JPH09277208A - 木質材の表面処理方法 - Google Patents
木質材の表面処理方法Info
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- JPH09277208A JPH09277208A JP11124496A JP11124496A JPH09277208A JP H09277208 A JPH09277208 A JP H09277208A JP 11124496 A JP11124496 A JP 11124496A JP 11124496 A JP11124496 A JP 11124496A JP H09277208 A JPH09277208 A JP H09277208A
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 作業が簡単で大がかりな設備を必要とせず、
連続的に木質材の表面を強化及び抗菌等の薬剤処理がで
きる表面処理方法を提供する。 【解決手段】 木材、木材、合板、単板積層材、木質ボ
ード、集成材等の木質材を高温、高圧で圧縮し、固定し
たあと、抗菌組成物等を含有する硬化性樹脂液で処理し
て圧縮固定部分の復元と該樹脂液の注入を行い、注入さ
れた該樹脂液を硬化させる工程からなることを特徴とす
る木材の表面処理方法。
連続的に木質材の表面を強化及び抗菌等の薬剤処理がで
きる表面処理方法を提供する。 【解決手段】 木材、木材、合板、単板積層材、木質ボ
ード、集成材等の木質材を高温、高圧で圧縮し、固定し
たあと、抗菌組成物等を含有する硬化性樹脂液で処理し
て圧縮固定部分の復元と該樹脂液の注入を行い、注入さ
れた該樹脂液を硬化させる工程からなることを特徴とす
る木材の表面処理方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材、積層材等の
木質材の表面を強化し且つ抗菌処理する方法および該処
理木質材に関するものである。
木質材の表面を強化し且つ抗菌処理する方法および該処
理木質材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、金属板や無機質板材など種々の材
料が建築材料等として提供され、種々の用途に使用され
ているが、木材や積層材などの木質材は長年にわたって
家具や家屋の材料として使用されて来ているため、人に
直接触れる家具や屋内用建材としは魅力のある材料とし
て多用されている。しかしながら木質材によっては、傷
がつきやすいとか摩耗するなどの問題があり、また台所
や床下などの湿気の多い箇所に使用したときカビが生え
たり腐敗するなどの問題が生じている。
料が建築材料等として提供され、種々の用途に使用され
ているが、木材や積層材などの木質材は長年にわたって
家具や家屋の材料として使用されて来ているため、人に
直接触れる家具や屋内用建材としは魅力のある材料とし
て多用されている。しかしながら木質材によっては、傷
がつきやすいとか摩耗するなどの問題があり、また台所
や床下などの湿気の多い箇所に使用したときカビが生え
たり腐敗するなどの問題が生じている。
【0003】従来、木質材の表面を強化し、傷がつきに
くく、摩耗もしにくくする方法としては、木材または積
層材の構成材である木材薄単板に、合成樹脂液を減圧あ
るいは減圧・加圧などの方法で注入し、その後、ホット
プレスなどを用いて、木材や単板中に注入された合成樹
脂液を硬化させる方法が知られている。これら従来の表
面強化方法は、確実に硬度アップや、耐摩耗性を改善で
きるが、その処理方法が、減圧や加圧といった方法を採
るため、作業が煩雑で大がかりな設備を必要とし、連続
作業ができないなどの解決すべき課題を有していた。
くく、摩耗もしにくくする方法としては、木材または積
層材の構成材である木材薄単板に、合成樹脂液を減圧あ
るいは減圧・加圧などの方法で注入し、その後、ホット
プレスなどを用いて、木材や単板中に注入された合成樹
脂液を硬化させる方法が知られている。これら従来の表
面強化方法は、確実に硬度アップや、耐摩耗性を改善で
きるが、その処理方法が、減圧や加圧といった方法を採
るため、作業が煩雑で大がかりな設備を必要とし、連続
