウイルス単離体の 性質は、PCR(HIV−1対HIV−2単離体)で、HIV−1(LAI)と HIV−1(NDK)間の区別に関してはRIPAによって調べた。 [GPGRAF]8−MLC及び[RKSIHIGPGRAFYT]4−MLC処理 は、培養上清液中の逆転写酵素(RT)活性の測定によって評価するとき、ウイ ルス子孫の産生遅延を一貫して生じさせた: 感染後10日目及び13日目に、RT活 性はMBPC処理試料では対照試料より90%以上も低かった。ペプチドはRTア ッセイを妨げなかったので、上記の活性はMBPC誘発性のウイルス産生阻止と 一致する。ウイルス産生後に培養上清液中のp24gag濃度を測定したとき同様な 結果が得られた。HIV−2感染の阻止については、[RKSIHIGPGRA FYT]4−MLCは[GPGRAF]8−MLCより能力が低かった。V3ループ から得られるコンセンサス配列を含有していないMBPCはPBLの感染を阻止 しなかった。実施例5 マクロファージにおける合胞体形成のMBPC阻止 MBPCは、高度に細胞変性のマクロファージ向性単離体、HIV−1(89.6 )によるヒト原始マクロファージの感染を遮断する能力についても評価した。単 核細胞は、フィコール・ハイパク密度分離によって単細胞に富む白血球泳動ユニ ットから単離した。マクロファージは10%ウシ胎児血清及び5%ヒトAB血清を 補充したRPMI1640培地中でプラスチックに付着させて精製した。付着細胞は 、GM−CSF(1ng/ml)の存在下で5日間培養し、ヒトマクロファージマー カー(Boehringer Mannheim、クローン25F9)について陽性であった。5×105 個の細胞を、5×10-5Mの濃度の指示されたMBPCで45分間処理し、そしてそ の後10,000TCID50のマクロファージ向性単離体HIV−1(89.6)に暴露した 。使用したMBPCは次のとおりであった: 1 無し;2[GPGRAF]8−ML CD; 4 [GPG(R)DAF]8−MLC; 5 [RKSIHIGPGRAFYT]4 −MLC; 6 [PPPYVEPTTTQC]4−MLC、その際アミノ酸はD体 であると記載しない限りL体である。完全に洗浄した後、細胞に再度培地を与え 、そして感染4日後にHIV−1 p24gag産生及び合胞体形成について分析した 。結果は、p24の量(ng/ml)に対してMBPCをプロットして図3に示す。図 3に示したように、ウェル当たりの相対的な合胞体数(+++は阻止なし; ++ は50%阻止; ±は>95%の阻止を示す)はp24gagの濃度と相関関係にあった。 図4Aに示したマクロファージは未処理対照であり、感染培養物中での多数の 合胞体の存在を示している。図4Bに100倍で示される、[GPGRAF]8−ML Cて予め処理したマクロファージは巨大細胞が非常に少ないことを示した。[R KSIHIGPGRAFYT]4−MLC及び[GPGRAF]8−MLCは、i) MBPCの 存在下で10,000TCID50のHIV−1(89.6)に暴露したマクロファージ培養物 における可視性の細胞変性効果の大きな低下並びにii)培養上清液におけるHI V−1 p24gag濃度及びRT活性の測定によって評価したとき、感染を阻止する ことができた。対照MBPCはHIV−1(89.6)によるマクロファージの感染率 に顕著には影響を与えなかった。興味深いことに、[GPGRAF]8−MLCD( 即ち、D−アミノ酸残基を有する[GPGRAF]8−MLC)及び[GPG(R)D AF]8−MLCは[GPGRAF]8−MLCよりマクロファージ感染に対する活 性が顕著に低かった。 B GalCerレセプター 本発明のMBPC、特にMBPC.3及びMBPC.12並びにこれらの誘導体は 第2のレセプター、ガラクトシルセラミドレセプター(Harouse等、Science、25 3 、320-323参照)にも結合し、そしてヒト結腸細胞に対するHIVの感染性を完 全に遮断する。対応するモノマーペプチドはこのレセプターに対して不活性であ る。 MBPC中でGPGRAFペプチドを使用して腸細胞のGalCer感染経路の全 体的な遮断を得るためには、MBPCの重合度は少なくとも8でなければならな い。これは、GalCer認識に対するV3ループのコンホーメーション要求がCD 4のCDR3ドメインへの結合に対する要求より厳格であることを示唆している 。CDR3は酸性の領域(融合過程に必須であると報告されている87位にグルタ ミン酸残基を含んでいる)であり、そしてこの領域は多分静電的相互作用によっ てV3ループの塩基性アミノ酸と相互作用する。