JPH09303500A - 耐摩耗性の剛性内歯歯車を備えた撓み噛み合い式歯車装置 - Google Patents
耐摩耗性の剛性内歯歯車を備えた撓み噛み合い式歯車装置Info
- Publication number
- JPH09303500A JPH09303500A JP12307796A JP12307796A JPH09303500A JP H09303500 A JPH09303500 A JP H09303500A JP 12307796 A JP12307796 A JP 12307796A JP 12307796 A JP12307796 A JP 12307796A JP H09303500 A JPH09303500 A JP H09303500A
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- Japan
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- gear
- teeth
- flexible
- rigid internal
- internal gear
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 撓み噛み合い式歯車装置において、歯部の寸
法変化、疲労強度の低下を招くことなく、その耐摩耗性
を改善すること。 【解決手段】 撓み噛み合い式歯車装置において、その
剛性内歯歯車に対してのみメッキ処理を施して、2μm
から20μm程度の被膜を形成する。従来において採用
されている表面改質処理を採用する場合に比べて、剛性
内歯歯車および可撓性外歯歯車の歯部の寸法変化を抑制
できる。また、両歯車の歯部の疲労強度の低下、特に、
可撓性外歯歯車の疲労強度の低下を抑制できる。
法変化、疲労強度の低下を招くことなく、その耐摩耗性
を改善すること。 【解決手段】 撓み噛み合い式歯車装置において、その
剛性内歯歯車に対してのみメッキ処理を施して、2μm
から20μm程度の被膜を形成する。従来において採用
されている表面改質処理を採用する場合に比べて、剛性
内歯歯車および可撓性外歯歯車の歯部の寸法変化を抑制
できる。また、両歯車の歯部の疲労強度の低下、特に、
可撓性外歯歯車の疲労強度の低下を抑制できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撓み噛み合い式歯車
装置に関し、特に、その歯部の耐摩耗性の改善を図った
撓み噛み合い式歯車装置に関するものである。
装置に関し、特に、その歯部の耐摩耗性の改善を図った
撓み噛み合い式歯車装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】撓み噛み合い式歯車装置は、波動発生器
を用いて、歯数の異なる剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車
を部分的に噛み合わせ、これらの噛み合わせ位置を周方
向に移動させることにより、これらの歯車の間に相対回
転運動を発生させ、これにより、波動発生器に入力した
高速回転を大幅に減速して低速回転として、一方の歯車
から取り出すものである。
を用いて、歯数の異なる剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車
を部分的に噛み合わせ、これらの噛み合わせ位置を周方
向に移動させることにより、これらの歯車の間に相対回
転運動を発生させ、これにより、波動発生器に入力した
高速回転を大幅に減速して低速回転として、一方の歯車
から取り出すものである。
【0003】可撓性外歯歯車の外歯は半径方向に撓みを
繰り返しながら、剛性内歯歯車の内歯に対して間欠的に
噛み合い状態が形成される。したがって、一般的な歯車
同士の噛み合いに比べて、これらの歯車の歯部の摩耗が
激しい。したがって、歯車の歯部の耐摩耗性を高めてお
く必要がある。
繰り返しながら、剛性内歯歯車の内歯に対して間欠的に
噛み合い状態が形成される。したがって、一般的な歯車
同士の噛み合いに比べて、これらの歯車の歯部の摩耗が
激しい。したがって、歯車の歯部の耐摩耗性を高めてお
く必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このために、撓み噛み
合い式歯車装置においては、剛性内歯歯車および可撓性
外歯歯車の歯部に様々な表面改質処理を施して、その耐
摩耗性の改善が図られている。
合い式歯車装置においては、剛性内歯歯車および可撓性
外歯歯車の歯部に様々な表面改質処理を施して、その耐
摩耗性の改善が図られている。
【0005】ここで、剛性内歯歯車に対して可撓性外歯
歯車が撓みながら間欠的に噛み合い状態が形成されるの
で、これらの歯車の寸法は高精度に管理されなければな
らない。しかし、表面処理を施すと、そのために、両歯
車の歯部の寸法精度が低下する等の弊害が発生する。ま
た、表面処理によって形成された被膜が、長期使用によ
って歯車の歯面から剥離してしまう等の弊害も発生す
る。さらには、表面処理を施したために、撓み運動が繰
り返し行なわれる可撓性外歯歯車の疲労強度が低下して
しまうおそれもある。
歯車が撓みながら間欠的に噛み合い状態が形成されるの
で、これらの歯車の寸法は高精度に管理されなければな
らない。しかし、表面処理を施すと、そのために、両歯
車の歯部の寸法精度が低下する等の弊害が発生する。ま