作業ができないなどの解決すべき課題を有していた。
【0004】また防腐・防カビ剤処理法としては、防腐
剤や防カビ剤の溶液やこれらを含む樹脂液を木質材に塗
布する方法が行われているが、防腐剤や防カビ剤の溶液
を塗布する方法ではこれらの有効成分が効果的に木質材
に保持されず、また樹脂液に配合して処理する方法では
これらの有効成分が効果的に作用しないという問題があ
り、必ずしも持続性のある防腐・防カビ効果が得られて
いなかった。このほか、強化剤としての樹脂を注入処理
した後の木質材では防腐剤等が充分に浸透せず効力が持
続しないという問題があった。
剤や防カビ剤の溶液やこれらを含む樹脂液を木質材に塗
布する方法が行われているが、防腐剤や防カビ剤の溶液
を塗布する方法ではこれらの有効成分が効果的に木質材
に保持されず、また樹脂液に配合して処理する方法では
これらの有効成分が効果的に作用しないという問題があ
り、必ずしも持続性のある防腐・防カビ効果が得られて
いなかった。このほか、強化剤としての樹脂を注入処理
した後の木質材では防腐剤等が充分に浸透せず効力が持
続しないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するためのもので、抗菌組成物を含有する樹
脂液を特定方法で木質材に処理することによって、簡単
な操作で、硬さや耐摩耗性等の優れた表面強度を有し、
かつ、カビや腐敗菌によって劣化することなく表面強度
を維持できる木質材を得る方法を提供することにある。
課題を解決するためのもので、抗菌組成物を含有する樹
脂液を特定方法で木質材に処理することによって、簡単
な操作で、硬さや耐摩耗性等の優れた表面強度を有し、
かつ、カビや腐敗菌によって劣化することなく表面強度
を維持できる木質材を得る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の木材表面処理方
法は、木材、合板、単板積層材、木質ボード、集成材等
の木質材を高温、高圧で圧縮固定したあと、抗菌組成物
を含有する硬化性樹脂液で処理して圧縮部分の復元と該
樹脂液の注入とを行い、注入された該樹脂液を硬化させ
る工程からなることを特徴とする。
法は、木材、合板、単板積層材、木質ボード、集成材等
の木質材を高温、高圧で圧縮固定したあと、抗菌組成物
を含有する硬化性樹脂液で処理して圧縮部分の復元と該
樹脂液の注入とを行い、注入された該樹脂液を硬化させ
る工程からなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、処理すべき木材等の木
質材を予め高温に加熱し、加圧ロールを通して表面を加
圧、圧縮する。木質材の加熱処理は、乾燥炉等の加熱炉
内で行ってもよく、スチーム、マイクロ波、熱盤加熱等
によってもよい。また、加熱ロールを通して加熱しても
よく、その際、加圧処理も同時に行ってもよい。加熱温
度は、特に限定されないが、木材のリグニン軟化温度で
ある180〜210℃程度を圧縮材または被圧縮材に確
保して圧縮すると、比較的容易に圧縮でき、同時に圧縮
変形を一時的に固定できるので有利である。
質材を予め高温に加熱し、加圧ロールを通して表面を加
圧、圧縮する。木質材の加熱処理は、乾燥炉等の加熱炉
内で行ってもよく、スチーム、マイクロ波、熱盤加熱等
によってもよい。また、加熱ロールを通して加熱しても
よく、その際、加圧処理も同時に行ってもよい。加熱温
度は、特に限定されないが、木材のリグニン軟化温度で
ある180〜210℃程度を圧縮材または被圧縮材に確
保して圧縮すると、比較的容易に圧縮でき、同時に圧縮
変形を一時的に固定できるので有利である。
【0008】木質材の圧縮は、型押圧縮、ロール圧縮、
板圧縮などによって行うことができるが、加圧ロール間
を通して圧縮するのが効率的である。加圧ロールは、複
数組みで設け、これらのロール間を順次通過させて木質
材を徐々に表面圧縮する。このように圧縮処理した木質
材に、圧縮部分が復元する際に生じる吸収力を利用して
抗菌組成物を含有する硬化性樹脂液を注入し、硬化性樹
脂液を硬化させる。樹脂液には通常、熱硬化性樹脂を使
用することから、硬化させるには高温、高圧下で硬化さ
せる。これらの作業は、加圧ロールで圧縮し、スポンジ