対照的に、gp120結合に関与す ることが知られているGalCerのガラクトースヘッド基は中性極性であるので、 最適に相互作用するためにはV3構造で原子の別の空間配置を必要とする可能性 がある。かく して、CD4経路のHIV感染を遮断する治療法がGalCerレセプターとも作用 することは驚くべきことである。 MBPCの活性は次のようにしてこの代替的感染経路に対して評価した: HT −29細胞(5×105個の細胞)をMBPC(5×10-6M)と共に45分間インキュ ベートし、その後100TCID50のHIV−1(LAI)、HIV−1(NDK)又は HIV−2(ROD)に37℃で1時間暴露した。残っている接種物を3連続トリプ シン化で不活性化し、感染は次のようにして評価した: i)培養上清液中のHIV−1 p24gag(HIV−1単離体について)及びR T活性(HIV−1及びHIV−2単離体について)の直接測定; ii)ヒトPBLとの共培養。細胞は次のようにしてMBPCで処理した:1 無し: 2 [GPGRAF]8−MLC; 3 [GPGRAF]8−MLCD;4 [G PG(R)DAF]8−MLC; 5 [GPGRAF]16−MLC; 6 [RKSIHI GPGRAFYT]4−MLC; 及び7 [PPPYVEPTTTQC]4-MLC、 その際他に記載しない限りアミノ酸は全てL体である。HIV−1(NDK)に よる感染に対応する図5Aに示した結果は別個の3つの実験の代表例であり、使 用したMBPCはX軸の数字で示される。p24gag(pg/ml)の濃度はPBLと の共培養実験中に測定した(+++は感染10日後に>10ng/ml; ++は感染13日 後に>1ng/ml; +は感染16日後に>1ng/ml; −は感染1ヶ月後に検出可能な p24gagなしを示す。)。HIV−1(LAI)及びHIV−2(ROD)で同 様な結果が得られた。 同じMBPCによる別の実験で、GalCerに対するgp120の結合に与えるMB PCの効果を、高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)結合アッセイを使 用して分析した。MBPC(10-4M)を GalCerと共に室温で1時間予めインキュベートした。完全に洗浄した後、HP TLCプレートをHIV−1組換え体gp120(2.5μg/ml)、続いてウサギ抗gp120 及び125I−ヤギ抗ウサギIpGと共にインキュベートした。これらのプレート をPBS中で洗浄し、アマーシャムハイパーフィルム(Amersham hyperfilm)M Pに8時間暴露した。図5Bに示されるように、活性MBPCでHT−29細胞を 処理すると、細胞はHIV−1(NDK単離体)による感染から保護された。こ の抗ウイルス効果は、活性MBPCがGalCerに対するgp120の結合を遮断する 能力と相関関係があった。モノマーV3ペプチドも対照MBPCも抗ウイルス活 性を示さず、GalCerに対するgp120の結合を阻止しなかった。 それ故、本発明は更に、各々がHIV−1ウイルスの表面エンベロープ糖タン パク質gp120のV3ループから誘導される2から64個(好ましくは4から32個) のペプチドが結合しているコアマトリックスを含むMBPCを提供し、このMB PCはCD4+/GalCer-及びCD4-/GalCer+細胞でHIVウイルスの感染 性を阻止することができる。 C.抗原性、毒性及び免疫原性 本発明のMBPCは、ヒトPBLに対してはインビトロで又は10-3Mの濃度の MBPCを腹腔内、静脈内又は皮下的のいずれかで反復注入したマウスに対して はインビボで毒性でない。1mgのMBPCの反復投与量を腹腔内及び静脈内に投 与したマウスは副作用を何も示さなかった。更に、5mg/kgの投与量を1回静注 し、その後毎日皮下注射したサル(macaca sylvana)は30日後に毒性効果の徴候 を何も示していなかった。更に、[GPGRAF]8−MLCを注射したウサギ及 びマウスは抗GPGRAF抗体の有意な力価をもたら さず、ペプチドの各分枝のアミノ酸残基が10個未満であるMBPCは意図された 使用濃度の10-3M未満の濃度で免疫原性でないという概念と一致していた。更に 、インビトロでは、PBLは他の抗原又は分裂誘発因子によって活性化される能 力を保持している。 1.抗原性 MBPCの免疫原性に関する酵素免疫検査法(エリザ法) MBPC.1、MBPC.2及びモノマーV3コンセンサスペプチドを、HIV− 1+血清又はHIV−1-血清に対する免疫反応性についてエリザ法で試験した。 