JPH09257076A - 筒型マウントおよびその製造方法 - Google Patents
筒型マウントおよびその製造方法Info
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- JPH09257076A JPH09257076A JP6431296A JP6431296A JPH09257076A JP H09257076 A JPH09257076 A JP H09257076A JP 6431296 A JP6431296 A JP 6431296A JP 6431296 A JP6431296 A JP 6431296A JP H09257076 A JPH09257076 A JP H09257076A
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Abstract
重入力時に引張応力が生じ易い、ゴム弾性体におけるス
リットの周方向端縁部に対して有効な予圧縮を加えるこ
との出来る、筒型マウントの提供。 【解決手段】 外筒部材14の成形樹脂圧力をゴム弾性
体16に及ぼしめて、スリット32の周方向端縁部3
8,38をスリット32の内方に向かって局部的に圧縮
変形せしめることにより、荷重入力時に引張方向の変形
が生ぜしめられ易い、ゴム弾性体16におけるスリット
32の周方向端部38,38に対して予圧縮を加えた。
Description
ントや防振ブッシュ等として用いられる筒型マウントに
関するものであり、特に、何れも合成樹脂製とされた軸
部材と外筒部材を備えた筒型マウントとその製造方法に
関するものである。
防振連結体乃至は防振支持体の一種として、特公昭56
−12734号公報等に開示されているように、互いに
所定距離を隔てて配された軸金具と外筒金具をゴム弾性
体によって弾性的に連結すると共に、軸金具と外筒金具
の間を軸方向に貫通して延びるスリットを設けることに
より、軸直角方向のばね特性をチューニングするように
した構造の筒型マウントが知られており、例えば自動車
用エンジンマウント等に用いられている。また、近年で
は、マウントの軽量化や低コスト化等のために、外筒金
具の代わりに合成樹脂製の外筒部材を採用することも検
討されている。
ては、スリットを設けると、ゴム弾性体におけるスリッ
トの周方向端縁部に応力集中が生じ易く、特に、外筒金
具によって変形量が制限されるゴム弾性体の外周部分で
は、荷重入力によってゴム弾性体が変形せしめられた際
に引張応力が集中的に作用し易いために、亀裂等が発生
してゴム弾性体ひいてはマウントの耐久性を十分に確保
することが難しいという問題があった。
外周面に外筒金具を嵌着せしめた後に、該外筒金具を縮
径加工せしめてゴム弾性体に予圧縮を加えることによ
り、ゴム弾性体における引張応力の発生を軽減乃至は防
止する方策が講じられていた。
部材を採用した場合には、外筒部材を縮径加工すること
が極めて困難であるために、ゴム弾性体に対して有効な
予圧縮を加えることが難しく、十分なマウント耐久性が
確保され難いという不具合があったのである。
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、合成樹脂製の外筒部材を採用した場合にお
いて、スリットが形成されたゴム弾性体に対して有効な
予圧縮を加えることの出来る、改良された構造の筒型マ
ウントと、筒型マウントの製造方法を提供することにあ
る。
に、筒型マウントに関する本発明の特徴とするところ
は、軸部材と、該軸部材の外方に所定距離を隔てて配さ
れた外筒部材を、それらの間に介装されたゴム弾性体に
よって連結すると共に、該軸部材と該外筒部材の間を軸
方向に貫通して延びるスリットを設けた筒型マウントに
おいて、前記外筒部材が合成樹脂製とされると共に、該
外筒部材の成形樹脂圧力が前記ゴム弾性体に及ぼされ
て、該ゴム弾性体が、前記スリットの周方向端縁部にお
いて、該スリットの内方に向かって局部的に圧縮変形せ
しめられていることにある。
マウントにおいては、外筒部材の成形樹脂圧力にてゴム
弾性体が局部的に圧縮変形されることによって、荷重入
力時に引張方向の変形が生ぜしめられ易い、ゴム弾性体
におけるスリットの周方向端部に対して有効な予圧縮が
加えられていることから、ゴム弾性体における引張応力
の発生が軽減乃至は防止されて耐久性の向上が図られ得
るのである。
圧縮を及ぼしめて優れた耐久性を確保しつつ、外筒部材
