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JPH09298575A - データ伝送制御システムおよびデータ伝送制御方法 - Google Patents

データ伝送制御システムおよびデータ伝送制御方法

Info

Publication number
JPH09298575A
JPH09298575A JP8108915A JP10891596A JPH09298575A JP H09298575 A JPH09298575 A JP H09298575A JP 8108915 A JP8108915 A JP 8108915A JP 10891596 A JP10891596 A JP 10891596A JP H09298575 A JPH09298575 A JP H09298575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data transmission
transmission control
layer
data
protocol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8108915A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Miyagawa
晋 宮川
Satoshi Ono
諭 小野
Naohisa Takahashi
直久 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP8108915A priority Critical patent/JPH09298575A/ja
Publication of JPH09298575A publication Critical patent/JPH09298575A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上位プロトコルの変更や天候の変化等、デー
タの伝送環境の変化に合わせて常に最適な効率の良いデ
ータ伝送を行なうことができない。 【解決手段】 OSI参照モデルの少なくともレイヤ1
からレイヤ4に対応するレイヤを有する階層的プロトコ
ルを利用して、データの伝送制御を行なうデータ伝送制
御システムにおいて、階層的プロトコルのレイヤ2以下
の各レイヤが有する各々の機能の内、データの伝送制御
に使用する機能(再送制御装置1、誤り訂正符号化装置
2、符号→物理値変換装置3、伝送フレーム誤り検出装
置5、誤り訂正復号化装置6、物理値→符号変換装置
7)を選択する選択装置8,9を設け、この選択装置
8,9で選択した各機能の組み合わせで、データの伝送
制御を行なうことを特徴とするデータ伝送制御システ
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OSI参照モデル
(Open Systems Interconnection、開放型システム間相
互接続)の少なくともレイヤ1からレイヤ4に対応する
レイヤを有する階層的プロトコルを利用した有線もしく
は無線を伝送媒体したデータの伝送制御技術に係り、特
に、上位プロトコルの変更や、天候の変化等、データの
伝送環境の変化に合わせて最適なデータ伝送を行なうの
に好適なデータ伝送制御システムおよびデータ伝送制御
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、データの伝送は、例えば、「イン
タフェース '92−6 No.181](1992
年、CQ出版社発行)の第149頁〜第161頁等に記
載の「TCP/IP LAN」(Transmission Control
Protocol / Internet ProtocolLocal Area Network)
やOSI参照モデルのように、階層的に分けて定義され
たプロトコルに基づき行なわれるのが標準となってい
る。
【0003】また、無線でのデータ伝送に関しても、例
えば、「ダイナミック・ハムシリーズ パケット通信ハ
ンドブック」(1995年、CQ出版社発行)の第19
9頁〜第206頁に記載のように、OSI参照モデルが
標準として取り決められている。以下、このような階層
的プロトコルを利用したデータの伝送制御技術に関して
説明する。
【0004】図8は、従来の階層的プロトコルを利用し
たデータの伝送制御システムの構成例を示すブロック図
である。本例は、特に、階層的プロトコルにおけるレイ
ヤ1,2等の低位層に位置付けられる各機能動作を行な
う装置の構成例を示している。送信側では、高位層(上
位プロトコル層、OSI参照モデルのレイヤ3〜7)か
ら受け取ったフレームに、まず再送制御装置1でシーケ
ンス番号を付与し、続いて誤り訂正符号化装置2により
誤り訂正符号形式にビット表現を置き換え、その結果を
符号→物理値変換装置3により物理値に変換して物理層
(伝送媒体4)に渡している。
【0005】受信側では、伝送媒体4(物理層)から渡
されたビットを、物理値→符号変換装置7で符号に変換
した後、誤り訂正復号化装置6により、誤り訂正符号の
復号化処理を行なう。そして、受信側の再送制御装置で
ある伝送フレーム誤り検出装置5は、受信したフレーム
にエラーがなければ当該フレームを上位プロトコル層に
送出するが、受信したフレームにエラーが発生していれ
ば、送信側の再送制御装置1に、エラーが発生したフレ
ームのシーケンス番号をフレーム誤り情報として送付す
る。このことにより、当該フレームの再送が行なわれる
ようになっている。
【0006】このように、従来の低位層の各伝送装置
は、物理層のビットエラーを見かけ上低減することを目
的にして、エラー訂正符号機能や再送機能といった伝送
制御機能を備えていることが多い。また、階層的なプロ
トコルモデルの理念からは、高位層の機能は低位層の伝
送装置の構成とは独立に設計、運用されることが求めら
れている。
【0007】しかしながら、例えば、近年、爆発的に利
用が拡大しているTCP/IPプロトコルによるインタ
ーネットのように、様々な異なる媒体を接続して広域に
展開するデジタルデータの通信ネットワークでは、「同
一の高位層技術を用いる」ことが本質であるといえる。
