JPH09298257A - 半導体パッケージ接続用ソケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】電気的な導通が確実に得られ、優れた高周波特
性が得られる半導体パッケージ接続用ソケットを提供す
る。 【解決手段】ソケット本体３０に半導体パッケージ１０
Ａを着脱自在に収容する装填凹部３１を形成するととも
に、この装填凹部３１の底部開口に異方導電性シート３
６を半導体パッケージ１０Ａのリード１２と接触可能に
設け、ソケット本体３０を位置決めピン３３により位置
決めしてボルト等により回路基板２０に取り付けて異方
導電性シート３６を回路基板２０の電極端子２１と接触
させるとともに、ソケット本体３０の両側の凹部３７に
係止爪３１の爪部３１ａを係止させて蓋部材４０を取り
付け、蓋部材４０とソケット本体３０との間に半導体パ
ッケージ１０Ａのリード１２を押圧可能な押圧部５２が
形成された中間部材５０を介装し、押圧部５２でリード
１２を異方導電性シート３６に圧接させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、半導体パッケージの
検査治具等として用いられる半導体パッケージ接続用ソ
ケット、特に、表面実装型の半導体パッケージと回路基
板との接続に適した半導体パッケージ接続用ソケットに
関する。

【０００２】

【従来の技術】半導体パッケージとＩＣ検査用基板や回
路基板との接続には、一般に、ＩＣソケットが用いられ
ている。このようなＩＣソケットとしては、従来、ソケ
ット本体に半導体パッケージが装填可能な装填部を形成
し、この装填部に電極端子を、本体の底部や側部に電極
端子と導線によって接続されたリードやピンを固設する
とともに、装填部の表面側開口を開閉する蓋部材をヒン
ジ等によって取り付けたものが知られる。

【０００３】このようなＩＣソケットは、蓋部材により
装填部の開口を閉止した場合、装填部内に装填された半
導体パッケージを蓋部材により表側から押さえて半導体
パッケージの電極を装填部内のリードやピンに圧接する
ように、あるいは、蓋部材の裏面側にゴムやスプリング
の弾性部材を設け、弾性部材により半導体パッケージを
弾性的に装填部内のリードやピンに押圧するように構成
される。そして、このようなＩＣソケットは、本体の側
部のリードを設けたものはリードを回路基板に半田によ
り接続することで、また、本体の底部にピンを設けたも
のはピンを回路基板のスルーホールに挿通して接続する
ことで回路基板に取り付けられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のＩＣソケットにあっては、本体の装填部に電極
端子を、本体の外側にリードやピンを設けなければなら
ず、部品点数が多く、組立も煩雑であるという問題があ
る。また、この従来のＩＣソケットにあっては、回路基
板への半田付けが不可欠で工程が増加するという問題が
あり、特に、ピンを設けた場合は回路基板にスルーホー
ルを形成しなければならず、回路基板の設計が煩雑にな
るという問題もあった。

【０００５】さらに、この従来のＩＣソケットにあって
は、底部にピンが配設された半導体パッケージ、例え
ば、ＰＧＡを着脱する際には強い挿抜力を要するため、
着脱作業が煩雑であり、着脱時に半導体パッケージを破
損してしまうという問題もあった。またさらに、この従
来のＩＣソケットにあっては、本体の装填部の底部や蓋
部材の裏側にスプリングやゴムを設けて半導体パッケー
ジのリードあるいは電極端子と装填部内のリードやピン
との接続の安定化を図ることが不可欠であるため、半導
体パッケージの電極と回路基板の電極との間の接続距離
が長くなり、高周波特性が低下するという問題もあっ
た。

