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JPH09268921A - 過給機付きエンジン - Google Patents

過給機付きエンジン

Info

Publication number
JPH09268921A
JPH09268921A JP8078594A JP7859496A JPH09268921A JP H09268921 A JPH09268921 A JP H09268921A JP 8078594 A JP8078594 A JP 8078594A JP 7859496 A JP7859496 A JP 7859496A JP H09268921 A JPH09268921 A JP H09268921A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
compressor
turbine
supercharger
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8078594A
Other languages
English (en)
Inventor
Sei Kawatani
聖 川谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP8078594A priority Critical patent/JPH09268921A/ja
Publication of JPH09268921A publication Critical patent/JPH09268921A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Supercharger (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過給機付きエンジンにおいて、エンジンの全
ての運転領域で所定の出力を確保すると共にサージング
の発生を防止する。 【解決手段】 容量の異なる小容量ターボ過給機14と
大容量ターボ過給機15とを並列に配設し、最も容量の
小さい小容量ターボ過給機14のタービン36の駆動力
を第1伝達手段によってコンプレッサ31に伝達可能と
すると共に、エンジン11のクランク軸25の動力を第
2伝達手段によって第1伝達手段に伝達し、このエンジ
ン動力によって小容量ターボ過給機14のコンプレッサ
31を駆動可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スーパーチャージ
ャー(機械式過給機)とターボチャージャー(排気ター
ビン過給機)とを有する過給機付きエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のエンジン出力を上昇させる装置と
してターボチャージャーがある。このターボチャージャ
ーは、エンジンからの排気ガスをまとめてタービンのブ
レードに導いてそのガス流でタービンを回し、このター
ビンと同軸に設けられた遠心式コンプレッサを回すこと
で、吸入空気を1.5〜2.0気圧に圧縮しながら燃焼
室に送り込むものである。このようにターボチャージャ
ーは無作為に捨てていた排気エネルギを回収すること
で、省エネに役立てると共に高出力化を狙ったものであ
る。ところが、このターボチャージャーは、前述したよ
うに、排気ガスのエネルギでタービンを回し、それに直
結したコンプレッサで吸入空気を圧縮してエンジンの高
出力を得ようとするものである。そのため、エンジンが
減速した状態からアクセルを急に踏み込んでもコンプレ
ッサはすぐに高回転とはならず、エンジンの回転がある
程度高くなってからその勢いで排気ガスがタービンを回
すことで、これがコンプレッサに伝わってターボ効果が
得られる。即ち、ターボチャージャーにはアクセルを踏
んでもすぐに強力なレスポンスを示さず、時間的なずれ
(ターボラグ)が生ずるものであり、中速域以上でのト
ルクの増大を狙ったものである。
【0003】このターボチャージャーにおいて、ターボ
ラグを少なくする手段として、例えば、実開昭63−6
1542号公報に開示された「ツインターボ過給機付エ
ンジン」がある。この公報に開示された「ツインターボ
過給機付エンジン」は、小容量のターボ過給機と大容量
のターボ過給機とを並列に配設し、エンジンの回転数と
軸トルクに基づいてこの小容量のターボ過給機のみを駆