この場合、複数の異なる媒体が、交換装置を通して連続
して接続されている状況において同一の高位層プロトコ
ルが用いられることによって伝送路が構成されるため、
単に、物理媒体で発生する伝送エラーだけではなく、交
換装置での輻輳によるエラー等に対しても、エンドツー
エンド(通信主体である両端のES)で対処する必要が
ある。
【0008】そこで、高位層プロトコルにも伝送エラー
のチェックやエラー時の再送等の機能を備えることが必
要となるため、例えば、現在広く利用されている代表的
な高位層プロトコルであると考えることのできるTCP
/IPプロトコルファミリーにおける代表的な伝送プロ
トコルであるTCPでは、そのような機能が組み込まれ
ている。
【0009】ところが、このように高位層にも伝送エラ
ー時の再送機能が備わっている場合、低位層に実装され
ている再送機能の存在との間に不整合が生じる場合があ
り、本来実現できるはずの伝送効率に対して大幅に性能
的に劣ると考えられる伝送効率しか実現できなくなる場
合がある。このようなケースを、以下、TCPプロトコ
ルと携帯電話用の伝送装置を例にして説明する。
【0010】TCPプロトコルでは、パケットを伝送し
た時点から、それに対する確認応答(ACKパケット)
が返送されてくるまでの時間を計測することにより、通
信相手との時間的な距離(RTT:Round Trip Time)
を推定し、再送タイマに設定を行なう。そして、この再
送タイマが切れる前に、当該パケットの確認応答がなか
った場合は、伝送されたパケットが喪失したとして再送
を行なうようになっている。
【0011】一方、携帯電話用のデジタル伝送装置にお
いては、電子手帳など、携帯端末機器としては余り強力
な計算機が利用できないこともあり、無手順プロトコル
が利用されることが多いので、無線区間のエラー率が大
きいことを考慮して、伝送遅延や伝送速度は大幅に変動
しても伝送エラーと生じないように、強力な再送制御を
行なっている。
【0012】ところが、先に述べたような再送機能を持
つTCPを、このような伝送装置を用いて伝送すると、
実際に伝送エラーが生じた場合には、伝送装置でも再送
を行なっている一方で、TCPは、確認応答が戻ってこ
ないので(そもそもパケットが先方に届いていないか
ら)、再び、同じ内容のパケットを、下位層の伝送装置
に送りこむ。
【0013】条件が悪ければ、これが繰り返されること
により、下位層の伝送装置には、同じ内容のパケットが
複数個、滞留することとなる。しかも、下位層の伝送装
置としては、パケットが同じ内容であろうとなかろう
と、その全てを先方に届けなければならない。しかし、
送信先のTCPにおいては、同じ内容のパケットが伝送
装置から送付されてきても、伝送路内の重複として、一
つを残して全て破棄してしまう。その結果として、TC
Pとしてみれば、無線区間に、実際に、物理的な障害が
発生している時間に比較して、相当多くの時間伝送が滞
っているようにみえてしまうことになる。
【0014】また、既存の低位層の伝送装置は、その再
送機能の制御スキーマや、誤り訂正コードのエラー検出
/訂正強度といった通信の本質に係る特性を、天候の変
化や電波状態といった外乱に対応して動的に変更するこ
とができない。そのため、伝送装置の設計に仮定されて
いる物理層の条件を満たさないような場合には、伝送そ
のものがうまくいかず、逆に、仮定されている条件より
も良いときには、本来は発揮できたはずの伝送効率を実
現できない、といった不都合が生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来の技術では、階層的プロトコルの各層のプロ
トコルで重複する機能を有する場合、重複した機能動作
を行なってしまう点と、低位層の伝送装置のデータ伝送
に係る特性を動的に変更することができない点である。
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、上位
プロトコルの変更や天候の変化等、データの伝送環境の
変化に合わせて常に最適なデータ伝送を可能とするデー
タ伝送制御システムおよびデータ伝送制御方法を提供す
ることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のデータ伝送制御システムは、(1)OSI
参照モデルの少なくともレイヤ1からレイヤ4に対応す
るレイヤを有する階層的プロトコルを利用して、データ
の伝送制御を行なうデータ伝送制御システムにおいて、
階層的プロトコルのレイヤ2以下の各レイヤが有する各
々の機能(再送制御装置1,1a、誤り訂正符号化装置
2,2a、符号→物理値変換装置3,3a、伝送フレー
ム誤り検出装置5,5a、誤り訂正復号化装置6,6
a、物理値→符号変換装置7,7a)の内、データの伝
送制御に使用する機能を選択する選択手段(選択装置
8,9)を設け、この選択装置8,9で選択した各機能
の組み合わせで、データの伝送制御を行なうことを特徴
とする。また、(2)上記(1)に記載のデータ伝送制
御システムにおいて、選択装置8,9は、データの伝送
制御に使用しない再送制御装置1,1a、誤り訂正符号
化装置2,2a、符号→物理値変換装置3,3a、伝送
フレーム誤り検出装置5,5a、誤り訂正復号化装置
6,6a、物理値→符号変換装置7,7aのいずれか機
能をバイパスさせることにより、各機能の組み合わせを
行なうことを特徴とする。また、(3)上記(1)もし
くは(2)のいずれかに記載のデータ伝送制御システム
において、選択装置8,9は、データの伝送に使用する
通信条件を含む各機能毎に複数予め用意された特性A,
Bから、データの伝送制御に使用する特性A,Bを選択
する特性選択装置8a〜8c,9a〜9cを具備し、こ
の特性選択装置8a〜8c,9a〜9cで選択した特性
A,Bおよび選択した各機能の組み合わせで、データの
伝送制御を行なうことを特徴とする。また、(4)上記
(1)から(3)のいずれかに記載のデータ伝送制御シ
ステムにおいて、データの伝送に利用する階層的プロト
コルの種別の変更を含むデータの伝送環境の変化に対応
して、特性選択装置8a〜8c,9a〜9c(および選
択装置8,9)の選択動作を制御する制御手段(特性選
