JPH09312881A - Ｃｄｍａ移動通信システムにおける無線回線の構成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチメディアサービスを実現し得るように
複数種類の伝送速度を可能とするＣＤＭＡ移動通信シス
テムにおける無線回線の構成方法を提供する。 【解決手段】 下り無線回線を、呼として提供され得る
最も遅い伝送速度よりも速い伝送速度または呼として提
供され得る最も速い伝送速度を有する無線回線で下り無
線回線を構成し、該無線回線の伝送速度よりも遅い伝送
速度を提供する複数の呼で１無線回線を時分割して共有
し、複数の呼は複数の移動局に対するものまたは１移動
局に対するものであり、時分割後の伝送速度よりも速
く、無線回線の伝送速度以下の伝送速度を提供する呼は
１無線回線を専有して使用し、１無線回線の伝送速度よ
りも大きな伝送速度を提供する呼は複数の無線回線を専
有して使用し、無線回線において時分割した未使用部分
は送信しない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、符号分割多元接続
方式（以下、ＣＤＭＡと略称する）の移動通信システム
において移動局と基地局との間における無線回線の構成
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の移動通信システムは、音声サービ
ス主体であり、音声の伝送速度に適用した伝送速度のみ
を有する無線回線構成となっているが、今後のマルチメ
ディアサービスを考慮すると、複数種類の伝送速度を実
現できる無線回線を構成する必要がある。

【０００３】ところで、次世代の移動通信システムとし
ては、ＣＤＭＡを用いた移動通信システムが注目されて
おり、米国ではＩＳ−９５として標準化されサービス提
供されている。

【０００４】しかしながら、従来のＣＤＭＡ移動通信シ
ステムでは、音声の伝送速度にのみ適用した伝送速度を
有する無線回線構成となっており、マルチメディア伝送
を考慮した複数種類の伝送速度を実現し得る無線回線構
成となっていないという問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、マルチメ
ディアサービスを実現し得るように複数種類の伝送速度
を可能とするＣＤＭＡ移動通信システムにおける無線回
線の構成方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の本発明は、符号分割多元接続方式の
移動通信システムにおいて基地局から移動局に送信され
る下り無線回線を、呼として提供され得る最も遅い伝送
速度よりも速い伝送速度または呼として提供され得る最
も速い伝送速度を有する無線回線とし、該無線回線の伝
送速度よりも遅い伝送速度を提供する複数の呼で１無線
回線を時分割して共有し、信号伝送を行い、前記複数の
呼は複数の移動局に対するものまたは１移動局に対する
ものであり、前記時分割後の伝送速度よりも速く、無線
回線の伝送速度以下の伝送速度を提供する呼は、１無線
回線を専有して使用し、１無線回線の伝送速度よりも大
きな伝送速度を提供する呼は、複数の無線回線を専有し
て使用し、無線回線において時分割した未使用部分は送
信しないことを要旨とする。

【０００７】請求項１記載の本発明にあっては、呼とし
て提供され得る最も遅い伝送速度よりも速い伝送速度ま
たは呼として提供され得る最も速い伝送速度を有する無
線回線で下り無線回線を構成し、また無線回線の伝送速
度よりも遅い伝送速度を提供する複数の呼で１無線回線
を時分割して共有し、該複数の呼は複数の移動局に対す
るものでも可能であるため、すなわち伝送速度の遅い複
数の呼に対する複数の移動局で１無線回線を共有し得る
ため、提供サービスの伝送速度によらず、移動局は１つ
の相関器を有していればよく、ハード規模を小さくする
ことができるとともに、また直交化された拡散コードを
有効に使用することができ、受信品質の向上または無線
回線の容量の向上を図ることができる。

【０００８】また、請求項２記載の本発明は、請求項１
記載の発明において、前記無線回線が無線フレームを繰
り返し送信し、該無線フレームは時間分割して複数のタ
イムスロットに分けられ、１呼に対して１タイムスロッ
トを割り当てることを要旨とする。

【０００９】請求項２記載の本発明にあっては、無線回
線は無線フレームを繰り返し送信し、該無線フレームは
時間分割して複数のタイムスロットに分けられ、１呼に
対して１タイムスロットを割り当てている。

【００１０】更に、請求項３記載の本発明は、請求項２
記載の発明において、１タイムスロット当りの伝送速度
として複数種類の伝送速度を予め定義し、呼が生起した
時点で、その呼で必要な伝送速度以上の伝送速度を有す
るタイムスロットで最も伝送速度の遅いタイムスロット
の種類を判定し、その伝送速度を有する空きタイムスロ
ットを選択し、呼に対して割り当てることを要旨とす
る。

【００１１】請求項３記載の本発明にあっては、１タイ
ムスロット当りの伝送速度として複数種類の伝送速度を
予め定義しているため、無線回線中のタイムスロットの
割り当てを簡易化することができる。