た、表面処理によって形成された被膜が、長期使用によ
って歯車の歯面から剥離してしまう等の弊害も発生す
る。さらには、表面処理を施したために、撓み運動が繰
り返し行なわれる可撓性外歯歯車の疲労強度が低下して
しまうおそれもある。
【0006】このような理由により、今まで行なわれて
いた両歯車の耐摩耗性を改善するための表面処理では、
満足のいく効果が得られない場合がある。
いた両歯車の耐摩耗性を改善するための表面処理では、
満足のいく効果が得られない場合がある。
【0007】本発明の課題は、上記のような弊害を伴う
ことなく、歯部の耐摩耗性を改善することの可能な撓み
噛み合い式歯車装置を実現することにある。
ことなく、歯部の耐摩耗性を改善することの可能な撓み
噛み合い式歯車装置を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、内周面に内歯が形成された環状の剛性
内歯歯車と、この内側に配置されていると共に前記内歯
の噛み合い可能な外歯が形成された環状の可撓性外歯歯
車と、当該可撓性外歯歯車を半径方向に撓めて前記外歯
を前記内歯に対して部分的に噛み合わせると共にこれら
の噛み合わせ位置を周方向に移動させる波動発生器とを
有する撓み噛み合い式歯車装置において、前記剛性内歯
歯車の表面にメッキ処理を施した構成を採用している。
めに、本発明は、内周面に内歯が形成された環状の剛性
内歯歯車と、この内側に配置されていると共に前記内歯
の噛み合い可能な外歯が形成された環状の可撓性外歯歯
車と、当該可撓性外歯歯車を半径方向に撓めて前記外歯
を前記内歯に対して部分的に噛み合わせると共にこれら
の噛み合わせ位置を周方向に移動させる波動発生器とを
有する撓み噛み合い式歯車装置において、前記剛性内歯
歯車の表面にメッキ処理を施した構成を採用している。
【0009】ここで、メッキ処理により形成される被膜
の厚さは、2乃至20μmの範囲内が望ましい。
の厚さは、2乃至20μmの範囲内が望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の撓み噛み合い式歯車装置
では、剛性内歯歯車に対してのみメッキ処理を行なう。
例えば、Ni、Crの電解あるいは無電解メッキ、また
は、PTFE分散型メッキ等を採用することができる。
また、形成される被膜厚さとしては、2μmから20μ
mの範囲が適している。さらには、形成される被膜硬度
としては、可撓性外歯歯車の外歯の歯面の表面硬度に対
して、ビッカース硬度で+−100Hvの範囲内が好ま
しい。特に、+−50Hvの範囲内が好ましい。
では、剛性内歯歯車に対してのみメッキ処理を行なう。
例えば、Ni、Crの電解あるいは無電解メッキ、また
は、PTFE分散型メッキ等を採用することができる。
また、形成される被膜厚さとしては、2μmから20μ
mの範囲が適している。さらには、形成される被膜硬度
としては、可撓性外歯歯車の外歯の歯面の表面硬度に対
して、ビッカース硬度で+−100Hvの範囲内が好ま
しい。特に、+−50Hvの範囲内が好ましい。
【0011】本発明者等は各種の耐摩耗性に関する試験
を行なった結果、本発明の構成を採用すれば耐摩耗性が
著しく改善されることが確認された。また、剛性内歯歯
車および可撓性外歯歯車の歯部全体としての寸法変化も
小さく抑制することができ、さらに、この歯部の疲労強
度が低下しないことも確認された。特に、可撓性外歯歯
車の歯部の疲労強度が好適な状態に保持されることが確
認された。
を行なった結果、本発明の構成を採用すれば耐摩耗性が
著しく改善されることが確認された。また、剛性内歯歯
車および可撓性外歯歯車の歯部全体としての寸法変化も
小さく抑制することができ、さらに、この歯部の疲労強
度が低下しないことも確認された。特に、可撓性外歯歯
車の歯部の疲労強度が好適な状態に保持されることが確
認された。
【0012】なお、表1には、本発明者等が行なった耐
摩耗性試験の結果の一例を挙げてある。使用対象の撓み
噛み合い式歯車装置は、本件出願人が製造している商品
番号CSF−40−100−2A−GRである。この表
から分かるように、耐摩耗性が大幅に改善されているこ
とが分かる。
摩耗性試験の結果の一例を挙げてある。使用対象の撓み
噛み合い式歯車装置は、本件出願人が製造している商品
番号CSF−40−100−2A−GRである。この表
から分かるように、耐摩耗性が大幅に改善されているこ
とが分かる。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の撓み噛み
合い式歯車装置では、その剛性内歯歯車に対してのみメ
ッキ処理を施した構成を採用している。この構成によれ
ば、撓み噛み合い式歯車装置の歯部の寸法変化を抑制で
き、また、歯部の疲労強度の低下も抑制できる。
合い式歯車装置では、その剛性内歯歯車に対してのみメ
ッキ処理を施した構成を採用している。この構成によれ
ば、撓み噛み合い式歯車装置の歯部の寸法変化を抑制で
き、また、歯部の疲労強度の低下も抑制できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 内周面に内歯が形成された環状の剛性内
歯歯車と、この内側に配置されていると共に前記内歯の
噛み合い可能な外歯が形成された環状の可撓性外歯歯車
と、当該可撓性外歯歯車を半径方向に撓めて前記外歯を
前記内歯に対して部分的に噛み合わせると共にこれらの
噛み合わせ位置を周方向に移動させる波動発生器とを有