この試験で、MBPC.2は(RKSIHIGPGRAFYT)4−(K)2−K−βA −OHであり、MBPC.1は(GPGRAF)8−(K)4−(K)2−K−βA−OH である。血清の陽性は先ず、血清/血漿中の抗HIV−1抗体を検出するために NEWLAV−BLOTキット(Diagnostic Pasteur)を使用してウェスターン ブロット分析で確認した。96ウェルの微量滴定プレートを500ng/ウェルのペプ チドで被覆した。飽和させ、洗浄した後、50μlのHIV−1+血清(1/100希釈 )を37℃で2時間添加した。パーオキシダーゼ結合ブタ抗ウサギIpGを用いて 染色した。30個のHIV−1陽性血清及び3個のHIV−1陰性血清を、北アメ リカ人/ヨーロッパ人のコンセンサス(V3 Cons)配列から誘導されたV3ペプ チド及びV3MBPCに対してエリザ法で比較分析した。結果は下記表5に記載 する。 30個のHIV−1陽性血清のうち、26個はV3Cons及びMBPC.2と強く反 応し、1個は両ペプチドと弱く反応し、1個はMBPC.2と選択的に反応し、そ して2個の血清はこれらペプチドのいずれとも反応しなかった。 興味深いことに、MBPC.1はHIV−1陽性血清のいずれとも 反応しなかった。MBPC.2と比較するとき、MBPC.1はHIV−1及びHI V−2感染の遮断で一層有効であり、毒性が少ないことが示された。MBPC.1 がHIV−1陽性血清によって認識されないということは、このMBPCが抗V 3抗体の中和活性を妨げ得ないことを示唆している可能性がある。それ故、これ らは相乗的に作用してHIV−1感染を中和することができよう。 2.毒性 MTTアッセイ、即ち3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]2,5−ジフェ ニルテトラゾリウム ブロミドを使用する細胞生存性比色分析アッセイを使用し て細胞の生存性に対するMBPCの効果を評価した。CEM又はC8166細胞(5 ×104個)は、5%ウシ胎児血清、1%グルタミン、1%ストレプトマイシン− ペニシリンを補充した200μlの最終容量のRPMI1640培地(スコットランドア ービンのGibcoから入手可能)中5%CO2を有する湿潤化雰囲気下96ウェルの微 量滴定プレート中種々の濃度のMBPCの存在下で連続(15日)培養した。3乃 至4日毎に、100μlの細胞懸濁物についてMTTアッセイを実施し、そして細胞 培養物にMBPCを加え、容量を200μlとした。10-7から10-4Mの濃度の[GP GRAF]8−MLCは、この試験では細胞に対して毒性でなかった。他の結果は 上記表3に示す。表に示されているように、IGPGR配列を含有するテトラデ カペプチドMLCは毒性であるので、本発明で意図される治療用途には適切でな い。 3.抗原性−MBPCに関する免疫原性試験 4匹のC57/BL6ブラックマウスに4mg/mlのMBPC.3を250μl(1mg)36 日間毎日注射した。注射経路は腹腔内であった。血液試料は眼窩下眼穿刺で集め た。血液試料を37℃で1時間、その後4℃で一夜放置し、このようにして得られ た上清液(血清試料)をペレットから分離した。血清はエリザ法で試験し、特異 的な抗MBPC.3抗体を検索した。 更に、2匹のニュージーランドウサギを[GPGRAF]8−MLCで免疫化し た:1mlのPBS、pH7.4中400μgの[GPGRAF]8−MLCを等量の完 全フロイントアジュバントと混合し、0 日目に各ウサギの皮内に注射した。この方法を30、60、90及び120日目に不完全 フロイントアジュバントを用いて皮下に反復注入した。血清はエリザ法で試験し 、特異的な抗MBPC.3抗体を検索した。本明細書に提示したデータは最後の血 清試料(120+7日)のものである。 96ウェルの微量滴定プレート(Nunc、デンマーク国ロッツキルド)は、種々の 濃度の[GPGRAF]8−MLC(50μlのPBS中500から25ngの[GPGRAF ]8−MLC、pH7.4、ウェル当たり)を用いて37℃で2時間被覆した。400μl のカゼイン(5g/100ml)で飽和させた後、種々の血清希釈物を37℃で2時間添 加した。対照は免疫化していないウサギ及びマウスから得た血清であった。洗浄 (5回)後、1:5000のパーオキシダーゼ標識ブタ抗ウサギIgG又は抗マウス IgG(Dakopatts、デンマーク国コペンハーゲン)50μlを37℃で1時間添加し た。更に洗浄(5回)した後、100μlのオルト−フェニレンジアミンを室温で暗 所で30分間添加した。反応は、4N硫酸50μl を添加して停止させ、492/620nm で光学密度(OD)比率を測定した。 下記表6〜10はこれらの結果を記載し、表6は光学密度比率(×103)を使用し てウサギで達成された結果の要約を記載している。Moは10μg/mlのGPGRA Fモノマーである。 結果のいくつかで観察されたバックグランド反応性の量が高いことを考慮して 、MBPC.1で免疫化した血清の非反応性を証明するために更に試験を実施した 。 MBPC.1か又はMBPC.2で免疫化したウサギから得た血清はMBPC.1、 MBPC.2、Mono.1(MBPC.1のモノマー)及び北アメリカ人/ヨーロッパ 人のコンセンサスV3配列(V3 Cons、又はCs)と結合する能力についてエリザ 法で試験した。 図6Aは、MBPC.2で免疫化したウサギから得た血清がMBPC.2及びV3 Consを顕著に認識したが、MBPC.1又はその対応するモノマーペプチドに対 する反応性は観察されなかったことを示している。図6Bは、MBPC.1で免疫 化したウサギから得た血清がMBPC.1(ウサギAから得た血清の弱い反応性 を除く)、MB PC.2、V3 Cons又はMono.1に対して反応しなかったことを示している。陰性 対照として使用した前免疫血清も同様にMBPC、V3 Cons又はMono.1のいず れに対しても反応しなかった。 もう1つの実験セットで、MBPC.1又はMBPC.2のどちらかで免疫化した ウサギから得た血清を種々の濃度のMBPC.1、MBPC.2及びV3 Consに対 して試験した(1/100及び1/1000希釈で)。図7A、7B及び7Cは、MB PC.2で免疫化したウサギから得た血清がMBPC.2及びV3 Consに対して投 与量依存性態様で反応したことを明白に示している。MBPC.1に対する反応性 は検出されなかった。対照的に、MBPC.1で免疫化したウサギから得た血清は MBPC.2に対しては反応しなかったが、MBPC.1に対しては弱く反応した( MBPC.1に対するウサギAから得た血清の反応性は弱く、ウサギBから得た血 清は反応性がなかったことに注意されたい)。興味深いことに、これら後者の血 清はモノマーV3 Cons、即ちgp120に存在するコンセンサス配列に似せた34個ア ミノ酸の直鎖エピトープとは反応しなかった。 これらの結果は、MBPC.1、即ち短いV3 MBPCはウサギで顕著な抗体応 答を誘発しなかったが、MBPC.2、即ち最も長いV3 ペプチド構築物は上記の ような応答を誘発したことを示している。これらの観察は、MBPC.1とHIV −1感染患者血清との免疫反応性の結果と一致している。 10-3Mを反復注入したマウスでは、非常に弱い抗体力価を1:100希釈の血清で 時々検出することができ、そしてより低い血清希釈では抗体は本質的に検出する ことができなかった。ウサギでは、1:100血清希釈の1羽の動物で抗体を検出で きる。他の全ての血清希釈物では、抗体の力価は対照動物で得られた力価に匹敵 している。このような弱い抗原性は、本発明のMBPCが有効な抗体応答を引 き出し得る抗原(これが、これまでに知られているペプチド構築物の用途である )として使用される可能性を有していないことを示している。実際、本発明のM BPCの意図された治療濃度は約10-6Mであり、この濃度では抗体応答は期待さ れない。しかしながら、抗原性がないものとすれば、10-3MまでのMBPCを投 与することができる。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年11月21日 【補正内容】 請求の範囲 1.4から16個までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む多分岐 ペプチド構築物であって、その際上記各ペプチドは0から4個までのアミノ酸残 基が先行しており、2から4個までのアミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配 列GPGRを含んでいるが、本質的にアミノ酸配列IGPGR又はIXXGPG R(式中、Xはアミノ酸残基である)を有していない多分岐ペプチド構築物。 2.各ペプチドが同一である請求項1に記載のペプチド構築物。 3.各ペプチドがGPGRAFである請求項1に記載のペプチド構築物。 4.8又は16個のペプチドGPGRAFが存在している請求項3に記載のペプ チド構築物。 5.コアマトリックスがリジン残基を含むものである請求項1〜4のいずれか 1項に記載のペプチド構築物。 6.コアマトリックスとペプチドの間にスペーサーが存在している請求項1〜 5のいずれか1項に記載のペプチド構築物。 7.すべてのペプチド又はいくつかのペプチドが1個又は複数個の右旋性アミ ノ酸残基を含んでいる請求項1に記載のペプチド構築物。 8.請求項1〜7のいずれか1項に記載の多分岐ペプチド構築物を製薬的に許 容可能な希釈剤又は担体と混合して含んでいる医薬品。 9.2から64個までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む多分岐 ペプチド構築物であって、その際上記各ペプチドは0から4個までのアミノ酸残 基が先行しており、2から4個までのアミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配 列GPGRを含んでいるが、本質的にアミノ酸配列IGPGR又はIXXGPG R(式中、Xはアミノ酸残基である)を有していない多分岐ペプチド構築物。 10.4から32個までのペプチドが結合しているコアマトリック スを含む請求項9に記載のペプチド構築物。 11.各ペプチドが同一である請求項9又は10に記載のペプチド構築物。 12.各ペプチドがGPGRAFである請求項9又は10に記載のペプチド構 築物。 13.8又は16個のペプチドGPGRAFが存在している請求項12に記載の ペプチド構築物。 14.コアマトリックスがリジン残基を含むものである請求項9〜13のいず れか1項に記載のペプチド構築物。 15.コアマトリックスとペプチドの間にスペーサーが存在している請求項9 〜14のいずれか1項に記載のペプチド構築物。 16.ペプチドがペプチド類似体である請求項9に記載のペプチド構築物。 17.すべてのペプチド又はいくつかのペプチドが1個又は複数個の右旋性ア ミノ酸残基を含んでいる請求項9に記載のペプチド構築物。 18.HIVウイルスの表面エンベロープ糖タンパク質gp120のV3ループか ら誘導される、アミノ酸配列GPGRを含んでいるが、アミノ酸配列IGPGR 又はIXXGPGR(式中、Xはアミノ酸残基である)を有していない、2から 64個までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む多分岐ペプチド構築 物であって、該多分岐ペプチド構築物は10-4モル未満の血清濃度で非免疫原性で あり、結合したCD4+/GalCer-及びCD4-/GalCer+細胞の両方でHIVウ イルスの感染性を阻止できる多分岐ペプチド構築物。 19.4から16個までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む請求 項18に記載のペプチド構築物。 20.請求項9〜19のいずれか1項に記載の多分岐ペプチド構築物を製薬的 に許容可能な希釈剤又は担体と混合して含んでいる医 薬品。 21.各ペプチドは0から4個のアミノ酸残基が先行しており、2から4個の アミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配列GPGRを含んでいる、2から64個 までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む多分岐ペプチド構築物の 、HIV感染治療用の医薬品を製造するための用途。 22.各ペプチドは0から4個のアミノ酸残基が先行しており、2から4個の アミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配列GPGRを含んでいる、2から64個 までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む多分岐ペプチド構築物を 患者に投与することを含むHIV感染の治療方法。 23.請求項9〜19のいずれか1項に記載の多分岐ペプチド構築物を患者に 投与することを含むHIV感染の治療方法。 24.請求項20に記載の医薬品を患者に投与することを含むHIV感染の治 療方法。 25.各ペプチドは0から4個のアミノ酸残基が先行しており、2から4個の アミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配列GPGRを含んでいるが、本質的に アミノ酸配列IGPGR又はIXXGPGR(式中、Xはアミノ酸残基である) を有していない、2から64個までのペプチドが結合しているコアマトリックスを 含む多分岐ペプチド構築物の製造方法において、樹脂上でペプチド鎖を固相で段 階的に延長し、続いて該樹脂から多分岐ペプチド構築物を開裂させることを特徴 とする方法。 26.樹脂が4−オキシメチル−フェニルアセトアミドメチルコポリ(スチレ ン−1%ジビニルベンゼン)である請求項25に記載の方法。 27.ヒドロキシベンゾトリアゾール活性エステル(Boc−アミノ酸−OBt )との系統的二重カップリングを含むBoc/ベンジル法を使用する請求項25又 は請求項26に記載の方法。 28.樹脂からの開裂が無水フッ化水素を用いて0℃で実施される請求項25 〜27のいずれか1項に記載の方法。 29.製造されるペプチド構築物が、コアマトリックスに結合した4から32個 までのペプチドが存在している構築物である請求項25〜28のいずれか1項に 記載の方法。 30.製造されるペプチド構築物が、各ペプチドが同一である構築物である請 求項25〜29のいずれか1項に記載の方法。 31.製造されるペプチド構築物か、各ペプチドがGPGRAFである構築物 である請求項25〜30のいずれか1項に記載の方法。 32.製造されるペプチド構築物が、8個又は16個のペプチドGPGRAFが 存在している構築物である請求項31に記載の方法。 33.製造されるペプチド構築物が、コアマトリックスがリジン残基を含んで いる構築物である請求項25〜32のいずれか1項に記載の方法。 34.製造されるペプチド構築物が、コアマトリックスとペプチドの間にスペ ーサーが存在している構築物である請求項25〜33のいずれか1項に記載の方 法。 35.製造されるペプチド構築物が、ペプチドがペプチド類似体である構築物 である請求項25〜28のいずれか1項に記載の方法。 36.製造されるペプチド構築物が、すべてのペプチド又はいくつかのペプチ ドに1個又は複数個の右旋性アミノ酸残基を含んでいる構築物である請求項25 〜28のいずれか1項に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AM,AT,AU,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,HU,JP,KG,KP,KR ,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG, MN,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S E,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 ヤヒ,ヌアラ フランス国 マルセイユ 13009,ブルヴ ァール ド ルドン,83番,ラ ルヴィエ ール,バティマン デー2 (72)発明者 ファニュイエ,エマニュエル フランス国 ラ ヴァレット ドゥ ヴァ ール 83160,アヴェニュー トルテル, 707番 (72)発明者 マブルーク,カメル フランス国 マルセイユ 13300,ブルヴ ァール ジ.デスプラセ,7番 (72)発明者 グルックマン,ジャン・クロード フランス国 パリ 75014,ブルヴァール ドゥ ポン・ロワイヤル,70番 (72)発明者 ヴァン リエショータン,ジュルファース フランス国 エクス アン プロヴァンス 13100,ヴァル ド ラ トルス ダル タニャン ▲II▼(番地なし) (72)発明者 ロシャ,エルヴ フランス国 ミメ 13105,シュマン デ サンジェオン(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.2から64個までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む多分岐 ペプチド構築物であって、その際上記各ペプチドは0から4個までのアミノ酸残 基が先行しており、2から4個までのアミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配 列GPGRを含んでいるが、本質的にアミノ酸配列IGPGR又はIXXGPG R(式中、Xはアミノ酸残基である)を有していない多分岐ペプチド構築物。 2.コアマトリックスに結合した4から32個までのペプチドが存在している請 求項1に記載のペプチド構築物。 3.各ペプチドが同一である請求項1又は2に記載のペプチド構築物。 4.各ペプチドがGPGRAFである請求項1又は請求項2に記載のペプチド 構築物。 5.8又は16個のペプチドGPGRAFが存在している請求項4に記載のペプ チド構築物。 6.