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JPH09227169A - 転写シート、及び光触媒性親水性薄膜の転写方法 - Google Patents

転写シート、及び光触媒性親水性薄膜の転写方法

Info

Publication number
JPH09227169A
JPH09227169A JP8297248A JP29724896A JPH09227169A JP H09227169 A JPH09227169 A JP H09227169A JP 8297248 A JP8297248 A JP 8297248A JP 29724896 A JP29724896 A JP 29724896A JP H09227169 A JPH09227169 A JP H09227169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
photocatalyst
transfer
sheet
transfer object
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8297248A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kono
昭 香野
Makoto Hayakawa
信 早川
Mitsumasa Sugano
充誠 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP8297248A priority Critical patent/JPH09227169A/ja
Publication of JPH09227169A publication Critical patent/JPH09227169A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F13/00Arrangements for modifying heat-transfer, e.g. increasing, decreasing
    • F28F13/18Arrangements for modifying heat-transfer, e.g. increasing, decreasing by applying coatings, e.g. radiation-absorbing, radiation-reflecting; by surface treatment, e.g. polishing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F8/00Treatment, e.g. purification, of air supplied to human living or working spaces otherwise than by heating, cooling, humidifying or drying
    • F24F8/20Treatment, e.g. purification, of air supplied to human living or working spaces otherwise than by heating, cooling, humidifying or drying by sterilisation
    • F24F8/22Treatment, e.g. purification, of air supplied to human living or working spaces otherwise than by heating, cooling, humidifying or drying by sterilisation using UV light
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F2245/00Coatings; Surface treatments
    • F28F2245/02Coatings; Surface treatments hydrophilic

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写対象物表面に貼着し、軽くこする程度で
転写対象物表面に光触媒含有層を転写でき、それにより
転写対象物表面を、光触媒の光励起に応じて、恒久的に
親水性を呈するようにさせることの可能な転写シ−トを
提供すること。 【解決手段】 転写シ−トにおいて、感圧接着剤又は感
熱接着剤からなる第一層と、光触媒を含有する第二層
と、剥離剤からなる第三層と、シ−ト状基材を含有する
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写対象物表面の
必要部分に転写させることにより、その部分の表面を高
度の親水性になし、かつ維持することの可能な転写シー
ト、及び前記転写シートから転写対象物表面へ光触媒性
親水性薄膜を転写させる方法に関する。より詳しくは、
本発明は、鏡、レンズ、ガラス、プリズムその他の透明
な転写対象物の表面を高度に親水化することにより、転
写対象物の曇りや水滴形成を防止することの可能な防曇
性転写シート、及び前記防曇性転写シートから転写対象
物表面へ光触媒性親水性薄膜を転写させて転写対象物の
表面に防曇性を与える方法に関する。本発明は、また、
建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高度に親水化
することにより、表面が汚れるのを防止し、又は表面を
自己浄化(セルフクリーニング)し若しくは容易に清掃
することの可能な清浄性転写シート、及び前記清浄性転
写シートから転写対象物表面へ光触媒性親水性薄膜を転
写させて転写対象物の表面に降雨又は水による清浄性を
与える方法に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷時に自動車その他の乗物の風防ガラ
スや窓ガラス、建物の窓ガラス、眼鏡やゴーグルのレン
ズ、及び各種計器盤のカバーガラスが凝縮湿分で曇るの
はしばしば経験されることである。また、浴室や洗面所
の鏡や眼鏡のレンズが湯気で曇ることも良く遭遇され
る。更に、車両の風防ガラスや窓ガラス、建物の窓ガラ