し、前記剛性内歯歯車の表面に対してのみメッキ処理が
施されていることを特徴とする撓み噛み合い式歯車装
置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記剛性内歯歯車の
表面にはメッキ処理により厚さが2乃至20μmの被膜
が形成されていることを特徴とする撓み噛み合い式歯車
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12307796A JPH09303500A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 耐摩耗性の剛性内歯歯車を備えた撓み噛み合い式歯車装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12307796A JPH09303500A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 耐摩耗性の剛性内歯歯車を備えた撓み噛み合い式歯車装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09303500A true JPH09303500A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=14851630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12307796A Pending JPH09303500A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 耐摩耗性の剛性内歯歯車を備えた撓み噛み合い式歯車装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09303500A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002340140A (ja) * | 2001-05-22 | 2002-11-27 | Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd | 軽量波動歯車装置 |
JP2006046369A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-16 | Toyoda Mach Works Ltd | ハーモニックドライブ装置、伝達比可変装置、及びハーモニックギヤの製造方法 |
JP2019019944A (ja) * | 2017-07-20 | 2019-02-07 | 住友重機械工業株式会社 | 撓み噛合い式歯車装置 |
JP2019138343A (ja) * | 2018-02-07 | 2019-08-22 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | 波動歯車装置 |
WO2020031843A1 (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-13 | ソニー株式会社 | 歯車機構、及び歯車機構の製造方法 |
WO2024124998A1 (zh) * | 2022-12-16 | 2024-06-20 | 美的集团股份有限公司 | 齿轮装置和齿轮装置的制造方法 |
-
1996
- 1996-05-17 JP JP12307796A patent/JPH09303500A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002340140A (ja) * | 2001-05-22 | 2002-11-27 | Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd | 軽量波動歯車装置 |
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JP4626211B2 (ja) * | 2004-07-30 | 2011-02-02 | 株式会社ジェイテクト | 波動歯車装置、伝達比可変装置、及び波動歯車装置の製造方法 |
JP2019019944A (ja) * | 2017-07-20 | 2019-02-07 | 住友重機械工業株式会社 | 撓み噛合い式歯車装置 |
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US11725719B2 (en) | 2018-08-10 | 2023-08-15 | Sony Corporation | Gear wheel mechanism and manufacturing method for a gear wheel mechanism |
WO2024124998A1 (zh) * | 2022-12-16 | 2024-06-20 | 美的集团股份有限公司 | 齿轮装置和齿轮装置的制造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060307 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060322 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |