[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH09244206A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

Info

Publication number
JPH09244206A
JPH09244206A JP5515096A JP5515096A JPH09244206A JP H09244206 A JPH09244206 A JP H09244206A JP 5515096 A JP5515096 A JP 5515096A JP 5515096 A JP5515096 A JP 5515096A JP H09244206 A JPH09244206 A JP H09244206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
photothermographic material
photosensitive
heat
processing member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5515096A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Okino
美晴 沖野
Nagao Ogiwara
永夫 荻原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP5515096A priority Critical patent/JPH09244206A/ja
Publication of JPH09244206A publication Critical patent/JPH09244206A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Projection-Type Copiers In General (AREA)
  • Photographic Developing Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像が記録された感光材料に、簡易な方法で
画像を形成する。 【解決手段】 画像が露光されたフィルムNに塗布装置
22により水を塗布し、該フィルムNをドラム24の外
周面と処理部材Kとで挟んだ状態でドラム24の外周を
搬送する。この状態でフィルムNと処理部材Kとを加熱
部26により加熱する。フィルムNは露光された画像が
加熱により形成されるという特性を有している。従っ
て、前記露光された画像がフィルムNに形成される。そ
の後、処理部材Kから剥離されたフィルムNはプリンタ
にセットされ、フィルムNに形成された各コマ画像を透
過した光によってペーパー上に該各コマ画像が焼付られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法及び
画像形成装置に係り、より詳しくは、露光された画像が
加熱によって形成される熱現像感光材料と、前記熱現像
感光材料と重ね合わせて加熱することにより熱現像感光
材料上に画像を形成するために使用される処理部材と、
を用いて画像を形成する画像形成方法及び画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンベンショナルカラー写真として知ら
れている方法において、撮影用の感光材料(いわゆるカ
ラーネガフィルム)は、通常青光を記録してイエロー色
素画像を形成する層、緑光を記録してマゼンタ色素画像
を形成する層、及び赤光を記録してシアン色素画像を形
成する層を含み、現像処理の際に潜像を含有するハロゲ
ン化銀粒子を銀に還元する過程で現像剤が酸化され、そ
の酸化体とカプラーとの反応(カップリング)により色
素画像を形成する。未現像のハロゲン化銀及び現像銀は
それに引き続く漂白定着工程で除去され、色素画像が形
成され且つ未現像のハロゲン化銀及び現像銀が除去され
たカラーネガフィルムが得られる。
【0003】従来はこのカラーネガフィルムの色素画像
を透過した光をカラーペーパに照射することによって、
該色素画像をカラーペーパに焼付露光し、同様の現像、
漂白、定着工程を経てカラープリントを得ていた。
【0004】一方、上記カラーネガフィルムに形成され
た画像を光電的に読み取った後、画像処理を施して記録
用の画像データとし、この画像データによって他の画像
記録材料に画像を得る方法も知られている。特に上記の
画像データをデジタル信号とし、それに応じて変調した
レーザ光によってカラーペーパ等の感光材料を走査露光
して仕上がりプリントとするデジタルプリンタの開発が
進んでおり、その例は特開平7−15593号公報に記
載されている。
【0005】以上の方法は、撮影済のカラーネガフィル
ムに対し、通常の現像、漂白、定着処理(湿式処理)を
行って画像を形成することを前提とするものであり、こ
のような画像形成のプロセスは煩雑である。
【0006】また、処理液等の薬剤を含む液体を使用す
るため、その管理が面倒であり、装置の汚れ等によって
装置の劣化が早まる原因にもなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実に鑑
み成されたものであり、画像が記録された感光材料に簡
易な方法で画像を形成することができ、且つメンテナン
ス性を向上することができる画像形成方法及び画像形成
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の画像形成方法は、露光された画像
が加熱によって形成される熱現像感光材料に画像を露光
し、露光された熱現像感光材料と、前記熱現像感光材料
と重ね合わせて加熱することにより熱現像感光材料上に
画像を形成するために使用される処理部材とを重ね合わ
せ、重ね合わせた熱現像感光材料と処理部材とを加熱す
ることにより、該熱現像感光材料上に前記露光した画像
を形成し、該画像が形成された熱現像感光材料を処理部
材から剥離し、剥離によって分離した熱現像感光材料に
形成された画像を、該画像の透過光によって他の感光材
料に露光する、ことを特徴とする。
【0009】上記請求項1記載の画像形成方法では、露
光された画像が加熱によって形成されるという特性を有
する熱現像感光材料に画像を露光し、該露光された熱現
像感光材料と処理部材とを重ね合わせ、そして、該熱現
像感光材料と処理部材とを加熱する。ここで処理部材
は、熱現像感光材料と重ね合わせて加熱することにより
熱現像感光材料上に画像を形成するために使用される部
材であるので、前記重ね合わせた熱現像感光材料及び処
理部材が加熱されることにより、熱現像感光材料に前記
露光した画像が形成される。
【0010】さらに、上記のようにして画像が形成され
た熱現像感光材料を処理部材から剥離し、剥離によって
処理部材と分離した熱現像感光材料に形成された画像
を、該画像の透過光によって他の感光材料に露光する。
このようにして、熱現像感光材料に形成した画像を他の
感光材料に露光し写真プリントを得ることができる。
【0011】以上のように、画像が露光された熱現像感
光材料に対し従来のように煩雑な現像、漂白、定着処理
を行うことなく簡易な方法で、前記画像を記録した写真
プリントを得ることができる。また、処理液等の薬剤を
含む液体を使用しないため、そのような液体の保管・補
充管理や装置の清掃等に煩わされることがなくなり、画
像形成に係る装置のメンテナンス性を向上することがで
きる。
【0012】ところで、上記熱現像感光材料や処理部材
は、以下の請求項2及び請求項3に記載のものを使用す
ることができる。
【0013】即ち、請求項2記載の画像形成方法は、支
持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダ
ー、及び画像状に拡散性色素を放出ないし拡散する機能
を持つ色材を含み、感光波長領域及び前記色材の現像処
理後における色相が互いに異なる少なくとも三種類の感
光層を有する色材含有熱現像感光材料と、前記色材含有
熱現像感光材料と重ね合わせて加熱することにより前記
色材含有熱現像感光材料上に画像を形成するために使用
される、支持体上に少なくとも媒染剤を含む層を有する
媒染剤含有処理部材と、を用いる画像形成方法であっ
て、前記色材含有熱現像感光材料に画像を露光し、露光
された色材含有熱現像感光材料と前記媒染剤含有処理部
材とを重ね合わせ、重ね合わせた色材含有熱現像感光材
料と媒染剤含有処理部材とを加熱し、放出される前記拡
散性色素の一部又は全部を色材含有熱現像感光材料から
除去することにより、該色材含有熱現像感光材料上に少
なくとも三色の色画像を形成し、該画像が形成された色
材含有熱現像感光材料を媒染剤含有処理部材から剥離
し、剥離によって分離した色材含有熱現像感光材料に形
成された画像を、該画像の透過光によって他の感光材料
に露光する、ことを特徴とする。
【0014】この請求項2記載の画像形成方法では、上
記色材含有熱現像感光材料と媒染剤含有処理部材とを重
ね合わせ、且つ加熱されることで、色材から画像状に拡
散性色素が放出ないし拡散され、該拡散性色素の一部又
は全部が色材含有熱現像感光材料から除去される。これ
により、色材含有熱現像感光材料上に少なくとも三色の
色画像が形成される。
【0015】一方の請求項3記載の画像形成方法は、支
持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダ
ー、及び色素供与性カプラーを含み、その感光波長領域
及び前記色素供与性カプラーから形成される色素の色相
が互いに異なる少なくとも三種類の感光層を有するカプ
ラー含有熱現像感光材料と、前記カプラー含有熱現像感
光材料と重ね合わせて加熱することにより前記カプラー
含有熱現像感光材料上に画像を形成するために使用され
る熱現像用処理部材と、を用いる画像形成方法であっ
て、前記カプラー含有熱現像感光材料に画像を露光し、
露光されたカプラー含有熱現像感光材料と前記熱現像用
処理部材とを重ね合わせ、重ね合わせたカプラー含有熱
現像感光材料と熱現像用処理部材とを加熱することによ
り、前記色素供与性カプラーにより該カプラー含有熱現
像感光材料上に少なくとも三色の色画像を形成し、該画
像が形成されたカプラー含有熱現像感光材料を熱現像用
処理部材から剥離し、剥離によって分離したカプラー含
有熱現像感光材料に形成された画像を、該画像の透過光
によって他の感光材料に露光する、ことを特徴とする。
【0016】この請求項3記載の画像形成方法では、上
記カプラー含有熱現像感光材料と熱現像用処理部材とを
重ね合わせ、これらを加熱することにより、前記色素供
与性カプラーにより該カプラー含有熱現像感光材料上に
少なくとも三色の色画像が形成される。
【0017】前述した請求項1乃至請求項3の何れか1
項に記載の画像形成方法では、請求項4記載の発明のよ
うに、熱現像感光材料と処理部材とを重ね合わせる前
に、該熱現像感光材料及び処理部材の少なくとも一方に
所定の画像形成用溶媒を塗布することにより、熱現像感
光材料と処理部材とが重なり合った面で密着し、熱現像
感光材料に前記露光した画像を形成する処理をむらなく
効果的に行うことができる。なお、詳細は後述するが、
画像形成用溶媒としては水が好ましく用いられる。具体
的には蒸留水、水道水、井戸水、ミネラルウォーター等
を用いることができる。
【0018】特に、請求項2記載の発明において、上記
のように所定の画像形成用溶媒を塗布することにより、
拡散性色素の転写が促進される。これにより、熱現像感
光材料に前記露光した画像を形成する処理が促進される
という効果がある。
【0019】次に、上記画像形成方法を自動的に実行す
る画像形成装置を、以下の請求項5及び請求項8記載の
発明によって得ることができる。
【0020】即ち、請求項5記載の画像形成装置は、露
光された画像が加熱によって形成される熱現像感光材料
と、前記熱現像感光材料と重ね合わせて加熱することに
より熱現像感光材料上に画像を形成するために使用され
る処理部材と、を用いて画像を形成する画像形成装置で
あって、既に画像が露光された前記熱現像感光材料と前
記処理部材とを重ね合わせる重ね合わせ手段と、重ね合
わせた熱現像感光材料と処理部材とを加熱する加熱手段
と、加熱された熱現像感光材料を処理部材から剥離する
剥離手段と、を有し、剥離によって分離した熱現像感光
材料に形成された画像を、該画像の透過光によって他の
感光材料に露光する、ことを特徴とする。
【0021】上記請求項5記載の画像形成装置では、重
ね合わせ手段によって、既に画像が露光された熱現像感
光材料と処理部材とを重ね合わせ、重ね合わせた熱現像
感光材料と処理部材とを加熱手段によって加熱する。こ
こで処理部材は、熱現像感光材料と重ね合わせて加熱す
ることにより熱現像感光材料上に画像を形成するために
使用される部材であるので、前記重ね合わせた熱現像感
光材料及び処理部材が加熱されることにより、熱現像感
光材料に前記露光した画像が形成される。
【0022】さらに、上記のようにして画像が形成され
た熱現像感光材料を剥離手段によって処理部材から剥離
し、この剥離によって分離した熱現像感光材料に形成さ
れた画像を、該画像の透過光によって他の感光材料に露
光する。このようにして、熱現像感光材料に形成した画
像を他の感光材料に露光し写真プリントを得ることがで
きる。
【0023】以上のように、画像が露光された熱現像感
光材料に対し従来のように煩雑な現像、漂白、定着処理
を行うことなく簡易な方法で、前記画像を記録した写真
プリントを得ることができる。また、処理液等の薬剤を
含む液体を使用しないため、そのような液体の保管・補
充管理や装置の清掃等に煩わされることがなくなり、画
像形成に係る装置のメンテナンス性を向上することがで
きる。
【0024】ところで、上記熱現像感光材料や処理部材
は、以下の請求項6及び請求項7に記載のものを使用す
ることができる。
【0025】即ち、請求項6記載の画像形成装置は、請
求項5記載の画像形成装置において、前記熱現像感光材
料は、支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バ
インダー、及び画像状に拡散性色素を放出ないし拡散す
