JPH09213575A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサの製造方法Info
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- JPH09213575A JPH09213575A JP1960096A JP1960096A JPH09213575A JP H09213575 A JPH09213575 A JP H09213575A JP 1960096 A JP1960096 A JP 1960096A JP 1960096 A JP1960096 A JP 1960096A JP H09213575 A JPH09213575 A JP H09213575A
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- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 誘電体酸化皮膜上へ導電性高分子電解質層を
形成する場合、均一かつ緻密で密着性に優れたものが得
られる固体電解コンデンサの製造方法を提供する。 【解決手段】 電極体11の表面に誘電体酸化皮膜12
を形成し、次に30重量%より低い濃度の金属酸化物半
導体形成用の溶液に電極体を浸漬して酸化皮膜上に導電
性プレコート層としての金属酸化物半導体層13を形成
する形成処理を多くとも2回以内施した後、複素環式化
合物およびその誘導体を含む溶液に電極体を浸漬する工
程と、複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より
高い電極電位を有する酸化剤、ドーパントを含む溶液に
電極体を浸漬する工程を複数回交互に繰り返して化学酸
化重合により導電性高分子電解質層14を形成する。
形成する場合、均一かつ緻密で密着性に優れたものが得
られる固体電解コンデンサの製造方法を提供する。 【解決手段】 電極体11の表面に誘電体酸化皮膜12
を形成し、次に30重量%より低い濃度の金属酸化物半
導体形成用の溶液に電極体を浸漬して酸化皮膜上に導電
性プレコート層としての金属酸化物半導体層13を形成
する形成処理を多くとも2回以内施した後、複素環式化
合物およびその誘導体を含む溶液に電極体を浸漬する工
程と、複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より
高い電極電位を有する酸化剤、ドーパントを含む溶液に
電極体を浸漬する工程を複数回交互に繰り返して化学酸
化重合により導電性高分子電解質層14を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学酸化重合によ
り形成される導電性高分子電解質層を固体電解質とする
固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
り形成される導電性高分子電解質層を固体電解質とする
固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の電源回路の高周波化に
伴い、すべての電子部品に対して優れた高周波特性(イ
ンピーダンス特性)が求められている。固体電解コンデ
ンサにおいても例外ではなく、これらを実現するため
に、陽極の表面状態、酸化皮膜の形成方法、電解質層の
改善、陰極の表面状態、コンデンサ素子の構造など、あ
らゆる角度から改善、検討がなされている。
伴い、すべての電子部品に対して優れた高周波特性(イ
ンピーダンス特性)が求められている。固体電解コンデ
ンサにおいても例外ではなく、これらを実現するため
に、陽極の表面状態、酸化皮膜の形成方法、電解質層の
改善、陰極の表面状態、コンデンサ素子の構造など、あ
らゆる角度から改善、検討がなされている。
【0003】陽極材料としてアルミニウムやタンタルを
用い、かつ電解質として無機の固体電解質である二酸化
マンガンや二酸化鉛を用いた固体電解コンデンサは、図
9(a)(b)に示すように、そのほとんどは製造工法
上の制約から、内部端子1を備え、かつ微粉末を焼結し
てなる陽極体2または内部端子3を備え、かつ粗面化に
より実質の表面積を大きくした陽極箔あるいは陽極板4
に、熱分解反応を利用して固体電解質5を焼き付け形成
し、その後、カーボン、導電性接着剤などにより陰極層
6を順次形成する構造を採用している。これらの固体電
解コンデンサは、その電解質の特徴から、電解液を用い
るアルミ電解コンデンサに比べて温度依存性が小さく、
高周波領域でのレジスタンスが低いという利点を有して
いるが、その反面、耐電圧が低く、かつ生産工法の制約
から生産性の面でやや不利であるという面も抱えてい
る。
用い、かつ電解質として無機の固体電解質である二酸化
マンガンや二酸化鉛を用いた固体電解コンデンサは、図
9(a)(b)に示すように、そのほとんどは製造工法
上の制約から、内部端子1を備え、かつ微粉末を焼結し
てなる陽極体2または内部端子3を備え、かつ粗面化に
より実質の表面積を大きくした陽極箔あるいは陽極板4
に、熱分解反応を利用して固体電解質5を焼き付け形成
し、その後、カーボン、導電性接着剤などにより陰極層
6を順次形成する構造を採用している。これらの固体電
解コンデンサは、その電解質の特徴から、電解液を用い
るアルミ電解コンデンサに比べて温度依存性が小さく、
高周波領域でのレジスタンスが低いという利点を有して
いるが、その反面、耐電圧が低く、かつ生産工法の制約
から生産性の面でやや不利であるという面も抱えてい
る。
【0004】さらにこの固体電解質5の低レジスタンス
化を追求したものとして、電荷移動錯体であるTCNQ
塩を利用した有機半導体コンデンサや、複素環式化合物