ス、眼鏡やゴーグルのレンズ、マスクやヘルメットのシ
ールドが降雨や水しぶきを受け、離散した多数の水滴が
表面に付着すると、それらの表面は翳り、ぼやけ、斑模
様になり、或いは曇り、やはり可視性が失われる。ここ
で用いる“防曇”の用語は、このような曇りや凝縮水滴
の成長や水滴の付着による光学的障害を防止する技術を
広く意味する。言うまでもなく、上記“曇り”は安全性
や種々の作業の能率に深い影響を与える。例えば、車両
の風防ガラスや窓ガラス、バックミラーが寒冷時や雨天
に翳り、ぼやけ、斑模様になり、或いは曇ると、視界の
確保が困難となり、交通の安全性が損なわれる。内視鏡
レンズやデンタルミラーが曇ると、的確な診断、手術、
処置の障害となる。計器盤のカバーガラスが曇ると、デ
ータの読みが困難となる。
【0003】周知のように、従来用いられている防曇方
法は、ポリエチレングリコールのような親水性化合物或
いはシリコーンのような撥水性化合物を含んだ防曇性組
成物を表面に塗布することである。しかし、この種の防
曇性被膜はあくまで一時的なもので、水洗や接触によっ
て容易に取除かれ、早期に効果を失うという難点があ
る。
【0004】他方、建築及び塗料の分野においては、環
境汚染に伴い、建築外装材料や屋外建造物やその塗膜の
汚れが問題となっている。大気中に浮遊する煤塵や粒子
は晴天には建物の屋根や外壁に堆積する。堆積物は降雨
に伴い雨水により流され、建物の外壁を流下する。更
に、雨天には浮遊煤塵は雨によって持ち運ばれ、建物の
外壁や屋外建造物の表面を流下する。その結果、表面に
は、雨水の道筋に沿って汚染物質が付着する。表面が乾
燥すると、表面には縞状の汚れが現れる。建築外装材料
や塗膜の汚れは、カーボンブラックのような燃焼生成物
や、都市煤塵や、粘土粒子のような無機質物質の汚染物
質からなる。このような汚染物質の多様性が防汚対策を
複雑にしているものと考えられている(橘高義典著、
“外壁仕上材料の汚染の促進試験方法”、日本建築学会
構造系論文報告集、第404号、1989年10月、
p.15−24)。
【0005】従来の通念では、上記建築外装などの汚れ
を防止するためにはポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)のような撥水性の塗料が好ましいと考えられてい
たが、最近では、疎水性成分を多く含む都市煤塵に対し
ては、塗膜の表面をできるだけ親水性にするのが望まし
いと考えられている(高分子、44巻、1995年5月
号、p.307)。そこで、親水性のグラフトポリマー
で建物を塗装することが提案されている(新聞“化学工
業日報”1995年1月30日)。報告によれば、この
塗膜は水との接触角に換算して30〜40゜の親水性を
呈する。しかしながら、粘土鉱物で代表される無機質塵
埃の水との接触角は20゜から50゜であり、水との接
触角が30〜40゜のグラフトポリマーに対して親和性
を有しその表面に付着しやすいので、このグラフトポリ
マーの塗膜は無機質塵埃による汚れを防止することがで
きないと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、物品表面
を親水性にすることにより、物品の曇りや水滴形成を防
止したり、また、物品の表面が汚れるのを防止し、又は
表面を自己浄化(セルフクリーニング)し若しくは容易
に清掃することができる提案は存在するものの、表面を
高度の親水性に長期にわたり維持できないため、その効
果は充分でなかった。そこで、本発明では、上記事情に
鑑み、転写対象物表面に転写させるだけで、転写対象物
表面を長期にわたり高度の親水性に維持できる転写シー
ト、及びその使用方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、光触媒を含有
する表面層を形成した部材において、光触媒を光励起す
ると、部材の表面が高度に親水化されるという発見に基
づく。この現象は以下に示す機構により進行すると考え
られる。すなわち、光触媒の価電子帯上端と伝導帯下端
とのエネルギーギャップ以上のエネルギーを有する光が
光触媒に照射されると、光触媒の価電子帯中の電子が励
起されて伝導電子と正孔が生成し、そのいずれかまたは
双方の作用により、おそらく表面に極性が付与され、水
や水酸基等の極性成分が集められる。そして伝導電子と
正孔のいずれかまたは双方と、上記極性成分との協調的
な作用により、表面と前記表面に化学的に吸着した汚染
物質との化学結合を切断すると共に、表面に化学吸着水
が吸着し、さらに、物理吸着水層がその上に形成される
のである。また、一旦部材表面が高度に親水化されたな
らば、部材を暗所に保持しても、表面の親水性はある程
度の期間持続する。
【0008】本発明では、感圧接着剤又は感熱接着剤か
らなる第一層と、光触媒含有層からなる第二層と、剥離
剤からなる第三層と、シート状基材を含有することを特
徴とする転写シートを提供する。感圧接着剤からなる第
一層の存在により、転写シートは転写対象物表面に押付
けるだけの簡単な操作で、転写対象物表面に固着される
ようになる。感熱接着剤からなる第一層の存在により、
転写シートは転写対象物表面に熱を加えながら押付ける
だけの簡単な操作で、転写対象物表面に固着されるよう
になる。剥離剤からなる第三層の存在により、転写対象
物表面に押付けた転写シートに剪断応力を加えるだけの
簡単な操作で、光触媒含有層からなる第二層をシート状
基材から剥がすことができる。上記操作により光触媒含
有層からなる第二層が転写対象物表面に転写される。こ
こで第二層には光触媒が含有されるので、光触媒の光励
起に応じて、恒久的に転写対象物の表面は高度の親水性
を呈するようになる。透明な転写対象物の表面が高度の
親水性を呈するようになると、付着した湿分の凝縮水及
び/又は水滴が前記層の表面に一様に広がり、湿分凝縮
水及び/又は水滴によって曇り若しくは翳るのが防止さ
れるようになり、可視性が失われるのが防止される。ま
た、転写対象物の表面が高度の親水性を呈するようにな
ると、表面が降雨にさらされた時に、付着堆積物及び/
又は汚染物が雨滴により洗い流せるようになり、降雨に
よるセルフクリーニングが可能となる。さらに、転写対
象物の表面が高度の親水性を呈するようになると、表面
が水濯ぎや簡単な水拭き程度で洗浄できるようになり、