動したり、大容量のターボ過給機のみを駆動したり、あ
るいは、両方のターボ過給機を駆動したりすることで、
低速高負荷域、中速高負荷域、高速高負荷域の3段階の
運転を制御するようにしたものである。従って、低速高
負荷域では、小容量のターボ過給機のみを駆動すること
で、レスポンスを改善してターボラグを減少することが
できる一方、高速高負荷域では、両方のターボ過給機を
駆動することで、高出力を得ることができる。
【0004】また、低速域での出力向上を図ったものと
してスーパーチャージャーがある。このスーパーチャー
ジャーは、エンジンのクランクシャフトの回転をギヤを
介してエアコンプレッサに伝達し、このコンプレッサを
回して吸入空気を燃焼室に送り込むものであり、ターボ
チャージャーに比べて、エンジンの低回転域でより大き
い過給ができる。このことからエンジンにスーパーチャ
ージャーとターボチャージャーを搭載し、一方を選択的
に駆動するものとして、例えば、実開平1−95625
号公報に開示された「過給機」がある。この公報に開示
された「過給機」は、ターボチャージャーのタービン軸
を排気圧によって駆動可能にすると共に、このタービン
軸とエンジンのクランク軸との間に増速伝達機構を設
け、クランク軸からタービン軸へのみ動力伝達可能とす
る一方向クラッチを介装し、排気圧またはクランク軸動
力によりタービン軸をより速く回転させるいずれか一方
の駆動力にて駆動するようにしたものである。従って、
低速域ではエンジンのクランク軸の動力によってタービ
ン軸を駆動する一方、高速域では排気圧によってタービ
ン軸を駆動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の「ツインターボ過給機付エンジン」あるいは「過給
機」にあっても、全ての運転領域でエンジンの性能を十
分に引き出すことはできない。
【0006】即ち、上述した従来の「ツインターボ過給
機付エンジン」にあっては、エンジンの回転数と軸トル
クに基づき、低速高負荷域では小容量のターボ過給機の
みを駆動することでレスポンスを改善し、高速高負荷域
では両方のターボ過給機を駆動することで高出力を得る
ことができる。ところが、このようにターボ過給機を小
容量と大容量のものとを選択的に使用するようにして
も、小容量のターボ過給機を駆動する低速高負荷域にあ
っては、トラックの発進時などの極低速域では、十分な
トルクを得ることができず、発進性能が不十分であっ
た。
【0007】また、上述した従来の「過給機」にあって
は、低速域ではエンジンのクランク軸の動力によってタ
ービン軸を駆動する一方、高速域では排気圧によってタ
ービン軸を駆動している。このような過給機では、エン
ジン高回転時、即ち、吸気流量が多いときに高効率過給
を達成させるために、過給機をある程度大容量化する必
要がある。一方、このようにある程度大容量化した過給
機の場合、エンジン低回転時、即ち、吸気流量が少ない
ときには、サージングが発生しやすくなる。このため、
吸気流量が少ないときにクランク軸の動力により過給機
を高回転させたとしても、サージングの影響により高圧
力化を得ることができず、結果として十分なトルクが得
られない。
【0008】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、エンジンの全ての運転領域で所定の出力を確保
することができると共にサージングの発生を防止した過
給機付きエンジンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の過給機付きエンジンは、容量の異なる複数
のターボ過給機が並列に配設された過給機付きエンジン
において、前記複数のターボ過給機のうち最も容量の小
さい小容量ターボ過給機のタービン駆動力を圧縮機に伝
達する第1伝達手段と、エンジンのクランク軸動力を前
記第1伝達手段に伝達して前記エンジンの動力によって
前記小容量ターボ過給機を駆動する第2伝達手段とを具
えたことを特徴とするものである。
【0010】従って、エンジンは容量の異なる複数のタ
ーボ過給機が選択的に駆動することで過給されることと
なり、また、小容量ターボ過給機は、第1伝達手段によ
ってタービン駆動力が圧縮機に伝達されるか、あるい
は、エンジンのクランク軸動力が第2伝達手段及び第1
伝達手段によって圧縮機に伝達されることとなり、この
小容量ターボ過給機は、エンジンの低速域では機械式過
給機が駆動することで発進時などに十分な出力が得ら