であるピロール、チオフェン、フランなどを重合して導
電化してなる導電性高分子を利用した機能性高分子コン
デンサが実用化されている。
化を追求したものとして、電荷移動錯体であるTCNQ
塩を利用した有機半導体コンデンサや、複素環式化合物
であるピロール、チオフェン、フランなどを重合して導
電化してなる導電性高分子を利用した機能性高分子コン
デンサが実用化されている。
【0005】この中でも、導電性高分子は、その固有抵
抗が著しく低いという特徴を有するため、コンデンサの
低レジスタンス化のためには有力な固体電解質である
が、多孔質弁金属よりなる電極体の表面の誘電体酸化皮
膜に対し、均一、かつ緻密で密着性に優れた導電性高分
子電解質層を被覆形成するには、極めて大きな制約を抱
えているものである。
抗が著しく低いという特徴を有するため、コンデンサの
低レジスタンス化のためには有力な固体電解質である
が、多孔質弁金属よりなる電極体の表面の誘電体酸化皮
膜に対し、均一、かつ緻密で密着性に優れた導電性高分
子電解質層を被覆形成するには、極めて大きな制約を抱
えているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】多孔質弁金属よりなる
電極体の表面の誘電体酸化皮膜上に、導電性高分子電解
質層を被覆形成する場合、細孔部からなる誘電体酸化皮
膜表面は、浸漬する液体の表面張力と誘電体酸化皮膜表
面の濡れ性により大きな影響を受けるため、細孔内部ま
で均一、かつ緻密で密着性に優れた導電性高分子電解質
層を被覆形成することは極めて困難を有するものであ
る。このため、複素環式化合物およびその誘導体より得
られる導電性高分子電解質層は、形成方法により多少の
差異はあるが、本来密着性に乏しく、かつ密度も形成条
件に大きく左右されるもので、このことが電解質そのも
のの低い固有抵抗とは裏腹に、実際に得られる固体電解
コンデンサの電気特性のロットバラツキの一因となって
いた。
電極体の表面の誘電体酸化皮膜上に、導電性高分子電解
質層を被覆形成する場合、細孔部からなる誘電体酸化皮
膜表面は、浸漬する液体の表面張力と誘電体酸化皮膜表
面の濡れ性により大きな影響を受けるため、細孔内部ま
で均一、かつ緻密で密着性に優れた導電性高分子電解質
層を被覆形成することは極めて困難を有するものであ
る。このため、複素環式化合物およびその誘導体より得
られる導電性高分子電解質層は、形成方法により多少の
差異はあるが、本来密着性に乏しく、かつ密度も形成条
件に大きく左右されるもので、このことが電解質そのも
のの低い固有抵抗とは裏腹に、実際に得られる固体電解
コンデンサの電気特性のロットバラツキの一因となって
いた。
【0007】本発明は上記従来の課題を解決するために
なされたものであり、誘電体酸化皮膜上へ導電性高分子
電解質層を形成する場合、均一、かつ緻密で密着性に優
れたものが得られる固体電解コンデンサの製造方法を提
供することを目的とするものである。
なされたものであり、誘電体酸化皮膜上へ導電性高分子
電解質層を形成する場合、均一、かつ緻密で密着性に優
れたものが得られる固体電解コンデンサの製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、多孔質弁
金属よりなる電極体の表面に誘電体酸化皮膜を形成し、
次いで、30重量%より低い濃度の金属酸化物半導体層
形成用の溶液に前記電極体を浸漬することにより誘電体
酸化皮膜上に導電性プレコート層としての金属酸化物半
導体層を形成するという形成処理を多くとも2回以内施
し、その後、複素環式化合物およびその誘導体を含む溶
液に前記電極体を浸漬する工程と、複素環式化合物およ
びその誘導体の酸化電位より高い電極電位を有する酸化
剤、ドーパントを含む溶液に前記電極体を浸漬する工程
を複数回交互に繰り返して化学酸化重合により導電性高
分子電解質層を形成するようにしたもので、この製造方
法によれば、誘電体酸化皮膜上への導電性高分子電解質
層の形成も、均一、かつ緻密で密着性に優れたものが得
られるものである。
に本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、多孔質弁
金属よりなる電極体の表面に誘電体酸化皮膜を形成し、
次いで、30重量%より低い濃度の金属酸化物半導体層
形成用の溶液に前記電極体を浸漬することにより誘電体
酸化皮膜上に導電性プレコート層としての金属酸化物半
導体層を形成するという形成処理を多くとも2回以内施
し、その後、複素環式化合物およびその誘導体を含む溶
液に前記電極体を浸漬する工程と、複素環式化合物およ
びその誘導体の酸化電位より高い電極電位を有する酸化
剤、ドーパントを含む溶液に前記電極体を浸漬する工程
を複数回交互に繰り返して化学酸化重合により導電性高
分子電解質層を形成するようにしたもので、この製造方
法によれば、誘電体酸化皮膜上への導電性高分子電解質
層の形成も、均一、かつ緻密で密着性に優れたものが得
られるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、多孔質弁金属よりなる電極体の表面に誘電体酸化皮
膜を形成し、次いで、30重量%より低い濃度の金属酸
化物半導体層形成用の溶液に前記電極体を浸漬すること
により誘電体酸化皮膜上に導電性プレコート層としての
金属酸化物半導体層を形成するという形成処理を多くと
も2回以内施し、その後、複素環式化合物およびその誘
導体を含む溶液に前記電極体を浸漬する工程と、複素環
式化合物およびその誘導体の酸化電位より高い電極電位
を有する酸化剤、ドーパントを含む溶液に前記電極体を
浸漬する工程を複数回交互に繰り返して化学酸化重合に
より導電性高分子電解質層を形成するようにしたもので