【０００６】また、上述した従来のＩＣソケットは、半
導体パッケージをソケット本体の装填部に装填し、ヒン
ジ等によって取り付けられた蓋部材で装填部の開口を閉
止する時、ヒンジ側から他側に向かって押圧力が徐々に
作用するため、押圧荷重が半導体パッケージの全電極に
一様に分布せず、接続の信頼性に劣るという問題もあっ
た。この発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、少
ない部品点数で容易に製造でき、回路基板への半田付け
が不要で、回路基板の設計も容易に行え、また、半導体
パッケージの押圧力の強さやバランスが調節でき、さら
に、優れた高周波特性が得られる半導体パッケージ接続
用ソケットを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、リードが側方に延出する半導体パッケ
ージのリードと回路基板の電極端子とを接続する半導体
パッケージ接続用ソケットであって、前記半導体パッケ
ージを位置決めして着脱自在に装着可能な装填凹部が形
成されたソケット本体を前記回路基板に位置決め部材に
より位置決めして取り付け、前記装填凹部の底部の少な
くとも一部に開口を形成して該開口を前記回路基板に臨
ませるとともに、絶縁性のゴム製弾性材からなるシート
体に、厚み方向に複数の導電性線状体を斜めに貫通させ
て異方導電性シートを構成し、該異方導電性シートを前
記ソケット本体の装填凹部の開口に前記装填部内の半導
体パッケージのリードが接触可能、かつ、前記回路基板
の電極端子と接触させて設けるとともに、前記ソケット
本体の表側部分に前記装填凹部の開口の少なくとも対向
する２か所で係止して該装填凹部の表側開口を閉止する
蓋部材と、該蓋部材と前記ソケット本体との間に介装さ
れ、前記装填部内の半導体パッケージのリードと当接し
て該リードを前記異方導電性シートに向けて押圧する押
圧部が形成された中間部材と、前記蓋部材に設けられ、
閉蓋時に前記中間部材を前記異方導電性シートに向けて
弾性的に付勢する付勢部材とを設けた。

【０００８】そして、請求項１に記載の半導体パッケー
ジ接続用ソケットは、前記中間部材が押圧部先端の前記
リードと接触する部分に該リードの厚みと対応した凹部
を備える態様（請求項２）に構成することができる。

【０００９】また、請求項３に記載の発明は、複数の電
極端子が裏面に設けられた半導体パッケージの電極端子
と回路基板の電極端子とを接続する半導体パッケージ接
続用ソケットであって、前記半導体パッケージを位置決
めして着脱自在に装着可能な装填凹部が形成されたソケ
ット本体を前記回路基板に位置決め部材により位置決め
して取り付け、前記装填凹部の底部の少なくとも一部に
開口を形成して該開口を前記回路基板に臨ませるととも
に、絶縁性のゴム製弾性材からなるシート体に、厚み方
向に複数の導電性線状体を斜めに貫通させて異方導電性
シートを構成し、該異方導電性シートを前記ソケット本
体の装填凹部の開口に前記装填部内の半導体パッケージ
の電極端子が接触可能、かつ、前記回路基板の電極端子
と接触させて設けるとともに、前記ソケット本体の表側
部分に前記装填凹部の開口の少なくとも対向する２か所
で係止して該装填凹部の表側開口を閉止する蓋部材と、
該蓋部材と前記ソケット本体との間に介装され、前記装
填部内の半導体パッケージの表面と当接して該半導体パ
ッケージ裏面の電極端子を前記異方導電性シートに向け
て押圧する押圧部が形成された中間部材と、前記蓋部材
に設けられ、閉蓋時に前記中間部材を前記異方導電性シ
ートに向けて弾性的に付勢する付勢部材とを設けた。

【００１０】そして、上記請求項１および請求項３に記
載の半導体パッケージ接続用ソケットは、前記付勢部材
が複数であって、該複数の付勢部材を前記蓋部材に前記
中間部材の形状と対応する配列に配列して設ける態様
（請求項４）に、また、前記付勢部材を前記蓋部材に付
勢方向位置調節可能に取り付け、前記付勢部材の付勢力
を調節可能とする態様（請求項５）に構成することがで
きる。

【００１１】

【作用】この発明にかかる半導体パッケージ接続用ソケ
ットは、ソケット本体を位置決め部材により位置決めし
てボルト等により回路基板に取り付け、装填凹部に装填
された半導体パッケージと回路基板の電極端子との電気
的な接続を異方導電性シートによる得るため、リード等
の細かな部品をソケット本体に組み付ける必要がなく、
少ない部品点数、かつ、簡素な構造で達成され、また、
回路基板への取付に際しても半田付け等が不要で取付が
容易である。

【００１２】また、ソケット本体の装填凹部に半導体パ
ッケージを収容した後に蓋部材で装填凹部を被蓋する
と、装填凹部内の半導体パッケージは、リード（請求項
１）若しくは裏面の電極端子（請求項３）が付勢部材に
より付勢される中間部材の押圧部により押圧されて異方
導電性シートに圧接し、リードや電極端子が異方導電性
シートを介して回路基板の電極端子と導通する。このた
め、電気的な導通を確実に得られ、また、接続距離が短
く優れた高周波特性が得られる。そして、蓋部材はソケ
ット本体に装填凹部の開口の対向する２か所で係止して
装填凹部を被蓋するため、すなわち、蓋部材の支持にヒ
ンジ等を用いないため、中間部材と半導体パッケージの
接触圧を均一にでき、全てのリード（電極端子）を確実
に導通させることができる。