る機能を持つ色材を含み、感光波長領域及び前記色材の
現像処理後における色相が互いに異なる少なくとも三種
類の感光層を有し、前記処理部材は、支持体上に少なく
とも媒染剤を含む層を有する、ことを特徴とする。
【0026】なお、この請求項6記載の画像形成装置及
び上記請求項2記載の画像形成方法における熱現像感光
材料及び処理部材としては、特願平7−234600号
に開示された、以下に示すものを用いることができる。
【0027】本発明で使用する熱現像感光材料は、支持
体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダー、
及び銀現像に対応または逆対応して拡散性色素を放出す
る非拡散性色材を含み、感光波長領域及び前記色材の現
像処理後における色相が互いに異なる少なくとも3種の
感光層を有する感光材料である。
【0028】上記3種の感光層は好ましくは青色光、緑
色光、及び赤色光のいずれかに感光する層である。この
配列順は、一般的には支持体側から順に赤色感光性層、
緑色感光性層、青色感光性層の順である。ただし、目的
に応じ、これとは別の配列をとっても良い。例えば特開
平7−152129号の162欄に記載されているよう
な配列でも良い。それぞれの感光層は、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層に分けられていても良い。
【0029】各層の分光感度及び色材から形成ないし放
出される拡散性色素の色相の関係は任意であるが、赤色
感光性層にシアン色材、緑色感光性層にマゼンタ色材、
青色感光性層にイエロー色材を用いると、従来のカラー
ペーパー等への画像書き込みが容易である。
【0030】上記のハロゲン化銀乳剤層に加えて保護
層、下塗り層、中間層、黄色フィルター層、アンチハレ
ーション層などの各種の非感光性層を設けても良く、支
持体の反対側にはバック層などの種々の補助層を設ける
ことができる。また、磁気記録層を付与してもよい。
【0031】熱現像感光材料に使用できるハロゲン化銀
乳剤には特別な制限はなく、塩化銀、沃塩化銀、塩臭化
銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀、臭化銀の何れでも良い。沃
化銀含有率は、10モル%以下が好ましいが、より好ま
しくは1モル%以下である。さらに好ましくは、0.5
モル%以下である。ハロゲン化銀乳剤は、表面潜像型で
あっても、内部潜像型であってもよい。内部潜像型乳剤
は、造核剤や光カブラセとを組み合わせて直接反転乳剤
として使用される。また、粒子内部と粒子表面で異なる
ハロゲン組成を持っている多重構造粒子であってもよ
い。また、エピタキシャル接合によって組成の異なるハ
ロゲン化銀乳剤が接合されていてもよい。ハロゲン化銀
粒子の形状は、双晶面を含まない正常晶、双晶面を1つ
含む一重双晶、平行な双晶面を2つ以上含む平行多重双
晶、非平行な双晶面を2つ以上含む非平行多重双晶、球
状、じゃがいも状、高アスペクト比の平板状およびそれ
らの複合系から目的に応じて使用できる。双晶粒子の形
状については、日本写真学会編、写真工業の基礎−銀塩
写真編(コロナ社)、第163頁に記載されている。ハ
ロゲン化銀粒子の平均粒径は0.05μm以下の微粒子
から、投影面積直径が10μmを越える大サイズ粒子ま
でどのようなサイズでもよい。好ましくは、0.1〜2
μmで、特に0.1〜0.9μmが好ましい。
【0032】狭い粒子サイズ分布を有する単分散乳剤を
用いてもよいし、多分散乳剤を用いてもよい。単分散乳
剤は、例えば、粒子数あるいは重量で平均粒子サイズの
±30%以内に全粒子の80%以上が入るような粒子サ
イズ分布を有するハロゲン化銀乳剤である。また、特開
平1−167743号、同4−223463号のよう
に、階調の調整を目的として、実質的に同一の感色性を
有し粒子サイズの異なる2種以上の単分散ハロゲン化銀
乳剤を併用してもよい。2種以上の乳剤は、同一層に混
合してもよいし、別々の層を構成してもよい。2種類以
上の多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤と多分
散乳剤との組み合わせを使用することもできる。ハロゲ
ン化銀乳剤の調製方法は、グラフキデ著「写真の物理と
化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chimie et
Physique Photographique Paul Montel, 1967)ダ
フィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.
F.Duffin, Photographic Emulsion Chemistry. Focal
Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造
と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikman et
al. Making and Coating Photographic Emulsion. Foca
l Press,1964)に記載がある。
【0033】ハロゲン化銀の粒子形成または物理熟成の
過程において、金属塩(錯塩を含む)も共存させてもよ
い。金属塩の例としては、カドミウム、亜鉛、鉛、タリ
ウム、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム、ロ
ジウム、クロム、ルテニウム、レニウム等の貴金属また
は重金属の塩あるいは錯塩を挙げることができる。これ
らの化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上組み
合わせて用いてもよい。添加量はハロゲン化銀1モルあ
たり、10-9〜10-3モル程度である。
【0034】本発明のハロゲン化銀乳剤は、未化学増感
のままで使用できるが、通常、化学増感して使用され
る。本発明に用いられる化学増感法には、硫黄増感法、
セレン増感法、テルル増感法等のカルコゲン増感法、
金、白金、パラジウム等を用いる貴金属増感および還元
増感法等を単独または組み合わせて用いることができる
(例えば、特開平3−110555号、特願平4−75
798号など)。これらの化学増感を含窒素複素環化合
物の存在下で行うことができる(特開昭62−2531
59号)。また、後述するカブリ防止剤を化学増感終了
後に添加することができる。具体的には、特開平5−4
5833号、特開昭62−40446号記載の方法を用
いることができる。
【0035】本発明には銀現像に対応または逆対応して
拡散性色素を放出する非拡散性色材を使用する。この化
合物は次の一般式〔LI〕で表わすことができる。
【0036】 ((Dye)m −Y)n −Z 〔LI〕 Dyeは拡散性の色素基を表し、Yは単なる連結基を表
し、Zは画像状に潜像を有する感光性銀塩に対応または
逆対応して拡散性の(Dye)m −Yを放出し、かつL
1自体は非拡散性となるような性質を有する基を表し、
mは1〜5の整数を表し、nは1または2を表し、m、
nが共に1でない時、複数のDyeは同一でも異なって
いても良い。
【0037】一般式〔LI〕で表される色材の具体例と
しては下記の〜の化合物を挙げることができる。
尚、下記の〜はハロゲン化銀の現像に逆対応して拡
散性色素を放出するものであり、はハロゲン化銀の現
像に対応して拡散性色素を放出するものである。
【0038】米国特許第3,134,764号、同
3,362,819号、同3,597,200号、同
3,544,545号、同3,482,972号、特公
平3−68,387号等に記載されている、ハイドロキ
ノン系現像薬と色素成分を連結した色素現像薬。この色
素現像薬はアルカリ性の環境下で拡散性であるが、ハロ
ゲン化銀と反応すると非拡散性になるものである。
【0039】米国特許第4,503,137号等に記
されている通り、アルカリ性の環境下で拡散性色素を放
出するがハロゲン化銀と反応するとその能力を失う非拡
散性の化合物も使用できる。その例としては、米国特許
第3,980,479号等に記載された分子内求核置換
反応により拡散性色素を放出する化合物、米国特許第
4,199,354号等に記載されたイソオキサゾロン
環の分子内巻き換え反応により拡散性色素を放出する化
合物が挙げられる。
【0040】米国特許第4,559,290号、欧州
特許第220,746A2号、米国特許第4,783,
396号、公開技報87−6,199号、特開昭64−
13,546号等に記されている通り、現像によって酸
化されずに残った還元剤と反応して拡散性色素を放出す
る非拡散性の化合物も使用できる。
【0041】その例としては、米国特許第4,139,
389号、同4,139,379号、特開昭59−18
5,333号、同57−84,453号等に記載されて
いる還元された後に分子内の求核置換反応により拡散性
の色素を放出する化合物、米国特許第4,232,10
7号、特開昭59−101,649号、同61−88,
257号、RD24,025(1984年)等に記載さ
れた還元された後に分子内の電子移動反応により拡散性
の色素を放出する化合物、西独特許第3,008,58
8A号、特開昭56−142,530号、米国特許第
4,343,893号、同4,619,884号等に記
載されている還元後に一重結合が開裂して拡散性の色素
を放出する化合物、米国特許第4,450,223号等
に記載されている電子受容後に拡散性色素を放出するニ
トロ化合物、米国特許第4,609,610号等に記載
されている電子受容後に拡散性色素を放出する化合物等
が挙げられる。
【0042】また、より好ましいものとして、欧州特許
第220,746A2号、公開技報87−6,199
号、米国特許第4,783,396号、特開昭63−2
01,653号、同63−201,654号、同64−
13,546号等に記載された一分子内にN−X結合
(Xは酸素、硫黄または窒素原子を表す)と電子吸引性
基を有する化合物、特開平1−26,842号に記載さ
れた一分子内にSO2 −X(Xは上記と同義)と電子吸
引性基を有する化合物、特開昭63−271,344号
に記載された一分子内にPO−X結合(Xは上記と同
義)と電子吸引性基を有する化合物、特開昭63−27
1,341号に記載された一分子内にC−X′結合
(X′はXと同義か又は−SO2 −を表す)と電子吸引
性基を有する化合物が挙げられる。また、特開平1−1
61,237号、同1−161,342号に記載されて
いる電子受容性基と共役するπ結合により還元後に一重
結合が開裂し拡散性色素を放出する化合物も利用でき
る。
【0043】この中でも特に一分子内にN−X結合(こ
こでXは酸素、硫黄又は窒素である)と電子吸引性基を
有する化合物が好ましい。その具体例は欧州特許第22
0,746A2号または米国特許第4,783,396
号に記載された化合物(1) 〜(3) 、(7) 〜(10)、(12)、
(13)、(15)、(23)〜(26)、(31)、(32)、(35)、(36)、(4
0)、(41)、(44)、(53)〜(59)、(64)、(70)、公開技報8
7−6,199に記載された化合物(11)〜(23)、特開昭
64−13,546号に記載された化合物(1)〜(84)な
どである。
【0044】ハロゲン化銀または有機銀塩に対して還
元性であり、相手を還元すると拡散性の色素を放出する
化合物(DRR化合物)。この化合物は他の還元剤を用
いなくてもよいので、還元剤の酸化分解物による画像の
汚染という問題がなく好ましい。その代表例は、米国特
許第3,928,312号、同4,053,312号、
同4,055,428号、同4,336,322号、特
開昭59−65,839号、同59−69,839号、
同53−3,819号、同51−104,343号、R
D17,465号、米国特許第3,725,062号、
同3,728,113号、同3,443,939号、特
開昭58−116,537号、同57−179,840
号、米国特許第4,500,626号等に記載されてい
る。DRR化合物の具体例としては前述の米国特許第
4,500,626号の第22欄〜第44欄に記載の化
合物を挙げることができるが、なかでも前記米国特許に
記載の化合物(1) 〜(3) 、(10)〜(13)、(16)〜(19)、(2
8)〜(30)、(33)〜(35)、(38)〜(40)、(42)〜(64)が好ま
しい。また米国特許第4,639,408号第37〜3
9欄に記載の化合物も有用である。
【0045】熱現像感光材料には還元剤を内蔵させるこ
とが好ましい。その場合、用いられる還元剤としては熱
現像感光材料の分野で知られているものを用いることが
できる。また、色材が還元剤を兼ねても良い。また、そ
れ自身は還元性を持たないが現像過程で求核試薬や熱の
作用により還元性を発現する還元剤プレカーサーも用い
ることができる。本発明に用いられる還元剤の例として
は、米国特許第4,500,626号の第49〜50
欄、同4,839,272号、同4,330,617
号、同4,590,152号、同5,017,454
号、同5,139,919号、特開昭60−140,3
35号の第(17)〜(18)頁、同57−40,245号、同
56−138,736号、同59−178,458号、
同59−53,831号、同59−182,449号、
同59−182,450号、同60−119,555
号、同60−128,436号、同60−128,43
9号、同60−198,540号、同60−181,7
42号、同61−259,253号、同62−244,
044号、同62−131,253号、同62−13
1,256号、同64−13,546号の第(40)〜(57)
頁、特開平1−120,553号、欧州特許第220,
746A2号の第78〜96頁等に記載の還元剤や還元
剤プレカーサーがある。米国特許第3,039,869
号に開示されているもののような種々の還元剤の組合せ
も用いることができる。
【0046】耐拡散性の還元剤を使用する場合には、耐
拡散性還元剤と現像可能なハロゲン化銀との間の電子移
動を促進するために、必要に応じて電子伝達剤および/
または電子伝達剤プレカーサーを組合せて用いることが
できる。特に好ましくは、前記米国特許第5,139,