あり、この製造方法によれば、誘電体酸化皮膜上に固体
電解質である導電性高分子電解質層を化学酸化重合によ
り形成するに先立って、表面に誘電体酸化皮膜を形成し
た電極体を30重量%より低い濃度の金属酸化物半導体
層形成用の溶液に浸漬することにより誘電体酸化皮膜上
に導電性プレコート層としての金属酸化物半導体層を形
成するという形成処理を多くとも2回以内施して、誘電
体酸化皮膜上に導電性プレコート層としての金属酸化物
半導体層を形成するようにしたもので、この金属酸化物
半導体層はミクロ的に見れば細かな結晶粒子が集積した
ものであるが、マクロ的には多孔質弁金属よりなる電極
体の表面に形成された誘電体酸化皮膜に対し、均一、か
つ緻密で、密着性に優れた接続界面を形成することにな
るため、続いて複素環式化合物およびその誘導体を含む
溶液に電極体を浸漬する工程と、複素環式化合物および
その誘導体より高い電極電位を有する酸化剤、ドーパン
トを含む溶液に電極体を浸漬する工程を複数回交互に繰
り返して化学酸化重合を行った場合、複素環式化合物お
よびその誘導体は、金属酸化物半導体層を構成する細か
な結晶粒子が集積した凹凸部によって移動が阻止される
ことになり、これにより、複素環式化合物およびその誘
導体は極めて速やかに電極体の表面に形成された誘電体
酸化皮膜上に導電性高分子電解質層を形成することがで
きるものである。
は、多孔質弁金属よりなる電極体の表面に誘電体酸化皮
膜を形成し、次いで、30重量%より低い濃度の金属酸
化物半導体層形成用の溶液に前記電極体を浸漬すること
により誘電体酸化皮膜上に導電性プレコート層としての
金属酸化物半導体層を形成するという形成処理を多くと
も2回以内施し、その後、複素環式化合物およびその誘
導体を含む溶液に前記電極体を浸漬する工程と、複素環
式化合物およびその誘導体の酸化電位より高い電極電位
を有する酸化剤、ドーパントを含む溶液に前記電極体を
浸漬する工程を複数回交互に繰り返して化学酸化重合に
より導電性高分子電解質層を形成するようにしたもので
あり、この製造方法によれば、誘電体酸化皮膜上に固体
電解質である導電性高分子電解質層を化学酸化重合によ
り形成するに先立って、表面に誘電体酸化皮膜を形成し
た電極体を30重量%より低い濃度の金属酸化物半導体
層形成用の溶液に浸漬することにより誘電体酸化皮膜上
に導電性プレコート層としての金属酸化物半導体層を形
成するという形成処理を多くとも2回以内施して、誘電
体酸化皮膜上に導電性プレコート層としての金属酸化物
半導体層を形成するようにしたもので、この金属酸化物
半導体層はミクロ的に見れば細かな結晶粒子が集積した
ものであるが、マクロ的には多孔質弁金属よりなる電極
体の表面に形成された誘電体酸化皮膜に対し、均一、か
つ緻密で、密着性に優れた接続界面を形成することにな
るため、続いて複素環式化合物およびその誘導体を含む
溶液に電極体を浸漬する工程と、複素環式化合物および
その誘導体より高い電極電位を有する酸化剤、ドーパン
トを含む溶液に電極体を浸漬する工程を複数回交互に繰
り返して化学酸化重合を行った場合、複素環式化合物お
よびその誘導体は、金属酸化物半導体層を構成する細か
な結晶粒子が集積した凹凸部によって移動が阻止される
ことになり、これにより、複素環式化合物およびその誘
導体は極めて速やかに電極体の表面に形成された誘電体
酸化皮膜上に導電性高分子電解質層を形成することがで
きるものである。
【0010】このように導電性プレコート層としての金
属酸化物半導体層は、その細かな結晶粒子が集積した凹
凸部によるアンカー効果により、導電性高分子電解質層
と密着性に優れた良好な接続界面を形成するため、これ
により得られる固体電解コンデンサは極めて安定した低
レジスタンスの電気特性を有するものである。
属酸化物半導体層は、その細かな結晶粒子が集積した凹
凸部によるアンカー効果により、導電性高分子電解質層
と密着性に優れた良好な接続界面を形成するため、これ
により得られる固体電解コンデンサは極めて安定した低
レジスタンスの電気特性を有するものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、30重量%より
低い濃度の金属酸化物半導体層形成用の溶液に1重量%
以下の非イオン界面活性剤を添加したものであり、この
製造方法によれば、金属酸化物半導体層形成用の溶液に
1重量%以下の非イオン界面活性剤を添加しているた
め、溶液の安定性の面で優れたものが得られるととも
に、基本的な電気性能(静電容量、損失角の正接、漏れ
電流)もさらに向上させることができるものである。
低い濃度の金属酸化物半導体層形成用の溶液に1重量%
以下の非イオン界面活性剤を添加したものであり、この
製造方法によれば、金属酸化物半導体層形成用の溶液に
1重量%以下の非イオン界面活性剤を添加しているた
め、溶液の安定性の面で優れたものが得られるととも
に、基本的な電気性能(静電容量、損失角の正接、漏れ
電流)もさらに向上させることができるものである。
【0012】以下、本発明の実施の形態について添付図
面にもとづいて説明する。図1、図2は本発明の固体電
解コンデンサの模式断面図を示したもので、11は陽極
となる多孔質弁金属よりなる電極体で、この電極体11
の表面には、陽極酸化などの手段により誘電体酸化皮膜
12を形成し、そしてこの誘電体酸化皮膜12の上には
極薄膜の導電性プレコート層としての細かな結晶粒子が
集積した金属酸化物半導体層13を形成した後、複素環
式化合物およびその誘導体の化学酸化重合により導電性
高分子電解質層14を形成している。この後、導電性高
分子電解質層14の上に、コロイダルグラファイト1
5、銀塗料16を順次塗布し、その後、所定の外装17
を施して固体電解コンデンサを構成している。
