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JPH0940651A - 2−イミダゾリン類の製造法 - Google Patents

2−イミダゾリン類の製造法

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JPH0940651A
JPH0940651A JP7196525A JP19652595A JPH0940651A JP H0940651 A JPH0940651 A JP H0940651A JP 7196525 A JP7196525 A JP 7196525A JP 19652595 A JP19652595 A JP 19652595A JP H0940651 A JPH0940651 A JP H0940651A
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acid
reaction
compound
metal oxide
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靖 原
Hiroyuki Kiso
浩之 木曽
Shinichi Ishikawa
真一 石川
Yasuyuki Nagai
康行 長井
Mitsuru Takahashi
満 高橋
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 2−イミダゾリン類の製造法において、塩を
触媒とせず、硫化水素を副生しない方法を提供する。 【構成】 1,2−ジアミン化合物とニトリル化合物を
反応させて2−イミダゾリン類を製造する際に、金属酸
化物及びカルボン酸の存在下で行う2−イミダゾリン類
の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イミダゾリン類の製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアミン化合物及びニトリル化合物を原
料とする2−イミダゾリンの製造には、以下の方法が知
られている。
【0003】特公昭39−24965号公報には、硫黄
の存在下で反応させる方法が記載されている。硫黄を触
媒とする方法は、反応中に極めて毒性の高い硫化水素が
副生する他、イミダゾリンからイミダゾールを製造する
場合、残存する硫黄が触媒のNiを被毒し、反応を阻害
する等の問題があった。
【0004】この問題を解決するために、特公平5−3
9943号公報には酢酸銅、塩化銅等の銅塩触媒、特開
昭62−195369号公報には酢酸亜鉛、塩化亜鉛等
亜鉛塩を触媒とする方法が記載されている。酢酸銅、酢
酸亜鉛等の塩を使うと、触媒が反応液に溶解するため、
触媒の回収が困難であり、また触媒が生成物を汚染す
る。また、銅、亜鉛の塩化物を使用した場合は、塩化物
イオンのため生じる装置の腐食が問題となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、硫化水
素が副生する、反応を阻害する、精製を必要とする、装
置腐食がおこる、触媒の回収が困難等の問題があり、十
分なレベルに達しているとは言い難い。したがって、塩
を触媒とせず、硫化水素を副生しない方法の開発が望ま
れていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、イミダゾ
リン類の製造法について鋭意検討した結果、触媒として
金属酸化物及びカルボン酸を使用することによって、硫
化水素の発生も無く、触媒の回収も容易であり、また塩
触媒を使用した場合生じる汚染、腐食という問題も無
く、イミダゾリン類の製造が可能であるという新規な事
実を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、1,2−ジアミン化
合物とニトリル化合物を反応させて2−イミダゾリン類
を製造する際に、金属酸化物及びカルボン酸の存在下で
行うことを特徴とする2−イミダゾリン類の製造法であ
る。
【0008】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】本発明の方法において使用される触媒は金
属酸化物及びカルボン酸である。本発明の方法において
いう金属酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、
二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロ
ム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケ
ル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化銀、酸化カ