れ、一方、エンジンの高速域では排気タービンが駆動す
ることで高速走行時などにも十分な出力が得られる。
【0011】また、本発明の過給機付きエンジンは、排
気系に設けられたタービンと、吸気系に設けられた圧縮
機と、前記タービンの駆動力を前記圧縮機に伝達する第
1伝達手段と、エンジンのクランク軸動力を前記第1伝
達手段に伝達して前記エンジンの動力によって前記圧縮
機を駆動する第2伝達手段と、前記第2伝達手段に設け
られて前記クランク軸動力の伝達を断続するクラッチ
と、前記タービン駆動力によって前記圧縮機を駆動する
ときの過給圧が前記エンジンが十分な駆動力を確保する
ために予め設定された所定過給圧を越えたときに前記ク
ラッチを断切する制御手段と、該第2伝達手段における
前記クラッチよりも前記圧縮機側に設けられて前記クラ
ンク軸側から前記圧縮機側へのみ動力を伝達するワンウ
ェイクラッチとを具えたことを特徴とするものである。
【0012】従って、エンジンは、第1伝達手段によっ
てタービン駆動力が圧縮機に伝達されるか、あるいは、
エンジンのクランク軸動力が第2伝達手段及び第1伝達
手段によって圧縮機に伝達されることとなり、この場
合、制御手段は、タービン駆動力によって圧縮機を駆動
するときの過給圧がエンジンが十分な駆動力を確保する
ために予め設定された所定過給圧以下のときには、クラ
ンク軸動力はクラッチ及びワンウェイクラッチを介して
圧縮機に伝達され、このクランク軸動力によって圧縮機
が駆動する一方、タービンの過給圧が所定過給圧を越え
たときには、クラッチを断切することで、クランク軸動
力は伝達されず、タービン駆動力が圧縮機に伝達され、
このタービン駆動力によって圧縮機が駆動することとな
り、エンジンの異なる運転領域において、機械式駆動と
排気タービンを選択的に駆動することで、各運転領域に
て十分な出力が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】本発明の過給機付きエンジンは、容量の異
なる複数のターボ過給機、例えば、小容量ターボ過給機
と大容量ターボ過給機とが並列に配設されたものであっ
て、この2つの小容量ターボ過給機と大容量ターボ過給
機とをエンジンの運転領域に応じて選択的に駆動し、そ
の運転領域に適合した出力を得ようとするものである。
即ち、本発明の過給機付きエンジンにあっては、小容量
ターボ過給機のタービン駆動力を圧縮機に伝達する第1
伝達手段として、例えば、第1歯車機構を設けると共
に、エンジンのクランク軸動力をこの第1伝達手段に伝
達してエンジンの動力によって小容量ターボ過給機を駆
動する第2伝達手段として、例えば、第2歯車機構を設
けてある。
【0015】従って、エンジンは容量の異なる2つのタ
ーボ過給機が選択的に駆動することで過給が行われるこ
ととなり、このとき、小容量ターボ過給機は、第1歯車
機構によってタービン駆動力が圧縮機に伝達されるか、
あるいは、エンジンのクランク軸動力が第2歯車機構及
び第1歯車機構によって圧縮機に伝達される構造となっ
ており、エンジンの極低速域では機械式圧縮機が駆動す
ることで発進時などに十分な出力が得られ、一方、エン
ジンの低速域では小容量ターボ過給機の排気タービンを
駆動することで十分な低速トルクが得られ、また、エン
ジンの高速域では大容量ターボ過給機の排気タービンを
駆動することで高速走行時などにも十分な出力が得られ
る。
【0016】また、本発明の過給機付きエンジンにおい
て、第2伝達手段にクランク軸動力の伝達を断続するク
ラッチを設け、タービン駆動力によって圧縮機を駆動す
るときの過給圧が、エンジンが十分な駆動力を確保する
ために予め設定された所定過給圧を越えたときに、この
クラッチを断切するようにしてある。
【0017】従って、タービン駆動力によって圧縮機を
駆動するときの過給圧がエンジンが十分な駆動力を確保
するために予め設定された所定過給圧以下のときには、
クランク軸動力は接続状態にあるクラッチを介して圧縮
機に伝達され、このクランク軸動力によって圧縮機が駆
動して過給が行われる一方、過給圧が所定過給圧を越え
たときには、クラッチを断切することでクランク軸動力
は伝達されず、タービン駆動力が圧縮機に伝達され、こ
のタービン駆動力によって圧縮機が駆動することとな
り、エンジンの異なる運転領域にて、機械式圧縮機ある
いは排気タービン圧縮機を選択的に駆動することで、各
運転領域にて十分な出力が得られる。
【0018】また、本発明の過給機付きエンジンにおい
て、この所定過給圧は、クランク軸動力によって圧縮機