の樹脂化が実現されることから、マウントの軽量化およ
び低コスト化が有利に実現され得るのである。
が形成されること等によって、ゴム弾性体におけるスリ
ットの周方向端縁部が複数ある場合に、それらの全てを
圧縮変形させる必要はなく、特に引張方向の変形が生ぜ
しめられ易い箇所だけを圧縮変形させれば良い。また、
外筒部材が合成樹脂製とされることから、外筒部材を他
部材に取り付けるためのブラケット部を、外筒部材に一
体形成することも可能であり、それによって、部品点数
の削減と製作性の向上が図られ得る。
い態様においては、請求項2に記載されているように、
前記ゴム弾性体における前記スリットの周方向端縁部
が、荷重入力による該ゴム弾性体の変形によって曲率半
径が大きくなる湾曲内周面形状を有しており、前記外筒
部材の成形樹脂圧力が該ゴム弾性体の外周面に及ぼされ
ることによって、かかるゴム弾性体におけるスリットの
周方向端縁部が、該湾曲内周面の曲率半径が小さくなる
方向に圧縮変形せしめられている。
いては、ゴム弾性体におけるスリットの周方向端縁部が
湾曲内周面形状とされていることによって、荷重入力時
に惹起される引張応力が分散されることと、該スリット
の周方向端縁部に対して曲率半径が小さくなる方向の圧
縮変形が加えられていることによって、荷重入力時に惹
起される引張応力が軽減されることとが、相まって、よ
り優れた耐久性の向上効果が発揮されるのである。
い態様においては、請求項3に記載されているように、
前記スリットが、前記ゴム弾性体の内部を貫通して形成
されていることにより、かかるゴム弾性体によって、該
スリットの外周側を覆う周壁部が形成されている。
いては、スリットの周方向端縁部に位置する周壁部の外
周面に、外筒部材の成形樹脂圧力を及ぼして、かかる周
壁部を、スリットの周方向端縁部において部分的にスリ
ットの内方に向かって変形せしめることによって、ゴム
弾性体におけるスリットの周方向端縁部に対して容易に
且つ有利に予圧縮を加えることが出来るのである。
い態様においては、請求項4に記載されているように、
前記外筒部材の成形樹脂圧力が前記ゴム弾性体の外周面
に及ぼされて圧縮変形せしめられることにより、前記ス
リットの周方向中央部分において、前記軸部材側と前記
周壁部側が当接せしめられている。
いては、スリットの周方向中央部分における軸部材側と
周壁部側の対向部間で、軸直角方向のストッパ機構が構
成されると共に、それら軸部材側と周壁部側を外筒部材
の成形樹脂圧力によって当接させることにより、ストッ
パクリアランスの設定自由度を大きく確保することがで
きる。
本発明の特徴とするところは、軸部材と、該軸部材の外
方に所定距離を隔てて配された外筒部材が、それらの間
に介装されたゴム弾性体によって連結されると共に、該
軸部材と該外筒部材の間を軸方向に貫通して延びるスリ
ットが設けられた筒型マウントの製造方法であって、前
記外筒部材の成形型に前記ゴム弾性体をセットすると共
に、該ゴム弾性体の前記スリットに中子型を配置せしめ
て、該ゴム弾性体の外周面上に前記外筒部材の成形キャ
ビティを形成する一方、前記ゴム弾性体における前記ス
リットの周方向端縁部に対する前記中子型の当接部分に
逃げ部を設けて、該スリットの周方向端縁部の内周面と
該中子型の外周面との間に逃げ空所を形成せしめた状態
下、前記成形キャビティに樹脂材料を充填して前記外筒
部材を形成すると同時に、該樹脂材料の充填圧を前記ゴ
ム弾性体に及ぼしめて、該ゴム弾性体における前記スリ
ットの周方向端縁部を、前記逃げ空所に入り込ませて前
記スリットの内方に向かって圧縮変形せしめるようにし
たことにある。
体を、スリットの周方向端縁部において容易に且つ所定
量だけ安定して局部的に圧縮変形せしめることが出来る
のであり、それによって、荷重入力時に引張方向の変形
が生ぜしめられ易い、ゴム弾性体におけるスリットの周
方向端部に対して、有効な予圧縮を効果的に加えること
が出来るのである。
的に明らかにするために、本発明の実施例について、図
面を参照しつつ、詳細に説明する。
例としての自動車用エンジンマウント10が示されてい
る。このマウント10は、軸部材としての内筒部材12
と、該内筒部材12の外方に所定距離を隔てて配された
外筒部材14とが、それらの間に介装されたゴム弾性体
16によって弾性的に連結されており、内筒部材12お
よび外筒部材14の各一方が、図示しないボデーとパワ
ーユニットの各一方に取り付けられることにより、パワ
ーユニットとボデーの間に介装されて、パワーユニット
をボデーに対して防振支持せしめるようになっている。
筒形状を有しており、金属や合成樹脂等の、入力荷重に
耐え得る剛性材料にて形成されている。なお、この内筒
部材12は、内孔18に挿通される取付軸によって、パ
ワーユニットまたはボデーに取り付けられるようになっ
ている。
リアミド樹脂のように、入力荷重に耐え得る強度と剛性
を有する合成樹脂材料によって形成されており、僅かに
偏平とされた略大径円筒形状の筒体部20と、該筒体部
20の外周面上に突設された略平板形状の取付板部22
を有している。また、取付板部22には、複数個の円筒
形状を有する取付スリーブ24が板厚方向に貫設固着さ
れており、これらの取付スリーブ24に挿通されるボル
ト等によって、外筒部材14が、ボデーまたはパワーユ
ニットに取り付けられるようになっている。なお、筒体
部20と取付板部22の間には、厚肉となる連結部分に
肉抜部26が形成されて軽量化されていると共に、連結
隅部に補強板部28が架け渡されて補強されている。
筒部材12の径方向外方に所定距離を隔てて配設されて
いると共に、これら内筒部材12と外筒部材14の間に
ゴム弾性体16が介装されている。ゴム弾性体16は、
全体として略厚肉円筒形状を有しており、その内周面に
内筒部材12が、外周面に外筒部材14が、それぞれ接
着固定されている。また、内筒部材12と外筒部材14
は、径方向(図中、上下方向)に僅かに偏心して配され
ており、車両への装着時に内外筒部材12,14間にパ
ワーユニット荷重:Pが及ぼされてゴム弾性体16が変
形せしめられた際、図3に示されているように、内筒部
材12と外筒部材14が、略同軸的に位置せしめられる
ようになっている。更にまた、車両への装着状態下、防
振すべき主たる振動が、内外筒部材12,14間に対し
て、それら内外筒部材12,14の略偏心方向(図3
中、略上下方向)に入力されることとなる。
を主たる荷重の入力方向(内外筒部材12,14の偏心
方向)に挟んだ両側部分に位置して、それぞれ軸方向に
貫通して延びる第一のスリット30と第二のスリット3
2が形成されている。第一のスリット30は、内筒部材
12と外筒部材14の偏心方向における離間距離が大な
る側において、内筒部材12側に凸となる略弓形の形状
を有している一方、第二のスリット32は、内筒部材1
2と外筒部材14の偏心方向における離間距離が小なる
側において、外筒部材14の内周面に略沿って周方向に
略半周の長さで延びて形成されている。なお、これら第
一及び第二のスリット30,32によって、ゴム弾性体
16における内筒部材12と外筒部材14の連結部分
が、内筒部材12側から外筒部材14側に向かって主た
る振動荷重入力方向に傾斜して延びる二本の脚部34,
34からなる略V字形断面形状とされている。
部36,36と、第二のスリット32の周方向両端縁部
38,38は、何れも、内周面が略円弧状の湾曲面形状
とされており、それによって、ゴム弾性体16における
局部的な変形が軽減されて、変形に伴う内部応力の分散
が図られている。更に、第一のスリット30の周方向中
央部分の内周面には、内筒部材12と外筒部材14の対
向方向に突出する緩衝ゴム40,42が、それぞれゴム
弾性体16によって一体形成されていると共に、第二の
スリット32の周方向中央部分の内周面には、内筒部材
12と外筒部材14の対向方向に突出する緩衝ゴム4
4,46が、それぞれゴム弾性体16によって一体形成
されており、これらの緩衝ゴム40,42および44,
46を介して、内筒部材12と外筒部材14が当接せし
められることにより、内筒部材12と外筒部材14のバ
ウンド方向およびリバウンド方向における相対的変位量
が制限されるようになっている。なお、特に本実施例で
は、第二のスリット32内において、外部入力がない状
態では、内筒部材12側の緩衝ゴム44と外筒部材14
側の緩衝ゴム46が当接せしめられており(図1参
照)、マウント装着状態下でパワーユニット荷重が及ぼ
されることにより、所定のストッパクリアランスが形成
されるようになっている(図3参照)。
で外筒部材14が形成されることにより、外筒部材14
の成形樹脂圧力がゴム弾性体16の外周面に及ぼされて
いる。
に示されているように、内筒部材12に対して加硫接着
された一体加硫成形品48として形成されている。な
お、一体加硫成形品48においては、第二のスリット3
2側の緩衝ゴム44と46も、所定距離を隔てて対向位
置せしめられており、ゴム弾性体16の成形が容易とさ
れている。そして、図5に示されているように、かかる
一体加硫成形品48が、外筒部材14の成形型50にセ
ットされることにより、一体加硫成形品48を構成する
ゴム弾性体16の外周面52を成形面の一部として、該
ゴム弾性体16の外周面上に、外筒部材14の成形キャ
ビティ54が形成され、以て、図6に示されている如
く、かかる成形キャビティ54に所定の樹脂材料を充填
することによって、外筒部材14が形成されると共に、
形成と同時に外筒部材14がゴム弾性体16の外周面に
固着されて組み付けられているのである。なお、外筒部
材14の形成に先立ち、必要に応じて、ゴム弾性体16
の外周面に適当な接着剤が塗布される。
料を成形キャビティ54に充填することによって、樹脂
材料の充填圧がゴム弾性体16の外周面に及ぼされて、
ゴム弾性体16に縮径方向の圧縮力が及ぼされることか
ら、かかる樹脂材料の充填圧によって、第一及び第二の
スリット30,32に押し潰されてゴム弾性体16に歪
な変形が生じないように、ゴム弾性体16の第一及び第
二のスリット30,32には、それぞれ、成形型50に
固定された中子型56及び58,58が挿通配置され
る。
は、図5に示されているように、何れも、全体として、
第一及び第二のスリット30,32の内周面形状に略対
応し且つ僅かに小さな外周面形状を有しており、樹脂材
料の充填圧がゴム弾性体16の外周面52の全面に及ぼ
された際、図6に示されているように、ゴム弾性体16
の全体的な圧縮変形が所定量だけ許容されるようになっ
ている。また、第二のスリット32に配設される中子型
58,58は周方向両側に分割されており、ゴム弾性体
16の全体的な圧縮変形によって、第二のスリット32
内で対向位置せしめられた両緩衝ゴム44,46が相互
に接近せしめられて当接されるようになっている。
32に配設される中子型58,58は、何れも、第二の
スリット32の周方向端縁部38に位置せしめられる端
部分が、ゴム弾性体16の外周側において、滑らかな曲
面形状をもって切り欠かれたように凹陥せしめられるこ
とにより、軸方向に連続して延びる逃げ部60が形成さ
れている。そして、この逃げ部60が形成されているこ
とにより、第二のスリット32の周方向端縁部38に位
置せしめられる中子型58の端部分の湾曲面における曲
率半径が、第二のスリット32の周方向端縁部38の湾
曲内周面における曲率半径よりも小さくされているので
ある。また、この逃げ部60により、ゴム弾性体16の
スリット32の内周面と中子型58の外周面との対向面
間距離が、第二のスリット32の周方向端縁部38にお
いて他の部分よりも大きくされており、かかる周方向端
縁部38において、第二のスリット32の内周面と中子
型58との対向面間を、ゴム弾性体16の軸方向に連続
して延びる逃げ空所62が形成されている。
された成形キャビティ54に、成形樹脂材料が注入,充
填されると、図6に示されているように、ゴム弾性体1
6における第二のスリット32の周方向両端縁部38,
38が、成形樹脂圧力によって逃げ空所62内に押し込
まれ、中子型58の端部分の湾曲面形状に沿った内周面
形状となるように弾性変形せしめられることとなる。即
ち、このようにゴム弾性体16における第二のスリット
32の周方向両端縁部38,38が、充填樹脂圧力によ
り第二のスリット32を斜め外方から内方に向かって押
し潰すような方向に押圧されて、その湾曲内周面の曲率
半径が小さくなるように弾性変形せしめられることによ
り、かかる周方向端縁部38に対して、有効な圧縮応力
が及ぼされて予圧縮が加えられるのである。
マウント10においては、ゴム弾性体16に対して有効
な予圧縮を加えることが可能であり、ゴム弾性体16に
おける引張応力の発生が低減乃至は防止されて、優れた
耐久性が発揮されるのである。より具体的には、図3に
示されているように、装着状態下に及ぼされるパワーユ
ニット荷重:Pや、バウンド方向(図3中、パワーユニ
ット荷重と略同一方向)の振動入力によって、ゴム弾性
体16が変形せしめられると、第二のスリット32が拡
開されて、ゴム弾性体16における第二のスリット32
の周方向両端縁部38,38に対して、その湾曲内周面
の曲率半径が大きくなる方向の弾性変形が生ぜしめられ
ることとなるが、これらの周方向両端縁部38,38
は、充填樹脂圧力による圧縮変形に基づいて予圧縮が加
えられて、外力が及ぼされていない装着前の状態(図1
参照)下では、ゴム弾性体16の加硫形状(図4参照)
より湾曲内周面の曲率半径が小さくなるように圧縮変形
せしめられていることから、上述の如きパワーユニット
荷重やバウンド方向の振動入力によってゴム弾性体16
が変形せしめられた際にも、第二のスリット32の周方
向両端縁部38,38における引張応力の発生が低減乃
至は防止され得て、引張応力に起因する亀裂等の発生が
防止されることから、優れた耐久性が発揮されるのであ
る。
いては、合成樹脂製の外筒部材14を採用しながらも、
特別な加工を必要とすることなく、ゴム弾性体16に対
して有効な予圧縮を加えることが出来ることから、良好
なるマウント耐久性を確保しつつ、マウントの軽量化お
よび低コスト化と製作性の向上が有利に図られ得るので
ある。
おいては、第二のスリット32がゴム弾性体16を貫通
して形成されており、第二のスリット32の外周側が、
ゴム弾性体16にて形成された周壁部64によって覆わ
れていることから、第二のスリット32内への樹脂材料
の入り込みを防止しつつ、ゴム弾性体16における第二
のスリット32の周方向両端縁部38,38に対して、
外筒部材14の成形樹脂圧力を容易に且つ有効に作用せ
しめることが出来ると共に、リバウンド方向のストッパ
機構を容易に形成することが出来るといった利点もあ
る。
ット30の周方向両端縁部36,36には、外筒部材1
4の成形樹脂圧力に基づく局部的な予圧縮が及ぼされて
いないが、かかる周方向端縁部36,36は、マウント
装着状態下に及ぼされるパワーユニット荷重:Pによっ
て圧縮変形せしめられることから、その構造上、リバウ
ンド方向の荷重入力による過大な引張応力の発生が抑え
られて、十分な耐久性が確保されることとなる。
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
リット30の周方向両端縁部36,36に対しても、第
二のスリット32の周方向両端縁部38,38と同様
に、外筒部材14の成形樹脂圧力に基づく予圧縮を加え
るようにしても良い。
0,32が設けられていたが、単一の或いは三つ以上の
スリットを有するエンジンマウントに対しても、本発明
は、同様に適用可能である。
が取付板部22を有するブラケット構造とされていた
が、ブラケット構造を有しない筒体形状の外筒部材を採
用することも、勿論、可能である。
用エンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、本発明は、その他、サスペンションブッシュやボデ
ーマウント、或いは自動車以外の各種装置における筒型
マウントに対しても、適用可能であることは、勿論であ
る。
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
に従う構造とされた筒型マウントにおいては、合成樹脂
製の外筒部材を採用しながらも、荷重入力時に引張応力
が生じ易い、ゴム弾性体におけるスリットの周方向端縁
部に対して有効な予圧縮が加えられることから、外筒部
材の樹脂化によるマウント軽量化等の効果と共に、マウ
ント耐久性の向上効果が、何れも有効に発揮されるので
ある。
外筒部材の形成と同時に、該外筒部材をゴム弾性体に組
み付けることが出来ると共に、荷重入力時に引張応力が
生じ易い、ゴム弾性体におけるスリットの周方向端縁部
に対して有効な予圧縮を加えることが出来るのであり、
それ故、優れたマウント耐久性を確保しつつ、外筒部材
の樹脂化が有利に実現され得るのである。
す横断面図である。
説明するための横断面図である。
ム弾性体の一体加硫成形品を示す横断面図である。
成形品のセット状態を示す説明図である。
樹脂材料を充填せしめた状態を示す説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 軸部材と、該軸部材の外方に所定距離を
隔てて配された外筒部材を、それらの間に介装されたゴ
ム弾性体によって連結すると共に、該軸部材と該外筒部
材の間を軸方向に貫通して延びるスリットを設けた筒型
マウントにおいて、 前記外筒部材が合成樹脂製とされると共に、該外筒部材
の成形樹脂圧力が前記ゴム弾性体に及ぼされて、該ゴム
弾性体が、前記スリットの周方向端縁部において、該ス
リットの内方に向かって局部的に圧縮変形せしめられて
いることを特徴とする筒型マウント。 - 【請求項2】 前記ゴム弾性体における前記スリットの
周方向端縁部が、荷重入力による該ゴム弾性体の変形に
よって曲率半径が大きくなる湾曲内周面形状を有してお
り、前記外筒部材の成形樹脂圧力が該ゴム弾性体の外周
面に及ぼされることによって、かかるゴム弾性体におけ
るスリットの周方向端縁部が、該湾曲内周面の曲率半径
が小さくなる方向に圧縮変形せしめられている請求項1
に記載の筒型マウント。 - 【請求項3】 前記スリットが、前記ゴム弾性体の内部
を貫通して形成されていることにより、かかるゴム弾性
体によって、該スリットの外周側を覆う周壁部が形成さ
れている請求項1又は2に記載の筒型マウント。 - 【請求項4】 前記外筒部材の成形樹脂圧力が前記ゴム
弾性体の外周面に及ぼされて圧縮変形せしめられること
により、前記スリットの周方向中央部分において、前記
軸部材側と前記周壁部側が当接せしめられている請求項
3に記載の筒型マウント。 - 【請求項5】 軸部材と、該軸部材の外方に所定距離を
隔てて配された外筒部材が、それらの間に介装されたゴ
ム弾性体によって連結されると共に、該軸部材と該外筒
部材の間を軸方向に貫通して延びるスリットが設けられ
た筒型マウントの製造方法であって、 前記外筒部材の成形型に前記ゴム弾性体をセットすると
共に、該ゴム弾性体の前記スリットに中子型を配置せし
めて、該ゴム弾性体の外周面上に前記外筒部材の成形キ
ャビティを形成する一方、前記ゴム弾性体における前記
スリットの周方向端縁部に対する前記中子型の当接部分
に逃げ部を設けて、該スリットの周方向端縁部の内周面
と該中子型の外周面との間に逃げ空所を形成せしめた状
態下、前記成形キャビティに樹脂材料を充填して前記外
筒部材を形成すると同時に、該樹脂材料の充填圧を前記
ゴム弾性体に及ぼしめて、該ゴム弾性体における前記ス
リットの周方向端縁部を、前記逃げ空所に入り込ませて
前記スリットの内方に向かって圧縮変形せしめることを
特徴とする筒型マウントの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP06431296A JP3700237B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 筒型マウントおよびその製造方法 |
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JP06431296A JP3700237B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 筒型マウントおよびその製造方法 |
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JP06431296A Expired - Fee Related JP3700237B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 筒型マウントおよびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011011475A (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-20 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 防振装置の製造方法 |
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1996
- 1996-03-21 JP JP06431296A patent/JP3700237B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2011011475A (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-20 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 防振装置の製造方法 |
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JP3700237B2 (ja) | 2005-09-28 |
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