ロール等の塗布ロールで塗布・含浸処理を行うことがで
きるので、設備の簡素化と連続作業が可能である。
板圧縮などによって行うことができるが、加圧ロール間
を通して圧縮するのが効率的である。加圧ロールは、複
数組みで設け、これらのロール間を順次通過させて木質
材を徐々に表面圧縮する。このように圧縮処理した木質
材に、圧縮部分が復元する際に生じる吸収力を利用して
抗菌組成物を含有する硬化性樹脂液を注入し、硬化性樹
脂液を硬化させる。樹脂液には通常、熱硬化性樹脂を使
用することから、硬化させるには高温、高圧下で硬化さ
せる。これらの作業は、加圧ロールで圧縮し、スポンジ
ロール等の塗布ロールで塗布・含浸処理を行うことがで
きるので、設備の簡素化と連続作業が可能である。
【0009】注入した樹脂液の硬化は、通常、注入処理
した木質材を1枚または多段に積み重ねて上下から加
圧、圧締もしくは圧縮して加熱炉内等で加熱硬化させる
が、注入樹脂が感光性樹脂のような場合には、紫外線等
を照射して硬化させることができるため、上記ロール作
業に連続して処理することもできる。また更に、加熱ロ
ール間を通して加熱硬化させることもできる。
した木質材を1枚または多段に積み重ねて上下から加
圧、圧締もしくは圧縮して加熱炉内等で加熱硬化させる
が、注入樹脂が感光性樹脂のような場合には、紫外線等
を照射して硬化させることができるため、上記ロール作
業に連続して処理することもできる。また更に、加熱ロ
ール間を通して加熱硬化させることもできる。
【0010】注入に使用される硬化性樹脂液のための樹
脂としては、熱硬化性樹脂、硬化剤などによる常温硬化
型樹脂、光硬化型樹脂(感光性樹脂)など、木質材に注
入または含浸されて硬度、耐摩耗性等の強化効果を発揮
するものであれば使用できる。例えば、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等を挙げるこ
とができる。これらの樹脂は、無溶剤型樹脂液として使
用してもよく、また、注入を容易にするためと抗菌組成
物の混入のために若干の溶剤を含ませることもできる。
このほか、圧縮した木質材の圧縮状態を解除(復元)す
るためには水分との接触が好ましいことから、水、アル
コールで溶解する樹脂またはこれらの溶剤が混入できる
樹脂液が好ましい。
脂としては、熱硬化性樹脂、硬化剤などによる常温硬化
型樹脂、光硬化型樹脂(感光性樹脂)など、木質材に注
入または含浸されて硬度、耐摩耗性等の強化効果を発揮
するものであれば使用できる。例えば、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等を挙げるこ
とができる。これらの樹脂は、無溶剤型樹脂液として使
用してもよく、また、注入を容易にするためと抗菌組成
物の混入のために若干の溶剤を含ませることもできる。
このほか、圧縮した木質材の圧縮状態を解除(復元)す
るためには水分との接触が好ましいことから、水、アル
コールで溶解する樹脂またはこれらの溶剤が混入できる
樹脂液が好ましい。
【0011】本発明で使用する抗菌組成物としては、ニ
トリル系抗菌剤、ピリジン系抗菌剤、ハロアルキルチオ
系抗菌剤、有機ヨード系抗菌剤及びチアゾール系抗菌剤
からなる群から選ばれる1種又は2種以上を有効成分と
して含有する組成物が使用できるが、特にこれら5種の
抗菌剤を含むものが好ましく、所望により更にベンゾイ
ミダゾール系抗菌剤を含有する抗菌組成物が好ましく使
用される。
トリル系抗菌剤、ピリジン系抗菌剤、ハロアルキルチオ
系抗菌剤、有機ヨード系抗菌剤及びチアゾール系抗菌剤
からなる群から選ばれる1種又は2種以上を有効成分と
して含有する組成物が使用できるが、特にこれら5種の
抗菌剤を含むものが好ましく、所望により更にベンゾイ
ミダゾール系抗菌剤を含有する抗菌組成物が好ましく使
用される。
【0012】より具体的には、抗菌組成物は、ニトリル
系抗菌剤がハロイソフタロニトリル化合物から、ピリジ
ン系抗菌剤がスルフォニルハロピリジン化合物及び/又
はピリジンチオール−1−オキシド化合物から、ハロア
ルキルチオ系抗菌剤がハロアルキルチオスルフィミド化
合物から、有機ヨード系抗菌剤がヨードスルフォニルベ
ンゼン化合物から、チアゾール系抗菌剤がイソチアゾリ