919号、欧州特許公開第418,743号記載のもの
が用いられる。また特開平2−230,143号、同2
−235,044号記載のように安定に層中に導入する
方法が好ましく用いられる。
【0047】電子伝達剤またはそのプレカーサーは、前
記した還元剤またはそのプレカーサーの中から選ぶこと
ができる。電子伝達剤またはそのプレカーサーはその移
動性が耐拡散性の還元剤(電子供与体)より大きいこと
が望ましい。特に有用な電子伝達剤は1−フェニル−3
−ピラゾリドン類又はアミノフェノール類である。
【0048】電子伝達剤と組合せて用いる耐拡散性の還
元剤(電子供与体)としては、前記した還元剤の中で感
光材料の層中で実質的に移動しないものであればよく、
好ましくはハイドロキノン類、スルホンアミドフェノー
ル類、スルホンアミドナフトール類、特開昭53−11
0827号、米国特許第5,032,487号、同5,
026,634号、同4,839,272号に電子供与
体として記載されている化合物および後述する耐拡散性
で還元性を有する色素供与性化合物等が挙げられる。
【0049】また特開平3−160,443号記載のよ
うな電子供与体プレカーサーも好ましく用いられる。
【0050】さらに中間層や保護層に混色防止、色再現
改善など種々の目的で上記還元剤を用いることができ
る。具体的には、欧州特許公開第524,649号、同
357,040号、特開平4−249,245号、同2
−46,450号、特開昭63−186,240号記載
の還元剤が好ましく用いられる。また特公平3−63,
733号、特開平1−150,135号、同2−46,
450号、同2−64,634号、同3−43,735
号、欧州特許公開第451,833号記載のような現像
抑制剤放出還元剤化合物も用いられる。
【0051】感光性ハロゲン化銀と共に、有機金属塩を
酸化剤として併用することもできる。このような有機金
属塩の中で、有機銀塩は、特に好ましく用いられる。上
記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得る有機化合
物としては、米国特許第4,500,626号第52〜
53欄等に記載のベンゾトリアゾール類、脂肪酸その他
の化合物がある。また米国特許第4,775,613号
記載のアセチレン銀も有用である。有機銀塩は、2種以
上を併用してもよい。以上の有機銀塩は、感光性ハロゲ
ン化銀1モルあたり0.01〜10モル、好ましくは
0.01〜1モルを併用することができる。感光性ハロ
ゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計は銀換算で0.05〜
10g/m2、好ましくは0.1〜4g/m2が適当であ
る。
【0052】感光材料の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前記のリ
サーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−13,
546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられ
る。具体的には、透明か半透明の親水性バインダーが好
ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質ま
たはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキスト
ラン、プルラン等の多糖類のような天然化合物とポリビ
ニールアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルア
ミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられる。また、
米国特許第4,960,681号、特開昭62−24
5, 260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−
COOMまたは−SO3 M(Mは水素原子またはアルカ
リ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこ
のビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーとの
共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル
酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5
H)も使用される。これらのバインダーは2種以上組み
合わせて用いることもできる。特にゼラチンと上記バイ
ンダーの組み合わせが好ましい、またゼラチンは、種々
の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カ
ルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼラチン
から選択すれば良く、組み合わせて用いる事も好まし
い。
【0053】本発明において、バインダーの塗布量は1
m2あたり20g以下が好ましく、特に10g以下にする
のが適当である。
【0054】熱現像感光材料には銀現像及び色素形成反
応を促進する目的で塩基又は塩基プレカーサーを用いる
ことが好ましい。塩基プレカーサーとしては、熱により
脱炭酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロ
ッセン転移またはベックマン転移によりアミン類を放出
する化合物などがある。その具体例は、米国特許第4,
514,493号、同4,657,848号および公知
技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会
社発行)の55頁から86頁等に記載されている。ま
た、後述する欧州特許公開210,660号、米国特許
第4,740,445号に記載されているような、水に
難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基性金属化合物を
構成する金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる
化合物(錯形成化合物という)の組合せで塩基を発生さ
せる方法でも良い。
【0055】熱現像感光材料には、熱現像を促進する目
的で熱溶剤を添加しても良い。その例としては、米国特
許第3,347,675号および同第3,667,95
9号に記載されているような極性を有する有機化合物が
挙げられる。具体的にはアミド誘導体(ベンズアミド
等)、尿素誘導体(メチル尿素、エチレン尿素等)、ス
ルホンアミド誘導体(特公平1−40974号および特
公平4−13701号に記載されている化合物等)、ポ
リオール化合物ソルビトール類)、およびポリエチレン
グリコール類が挙げられる。熱溶剤が水不溶性の場合
は、固体分散物として用いることが好ましい。添加する
層は目的に応じ、感光層、非感光性層のいずれでも良
い。
【0056】熱現像感光材料の支持体としては、処理温
度に耐えることのできるものが用いられる。一般的に
は、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編
−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(223) 〜(240)
頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用支持体
が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイ
ミド、セルロース類(例えばトリアセチルセルロース)
等が挙げられる。これらは、単独で用いることもできる
し、ポリエチレン等の合成高分子で片面または両面をラ
ミネートされた支持体として用いることもできる。この
他に、特開昭62−253,159号(29)〜(31)頁、特
開平1−161,236号(14)〜(17)頁、特開昭63−
316,848号、特開平2−22,651号、同3−
56,955号、米国特許第5,001,033号等に
記載の支持体を用いることができる。
【0057】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光材料用の支持体として特開平6−41281
号、同6−43581号、同6−51426号、同6−
51437号、同6−51442号、特願平4−251
845号、同4−231825号、同4−253545
号、同4−258828号、同4−240122号、同
4−221538号、同5−21625号、同5−15
926号、同4−331928号、同5−199704
号、同6−13455号、同6−14666号各公報に
記載の支持体が好ましく用いることができる。また、主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体である支持体も好ましく用いることができる。
【0058】熱現像感光材料に使用できる公知の写真用
添加剤は、リサーチディスクロージャー誌(RD)No.
17,643、同No. 18,716および同No. 30
7,105に記載されており、その該当箇所を下記の表
にまとめる。
【0059】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5.カブリ防止剤 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6.光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 12.スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 13.マット剤 878〜879頁 次に本発明で使用する処理部材について説明する。処理
部材は、熱現像時に熱現像感光材料から拡散してくる色
素を捕捉するための媒染剤を含む層(処理層)を有する
ものである。処理層は、感光材料とは別々の支持体上に
別個に塗設される形態であっても、感光材料と同一の支
持体上に塗設される形態であってもよいが、好ましくは
別の支持体上に設けられる。媒染剤は写真分野で公知の
ものを用いることができ、その具体例としてはUS4,
500,626号第58〜59欄や特開昭61−882
56号32〜41頁に記載の媒染剤、特開昭62−24
4043号、同62−244036号等に記載のものを
挙げることができる。また、US4,463,079号
に記載されているような色素受容性の高分子化合物を用
いてもよい。処理層のバインダーとしては、感光材料に
用いられるものと同じものを用いることができる。ま
た、処理層の上には保護層を設けるのが有用である。
【0060】処理部材の処理層には、現像に必要な塩基
又は塩基プレカーサーを含有させることができる。例え
ば、前記した水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩
基性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成化合物の
組合せで塩基を発生させる方法を採用する場合には、水
に難溶な塩基性金属化合物を熱現像感光材料の構成層に
添加しておき、錯形成化合物を処理部材の処理層に添加
しておき、熱現像時に感光材料もしくは処理部材に少量
の水を供給して両者を重ね合わせることによって塩基を
発生させることができる。また、処理部材の処理層には
現像促進や不要物質の除去促進の目的で熱溶剤を含有さ
せることができる。
【0061】次に熱現像工程について説明する。本発明
では、露光された熱現像感光材料の感光層面と処理部材
を重ね合わせ加熱することによって露光されたハロゲン
化銀が現像され、この現像に対応又は逆対応して拡散性
の色素が放出され、この拡散性色素が処理部材に移動し
固定されることによって、熱現像感光材料上に残存色材
によるカラー画像が形成される。熱現像工程の加熱温度
は、約50℃から250℃であるが、特に60℃から1
50℃が有用である。
【0062】熱現像工程においては、現像促進あるい
は、処理用素材の転写促進、不要物の拡散促進の目的
で、少量の溶媒を用いても良い。具体的には、米国特許
第4,704,245号、同4,470,445号、特
開昭61−238056号等に記載されている。溶媒の
例としは、水、無機のアルカリ金属塩や有機の塩基を含
む塩基性の水溶液(これらの塩基としては画像形成促進
剤の項で記載したものが用いられる)、低沸点溶媒また
は低沸点溶媒と水もしくは前記塩基性水溶液との混合溶
液が挙げられる。また界面活性剤、かぶり防止剤、難溶
性金属塩との錯形成化合物、防黴剤、防菌剤を溶媒中に
含ませてもよい。溶媒のの使用量は全塗布膜の最大膨潤
体積に相当する溶媒の重量以下でよい。この方式におい
ては、加熱温度は、用いる溶媒の沸点以下が好ましい。
例えば溶媒が水の場合は、50℃〜100℃が好まし
い。
【0063】熱現像工程で用いられる溶媒としては、水
が好ましく用いられるが、水としては一般に用いられる
水であれば何を用いても良い。具体的には蒸留水、水道
水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いることができ
る。水は使い切りで使用しても良いし、循環し繰り返し
使用してもよい。水は熱現像感光材料、処理部材または
その両者に付与する。水を付与する方法としては、例え
ば特開昭62−253,159号(5) 頁、特開昭63−
85,544号等に記載の方法が好ましく用いられる。
また、溶媒をマイクロカプセルに閉じ込めたり、水和物
の形で予め感光材料もしくは処理部材またはその両者に
内蔵させて用いることもできる。付与する水の温度は前
記特開昭63−85,544号等に記載のように30℃
〜60℃であれば良い。
【0064】溶媒として水を使い熱現像を行う場合、欧
州特許公開210,660号、米国特許第4,740,
445号に記載されているように、水に難溶な塩基性金
属化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イ
オンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成
化合物という)の組合せで塩基を発生させる方法を採用
するのが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性金
属化合物は感光材料に、錯形成化合物は処理部材に添加
するのが、生保存性の点で望ましい。
【0065】次に、請求項7記載の画像形成装置は、請
求項5記載の画像形成装置において、前記熱現像感光材
料は、支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バ
インダー、及び色素供与性カプラーを含み、その感光波
長領域及び前記色素供与性カプラーから形成される色素
の色相が互いに異なる少なくとも三種類の感光層を有す
る、ことを特徴とする。
【0066】なお、この請求項7記載の画像形成装置及
び上記請求項3記載の画像形成方法における熱現像感光
材料及び処理部材としては、特願平7−268045号
に開示された、以下に示すものを用いることができる。
【0067】熱現像感光材料としては、支持体上に、少
なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダー、および色素
供与性カプラーを含み、その感光波長領域及び前記色素
供与性カプラーから形成される色素の色相が互いに異な
る少なくとも3種の感光層を有するものである。また、
前記色素供与性カプラーと反応して色素を形成しうる現
像主薬を感光材料に内蔵させることが好ましい。
【0068】上記3種の感光層は好ましくは青色光、緑
色光、及び赤色光のいずれかに感光する層である。この
配列順は、一般的には支持体側から順に赤色感光性層、
緑色感光性層、青色感光性層の順である。ただし、目的
に応じ、これとは別の配列をとっても良い。例えば特開
平7−152129号の162欄に記載されているよう
な配列でも良い。それぞれの感光層は、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層に分けられていても良い。
【0069】各層の分光感度及びカプラーの色相の関係
は任意であるが、赤色感光性層にシアンカプラー、緑色
感光性層にマゼンタカプラー、青色感光性層にイエロー
カプラーを用いると、従来のカラーペーパー等への画像
書き込みが容易である。
【0070】上記のハロゲン化銀乳剤層に加えて保護
層、下塗り層、中間層、黄色フィルター層、アンチハレ
ーション層などの各種の非感光性層を設けても良く、支
持体の反対側にはバック層などの種々の補助層を設ける
ことができる。また、磁気記録層を付与してもよい。
【0071】本発明に使用できるカプラーは4当量カプ
ラーでも、2当量カプラーでもよい。また、耐拡散性基
がポリマー鎖をなしていてもよい。カプラーの具体例
は、T.H.James 「The Theory of the Photographic Pro
cess」第4版291〜334頁、および354〜361
頁、特開昭58−123533号、同58−14904
6号、同58−149047号、同59−111148
号、同59−124399号、同59−174835
号、同59−231539号、同59−231540
号、同60−2950号、同60−2951号、同60
−14242号、同60−23474号、同60−66
249号、特願平6−270700号、同6−3070
49号、同6−312380号等に詳しく記載されてい
る。
【0072】本発明の感光材料では、現像時間の短縮、
感度の向上、画像濃度の向上等の目的で、銀現像によっ
て生成した酸化体が前述のカプラーとカップリングして
色素を生成する事の出来る発色現像主薬を内蔵する態様
が好ましい。
【0073】例えば、米国特許第3,531,256号
の、p−フェニレンジアミン類現像主薬とフェノールま
たは活性メチレンカプラー、同第3,761,270号
の、p−アミノフェノール系現像主薬と活性メチレンカ
プラーの組合せを使用することが出来る。米国特許第
4,021,240号、特開昭60−128438号等
に記載されているようなスルホンアミドフェノールと4
当量カプラーの組合せは、感光材料に内蔵する場合、生
保存に優れており、好ましい組合せである。発色現像主
薬を内蔵する場合は、発色現像主薬のプレカーサーを用
いても良い。例えば、US3,342,597号記載の
インドアニリン系化合物、US3,342,599号、
リサーチ・ディスクロージャーNo. 14,850及び同
No. 15,159に記載のシッフ塩基型化合物、同1
3,924記載のアルドール化合物、US3,719,
492号記載の金属塩錯体、特開昭53−135628
号記載のウレタン系化合物を挙げることができる。ま
た、特願平7−180,568号に記載のスルホンアミ
ドフェノール系主薬、特願平7−49287号、同7−
63572号に記載のヒドラジン系主薬とカプラーの組
合せも、本発明の感光材料に使用するのに好ましい。
【0074】ハロゲン化銀と色素供与性カプラー及び現
像主薬は同一層に含まれていても良いが、反応可能な状
態であれば別層に分割して添加することもできる。例え
ば現像主薬を含む層とハロゲン化銀を含む層とを別層に
すると感材の生保存性の向上がはかれる。
【0075】感光性ハロゲン化銀と共に、有機金属塩を
酸化剤として併用することもできる。このような有機金
属塩の中で、有機銀塩は、特に好ましく用いられる。上
記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得る有機化合
物としては、米国特許第4,500,626号第52〜
53欄等に記載のベンゾトリアゾール類、脂肪酸その他
の化合物がある。また米国特許第4,775,613号
記載のアセチレン銀も有用である。有機銀塩は、2種以
上を併用してもよい。以上の有機銀塩は、感光性ハロゲ
ン化銀1モルあたり0.01〜10モル、好ましくは
0.01〜1モルを併用することができる。感光性ハロ
ゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計は銀換算で0.05〜
10g/m2、好ましくは0.1〜4g/m2が適当であ
る。
【0076】感光材料の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前記のリ
サーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−13,
546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられ
る。具体的には、透明か半透明の親水性バインダーが好
ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質ま
たはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキスト
ラン、プルラン等の多糖類のような天然化合物とポリビ
ニールアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルア
ミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられる。また、
米国特許第4,960,681号、特開昭62−24
5, 260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−
COOMまたは−SO3 M(Mは水素原子またはアルカ
リ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこ
のビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーとの
共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル
酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5
H)も使用される。これらのバインダーは2種以上組み
合わせて用いることもできる。特にゼラチンと上記バイ
ンダーの組み合わせが好ましい、またゼラチンは、種々
の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カ
ルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼラチン
から選択すれば良く、組み合わせて用いる事も好まし
い。
【0077】本発明において、バインダーの塗布量は1
m2あたり20g以下が好ましく、特に10g以下にする
のが適当である。
【0078】耐拡散性の現像主薬を使用する場合には、
耐拡散性現像主薬と現像可能なハロゲン化銀との間の電
子移動を促進するために、必要に応じて電子伝達剤およ
び/または電子伝達剤プレカーサーを組合せて用いるこ
とができる。特に好ましくは、米国特許第5,139,
919号、欧州特許公開第418,743号記載のもの
が用いられる。また特開平2−230,143号、同2
−235,044号記載のように安定に層中に導入する
方法が好ましく用いられる。電子伝達剤またはそのプレ
カーサーは、前記した現像主薬またはそのプレカーサー
の中から選ぶことができる。電子伝達剤またはそのプレ
カーサーはその移動性が耐拡散性の現像主薬(電子供与
体)より大きいことが望ましい。特に有用な電子伝達剤
は1−フェニル−3−ピラゾリドン類又はアミノフェノ
ール類である。また特開平3−160,443号記載の
ような電子供与体プレカーサーも好ましく用いられる。
【0079】さらに中間層や保護層に混色防止、色再現
改善など種々の目的で種々の還元剤を用いることができ
る。具体的には、欧州特許公開第524,649号、同
357,040号、特開平4−249,245号、同2
−46,450号、特開昭63−186,240号記載
の還元剤が好ましく用いられる。また特公平3−63,
733号、特開平1−150,135号、同2−46,
450号、同2−64,634号、同3−43,735
号、欧州特許公開第451,833号記載のような現像
抑制剤放出還元剤化合物も用いられる。
【0080】熱現像感光材料には銀現像及び色素形成反
応を促進する目的で塩基又は塩基プレカーサーを用いる
ことが好ましい。塩基プレカーサーとしては、熱により
脱炭酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロ
ッセン転移またはベックマン転移によりアミン類を放出
する化合物などがある。その具体例は、米国特許第4,
514,493号、同4,657,848号および公知
技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会
社発行)の55頁から86頁等に記載されている。ま
た、後述する欧州特許公開210,660号、米国特許
第4,740,445号に記載されているような、水に
難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基性金属化合物を
構成する金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる
化合物(錯形成化合物という)の組合せで塩基を発生さ
せる方法でも良い。
【0081】熱現像感光材料には、熱現像を促進する目
的で熱溶剤を添加しても良い。その例としては、米国特
許第3,347,675号および同第3,667,95
9号に記載されているような極性を有する有機化合物が
挙げられる。具体的にはアミド誘導体(ベンズアミド
等)、尿素誘導体(メチル尿素、エチレン尿素等)、ス
ルホンアミド誘導体(特公平1−40974号および特
公平4−13701号に記載されている化合物等)、ポ
リオール化合物ソルビトール類)、およびポリエチレン
グリコール類が挙げられる。熱溶剤が水不溶性の場合
は、固体分散物として用いることが好ましい。添加する
層は目的に応じ、感光層、非感光性層のいずれでも良
い。
【0082】熱現像感光材料の支持体としては、処理温
度に耐えることのできるものが用いられる。一般的に
は、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編
−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(223) 〜(240)
頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用支持体
が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイ
ミド、セルロース類(例えばトリアセチルセルロース)
等が挙げられる。これらは、単独で用いることもできる
し、ポリエチレン等の合成高分子で片面または両面をラ
ミネートされた支持体として用いることもできる。この
他に、特開昭62−253,159号(29)〜(31)頁、特
開平1−161,236号(14)〜(17)頁、特開昭63−
316,848号、特開平2−22,651号、同3−
56,955号、米国特許第5,001,033号等に
記載の支持体を用いることができる。
【0083】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光材料用の支持体として特開平6−41281
号、同6−43581号、同6−51426号、同6−
51437号、同6−51442号、特願平4−251
845号、同4−231825号、同4−253545
号、同4−258828号、同4−240122号、同
4−221538号、同5−21625号、同5−15
926号、同4−331928号、同5−199704
号、同6−13455号、同6−14666号各公報に
記載の支持体が好ましく用いることができる。また、主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体である支持体も好ましく用いることができる。
【0084】熱現像感光材料に使用できる公知の写真用
添加剤は、リサーチディスクロージャー誌(RD)No.