【００１２】請求項４記載の本発明は、請求項２記載の
発明において、前記タイムスロット毎に送信電力制御情
報を含ませ、各タイムスロットを使用する各移動局毎に
送信電力制御を行うことを要旨とする。

【００１３】請求項４記載の本発明にあっては、タイム
スロット毎に送信電力制御情報を含ませ、各タイムスロ
ットを使用する各移動局毎に送信電力制御を行うため、
１無線回線を複数の移動局で共有する場合でも移動局毎
に異なる送信電力制御を行うことができる。

【００１４】また、請求項５記載の本発明は、請求項２
記載の発明において、移動局で受信同期を取るための同
期情報を無線フレーム毎に配置し、無線フレーム内の複
数の各タイムスロットを使用する複数の移動局で無線フ
レーム毎の前記同期情報を共有し、各移動局で同期を取
ることを要旨とする。

【００１５】請求項５記載の本発明にあっては、同期情
報を無線フレーム毎に配置し、無線フレーム内の複数の
各タイムスロットを使用する複数の移動局で無線フレー
ム毎の同期情報を共有し得るため、無線回線内の情報を
有効に利用することができる。

【００１６】更に、請求項６記載の本発明は、請求項２
記載の発明において、移動局で同期検波受信を行うため
の既知のビットパターンであるパイロット信号を無線フ
レーム毎に配置し、複数の各タイムスロットを使用する
複数の移動局で無線フレーム毎の前記パイロット信号を
共有し、各移動局で同期検波受信を行うことを要旨とす
る。

【００１７】請求項６記載の本発明にあっては、同期検
波受信を行うための既知のビットパターンであるパイロ
ット信号を無線フレーム毎に配置し、複数の各タイムス
ロットを使用する複数の移動局で無線フレーム毎のパイ
ロット信号を共有するため、無線回線内の情報を有効に
利用することができる。

【００１８】請求項７記載の本発明は、符号分割多元接
続方式の移動通信システムにおいて移動局から基地局に
送信される上り無線回線を、異なる伝送速度を有する複
数種類の無線回線とし、該複数種類の無線回線のうち１
種類は、呼として提供され得る最も遅い伝送速度を有す
る無線回線とし、他の種類は提供され得るサービスで最
も遅い伝送速度よりも速い伝送速度を有し、使用する無
線回線の選択方法としては、呼が必要とする伝送速度以
上の伝送速度を有する無線回線のうちで最も伝送速度の
遅い無線回線を使用し、呼が必要とする伝送速度が最大
伝送速度を有する無線回線の伝送速度よりも大きい場合
には複数の無線回線を使用することを要旨とする。

【００１９】請求項７記載の本発明にあっては、異なる
伝送速度を有する複数種類の無線回線で上り無線回線を
構成し、該複数種類の無線回線のうち１種類は、呼とし
て提供され得る最も遅い伝送速度を有する無線回線と
し、他の種類は提供され得るサービスで最も遅い伝送速
度よりも速い伝送速度を有しているため、すなわち所要
の伝送速度を１本の無線回線で実現しているため、複数
の無線回線を束ねて所要の伝送速度を実現する場合に比
較して、移動局の送信電力のピークファクタが低減さ
れ、移動局の増幅器のハード構成を抑えることができ
る。

【００２０】また、請求項８記載の本発明は、符号分割
多元接続方式の移動通信システムにおいて移動局から基
地局に送信される上り無線回線を、呼として提供され得
る最も遅い伝送速度よりも速い伝送速度または呼として
提供され得る最も速い伝送速度を有する無線回線とし、
該無線回線の伝送速度よりも遅い伝送速度を提供する複
数の呼であって、１移動局で扱われる複数の呼で１無線
回線を時分割して共有し、信号伝送を行い、前記時分割
後の伝送速度よりも速く、無線回線の伝送速度以下の伝
送速度を提供する呼は、１無線回線を専有して使用し、
１無線回線の伝送速度よりも大きな伝送速度を提供する
呼は、複数の無線回線を専有して使用し、無線回線にお
いて時分割した未使用部分は送信しないことを要旨とす
る。

【００２１】請求項８記載の本発明にあっては、呼とし
て提供され得る最も遅い伝送速度よりも速い伝送速度ま
たは呼として提供され得る最も速い伝送速度を有する無
線回線で上り無線回線を構成し、また無線回線の伝送速
度よりも遅い伝送速度を提供する複数の呼で１無線回線
を時分割して共有し、該複数の呼は１移動局が扱うもの
であるため、すなわち１本の無線回線で複数の呼を扱え
るものであるため、呼毎の設定／解放に際して無線回線
の設定／解放を不要にすることができる。

【００２２】更に、請求項９記載の本発明は、請求項８
記載の発明において、無線回線が無線フレームを繰り返
し送信し、無線フレームが時分割して複数のタイムスロ
ットに分けられ、１呼に対して１タイムスロットを割り
当てることを要旨とする。

【００２３】請求項９記載の本発明にあっては、無線回
線は無線フレームを繰り返し送信し、無線フレームは時
分割して複数のタイムスロットに分けられ、１呼に対し
て１タイムスロットを割り当てている。

【００２４】請求項１０記載の本発明は、請求項９記載
の発明において、１タイムスロット当りの伝送速度とし
て複数種類の伝送速度を予め定義し、呼が生起した時点
で、その呼で必要な伝送速度以上の伝送速度を有するタ
イムスロットで最も伝送速度の遅いタイムスロットを判
定し、その伝送速度を有する空きタイムスロットを選択
し、呼に対して割り当てることを要旨とする。

【００２５】請求項１０記載の本発明にあっては、１タ
イムスロット当りの伝送速度として複数種類の伝送速度
を予め定義しているため、無線回線中のタイムスロット
の割り当てを簡易化することができる。

【００２６】また、請求項１１記載の本発明は、請求項
９記載の発明において、無線フレーム毎に送信．力制御
情報を配置することを要旨とする。

【００２７】請求項１１記載の本発明にあっては、無線
フレーム毎に送信電力制御情報を配置している。

【００２８】更に、請求項１２記載の本発明は、請求項
９記載の発明において、移動局で受信同期を取るための
同期情報を無線フレーム毎に配置することを要旨とす
る。

【００２９】請求項１２記載の本発明にあっては、移動
局で受信同期を取るための同期情報を無線フレーム毎に
配置している。

【００３０】請求項１３記載の本発明は、請求項９記載
の発明において、移動局で同期検波受信を行うための既
知のビットパターンであるパイロット信号を無線フレー
ム毎に配置することを要旨とする。

【００３１】請求項１３記載の本発明にあっては、移動
局で同期検波受信を行うための既知のビットパターンで
あるパイロット信号を無線フレーム毎に配置している。

【００３２】

【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。

【００３３】図１は、本発明の一実施形態に係わるＣＤ
ＭＡ移動通信システムにおける無線回線の構成を示す図
である。

【００３４】図１に示すように、ＣＤＭＡ移動通信シス
テムにおいて基地局から移動局への下り無線回線は、高
速用下り無線回線１１、中速用下り無線回線１３、低速
用下り無線回線１５のように異なる伝送速度毎に設定さ
れた複数の下り無線回線から構成されている。

【００３５】各無線回線は、繰り返し送信される無線フ
レームとして構成され、該無線フレームは時分割して複
数のタイムスロットに分けられ、１呼に対して１タイム
スロットが割り当てられるようになっている。すなわ
ち、下り無線回線は、高速用下り無線フレーム１１、中
速用下り無線フレーム１３、低速用下り無線フレーム１
５で構成されている。

【００３６】そして、高速用下り無線フレーム１１は、
呼として提供され得る最も遅い伝送速度よりも速い伝送
速度または呼として提供され得る最も速い伝送速度、例
えば１２８ｋｂｐｓの伝送速度を有する。従って、この
場合には、一例として高速用下り無線フレーム１１は１
０ｍｓの１２８０ビットで構成される。ここで、図１の
無線フレーム構成には、後述するパイロット信号（ＰＩ
ＬＯＴ）、同期信号（ＳＹＮＣ）、および送信電力制御
情報（ＴＰＣ）が含まれているが、無線フレームの全ビ
ット数に対して僅かなビット数であり、更に説明の簡単
化のため無線フレームのビット数および伝送速度を論ず
る上でこれらの情報は無視する。

【００３７】高速用下り無線フレーム１１の伝送速度よ
りも遅い伝送速度、例えば６４ｋｂｐｓを提供する呼
は、中速用下り無線フレーム１３に示すように無線フレ
ームを時分割して複数のタイムスロットに分け、各タイ
ムスロットに１つの呼を割り当て、無線フレームを複数
の呼で共有し、信号伝送を行っている。図１に示す中速
用下り無線フレーム１３は、２つのタイムスロットに分
割され、第１のタイムスロットには呼１が割り当てら
れ、第２のタイムスロットには呼２が割り当てられる。
高速用下り無線フレーム１１が１２８ｋｂｐｓの伝送速
度を有する場合には、中速用下り無線フレーム１３の各
タイムスロットは６４ｋｂｐｓの伝送速度を有する。

【００３８】また、中速用下り無線フレーム１３の伝送
速度よりも遅い伝送速度、例えば３２ｋｂｐｓを提供す
る呼は、低速用下り無線フレーム１５に示すように無線
フレームを時分割して複数のタイムスロットに分け、各
タイムスロットに１つの呼を割り当て、無線フレームを
複数の呼で共有し、信号伝送を行っている。図１に示す
低速用下り無線フレーム１５は、４つのタイムスロット
に分割され、第１ないし第４のタイムスロットのそれぞ
れに呼１ないし呼４が割り当てられる。高速用下り無線
フレーム１１が１２８ｋｂｐｓの伝送速度を有し、中速
用下り無線フレーム１３の各タイムスロットが６４ｋｂ
ｐｓの伝送速度を有する場合には、低速用下り無線フレ
ーム１５の各タイムスロットの伝送速度は３２ｋｂｐｓ
である。

【００３９】このように無線フレームを時分割して複数
のタイムスロットに分けた場合において、使用されない
タイムスロットに相当する部分は本ＣＤＭＡ移動通信シ
ステムでは送信する必要はないので、これにより干渉電
力を低減し、無線回線容量の向上を図ることができる。

【００４０】なお、中速用下り無線フレーム１３および
低速用下り無線フレーム１５の各タイムスロットに割り
当てられる複数の呼は、複数の移動局に対するものであ
ってもよいし、または１つの移動局に対するものでもよ
い。

【００４１】上述したように、複数のタイムスロットに
分割された無線フレームにおいて、分割された後の伝送
速度よりも速く、無線フレームの伝送速度よりも遅い伝
送速度を提供する呼は、１無線フレームを専有する。例
えば、９６ｋｂｐｓの伝送速度を提供する呼は、中速用
下り無線フレーム１３の各タイムスロットでは対応でき
ないので、１２８ｋｂｐｓの高速用下り無線フレーム１
１を専有して使用する。

【００４２】無線フレームの伝送速度よりも速い伝送速
度を提供する呼は、複数の無線フレームを専有して使用
する。例えば、１９２ｋｂｐｓまたは２５６ｋｂｐｓの
伝送速度を提供する呼は、高速用下り無線フレーム１１
を２つ使用して信号送信を行う。

【００４３】上述したように、無線フレームを時間分割
して複数のタイムスロットに分けた場合において、中速
用下り無線フレーム１３を時分割したタイムスロットの
伝送速度は例えば６４ｋｂｐｓであり、低速用下り無線
フレーム１５を時分割したタイムスロットの伝送速度は
３２ｋｂｐｓであるように、１タイムスロット当りの伝
送速度として複数種類が定義されている。そして、呼が
生起した場合、その呼で必要な伝送速度以上の伝送速度
を有するタイムスロットで最も伝送速度の遅いタイムス
ロットの種類を判定し、その伝送速度を有する空きタイ
ムスロットを選択し、前記呼に割り当てるようにしてい
る。このように１タイムスロット当りの伝送速度として
複数種類を定義することにより、無線回線中のタイムス
ロットの割り当てを簡易化することができる。更に、１
無線回線を効率的に使用することができる。

【００４４】また、上述したように、無線フレームを呼
が提供する最も速い伝送速度を有する無線フレームとし
て構成することにより、提供サービスの伝送速度によら
ず、１無線回線を扱えばよいことから、移動局は１つの
相関器を備えればよいものであるため、そのハード規模
を低減することができる。

【００４５】また、下り無線回線では、すべての移動局
において同一セル／セクタ内の他の複数の移動局に対し
て送信された下り無線回線はすべて干渉電力となり、受
信品質を劣化させるかまたは無線回線容量を劣化させる
要因となる。しかしながら、各下り無線回線にお互いに
直交化した複数の拡散コードを使用し、基地局から同一
位相で送信することにより、同一セル／セクタ内で送信
される他の下り無線回線は直交化されて干渉電力量を０
にすることができ、これにより受信品質の向上または無
線回線容量の向上を見込むことができる。しかしなが
ら、直交化した拡散コードの数はそれほど多くはない。
従って、本実施形態とは反対に、低い伝送速度の通信チ
ャネルを基本とした場合には、拡散コード数の不足によ
り無線回線容量を十分に使用することができないという
問題が起こりうるが、本実施形態のように比較的速い伝
送速度を有する無線回線とすることにより、１無線回
線、すなわち１つの拡散コードで伝送速度の低いサービ
スを複数の移動局に対して提供することができ、拡散コ
ード数の不足を補うことができる。

【００４６】図１において、各下り無線フレーム１１，
１３，１５の左端に示すように、各無線フレーム毎に同
期情報（ＳＹＮＣ）１１ａ，１３ａ，１５ａおよび既知
のビットパターンからなるパイロット信号（ＰＩＬＯ
Ｔ）１１ｂ，１３ｂ，１５ｂがそれぞれ配置されてい
る。

【００４７】同期情報（ＳＹＮＣ）１１ａ，１３ａ，１
５ａは、移動局で受信同期を取るための情報であり、無
線フレームを構成する複数のタイムスロットを使用する
複数の移動局で共有され、各移動局で同期を取るように
なっている。このように無線フレームにおける１つの同
期情報（ＳＹＮＣ）を複数の移動局で共有するので、無
線フレーム内のビットを有効に使用することができる。