面にもとづいて説明する。図1、図2は本発明の固体電
解コンデンサの模式断面図を示したもので、11は陽極
となる多孔質弁金属よりなる電極体で、この電極体11
の表面には、陽極酸化などの手段により誘電体酸化皮膜
12を形成し、そしてこの誘電体酸化皮膜12の上には
極薄膜の導電性プレコート層としての細かな結晶粒子が
集積した金属酸化物半導体層13を形成した後、複素環
式化合物およびその誘導体の化学酸化重合により導電性
高分子電解質層14を形成している。この後、導電性高
分子電解質層14の上に、コロイダルグラファイト1
5、銀塗料16を順次塗布し、その後、所定の外装17
を施して固体電解コンデンサを構成している。
【0013】次に本発明の具体的な実施の形態1,2,
3と、比較例1,2について説明する。
3と、比較例1,2について説明する。
【0014】(実施の形態1)図3に示すように、厚み
0.9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を
加圧成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体21
の表面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽
極酸化を行って誘電体酸化皮膜22を形成し、その後、
この電極体21を濃度が25重量%の硝酸マンガン水溶
液に浸漬し、250℃で熱分解を行うことにより誘電体
酸化皮膜22上に導電性プレコート層としての金属酸化
物半導体層23を形成した。この場合、熱分解作業を1
回行った後、修復化成を施したプレコート処理品、熱分
解作業を2回行った後、修復化成を施したプレコート処
理品、熱分解作業を3回行った後、修復化成を施したプ
レコート処理品、熱分解作業を4回行った後、修復化成
を施したプレコート処理品の4種類のプレコート処理品
を得た。
0.9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を
加圧成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体21
の表面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽
極酸化を行って誘電体酸化皮膜22を形成し、その後、
この電極体21を濃度が25重量%の硝酸マンガン水溶
液に浸漬し、250℃で熱分解を行うことにより誘電体
酸化皮膜22上に導電性プレコート層としての金属酸化
物半導体層23を形成した。この場合、熱分解作業を1
回行った後、修復化成を施したプレコート処理品、熱分
解作業を2回行った後、修復化成を施したプレコート処
理品、熱分解作業を3回行った後、修復化成を施したプ
レコート処理品、熱分解作業を4回行った後、修復化成
を施したプレコート処理品の4種類のプレコート処理品
を得た。
【0015】その後、複素環式化合物およびその誘導体
であるプロールモノマー0.7モル/lと界面活性剤よ
りなる溶液に前記プレコート処理品を浸漬する工程と、
複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より高い電
極電位を有する酸化剤であるペルオキソ2硫酸アンモニ
ウム0.1モル/lと、ドーパントであるナフタレンス
ルホン酸0.05モル/lを含む溶液に前記プレコート
処理品を浸漬する工程を10回交互に繰り返して化学酸
化重合により導電性高分子電解質層24を形成した。そ
してこの後は、導電性高分子電解質層24の上に、コロ
イダルグラファイト25、銀塗料26を順次塗布し、そ
の後、所定の外装を施して固体電解コンデンサを構成し
た。
であるプロールモノマー0.7モル/lと界面活性剤よ
りなる溶液に前記プレコート処理品を浸漬する工程と、
複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より高い電
極電位を有する酸化剤であるペルオキソ2硫酸アンモニ
ウム0.1モル/lと、ドーパントであるナフタレンス
ルホン酸0.05モル/lを含む溶液に前記プレコート
処理品を浸漬する工程を10回交互に繰り返して化学酸
化重合により導電性高分子電解質層24を形成した。そ
してこの後は、導電性高分子電解質層24の上に、コロ
イダルグラファイト25、銀塗料26を順次塗布し、そ
の後、所定の外装を施して固体電解コンデンサを構成し
た。
【0016】(実施の形態2)図3に示すように、厚み
0.9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を
加圧成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体21
の表面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽
極酸化を行って誘電体酸化皮膜22を形成し、その後、
この電極体21を濃度が20重量%の硝酸マンガン水溶
液、濃度が25重量%の硝酸マンガン水溶液、濃度が3
0重量%の硝酸マンガン水溶液、濃度が35重量%の硝
酸マンガン水溶液のそれぞれに浸漬し、250℃で熱分
解をそれぞれ1回行った後、修復化成を施すことにより
誘電体酸化皮膜22上に導電性プレコート層としての金
属酸化物半導体層23を形成した4種類のプレコート処
理品を得た。
0.9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を
加圧成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体21