【００１３】そして、請求項２に記載の半導体パッケー
ジ接続用ソケットは、中間部材の押圧部のリードとの接
触部分に段差状の凹部を形成するため、異方導電性シー
トに局部的に過大な力が作用することを防止できる。ま
た、請求項４記載の半導体パッケージ接続用ソケットは
複数の付勢部材を設けて半導体パッケージの形状に対応
して配列するため、中間部材と半導体パッケージの接触
圧をより均一化でき、さらに、請求項５記載の半導体パ
ッケージ接続用ソケットは、付勢部材の付勢力を調節可
能に構成したため、個々の半導体パッケージに適正な押
圧力が選択でき、より優れた信頼性が得られる。

【００１４】

【実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面を参
照して説明する。図１から図５は請求項１に記載の発明
の第１の実施の形態にかかる半導体パッケージ接続用ソ
ケットを示し、図１が分解斜視図、図２が分解した状態
の断面図、図３がソケット本体の平面図、図４（ａ）が
中間部材の平面図、図４（ｂ）が同中間部材の断面図、
図５（ａ）が要部の拡大断面図、図５（ｂ）が同要部の
他の態様を示す断面図である。

【００１５】図中、１０Ａは四角平面型（ＱＦＰ（Quad
Flat Pack-type ））の半導体パッケージ、２０は回路
基板、３０はソケット本体、４０は蓋部材、５０は中間
部材を表す。半導体パッケージ１０Ａは、周知のよう
に、四角板状のモールド部１１の４辺にそれぞれ複数の
リード（電極端子）１２が所定ピッチで設けられる。こ
れらリード１２は、モールド部１１から側方に延出し、
先端部が略鉤型状に折曲して先端部分がモールド部１１
と平行に延在する。

【００１６】回路基板２０は、ソケット本体３０の後述
する装填凹部と対応した表面の矩形領域に複数の電極端
子２１が各辺に対応した矩形４辺状の４群に分離されて
エッチング等により形成され、また、矩形領域の角部に
それぞれ取付穴２２が、対向する一対の辺に中央位置で
それぞれ位置決め孔２３が貫通形成される。電極端子２
１は、所定の長さの線状をなし、各群で平行に配列され
る。

【００１７】ソケット本体３０、蓋部材４０および中間
部材５０は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテル
サルフォン樹脂あるいはポリエーテルイミド樹脂等を用
い、射出成形または樹脂ブロックの切削加工等により成
形される。ソケット本体３０は表裏を貫通する略矩形状
の装填凹部３１が形成された矩形枠板状を有する。装填
凹部３１は、４角部に後述する突起が形成され、これら
突起間に開口３１ａ（図３参照）が形成される。この装
填凹部３１は、対向する側壁間の間隔が半導体パッケー
ジ１０Ａのモールド部１１の対向する辺のリード１２先
端間の寸法とほぼ等しく、これら側壁が位置決め面とし
て機能し、半導体パッケージ１０Ａを位置決めして着脱
自在に収容する。

【００１８】このソケット本体３０には、４角部にそれ
ぞれ取付孔３２が貫通形成され、裏面（回路基板２０側
の面）に２本の位置決めピン３３が植設され、対向する
一対の辺の外側部に蓋係止凹部３７が形成される。取付
孔３２にはソケット本体３０を回路基板２０に取り付け
るボルトが挿通し、位置決めピン３３は回路基板２０の
位置決め孔２３に嵌合し、ソケット本体３０は位置決め
ピン３３により位置決めされ取付孔３２および回路基板
２０の取付孔２２を貫通するボルトにより回路基板２０
に取り付けられる。蓋係止用の凹部３７は、ソケット本
体３０の外側部の裏面側部分を切り欠いて形成され、蓋
部材４０の閉蓋時に後述する係止爪が係止する。

【００１９】また、このソケット本体３０は、装填凹部
３１の４隅にそれぞれ平面視正方形状の位置決め突起３
４が、裏面側に装填凹部３１の開口の４辺部分でそれぞ
れ段差部３５（図２参照）が形成される。位置決め突起
３４はそれぞれ、ソケット本体３０と略等しい厚みを有
し、互いに対向する面の表側部分に傾斜した案内面３４
ａが、裏側部分に垂直な位置合わせ面３４ｂが、装填凹
部３１の中心に向かう角部に厚み方向に延在して略９０
°の角面を有する位置決め用切欠３４ｃ（図３参照）が
形成される。後述するように、案内面３４ａは半導体パ
ッケージ１０Ａの装填時にリード１２を案内し、位置合
わせ面３４ｂはリード１２の位置を規定し、位置決め用
切欠３４ｃはモールド部１１の角部と嵌合してモールド
部１１の位置を規定する。