を駆動するときの第1過給圧曲線と、タービン駆動力に
よって圧縮機を駆動するときの第2過給圧曲線との交点
より、エンジン低回転領域側に位置している。
【0019】従って、クラッチが接続状態にあってクラ
ンク軸動力がこのクラッチを介して圧縮機に伝達されて
過給が行われるとき、エンジン回転の上昇に伴ってクラ
ンク軸動力による第1過給圧とタービン駆動力による第
2過給圧は上昇し、この第2過給圧が所定過給圧を越え
たときにクラッチを断切して圧縮機の駆動源をクランク
軸動力からタービン駆動力に切り換えて圧縮機を駆動す
ることとなり、この所定過給圧を第1過給圧曲線と第2
過給圧曲線との交点よりエンジン低回転領域側に位置さ
せることで、第2過給圧が第1過給圧を越えていなくと
も強制的に切り換えることで、その間のエンジン出力の
ロスを低減できる。
【0020】また、本発明の過給機付きエンジンにおい
て、第2伝達手段におけるクラッチよりも圧縮機側にク
ランク軸側から圧縮機側へのみ動力を伝達するワンウェ
イクラッチを設けてある。
【0021】従って、タービンの過給圧が所定過給圧を
越えてこのタービン駆動力によって圧縮機が駆動すると
き、第2伝達手段におけるフリクションが低減される。
【0022】また、本発明の過給機付きエンジンは、排
気系に設けられたタービンと吸気系に設けられた圧縮機
とが第1伝達手段として、例えば、第1歯車機構によっ
て連結されることで、このタービンの駆動力を圧縮機に
伝達可能となっており、また、第2伝達手段として、例
えば、第2歯車機構によってエンジンのクランク軸動力
をこの第1伝達手段に伝達してエンジンの動力によって
圧縮機を駆動可能となっている。そして、この第2伝達
手段にクランク軸動力の伝達を断続するクラッチを設け
ると共に、第2伝達手段におけるこのクラッチよりも圧
縮機側にクランク軸側からこの圧縮機側へのみ動力を伝
達するワンウェイクラッチを設け、制御手段は、タービ
ン駆動力によって圧縮機を駆動するときの過給圧がエン
ジンが十分な駆動力を確保するために予め設定された所
定過給圧を越えたときにこのクラッチを断切するように
構成してある。
【0023】従って、エンジンは、第1伝達手段によっ
てタービン駆動力が圧縮機に伝達されるか、あるいは、
エンジンのクランク軸動力が第2伝達手段及び第1伝達
手段によって圧縮機に伝達されることとなり、この場
合、制御手段は、タービン駆動力によって圧縮機を駆動
するときの過給圧がエンジンが十分な駆動力を確保する
ために予め設定された所定過給圧以下のときに、クラッ
チは接続状態にあって、クランク軸動力はクラッチ及び
ワンウェイクラッチを介して圧縮機に伝達され、このク
ランク軸動力によって圧縮機が駆動する一方、タービン
の過給圧が所定過給圧を越えたときには、クラッチは断
切されることとなり、クランク軸動力は伝達されずにタ
ービン駆動力が圧縮機に伝達され、このタービン駆動力
によって圧縮機が駆動することとなり、エンジンの異な
る運転領域において、機械式圧縮機と排気タービン圧縮
機を選択的に駆動することで、各運転領域にて十分な出
力が得られる。
【0024】
【実施例】以下、図面に基づき、本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0025】図1に本発明の一実施例に係る過給機付き
エンジンに適用される小容量ターボ過給機の概略、図2
に本実施例の過給機付きエンジンの概略、図3に本実施
例の過給機付きエンジンにおけるターボの切換領域を表
すグラフ、図4に本実施例の過給機付きエンジンにおけ
るエンジン回転数に対するエンジン負荷を表すグラフを
示す。
【0026】本実施例の過給機付きエンジンにおいて、
図2に示すように、エンジン11に空気を供給する一対
の吸気管12,13には容量の異なる複数のターボ過給
機、本実施例では小容量ターボ過給機14と大容量ター
ボ過給機15とが配設状態で接続されており、この吸気
管12,13が合流した給気通路16はインタークーラ
ー17が接続され、給気マニホールド18を介してエン
ジン11に接続されている。一方、エンジン11には給
気マニホールド18に対応して排気マニホールド19が
接続されており、この排気マニホールド19は一対の排
気通路20,21に分岐して切換弁22,23が装着さ
れ、それぞれ小容量ターボ過給機14と大容量ターボ過
給機15を介して排気管24に接続されている。また、
エンジン11のクランク軸25と小容量ターボ過給機1