17,643、同No. 18,716および同No. 30
7,105に記載されており、その該当箇所を下記の表
にまとめる。
【0085】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5.カブリ防止剤 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6.光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 12.スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 13.マット剤 878〜879頁 次に本発明で使用する処理部材について説明する。処理
部材は熱現像工程において、加熱現像時に空気を遮断し
たり、感材からの素材の揮散を防止したり、処理用の素
材を感光材料に供給したり、現像後に不要になる感光材
料中の素材(YF染料、AH染料等)あるいは現像時に
生成する不要成分を除去したりするために、感光材料と
は別の支持体上に処理層を設けたものであり、熱現像処
理時に感光材料の感光層面に重ねて加熱して用いられ
る。処理部材の支持体とバインダーには、感光材料と同
様のものを用いることが出来る。
【0086】処理部材の処理層には、前述の染料の除去
その他の目的で、媒染剤を添加しても良い。媒染剤は写
真分野で公知のものを用いることが出来、US4,5
0,626号第58〜59欄や、特開昭61−8825
6号32〜41頁、特開昭62−244043号、特開
昭62−244036号等に記載の媒染剤を挙げること
が出来る。また、US4,463,079号記載の色素
受容性の高分子化合物を用いても良い。
【0087】処理部材の処理層には、現像に必要な塩基
又は塩基プレカーサーを含有させることができる。例え
ば、前記した水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩
基性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成化合物の
組合せで塩基を発生させる方法を採用する場合には、水
に難溶な塩基性金属化合物を熱現像感光材料の構成層に
添加しておき、錯形成化合物を処理部材の処理層に添加
しておき、熱現像時に感光材料もしくは処理部材に少量
の水を供給して両者を重ね合わせることによって塩基を
発生させることができる。また、処理部材の処理層には
現像促進や不要物質の除去促進の目的で熱溶剤を含有さ
せることができる。
【0088】次に熱現像工程について説明する。本発明
では、露光された熱現像感光材料の感光層面と処理部材
を重ね合わせ加熱することによって露光されたハロゲン
化銀が現像され、生成した現像主薬の酸化体と色素供与
性カプラーが発色反応を行い該感光材料上にカラー画像
が形成される。熱現像工程の加熱温度は、約50℃から
250℃であるが、特に60℃から150℃が有用であ
る。
【0089】熱現像工程においては、現像促進あるい
は、処理用素材の転写促進、不要物の拡散促進の目的
で、少量の溶媒を用いても良い。具体的には、米国特許
第4,704,245号、同4,470,445号、特
開昭61−238056号等に記載されている。溶媒の
例としは、水、無機のアルカリ金属塩や有機の塩基を含
む塩基性の水溶液(これらの塩基としては画像形成促進
剤の項で記載したものが用いられる)、低沸点溶媒また
は低沸点溶媒と水もしくは前記塩基性水溶液との混合溶
液が挙げられる。また界面活性剤、かぶり防止剤、難溶
性金属塩との錯形成化合物、防黴剤、防菌剤を溶媒中に
含ませてもよい。溶媒のの使用量は全塗布膜の最大膨潤
体積に相当する溶媒の重量以下でよい。この方式におい
ては、加熱温度は、用いる溶媒の沸点以下が好ましい。
例えば溶媒が水の場合は、50℃〜100℃が好まし
い。
【0090】熱現像工程で用いられる溶媒としては、水
が好ましく用いられるが、水としては一般に用いられる
水であれば何を用いても良い。具体的には蒸留水、水道
水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いることができ
る。水は使い切りで使用しても良いし、循環し繰り返し
使用してもよい。水は熱現像感光材料、処理部材または
その両者に付与する。水を付与する方法としては、例え
ば特開昭62−253,159号(5) 頁、特開昭63−
85,544号等に記載の方法が好ましく用いられる。
また、溶媒をマイクロカプセルに閉じ込めたり、水和物
の形で予め感光材料もしくは処理部材またはその両者に
内蔵させて用いることもできる。付与する水の温度は前
記特開昭63−85,544号等に記載のように30℃
〜60℃であれば良い。
【0091】溶媒として水を使い熱現像を行う場合、欧
州特許公開210,660号、米国特許第4,740,
445号に記載されているように、水に難溶な塩基性金
属化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イ
オンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成
化合物という)の組合せで塩基を発生させる方法を採用
するのが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性金
属化合物は感光材料に、錯形成化合物は処理部材に添加
するのが、生保存性の点で望ましい。
【0092】また、請求項8記載の画像形成装置は、請
求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置
において、前記重ね合わせ手段により熱現像感光材料と
処理部材とを重ね合わせる前に、該熱現像感光材料及び
処理部材の少なくとも一方に所定の画像形成用溶媒を塗
布する塗布手段を更に有することを特徴とする。
【0093】即ち、前述した請求項5乃至請求項7の何
れか1項に記載の画像形成装置では、請求項8記載の発
明のように、熱現像感光材料と処理部材とを重ね合わせ
る前に、該熱現像感光材料及び処理部材の少なくとも一
方に所定の画像形成用溶媒を塗布することにより、熱現
像感光材料と処理部材とが重なり合った面で密着し、熱
現像感光材料に前記露光した画像を形成する処理をむら
なく効果的に行うことができる。
【0094】特に、請求項6記載の発明において、上記
のように所定の画像形成用溶媒を塗布することにより、
拡散性色素が転写しやすくなる。これにより、熱現像感
光材料に前記露光した画像を形成する処理が促進される
という効果がある。
【0095】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る実施形態を説明する。本発明に係る画像形成装置
は、図1及び図2に示す熱現像装置10と図6に示すプ
リンタプロセッサ70とで構成される。以下に説明する
本実施形態では、図1及び図2に示す熱現像装置10に
おいて、画像が記録された(例えば、カメラによって撮
影済の)フィルムNを熱現像することによりフィルムN
上に前記画像を形成し、さらに、図6に示すプリンタプ
ロセッサ70において、上記熱現像したフィルムNに形
成された画像をカラーペーパPに露光し処理することに
より、フィルムNに形成された画像を記録した写真プリ
ントを作成する一連の工程を説明する。
【0096】まず図1及び図2を用いて本実施形態にお
ける熱現像装置10の構成を説明する。図1に示すよう
に、熱現像装置10は略直方体状の筐体11で覆われて
おり、その上面の端部には現像処理が完了したフィルム
を排出するための排出部13が設けられている。
【0097】図2に示すように、熱現像装置10には、
撮影済のフィルムNを収容したパトローネ18を装填す
るパトローネ装填部20が設けられており、パトローネ
装填部20に装填されたパトローネ18からフィルムN
が引き出され、図示しない搬送ローラにより矢印A方向
に搬送される。
【0098】なお、本実施形態におけるフィルムNは、
本発明の色材含有熱現像感光材料に相当し、支持体上
に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダー、及び
画像状に拡散性色素を放出ないし拡散する機能を持つ色
材を含み、感光波長領域及び前記色材の現像処理後にお
ける色相が互いに異なる少なくとも三種類の感光層を有
している。
【0099】上記搬送方向下流側には、本発明の塗布手
段としての後述する塗布装置22が設置されており、さ
らに下流側にはドラム24と搬送ローラ30とが設置さ
れている。フィルムNはドラム24の下面と搬送ローラ
30の上面との間に導かれる。
【0100】一方、現像部14には、支持体上にフィル
ムNを現像するための媒染剤を含む層を有する処理部材
Kがロール状に巻かれた供給リール28が設置されてい
る。処理部材Kは、供給リール28から搬送ローラ30
へ向けて搬送され、搬送ローラ30の外周面に巻きかけ
られた後、ドラム24の外周面(図2において左側の外
周面)に巻きかけられる。さらに、処理部材Kは、ドラ
ム24の上端部近傍に設置された搬送ローラ32に巻き
かけられた後、巻取リール34にロール状に巻かれて収
納される。
【0101】前述したフィルムNは、ドラム24の下面
と搬送ローラ30の上面との間に導かれた後、上記ドラ
ム24の外周面に巻きかけられて搬送される処理部材K
とドラム24の外周面とで挟まれた状態でドラム24の
外周面に沿って搬送される。これにより、フィルムNと
処理部材Kとを重ね合わせて搬送することができる。
【0102】重なり合った状態のフィルムNと処理部材
Kとがドラム24の上端部に至ると、このうち処理部材
Kは搬送ローラ32に巻きかけられ、フィルムNから剥
離される。フィルムNは、剥離された後、複数の搬送ロ
ーラ36によって排出部13へ向けて搬送され、排出部
13から外部へ排出される。
【0103】上記搬送ローラ32の径は、ドラム24の
径よりもかなり小さいため、ドラム24の上端部では処
理部材Kが搬送ローラ32に巻きかけられることで、該
処理部材Kの搬送路の曲率半径が小さくなる。これによ
り、処理部材KはフィルムNから容易に剥離される。
【0104】また、図2においてドラム24の左側の外
周面近傍には、重なり合った状態のフィルムNと処理部
材Kとを加熱するための加熱部26が設置されている。
また、熱現像装置10には、フィルムN及び処理部材K
の搬送駆動、加熱部26による加熱動作、及び塗布装置
22の動作を制御する現像制御部41が設けられてい
る。
【0105】ここで、図3乃至図5を用いて塗布装置2
2の構成を説明する。なお、本実施形態では、本発明の
画像形成用溶媒として水を使用するものとする。
【0106】図3に示すように、塗布装置22にはフィ
ルムNに噴射する水を貯留し、現像制御部41による制
御によってフィルムNに水を噴射する噴射タンク112
が設置されている。
【0107】この噴射タンク112の斜め下方には、こ
の噴射タンク112に供給する為の水を貯留する水ボト
ル132が配置されており、この水ボトル132の上部
には水を濾過する為のフィルタ134が配置されてい
る。そして、途中にポンプ136が配置された送水パイ
プ142が、この水ボトル132とフィルタ134とを
繋いでいる。
【0108】さらに、噴射タンク112の側方には、水
ボトル132より送られた水を溜めるサブタンク138
が配置されており、このサブタンク138は送水パイプ
144を介してフィルタ134に繋がっている。
【0109】従って、ポンプ136が作動すると、水ボ
トル132からフィルタ134側に水が送られると共
に、フィルタ134を通過して濾過された水がサブタン
ク138に送られて、このサブタンク138に水が一旦
溜められる。
【0110】また、サブタンク138と噴射タンク11
2との間を繋ぐ送水パイプ146が、これらの間に配置
されており、フィルタ134、サブタンク138、送水
パイプ146等を介して、水ボトル132よりポンプ1
36で送られた水がこの噴射タンク112内に満たされ
ることになる。
【0111】この噴射タンク112の下部には、水ボト
ル132に循環パイプ148で繋がれたトレー140が
配置されており、噴射タンク112より溢れ出した水を
トレー140が集め、循環パイプ148を介して水ボト
ル132に戻すように構成されている。また、この循環
パイプ148は、サブタンク138内にまで突出して伸
びた状態でサブタンク138に接続されており、サブタ
ンク138内に溜まった必要以上の水を水ボトル132
に戻すようになっている。さらに、噴射タンク112の
最下部(即ち、フィルムNの搬送経路に対向した部分)
には、弾性変形可能な長方形状の薄板を屈曲して形成し
たノズル板122が設置されている。
【0112】このノズル板122には、噴射タンク11
2内に満たされた水を噴射するための複数のノズル孔1
24(例えば直径数十μm)が、一定の間隔でフィルム
Nの搬送方向と交差する方向(図3において紙面垂直方
向)に沿って直線状に、フィルムNの幅方向全体にわた
って配置されている。
【0113】また、噴射タンク112の上部から排気管
130が伸びており、この排気管130が噴射タンク1
12の内外を連通可能としている。また、この排気管1
30の途中にこの排気管130を開閉する図示しないバ
ルブが設置されていて、このバルブの開閉動により、噴
射タンク112内を外気に対して連通及び閉鎖し得るよ
うになっている。
【0114】図4に示すように、ノズル板122の両端
部は、一対のてこ板120にそれぞれ接着剤等で接着さ
れて接続されており、これら一対のてこ板120は、噴
射タンク112の一対の側壁112Aの下部にそれぞれ
形成された細幅の支持部112Bを介して、これら一対
の側壁112Aにそれぞれ固定されている。
【0115】一方、相互に当接して噴射タンク112の
頂面を形成する一対の頂壁112Cの一部は、噴射タン
ク112の外側にまで突出しており、この突出した頂壁
112Cの下側には、複数の圧電素子126(例えば、
片側に3本づつ)が接着されて配置されている。この圧
電素子126の下面には、てこ板120の外端側が接着
されて、圧電素子126とてこ板120とが連結されて
いる。
【0116】従って、これら圧電素子126、てこ板1
20及び支持部112Bにより、てこ機構が構成される
ことになり、図5に示すように、圧電素子126によっ
ててこ板120の外端側が下方へ動かされると、この動
きと逆の上方向にてこ板120の内端側が動くことにな
る。この変位はノズル板122に伝達されて、ノズル板
122も変位し、噴射タンク112内の水を加圧する。
これにより、噴射タンク112内の水がノズル孔124
からフィルムNへ向けて噴出される。