水洗浄が容易になる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、シート
状基材は、光触媒を励起する光を実質的に透過しない材
料からなるようにする。それにより転写シートの保管時
には光触媒に励起光が照射されなくなるので、保管時に
剥離剤が光触媒の光酸化作用によって劣化するのを防止
することができる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、第一層
と第二層との間には、耐蝕性の中間層が形成されている
ようにする。それにより光触媒と第一層との接触が防止
され、転写後における接着剤の光触媒の光酸化作用によ
る劣化を有効に防止することができる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、第一層
と中間層の間には、意匠性フィルム層が形成されている
ようにする。それにより、転写後に転写対象物に親水性
を付与すると同時に、意匠性を与えることができる。
【0012】本発明の好ましい態様においては、第二層
には、さらにシリカが含有されているようにする。シリ
カが含有されることにより、表面が水濡れ角0゜に近い
高度の親水性を呈しやすくなると共に、暗所に保持した
ときの親水維持性が向上する。その理由はシリカは構造
中に水を蓄えることができることと関係していると思わ
れる。さらに、シリカの場合、前駆体にテトラアルキル
シラン、アルキルシリケート等を用いることにより、シ
リカの硬化反応により比較的低温で耐摩耗性の第二層を
生成できるので好ましい。
【0013】本発明の好ましい態様においては、第二層
には、さらにシリコーンが含有されているようにする。
シリコーンが含有されることにより、光触媒の光励起に
よって、シリコーン中のシリコン原子に結合する有機基
の少なくとも一部が水酸基に置換され、さらにその上に
物理吸着水層が形成されることにより、表面が水濡れ角
0゜に近い高度の親水性を呈するようになると共に、暗
所に保持したときの親水維持性が向上する。さらに、シ
リコーンの場合、前駆体に加水分解性シラン、その部分
加水分解物、その一部が重合したシリコーンの低重合体
等を用いることにより、シリコーンの硬化反応により比
較的低温で耐摩耗性の第二層を生成できるので好まし
い。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な構成につ
いて説明する。本発明における転写シートの一実施態様
においては、図1に示すように、シート状基材4上に、
剥離剤層3が形成され、さらにその上に、光触媒含有層
2が形成され、さらにその上に、感圧接着剤又は感熱接
着剤からなる接着剤層1が形成されているようにする。
図1の転写シートの使用方法は、図2に示すように、ま
ず、転写シートの接着剤層1を転写対象物5に押付ける
(感圧接着剤の場合)か、熱を加えながら押付ける(感
熱接着剤の場合)。それにより、転写対象物5表面に転
写シートが固着される。次に、シート状基材4表面をこ
するなどの方法で、転写シートに剪断応力や引張応力を
加えて、シート状基材4から光触媒含有層2を剥離さ
せ、転写対象物5表面に光触媒含有層2を固定する。以
上の工程により、乾式工法で簡便に転写対象物5表面に
光触媒含有層2を固定することができる。
【0015】本発明における転写シートの他の実施態様
においては、図3に示すように、シート状基材4上に、
剥離剤層3が形成され、さらにその上に、光触媒含有層
2が形成され、さらにその上に、耐蝕性中間層6が形成
され、さらにその上に、感圧接着剤又は感熱接着剤から
なる接着剤層1が形成されているようにする。この実施
例では、耐蝕性中間層6が形成されているので、接着剤
層1が光触媒含有層2と直接接触しないので、光触媒の
光酸化作用による接着剤の劣化を有効に防止できる。
【0016】本発明における転写シートの他の実施態様
においては、図4に示すように、シート状基材4上に、
剥離剤層3が形成され、さらにその上に、光触媒含有層
2が形成され、さらにその上に、耐蝕性中間層6が形成
され、さらにその上に、意匠性フィルム層7が形成さ
れ、さらにその上に、感圧接着剤又は感熱接着剤からな
る接着剤層1が形成されているようにする。この実施例
では、意匠性フィルム層7が形成されているので、転写
対象物5に光触媒の光励起に応じた親水性以外に、意匠
性を付与できる。また、光触媒含有層2と意匠性フィル
ム層7の間に耐蝕性中間層6が形成されているので、意
匠性フィルム層7が光触媒含有層2と直接接触しないの
で、光触媒の光酸化作用による意匠性フィルム層の劣化
や退色を有効に防止できる。
【0017】ここで、図1〜4において、接着剤層1は
感圧接着剤又は感熱接着剤からなる。感圧接着剤を使用
する場合は、指や圧着工具等によって押付けることによ
り、転写対象物5表面に転写シートを固着できる。感熱
接着剤を使用する場合は、アイロンやドライヤーなどに
より接着剤を加熱しながら圧着工具等によって押付ける
ことにより、転写対象物5表面に転写シートを固着でき
る。
【0018】ここで感圧接着剤としては、ポリビニルイ
ソブチルエーテル、アクリルエステル系樹脂、塩素化オ
レフィン系樹脂、ゴム系樹脂ポリエチレンー酢酸ビニル
共重合体、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス、エチレンープロピレン共重合体ワックス、酸変性
ポリエチレンワックス、エポキシ変性ポリエチレンワッ
クス、酸変性ポリプロピレンワックス、カルナウバロ
ウ、カンデリラロウ、サトウキビロウ、ミツロウ、セラ
ックロウ、羊毛ロウ、モンタンロウ、パラフィンロウ、
マイクロクリスタリンワックス、パルミチン酸、ステア
リン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、オレイン
酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、
N−ヒドロキシエチルーヒドロキシステアロアミド、
N,N´−エチレンービスーステアロアミド、N,N´
−エチレンービスーリシノールアミド、N,N´−エチ
レンービスーヒドロキシステアロアミド、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸
ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、ミリスチレン酸
p−ヒドロキシアニリド、ステアリン酸p−ヒドロキシ
アニリド、ステアリン酸アミド−ホルムアルデヒド縮合
物、パルミチン酸アミド−ホルムアルデヒド縮合物、ア
スファルト、ギルソナイト、ニトリルゴム、塩化ゴム、
フィッシャートロブシュワックス、ポリエチレングリコ
ール、ステアリン酸ソルビトール、塩素化パラフィン、
塩素化プロピレン、硬化キャスター油、硬化牛脂油等を
使用することができる。
【0019】ここで感熱接着剤としては、スチレン樹
脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、マレイン酸樹脂等を使用することができる。
【0020】光触媒含有層2は、基本的には光触媒粒子
が含有されていれば良い。光触媒とは、その結晶の伝導
帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きな
エネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射
したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じ
て、伝導電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、
アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化
錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステ
ン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等が好適に利
用できる。
【0021】この光触媒含有層2が転写対象物5表面に
転写されて、転写対象物5は図5又は図6に示すような
表面構造をとるようになり、上記光触媒の光励起に応じ
て親水性を呈するようになるのである。それにより、雰
囲気の湿分が凝縮して付着しても水滴状には成長せず、
一様に水膜化するようになり、湿分凝縮水及び/又は水
滴によって曇り若しくは翳るのが防止される。また、表
面が降雨にさらされた時に、付着堆積物及び/又は汚染
物が雨滴により洗い流せるようになり、降雨によるセル
フクリーニングが可能となる。さらに、表面が高度の親
水性を呈するようになると、表面が水濯ぎや簡単な水拭
き程度で洗浄できるようになり、水洗浄が容易になる。
【0022】図5においては、表面層が光触媒のみから
なる場合には、光触媒は酸化物であることが好ましい。
そうすることにより、酸化物は環境中の汚染物質が吸着
していない状態では親水性を示すので、光励起作用によ
りその汚染物質を排斥させ、吸着水層を形成させること
で、親水性を呈しやすく、一様な水膜が形成できる。図
6において、Mは金属元素を示す。従って、図6の場
合、最表面はシリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、
イットリア、酸化タングステン、酸化錫等の金属酸化
物、または一部シラノール化されたシリコーンからな
る。この場合も、酸化物や一部シラノール化されたシリ
コーンは環境中の汚染物質が吸着していない状態では親
水性を示すので、上記物質以外に表面層に混入する光触
媒性酸化チタンの光励起作用によりその汚染物質を排斥
させ、吸着水層を形成させることで、一様な水膜が形成
できる。
【0023】ここで光触媒の光励起に用いる光源として
は、太陽光、一般室内照明、白熱電灯、メタルハライド
ランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、蛍光灯
等の励起光を照射しうる光源が使用できる。光触媒の光
励起により、基材表面が高度に親水化されるためには、
励起光の照度は、0.001mW/cm↑2↑以上あれ
ばよいが、0.01mW/cm↑2↑以上だと好まし
く、0.1mW/cm↑2↑以上だとより好ましい。
【0024】第二層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、転写シートの貼着により、転
写対象物5表面が、光の乱反射に基づき白濁化するのを
防止することができる。さらに、第二層の膜厚を0.2
μm以下にすると一層好ましい。そうすれば、転写シー
トの貼着により、転写対象物5表面が、光の干渉に基づ
き発色するのを防止することができる。また、第二層が
薄ければ薄いほどその透明度は向上する。更に、膜厚を
薄くすれば、転写対象物5表面に貼着されたときの第二
層の耐摩耗性が向上する。上記第二層と第三層との間
に、更に親水化可能な耐摩耗性又は耐食性の保護層や他
の機能膜を設けても良い。そうすれば、転写対象物5表
面に貼着されたときに上記保護層等が表面に露出形成さ
れて、第二層が保護等されるとともに、光触媒の光励起
により上記保護層等は親水性を呈するようになる。
【0025】上記第二層は、転写対象物5と比較して屈
折率があまり高くないのが好ましい。好ましくは第二層
の屈折率は2以下であるのがよい。そうすれば、転写対
象物5と第二層との界面、及び第二層と空気との界面に
おける光の反射を抑制できる。第二層の屈折率を2以下
にするには、光触媒に2以下の屈折率を有する物質を用
いるか、或いは光触媒が屈折率2以上の場合には、屈折
率2以下の他の物質を第二層に添加する。2以下の屈折
率を有する光触媒としては、酸化錫(屈折率1.9)等
が利用できる。2以上の屈折率を有する光触媒には、ア
ナターゼ型酸化チタン(屈折率2.5)やルチル型酸化
チタン(屈折率2.7)があるが、この場合には屈折率
2以下の他の物質、例えば、炭酸カルシウム(屈折率
1.6)、水酸化カルシウム(屈折率1.6)、炭酸マ
グネシウム(屈折率1.5)、炭酸ストロンチウム(屈
折率1.5)、ドロマイト(屈折率1.7)、フッ化カ
ルシウム(屈折率1.4)、フッ化マグネシウム(屈折
率1.4)、シリカ(屈折率1.5)、アルミナ(屈折
率1.6)、ケイ砂(屈折率1.6)、モンモリロナイ
ト(屈折率1.5)、カオリン(屈折率1.6)、セリ
サイト(屈折率1.6)、ゼオライト(屈折率1.