ン−3−オン化合物から、ベンゾイミダゾール系抗菌剤
がベンゾイミダゾールカルバミン酸化合物及び/又はチ
アゾリルベンゾイミダゾール化合物から、それぞれ選ば
れた組成物であることを特徴とする。
系抗菌剤がハロイソフタロニトリル化合物から、ピリジ
ン系抗菌剤がスルフォニルハロピリジン化合物及び/又
はピリジンチオール−1−オキシド化合物から、ハロア
ルキルチオ系抗菌剤がハロアルキルチオスルフィミド化
合物から、有機ヨード系抗菌剤がヨードスルフォニルベ
ンゼン化合物から、チアゾール系抗菌剤がイソチアゾリ
ン−3−オン化合物から、ベンゾイミダゾール系抗菌剤
がベンゾイミダゾールカルバミン酸化合物及び/又はチ
アゾリルベンゾイミダゾール化合物から、それぞれ選ば
れた組成物であることを特徴とする。
【0013】本発明において硬化性樹脂液には、上記抗
菌組成物のほかに、通常木材の処理分野で使用されてい
るその他の防腐剤〔サンプラス、IF−1000、S−
421、キシラザンAL等〕、防カビ剤〔TBZ等〕、
並びに防火剤〔ホウ素系難燃剤、リン・チッ素系難燃剤
等〕、防虫剤〔ホキシム、クロルピリホス等〕、着色剤
〔アルコール系着色剤等〕、はっ水剤〔シリコーン系は
っ水剤、ワックス等〕、または寸法安定性に効果のある
樹脂(寸法安定剤)の1種または2種以上を加えること
もできる。これらの混入によって、単に、樹脂だけで処
理したときよりも木材の表面が一段と強化されたものに
仕上がり、耐摩耗性、曲げ強度、防虫性、防腐性、防カ
ビ性などの改善が図れる。
菌組成物のほかに、通常木材の処理分野で使用されてい
るその他の防腐剤〔サンプラス、IF−1000、S−
421、キシラザンAL等〕、防カビ剤〔TBZ等〕、
並びに防火剤〔ホウ素系難燃剤、リン・チッ素系難燃剤
等〕、防虫剤〔ホキシム、クロルピリホス等〕、着色剤
〔アルコール系着色剤等〕、はっ水剤〔シリコーン系は
っ水剤、ワックス等〕、または寸法安定性に効果のある
樹脂(寸法安定剤)の1種または2種以上を加えること
もできる。これらの混入によって、単に、樹脂だけで処
理したときよりも木材の表面が一段と強化されたものに
仕上がり、耐摩耗性、曲げ強度、防虫性、防腐性、防カ
ビ性などの改善が図れる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの例に限定されるものではない。 実施例1 被処理木材として厚さ15mm,幅75mm、長さ18
18mmのラジアータパイン無垢柾目材を用い、これを
サンダー掛けをした後、加圧ロール機〔送り速度1m/
分、上・下2段のロールを4連設けた〕を通して加熱・
圧縮した。これらロール機は上下より210℃の温度を
かけ、各ロール機の上下のロール間隔を0.3mmづつ
狭くして圧縮し、4連続圧縮後、被処理木材の厚さを1
3.8mmとした。
発明はこれらの例に限定されるものではない。 実施例1 被処理木材として厚さ15mm,幅75mm、長さ18
18mmのラジアータパイン無垢柾目材を用い、これを
サンダー掛けをした後、加圧ロール機〔送り速度1m/
分、上・下2段のロールを4連設けた〕を通して加熱・
圧縮した。これらロール機は上下より210℃の温度を
かけ、各ロール機の上下のロール間隔を0.3mmづつ
狭くして圧縮し、4連続圧縮後、被処理木材の厚さを1
3.8mmとした。
【0015】この圧縮変形は、水系またはアルコール系
熱硬化性樹脂を塗布したり、あるいは浸漬したりするこ
とで圧縮変形固定が解除され、押さえられていたスポン
ジが水を吸うように復元すると同時に硬化性樹脂液を吸
収する。この工程を経た処理木材の圧縮部分に樹脂がし
み込み、その後、高温、高圧で再度木材を圧縮する。こ
のとき、加えた温度により硬化性樹脂は圧縮された状態
で硬化するため、圧縮変形が完全に固定され、水分に対
しても安定したものとなる。
熱硬化性樹脂を塗布したり、あるいは浸漬したりするこ
とで圧縮変形固定が解除され、押さえられていたスポン
ジが水を吸うように復元すると同時に硬化性樹脂液を吸
収する。この工程を経た処理木材の圧縮部分に樹脂がし
み込み、その後、高温、高圧で再度木材を圧縮する。こ
のとき、加えた温度により硬化性樹脂は圧縮された状態