の表面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽
極酸化を行って誘電体酸化皮膜22を形成し、その後、
この電極体21を濃度が20重量%の硝酸マンガン水溶
液、濃度が25重量%の硝酸マンガン水溶液、濃度が3
0重量%の硝酸マンガン水溶液、濃度が35重量%の硝
酸マンガン水溶液のそれぞれに浸漬し、250℃で熱分
解をそれぞれ1回行った後、修復化成を施すことにより
誘電体酸化皮膜22上に導電性プレコート層としての金
属酸化物半導体層23を形成した4種類のプレコート処
理品を得た。
【0017】その後、複素環式化合物およびその誘導体
であるピロールモノマー0.7モル/lと界面活性剤よ
りなる溶液に前記プレコート処理品を浸漬する工程と、
複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より高い電
極電位を有する酸化剤であるペルオキソ2硫酸アンモニ
ウム0.1モル/lと、ドーパントであるナフタレンス
ルホン酸0.05モル/lを含む溶液に前記プレコート
処理品を浸漬する工程を10回交互に繰り返して化学酸
化重合により導電性高分子電解質層24を形成した。そ
してこの後は、導電性高分子電解質層24の上に、コロ
イダルグラファイト25、銀塗料26を順次塗布し、そ
の後、所定の外装を施して固体電解コンデンサを構成し
た。
であるピロールモノマー0.7モル/lと界面活性剤よ
りなる溶液に前記プレコート処理品を浸漬する工程と、
複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より高い電
極電位を有する酸化剤であるペルオキソ2硫酸アンモニ
ウム0.1モル/lと、ドーパントであるナフタレンス
ルホン酸0.05モル/lを含む溶液に前記プレコート
処理品を浸漬する工程を10回交互に繰り返して化学酸
化重合により導電性高分子電解質層24を形成した。そ
してこの後は、導電性高分子電解質層24の上に、コロ
イダルグラファイト25、銀塗料26を順次塗布し、そ
の後、所定の外装を施して固体電解コンデンサを構成し
た。
【0018】(実施の形態3)図3に示すように、厚み
0.9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を
加圧成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体21
の表面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽
極酸化を行って誘電体酸化皮膜22を形成し、その後、
低発泡性のポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非
イオン界面活性剤を0.01重量%、0.05重量%、
0.1重量%、0.5重量%、1重量%添加した濃度が
25重量%の硝酸マンガン水溶液のそれぞれに前記電極
体21を浸漬し、250℃で熱分解をそれぞれ1回行っ
た後、修復化成を施すことにより誘電体酸化皮膜22上
に導電性プレコート層としての金属酸化物半導体層23
を形成した5種類のプレコート処理品を得た。
0.9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を
加圧成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体21
の表面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽
極酸化を行って誘電体酸化皮膜22を形成し、その後、
低発泡性のポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非
イオン界面活性剤を0.01重量%、0.05重量%、
0.1重量%、0.5重量%、1重量%添加した濃度が
25重量%の硝酸マンガン水溶液のそれぞれに前記電極
体21を浸漬し、250℃で熱分解をそれぞれ1回行っ
た後、修復化成を施すことにより誘電体酸化皮膜22上
に導電性プレコート層としての金属酸化物半導体層23
を形成した5種類のプレコート処理品を得た。
【0019】その後、複素環式化合物およびその誘導体
であるピロールモノマー0.7モル/lと界面活性剤よ
りなる溶液に前記プレコート処理品を浸漬する工程と、
複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より高い電
極電位を有する酸化剤であるペルオキソ2硫酸アンモニ
ウム0.1モル/lと、ドーパントであるナフタレンス
ルホン酸0.05モル/lを含む溶液に前記プレコート
処理品を浸漬する工程を10回交互に繰り返して化学酸
化重合により導電性高分子電解質層24を形成した。そ
してこの後は、導電性高分子電解質層24の上に、コロ
イダルグラファイト25、銀塗料26を順次塗布し、そ
の後、所定の外装を施して固体電解コンデンサを構成し
た。
であるピロールモノマー0.7モル/lと界面活性剤よ
りなる溶液に前記プレコート処理品を浸漬する工程と、
複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より高い電
極電位を有する酸化剤であるペルオキソ2硫酸アンモニ
ウム0.1モル/lと、ドーパントであるナフタレンス
ルホン酸0.05モル/lを含む溶液に前記プレコート
処理品を浸漬する工程を10回交互に繰り返して化学酸
化重合により導電性高分子電解質層24を形成した。そ
してこの後は、導電性高分子電解質層24の上に、コロ
イダルグラファイト25、銀塗料26を順次塗布し、そ
の後、所定の外装を施して固体電解コンデンサを構成し
た。
【0020】(比較例1)図4に示すように、厚み0.