5)、酸化錫(屈折率1.9)等を第二層に添加すれば
よい。
【0026】上記第二層には、Ag、Cu、Znのよう
な金属を添加することができる。前記金属を添加した第
二層は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させる
ことができる。
【0027】上記第二層には、Pt、Pd、Ru、R
h、Ir、Osのような白金族金属を添加することがで
きる。前記金属を添加した第二層は、光触媒の酸化還元
活性を増強でき、脱臭浄化作用等が向上する。
【0028】剥離剤層3は剥離剤からなり、転写シート
に剪断応力や引張応力を加えることにより、シート状基
材4から光触媒含有層2を剥離させる。ここで、剥離剤
層には、ケイ素樹脂、アクリル系樹脂、フッ素樹脂、ポ
リエチレンワックス、パラフィンワックス、植物ワック
ス等が好適に利用できる。
【0029】シート状基材4には、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、
その他のプラスチック、紙等を利用することができる。
【0030】耐蝕性中間層6には、水ガラス、コロイダ
ルシリカ、ポリオルガノシロキサン、ポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレ
ン、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ
化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共
重合体、エチレン−塩化三フッ化エチレン共重合体、四
フッ化エチレン−パーフルオロアルキルエーテル共重合
体、パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテル−フ
ルオロオレフィン共重合体、ビニルエステル−フルオロ
オレフィン共重合体、フッ素系ゴム、アクリルシリコン
樹脂、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、セメント等が
好適に利用できる。
【0031】また、本発明における転写シートは種々の
転写対象物5に転写することができる。本発明における
転写シートが適用可能な転写対象物としては、1つには
上記防曇効果を期待する場合には透明な転写対象物であ
り、その材質はガラス、透明プラスチック等の転写対象
物に好適に利用できる。適用可能な転写対象物を用途で
いえば、車両用バックミラー、浴室用鏡、洗面所用鏡、
歯科用鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レン
ズ、写真機レンズ、照明用レンズ、レーザー光集束レン
ズ、半導体用レンズ、複写機用レンズのようなレンズ;
プリズム;建物や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄道車
両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロープウエイのゴ
ンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の窓ガ
ラス;自動車、鉄道車両、オートバイ、航空機、船舶、
潜水艇、雪上車、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴ
ンドラ、宇宙船のような乗物の風防ガラス;防護用ゴー
グル、スポーツ用ゴーグル、防護用マスクのシールド、
スポーツ用マスクのシールド、ヘルメットのシールド、
冷凍食品陳列ケースのガラス;計測機器のカバーガラス
などに好適に利用できる。本発明における転写シートが
適用可能な転写対象物としては、他には上記表面清浄化
効果を期待する場合であり、その材質は、例えば、金
属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セ
メント、コンクリート、繊維、布帛、それらの組合せ、
それらの積層体が好適に利用できる。適用可能な転写対
象物を用途でいえば、建材、建物外装、建物内装、窓
枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装
置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、交通標識、各種
表示装置、広告塔、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋
梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗
装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、
ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、住宅設備、便
器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、
食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キ
ッチンフード、換気扇などに好適に利用できる。本発明
における転写シートが適用可能な転写対象物としては、
他には長期にわたり高度の親水性を維持することができ
ることから、帯電防止機能用途材も期待できる。帯電防
止効果を期待する場合には、その材質は、例えば、金
属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セ
メント、コンクリート、繊維、布帛、それらの組合せ、
それらの積層体が好適に利用できる。適用可能な転写対
象物を用途でいえば、ブラウン管、磁気記録メディア、
光記録メディア、光磁気記録メディア、オーディオテー
プ、ビデオテープ、アナログレコード、家庭用電気製品
のハウジングや部品や外装及び塗装、OA機器製品のハ
ウジングや部品や外装及び塗装、建材、建物外装、建物
内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗
装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装などに
好適に利用できる。
【0032】親水性とは、表面に水を滴下したときにな
じみやすい性質をいい、一般に水濡れ角が90゜未満の
状態をいう。本発明における高度の親水性とは、表面に
水を滴下したときに非常になじみやすい性質をいい、よ
り具体的には平滑表面における水濡れ角が10゜以下程
度になる状態をいう。特に、防曇性にはPCT/JP9
6/00734に開示したように、水濡れ角が10゜以
下であると好ましく、5゜以下ではより好ましい。
【0033】次に、転写シートの形成方法について説明
する。転写シートの形成方法は、基本的には、フィルム
状基材4上に剥離剤を塗布乾燥させて剥離層3を形成