【００２０】さらに、ソケット本体３０には、裏面側に
装填凹部３１の開口の４辺部分にそれぞれ短冊状の異方
導電性シート３６が設けられる。異方導電性シート３６
は、裏面の段差部３５に接着剤等で接着され、回路基板
２０の電極端子２１に接触し、また、装填凹部３１内に
装填された半導体パッケージ１０Ａのリード１２が当接
する。本出願人が先に提出した特願平７−１６４５０４
号明細書等に記載されるように、この異方導電性シート
３６は、ゴム弾性を有する絶縁性材料からなるシート体
に金細線等の複数の導電性線状体を所定角度傾斜させて
表裏貫通埋設してシート体表裏面に導電性線状体が突出
し、突出した導電性線状体の両端にレーザー加工等によ
って球状の端子部を形成してもよい。

【００２１】蓋部材４０は、略矩形平板状をなし、対向
する一対の側辺部にそれぞれ略矩形平板状の係止爪４１
が取り付けられる。係止爪４１は、略矩形平板状をな
し、中間部が支持ピン４２により回動自在に蓋部材４０
に支持され、裏面側縁部に上述したソケット本体３０の
凹部３７に係止可能な爪部４１ａが、反対側の縁部（表
面側縁部）に滑り止め用突起４１ｂが形成される。これ
ら係止爪４１はそれぞれ、支持ピン４２の回りに設けら
れたトーションスプリング４９（図１参照）により爪部
４１ａが接近する方向に付勢される。

【００２２】また、蓋部材４０には、４つのスプリング
ピン（付勢部材）４３が表裏を貫通して裏面側への突出
長さを調節可能に螺合し、裏面に２つのガイドピン４４
が植設される。スプリングピン４３は、蓋部材４０に螺
合した六角穴付きの殻体内にスプリングで付勢されたプ
ランジャを収容して構成され、プランジャが中間部材５
０を押圧可能に裏面側に突出し、また、レンチ等を用い
殻体の螺合長さを変更することでプランジャの突出長さ
が調節される。これらスプリングピン４３は、蓋部材４
０に所定の間隔で配列されて、換言すれば、中間部材５
０の表面に均一に当接するように配置される。これらス
プリングピン４３が中間部材５０に及ぼす荷重は、異方
導電性シート３６と半導体パッケージ１０Ａのリード１
２との接触面積に３０ｇ〜２５０ｇを乗じた値に設定す
ることが好ましい。なお、スプリングピン４３は販売さ
れている周知のもの等を用いることができるため、その
説明と図示は割愛する。

【００２３】ガイドピン４４は、金属ピン等からなり、
蓋部材４０の裏面に適当な間隔をもって中間部材５０に
対し対称的に配列される。これらガイドピン４４は、中
間部材５０の後述するガイド孔と螺合し、中間部材５０
の蓋部材４０に対する移動を案内する。なお、述べるま
でもないが、スプリングピン４３とガイドピン４４はよ
り多くの数を設けることも可能である。

【００２４】中間部材５０は、図４に示すように、矩形
平板状のフランジ部５１の裏面に矩形板状の４つの押圧
部５２を一体に突設してなり、前述したように射出成形
等で成形される。ベース部５１は、装填凹部３１の開口
より大きな寸法の相似形状を有し、対向する一対の側部
にそれぞれガイド孔５１ａが形成される。押圧部５２
は、装填凹部３１内の突起３４間に挿入され、先端が装
填凹部３１内の半導体パッケージ１０Ａのリード１２を
押圧する。これら押圧部５２は、長さ（縦）寸法Ｌが半
導体パッケージ１０Ａの各辺両端のリード１２外側面間
の距離に等しく、幅（横、厚み）寸法Ｗが０．１ｍｍ〜
５ｍｍ程度で、その高さ寸法Ｈがリード１２を押圧した
状態でフランジ部がソケット本体３０の表面に接触しな
い程度の値に形成される。

【００２５】また、押圧部５２には、図５（ａ）に示す
ように、先端面に内側の所定範囲で切欠５２ａが段差状
に形成される。この切欠５２ａは、リード１２の先端の
平行部分と対応した幅ｆ、リード１２の厚みとほぼ等し
い高さｄを有する。なお、図５（ｂ）に示すように、押
圧部５２は、幅寸法Ｗを若干大きくし、先端の内側の縁
にリード１２の屈曲傾斜部分と対応した角度の面取り５
２ｂを形成することも可能である。