択制御装置11)を設けることを特徴とする。また、
(5)上記(4)に記載のデータ伝送制御システムにお
いて、制御手段(特性選択制御装置11)は、データの
伝送に利用する階層的プロトコルの種別を判別するプロ
トコル検出手段(プロトコル検出装置10)を具備し、
このプロトコル検出手段による階層的プロトコルの判別
結果に基づき、特性選択装置8a〜8c,9a〜9cや
選択装置8,9の選択動作を制御することを特徴とす
る。また、(6)上記(4)もしくは(5)のいずれか
に記載のデータ伝送制御システムにおいて、制御手段
(特性選択制御装置11)は、レイヤ2が有するエラー
検知機能によるエラー検知情報を収集するエラー情報収
集手段(エラー情報収集装置12)を具備し、このエラ
ー情報収集手段で収集したエラー検知情報に基づき、特
性選択装置8a〜8c,9a〜9cや選択装置8,9の
選択動作を制御することを特徴とする。また、(7)上
記(4)から(6)のいずれかに記載のデータ伝送制御
システムにおいて、制御手段(特性選択制御装置11)
は、レイヤ2より上層の上位プロトコルの動作をシミュ
レーションする手段(上位プロトコル動作シミュレータ
15)を具備し、このシミュレーションする手段による
上位プロトコルの動作のシミュレーション結果に基づ
き、特性選択装置8a〜8c,9a〜9cや選択装置
8,9の選択動作を制御することを特徴とする。また、
(8)上記(4)から(7)のいずれかに記載のデータ
伝送制御システムにおいて、制御手段(特性選択制御装
置11)は、階層的プロトコルのレイヤ1の物理的伝送
媒体4でのデータの伝送状態を観測する伝送媒体観測手
段(伝送媒体観測装置13,14)を具備し、この伝送
媒体観測手段による観測結果に基づき、特性選択装置8
a〜8c,9a〜9cや選択装置8,9の選択動作を制
御することを特徴とする。また、本発明のデータ伝送制
御方法は、(9)OSI参照モデルの少なくともレイヤ
1からレイヤ4に対応するレイヤを有する階層的プロト
コルを利用して、データの伝送制御を行なうデータ伝送
制御方法において、階層的プロトコルのレイヤ2以下の
各レイヤが有する各々の機能の内、データの伝送制御に
使用する機能を選択し、この選択した各機能の組み合わ
せで、データの伝送制御を行なうことを特徴とする。ま
た、(10)上記(9)に記載のデータ伝送制御方法に
おいて、最大限のスループットとなるようレイヤ2以下
の各機能の選択を行なうことを特徴とする。また、(1
1)上記(9)もしくは(10)のいずれかに記載のデ
ータ伝送制御方法において、データの伝送制御に使用し
ない機能をバイパスし、データの伝送制御に使用する機
能の選択を行なうことを特徴とする。また、(12)上
記(9)もしくは(11)のいずれかに記載のデータ伝
送制御方法において、階層的プロトコルのレイヤ2、3
としてTCP/IPを用いている場合、データの再送と
誤り訂正制御を行なうレイヤ2以下の各機能をバイパス
し、レイヤ3以上の機能により、データの再送と誤り訂
正制御を行なうことを特徴とする。また、(13)上記
(9)から(12)のいずれかに記載のデータ伝送制御
方法において、階層的プロトコルのレイヤ3以上のプロ
トコルの種別を判別し、この判別したプロトコルの種別
に対応して、レイヤ2以下の各機能の選択を行なうこと
を特徴とする。また、(14)上記(9)から(13)
のいずれかに記載のデータ伝送制御方法において、階層
的プロトコルの各レイヤの伝送品質を判別し、この判別
した各レイヤの伝送品質に対応して、レイヤ2以下の各
機能の選択を行なうことを特徴とする。また、(15)
上記(14)に記載のデータ伝送制御方法において、各
レイヤの伝送品質は、階層的プロトコルのレイヤ1の一
定時間内での伝送品質と、階層的プロトコルのレイヤ
2,3の一定時間内での伝送品質、および、階層的プロ
トコルのレイヤレイヤ4以上の一定時間内での伝送品質
を含み、各伝送品質の内、少なくとも1つのレイヤの伝
送品質を継続して計測し、この計測結果が、所定の時間
区間内において予め定められた閾値を超えた場合に、計
測結果に対応して、レイヤ2以下の各レイヤが有する各
々の機能を選択することを特徴とする。また、(16)
上記(15)に記載のデータ伝送制御方法において、レ
イヤ1の伝送品質は、有線伝送媒体における一定時間内
でのビット誤り率と、無線伝送媒体における一定時間内
での電界強度と電界強度の時間的変動率およびビット誤
り率を含み、レイヤ2、3の伝送品質は、有線伝送媒体
および無線伝送媒体における一定時間内でのフレーム誤
り率と再送頻度および再送フレー数ムを含み、レイヤ4
以上の伝送品質は、有線伝送媒体および無線伝送媒体を
含むエンドツーエンドでの一定時間内でのデータ転送中
のブロック誤り率とブロック再送頻度および再送ブロッ
ク数を含むことを特徴とする。また、(17)上記
(9)から(16)のいずれかに記載のデータ伝送制御
方法において、データの伝送に使用する通信条件を含む
各レイヤ2以下の機能毎に複数予め用意された特性A,
Bから、データの伝送制御に使用する特性A,Bを選択
することを特徴とする。また、(18)上記(17)に
記載のデータ伝送制御方法において、最大限のスループ
ットとなるよう、レイヤ2以下の各機能に用意された特
性A,Bの選択を行なうことを特徴とする。また、(1
9)上記(17)もしくは(18)のいずれかに記載の
データ伝送制御方法において、レイヤ2以下の各機能が
有する特性A,Bは、データの伝送速度特性と、再送特
性および誤り訂正特性を含み、転送レート特性の増減
と、再送特性および誤り訂正特性の強化あるいは軽減
を、各機能に連動させてもしくは個々に行ない特性A,
Bの選択を行なうことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明においては、手動もしくは
自動によるスイッチング動作等により、低位層に設けら
れた機能の一部をバイパスさせ、利用しないように選択
できるようにする。このように、低位層の機能を部分的
に利用可能/利用不可能にすることにより、例えば、高
位層のプロトコルが再送機能を備えている場合には、こ
の低位層の再送機能を、送受信側の双方でバイパスする
ことにより、再送機能の重複を回避できる。
【0018】また、低位層のある機能を使用する、しな