で硬化するため、圧縮変形が完全に固定され、水分に対
しても安定したものとなる。
【0016】表面強度は、樹脂が注入される工程で復元
に伴う吸収力を利用したこともあり、内部には樹脂が入
っており、その上再度圧縮することで、木材そのものが
密度を増し、表面強度が向上するのに加え、硬化性樹脂
が含浸硬化されることにより、一段と表面が強化された
ものに仕上がり、摩耗、曲げ強度、防虫性、防腐性、防
カビ性などが改善される。
に伴う吸収力を利用したこともあり、内部には樹脂が入
っており、その上再度圧縮することで、木材そのものが
密度を増し、表面強度が向上するのに加え、硬化性樹脂
が含浸硬化されることにより、一段と表面が強化された
ものに仕上がり、摩耗、曲げ強度、防虫性、防腐性、防
カビ性などが改善される。
【0017】圧縮処理された木材をフェノール樹脂液
(大日本インキ化学工業(株)製、フェノライトJ−3
25;アルコール溶性レゾール型フェノール樹脂)で処
理した。樹脂液処理は、樹脂液が滲み込んだスポンジロ
ール間を通して、上下より塗布量約8g/尺2 になるよ
うに均一に塗布する方法で行った。塗布と同時に樹脂液
は、木材の表裏部内に吸収された。その後、再度、加圧
ロール機を3連を用意して、上下より210℃の温度を
かけ、フェノール樹脂液を硬化させると同時に圧縮し
て、最終仕上がり厚み14.1mmの表面処理木材を得
た。表1に本実施例で得られた表面処理木材と処理前の
木材の表面硬度の比較を表1に示す。上記実施例は3回
(No. 1〜3)行ったので、それぞれについての処理前
後の硬度を示す。ここで、硬度評価はバーコル硬度計
(針式)による。〔値の大きい方が硬い〕
(大日本インキ化学工業(株)製、フェノライトJ−3
25;アルコール溶性レゾール型フェノール樹脂)で処
理した。樹脂液処理は、樹脂液が滲み込んだスポンジロ
ール間を通して、上下より塗布量約8g/尺2 になるよ
うに均一に塗布する方法で行った。塗布と同時に樹脂液
は、木材の表裏部内に吸収された。その後、再度、加圧
ロール機を3連を用意して、上下より210℃の温度を
かけ、フェノール樹脂液を硬化させると同時に圧縮し
て、最終仕上がり厚み14.1mmの表面処理木材を得
た。表1に本実施例で得られた表面処理木材と処理前の
木材の表面硬度の比較を表1に示す。上記実施例は3回
(No. 1〜3)行ったので、それぞれについての処理前
後の硬度を示す。ここで、硬度評価はバーコル硬度計
(針式)による。〔値の大きい方が硬い〕
【0018】
【0019】その後、上記表面処理木材の板そば面と木
口面にテノーナーで実加工し、表面を#180でサンダ
ーした後、塗装して表面強化の床材を得た。
口面にテノーナーで実加工し、表面を#180でサンダ
ーした後、塗装して表面強化の床材を得た。
【0020】実施例2〜3 実施例1における注入用フェノール樹脂液に抗菌組成物
を重量比で3%添加混合したものを使用して、同じ材質
・寸法のラジアータパイン無垢柾目材を実施例1と同様
に処理して抗菌処理木材を得た。実施例2では抗菌組成
物Aとして、組成物の全量に対して重量比でそれぞれ、
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(ニ
トリル系抗菌剤)20%、2,3,5,6−テトラクロ
ロ−4−メチルスルフォニルピリジン(ピリジン系抗菌
剤)17%、N,N−ジメチル−N′−フェニル−N′
−(フロロジクロロメチルチオ)スルフィミド(ハロア
ルキルチオ系抗菌剤)9%、ジヨードメチル−p−トリ
スルフォン(有機ヨード系抗菌剤)40%、及び2−
(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オン(チ
アゾール系抗菌剤)14%含有する抗菌組成物を用い
た。実施例3では抗菌組成物Bとして、抗菌組成物Aに
おいて、チアゾール系抗菌剤を7%とし、更にベンゾイ
ミダゾール系抗菌剤として2−(4−チアゾリル)−1
H−ベンゾイミダゾール7%を加えて全量を100%と
した抗菌組成物を用いた。
を重量比で3%添加混合したものを使用して、同じ材質
・寸法のラジアータパイン無垢柾目材を実施例1と同様
に処理して抗菌処理木材を得た。実施例2では抗菌組成