【００２６】この実施の形態にあっては、ソケット本体
３０はその取付孔３２と回路基板２０の取付孔２２に挿
通したボルトにより回路基板２０に固定され、また、位
置決めピン３３が回路基板２０の位置決め孔２３に嵌挿
して異方導電性シート３６の回路基板２０の電極端子２
１に対する位置合わせがなされ、異方導電性シート３６
が電極端子２１と当接する。そして、ソケット本体３０
の装填凹部３１内に半導体パッケージ１０Ａが位置決め
されて装填され、半導体パッケージ１０Ａはリード１２
が異方導電性シート３６に当接し異方導電性シート３６
を介して電極端子２１と導通する。

【００２７】ここで、ソケット本体３０は位置決めピン
３３により回路基板２０に対する位置合わせがなされ、
取付孔２２，３２を挿通するボルトにより回路基板に取
り付けられ、その電気的な接続が異方導電性シート３６
によって得られる。このため、ソケット本体３０にリー
ド等を設ける必要がなく、回路基板２０にスルーホール
を形成する必要もなく、また、ソケット本体３０の取付
に際しての半田付けが不要である。このため、ソケット
本体３０の構造が簡素化でき、また、その取付が容易で
あり、製造コストを低減できる。

【００２８】また、半導体パッケージ１０Ａの装填に際
しては、半導体パッケージ１０Ａはリード１２が突起３
４の案内面３４ａにより案内され、また、リード１２の
位置合わせが位置合わせ面３４ｂにより、モールド部１
１の位置合わせが切欠３４ｃによりなされる。このた
め、半導体パッケージ１０Ａの装填作業が容易であり、
半導体パッケージ１０Ａの検査工数が低減される。

【００２９】次に、ソケット本体３０の装填凹部３１内
の半導体パッケージ１０Ａ上に中間部材５０を載せた
後、蓋部材４０をソケット本体３０に取り付けてスプリ
ングピン４３により中間部材５０を半導体パッケージ１
０Ａ側に押圧する。そして、半導体パッケージ１０Ａ
は、リード１２が中間部材５０の押圧部５２により押圧
されて異方導電性シート３６と圧接する。このため、リ
ード１２と異方導電性シート３６との電気的接続が確実
に得られ、高い信頼性が得られる。

【００３０】ここで、蓋部材４０は両側の係止爪４１の
爪部４１ａをソケット本体３０の凹部３７に係止させる
ことでソケット本体３０に取り付けられ、また、蓋部材
４０に植設されたガイドピン４４が中間部材５０のガイ
ド孔５１ａに摺動自在に挿通して中間部材５０の移動が
案内される。このため、各スプリングピン４３から中間
部材５０に作用する力が均一化され、全てのリード１２
が異方導電性シート３６に接触する接触圧も均一化され
る。

【００３１】特に、この実施の形態においては、中間部
材５０の押圧部５２の先端面に切欠５２ａを段差状に形
成するため、半導体パッケージ１０Ａのリード１２と異
方導電性シート３６との圧縮荷重が異方導電性シート３
６と回路基板２０との圧縮荷重と略等しくなり、接触抵
抗のばらつきが低減して安定した接続が得られ、高い信
頼性が達成される。

【００３２】図６から図９は請求項１に記載の発明の第
２の実施の形態にかかる半導体パッケージ接続用ソケッ
トを示し、図６が分解斜視図、図７が分解した状態の断
面図、図８が主要部品であるソケット本体の平面図、図
９が他の主要部品である中間部材の正面図である。な
お、この実施の形態および後述する実施の形態では、前
述した第１の実施の形態と同一の部分には同一の番号を
付して説明と一部の図示を省略する。

【００３３】この第２の実施の形態は、ＳＯＰ(Small O
utline Package) 型の半導体パッケージ１０Ｂに適用す
る半導体パッケージ接続用ソケットを示す。半導体パッ
ケージ１０Ｂは、平面視矩形（正方形）状のモールド部
１１の対向する一対の辺にそれぞれ複数のリード１２が
設けられる。リード１２は、前述したＱＦＰ型の半導体
パッケージ１０Ａと同様に屈曲する。

【００３４】そして、ソケット本体３０には、装填凹部
３１の底部の対向する一対の側辺部分に異方導電性シー
ト３６が設けられ、また、この異方導電性シート３６側
の側壁間の寸法が半導体パッケージ１０Ｂの両側のリー
ド１２先端間の寸法より微小寸法大きく形成される。ま
た、回路基板２０には、矩形領域の対向する側にそれぞ
れ複数の電極端子２１が設けられる。