後、光触媒含有物を塗布乾燥して光触媒含有層2を形成
し、その後、接着剤を塗布乾燥して接着剤層1を形成す
る。フィルム状基材4上に剥離層3を形成する方法は、
剥離剤を必要に応じてケトン、エタノール、トルエン、
プロパノール等の非水溶媒に分散後、フローコーティン
グ法、ロールコーティング法、グラビア印刷法、スピン
コーティング法等の方法で塗布後、室温放置または乾燥
機中で乾燥させる。
【0034】その上に光触媒含有層2を形成する方法に
ついては、第二層が光触媒とシリカからなる場合と、第
二層が光触媒とシリコーンからなる場合とを例にとり説
明する。まず、第二層が光触媒とシリカからなる場合に
ついて、光触媒がアナターゼ型酸化チタンの場合を例に
とり説明する。この場合は、基本的には、無定型シリカ
の前駆体を塗膜形成要素とし、塗膜形成要素をアナター
ゼ型酸化チタン粒子とともにフィルム基材上にフローコ
ーティング法、ロールコーティング法、グラビア印刷
法、スピンコーティング法等の方法で塗布後、塗膜形成
要素の硬化反応により、無定型シリカを生成するととも
に、アナターゼ型酸化チタン粒子を無定型シリカを結着
剤として固着させる。ここで、塗膜形成要素をアナター
ゼ型酸化チタン粒子とともに塗布する前に、ハードコー
ト層等を形成するようにしてもよい。このようにするこ
とで、転写後の光触媒含有層2が保護される。また、こ
こで無定型シリカの前駆体には、テトラアルコキシシラ
ン(テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等)、そ
の部分加水分解、脱水縮重合物である平均組成式(O
R)xSiOy(0<x≦4、0≦y<2)(Rはアルキ
ル基)からなる4官能性シロキサン樹脂、アルキルシリ
ケート、シラノール、その脱水縮重合物であるシラノー
ル樹脂等の塗膜形成要素が好適に利用できる。このう
ち、保管安定性が良く、常温で硬化反応を生じさせるこ
とが容易であることから、平均組成式(OR)xSiOy
(0<x≦4、0≦y<2)(Rはアルキル基)からな
る4官能性シロキサン樹脂を使用するのが最も好まし
い。上記と同様の理由で、次いで耐蝕性中間層6を形成
する場合にも、中間層の成分に平均組成式(OR)x
iOy(0<x≦4、0≦y<2)(Rはアルキル基)
からなる4官能性シロキサン樹脂を使用すると、保管安
定性が良く、常温で硬化反応を生じさせることが容易で
あることから好ましい。塗膜形成要素の硬化反応は、例
えば、無定型シリカの前駆体を水又は空気中の湿分と接
触させることにより加水分解反応させた後、加熱、紫外
線照射、室温放置等の方法により脱水縮重合反応させる
ことにより行う。
【0035】次に、第二層が光触媒とシリコーンからな
る場合について、光触媒がアナターゼ型酸化チタンの場
合を例にとり説明する。この場合の方法は、未硬化の若
しくは部分的に硬化したシリコーン又はシリコーンの前
駆体からなる塗料とアナターゼ型酸化チタンゾルとを混
合し、シリコーンの前駆体を必要に応じて加水分解させ
た後、混合物を基材の表面にフローコーティング法、ロ
ールコーティング法、グラビア印刷法、スピンコーティ
ング法等の方法で塗布し、加熱や室温放置等の方法でシ
リコーンの前駆体の加水分解物を脱水縮重合に付して、
アナターゼ型酸化チタン粒子とシリコーンからなる第二
層を形成する。形成された第二層は、転写シートを転写
対象物5に転写後、紫外線を含む光の照射によりアナタ
ーゼ型酸化チタンが光励起されることにより、シリコー
ン分子中のケイ素原子に結合した有機基の少なくとも一
部を水酸基に置換され、さらにその上に物理吸着水層が
形成されて、高度の親水性を呈する。ここでシリコーン
の前駆体には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルト
リプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エ
チルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキ
シシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジブトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエ
チルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ
エチルジブトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラ
ン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチル
ジエトキシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、
フェニルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、及びそれらの加水分解
物、それらの混合物が好適に利用できる。
【0036】接着剤層1を形成する方法は、接着剤を必
要に応じてケトン、エタノール、トルエン、プロパノー
ル等の非水溶媒に分散後、フローコーティング法、ロー
ルコーティング法、グラビア印刷法、スピンコーティン
グ法等の方法で塗布後、室温放置または乾燥機中で乾燥
させる。
【0037】
【実施例】転写対象物に与えられる効果を確認するため
に以下の実験を行った。すなわち、10cm角のポリエ
チレンテレフタレートフィルムをコロナ放電処理した
後、エチルシリケート5量体相当品(コルコート、エチ
ルシリケート40)30重量部とメチルアルコール2
3.5重量部を、30℃の恒温槽に入れたビーカー中で
混合した。これにイオン交換水45重量部と60%硝酸
1.5重量部の混合液を添加し、30℃に保持したまま
5時間加水分解させて、中間コーティング液を調製し
た。この中間コーティング液をコロナ放電処理したプラ
イマー樹脂上にフローコーティング法にて塗布し、常温
で10分乾燥させて、中間層を形成した。次に、中間層
をコロナ放電処理した後、光触媒コーティング液(石原
産業のST−K01とST−K03を1:1で混合後、
アルコールで希釈することにより作製した、アナターゼ
型酸化チタン粒子とテトラアルコキシシランの部分加水
分解物であるアルキルシリケートを13:7で含むコー
ティング液)をフローコーティング法にて塗布し、常温
で10分乾燥させて、光触媒含有表面層を形成した。形
成面の水との接触角は5゜であった。ここで水との接触
角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を
用い、滴下後30秒後の水との接触角で評価した。ま
た、形成面についてテープ剥離試験(セロファンテープ
を塗膜表面の片端から他端にわたって貼着した後、素早
く剥したときに、塗膜が剥れるか否かを評価する試験)
を調べた。その結果、外観に変化はなかった。また試験