9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を加圧
成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体31の表
面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽極酸
化を行って誘電体酸化皮膜32を形成し、その後、この
電極体31を液温が250℃で、かつ濃度が25重量%
の硝酸マンガン水溶液に浸漬する熱分解を4回行い、さ
らにこの電極体31を液温が250℃で、かつ濃度が4
0重量%の硝酸マンガン水溶液に浸漬する熱分解を4回
行うことにより、前記誘電体酸化皮膜32の上に二酸化
マンガンよりなる金属酸化物半導体層33を形成し、さ
らにこの後、金属酸化物半導体層33の上に、コロイダ
ルグラファイト34、銀塗料35を順次塗布し、その
後、所定の外装を施して固体電解コンデンサを構成し
た。
9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を加圧
成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体31の表
面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽極酸
化を行って誘電体酸化皮膜32を形成し、その後、この
電極体31を液温が250℃で、かつ濃度が25重量%
の硝酸マンガン水溶液に浸漬する熱分解を4回行い、さ
らにこの電極体31を液温が250℃で、かつ濃度が4
0重量%の硝酸マンガン水溶液に浸漬する熱分解を4回
行うことにより、前記誘電体酸化皮膜32の上に二酸化
マンガンよりなる金属酸化物半導体層33を形成し、さ
らにこの後、金属酸化物半導体層33の上に、コロイダ
ルグラファイト34、銀塗料35を順次塗布し、その
後、所定の外装を施して固体電解コンデンサを構成し
た。
【0021】(比較例2)図5に示すように、厚み0.
9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を加圧
成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体41の表
面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽極酸
化を行って誘電体酸化皮膜42を形成し、その後、複素
環式化合物およびその誘導体であるピロールモノマー
0.7モル/lと界面活性剤よりなる溶液に前記電極体
41を浸漬する工程と、ペルオキソ2硫酸アンモニウム
0.1モル/lとドーパントであるナフタレンスルホン
酸0.05モル/lを含む溶液に前記電極体41を浸漬
する工程を10回繰り返して化学酸化重合により、前記
誘電体酸化皮膜42の上に導電性高分子電解質層43を
形成し、さらにこの後、導電性高分子電解質層43の上
に、コロイダルグラファイト44、銀塗料45を順次塗
布し、その後、所定の外装を施して固体電解コンデンサ
を構成した。
9mm、幅2.0mm、長さ1.3mmのタンタル粉末を加圧
成形、真空焼結して得られた陽極となる電極体41の表
面に、濃度が5重量%の燐酸水溶液中で30Vの陽極酸
化を行って誘電体酸化皮膜42を形成し、その後、複素
環式化合物およびその誘導体であるピロールモノマー
0.7モル/lと界面活性剤よりなる溶液に前記電極体
41を浸漬する工程と、ペルオキソ2硫酸アンモニウム
0.1モル/lとドーパントであるナフタレンスルホン
酸0.05モル/lを含む溶液に前記電極体41を浸漬
する工程を10回繰り返して化学酸化重合により、前記
誘電体酸化皮膜42の上に導電性高分子電解質層43を
形成し、さらにこの後、導電性高分子電解質層43の上
に、コロイダルグラファイト44、銀塗料45を順次塗
布し、その後、所定の外装を施して固体電解コンデンサ
を構成した。
【0022】(表1)は本発明の実施の形態1と比較例
1,2により得られた固体電解コンデンサのそれぞれに
ついて基本的な電気性能(静電容量、損失角の正接、漏
れ電流)を測定した結果を示したものであり、また図6
はそれらのインピーダンスの周波数特性を示したもので
ある。
1,2により得られた固体電解コンデンサのそれぞれに
ついて基本的な電気性能(静電容量、損失角の正接、漏
れ電流)を測定した結果を示したものであり、また図6
はそれらのインピーダンスの周波数特性を示したもので
ある。
【0023】
【表1】
【0024】(表1)から明らかなように、本発明の実
施の形態1は比較例1と比べて基本的な電気性能におい
て優れており、また濃度が25重量%の硝酸マンガン水
溶液に電極体を浸漬し、250℃で熱分解を行う回数
は、2回以内の処理をした場合に、比較例2と比べて基
本的な電気性能において全く遜色がないことがわかる。
施の形態1は比較例1と比べて基本的な電気性能におい
て優れており、また濃度が25重量%の硝酸マンガン水
溶液に電極体を浸漬し、250℃で熱分解を行う回数
は、2回以内の処理をした場合に、比較例2と比べて基
本的な電気性能において全く遜色がないことがわかる。
【0025】また図6から明らかなように、本発明の実
施の形態1における(1)(2)は比較例1,2に比べ
て導電性高分子固体電解質の低インダクタンスの効果が
明確となっているものである。
施の形態1における(1)(2)は比較例1,2に比べ
て導電性高分子固体電解質の低インダクタンスの効果が