【００４８】パイロット信号（ＰＩＬＯＴ）は、移動局
で同期検波受信を行うための既知のビットパターンを有
するものである。更に詳しくは、同期検波受信を行う場
合に、移動通信システムでは移動局の移動に伴い伝搬路
の伝達関数が時間とともに大きく変動するため、伝搬路
の伝達関数を高速に推定しながら同期検波を行うが、こ
の伝搬路の伝達関数の高速推定のために無線フレームに
パイロット信号（ＰＩＬＯＴ）を挿入して送信し、受信
側の移動局においては該パイロット信号（ＰＩＬＯＴ）
を使用して伝搬路の伝達関数を高速に推定しながら同期
検波を行っているものである。このパイロット信号（Ｐ
ＩＬＯＴ）も同期情報（ＳＹＮＣ）と同様に各無線フレ
ームにおける１つのパイロット信号（ＰＩＬＯＴ）を複
数の移動局で共有することができ、無線フレーム内のビ
ットを有効に使用することができる。

【００４９】更に、図１に示すように、各無線フレーム
１１，１３，１５および無線フレーム１３，１５を分割
した各タイムスロット毎に送信電力制御情報（ＴＰＣ）
１１ｃ，１３ｃ，１３ｄ，１５ｃ，１５ｄ，１５ｅ，１
５ｆが設けられ、この送信電力制御情報（ＴＰＣ）を使
用して、各タイムスロットを使用する各移動局毎に送信
電力制御を行うようになっている。

【００５０】一方、移動局から基地局への上り無線回線
も、同様に高速用上り無線回線２１、中速用上り無線回
線２３、低速用上り無線回線２５または２７のように異
なる伝送速度毎に設定された複数の上り無線回線で構成
されている。

【００５１】すなわち、異なる伝送速度を有する複数種
類の無線回線で上り無線回線を構成し、この場合におい
て複数種類の無線回線のうち１種類は呼として提供され
得る最も遅い伝送速度、例えば３２ｋｂｐｓを有する無
線回線を低速用上り無線回線２７として設定し、他の種
類の無線回線は、提供され得るサービスで最も遅い伝送
速度よりも速い伝送速度、例えば６４ｋｂｐｓおよび１
２８ｋｂｐｓを有する無線回線をそれぞれ中速用上り無
線回線２３および高速用上り無線回線２１として設定し
ている。そして、使用する無線回線の選択方法として
は、呼が必要とする伝送速度以上の伝送速度を有する無
線回線のうちで、最も伝送速度の遅い無線回線を使用す
る。例えば、３２ｋｂｐｓ以下の伝送速度の呼に対して
は、３２ｋｂｐｓの伝送速度を有する低速用上り無線回
線２７を選択し、また例えば４８ｋｂｐｓの伝送速度の
呼に対しては、４８ｋｂｐｓ以上の伝送速度を有する無
線回線のうちで最も遅い伝送速度の無線回線として、６
４ｋｂｐｓの中速用上り無線回線２３が選択される。更
に、呼が必要とする伝送速度が最大伝送速度を有する無
線回線の伝送速度、例えば１２８ｋｂｐｓよりも大きい
場合に、１２８ｋｂｐｓの伝送速度を有する高速用上り
無線回線２１を複数使用するようになっている。

【００５２】本実施形態のように、所要の伝送速度を１
本の無線回線で実現することにより、複数の無線回線を
束ねて所要の伝送速度を実現する場合に比較し、移動局
の送信電力のピークファクタを低減することができ、移
動局の送信増幅器のハード規模を低減することができ
る。

【００５３】また、将来的には低速な伝送速度のサービ
ス専用の小型移動局の必要性も存在すると考えられる
が、ここで仮に上述した本実施形態のような無線回線構
成でなく、伝送速度の速い無線回線のみを使用し、この
無線回線の一部を使用して低速の伝送速度のサービスを
提供するものとした場合には、移動局には伝送速度の速
い無線回線に必要な大きな送信電力のピークパワーが必
要となり、移動局の送信増幅器のハード規模が大きくな
り、小型化に困難をきたすことになる。これに対して、
上述した本実施形態のように、低速の伝送速度を有する
無線回線を設定可能とすることにより、この移動局は低
速の無線回線のみ設定する能力を持てばよいので、所要
の送信電力のピークパワーを小さくすることができ、増
幅器のハード規模を抑えることができるという利点があ
る。

【００５４】ところで、各無線回線は、繰り返し送信さ
れる無線フレームとして構成され、該無線フレームは時
分割して複数のタイムスロットに分けられ、１呼に対し
て１タイムスロットが割り当てられるようになってい
る。すなわち、上り無線回線は、高速用上り無線フレー
ム２１、中速用上り無線フレーム２３、低速用上り無線
フレーム２５または２７で構成されている。

【００５５】そして、高速用上り無線フレーム２１は、
呼として提供され得る最も遅い伝送速度よりも速い伝送
速度または呼として提供され得る最も速い伝送速度、例
えば１２８ｋｂｐｓの伝送速度を有する。なお、本例で
は、無線フレームは１０ｍｓの１２８０ビットで構成さ
れる。また、中速用上り無線フレーム２３は、高速用上
り無線フレーム２１の伝送速度よりも遅い伝送速度、例
えば６４ｋｂｐｓを有する。

【００５６】中速用上り無線フレーム２３の伝送速度、
６４ｋｂｐｓよりも遅い伝送速度、例えば３２ｋｂｐｓ
を提供する呼は、低速用上り無線フレーム２５のよう
に、無線フレームを時分割して複数のタイムスロットに
分け、各タイムスロットに１つの呼を割り当て、無線フ
レームを複数の呼で共有している。すなわち、低速用上
り無線フレーム２５は、３２ｋｂｐｓの伝送速度をそれ
ぞれ有する２つのタイムスロットに分割され、第１のタ
イムスロットに呼１が割り当てられ、第２のタイムスロ
ットに呼２が割り当てられている。この複数の呼は１移
動局で扱われるものである。すなわち、１本の無線回線
で複数の呼を扱うことができるものであるため、呼毎の
設定／解放に際して無線回線の設定／解放を不要にする
ことができる。なお、複数のタイムスロットに時分割さ
れた無線フレームにおいて、未使用のタイムスロット部
分は送信されないので、これにより干渉電力を低減し、
無線回線容量の向上を図ることができる。

【００５７】なお、無線フレームを時間分割して複数の
タイムスロットに分けた場合において、図１では低速用
上り無線フレーム２５を時分割して２つのタイムスロッ
トに分割したもののみを示しているが、下り無線フレー
ムの各タイムスロットと同様に、１タイムスロット当り
の伝送速度として複数種類が定義される。そして、呼が
生起した場合、その呼で必要な伝送速度以上の伝送速度
を有するタイムスロットで最も伝送速度の遅いタイムス
ロットの種類を判定し、その伝送速度を有する空きタイ
ムスロットを選択し、前記呼に割り当てるようにしてい
る。

【００５８】また、時分割された後の各タイムスロット
の伝送速度よりも速く、無線フレームの伝送速度以下の
伝送速度を提供する呼は、無線フレームを専有して使用
する。例えば、４８ｋｂｐｓの伝送速度を提供する呼
は、低速用上り無線フレーム２５の各タイムスロットの
３２ｋｂｐｓの伝送速度よりも速いので、６４ｋｂｐｓ
の伝送速度を有する中速用上り無線フレーム２３を専有
して使用する。

【００５９】更に、中速用上り無線フレーム２３の６４
ｋｂｐｓの伝送速度よりも速い伝送速度を提供する呼
は、１２８ｋｂｐｓの伝送速度を有する高速用上り無線
フレーム２１を使用するが、１２８ｋｂｐｓの伝送速度
よりも速い伝送速度を提供する呼は、１２８ｋｂｐｓの
伝送速度を有する高速用上り無線フレーム２１を複数専
有して使用する。

【００６０】各上り無線フレーム２１，２３，２５，２
７の左端に示すように、各無線フレーム毎に同期情報
（ＳＹＮＣ）２１ａ，２３ａ，２５ａ，２７ａおよび既
知のビットパターンからなるパイロット信号（ＰＩＬＯ
Ｔ）２１ｂ，２３ｂ，２５ｂ，２７ｂがそれぞれ配置さ
れている。同期情報（ＳＹＮＣ）２１ａ，２３ａ，２５
ａ，２７ａは、基地局で受信同期を取るための情報であ
り、無線フレームを構成する複数のタイムスロットを使
用する複数の呼で共有されている。また、パイロット信
号（ＰＩＬＯＴ）２１ｂ，２３ｂ，２５ｂ，２７ｂは、
基地局で同期検波受信を行うための既知のビットパター
ンを有するものである。

【００６１】更に、各無線フレーム２１，２３，２５，
２７には、送信電力制御情報（ＴＰＣ）２１ｃ，２３
ｃ，２５ｃ，２７ｃが設けられ、この送信電力制御情報
（ＴＰＣ）を使用して、基地局において送信電力制御を
行うようになっている。

【００６２】なお、図１の上り無線回線の表示におい
て、縦方向に示す送信電力は伝送速度に比例して大きく
表示されているが、これは伝送速度を高くした場合にも
受信側で同じビットエラーレイトを得るために送信電力
を上げているものである。すなわち、伝送速度に関係な
く、同じビットエラーレイトを得るために、１ビット当
りの送信電力を同じにするように伝送速度に比例して送
信電力を増大しているものである。

【００６３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
呼として提供され得る最も遅い伝送速度よりも速い伝送
速度または呼として提供され得る最も速い伝送速度を有
する無線回線で下り無線回線を構成しているので、提供
サービスの伝送速度によらず、移動局は１つの相関器を
有していればよく、ハード規模を小さくすることができ
る。また、無線回線の伝送速度よりも遅い伝送速度を提
供する複数の呼で１無線回線を時分割して共有し、該複
数の呼は複数の移動局に対するものでも可能であるの
で、すなわち伝送速度の遅い複数の呼に対する複数の移
動局で１無線回線を共有し得るので、有限数の直交化さ
れた拡散コードを有効に使用することができ、受信品質
の向上または無線回線の容量の向上を図ることができ
る。更に、無線回線において時分割した未使用部分は送
信しないので、干渉電力を低減して無線回線容量の向上
を図ることができる。