後の水との接触角も5゜であった。この試料を数日間暗
所に放置した後、紫外線光源(三共電気、ブラックライ
トブルー(BLB)蛍光灯)を用いて試料の表面に0.
5mW/cm2の紫外線照度で約2日紫外線を照射し、
#1試料を得た。比較のため、10cm角のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを数日間暗所に放置した#2
試料も準備した。まず、#1試料と#2試料に水滴を滴
下し、滴下後の様子の観察及び水との接触角の測定を行
った。その結果#1試料はマイクロシリンジから試料表
面に水滴を滴下されると、水滴が一様に水膜状に試料表
面を拡がる様子が観察された。また、30秒後の水との
接触角は約0゜まで高度に親水化された。それに対し、
#2試料ではマイクロシリンジから試料表面に水滴を滴
下されると、水滴は表面にほとんどなじまず、一様に水
膜状になるまでには至らなかった。30秒後の水との接
触角は約70゜であった。
【0038】次に、#1試料の裏側にセッケン水を塗布
し、10cm角のガラス基材に貼着した。次いで、BL
B蛍光灯を用いて試料の表面に0.5mW/cm2の紫
外線照度で約1時間紫外線を照射し、#3試料を得た。
比較のため、#2試料の裏側にセッケン水を塗布し、1
0cm角のガラス基材に貼着し、次いで、BLB蛍光灯
を用いて試料の表面に0.5mW/cm2の紫外線照度
で約1時間紫外線を照射し、#4試料を得た。#3試料
と#4試料に息を吹きかけ曇り発生の有無を調べた。そ
の結果#4試料では曇りが生じたのに対し、#3試料で
は曇りは生じなかった。
【0039】#3試料、#4試料の夫々の表面にオレイ
ン酸を塗布し、試料表面を水平姿勢に保持しながら夫々
の試料を水槽に満たした水の中に浸漬した。その結果、
#4試料では、オレイン酸は表面に付着したままであ
り、軽くこすってもオレイン酸は試料表面を伸びるだけ
であった。それに対し、#3試料では、オレイン酸は丸
くなり、軽くこすると表面から離脱した。従って、#3
試料では、#4試料に比較して水洗浄が容易であると考
えられる。
【0040】疎水性カーボンブラック1重量部、親水性
カーボンブラック1重量部からなる粉体混合物を1.0
5g/リッターの濃度で水に懸濁させたスラリーを調製
した。45度に傾斜させた#3試料、#4試料に上記ス
ラリー150mlを流下させて15分間乾燥させ、次い
で蒸留水150mlを流下させて15分間乾燥させ、こ
のサイクルを25回反復した。試験前後の色差変化を、
色差計(東京電色)を用いて計測した。色差は日本工業
規格(JIS)H0201に従い、ΔE*表示を用いて
評価した。その結果、#4試料では色差変化が20と大
きかったのに対し、#3試料では色差変化は0.4と非
常に小さかった。
【0041】
【発明の効果】本発明では、転写シートにおいて、感圧
接着剤又は感熱接着剤からなる第一層と、光触媒を含有
する第二層と、剥離剤からなる第三層と、シート状基材
を含有するようにすることにより、転写対象物表面に貼
着し、軽くこする程度で転写対象物表面に光触媒含有層
を転写できるようになる。それにより転写対象物は、光
触媒の光励起に応じて、表面が親水性を呈するようにな
る。それにより、透明な転写対象物の場合は、表面の曇
り等が防止されて視界確保性が向上する。また、降雨に
より転写対象物表面がセルフクリーニングされるように
なる。さらに、転写対象物表面が水により容易に洗浄さ
れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の転写シートの一実施態様を示す図。
【図2】 本発明の転写シートの一使用方法を示す図。
【図3】 本発明の転写シートの他の実施態様を示す
図。
【図4】 本発明の転写シートの他の実施態様を示す
図。
【図5】 本発明に係る転写シートを転写後の転写対象
物の表面構造を示す図。
【図6】 本発明に係る転写シートを転写後の転写対象
物の他の表面構造を示す図。
【符号の説明】
1:接着剤層 2:光触媒含有層 3:剥離剤層 4:シート状基材 5:転写対象物 6:耐食性中間層 7:意匠フィルム層

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)感圧接着剤からなり、転写対象物の
    表面に押付けたときに、前記転写対象物の表面との間に
    接着性を呈するようにさせるための第一層と、(b)光
    触媒含有層からなり、転写対象物表面に貼着させたとき
    に、その表面が前記光触媒の光励起に応じて親水性を呈
    するようにさせるための第二層と、(c)剥離剤からな
    り、応力を加えたときに前記第二層をシート状基材から
    剥離させるための第三層と、(d)転写対象物表面に貼
    着させる前に、光触媒含有層を固定しておくためのシー
    ト状基材と、を含有することを特徴とする転写対象物表
    面に親水性を与えるための転写シート。
  2. 【請求項2】(a)感圧接着剤からなり、転写対象物の
    表面に押付けたときに、前記転写対象物の表面との間に
    接着性を呈するようにさせるための第一層と、(b)光
    触媒含有層からなり、転写対象物表面に貼着させたとき
    に、その表面が前記光触媒の光励起に応じて親水性を呈
    し、以て付着した湿分の凝縮水及び/又は水滴が前記層
    の表面に一様に広がり、湿分凝縮水及び/又は水滴によ
    って曇り若しくは翳るのが防止されるようにするための
    第二層と、(c)剥離剤からなり、応力を加えたときに
    前記第二層をシート状基材から剥離させるための第三層
    と、(d)転写対象物表面に貼着させる前に、光触媒含
    有層を固定しておくためのシート状基材と、を含有する
    ことを特徴とする転写対象物表面に防曇性を与えるため
    の転写シート。
  3. 【請求項3】(a)感圧接着剤からなり、転写対象物の
    表面に押付けたときに、前記転写対象物の表面との間に
    接着性を呈するようにさせるための第一層と、(b)光
    触媒含有層からなり、転写対象物表面に貼着させたとき
    に、その表面が前記光触媒の光励起に応じて親水性を呈
    し、以て表面が降雨にさらされた時に、付着堆積物及び
    /又は汚染物が雨滴により洗い流させるのを可能にする
    ための第二層と、(c)剥離剤からなり、応力を加えた
    ときに前記第二層をシート状基材から剥離させるための
    第三層と、(d)転写対象物表面に貼着させる前に、光
    触媒含有層を固定しておくためのシート状基材と、を含
    有することを特徴とする転写対象物表面に降雨セルフク
    リーニング性を与えるための転写シート。
  4. 【請求項4】(a)感圧接着剤からなり、転写対象物の
    表面に押付けたときに、前記転写対象物の表面との間に
    接着性を呈するようにさせるための第一層と、(b)光
    触媒含有層からなり、転写対象物表面に貼着させたとき