いという二値的なスイッチ操作ではなく、低位層のデー
タ伝送に係る特性を複数の選択肢から選択できるように
する。このことにより、例えば、上位プロトコルの変更
や伝送路(有線/無線)の状態変化に対応して、動的
に、データの伝送速度(転送レート)や、ファイル転送
方式等の通信条件等を変更することができ、環境の変化
に対応して常に最適なデータ伝送を行なうことができ
る。
【0019】また、使用される高位(上位)層のプロト
コルを判別できるようにし、その判別結果に基づき機能
のバイパス制御や特性変更制御を行なうことにより、例
えば伝送するパケット毎に、かつ自動的に、低位層の特
性を選択することができ、複数のプロトコルを同時に利
用しつつ、各層の機能の重複動作を回避できる。また、
物理層の状態(有線/無線伝送路の物理特性)を計測で
きるようにし、その計測結果に対応して、再送制御スキ
ーマやエラー訂正符号を動的に選択することにより、そ
の時の伝送路の状態に応じて最適な伝送特性を自動的に
選択することができ、伝送路の外乱にも対応できる。
【0020】さらに、上述の仕組を総合的に組み合わせ
ることにより、各層の機能の重複動作の回避と、伝送路
の外乱への対応を、同時に行なうことができる。特に、
高位プロトコルの動作を模倣できるようにすることによ
り、高位プロトコルの動作を予測して、それに対応した
動作を事前に行なうことができる。以下、本発明の実施
の形態例を、図面により詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明のデータ伝送制御システム
の本発明に係る構成の第1の実施例を示すブロック図で
ある。本図1において、1、2、3、4および8は、そ
れぞれ、送信側に設けられた再送制御装置、誤り訂正符
号化装置、符号→物理値変換装置、伝送媒体、および本
発明に係る選択装置であり、また、5、6、7、および
9は、それぞれ、受信側に設けられた伝送フレーム誤り
検出装置、誤り訂正復号化装置、物理値→符号変換装
置、伝送媒体、および本発明に係る選択装置である。
尚、ここでは、説明を簡明にするために、送信側と受信
側に分けているが、実際には、送信側、受信側の各装置
は、同じ機能を有し、送受信動作を行なうことができ
る。
【0022】以下、各装置の動作(機能)を説明する。
再送制御装置1は、上位プロトコルから受け取ったフレ
ームへのシーケンス番号付与やフレーム誤り時のフレー
ムの再送制御等を行なう。誤り訂正符号化装置2は、再
送制御装置1からのデータのビット表現を誤り訂正符号
形式に置き換える。符号→物理値変換装置3は、誤り訂
正符号化装置2からのデータを物理値に変換して伝送媒
体4に送出する。
【0023】物理値→符号変換装置7は、伝送媒体4か
らのビットを符号に変換する。誤り訂正復号化装置6
は、物理値→符号変換装置7からの誤り訂正符号の復号
化処理を行なう。伝送フレーム誤り検出装置5は、誤り
訂正復号化装置6で復号化処理されたフレームの上位プ
ロトコル層への送出およびフレームのエラー検出と対処
処理を行なう。すなわち、伝送フレーム誤り検出装置5
では、受信したフレームのエラーを検出すると、このフ
レームのシーケンス番号をフレーム誤り情報として、送
信側の再送制御装置1に送付する。このフレーム誤り情
報に基づき、再送制御装置1から当該フレームを再送す
ることにより、エラーに対処する。
【0024】本発明に係る選択装置8,9は、再送制御
装置1、誤り訂正符号化装置2、符号→物理値変換装置
3、および、伝送フレーム誤り検出装置5、誤り訂正復
号化装置6、物理値→符号変換装置7のそれぞれを個別
にバイパスさせ、当該するデータの伝送に使用する装置
だけを選択してシステムに組込み、システムを構成す
る。以下、この選択装置8,9の動作に係る説明を行な
う。
【0025】有線に比べて本質的に通信路の特性が不安
定で喪失しやすく、通信エラーも大きな無線を利用する
携帯電話回線を利用するデータ伝送システムでは、端末
機に複雑な伝送機能を要求しないで済むように、上位プ
ロトコルとして、いわゆる無手順プロトコルを用いるこ
とができるように、再送制御装置1,5には、強力なエ
ラー検出と再送制御の機能を備えている。このような回
線上およびシステムでTCPを用いて通信を行なう場
合、TCP自身の再送機能と、再送制御装置1,5その
ものに装備されている再送機能が競合して、特に一度エ
ラーが発生した時点より後において、伝送効率が大幅に
低下するという現象が観測される。
【0026】そこで、本実施例では、スイッチ機能を有
する選択装置8,9を設け、例えば、上位プロトコルと
してTCPを利用する場合は、予め再送制御装置1,5
をバイパスする用に設定してからシステムを構成する。
このことにより、特に外乱などにより、一度、伝送エラ
ーが発生した後の無用な伝送効率低下を防止することが
できる。この選択装置8,9の動作では、単に、再送制
御装置1,5等をバイパスするか否かのスイッチングを
行なうだけのものであるが、次の図2に示す選択手段を
設けることにより、さらに効率的なデータ伝送制御を行
なうことができる。
【0027】図2は、本発明のデータ伝送制御システム
の本発明に係る構成の第2の実施例を示すブロック図で
ある。本例においては、再送制御装置1a、誤り訂正符
号化装置2a、符号→物理値変換装置3a、および、伝
送フレーム誤り検出装置5a、誤り訂正復号化装置6
a、物理値→符号変換装置7aのそれぞれは、複数の異
なる特性値を有している。そして、図1における選択装
置8,9の代わりに、本発明に係る特性選択装置8a〜
8c,9a〜9cが設けられており、図1に示したシス
テムに比べてさらに極め細かくかつ柔軟に、通信環境の
変化に対応してシステム構成を変更することができる。
【0028】すなわち、特性選択装置8a〜8c,9a
〜9cは、それぞれ接続先の再送制御装置1a、誤り訂
正符号化装置2a、符号→物理値変換装置3a、およ
び、伝送フレーム誤り検出装置5a、誤り訂正復号化装
置6a、物理値→符号変換装置7aの各低位層の特性を
多種類選択可能な機能を有し、高位層のプロトコルに合
わせて最適な特性を設定することができる。また、も
し、その機能が不必要な場合には、バイパスすることも