ドミウム、酸化インジウム、酸化すず、酸化タンタル、
酸化タングステン、酸化レニウム、酸化鉛、酸化ランタ
ン、酸化セリウム等が挙げられるが、その中でも活性選
択性が向上するため、酸化銅、酸化クロム、酸化マンガ
ン、酸化亜鉛、酸化ニオブが特に好ましい。酸化銅に
は、酸化銅(I),酸化銅(II)があるが、どちらを
使用しても良く、銅水酸化物も酸化物と同様に使用する
ことができる。亜鉛、ニオブについても、同様に水酸化
物が使用できる。また、酸化銅を担体に担持して使用し
ても良い。担体としては、シリカ、アルミナ等の酸化
物、シリカ−アルミナ等の複合酸化物、活性炭、多孔質
ガラス、多孔質セラミックス等が使用できる。
【0010】また金属酸化物は他の金属酸化物と混合し
ても使用できる。例えば、銅クロマイト、酸化銅−酸化
亜鉛等も使用できる。
【0011】カルボン酸に特に制限はないが、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草
酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の脂肪族飽
和モノカルボン酸類、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸
類、アクリル酸、プロピオル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、イソクロトン酸、オレイン酸、エライジン酸、マ
レイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等の脂
肪族不飽和カルボン酸類、しょのう酸、安息香酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、トル
イル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、けい皮酸等の
炭素環式カルボン酸類、フル酸、テン酸、ニコチン酸、
イソニコチン酸等の複素環式カルボン酸類、モノクロロ
酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等が例示され
る。しかし、触媒が生成物純度に影響を与えないように
するために、原料のニトリルに対応するカルボン酸を使
用するのが好ましい。例えば、アセトニトリルを原料と
した場合は、触媒としては酢酸を使用するのが良い。
【0012】また、カルボン酸化合物は塩の形で使用し
ても一向に差支えない。
【0013】金属酸化物とカルボン酸の比に特に制限は
ない。カルボン酸、又は金属酸化物だけでは、反応は遅
いが、両方が存在すると反応は大きく加速される。
【0014】なお本発明の方法における条件では、ジア
ミン化合物が存在するため系中は強塩基性になり、金属
酸化物とカルボン酸とが反応して塩を形成することはな
い。
【0015】本発明の方法において使用される原料は、
1,2−ジアミン化合物とニトリル化合物である。1,
2−ジアミン化合物は式(1)で示される化合物であ
り、 H2NCHR1CHR2NHR3 (1) (式中、R1、R2、R3は各々独立して水素、脂肪族、
芳香脂肪族及び芳香族の基からなる群より選ばれる1種
以上を意味する) ニトリル化合物は式(2)で示される化合物である。
【0016】 R4CN (2) (式中、R4は水素、脂肪族、芳香脂肪族又は芳香族の
基を意味する) 1,2−ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペン
チレンジアミン、ヘキシレンジアミン、オクチレンジア
ミン、ノニレンジアミン、デシレンジアミン、シクロヘ
キシルエチレンジアミン、ベンジルエチレンジアミン、
フェニルエチレンジアミン、メトキシフェニルエチレン
ジアミン、ジメチルフェニルエチレンジアミン、トリル
エチレンジアミン、N−シクロヘキシルエチレンジアミ
ン、N−ベンジルエチレンジアミン、N−フェニルエチ
レンジアミン、N−メトキシフェニルエチレンジアミ
ン、N−ジメチルフェニルエチレンジアミン、N−トリ
ルエチレンジアミン等が例示される。
【0017】また、ニトリル化合物としては、例えば、
アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリ
ル、2−エチルヘキシロニトリル、ラウロニトリル、ス
テアロニトリル、シクロヘキシルニトリル、フェニルア
セトニトリル、フェニルプロピオニトリル、ベンゾニト
リル、メチルベンゾニトリル、ジメチルベンゾニトリ
ル、メトキシベンゾニトリル、ジメチルベンゾニトリ
ル、ナフトニトリル、シアノピリジン、マロンニトリ
ル、アジポニトリル、フタロニトリル、ジシアノジフェ
ニル等が例示される。1,2−ジアミン化合物とニトリ
ル化合物は化学当量又は一方の過剰で反応を行うことが
できる。
【0018】本発明の方法において、反応温度は、反応