4との間には機械式過給機26が介装されている。
【0027】即ち、図1に示すように、小容量ターボ過
給機14において、コンプレッサ31の回転軸32は軸
受33によって回転自在に支持され、この回転軸32に
は一対の従動ギヤ34,35が固結されている。一方、
排気タービン36の回転軸37は軸受38によって回転
自在に支持され、この回転軸37にはワンウェイクラッ
チ39を介して駆動ギヤ40が固結され、この駆動ギヤ
40は従動ギヤ35と噛み合っている。このように小容
量ターボ過給機14のタービン駆動力をコンプレッサ3
1に伝達する第1伝達手段が構成されている。また、機
械式過給機26において、エンジン11のクランク軸2
5には電磁クラッチ41を介して駆動プーリ42が装着
されており、この駆動プーリ42と小容量ターボ過給機
14に設けられた従動プーリ43との間には伝達ベルト
44が掛け回されている。そして、従動プーリ43の回
転軸45に固結された駆動ギヤ46は第1連結ギヤ47
及びワンウェイクラッチ48を有する第2連結ギヤ49
を介して従動ギヤ34と噛み合っている。このようにエ
ンジン11のクランク軸動力を第1伝達手段を介して小
容量ターボ過給機14のコンプレッサ31に伝達する第
2伝達手段が構成されている。
【0028】このように構成された過給機付きエンジン
において、本実施例にあっては、タービン36の駆動力
によってコンプレッサ31を駆動するときの過給圧(ブ
ースト圧)が、エンジン11が十分な駆動力を確保する
ために予め設定された所定過給圧以下のときには電磁ク
ラッチ41を接続状態とし、クランク軸動力をこの電磁
クラッチ41を介してコンプレッサ31に伝達して駆動
する一方、タービン36の過給圧が所定過給圧を越えた
ときには電磁クラッチ41を断切状態とし、タービン駆
動力をコンプレッサ31に伝達して駆動するようにして
いる。そのため、電磁クラッチ41には制御装置51が
接続され、この制御装置51にはエンジン11の過給圧
を検出するブーストセンサ52が接続されている。ま
た、この制御装置51は排気通路20,21に設けられ
た各切換弁22,23を切換可能となっている。
【0029】ここで、本実施例の過給機付きエンジンに
おける電磁クラッチ41による小容量ターボ過給機14
と機械式過給機26との切換時期について説明する。図
3に示すように、エンジン11のクランク軸25の駆動
力によってコンプレッサ31を駆動するときの第1過給
圧は、エンジン11の回転数の上昇に比例して上昇する
ものであり、エンジン11のアイドル回転時には、エン
ジン11が十分な駆動力を確保するために必要な所定過
給圧とほぼ同等となるようにに設定されている。一方、
タービン36の駆動力によってコンプレッサ31を駆動
するときの第2過給圧も、エンジン11の回転数の上昇
に伴って曲線的に上昇するものであり、所定のエンジン
回転数で第1過給圧と交差している。
【0030】即ち、エンジン11の回転数が上昇するの
に伴って上昇する第2過給圧は、エンジン11の低回転
時では第1過給圧及び所定過給圧よりも低いが、エンジ
ン回転数がNe1 になると所定過給圧を越え、エンジン
回転数Ne2 になると第1過給圧を越えるようになって
いる。このように所定過給圧は、タービン駆動力による
第2過給圧曲線とクランク軸動力による第1過給圧曲線
との交点Pより、エンジン低回転領域側に位置するよう
に設定されている。
【0031】従って、制御装置51はブーストセンサ5
2によってエンジン11の過給圧を常時検出しており、
図3に示すように、エンジンの低回転時には、タービン
36の駆動力によってコンプレッサ31を駆動するとき
の第2過給圧が所定過給圧よりも低いので、図1に示す
ように、電磁クラッチ41を接続状態とし、エンジン1
1のクランク軸25の動力を駆動プーリ41及び伝達ベ
ルト44、従動プーリ43、駆動ギヤ46、第1連結ギ
ヤ47、ワンウェイクラッチ48、第2連結ギヤ49、
従動ギヤ34を介して回転軸32に伝達し、コンプレッ
サ31を駆動することで、エンジン11に必要な圧力の
過給を行っている。一方、図3に示すように、エンジン
の回転数が上昇して、タービン36の駆動力によってコ
ンプレッサ31を駆動するときの第2過給圧が所定過給
圧を越えたときには、図1に示すように、電磁クラッチ
41を断切状態とし、エンジン11のクランク軸25の
動力がコンプレッサ31に伝達されるのを解除し、ター
ビン36の駆動力を回転軸37及びワンウェイクラッチ