【００３５】中間部材５０は半導体パッケージ１０Ｂの
リード１２の無い側に対応する押圧部５２Ａの高さＨと
リード１２を押圧する押圧部５２Ｂの高さＨが異なる
（差δ）。この押圧部５２Ａは、押圧部５２Ｂがリード
１２を押圧した状態で装填凹部３１の底面に接触しない
程度の高さＨを有し、また、長さＬが半導体パッケージ
１０Ｂのモールド部１１と等しい長さを有する。

【００３６】この第２の実施の形態にあっても、ソケッ
ト本体３０の装填凹部３１内に半導体パッケージ１０Ｂ
を装填した後、ソケット本体３０上に中間部材５０を載
せて該中間部材５０上から蓋部材４０で装填凹部３１の
表側開口を閉止するが、ソケット本体３０の回路基板２
０への取付は半田付け等が不要で容易であり、ソケット
本体３０にリード等の電極を設ける必要がなくその構造
を簡素化でき、また、半導体パッケージ１０Ｂの装填も
突起３４により位置合わせされるため容易である。

【００３７】そして、装填凹部３１に半導体パッケージ
１０Ｂが装填された状態では、中間部材５０は蓋部材４
０のスプリングピン４３により付勢され、中間部材５０
の押圧部５２が半導体パッケージ１０Ｂのリード１２を
異方導電性シート３６に向けて押圧する。このため、リ
ード１２と異方導電性シート３６との電気的な接続、す
なわち、回路基板２０の電極２１との接続が確実に得ら
れる。

【００３８】図１０および図１１は請求項２記載の発明
の一の実施の形態にかかる半導体パッケージ接続用ソケ
ットを示し、図１０が分解斜視図、図１１が分解した状
態の断面図である。この実施の形態は、ＢＧＡ（Ball G
lid Array ）型の半導体パッケージ１０Ｃに用いられる
半導体パッケージ接続用ソケットであり、半導体パッケ
ージ１０Ｃはモールド部１１の裏面に複数の球状電極端
子１７が配列して設けられ、また、回路基板２０はソケ
ットに対応した矩形領域に複数の電極端子２５が半導体
パッケージ１０Ｃの電極端子１７と対応した配列に設け
られる。

【００３９】そして、ソケット本体３０は、半導体パッ
ケージ１０Ｃのモールド部１１と対応した形状の装填凹
部３１が表裏を貫通して形成され、貫通穴３１の表側開
口縁部にＣ面取り３１ｆが装填時のガイド面として形成
される。装填凹部３１は、半導体パッケージ１０Ｃのモ
ールド部１１と対応した断面形状を有し、裏面側開口全
面に異方導電性シート３６が設けられる。

【００４０】中間部材５０は裏面中央に一体に突設され
た略柱状の押圧部５２を有する。押圧部５２は、先端が
平面をなし、半導体パッケージ１０Ｃのモールド部１１
の平面形状と相似で寸法が小さな断面形状を有する。こ
の中間部材５０は、押圧部５２が半導体パッケージ１０
Ｃのモールド部１１表面と対称的に当接して半導体パッ
ケージ１０Ｃを異方導電性シート３６に向けて押圧す
る。

【００４１】この実施の形態にあっても、ソケット本体
３０に細かな部品であるリード等の電極を設ける必要が
なく、また、ソケット本体３０を半田付け等を行うこと
無く回路基板２０に取り付けることができる。このた
め、回路基板２０への取付が容易に行え、また、製造コ
ストも少なくできる。

【００４２】そして、半導体パッケージ１０Ｃは装填凹
部３１への装填に際して装填凹部３１の面取り３１ｆに
より案内されるため、装填が容易である。また、はソケ
ット本体３０の装填凹部３１内に装填された半導体パッ
ケージ１０Ｃは、蓋部材４０のスプリングピン４３によ
り付勢される中間部材５０の押圧部５２により押圧さ
れ、その電極端子１７が異方導電性シート３６に圧接す
る。このため、半導体パッケージ１０Ｃの電極端子１７
と回路基板２０の電極端子２５との電気的な接続も確実
に得られる。

【００４３】図１２および図１３は請求項２記載の発明
の第２の実施の形態にかかる半導体パッケージ接続用ソ
ケットを示し、図１２が分解した状態の斜視図、図１３
が分解した状態の断面図である。この実施の形態は、Ｐ
ＧＡ（Pin Glid Array）型の半導体パッケージ１０Ｄに
適用される半導体パッケージ接続用ソケットを示す。こ
の半導体パッケージ１０Ｄは、モールド部１１の裏面に
複数のピン状電極１８が配列して設けられる。

【００４４】この第２の実施の形態にあっても、半導体
パッケージ１０Ｄの装填凹部３１への装填が容易であ
り、また、装填された半導体パッケージ１０Ｄは蓋部材
４０のスプリングピン４３により中間部材５０を介して
押圧されるためピン状電極１８と回路基板２０の電極端
子２５との接続も確実に得られる。