【0117】次に、図6を用いて本実施形態におけるプ
リンタプロセッサ70の構成を説明する。図6に示すよ
うに、外部をケーシング102により覆われたプリンタ
プロセッサ70は、カラーペーパPへの露光を行うプリ
ンタ部58と、露光されたカラーペーパPに対し現像・
定着・水洗・乾燥の各処理を行うプロセッサ部72と、
を備えている。
【0118】まず、プリンタ部58の構成を説明する。
プリンタプロセッサ70には、図6において左方にケー
シング102から突出する作業テーブル104が設置さ
れており、作業テーブル104の上面には、フィルムN
をセットするネガキャリア108、及びオペレータがコ
マンドやデータ等を入力するためのキーボード105が
配置されている。
【0119】作業テーブル104の下方には光源部10
6が設置されている。光源部106には光源38が設置
されており、光源38から射出された光は、色補正フィ
ルタ(以下、Color-Correction Filter :CCフィルタ
と称す)40、拡散筒42を介して、ネガキャリア10
8にセットされたフィルムNへと至る。CCフィルタ4
0はC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の
3組のフィルタから構成され、各フィルタは図示しない
CCフィルタ制御部による制御の下に作動し、光源38
から射出された光の光軸上に挿入量可変とされている。
【0120】ネガキャリア108の上方(図6において
上側)には、カバー44が形成されており、カバー44
内には、主露光用光学系46が設けられている。
【0121】主露光用光学系46の最下部には、ハーフ
ミラー43が配置されており、ネガキャリア108にセ
ットされたフィルムNを透過した光が到達する。ハーフ
ミラー43を透過する光の進行方向には、露光する画像
の倍率を変更するための露光レンズ48、露光光を遮断
するためのブラックシャッタ50、及び露光光を略直角
方向に反射するミラー51が順に配置されている。この
ミラー51により反射された露光光は露光室52にセッ
トされたカラーペーパPに照射され、これによりカラー
ペーパPの露光が行われる。
【0122】一方、ハーフミラー43で反射する光の進
行方向には、フィルムNの各コマの画像濃度を測定する
ためのネガ濃度測定部56が設けられており、このネガ
濃度測定部56で測定された各コマの画像濃度は露光条
件設定のために使用される。
【0123】カバー44上方右側面とケーシング102
の上面との角部には、装着部60が設けられており、装
着部60には、カラーペーパPをリール62に層状に巻
き取って収容するペーパマガジン64が装着されるよう
になっている。
【0124】装着部60近傍にはローラ対66が配置さ
れており、カラーペーパPを挟持して水平状態で露光室
52へ搬送する。カラーペーパPはカバー44の手前で
ローラ67に巻掛られ、90度方向転換されて垂下され
る。なお、ローラ66とローラ67との間にはカラーペ
ーパPを略U字状に案内してストックしておく第1のス
トック部69が設けられている。
【0125】露光室52の露光部下方にはローラ68
A、68B、68Cが配置され、露光室52においてフ
ィルムNの画像が焼付けられたカラーペーパPが、ロー
ラ68A、68B、68Cの各々により略90度ずつ方
向転換され、後述するプロセッサ部72へ搬送される。
【0126】なお、ローラ68Aの下流側には、カッタ
71が配置されており、このカッタ71は、露光処理が
終了したカラーペーパPの後端を切断する。カッタ71
で切断され露光室52内に残ったカラーペーパPは再度
ペーパマガジン64へ巻き戻すことができる。また、ロ
ーラ68Aとローラ68Bとの間には焼付処理されたカ
ラーペーパPを略U字状に案内してストックしておく第
2のストック部73が設けられている。第2のストック
部73では、カラーペーパPをストックすることによ
り、プリンタ部58とプロセッサ部72との処理時間の
差を吸収する。
【0127】次に、プロセッサ部72の構成を説明す
る。プロセッサ部72には、発色現像処理液が貯留され
た発色現像処理槽74、漂白定着処理液が貯留された漂
白定着処理槽76、及び水洗処理液が貯留された複数の
リンス処理槽78が設けられており、カラーペーパPが
発色現像処理槽74、漂白定着処理槽76、及び複数の
リンス処理槽78を順に搬送されることにより、現像・
定着・水洗処理が順次行われる。水洗処理されたカラー
ペーパPはリンス処理槽78に隣接する乾燥部80へ搬
送され、乾燥部80では、カラーペーパPをローラに巻
付け高温の空気にさらして乾燥させる。
【0128】カラーペーパPは、図示しない一対のロー
ラに挟持され、乾燥処理終了後に乾燥部80から一定速
度で排出される。乾燥部80の下流側にはカッタ部84
が設けられており、このカッタ部84において、カラー
ペーパPはカッタ88によって画像コマ毎にカットさ
れ、写真プリントが完成する。
【0129】完成した写真プリントは、ソータ部92へ
排出され、ソータ部92において仕分けられると共に所
定の検定作業が行われる。
【0130】以下、本実施形態の作用を説明する。ま
ず、図示しないカメラを用いて、本発明の熱現像感光材
料としてのフィルムNの各コマに画像を記録する(撮影
する)。
【0131】次に、オペレータは、各コマに画像が記録
されたフィルムNを収納したパトローネ18を熱現像装
置10のパトローネ装填部20に装填し、図示しないス
タートボタンを操作する。これにより、現像制御部41
によって図7に示す制御ルーチンが実行開始される。な
お、熱現像装置10には、予め処理部材Kが供給リール
28にロール状に収納されているものとする。
【0132】図7のステップ202では、フィルムN及
び処理部材Kの搬送を駆動すると共に、塗布装置22を
稼働開始する。フィルムNは、図2において矢印A方向
へ搬送され、塗布装置22の中を通過する。次のステッ
プ204ではフィルムNが後述する加熱位置に到達した
か否かを監視しており、加熱位置に到達するまでは、フ
ィルムN及び処理部材Kの搬送を継続する。
【0133】図3及び図4に示す塗布装置22では、排
気管130のバルブが閉じられた状態で圧電素子126
に所定電圧が印加される。これにより、全ての圧電素子
126が同時に伸びて、図5に示すような状態となる。
即ち、一対のてこ板120の支持部112B回りの回動
を介して、圧電素子126の変位がノズル板122に伝
達されて、ノズル板122が噴射タンク112内の水を
加圧する。これにより、噴射タンク112内の水は、ノ
ズル孔124から噴射する。
【0134】これにより、フィルムNは塗布装置22の
中を通過する際に、水が塗布されることになる。
【0135】このようにして水が塗布されたフィルムN
は、図2においてさらに矢印A方向へ搬送され、ドラム
24の下端部と搬送ローラ30の上端部との間に導かれ
る。ここで、フィルムNは、供給リール28から搬送さ
れ搬送ローラ30に巻きかけられた処理部材Kとドラム
24の外周部との間に挟まれつつ、ドラム24の外周部
を図2において時計回りに搬送される。このとき処理部
材KもフィルムNと同じ搬送速度で搬送される。一方、
フィルムNには水が塗布されているため、フィルムNと
処理部材Kとは隙間なく密着した状態でドラム24の外
周部を搬送される。
【0136】そして、フィルムNの先端がドラム24の
外周部における加熱範囲(即ち、加熱部26で加熱され
る範囲)の終端部(矢印J部)に到達したら、フィルム
Nは加熱位置に到達したとみなし、ステップ204で肯
定判定する。
【0137】次のステップ206では、フィルムN及び
処理部材Kの搬送を一時停止し、次のステップ208、
210で加熱部26によってフィルムN及び処理部材K
を所定時間加熱する。
【0138】ここで、フィルムNに含まれる色材から画
像状に拡散性色素が放出ないし拡散され、該拡散性色素
の一部又は全部がフィルムNから除去される。これによ
り、該フィルムN上に少なくとも三色の色画像が形成さ
れる。なお、前述したようにフィルムNには水が付着し
ているので、上記フィルムNはむらなく熱現像される。
所定時間の加熱が完了すると、ステップ212へ進み、
フィルムN及び処理部材Kの搬送駆動を再開する。そし
て、次のステップ214では、フィルムNが排出部13
(図1も参照)から完全に排出されたか否かを監視す
る。
【0139】なお、上記のようにフィルムN及び処理部
材Kの搬送を一時停止して、加熱部26によって該フィ
ルムNの全体を一度に熱現像する以外にも、例えば、上
記ステップ202でフィルムN及び処理部材Kの搬送を
開始すると同時に、加熱部26による加熱を開始してお
き、塗布装置22で水が塗布されたフィルムNを、処理
部材Kとドラム24とで等速度で挟持搬送する間に加熱
することにより熱現像しても良い。このようにフィルム
Nを等速度で挟持搬送すれば、フィルムNの各コマ画像
は同じ時間ずつ加熱されることになり、現像むらを生じ
ることなく首尾良く熱現像することができる。また、上
記のようにして熱現像すれば、加熱部26による加熱範
囲をフィルムN全体をカバーする程度に大きく構成する
必要はなくなり、フィルムN及び処理部材Kの搬送を一
時停止したり、再開したりする必要はなく(図7のステ
ップ204〜212の処理が不要となり)、フィルムN
を搬送しながら熱現像することができる。
【0140】さて、図7のステップ212のフィルムN
及び処理部材Kの搬送再開後、フィルムN及び処理部材
Kがドラム24の上端部(矢印H部)に搬送されると、
処理部材Kは搬送ローラ32に巻きかけられ、一方のフ
ィルムNは搬送ローラ36によって排出部13へ向けて
搬送される。これにより、フィルムNと処理部材Kとは
剥離されることとなる。
【0141】この後、処理部材Kは巻取リール34に巻
き取られ、一方のフィルムNは排出部13から排出され
る。フィルムNが排出部13から完全に排出されると、
上記ステップ214で肯定判定され、制御ルーチンを終
了する。
【0142】以上説明した熱現像装置10における熱現
像処理によって、フィルムNの各コマの画像が該フィル
ムN上に形成される。
【0143】次に、図6に示すプリンタプロセッサ70
において、上記熱現像したフィルムNに形成された画像
をカラーペーパPに露光し処理することにより、フィル
ムNに形成された画像を記録した写真プリントを作成す
るプリント処理について説明する。
【0144】オペレータは、プリンタプロセッサ70に
おいて上記フィルムNの端部をネガキャリア108の所
定位置にセットした後、図示しないスタートボタンを操
作する。これにより、プリンタプロセッサ70におい
て、以下のような露光処理及び現像処理が実行開始され
る。
【0145】プリンタ部58では、ブラックシャッタ5
0が閉じた状態で、フィルムNの1つのコマがネガキャ
リア108における所定の露光位置に位置決めされると
共に、光源38が点灯される。ここで、ブラックシャッ
タ50が開かれ、CCフィルタ40が所定の露光条件に
基づいた挿入量だけ挿入される。これにより、ネガキャ
リア108の露光位置にセットされたコマに形成された
コマ画像に光源38からの光が所定の露光条件に基づく
光量だけ照射され、該コマ画像を透過した透過光がカラ
ーペーパPに到達し、該コマ画像がカラーペーパPに焼
付けられる(カラーペーパPが露光される)。
【0146】このようにして1つのコマ画像が露光さ
れ、以後フィルムN及びカラーペーパPが1コマ分ずつ
搬送され、その都度1コマ分ずつコマ画像が露光され
る。
【0147】以上のような露光処理がフィルムNの全て
のコマ画像に対して実行完了した後、カラーペーパPは
プロセッサ部72へ搬送される。
【0148】プロセッサ部72では、カラーペーパPは
発色現像処理槽74、漂白定着処理槽76、及び複数の
リンス処理槽78に順に搬送される。このように順に搬
送される過程で、発色現像処理槽74において発色現像
処理が、漂白定着処理槽76において漂白定着処理が、
リンス処理槽78において水洗処理が、カラーペーパP
に対して順次行われる。
【0149】水洗処理されたカラーペーパPは乾燥部8
0へ搬送され、高温の空気により乾燥処理される。そし
て、乾燥処理されたカラーペーパPはカッタ部84へ搬
送され、カッタ88によって各コマ画像に対応した長さ
に切断される。
【0150】このようにしてフィルムNの各コマ画像を
記録した写真プリントが完成し、完成した写真プリント
は、ソータ部92へ排出され、ソータ部92において仕
分けられると共に所定の検定作業が行われる。
【0151】以上説明した実施形態によれば、既に露光
された画像(撮影された画像)が加熱によって形成され
るフィルムNと、支持体上に該フィルムNを現像するた
めの媒染剤を含む層を有する処理部材Kと、を用いた画
像形成方法によって、従来のように煩雑な現像、漂白、
定着処理を行うことなく、簡易な方法でフィルムNの各
コマに画像を形成することができる。また、形成された
画像を透過した透過光によって、カラーペーパP等の他
の記録材料に該形成された画像を焼付露光することによ
り、フィルムNの各コマ画像の写真プリントを得ること
ができる。
【0152】また、熱現像装置において、フィルムNと
処理部材Kとを重ね合わせる前に、フィルムNに画像形
成用溶媒としての水を塗布するので、拡散性色素が拡散
しやすくなり、フィルムNに画像を形成する処理をより
効果的に行うことができる。
【0153】なお、上記実施形態では、画像形成用溶媒
としての水をフィルムNに塗布するように構成したが、
処理部材Kに塗布しても良いし、フィルムNと処理部材
Kの両方に塗布しても良い。
【0154】また、上記実施形態では、フィルムNとし
て、本発明の色材含有熱現像感光材料を用いた例を示し
たが、支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バ
インダー、及び色素供与性カプラーを含み、その感光波
長領域及び前記色素供与性カプラーから形成される色素
の色相が互いに異なる少なくとも三種類の感光層を有す
る本発明のカプラー含有熱現像感光材料を用いても良
い。
【0155】また、フィルムNの形態としては、通常の
パトローネタイプであってもよいし、磁気情報記録可能
なアドバンストフォトシステム(APS)に対応する形
態であってもよい。
【0156】ところで、本実施形態の画像形成装置を構
成するプリンタとしては、図8乃至図10に示すような
熱現像処理を行って画像をプリントするプリンタ310
を適用することもできる。
【0157】以下、図8乃至図10を用いてプリンタ3
10の構成・作用を説明する。図8に示すように、プリ
ンタ310の機台312は全体として箱型に構成されて
おり、機台312の上面には紙原稿313を載置するた