【００６４】また、本発明によれば、１タイムスロット
当りの伝送速度として複数種類の伝送速度を予め定義し
ているので、無線回線中のタイムスロットの割り当てを
簡易化することができる。更に、無線回線を効率的に使
用することができる。

【００６５】更に、本発明にあっては、タイムスロット
毎に送信電力制御情報を含ませ、各タイムスロットを使
用する各移動局毎に送信電力制御を行うので、１無線回
線を複数の移動局で共有する場合でも移動局毎に異なる
送信電力制御を行うことができる。

【００６６】本発明によれば、無線フレーム内の複数の
各タイムスロットを使用する複数の移動局で無線フレー
ム毎の同期情報を共有し得るので、無線回線内の情報を
有効に利用することができる。

【００６７】また、本発明によれば、同期検波受信を行
うための既知のビットパターンであるパイロット信号を
無線フレーム毎に配置し、複数の各タイムスロットを使
用する複数の移動局で無線フレーム毎のパイロット信号
を共有しているので、無線回線内の情報を有効に利用す
ることができる。

【００６８】更に、本発明によれば、異なる伝送速度を
有する複数種類の無線回線で上り無線回線を構成し、該
複数種類の無線回線のうち１種類は、呼として提供され
得る最も遅い伝送速度を有する無線回線とし、他の種類
は提供され得るサービスで最も遅い伝送速度よりも速い
伝送速度を有しているので、すなわち所要の伝送速度を
１本の無線回線で実現しているので、複数の無線回線を
束ねて所要の伝送速度を実現する場合に比較して、移動
局の送信電力のピークファクタが低減され、移動局の送
信増幅器のハード構成を抑えることができる。更に、１
種類は呼として提供され得る最も遅い伝送速度を有する
無線回線とすることにより、小型移動局の必要性を考慮
した場合、該移動局の送信電力を小さくすることがで
き、移動局の送信増幅器のハード構成を小さくすること
ができる。

【００６９】本発明によれば、呼として提供され得る最
も遅い伝送速度よりも速い伝送速度または呼として提供
され得る最も速い伝送速度を有する無線回線で上り無線
回線を構成し、また無線回線の伝送速度よりも遅い伝送
速度を提供する複数の呼で１無線回線を時分割して共有
し、該複数の呼は１移動局が扱うものであるので、すな
わち１本の無線回線で複数の呼を扱えるものであるの
で、呼毎の設定／解放に際して無線回線の設定／解放を
不要にすることができる。また、無線回線において時分
割した未使用部分は送信しないので、干渉電力を低減し
て無線回線容量の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係わるＣＤＭＡ移動通信
システムにおける無線回線の構成を示す図である。

【符号の説明】

１１ 高速用下り無線回線 １３ 中速用下り無線回線 １５ 低速用下り無線回線 ２１ 高速用上り無線回線 ２３ 中速用上り無線回線 ２５，２７ 低速用上り無線回線 １１ａ，１３ａ，１５ａ，２１ａ，２３ａ，２５ａ，２
７ａ 同期情報 １１ｂ，１３ｂ，１５ｂ，２１ｂ，２３ｂ，２５ｂ，２
７ｂ パイロット信号 １１ｃ，１３ｃ，１３ｄ，１５ｃ，１５ｄ，１５ｅ，１
５ｆ，２１ｃ，２３ｃ，２５ｃ，２７ｃ 送信電力制御
情報