【００４５】なお、上述した図１０，１１（図１２，１
３）の実施の形態にかかる半導体パッケージ接続用ソケ
ットは、モールド部の裏面に複数の点状電極が配列して
設けられたＬＧＡ（Land Glid Array ）にも適用でき、
また、回路基板の電極端子の配列を変更するのみでＰＬ
ＣＣ（Plastic Leaded Chip Carrier ）にも適用するこ
とができる。

【００４６】さらに、上述した各実施の形態では、中間
部材５０と蓋部材４０とを分離しているが、中間部材５
０を蓋部材４０に変位を許容して組み付けることも可能
であり、また、中間部材５０をソケット本体３０にガイ
ドピン等で変位を許容して組み付け、ソケット本体３０
との間に張設された引張スプリング等で付勢することも
可能である。

【００４７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
半導体パッケージ接続用ソケットによれば、ソケット本
体に半導体パッケージを着脱自在に収容する装填凹部を
形成するとともに、この装填凹部の底部開口に異方導電
性シートを半導体パッケージのリード（電極端子）と接
触可能に設け、ソケット本体を位置決め部材により位置
決めしてボルト等により回路基板に取り付けて異方導電
性シートを回路基板の電極端子と接触させ、装填凹部に
装填された半導体パッケージと回路基板の電極端子との
電気的な接続を異方導電性シートによる得る。このた
め、リード等の細かな部品をソケット本体に組み付ける
必要がなく、少ない部品点数、かつ、簡素な構造で達成
でき、また、回路基板への取付に際しても半田付け等が
不要で取付が容易である。

【００４８】また、ソケット本体の装填凹部に装填され
た半導体パッケージは、リードや裏面の電極端子が付勢
部材により付勢される中間部材の押圧部により押圧され
て異方導電性シートに圧接し、リードや電極端子が異方
導電性シートを介して回路基板の電極端子と導通する。
このため、電気的な導通を確実に得られ、また、接続距
離が短く優れた高周波特性が得られる。そして、蓋部材
はソケット本体に装填凹部の開口の対向する２か所で係
止して装填凹部を被蓋するため、すなわち、蓋部材の支
持にヒンジ等を用いないため、中間部材と半導体パッケ
ージの接触圧を均一にでき、全てのリードや電極端子を
確実に導通させることができる。

【００４９】そして、請求項２に記載の半導体パッケー
ジ接続用ソケットは、中間部材の押圧部のリードとの接
触部分に段差状の凹部を形成するため、異方導電性シー
トに局部的に過大な力が作用することを防止できる。ま
た、請求項４記載の半導体パッケージ接続用ソケットは
複数の付勢部材を設けて半導体パッケージの形状に対応
して配列するため、中間部材と半導体パッケージの接触
圧をより均一化でき、さらに、請求項５記載の半導体パ
ッケージ接続用ソケットは、付勢部材の付勢力を調節可
能に構成したため、個々の半導体パッケージに適正な押
圧力が選択でき、より優れた信頼性が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に記載の発明の第１の実施の形態にか
かる半導体パッケージ接続用ソケットの分解した状態の
斜視図である。