めの載置台312Aが設けられている。載置台312A
には装置奥側の辺を軸として開閉可能な押えカバー31
2Bが取付けられている。また、載置台312Aには、
透明ガラス板312C(図9参照)が取付けられてお
り、この透明ガラス板312C上に紙原稿313が載置
されるようになっている。透明ガラス板312C上に載
置された紙原稿313は、押えカバー312Bが閉止さ
れることにより、所定位置に保持される。
【0158】プリンタ310の機台312内には、ロー
ル状に巻取られた感光材料316を収納する感材マガジ
ン314が配置されている。感材マガジン314は、感
材マガジン314から引き出された感光材料316の感
光(露光)面が装置の下方を向くようにセットされてい
る。感材マガジン314の感光材料取出し口近傍には、
ニップローラ318およびカッタ320が配置されてい
る。感光材料316は感材マガジン314から所定長さ
引き出された後に、カッタ320により切断される。カ
ッタ320の側方には、複数の搬送ローラ319、32
1、323、324、326が順に配置されており、各
搬送ローラの間にはガイド板327が配設されている。
所定長さに切断された感光材料316は、搬送ローラ3
19、321、323、324、326及びガイド板3
27によって、搬送ローラ323、324の間に設けら
れた露光部322へ搬送される。
【0159】露光部322の上方で、かつ前記透明ガラ
ス板312Cの下方のスペースには、第1の走査装置3
38が設けられている。第1の走査装置338は、透明
ガラス板312Cの下方を透明ガラス板312Cに沿っ
て移動するハロゲンランプ338A及びミラーユニット
338B、レンズユニット338C、レンズユニット3
38Cから射出された光を露光部322へ案内するミラ
ーユニット339(ミラー339A、339B、339
C)、フイルター及び絞り(図示省略)を備えている。
【0160】図9に示すように、ミラーユニット339
は3枚のミラー339A、339B、339Cで構成さ
れており、レンズユニット338Bから略水平に射出さ
れた光をミラー339Aによって略直角に反射させ(垂
下方向)、ミラー339Bの反射によって略垂直に反射
させ(水平方向)、さらにミラー339Cによって略垂
直に反射させる(垂下方向)ことにより、前記露光部3
22へ光を案内している。なお、ミラー339Bは、図
9に実線で示す位置、又は図9に想像線で示す位置に移
動される。
【0161】また、第1の走査装置338の側方には、
第2の走査装置334が設けられている。第2の走査装
置334は、機台312の上方に配設された光源ユニッ
ト344を備えている。光源ユニット344のケーシン
グ344A内にはランプ348及びリフレクタ346が
設けられている。またランプ348の光射出側にはC
(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の各フイ
ルター及びこれらのフイルターを移動させるためのドラ
イバーを備えた調光フイルター部350が配置されてい
る。
【0162】調光フイルター部350の各フイルター
は、基準位置からランプ348の光軸に対して移動され
るようになっている。リフレクタ346は、ランプ34
8からの光及び調光フイルタ部350を透過した光の少
なくとも1つを集光する。
【0163】また、調光フイルター部350の下方でフ
ィルム原稿359との間には、減光フイルター354が
配設されている。減光フイルター354は、基準位置か
ら光軸に対して移動するようになっている。
【0164】光源ユニット344の下方にはスキャンテ
ーブル358が設けられている。スキャンテーブル35
8には、ネガフィルム、リバーサルフィルム等のフィル
ム原稿359がセットされる。スキャンテーブル358
の図9の矢印Q方向への移動に伴って、スキャンテーブ
ル358にセットされたフィルム原稿359への前記リ
フレクタ346で集光された光の照射部位が移動するこ
とになる。
【0165】またスキャンテーブル358の下方には、
スリット357が設けられており、フィルム原稿359
を透過した光は、スリット357によりスリット光とし
て、フィルム測光ユニット360に入射する。
【0166】フィルム測光ユニット360はミラー36
4を備えている。ミラー364は、スキャンテーブル3
58を通過したスリット光の光路上(図9に実線で示す
位置)、又は前記光路上から退避した位置(図9に破線
で示す位置)へ移動される。
【0167】また、前記光路上に移動されたミラー36
4のスリット光射出側には、レンズ368及びラインセ
ンサ370が順に配置されている。レンズ368は入射
されたスリット光をラインセンサ370の受光面に結像
するように構成されている。ラインセンサ370は3列
に配列された多数の受光素子を備えている。受光素子の
各列には、各々R、G、Bの波長の光のみを透過するフ
イルターが設けられており、各受光素子列により、フィ
ルム原稿の画像の1画素列に相当する領域を透過した
R、G、Bの各成分色光の光量が測定される。ラインセ
ンサ370は測定結果を図示しない制御装置へ出力す
る。
【0168】ミラー364の下方には、ズームレンズ3
72が配置されている。ズームレンズ372の光射出側
には、ズームレンズ372から射出された光をミラー3
39B側へ反射するミラー374が配置されている。ミ
ラー374で反射された光は、ミラー339Bが図9に
想像線で示す位置に移動されている場合にはミラー33
9Cに入射され、ミラー339Cによって露光部322
へ反射される。ズームレンズ372は、倍率が変更され
ると共に、入射されたスリット光を露光部322の露光
位置で結像させるようになっている。このズームレンズ
372により、フィルム原稿359の画像は感光材料3
16に拡大露光される。
【0169】一方、図8に示すように、露光部322の
側方にはスイッチバック部340が設けられており、露
光部322の下方には水塗布部362が設けられてい
る。感材マガジン314の側方を上昇されて露光部32
2において画像が露光された感光材料316は、一旦ス
イッチバック部340へ送り込まれた後に、搬送ローラ
326の逆回転によって、露光部322の下方に設けら
れた搬送経路を経て水塗布部362へ送り込まれる。水
塗布部362には複数のパイプが連結されており、該パ
イプを介して水が供給される。水塗布部362の側方に
は熱現像転写部404が配置されており、水塗布された
感光材料316は熱現像転写部404に送り込まれる。
【0170】また、感材マガジン314の側方の機台3
12内には、ロール状に巻取られた受像材料408を収
納する受材マガジン406が配置されている。受像材料
408の画像形成面には媒染剤を有する色素固定材料が
塗布されており、受材マガジン406は、受材マガジン
406から引き出された受像材料408の画像形成面が
装置の上方へ向くようにセットされている。受材マガジ
ン406の受像材料408取出し口近傍には、ニップロ
ーラ410及びカッタ412が順に配置されている。受
像材料408は受材マガジン406から所定長さ引き出
された後に、カッタ412によって切断される。カッタ
412の側方には、搬送ローラ486、490、41
4、及びガイド板482を備えた受像材料搬送部480
が設けられている。所定長さに切断された受像材料40
8は受像材料搬送部480の各搬送ローラ及びガイド板
482によって熱現像転写部404へ搬送される。
【0171】熱現像転写部404へ搬送された感光材料
316は、貼り合わせローラ420と加熱ドラム416
との間に送り込まれる。また受像材料408は、感光材
料316の搬送と同期して、感光材料316が所定長さ
先行した状態で貼り合わせローラ420と加熱ドラム4
16との間に送り込まれ、感光材料316と重ね合わせ
られるようになっている。加熱ドラム416の内部に
は、一対のハロゲンランプ432A、432Bが配置さ
れており、このハロゲンランプ432A、432Bによ
って加熱ドラム416の表面が昇温される。加熱ドラム
416の外周側には5本の巻き掛けローラ434、43
5、436、438、440が配置されており、巻掛け
ローラ434〜440には無端圧接ベルト418が巻き
掛けられている。無端圧接ベルト418は、巻き掛けロ
ーラ434と巻き掛けローラ440との間の無端状外側
が加熱ドラム416の外周に圧接されている。
【0172】図8及び図10に示すように、無端圧接ベ
ルト418の材料供給方向下流側の加熱ドラム416下
部には、屈曲案内ローラ442が配置されている。屈曲
案内ローラ442の材料供給方向下流側の加熱ドラム4
16下部には、剥離爪454が軸によって回動可能に軸
支されている。剥離爪454は、受像材料408に対し
所定長さ先行した状態で重ね合わされている感光材料3
16のみを加熱ドラム416の外周面から剥離する。剥
離爪454によって剥離された感光材料316は、屈曲
案内ローラ442に巻き掛けられ、排出ローラ460に
よって廃棄感光材料収容箱478へ集積される。
【0173】また、屈曲案内ローラ442の側方の加熱
ドラム416近傍には、剥離ローラ474及び剥離爪4
76が配置されている。剥離ローラ474及び剥離爪4
76は、前述の剥離爪454では剥離されない受像材料
408を加熱ドラム416の外周面から剥離する。剥離
ローラ474及び剥離爪476の下方には受材排出ロー
ラ472、473、475が順に配置されており、各排
出ローラの間には受材ガイド470が配設されており、
剥離ローラ474及び剥離爪476によって剥離された
受像材料408を案内搬送し、トレイ477内へ排出す
る。
【0174】次に上記構成のプリンタ310における作
用として、まず紙原稿313の画像を感光材料316に
走査露光する処理について説明する。透明ガラス板31
2C上に紙原稿313が載置されると、ミラー339B
を図9に実線で示す位置へ移動させると共に、後に詳述
するように感光材料316を露光部まで搬送する。次に
ハロゲンランプ338Aを点灯させ、ハロゲンランプ3
38A及びミラーユニット338Bを透明ガラス板31
2Cに沿って移動させる。
【0175】これにより、ハロゲンランプ338Aから
射出され、紙原稿313で反射された光は、ミラーユニ
ット338Bで反射され、レンズユニット338Cを透
過し、ミラーユニット339で反射されて感光材料31
6に照射される。これにより、紙原稿313の画像が感
光材料316に走査露光される。
【0176】次にフィルム原稿359の画像を感光材料
316に走査露光する処理について説明する。なお、ス
キャンテーブル358にフィルム原稿がセットされ、フ
ィルム原稿の画像を感光材料316へ露光する指示が入
力されると、まず、ランプ348を点灯し、ミラー36
4を測光位置へ移動させる。また、スキャンテーブル3
58を初期位置へ移動させる。なお、この初期位置は、
光源ユニット344から射出された光がフィルム原稿3
59の画像の端部に照射される位置である。これによ
り、フィルム原稿359の画像の端部を透過した光が、
スリット357によりスリット光となり、ミラー364
で反射され、レンズ368を透過してラインセンサ37
0の受光面に結像され、フィルム原稿359の画像の1
画素列を構成する各画素を透過したR、G、Bの各成分
色光の光量がラインセンサ370で測定される。
【0177】次に、ラインセンサ370から出力された
測定データの取込みを行い、ラインセンサ370から取
り込んだ各成分色光の光量を表す測定データを、1画素
列を構成する各画素の各成分色毎の濃度を表す濃度デー
タに変換し、記憶する。そして、画像の読み取りが終了
したか否か判定する。画像の読み取りが終了していない
場合には、スキャンテーブル358を画素列の間隔に対
応する所定量移動させる。従って、画像の読み取りが終
了するまで、以上の処理が繰り返され、スキャンテーブ
ル358(及びフィルム原稿359)が図9矢印Q方向
に沿って徐々に移動することにより、フィルム原稿35
9の画像を透過した光量がラインセンサ370によって
各画素毎にかつR、G、B毎に測定され、測定データが
順次濃度データに変換されて記憶されることになる。
【0178】画像の読み取りが終了すると、記憶したフ
ィルム原稿359の各画素毎かつ各色毎の濃度データに
基づいて露光条件の決定を行う。この露光条件の決定に
ついては種々の方法を適用することができるが、例えば
特開昭 61-137145号公報にも記載されているように、前
記濃度データに基づいてフィルム原稿359の画像の特
徴情報を抽出し、露光条件に対する濃度及び色の補正量
を演算し、前記補正量により補正した画像をモニタ等の
表示手段に表示し、指定手段によって指定された表示画
像上の所定位置の濃度及び色が所定値となるように前記
補正量を修正し、修正した補正量に基づいて露光条件を
決定することができる。これにより、テスト露光等を行
うことなく容易に適正な露光条件を得られる。
【0179】上記のようにして露光条件が決定される
と、感光材料316へのフィルム原稿359の画像の露
光が行われる。すなわち、スキャンテーブル358を再
び初期位置へ移動させ、ニップローラ318を作動させ
て感光材料316を感材マガジン314から引き出し、
感光材料316が所定長さ引き出されるとカッタ320
を作動させ、感光材料316を所定長さに切断する。そ
して切断した感光材料316を露光部322の露光位置
迄搬送する。ミラー364を退避位置へ移動させる。ま
た、ミラー339Bを図9に想像線で示す位置へ移動さ
せる。これにより、フィルム原稿359を透過し、スリ
ット357によってスリット光となった光は露光部32
2へ案内されることになる。
【0180】次に、前記決定した露光条件に応じて調光
フイルター部350のCMYの各フイルターを移動させ
ると共に、前記露光条件に対応する光量の光によって、
フイルム原稿359を透過して感光材料316が露光さ
れるように減光フイルター354を移動させる。
【0181】この減光フイルタ及びCMYのフイルター
の移動処理と共に、スキャンテーブル358及び感光材
料316を同期させて移動させる。これにより、フィル
ム原稿359の画像が前記決定した露光条件で画素列毎
に順次感光材料316に露光される。画像の露光が終了
すると、感光材料316を露光部322から搬送し、ス
イッチバック部340へ送り込み、ランプ348を消灯
する。
【0182】上記処理により感光材料316に露光され
た画像の受像材料408への転写形成は、以下のように
して行われる。すなわち、スイッチバック部340へ一
旦送り込まれた感光材料316は、搬送ローラ326の
逆回転によって水塗布部362へ送り込まれ、画像形成
用溶媒としての水が塗布され、更にスクイズローラ36