物Aとして、組成物の全量に対して重量比でそれぞれ、
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(ニ
トリル系抗菌剤)20%、2,3,5,6−テトラクロ
ロ−4−メチルスルフォニルピリジン(ピリジン系抗菌
剤)17%、N,N−ジメチル−N′−フェニル−N′
−(フロロジクロロメチルチオ)スルフィミド(ハロア
ルキルチオ系抗菌剤)9%、ジヨードメチル−p−トリ
スルフォン(有機ヨード系抗菌剤)40%、及び2−
(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オン(チ
アゾール系抗菌剤)14%含有する抗菌組成物を用い
た。実施例3では抗菌組成物Bとして、抗菌組成物Aに
おいて、チアゾール系抗菌剤を7%とし、更にベンゾイ
ミダゾール系抗菌剤として2−(4−チアゾリル)−1
H−ベンゾイミダゾール7%を加えて全量を100%と
した抗菌組成物を用いた。
【0021】試験例 実施例2〜3で得られた抗菌処理した木材についてJI
S Z 2911の規格に基づくカビ抵抗性試験を実施
した。試験は該規格のカビ抵抗性試験 7.塗料の試験
の平板培地( 7.4)を用い、培養期間及び胞子懸濁液も
7.2の試験方法に従った。対照として、未処理木材及び
実施例1の抗菌組成物を含有しない樹脂液で処理した木
材(処理品)、並びに後処理品として、抗菌組成物の5
%溶液を未処理木材にその表面が充分に濡れる程度に塗
布して乾燥させたものを用いた。
S Z 2911の規格に基づくカビ抵抗性試験を実施
した。試験は該規格のカビ抵抗性試験 7.塗料の試験
の平板培地( 7.4)を用い、培養期間及び胞子懸濁液も
7.2の試験方法に従った。対照として、未処理木材及び
実施例1の抗菌組成物を含有しない樹脂液で処理した木
材(処理品)、並びに後処理品として、抗菌組成物の5
%溶液を未処理木材にその表面が充分に濡れる程度に塗
布して乾燥させたものを用いた。
【0022】試験菌として下記の菌の混合物を使用し
た。Aspergillus niger ATCC 9642Penicillium funiculosum ATCC 9644Cladosporium cladosporioides IFO 6348Aureobasidium pullulans IAM F 24Gliocladium virens ATCC 9645
た。Aspergillus niger ATCC 9642Penicillium funiculosum ATCC 9644Cladosporium cladosporioides IFO 6348Aureobasidium pullulans IAM F 24Gliocladium virens ATCC 9645
【0023】この結果、未処理木材に対して実施例1の
表面処理木材の表面でのカビの発生はごく僅かであり、
実施例2〜3の抗菌処理木材ではカビの発生が無く処理
効果が認められた。結果を表3に示す。試験片は各試料
とも、A.未水洗のものと、B.水洗処理したものの2
種類用意し、それぞれの試料についてイ、ロ、ハの3枚
試験に供した。結果の表示は表1に示すJIS Z 2
911−1981 4.3.2の表示方法に従った。なお、
水洗処理は充分な量の水道水中に試験片を3分間浸漬し
たのち、乾燥させたものを用いた。
表面処理木材の表面でのカビの発生はごく僅かであり、
実施例2〜3の抗菌処理木材ではカビの発生が無く処理
効果が認められた。結果を表3に示す。試験片は各試料
とも、A.未水洗のものと、B.水洗処理したものの2
種類用意し、それぞれの試料についてイ、ロ、ハの3枚
試験に供した。結果の表示は表1に示すJIS Z 2
911−1981 4.3.2の表示方法に従った。なお、
水洗処理は充分な量の水道水中に試験片を3分間浸漬し
たのち、乾燥させたものを用いた。
【0024】
【0025】 注:表中、Aは未水洗試験片。Bは水洗処理した試験片を示す。
【0026】未処理木材は表面の全面に真菌の菌糸の発
育が認められ、抵抗性の評価は1であった。実施例1の
処理木材は一部に極微少の真菌の発育があったが明らか
な菌糸の発育は認められず、評価は3であった。未処理