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 符号分割多元接続方式の移動通信システ
   ムにおいて基地局から移動局に送信される下り無線回線
   を、呼として提供され得る最も遅い伝送速度よりも速い
   伝送速度または呼として提供され得る最も速い伝送速度
   を有する無線回線とし、 該無線回線の伝送速度よりも遅い伝送速度を提供する複
   数の呼で１無線回線を時分割して共有し、信号伝送を行
   い、前記複数の呼は複数の移動局に対するものまたは１
   移動局に対するものであり、 前記時分割後の伝送速度よりも速く、無線回線の伝送速
   度以下の伝送速度を提供する呼は、１無線回線を専有し
   て使用し、 １無線回線の伝送速度よりも大きな伝送速度を提供する
   呼は、複数の無線回線を専有して使用し、 無線回線において時分割した未使用部分は送信しないこ
   とを特徴とするＣＤＭＡ移動通信システムにおける無線
   回線の構成方法。
2. 【請求項２】 前記無線回線は無線フレームを繰り返し
   送信し、該無線フレームは時間分割して複数のタイムス
   ロットに分けられ、１呼に対して１タイムスロットを割
   り当てることを特徴とする請求項１記載のＣＤＭＡ移動
   通信システムにおける無線回線の構成方法。
3. 【請求項３】 １タイムスロット当りの伝送速度として
   複数種類の伝送速度を予め定義し、呼が生起した時点
   で、その呼で必要な伝送速度以上の伝送速度を有するタ
   イムスロットで最も伝送速度の遅いタイムスロットの種
   類を判定し、その伝送速度を有する空きタイムスロット
   を選択し、呼に対して割り当てることを特徴とする請求
   項２記載のＣＤＭＡ移動通信システムにおける無線回線
   の構成方法。
4. 【請求項４】 前記タイムスロット毎に送信電力制御情
   報を含ませ、各タイムスロットを使用する各移動局毎に
   送信電力制御を行うことを特徴とする請求項２記載のＣ
   ＤＭＡ移動通信システムにおける無線回線の構成方法。
5. 【請求項５】 移動局で受信同期を取るための同期情報
   を無線フレーム毎に配置し、無線フレーム内の複数の各
   タイムスロットを使用する複数の移動局で無線フレーム
   毎の前記同期情報を共有し、各移動局で同期を取ること
   を特徴とする請求項２記載のＣＤＭＡ移動通信システム
   における無線回線の構成方法。
6. 【請求項６】 移動局で同期検波受信を行うための既知
   のビットパターンであるパイロット信号を無線フレーム
   毎に配置し、複数の各タイムスロットを使用する複数の
   移動局で無線フレーム毎の前記パイロット信号を共有
   し、各移動局で同期検波受信を行うことを特徴とする請
   求項２記載のＣＤＭＡ移動通信システムにおける無線回
   線の構成方法。
7. 【請求項７】 符号分割多元接続方式の移動通信システ
   ムにおいて移動局から基地局に送信される上り無線回線
   を、異なる伝送速度を有する複数種類の無線回線とし、 該複数種類の無線回線のうち１種類は、呼として提供さ
   れ得る最も遅い伝送速度を有する無線回線とし、他の種
   類は提供され得るサービスで最も遅い伝送速度よりも速
   い伝送速度を有し、 使用する無線回線の選択方法としては、呼が必要とする
   伝送速度以上の伝送速度を有する無線回線のうちで最も
   伝送速度の遅い無線回線を使用し、呼が必要とする伝送
   速度が最大伝送速度を有する無線回線の伝送速度よりも
   大きい場合には複数の無線回線を使用することを特徴と
   するＣＤＭＡ移動通信システムにおける無線回線の構成
   方法。
8. 【請求項８】 符号分割多元接続方式の移動通信システ
   ムにおいて移動局から基地局に送信される上り無線回線
   を、呼として提供され得る最も遅い伝送速度よりも速い
   伝送速度または呼として提供され得る最も速い伝送速度
   を有する無線回線とし、 該無線回線の伝送速度よりも遅い伝送速度を提供する複
   数の呼であって、１移動局で扱われる複数の呼で１無線
   回線を時分割して共有し、信号伝送を行い、 前記時分割後の伝送速度よりも速く、無線回線の伝送速
   度以下の伝送速度を提供する呼は、１無線回線を専有し
   て使用し、 １無線回線の伝送速度よりも大きな伝送速度を提供する
   呼は、複数の無線回線を専有して使用し、 無線回線において時分割した未使用部分は送信しないこ
   とを特徴とするＣＤＭＡ移動通信システムにおける無線
   回線の構成方法。
9. 【請求項９】 無線回線は無線フレームを繰り返し送信
   し、無線フレームは時分割して複数のタイムスロットに
   分けられ、１呼に対して１タイムスロットを割り当てる
   ことを特徴とする請求項８記載のＣＤＭＡ移動通信シス
   テムにおける無線回線の構成方法。
10. 【請求項１０】 １タイムスロット当りの伝送速度とし
    て複数種類の伝送速度を予め定義し、呼が生起した時点
    で、その呼で必要な伝送速度以上の伝送速度を有するタ
    イムスロットで最も伝送速度の遅いタイムスロットを判
    定し、その伝送速度を有する空きタイムスロットを選択
    し、呼に対して割り当てることを特徴とする請求項９記
    載のＣＤＭＡ移動通信システムにおける無線回線の構成
    方法。
11. 【請求項１１】 無線フレーム毎に送信電力制御情報を
    配置することを特徴とする請求項９記載のＣＤＭＡ移動
    通信システムにおける無線回線の構成方法。
12. 【請求項１２】 移動局で受信同期を取るための同期情
    報を無線フレーム毎に配置することを特徴とする請求項
    ９記載のＣＤＭＡ移動通信システムにおける無線回線の
    構成方法。
13. 【請求項１３】 移動局で同期検波受信を行うための既
    知のビットパターンであるパイロット信号を無線フレー
    ム毎に配置することを特徴とする請求項９記載のＣＤＭ
    Ａ移動通信システムにおける無線回線の構成方法。