できる。
【0029】例えば、あるユーザaはプロトコルAを用
い、また、あるユーザbはプロトコルBを用いるといっ
た場合に、携帯電話回線においても、利用されるプロト
コルはTCP/IPだけである、と限定する必然性はな
い。このような要求に対して、本例で設けた特性選択装
置8a〜8c,9a〜9cは、それぞれのプロトコルに
応じて最適な各装置の特性、すなわち、再送スキーマや
誤り訂正符号を選択する。このことにより、本例のデー
タ伝送制御システムでは、それぞれの場合において、最
適な伝送効率を発揮することができる。
【0030】尚、本例における特性選択装置8a〜8
c,9a〜9cは、図1における選択装置8,9に、各
機能の特性を選択させる機能を設けることにより構成す
ることでも良い。上述の図1、図2のデータ伝送制御シ
ステムでは、選択装置8,9および特性選択装置8a〜
8c,9a〜9cのそれぞれの選択動作の起動について
は特に説明していないが、手動によるスイッチングでも
良い。しかし、図3〜図6で示す構成とすることによ
り、自動的な選択動作を行なうことができる。
【0031】図3は、本発明のデータ伝送制御システム
の本発明に係る構成の第3の実施例を示すブロック図で
ある。本例のデータ伝送制御システムは、図2に示した
構成のデータ伝送制御システムに、高位(上位)層のプ
ロトコルを判別するためのプロトコル検出装置10を設
けたものである。尚、本例のプロトコル検出装置10
は、本発明の制御手段としての機能も有し、各特性選択
装置8a〜8c,9a〜9cを制御する。
【0032】一人のユーザが複数のプロトコルを同時に
利用することも広く行なわれているが、このプロトコル
検出装置10により、高位層から受け取るパケット毎
に、プロトコルを判別し、その判別結果を特性選択制御
情報として、各特性選択装置8a〜8c,9a〜9cに
通知する。その判別結果に動的に対応して、各特性選択
装置8a〜8c,9a〜9cは、再送制御装置1a、誤
り訂正符号化装置2a、符号→物理値変換装置3a、お
よび、伝送フレーム誤り検出装置5a、誤り訂正復号化
装置6a、物理値→符号変換装置7aのそれぞれが有す
る複数の異なる特性値を選択してシステムを構成する。
【0033】このように、本例では、高位層のプロトコ
ルを判別する機能を設け、その判別結果により、そのシ
ステムが現在処理しているプロトコルに応じて最適な伝
送特性を自動的に選択することができる。このことによ
り、パケット毎の上位プロトコルに対応した最適な伝送
効率を得ることができる。
【0034】図4は、本発明のデータ伝送制御システム
の本発明に係る構成の第4の実施例を示すブロック図で
ある。本例のデータ伝送制御システムは、図3に示した
構成のデータ伝送制御システムに、特性選択制御装置1
1とエラー情報収集装置12を設けた構成である。エラ
ー情報収集装置12は、低位層の各機能で検出したエラ
ー情報、ここでは、伝送フレーム誤り検出装置5aから
通知されるフレーム誤り情報と誤り訂正復号化装置6a
から通知される復号化時誤り検出情報を収集する。
【0035】そして、特性選択制御装置11は、このエ
ラー情報収集装置12で収集したエラー情報およびプロ
トコル検出装置10の判別結果(上位プロトコルの種
別)に基づき、各特性選択装置8a〜8c,9a〜9c
の選択動作を制御する。このことにより、図3における
データ伝送制御システムよりもさらに、伝送状況の変化
に最適化された構成でデータ伝送を行なうことができ
る。
【0036】図5は、本発明のデータ伝送制御システム
の本発明に係る構成の第5の実施例を示すブロック図で
ある。本例のデータ伝送制御システムは、図4に示した
構成のデータ伝送制御システムに、伝送媒体観測装置1
3,14を設けたもので、かつ、伝送媒体4を携帯電話
回線の無線とし、携帯電話回線用のデータ伝送制御シス
テムを構成するものとする。
【0037】伝送媒体観測装置13,14は、伝送媒体
4の特性、例えば電波の状態を検出する。携帯電話回線
では、通信主体の移動や、アンテナと通信機の間の状
況、さらに、天候などにより、電波強度を初めとする各
種のパラメータが大きく変化する。本実施例のデータ伝
送制御システムでは、伝送媒体観測装置13,14によ
り、このような変化を検出し、送信側伝送媒体物理特性
情報、受信側伝送媒体物理特性情報として、特性選択制
御装置11に通知される。
【0038】特性選択制御装置11では、この伝送媒体
観測装置13,14からの送信側伝送媒体物理特性情報
および受信側伝送媒体物理特性情報や、プロトコル検出
装置10からの使用プロトコル情報、そして、エラー情
報収集装置12からのエラー情報に基づき、各特性選択
装置8a〜8c,9a〜9cの選択動作を制御し、再送
スキーマを初めとする再送制御装置1a、誤り訂正符号
化装置2a、符号→物理値変換装置3a、伝送フレーム
誤り検出装置5a、誤り訂正復号化装置6a、物理値→
符号変換装置7aの各機能の特性を動的に変化させる。
このように、電波状態などの物理的な外乱と、高位層の
プロトコルの特性の双方に応じて、動的に伝送特性を変
化させることができ、総合的に最適な伝送効率を自動的
に得ることができる。
【0039】図6は、本発明のデータ伝送制御システム
の本発明に係る構成の第6の実施例を示すブロック図で
ある。本例のデータ伝送制御システムは、図3に示した
構成のデータ伝送制御システムに、図4,5で示した特
性選択制御装置11と、本実施例に特有の上位プロトコ
ル動作シミュレータ15を設けた携帯電話用のシステム
構成である。本例の上位プロトコル動作シミュレータ1
5は、高位層プロトコルとしてのTCP/IPプロトコ
ルファミリを模倣(シミュレート)する機能を持つ。
【0040】例えば、上位プロトコル動作シミュレータ
15は、上位層からの再送のタイミングを推測する。こ
の推測結果に基づき、特性選択制御装置11は、実際に
再送パケットが送られてくる直前に、再送制御装置1a
に対して、この再送制御装置1aによる再送動作を中止
させるための信号を出す。このことにより、上位層とし
てのTCPと再送制御装置1aの再送動作の衝突を防ぐ
ことができる。
【0041】図7は、本発明のデータ伝送制御システム
の本発明に係る動作手順例を示すフローチャートであ
る。データの伝送が開始されると(ステップ701)、
低位層の各機能の組み合わせあるいは特性の変更の要否
を決定し(ステップ702)、変更するのであれば(ス
テップ703)、最適な伝送効率すなわち最大限のスル
ープットが得られるように、各機能の組み合わせあるい
は特性を変更する(ステップ704)。
【0042】ステップ702における決定は、操作者に
よる手動でのスイッチング動作に基づく人的決定や、上
位プロトコルの種別を自動判別した結果に基づく自動決
定、各層が有する伝送エラーチェック機能による伝送品
質の判別結果に基づく自動決定などがある。この伝送品
質に関しては、伝送路(有線と無線)における、一定時
間内でのレイヤ1〜3の伝送品質、および、一定時間内
でのレイヤ4以上の伝送品質があり、これらの各伝送品
質の内、少なくとも1つのレイヤの状態(伝送品質)
を、継続して計測することによって得、この各計測結果
が、所定の時間区間内において、一定値または一定の範
囲を超えた場合に、低位層の各機能の組み合わせあるい
は特性の変更を要するものとして決定する。
【0043】レイヤ1の伝送品質としては、有線伝送路
におけるビット誤り率や、無線伝送路における電界強度
または電界強度の時間的変動率およびビット誤り率など
があり、レイヤ2,3の伝送品質としては、有線および
無線伝送路におけるフレーム誤り率や、再送頻度と再送
フレーム数のいずれか一方もしくは両方などがあり、レ
イヤ4以上の伝送品質としては、有線および無線伝送路
を含むエンドツーエンドでのデータ転送中のブロック誤
り率や、ブロック再送頻度と再送ブロック数のいずれか
一方もしくは両方などがある。
【0044】また、ステップ704における各機能の組
み合わせの変更は、各機能を使用またはバイパスするこ
とにより行なわれる。また、同ステップ704における
各機能の特性の変更は、例えば、各機能が有する再送も
しくは誤り訂正機能を、個々にもしくは連動させて強化
または軽減することや、各機能が有する転送レート(伝
送速度)を、個々にもしくは連動させて増減(高速化ま
たは低速化)することなどにより行なわれる。
【0045】そして、例えば、上位プロトコルとしてT
CP/IPが利用されている場合、上述した電界強度、
ビット誤り率、フレーム誤り率の少なくとも1項目以上
が、所定の時間区間内に、ある基準値を超えた状態を検
出した場合には、レイヤ2以下の機能をバイパスし、レ
イヤ3以上の機能により、再送または誤り訂正を行な
う。尚、ステップ702における決定に用いる各伝送品
質のチェック、および、ステップ704における各機能
の組み合わせの変更を、それぞれ個別に行なう構成とす
ることも、1システムに混在させて同時に行なうような
構成とすることもできる。また、本例に示した動作は、
図1〜図6に示す構成のデータ伝送制御システムで行な
うことができる。
【0046】以上、説明したように、本実施例のデータ
伝送制御システムでは、まず、図1に示す構成とするこ
とにより、低位層の再送機能を、送受信の双方でバイパ
スすることができる。このことにより、例えば、高位層
に再送制御機能が実装されている場合、これと不整合を
起こすことを回避することができるので、このようなバ
イパス機能がない場合に比べて、伝送効率を高めること
ができる。
【0047】また、図2の構成とすることにより、低位
層の各機能の特性を、伝送される高位層のプロトコルに
合わせて最適なものを設定することができると共に、も
し、低位層の機能が不必要な場合には、それをバイパス
することも可能である。すなわち、単に、再送制御機能
をオン/オフするだけでなく、再送のタイミングを変更
したり、誤り訂正符号の形式を変更することも可能であ
る。そのため、複数のプロトコルを扱うことが予測され
る回線に、これを適用する場合、使用用途に合わせて最
適な伝送特性を発揮するように設定を行なうことができ
る。
【0048】また、図3の構成とすることにより、その
システムが現在処理しているプロトコルに応じて最適な
伝送特性を自動的に選択することができる。このことに
より、複数のプロトコルを同時に利用する場合、例え
ば、「TCP/IP」といわゆる「Apple Tal
k」と呼ばれる2つのプロトコルを同時に利用する場
合、パケット毎に最適な伝送特性を設定することが可能
であり、マルチプロトコル使用時の伝送特性を改善する
ことができる。
【0049】また、図4の構成とするすることにより、
上位プロトコルに対応して選択した特性でのデータ伝送
に対し、低位層によるエラー検出をフィードバックする
ことにより、さらに最適な伝送特性を選択して、伝送効
率を改善することができる。また、図5の構成とするこ
とにより、データ伝送制御システムは、高位層のプロト
コルと、伝送媒体の物理特性の双方を勘定して総合的に
最適な伝送特性を自動的に選択することができるので、
特に、マルチプロトコルかつ伝送媒体の特性が時間で大
幅に変化するような伝送とに適用した場合、伝送特性を
常にその時に応じた最高の性能に常に保つことができ
る。
【0050】また、図6の構成として、高位層プロトコ
ルを模倣する機能を持つことにより、データ伝送制御シ
ステムは、高位プロトコルの動作を予測することが可能
となり、特に、高位プロトコルの動作と自らの動作が矛
盾する場合には、自らの動作を高位プロトコルに適応す
るように変化させることによって、伝送路の総合的な特
性を最適に保つことができる。また、図7に説明した、
伝送環境の変化に対応した各機能の組み合わせあるいは
特性の変更動作により、最適な伝送効率を得ることがで
きる。
【0051】尚、本発明は、図1〜図7を用いて説明し
た実施例の構成例および動作例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
ある。例えば、図5においては、特性選択制御装置11
は、図4に示したプロトコル検出装置10とエラー情報
収集装置12を有するシステムに、伝送媒体観測装置1
3,14を追加した構成となっているが、この図5の構
成において、プロトコル検出装置10とエラー情報収集
装置12を取り除いたとしても、データ伝送制御システ
ムは、伝送媒体観測装置13,14の伝送媒体4の観測
結果により、伝送媒体4の物理的な外乱などの特性変化
に応じて最適な伝送特性を自動的に選択することが可能
である。例えば、電波状態の良い場合には良い性能を出
し、電波状態の悪い場合でも、それなりに対応した性能
に自動的に適用することができる。すなわち、物理的な
回線の状況に応じた最適な伝送特性を、常に維持するこ
とができる。
【0052】また、図4〜図6におけるエラー情報収集
装置12、伝送媒体観測装置13,14、上位プロトコ
ル動作シミュレータ15を、特性選択制御装置11内に
設け、それぞれを特性選択制御装置11が具備する構成
としても良い。そして、このように、エラー情報収集装
置12、伝送媒体観測装置13,14、上位プロトコル
動作シミュレータ15を、特性選択制御装置11内に設
けることにより、エラー情報収集装置12、伝送媒体観
測装置13,14、上位プロトコル動作シミュレータ1
5で、本発明に係る伝送品質観測手段を構成でき、所定
時間観測した各レイヤ(レイヤ1〜3、およびレイヤ4
以上)の伝送品質に対応した各機能の組み合わせおよび
特性の変更を行なうことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、階層的プロトコルの各
層のプロトコルで重複する機能を有する場合にも、重複
した機能動作を回避でき、また、低位層の各機能のデー
タ伝送に係る特性を動的に変更することができ、上位プ
ロトコルの変更や天候の変化等、データの伝送環境の変
化に合わせて常に最適な効率の良いデータ伝送を行なう
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ伝送制御システムの本発明に係
る構成の第1の実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明のデータ伝送制御システムの本発明に係
る構成の第2の実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明のデータ伝送制御システムの本発明に係
る構成の第3の実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明のデータ伝送制御システムの本発明に係
る構成の第4の実施例を示すブロック図である。
【図5】本発明のデータ伝送制御システムの本発明に係
る構成の第5の実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明のデータ伝送制御システムの本発明に係
る構成の第6の実施例を示すブロック図である。
【図7】本発明のデータ伝送制御システムの本発明に係
る動作手順例を示すフローチャートである。
【図8】従来の階層的プロトコルを利用したデータの伝
送制御システムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1a:再送制御装置、2,2a:誤り訂正符号化装
置、3,3a:符号→物理値変換装置、4:伝送媒体、
5,5a:伝送フレーム誤り検出装置、6,6a:誤り
訂正復号化装置、7,7a:物理値→符号変換装置、
8,9:選択装置、8a〜8c,9a〜9c:特性選択
装置、10:プロトコル検出装置、11:特性選択制御
装置、12:エラー情報収集装置、13,14:伝送媒
体観測装置、15:上位プロトコル動作シミュレータ。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 OSI参照モデルの少なくともレイヤ1
    からレイヤ4に対応するレイヤを有する階層的プロトコ
    ルを利用して、データの伝送制御を行なうデータ伝送制
    御システムにおいて、上記階層的プロトコルのレイヤ2
    以下の各レイヤが有する各々の機能の内、上記データの
    伝送制御に使用する機能を選択する選択手段を設け、該
    選択手段で選択した各機能の組み合わせで、上記データ
    の伝送制御を行なうことを特徴とするデータ伝送制御シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のデータ伝送制御システ
    ムにおいて、上記選択手段は、上記データの伝送制御に
    使用しない機能をバイパスさせることにより、上記各機
    能を組み合わせることを特徴とするデータ伝送制御シス
    テム。
  3. 【請求項3】 請求項1、もしくは、請求項2のいずれ
    かに記載のデータ伝送制御システムにおいて、上記選択
    手段は、上記データの伝送に使用する通信条件を含む上
    記各機能毎に複数予め用意された特性から、上記データ
    の伝送制御に使用する特性を選択する特性選択手段を具
    備し、該特定選択手段で選択した特性および上記選択し
    た各機能の組み合わせで、上記データの伝送制御を行な
    うことを特徴とするデータ伝送制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    のデータ伝送制御システムにおいて、上記データの伝送
    に利用する上記階層的プロトコルの種別の変更を含む上
    記データの伝送環境の変化に対応して、上記選択手段の
    選択動作を制御する制御手段を設けることを特徴とする
    データ伝送制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のデータ伝送制御システ
    ムにおいて、上記制御手段は、上記データの伝送に利用
    する上記階層的プロトコルの種別を判別するプロトコル
    検出手段を具備し、該プロトコル検出手段による上記階
    層的プロトコルの判別結果に基づき、上記選択手段の選
    択動作を制御することを特徴とするデータ伝送制御シス
    テム。
  6. 【請求項6】 請求項4、もしくは、請求項5のいずれ
    かに記載のデータ伝送制御システムにおいて、上記制御
    手段は、上記レイヤ2が有するエラー検知機能によるエ
    ラー検知情報を収集するエラー情報収集手段を具備し、
    該エラー情報収集手段で収集した上記エラー検知情報に
    基づき、上記選択手段の選択動作を制御することを特徴
    とするデータ伝送制御システム。