明確となっているものである。
【0026】(表2)は本発明の実施の形態2と比較例
1,2により得られた固体電解コンデンサのそれぞれに
ついて基本的な電気性能(静電容量、損失角の正接、漏
れ電流)を測定した結果を示したものであり、また図7
はそれらのインピーダンスの周波数特性を示したもので
ある。
1,2により得られた固体電解コンデンサのそれぞれに
ついて基本的な電気性能(静電容量、損失角の正接、漏
れ電流)を測定した結果を示したものであり、また図7
はそれらのインピーダンスの周波数特性を示したもので
ある。
【0027】
【表2】
【0028】(表2)から明らかなように、本発明の実
施の形態2は比較例1と比べて基本的な電気性能におい
て優れており、また硝酸マンガン水溶液に電極体を浸漬
し、250℃で熱分解を1回行う場合における硝酸マン
ガン水溶液の濃度は、30重量%より低い濃度とした場
合に、比較例2と比べて基本的な電気性能において全く
遜色がないことがわかる。
施の形態2は比較例1と比べて基本的な電気性能におい
て優れており、また硝酸マンガン水溶液に電極体を浸漬
し、250℃で熱分解を1回行う場合における硝酸マン
ガン水溶液の濃度は、30重量%より低い濃度とした場
合に、比較例2と比べて基本的な電気性能において全く
遜色がないことがわかる。
【0029】また図7から明らかなように、本発明の実
施の形態2における(20)(25)(30)は比較例
1,2に比べて導電性高分子固体電解質の低インダクタ
ンスの効果が明確となっているものである。
施の形態2における(20)(25)(30)は比較例
1,2に比べて導電性高分子固体電解質の低インダクタ
ンスの効果が明確となっているものである。
【0030】(表3)は本発明の実施の形態3と比較例
1,2により得られた固体電解コンデンサのそれぞれに
ついて基本的な電気性能(静電容量、損失角の正接、漏
れ電流)を測定した結果を示したものであり、また図8
はそれらのインピーダンスの周波数特性を示したもので
ある。
1,2により得られた固体電解コンデンサのそれぞれに
ついて基本的な電気性能(静電容量、損失角の正接、漏
れ電流)を測定した結果を示したものであり、また図8
はそれらのインピーダンスの周波数特性を示したもので
ある。
【0031】
【表3】
【0032】(表3)から明らかなように、本発明の実
施の形態3は比較例1と比べて基本的な電気性能におい
て優れており、また濃度が25重量%の硝酸マンガン水
溶液に電極体を浸漬し、250℃で熱分解を1回行う場
合において硝酸マンガン水溶液に添加される低発泡性の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン界面
活性剤の添加量は、1重量%以下の場合に、比較例2と
比べて基本的な電気性能において全く遜色がないことが
わかる。
施の形態3は比較例1と比べて基本的な電気性能におい
て優れており、また濃度が25重量%の硝酸マンガン水
溶液に電極体を浸漬し、250℃で熱分解を1回行う場
合において硝酸マンガン水溶液に添加される低発泡性の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン界面
活性剤の添加量は、1重量%以下の場合に、比較例2と
比べて基本的な電気性能において全く遜色がないことが
わかる。
【0033】また図8から明らかなように、本発明の実
施の形態3における(0.01)(0.05)(0.
1)(0.5)(1)は比較例1,2に比べて導電性高
分子固体電解質の低インダクタンスの効果が明確となっ
ているものである。
施の形態3における(0.01)(0.05)(0.
1)(0.5)(1)は比較例1,2に比べて導電性高
分子固体電解質の低インダクタンスの効果が明確となっ
ているものである。
【0034】そしてまた導電性プレコート層としての金
属酸化物半導体層が、結晶粒子が集積した凹凸部による
アンカー効果により導電性高分子電解質層と密着性に優
れた良好な接続界面を形成することは、焼結電極体表面
および破断面の走査形電子顕微鏡(SEM)により観察
された。
属酸化物半導体層が、結晶粒子が集積した凹凸部による
アンカー効果により導電性高分子電解質層と密着性に優
れた良好な接続界面を形成することは、焼結電極体表面
および破断面の走査形電子顕微鏡(SEM)により観察
された。
【0035】さらに本発明の実施の形態3において確認
できたように、低い濃度の金属酸化物半導体層形成用の
溶液(硝酸マンガン水溶液)に対して添加される低発泡
性の非イオン界面活性剤はかなり微量であってもその効
果は顕著であるが、非イオン界面活性剤が高濃度になる
と、液安定性、残存による影響などが逆に懸念されるた
め、支障のない限り、非イオン界面活性剤の添加量は微
量に抑制すべきである。
できたように、低い濃度の金属酸化物半導体層形成用の
溶液(硝酸マンガン水溶液)に対して添加される低発泡
性の非イオン界面活性剤はかなり微量であってもその効
果は顕著であるが、非イオン界面活性剤が高濃度になる
と、液安定性、残存による影響などが逆に懸念されるた
め、支障のない限り、非イオン界面活性剤の添加量は微
量に抑制すべきである。
【0036】なお、上記本発明の実施の形態1において
は、電極体21として、タンタル粉末を加圧成形、真空
焼結したものを用いたが、これに限定されるものではな
く、多孔質弁金属で電極体を構成したものであれば、い
かなるものでも用いることができるものである。