39、駆動ギヤ40、従動ギヤ35を介して回転軸32
に伝達し、コンプレッサ31を駆動することで、エンジ
ン11に必要な圧力の過給を行っている。
【0032】なお、小容量ターボ過給機14に並設され
た大容量ターボ過給機15は一般的なものであり、図2
に示すように、排気通路20を流れる排気ガスによって
回転する図示しないタービンと、吸気管13から取り込
む空気を圧縮する図示しないコンプレッサとが同軸に設
けられて構成されている。また、排気通路20,21に
設けられた各切換弁22,23を切換操作することで、
小容量ターボ過給機14と大容量ターボ過給機15とを
選択的に駆動できるようになっている。
【0033】以下、このように構成された本実施例の過
給機付きエンジンの駆動について説明する。
【0034】エンジン11の極低速運転領域では、図2
に示すように、排気通路20の切換弁22を開放し、排
気通路21の切換弁23を閉止しており、クランク軸2
5の動力を電磁クラッチ41によって小容量ターボ過給
機14のコンプレッサ31に伝達して駆動することで、
第1過給圧の給気をエンジン11に供給する。そして、
エンジン回転数が若干上昇したエンジン11の低速運転
領域では、タービン36の駆動力による第2過給圧が所
定過給圧を越えて電磁クラッチ41を断切状態とし、小
容量ターボ過給機14のタービン36の駆動力をコンプ
レッサ31に伝達して駆動することで、この小容量ター
ボ過給機14による第2過給圧の給気をエンジン11に
供給する。この場合、図3に示すように、エンジン11
は所定過給圧以上の過給圧が得られればよく、第2過給
圧が第1過給圧を越える前に電磁クラッチ41を切り換
えることで、コンプレッサ31を駆動するためのエンジ
ン11の駆動力の損失が低減される。また、流量の少な
い領域ではサージングを起こしやすいが、このとき、小
容量ターボ過給機14のみを駆動することで、エンジン
11の極低速運転領域で高圧過給が可能となる。
【0035】更に、エンジン回転数が上昇したエンジン
11の中速運転領域では、図2に示すように、排気通路
20の切換弁22を閉止し、排気通路21の切換弁22
を開放しており、大容量ターボ過給機15のタービンの
駆動力による過給圧の給気をエンジン11に供給する。
そして、エンジン回転数が更に上昇したエンジン11の
高速運転領域では、各排気通路20,21の切換弁2
2,23を全て開放しており、小容量ターボ過給機14
のタービン36の駆動力及び大容量ターボ過給機15の
タービンの駆動力による過給圧の給気をエンジン11に
供給する。
【0036】このように本実施例の過給機付きエンジン
にあっては、図4に示すように、エンジン11の極低速
運転領域では電磁クラッチ41を接続することでクラン
ク軸動力によって小容量ターボ過給機14のコンプレッ
サ31を駆動し、低速運転領域では電磁クラッチ41を
断切状態として小容量ターボ過給機14のタービン36
の駆動力によってコンプレッサ31を駆動し、また、中
速運転領域では大容量ターボ過給機15のコンプレッサ
を駆動し、更に、高速運転領域では小容量ターボ過給機
14のコンプレッサ31及び大容量ターボ過給機15の
コンプレッサを駆動することとなり、エンジン11の全
ての運転領域にわたって高出力を得ることができる。一
方、従来の「ツインターボ過給機付エンジン」(従来例
)は機械式過給機を有しておらず、エンジンの極低速
運転領域で高出力を得ることができない。また、従来の
「機械式過給機と排気タービン過給機とを有するエンジ
ン」(従来例)はエンジン高回転時の過給量を考慮
し、大容量のコンプレッサを使用しなければならず、エ
ンジンの極低速運転領域及び低速運転領域で高出力を得
ることができない。
【0037】なお、上述の実施例において、小容量ター
ボ過給機14と大容量ターボ過給機15にて構成した
が、ターボ過給機の数は2つに限るものではなく、容量
の異なるターボ過給機を複数設ければよいものである。
また、電磁クラッチ41をエンジン11のクランク軸2
5と駆動プーリ41との間に設けたが、従動ギヤ32よ
りもエンジン11側にあれば、従動プーリ43や小容量
ターボ過給機14内に設けてもよい。また、上述の実施
例では、ブースト圧を検知して電磁クラッチ41の制御
を行ったが、エンジン負荷や回転数を検知して図4に示
すようなマップに基づいて制御するようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて説明したように本
発明の過給機付きエンジンによれば、容量の異なる複数
のターボ過給機を並列に配設し、最も容量の小さい小容
量ターボ過給機のタービン駆動力を圧縮機に伝達する第
1伝達手段を設けると共に、エンジンのクランク軸動力
をこの第1伝達手段に伝達してエンジンの動力によって
小容量ターボ過給機を駆動する第2伝達手段を設けたの
で、エンジンは容量の異なる複数のターボ過給機が選択
的に駆動することで過給が行われることとなり、また、
小容量ターボ過給機は第1伝達手段によってタービン駆
動力が圧縮機に伝達されるか、あるいは、エンジンのク
ランク軸動力が第2伝達手段及び第1伝達手段によって
圧縮機に伝達されて駆動することとなり、エンジンの極
低速域では小容量機械式過給機が駆動することで発進時
などに十分な出力を得ることができると共に、サージン
グの発生も防止することができ、一方、その他の領域で
は排気タービンが駆動することで高速走行時などで十分
な出力を得ることができ、その結果、エンジンの全ての
運転領域で所定の出力を確保することにより、走行性能
の向上を図ることができる。
【0039】また、本発明の過給機付きエンジンによれ
ば、第2伝達手段にクランク軸動力の伝達を断続するク
ラッチを設け、タービン駆動力によって圧縮機を駆動す
るときの過給圧がエンジンが十分な駆動力を確保するた
めに予め設定された所定過給圧を越えたときに、このク
ラッチを断切するようにしたので、タービン駆動力によ
って圧縮機を駆動するときの過給圧が所定過給圧以下の
ときにはクランク軸動力によって圧縮機を駆動して過給
を行う一方、タービンの過給圧が所定過給圧を越えたと
きには、クラッチを断切してタービン駆動力によって圧
縮機を駆動することとなり、エンジンの極低速運転領域
では機械式過給機を駆動し、エンジンの低速運転領域で
は排気タービン過給機を駆動することで、各運転領域に
て十分な出力を得ることができる。
【0040】また、本発明の過給機付きエンジンによれ
ば、所定過給圧をクランク軸動力によって圧縮機を駆動
するときの第1過給圧曲線とタービン駆動力によって圧
縮機を駆動するときの第2過給圧曲線との交点よりエン
ジン低回転領域側に位置させたので、クラッチが接続状
態にあってクランク軸動力の第1過給圧によって圧縮機
が駆動して過給が行われるとき、エンジン回転の上昇に
伴ってこの第1過給圧とタービン駆動力による第2過給
圧が上昇するが、第2過給圧が第1過給圧を越えていな
くとも第2過給圧が所定過給圧を越えたときに、クラッ
チを断切して圧縮機の駆動源をクランク軸動力からター
ビン駆動力に強制的に切り換えることとなり、その間に
第1過給圧を上昇するためのエンジンの駆動力の損失を
低減することができる。
【0041】また、本発明の過給機付きエンジンによれ
ば、第2伝達手段におけるクラッチよりも圧縮機側に、
クランク軸側から圧縮機側へのみ動力を伝達するワンウ
ェイクラッチを設けたので、タービンの過給圧が所定過
給圧を越えてこのタービン駆動力によって圧縮機が駆動
するとき、第2伝達手段におけるフリクションを低減す
ることができる。
【0042】また、本発明の過給機付きエンジンによれ
ば、排気系に設けられたタービンと吸気系に設けられた
圧縮機とを第1伝達手段によって駆動連結すると共に、
エンジンのクランク軸動力とこの第1伝達手段とを第2
伝達手段によって駆動連結し、この第2伝達手段にクラ
ンク軸動力の伝達を断続するクラッチを設けると共に、
このクラッチよりも圧縮機側にクランク軸側から圧縮機
側へのみ動力を伝達するワンウェイクラッチを設け、制
御手段によってタービン駆動力によって圧縮機を駆動す
るときの過給圧がエンジンが十分な駆動力を確保するた
めに予め設定された所定過給圧を越えたときにクラッチ
を断切するようにしたので、エンジンは第1伝達手段に
よってタービン駆動力が圧縮機に伝達されるか、あるい
は、エンジンのクランク軸動力が第2伝達手段及び第1
伝達手段によって圧縮機に伝達されることとなり、ター
ビン駆動力によって圧縮機を駆動するときの過給圧が所
定過給圧以下のときにはクランク軸動力がクラッチ及び
ワンウェイクラッチを介して圧縮機に伝達されて駆動す
る一方、タービンの過給圧が所定過給圧を越えたときに
はクラッチを断切してタービン駆動力が圧縮機に伝達さ
れて駆動することとなり、エンジンの異なる運転領域に
おいて、機械式圧縮機と排気タービンを選択的に駆動す
ることで、各運転領域にて十分な出力を得ることができ
ると共に、サージングの発生を防止することができ、且