  7. 【請求項7】 請求項4から請求項6のいずれかに記載
    のデータ伝送制御システムにおいて、上記制御手段は、
    上記レイヤ2より上層の上位プロトコルの動作をシミュ
    レーションする手段を具備し、該シミュレーションする
    手段による上記上位プロトコルの動作のシミュレーショ
    ン結果に基づき、上記選択手段の選択動作を制御するこ
    とを特徴とするデータ伝送制御システム。
  8. 【請求項8】 請求項4から請求項7のいずれかに記載
    のデータ伝送制御システムにおいて、上記制御手段は、
    上記階層的プロトコルのレイヤ1の物理的伝送媒体での
    上記データの伝送状態を観測する伝送媒体観測手段を具
    備し、該伝送媒体観測手段による観測結果に基づき、上
    記選択手段の選択動作を制御することを特徴とするデー
    タ伝送制御システム。
  9. 【請求項9】 OSI参照モデルの少なくともレイヤ1
    からレイヤ4に対応するレイヤを有する階層的プロトコ
    ルを利用して、データの伝送制御を行なうデータ伝送制
    御方法において、上記階層的プロトコルのレイヤ2以下
    の各レイヤが有する各々の機能の内、上記データの伝送
    制御に使用する機能を選択し、該選択した各機能の組み
    合わせで、上記データの伝送制御を行なうことを特徴と
    するデータ伝送制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のデータ伝送制御方法
    において、最大限のスループットとなるよう、上記レイ
    ヤ2以下の各機能の選択を行なうことを特徴とするデー
    タ伝送制御方法。
  11. 【請求項11】 請求項9、もしくは、請求項10のい
    ずれかに記載のデータ伝送制御方法において、上記デー
    タの伝送制御に使用しない機能をバイパスし、上記デー
    タの伝送制御に使用する機能の選択を行なうことを特徴
    とするデータ伝送制御方法。
  12. 【請求項12】 請求項9から請求項11のいずれかに
    記載のデータ伝送制御方法において、上記階層的プロト
    コルのレイヤ2、3としてTCP/IPを用いている場
    合、上記データの再送と誤り訂正制御を行なう上記レイ
    ヤ2以下の各機能をバイパスし、上記レイヤ3以上の機
    能により、上記データの再送と誤り訂正制御を行なうこ
    とを特徴とするデータ伝送制御方法。
  13. 【請求項13】 請求項9から請求項12のいずれかに
    記載のデータ伝送制御方法において、上記階層的プロト
    コルのレイヤ3以上のプロトコルの種別を判別し、該判
    別したプロトコルの種別に対応して、上記レイヤ2以下
    の各機能の選択を行なうことを特徴とするデータ伝送制
    御方法。
  14. 【請求項14】 請求項9から請求項13のいずれかに
    記載のデータ伝送制御方法において、上記階層的プロト
    コルの各レイヤの伝送品質を判別し、該判別した各レイ
    ヤの伝送品質に対応して、上記レイヤ2以下の各機能の
    選択を行なうことを特徴とするデータ伝送制御方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のデータ伝送制御方
    法において、上記各レイヤの伝送品質は、上記階層的プ
    ロトコルのレイヤ1の一定時間内での伝送品質と、上記
    階層的プロトコルのレイヤ2,3の一定時間内での伝送
    品質、および、上記階層的プロトコルのレイヤレイヤ4
    以上の一定時間内での伝送品質を含み、各伝送品質の
    内、少なくとも1つのレイヤの伝送品質を継続して計測
    し、該計測結果が、所定の時間区間内において予め定め
    られた閾値を超えた場合に、上記計測結果に対応して、
    上記レイヤ2以下の各レイヤが有する各々の機能を選択
    することを特徴とするデータ伝送制御方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のデータ伝送制御方
    法において、上記レイヤ1の伝送品質は、有線伝送媒体
    における上記一定時間内でのビット誤り率と、無線伝送
    媒体における上記一定時間内での電界強度と電界強度の
    時間的変動率およびビット誤り率を含み、上記レイヤ
    2、3の伝送品質は、有線伝送媒体および無線伝送媒体
    における上記一定時間内でのフレーム誤り率と再送頻度
    および再送フレー数ムを含み、上記レイヤ4以上の伝送
    品質は、有線伝送媒体および無線伝送媒体を含むエンド
    ツーエンドでの上記一定時間内でのデータ転送中のブロ
    ック誤り率とブロック再送頻度および再送ブロック数を
    含むことを特徴とするデータ伝送制御方法。
  17. 【請求項17】 請求項9から請求項16のいずれかに
    記載のデータ伝送制御方法において、上記データの伝送
    に使用する通信条件を含む上記各レイヤ2以下の機能毎
    に複数予め用意された特性から、上記データの伝送制御
    に使用する特性を選択することを特徴とするデータ伝送
    制御方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載のデータ伝送制御方
    法において、最大限のスループットとなるよう、上記レ
    イヤ2以下の各機能に用意された特性の選択を行なうこ
    とを特徴とするデータ伝送制御方法。
  19. 【請求項19】 請求項17、もしくは、請求項18の
    いずれかに記載のデータ伝送制御方法において、上記レ
    イヤ2以下の各機能が有する特性は、上記データの伝送
    速度特性と、再送特性および誤り訂正特性を含み、上記
    転送レート特性の増減と、上記再送特性および誤り訂正
    特性の強化あるいは軽減を、上記各機能に連動させても
    しくは個々に行ない上記特性の選択を行なうことを特徴
    とするデータ伝送制御方法。
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