木材の後処理品は、ほぼ実施例1の処理木材と同等の結
果を示したが、水洗した後のものは評価は2であった。
実施例2および3の抗菌処理木材は水洗後でもほとんど
評価は変わらず良好な結果が得られた。
育が認められ、抵抗性の評価は1であった。実施例1の
処理木材は一部に極微少の真菌の発育があったが明らか
な菌糸の発育は認められず、評価は3であった。未処理
木材の後処理品は、ほぼ実施例1の処理木材と同等の結
果を示したが、水洗した後のものは評価は2であった。
実施例2および3の抗菌処理木材は水洗後でもほとんど
評価は変わらず良好な結果が得られた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、従来表面が軟質で使用
場所が制限されていた木材の用途が、表面が硬くできた
ことで大幅に拡大され、長期間の使用においても傷や摩
耗に充分耐える木質材料が得られ、土足用床材、上り
框、階段材、床材、カウンターなどの木材の表面硬度、
強度を有する部材に利用でき、また、圧密ロール(加圧
ロール)で処理するため、連続処理が可能であり、ロー
ラで塗布するため、少ない塗料でよく、安価に製造でき
る等極めて有益なる効果を奏する。本発明による抗菌処
理材は、長期間木材腐朽菌によって侵されることがな
く、強度を維持することがでるほか、病室等の内装材に
も使用して効果が期待できる。
場所が制限されていた木材の用途が、表面が硬くできた
ことで大幅に拡大され、長期間の使用においても傷や摩
耗に充分耐える木質材料が得られ、土足用床材、上り
框、階段材、床材、カウンターなどの木材の表面硬度、
強度を有する部材に利用でき、また、圧密ロール(加圧
ロール)で処理するため、連続処理が可能であり、ロー
ラで塗布するため、少ない塗料でよく、安価に製造でき
る等極めて有益なる効果を奏する。本発明による抗菌処
理材は、長期間木材腐朽菌によって侵されることがな
く、強度を維持することがでるほか、病室等の内装材に
も使用して効果が期待できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 木材、積層材等の木質材を高温、高圧で
圧縮し、固定したあと、抗菌組成物を含有する硬化性樹
脂液で処理して圧縮固定部分の復元と該樹脂液の注入を
行い、注入された該樹脂液を硬化させる工程からなるこ
とを特徴とする木材の表面処理方法。 - 【請求項2】 硬化性樹脂液に、抗菌組成物の他に、防
火剤、防虫剤、着色剤、はっ水剤、または寸法安定性剤
の1種または2種以上を含有せしめたことを特徴とする
請求項1記載の木材の表面処理方法。 - 【請求項3】 抗菌組成物が、ニトリル系抗菌剤、ピリ
ジン系抗菌剤、ハロアルキルチオ系抗菌剤、有機ヨード
系抗菌剤及びチアゾール系抗菌剤からなる群から選ばれ
る1種又は2種以上を有効成分として含有し、所望によ
り更にベンゾイミダゾール系抗菌剤を含有する抗菌組成
物であることを特徴とする請求項1または2に記載の木
材の表面処理方法。 - 【請求項4】 抗菌組成物が、ニトリル系抗菌剤がハロ
イソフタロニトリル化合物から、ピリジン系抗菌剤がス
ルフォニルハロピリジン化合物及び/又はピリジンチオ
ール−1−オキシド化合物から、ハロアルキルチオ系抗
菌剤がハロアルキルチオスルフィミド化合物から、有機
ヨード系抗菌剤がヨードスルフォニルベンゼン化合物か
ら、チアゾール系抗菌剤がイソチアゾリン−3−オン化
合物から、ベンゾイミダゾール系抗菌剤がベンゾイミダ
ゾールカルバミン酸化合物及び/又はチアゾリルベンチ
イミダゾール化合物から、それぞれ選ばれた組成物であ
ることを特徴とする請求項3記載の木材の表面処理方
法。 - 【請求項5】 硬化性樹脂が、熱硬化性樹脂、感光性樹
脂または常温硬化型樹脂であることを特徴とする請求項
1記載の木材の表面処理方法。 - 【請求項6】 硬化性樹脂が、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂であることを特徴と
する請求項5記載の木材の表面処理方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし6に記載の処理方法によ
って得られる表面強化木質材。 - 【請求項8】 木質材が、木材、合板、単板積層材、木
質ボード、集成材である請求項7記載の表面強化木質
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11124496A JP3413543B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 木質材の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11124496A JP3413543B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 木質材の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09277208A true JPH09277208A (ja) | 1997-10-28 |
JP3413543B2 JP3413543B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=14556248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11124496A Expired - Fee Related JP3413543B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 木質材の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3413543B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007160730A (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-28 | Olympus Corp | 木材の加工方法 |
US20100175627A1 (en) * | 2009-01-09 | 2010-07-15 | Carpenter James R | Wild animal care devices having an antimicrobial agent |
CN112621961A (zh) * | 2021-01-06 | 2021-04-09 | 成都含蓬娄环保科技有限公司 | 一种碳化沉积改性高强杨木单板材料的制备方法 |
CN116197983A (zh) * | 2023-02-27 | 2023-06-02 | 江苏零界科技集团有限公司 | 一种抑菌防霉木材及其制备方法 |
-
1996
- 1996-04-08 JP JP11124496A patent/JP3413543B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007160730A (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-28 | Olympus Corp | 木材の加工方法 |
US20100175627A1 (en) * | 2009-01-09 | 2010-07-15 | Carpenter James R | Wild animal care devices having an antimicrobial agent |
CN112621961A (zh) * | 2021-01-06 | 2021-04-09 | 成都含蓬娄环保科技有限公司 | 一种碳化沉积改性高强杨木单板材料的制备方法 |
CN116197983A (zh) * | 2023-02-27 | 2023-06-02 | 江苏零界科技集团有限公司 | 一种抑菌防霉木材及其制备方法 |
CN116197983B (zh) * | 2023-02-27 | 2024-02-06 | 江苏零界科技集团有限公司 | 一种抑菌防霉木材及其制备方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3413543B2 (ja) | 2003-06-03 |
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