つ、ワンウェイクラッチによって駆動時のフリクション
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る過給機付きエンジンに
適用される小容量ターボ過給機の概略図である。
【図2】本実施例の過給機付きエンジンの概略図であ
る。
【図3】本実施例の過給機付きエンジンにおけるターボ
の切換領域を表すグラフである。
【図4】本実施例の過給機付きエンジンにおけるエンジ
ン回転数に対するエンジン負荷を表すグラフである。
【符号の説明】
11 エンジン 14 小容量ターボ過給機 15 大容量ターボ過給機 25 クランク軸 26 機械式過給機 31 コンプレッサ 36 タービン 39 ワンウェイクラッチ 41 電磁クラッチ 48 ワンウェイクラッチ 51 制御装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量の異なる複数のターボ過給機が並列
    に配設された過給機付きエンジンにおいて、前記複数の
    ターボ過給機のうち最も容量の小さい小容量ターボ過給
    機のタービン駆動力を圧縮機に伝達する第1伝達手段
    と、エンジンのクランク軸動力を前記第1伝達手段に伝
    達して前記エンジンの動力によって前記小容量ターボ過
    給機を駆動する第2伝達手段とを具えたことを特徴とす
    る過給機付きエンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の過給機付きエンジンにお
    いて、前記第2伝達手段に前記クランク軸動力の伝達を
    断続するクラッチを設け、前記タービン駆動力によって
    前記圧縮機を駆動するときの過給圧が、前記エンジンが
    十分な駆動力を確保するために予め設定された所定過給
    圧を越えたときに、前記クラッチを断切するようにした
    ことを特徴とする過給機付きエンジン。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の過給機付きエンジンにお
    いて、前記所定過給圧は、前記クランク軸動力によって
    前記圧縮機を駆動するときの第1過給圧曲線と前記ター
    ビン駆動力によって前記圧縮機を駆動するときの第2過
    給圧曲線との交点より、エンジン低回転領域側に位置す
    ることを特徴とする過給機付きエンジン。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の過給機付きエンジンにお
    いて、前記第2伝達手段における前記クラッチよりも前
    記圧縮機側に、前記クランク軸側から前記圧縮機側への
    み動力を伝達するワンウェイクラッチを設けたことを特
    徴とする過給機付きエンジン。
  5. 【請求項5】 排気系に設けられたタービンと、吸気系
    に設けられた圧縮機と、前記タービンの駆動力を前記圧
    縮機に伝達する第1伝達手段と、エンジンのクランク軸
    動力を前記第1伝達手段に伝達して前記エンジンの動力
    によって前記圧縮機を駆動する第2伝達手段と、該第2
    伝達手段に設けられて前記クランク軸動力の伝達を断続
    するクラッチと、前記タービン駆動力によって前記圧縮
    機を駆動するときの過給圧が前記エンジンが十分な駆動
    力を確保するために予め設定された所定過給圧を越えた
    ときに前記クラッチを断切する制御手段と、前記第2伝
    達手段における前記クラッチよりも前記圧縮機側に設け
    られて前記クランク軸側から前記圧縮機側へのみ動力を
    伝達するワンウェイクラッチとを具えたことを特徴とす
    る過給機付きエンジン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010180707A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Mahle Filter Systems Japan Corp ハイブリッドスーパーチャージャーシステム
JP2010534298A (ja) * 2007-07-24 2010-11-04 カシ・フォルバルトニング・アイ・ゲーテボルグ・エービー 新規で高められたスーパチャージ内燃機関、及びシステム

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