コアマトリックスがリジン残基を含むものである請求項1〜5のいずれか 1項に記載のペプチド構築物。 7.コアマトリックスとペプチドの間にスペーサーが存在している請求項1〜 6のいずれか1項に記載のペプチド構築物。 8.ペプチドがペプチド類似体である請求項1に記載のペプチド構築物。 9.すべてのペプチド又はいくつかのペプチドが1個又は複数個の右旋性アミ ノ酸残基を含んでいる請求項1に記載のペプチド構築物。 10.HIVウイルスの表面エンベロープ糖タンパク質gp120のV3ループか ら誘導される2から64個までのペプチドが結合してい るコアマトリックスを含む多分岐ペプチド構築物であって、該多分岐ペプチド構 築物は10-4モル未満の血清濃度で非免疫原性であり、結合したCD4+/GalCer- 及びCD4-/GalCer+細胞の両方でHIVウイルスの感染性を阻止できる多分 岐ペプチド構築物。 11.請求項1〜10のいずれか1項に記載の多分岐ペプチド構築物を製薬的 に許容可能な希釈剤又は担体と混合して含んでいる医薬品。 12.各ペプチドは0から4個のアミノ酸残基が先行しており、2から4個の アミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配列GPGRを含んでいる、2から64個 までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む多分岐ペプチド構築物の HIV感染治療用の医薬品を製造するための用途。 13.各ペプチドは0から4個のアミノ酸残基が先行しており、2から4個の アミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配列GPGRを含んでいる、2から64個 までのペプチドが結合しているコアマトリックスを含む多分岐ペプチド構築物を 患者に投与することを含むHIV感染の治療方法。 14.請求項1〜10のいずれか1項に記載の多分岐ペプチド構築物を患者に 投与することを含むHIV感染の治療方法。 15.請求項11に記載の医薬品を患者に投与することを含むHIV感染の治 療方法。 16.各ペプチドは0から4個のアミノ酸残基が先行しており、2から4個の アミノ酸残基が後に続いているアミノ酸配列GPGRを含んでいるが、本質的に アミノ酸配列IGPGR又はIXXGPGR(式中、Xはアミノ酸残基である) を有していない、2から64個までのペプチドが結合しているコアマトリックスを 含む多分岐ペプチド構築物の製造方法において、樹脂上でペプチド鎖を固相で段 階的に延長し、続いて該樹脂から多分岐ペプチド構築物を開裂させることを特徴 とする方法。 17.樹脂が4−オキシメチル−フェニルアセトアミドメチルコポリ(スチレ ン−1%ジビニルベンゼン)である請求項16に記載の方法。 18.ヒドロキシベンゾトリアゾール活性エステル(Boc−アミノ酸−OBt )との系統的二重カップリングを含むBoc/ベンジル法を使用する請求項16又 は請求項17に記載の方法。 19.樹脂からの開裂が無水フッ化水素を用いて0℃で実施される請求項16 〜18のいずれか1項に記載の方法。 20.製造されるペプチド構築物が、コアマトリックスに結合した4から32個 までのペプチドが存在している構築物である請求項16〜19のいずれか1項に 記載の方法。 21.製造されるペプチド構築物が、各ペプチドが同一である構築物である請 求項16〜20のいずれか1項に記載の方法。 22.製造されるペプチド構築物が、各ペプチドがGPGRAFである構築物 である請求項16〜21のいずれか1項に記載の方法。 23.製造されるペプチド構築物が、8個又は16個のペプチドGPGRAFが 存在している構築物である請求項22に記載の方法。 24.製造されるペプチド構築物が、コアマトリックスがリジン残基を含んで いる構築物である請求項16〜23のいずれか1項に記載の方法。 25.製造されるペプチド構築物が、コアマトリックスとペプチドの間にスペ ーサーが存在している構築物である請求項16〜24のいずれか1項に記載の方 法。 26.製造されるペプチド構築物が、ペプチドがペプチド類似体である構築物 である請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。 27.製造されるペプチド構築物が、すべてのペプチド又はいくつかのペプチ ドに1個又は複数個の右旋性アミノ酸残基を含んでいる構築物である請求項16 〜19のいずれか1項に記載の方法。
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