速度の向上、アミン類の分解抑制及びイミダゾリン類の
収率向上のため、通常100〜300℃の範囲で行われ
るが、150〜250℃で行うことが更に好ましい。
【0019】本発明の方法は通常液相で実施される。
【0020】本発明の方法において、反応は、原料を液
状に保てれば良く、常圧、又は加圧下で行うことができ
る。この反応では、反応中にアンモニアが生成するため
反応圧力が上昇するが、このアンモニアは反応途中で除
去することもできるし、反応が終了してから除去するこ
ともできる。反応温度が原料の沸点を越えている場合
は、加圧下で反応を実施するか、凝縮器を設け、原料を
液化する必要がある。
【0021】本発明の方法においては、溶媒を使用して
もしなくても良い。溶媒としては、反応条件に不活性な
ものであれば特に制限はなく、水等、イミダゾリン類を
分解するものの使用は好ましくない。
【0022】本発明の方法は、連続反応で実施しても良
いし、回分反応、半回分反応で実施しても良い。また、
固定床でも懸濁床でも反応できる。触媒の形態は、反応
形式によって、最適なものを選択すれば良く、粉末で使
用しても良いし、成型して使用しても良い。
【0023】本発明の方法においては、反応生成物のイ
ミダゾリン類は、精製しても、精製せずに、脱水素して
イミダゾールとしても良い。イミダゾリン類の精製方法
は蒸留、再結晶等種々の方法が知られているが、どの方
法を用いても一向に差支えない。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0025】実施例1 200mlのステンレス製オートクレーブにエチレンジ
アミン:60.1g,アセトニトリル:45.2g,活
性亜鉛華:3g,酢酸:1.5gを入れ、窒素置換した
後、200℃に加熱した。反応圧力が2.5MPa以上
になったら、脱圧し、圧力を下げ、3時間反応した。反
応終了後、これを冷却し、ガスクロマトグラフィーで分
析したところ、エチレンジアミン転化率は99%であ
り、2−メチルイミダゾリンの選択率は98%であっ
た。なお、活性亜鉛華は反応終了後も反応液に溶解せ
ず、回収された。
【0026】比較例1 触媒として、活性亜鉛華:4.5gを使用し、酢酸を使
用しなかった以外は実施例1と同じ方法で反応をおこな
った。反応終了後、これを冷却し、ガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、エチレンジアミン転化率は14
%であり、2−メチルイミダゾリンの選択率は82%で
あった。
【0027】比較例2 触媒として、酢酸:4.5gを使用し、活性亜鉛華を使
用しなかった以外は実施例1と同じ方法で反応をおこな
った。反応終了後、これを冷却し、ガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、エチレンジアミン転化率は22
%であり、2−メチルイミダゾリンの選択率は71%で
あった。
【0028】実施例2 200mlのステンレス製オートクレーブにエチレンジ
アミン:60.1g,アセトニトリル:45.2g,活
性亜鉛華:1.5g,酢酸:1.5gを入れ、窒素置換
した後、180℃に加熱した。反応圧力が2.5MPa
以上になったら、脱圧し、圧力を下げ、5時間反応し
た。反応終了後、これを冷却し、ガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、エチレンジアミン転化率は97%
であり、2−メチルイミダゾリンの選択率は96%であ
った。なお、活性亜鉛華は反応終了後も全く反応液に溶
解せず、回収された。
【0029】比較例3 触媒として、酢酸亜鉛:3gを使用した以外は実施例2
と同じ方法で反応をおこなった。反応終了後、これを冷
却し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、エチ
レンジアミン転化率は92%であり、2−メチルイミダ
ゾリンの選択率は96%であった。なお、酢酸亜鉛は反
応終了後、反応液に溶解してしまい、回収できなかっ
た。
【0030】実施例3 1Lのステンレス製オートクレーブにエチレンジアミ
ン:75.1g,アセトニトリル:226g,活性亜鉛
華:7.5g,酢酸:7.5gを入れ、窒素置換した
後、180℃に加熱した。反応圧力が2.5MPa以上
になったら、脱圧し、圧力を下げ、2時間反応した。こ
れに、エチレンジアミン225.4gをポンプで5時間
かけて供給した。その後2時間180℃に維持した後、
これを冷却し、ガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、エチレンジアミン転化率は98%であり、2−メチ
ルイミダゾリンの選択率は97%であった。
【0031】実施例4 200mlのステンレス製オートクレーブにエチレンジ
アミン:60.1g,アセトニトリル:45.2g,酸