8によって余分な水が除去されて熱現像転写部404へ
送り込まれる。また、前述の感光材料316への露光と
同期して、ニップローラ410による受材マガジン40
6からの受像材料408の引き出しが行われ、受像材料
408が所定長さ引き出されると、カッタ412が作動
することにより受像材料408が所定長さに切断され
る。切断された受像材料408は、ガイド板482によ
って案内されながら搬送ローラ490、486、414
によって搬送され、熱現像転写部404の直前で待機状
態となる。
【0183】熱現像転写部404では、感光材料316
がスクイズローラ368によって加熱ドラム416外周
と貼り合わせローラ420との間へ送り込まれたことが
検出されると、受像材料408の搬送を再開して貼り合
わせローラ420へ送り込むと共に、加熱ドラム416
を作動させる。なお、貼り合わせローラ420と水塗布
部362のスクイズローラ368との間にはガイド板4
22が配置されており、スクイズローラ368から送ら
れる感光材料316は、ガイド板422によって確実に
貼り合わせローラ420へ案内される。
【0184】貼り合わせローラ420によって重ね合わ
された感光材料316及び受像材料408は、重ね合わ
せた状態のままで加熱ドラム416と無端圧接ベルト4
18との間で挟持され、加熱ドラム416のほぼ2/3
周(巻き掛けローラ434と巻き掛けローラ440の
間)に亘って搬送される。これにより感光材料316及
び受像材料408が加熱され、可動性の色素を放出し、
同時にこの色素が受像材料408の色素固定層に転写さ
れて画像が得られる。
【0185】感光材料316及び受像材料408が加熱
ドラム416の下部に達すると、カム430によって剥
離爪454が移動され、受像材料408よりも所定長さ
先行して搬送される感光材料316の先端部に剥離爪4
54が係合して感光材料316の先端部を加熱ドラム4
16の外周から剥離する。更に剥離爪454の復帰移動
によってピンチローラ457(図10参照)が感光材料
316を押圧し、これにより、感光材料316はピンチ
ローラ457によって押圧されながら屈曲案内ローラ4
42に巻き掛けられ、下方へ移動され廃棄感光材料収容
箱478内に集積される。
【0186】一方、感光材料316と分離し加熱ドラム
416に密着されたままの状態で移動する受像材料40
8は、剥離ローラ474へ送られて剥離される。剥離爪
476によって加熱ドラム416の外周から剥離された
受像材料408は、剥離ローラ474に巻き掛けられな
がら下方へ移動され、受材ガイド470に案内されなが
ら受材排出ローラ472、473、475によって搬送
されてトレイ477へ排出されて処理が終了する。
【0187】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像が露光された熱現像感光材料に対し従来のように煩
雑な現像、漂白、定着処理を行うことなく簡易な方法
で、前記画像を記録した写真プリントを得ることができ
る、という効果が得られる。また、処理液等の薬剤を含
む液体を使用しないため、そのような液体の保管・補充
管理や装置の清掃等に煩わされることがなくなり、画像
形成に係る装置のメンテナンス性を向上することができ
る、という効果も得られる。
【0188】特に、請求項4又は請求項8に記載の発明
によれば、熱現像感光材料と処理部材とが重なり合った
面で密着し、熱現像感光材料に前記露光した画像を形成
する処理をむらなく効果的に行うことができる、という
特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像形成装置を構成する熱現像装
置の外観を示す斜視図である。
【図2】熱現像装置の概略構成図である。
【図3】塗布装置の概略全体構成図である。
【図4】塗布装置に設置された噴射タンクの断面図であ
る。
【図5】図4の噴射タンクから水を噴射する状態を示す
断面図である。
【図6】本実施形態の画像形成装置を構成するプリンタ
プロセッサの概略全体構成図である。
【図7】熱現像装置の現像制御部によって実行される制
御ルーチンを示す流図である。
【図8】本実施形態の画像形成装置を構成するプリンタ
として適用可能な他のプリンタの全体構成図である。
【図9】図8のプリンタにおける走査装置の構成図であ
る。
【図10】図8のプリンタにおける加熱ドラム下部の詳
細構成図である。
【符号の説明】
10 熱現像装置 22 塗布装置(塗布手段) 26 加熱部(加熱手段) 41 現像制御部 70 プリンタプロセッサ K 処理部材 N フィルム(熱現像感光材料) P カラーペーパ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光された画像が加熱によって形成され
    る熱現像感光材料に画像を露光し、 露光された熱現像感光材料と、前記熱現像感光材料と重
    ね合わせて加熱することにより熱現像感光材料上に画像
    を形成するために使用される処理部材とを重ね合わせ、 重ね合わせた熱現像感光材料と処理部材とを加熱するこ
    とにより、該熱現像感光材料上に前記露光した画像を形
    成し、 該画像が形成された熱現像感光材料を処理部材から剥離
    し、 剥離によって分離した熱現像感光材料に形成された画像
    を、該画像の透過光によって他の感光材料に露光する、 ことを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン
    化銀、バインダー、及び画像状に拡散性色素を放出ない
    し拡散する機能を持つ色材を含み、感光波長領域及び前
    記色材の現像処理後における色相が互いに異なる少なく
    とも三種類の感光層を有する色材含有熱現像感光材料
    と、前記色材含有熱現像感光材料と重ね合わせて加熱す
    ることにより前記色材含有熱現像感光材料上に画像を形
    成するために使用される、支持体上に少なくとも媒染剤
    を含む層を有する媒染剤含有処理部材と、を用いる画像
    形成方法であって、 前記色材含有熱現像感光材料に画像を露光し、 露光された色材含有熱現像感光材料と前記媒染剤含有処
    理部材とを重ね合わせ、 重ね合わせた色材含有熱現像感光材料と媒染剤含有処理
    部材とを加熱し、放出される前記拡散性色素の一部又は
    全部を色材含有熱現像感光材料から除去することによ
    り、該色材含有熱現像感光材料上に少なくとも三色の色
    画像を形成し、 該画像が形成された色材含有熱現像感光材料を媒染剤含
    有処理部材から剥離し、 剥離によって分離した色材含有熱現像感光材料に形成さ
    れた画像を、該画像の透過光によって他の感光材料に露
    光する、 ことを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン
    化銀、バインダー、及び色素供与性カプラーを含み、そ
    の感光波長領域及び前記色素供与性カプラーから形成さ
    れる色素の色相が互いに異なる少なくとも三種類の感光
    層を有するカプラー含有熱現像感光材料と、前記カプラ
    ー含有熱現像感光材料と重ね合わせて加熱することによ
    り前記カプラー含有熱現像感光材料上に画像を形成する
    ために使用される熱現像用処理部材と、を用いる画像形
    成方法であって、 前記カプラー含有熱現像感光材料に画像を露光し、 露光されたカプラー含有熱現像感光材料と前記熱現像用
    処理部材とを重ね合わせ、 重ね合わせたカプラー含有熱現像感光材料と熱現像用処
    理部材とを加熱することにより、前記色素供与性カプラ
    ーにより該カプラー含有熱現像感光材料上に少なくとも
    三色の色画像を形成し、 該画像が形成されたカプラー含有熱現像感光材料を熱現
    像用処理部材から剥離し、 剥離によって分離したカプラー含有熱現像感光材料に形
    成された画像を、該画像の透過光によって他の感光材料
    に露光する、 ことを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記露光された熱現像感光材料と処理部
    材とを重ね合わせる前に、該熱現像感光材料及び処理部
    材の少なくとも一方に所定の画像形成用溶媒を塗布す
    る、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に
    記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 露光された画像が加熱によって形成され
    る熱現像感光材料と、前記熱現像感光材料と重ね合わせ
    て加熱することにより熱現像感光材料上に画像を形成す
    るために使用される処理部材と、を用いて画像を形成す
    る画像形成装置であって、 既に画像が露光された前記熱現像感光材料と前記処理部
    材とを重ね合わせる重ね合わせ手段と、 重ね合わせた熱現像感光材料と処理部材とを加熱する加
    熱手段と、 加熱された熱現像感光材料を処理部材から剥離する剥離
    手段と、 を有し、 剥離によって分離した熱現像感光材料に形成された画像
    を、該画像の透過光によって他の感光材料に露光する、 ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記熱現像感光材料は、 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダ
    ー、及び画像状に拡散性色素を放出ないし拡散する機能
    を持つ色材を含み、感光波長領域及び前記色材の現像処
    理後における色相が互いに異なる少なくとも三種類の感
    光層を有し、 前記処理部材は、 支持体上に少なくとも媒染剤を含む層を有する、 ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記熱現像感光材料は、 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダ
    ー、及び色素供与性カプラーを含み、その感光波長領域
    及び前記色素供与性カプラーから形成される色素の色相
    が互いに異なる少なくとも三種類の感光層を有する、 ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記重ね合わせ手段により熱現像感光材
    料と処理部材とを重ね合わせる前に、該熱現像感光材料
    及び処理部材の少なくとも一方に所定の画像形成用溶媒
    を塗布する塗布手段を更に有する請求項5乃至請求項7
    の何れか1項に記載の画像形成装置。
JP5515096A 1996-03-12 1996-03-12 画像形成方法及び画像形成装置 Pending JPH09244206A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5515096A JPH09244206A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 画像形成方法及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5515096A JPH09244206A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 画像形成方法及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09244206A true JPH09244206A (ja) 1997-09-19

Family

ID=12990738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5515096A Pending JPH09244206A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 画像形成方法及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09244206A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6155726A (en) Image forming method and system
JP2002169233A (ja) 画像形成方法およびシステム
JP3718023B2 (ja) 画像形成方法
JPH0934077A (ja) 画像形成方法
JPH09244206A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JPH09327945A (ja) 記録材料及び画像記録方法
JPH09304906A (ja) 感光材料処理装置
JP3533245B2 (ja) ハロゲン化銀感光材料およびそれを用いる画像形成方法
JPH09211832A (ja) 画像形成方法
JP2001117172A (ja) 画像形成システム
JP3581215B2 (ja) 感光材料処理方法
JPH10260518A (ja) 画像形成方法およびシステム
JP3571433B2 (ja) 画像記録装置
JP3150226B2 (ja) カラー画像形成方法
JPH07140567A (ja) 画像記録装置
JP2881067B2 (ja) 画像形成方法
JPH0197939A (ja) 複写装置
JPH0588271A (ja) ジヤム検出制御方法
JPH1124223A (ja) カラー画像形成方法
JPH09258402A (ja) 画像形成方法
JPH1152525A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法
JP2000171961A (ja) サ―マルフィルム現像用コンパクト装置及びサ―マルフィルム現像方法
JPH10239811A (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2003319329A (ja) 画像通信装置及びフォトネットワークシステム
JP2003066572A (ja) 画像形成要素

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041104

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20041207

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050405