【図２】同半導体パッケージ接続用ソケットの分解した
状態の断面図である。

【図３】同半導体パッケージ接続用ソケットのソケット
本体の平面図である。

【図４】同半導体パッケージ接続用ソケットの中間部材
を示し、ａが平面図、ｂが断面図である。

【図５】同中間部材の一部を拡大した断面図であり、ａ
が一の態様を、ｂが他の態様を示す。

【図６】請求項１に記載の発明の第２の実施の形態にか
かる半導体パッケージ接続用ソケットの分解した状態の
斜視図である。

【図７】同半導体パッケージ接続用ソケットの分解した
状態の断面図である。

【図８】同半導体パッケージ接続用ソケットのソケット
本体の平面図である。

【図９】同半導体パッケージ接続用ソケットの中間部材
の側面図である。

【図１０】請求項２に記載の発明の第１の実施の形態に
かかる半導体パッケージ接続用ソケットの分解した状態
の斜視図である。

【図１１】同半導体パッケージ接続用ソケットの分解し
た状態の断面図である。

【図１２】請求項２に記載の発明の第２の実施の形態に
かかる半導体パッケージ接続用ソケットの分解した状態
の斜視図である。

【図１３】同半導体パッケージ接続用ソケットの分解し
た状態の断面図である。

【符号の説明】

１０Ａ 半導体パッケージ １０Ｂ 半導体パッケージ １０Ｃ 半導体パッケージ １０Ｄ 半導体パッケージ １１ モールド部 １２ リード（電極端子） １７ 電極端子 １８ ピン状電極 ２０ 回路基板 ２１ 電極端子 ２２ 取付穴 ２３ 位置決め孔 ３０ ソケット本体 ３１ 装填凹部 ３２ 取付孔 ３３ 位置決めピン ３４ 位置決め突起 ３４ａ 案内面 ３４ｂ 位置合わせ面 ３４ｃ 位置決め用切欠 ３５ 位置決めピン ３６ 異方導電性シート ３７ 蓋係止用の凹部 ４０ 蓋部材 ４１ 係止爪 ４１ａ 爪部 ４１ｂ 滑り止め用突起 ４２ 支持ピン ４３ スプリングピン（付勢部材） ４４ ガイドピン ５０ 中間部材 ５１ フランジ部 ５１ａ ガイド孔 ５２ 押圧部 ５２ａ 切欠

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リードが側方に延出する半導体パッケー
   ジのリードと回路基板の電極端子とを接続する半導体パ
   ッケージ接続用ソケットであって、 前記半導体パッケージを位置決めして着脱自在に装着可
   能な装填凹部が形成されたソケット本体を前記回路基板
   に位置決め部材により位置決めして取り付け、前記装填
   凹部の底部の少なくとも一部に開口を形成して該開口を
   前記回路基板に臨ませるとともに、 絶縁性のゴム製弾性材からなるシート体に、厚み方向に
   複数の導電性線状体を斜めに貫通させて異方導電性シー
   トを構成し、該異方導電性シートを前記ソケット本体の
   装填凹部の開口に前記装填部内の半導体パッケージのリ
   ードが接触可能、かつ、前記回路基板の電極端子と接触
   させて設けるとともに、 前記ソケット本体の表側部分に前記装填凹部の開口の少
   なくとも対向する２か所で係止して該装填凹部の表側開
   口を閉止する蓋部材と、該蓋部材と前記ソケット本体と
   の間に介装され、前記装填部内の半導体パッケージのリ
   ードと当接して該リードを前記異方導電性シートに向け
   て押圧する押圧部が形成された中間部材と、前記蓋部材
   に設けられ、閉蓋時に前記中間部材を前記異方導電性シ
   ートに向けて弾性的に付勢する付勢部材とを設けたこと
   を特徴とする半導体パッケージ接続用ソケット。
2. 【請求項２】 前記中間部材は押圧部先端の前記リード
   と接触する部分に該リードの厚みと対応した凹部を備え
   る請求項１に記載の半導体パッケージ接続用ソケット。
3. 【請求項３】 複数の電極端子が裏面に設けられた半導
   体パッケージの電極端子と回路基板の電極端子とを接続
   する半導体パッケージ接続用ソケットであって、 前記半導体パッケージを位置決めして着脱自在に装着可
   能な装填部が形成されたソケット本体を前記回路基板に
   位置決め部材により位置決めして取り付け、前記装填凹
   部の底部の少なくとも一部に開口を形成して該開口を前
   記回路基板に臨ませるとともに、 絶縁性のゴム製弾性材からなるシート体に、厚み方向に
   複数の導電性線状体を斜めに貫通させて異方導電性シー
   トを構成し、該異方導電性シートを前記ソケット本体の
   装填凹部の開口に前記装填部内の半導体パッケージの電
   極端子が接触可能、かつ、前記回路基板の電極端子と接
   触させて設けるとともに、 前記ソケット本体の表側部分に前記装填凹部の開口の少
   なくとも対向する２か所で係止して該装填凹部の表側開
   口を閉止する蓋部材と、該蓋部材と前記ソケット本体と
   の間に介装され、前記装填部内の半導体パッケージの表
   面と当接して該半導体パッケージ裏面の電極端子を前記
   異方導電性シートに向けて押圧する押圧部が形成された
   中間部材と、前記蓋部材に設けられ、閉蓋時に前記中間
   部材を前記異方導電性シートに向けて弾性的に付勢する
   付勢部材とを設けたことを特徴とする半導体パッケージ
   接続用ソケット。
4. 【請求項４】 前記付勢部材は複数であって、該複数の
   付勢部材を前記蓋部材に前記中間部材の形状と対応する
   配列に配列して設けた請求項１から請求項３のいずれか
   １項に記載の半導体パッケージ接続用ソケット。
5. 【請求項５】 前記付勢部材を前記蓋部材に付勢方向位
   置調節可能に取り付け、前記付勢部材の付勢力を調節可
   能とした請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の
   半導体パッケージ接続用ソケット。