化マンガン添加銅クロマイト:3g,酢酸:1.5gを
入れ、窒素置換した後、200℃に加熱した。反応圧力
が2.5MPa以上になったら、脱圧し、圧力を下げ、
3時間反応した。反応終了後、これを冷却し、ガスクロ
マトグラフィーで分析したところ、エチレンジアミン転
化率は90%であり、2−メチルイミダゾリンの選択率
は94%であった。
【0032】比較例4 触媒として、銅クロマイト4.5gを使用し、酢酸を使
用しなかった以外は実施例1と同じ方法で反応をおこな
った。反応終了後、これを冷却し、ガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、エチレンジアミン転化率は51
%であり、2−メチルイミダゾリンの選択率は97%で
あった。
【0033】実施例5 200mlのステンレス製オートクレーブにエチレンジ
アミン:60.1g,アセトニトリル:45.2g、酸
化ニオブ:3g,酢酸:1.5gを入れ、窒素置換した
後、200℃に加熱した。反応圧力が2.5MPa以上
になったら、脱圧し、圧力を下げ、3時間反応した。反
応終了後、これを冷却し、ガスクロマトグラフィーで分
析したところ、エチレンジアミン転化率は98%であ
り、2−メチルイミダゾリンの選択率は98%であっ
た。
【0034】実施例6 200mlのステンレス製オートクレーブに1,2−プ
ロパンジアミン:74.1g,アセトニトリル:45.
2g及び酸化銅(II):3g,酢酸:1.5gを入
れ、窒素置換した後、200℃に加熱した。反応圧力が
2.5MPa以上になったら、脱圧し、圧力を下げ、3
時間反応した。反応終了後、これを冷却し、ガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、1,2−プロパンジア
ミン転化率は95%であり、2−メチル−4−メチルイ
ミダゾリンの選択率は93%であった。
【0035】実施例7 200mlのステンレス製オートクレーブにエチレンジ
アミン:60.1g,プロピオニトリル:60.6g、
酸化ニオブ:3g,プロピオン酸:1.5gを入れ、窒
素置換した後、200℃に加熱した。反応圧力が2.5
MPa以上になったら、脱圧し、圧力を下げ、3時間反
応した。反応終了後、これを冷却し、ガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、エチレンジアミン転化率は9
9%であり、2−エチルイミダゾリンの選択率は92%
であった。
【0036】
【発明の効果】本発明は、硫化水素の発生も無く、また
触媒の回収も容易で、塩触媒を使用した場合生じるイオ
ンによる汚染、腐食という問題も無い、イミダゾリン類
の製造方法を提供するものであり、極めて有意義であ
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2−ジアミン化合物とニトリル化合
    物を反応させて2−イミダゾリン類を製造する際に、金
    属酸化物及びカルボン酸の存在下で行うことを特徴とす
    る2−イミダゾリン類の製造法。
  2. 【請求項2】 1,2−ジアミン化合物が次式で表され
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 H2NCHR1CHR2NHR3 (1) (式中、R1、R2、R3は各々独立して水素、脂肪族、
    芳香脂肪族及び芳香族の基からなる群より選ばれる1種
    以上を意味する)
  3. 【請求項3】 ニトリル化合物が次式で表されることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。 R4CN (2) (式中、R4は、水素、脂肪族、芳香脂肪族又は芳香族
    の基を意味する)
  4. 【請求項4】 反応を液相で実施することを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 金属酸化物が酸化銅であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 金属酸化物が酸化亜鉛であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 金属酸化物が酸化ニオブであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 金属酸化物が酸化クロムであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 金属酸化物が酸化マンガンであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方
    法。
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