    に、その表面が前記光触媒の光励起に応じて親水性を呈
    し、以て表面が水で洗浄するのを容易にするための第二
    層と、(c)剥離剤からなり、応力を加えたときに前記
    第二層をシート状基材から剥離させるための第三層と、
    (d)転写対象物表面に貼着させる前に、光触媒含有層
    を固定しておくためのシート状基材と、を含有すること
    を特徴とする転写対象物表面に水清浄性を与えるための
    転写シート。
  5. 【請求項5】(a)感熱接着剤からなり、転写対象物の
    表面に押付けながら熱を加えたときに前記転写対象物の
    表面との間に接着性を呈するようにさせるための第一層
    と、(b)光触媒含有層からなり、転写対象物表面に貼
    着させたときに、その表面が前記光触媒の光励起に応じ
    て親水性を呈するようにさせるための第二層と、(c)
    剥離剤からなり、応力を加えたときに前記第二層をシー
    ト状基材から剥離させるための第三層と、(d)転写対
    象物表面に貼着させる前に、光触媒含有層を固定してお
    くためのシート状基材と、を含有することを特徴とする
    転写対象物表面に親水性を与えるための転写シート。
  6. 【請求項6】(a)感熱接着剤からなり、転写対象物の
    表面に押付けながら熱を加えたときに前記転写対象物の
    表面との間に接着性を呈するようにさせるための第一層
    と、(b)光触媒含有層からなり、転写対象物表面に貼
    着させたときに、その表面が前記光触媒の光励起に応じ
    て親水性を呈し、以て付着した湿分の凝縮水及び/又は
    水滴が前記層の表面に一様に広がり、湿分凝縮水及び/
    又は水滴によって曇り若しくは翳るのが防止されるよう
    にするための第二層と、(c)剥離剤からなり、応力を
    加えたときに前記第二層をシート状基材から剥離させる
    ための第三層と、(d)転写対象物表面に貼着させる前
    に、光触媒含有層を固定しておくためのシート状基材
    と、を含有することを特徴とする転写対象物表面に防曇
    性を与えるための転写シート。
  7. 【請求項7】(a)感熱接着剤からなり、転写対象物の
    表面に押付けながら熱を加えたときに前記転写対象物の
    表面との間に接着性を呈するようにさせるための第一層
    と、(b)光触媒含有層からなり、転写対象物表面に貼
    着させたときに、その表面が前記光触媒の光励起に応じ
    て親水性を呈し、以て表面が降雨にさらされた時に、付
    着堆積物及び/又は汚染物が雨滴により洗い流させるの
    を可能にするための第二層と、(c)剥離剤からなり、
    応力を加えたときに前記第二層をシート状基材から剥離
    させるための第三層と、(d)転写対象物表面に貼着さ
    せる前に、光触媒含有層を固定しておくためのシート状
    基材と、を含有することを特徴とする転写対象物表面に
    降雨セルフクリーニング性を与えるための転写シート。
  8. 【請求項8】(a)感熱接着剤からなり、転写対象物の
    表面に押付けながら熱を加えたときに前記転写対象物の
    表面との間に接着性を呈するようにさせるための第一層
    と、(b)光触媒含有層からなり、転写対象物表面に貼
    着させたときに、その表面が前記光触媒の光励起に応じ
    て親水性を呈し、以て表面が水で洗浄するのを容易にす
    るための第二層と、(c)剥離剤からなり、応力を加え
    たときに前記第二層をシート状基材から剥離させるため
    の第三層と、(d)転写対象物表面に貼着させる前に、
    光触媒含有層を固定しておくためのシート状基材と、を
    含有することを特徴とする転写対象物表面に水清浄性を
    与えるための転写シート。
  9. 【請求項9】 前記シート状基材は、前記光触媒を励起
    する光を実質的に透過しない材料からなることを特徴と
    する請求項1〜8に記載の転写シート。
  10. 【請求項10】 第一層と第二層との間には、光触媒と
    第一層との接触を防止するための耐蝕性の中間層が形成
    されていることを特徴とする請求項1〜9に記載の転写
    シート。
  11. 【請求項11】 前記第一層と中間層の間には、意匠性
    フィルム層が形成されていることを特徴とする請求項1
    0に記載の転写シート。
  12. 【請求項12】 前記第二層には、さらに無定型シリカ
    が含有されていることを特徴とする請求項1〜11に記
    載の転写シート。
  13. 【請求項13】 前記第二層には、さらにシリコーンが
    含有されていることを特徴とする請求項1〜11に記載
    の転写シート。
  14. 【請求項14】 前記第二層の膜厚は0.4μm以下で
    あることを特徴とする請求項1〜13に記載の転写シー
    ト。
  15. 【請求項15】 前記第二層の膜厚は0.2μm以下で
    あることを特徴とする請求項1〜13に記載の転写シー
    ト。
  16. 【請求項16】 前記第二層の屈折率は2以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜15に記載の転写シート。
  17. 【請求項17】 前記光触媒の光励起に応じて呈する親
    水性は、水との接触角に換算して10゜以下であること
    を特徴とする請求項1〜16に記載の転写シート。
  18. 【請求項18】 前記光触媒の光励起に応じて呈する親
    水性は、水との接触角に換算して5゜以下であることを
    特徴とする請求項1〜16に記載の転写シート。
  19. 【請求項19】 請求項1〜4又は9〜18に記載の転
    写シートを準備する工程、前記転写シートの転写したい
    部分の第一層を転写対象物表面に押付ける工程、前記転
    写したい部分のシート状基材表面をこすり以て前記シー
    ト状基材下部に位置する剥離剤を第二層から剥離させる
    工程、を含むことを特徴とする転写対象物表面への光触
    媒性親水性薄膜の転写方法。
  20. 【請求項20】 請求項5〜18に記載の転写シートを
    準備する工程、前記転写シートの転写したい部分の第一
    層を転写対象物表面に熱を加えながら押付ける工程、前
    記転写したい部分のシート状基材表面をこすり以て前記
    シート状基材下部に位置する剥離剤を第二層から剥離さ
    せる工程、を含むことを特徴とする転写対象物表面への
    光触媒性親水性薄膜の転写方法。
JP8297248A 1995-12-22 1996-10-18 転写シート、及び光触媒性親水性薄膜の転写方法 Pending JPH09227169A (ja)

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