は、電極体21として、タンタル粉末を加圧成形、真空
焼結したものを用いたが、これに限定されるものではな
く、多孔質弁金属で電極体を構成したものであれば、い
かなるものでも用いることができるものである。
【0037】また電極体21が浸漬される溶液として
は、本発明の実施の形態1においては、複素環式化合物
およびその誘導体であるピロールモノマーと界面活性剤
よりなるものを用いたが、複素環式化合物およびその誘
導体、ベンゼン、ナフタレンおよびその誘導体などの溶
解を高める溶媒を単一または混合した溶液を用いてもよ
いものである。
は、本発明の実施の形態1においては、複素環式化合物
およびその誘導体であるピロールモノマーと界面活性剤
よりなるものを用いたが、複素環式化合物およびその誘
導体、ベンゼン、ナフタレンおよびその誘導体などの溶
解を高める溶媒を単一または混合した溶液を用いてもよ
いものである。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明の固体電解コンデン
サの製造方法は、多孔質弁金属よりなる電極体の表面に
誘電体酸化皮膜を形成し、次いで、30重量%より低い
濃度の金属酸化物半導体層形成用の溶液に前記電極体を
浸漬することにより誘電体酸化皮膜上に導電性プレコー
ト層としての金属酸化物半導体層を形成するという形成
処理を多くとも2回以内施し、その後、複素環式化合物
およびその誘導体を含む溶液に前記電極体を浸漬する工
程と、複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より
高い電極電位を有する酸化剤、ドーパントを含む溶液に
前記電極体を浸漬する工程を複数回交互に繰り返して化
学酸化重合により導電性高分子電解質層を形成するよう
にしたもので、この製造方法によれば、誘電体酸化皮膜
上に固体電解質である導電性高分子電解質層を化学酸化
重合により形成するに先立って、表面に誘電体酸化皮膜
を形成した電極体を30重量%より低い濃度の金属酸化
物半導体形成用の溶液に浸漬することにより誘電体酸化
皮膜上に導電性プレコート層としての金属酸化物半導体
層を形成するという形成処理を多くとも2回以内施し
て、誘電体酸化皮膜上に導電性プレコート層としての金
属酸化物半導体層を形成するようにしたものであって、
この金属酸化物半導体層はミクロ的に見れば細かな結晶
粒子が集積したものであるが、マクロ的には多孔質弁金
属よりなる電極体の表面に形成された誘電体酸化皮膜に
対し、均一、かつ緻密で、密着性に優れた接続界面を形
成することになるため、続いて複素環式化合物およびそ
の誘導体を含む溶液に電極体を浸漬する工程と、複素環
式化合物およびその誘導体より高い電極電位を有する酸
化剤、ドーパントを含む溶液に電極体を浸漬する工程を
複数回交互に繰り返して化学酸化重合を行った場合、複
素環式化合物およびその誘導体は、金属酸化物半導体層
を構成する細かな結晶粒子が集積した凹凸部によって移
動が阻止されることになり、これにより、複素環式化合
物およびその誘導体は極めて速やかに電極体の表面に形
成された誘電体酸化皮膜上に導電性高分子電解質層を形
成することができるものである。
サの製造方法は、多孔質弁金属よりなる電極体の表面に
誘電体酸化皮膜を形成し、次いで、30重量%より低い
濃度の金属酸化物半導体層形成用の溶液に前記電極体を
浸漬することにより誘電体酸化皮膜上に導電性プレコー
ト層としての金属酸化物半導体層を形成するという形成
処理を多くとも2回以内施し、その後、複素環式化合物
およびその誘導体を含む溶液に前記電極体を浸漬する工
程と、複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より
高い電極電位を有する酸化剤、ドーパントを含む溶液に
前記電極体を浸漬する工程を複数回交互に繰り返して化
学酸化重合により導電性高分子電解質層を形成するよう
にしたもので、この製造方法によれば、誘電体酸化皮膜
上に固体電解質である導電性高分子電解質層を化学酸化
重合により形成するに先立って、表面に誘電体酸化皮膜
を形成した電極体を30重量%より低い濃度の金属酸化
物半導体形成用の溶液に浸漬することにより誘電体酸化
皮膜上に導電性プレコート層としての金属酸化物半導体
層を形成するという形成処理を多くとも2回以内施し
て、誘電体酸化皮膜上に導電性プレコート層としての金
属酸化物半導体層を形成するようにしたものであって、
この金属酸化物半導体層はミクロ的に見れば細かな結晶
粒子が集積したものであるが、マクロ的には多孔質弁金
属よりなる電極体の表面に形成された誘電体酸化皮膜に
対し、均一、かつ緻密で、密着性に優れた接続界面を形
成することになるため、続いて複素環式化合物およびそ
の誘導体を含む溶液に電極体を浸漬する工程と、複素環
式化合物およびその誘導体より高い電極電位を有する酸
化剤、ドーパントを含む溶液に電極体を浸漬する工程を
複数回交互に繰り返して化学酸化重合を行った場合、複
素環式化合物およびその誘導体は、金属酸化物半導体層
を構成する細かな結晶粒子が集積した凹凸部によって移
動が阻止されることになり、これにより、複素環式化合
物およびその誘導体は極めて速やかに電極体の表面に形
成された誘電体酸化皮膜上に導電性高分子電解質層を形
成することができるものである。
【0039】このように導電性プレコート層としての金
属酸化物半導体層は、その細かな結晶粒子が集積した凹
凸部によるアンカー効果により、導電性高分子電解質層
と密着性に優れた良好な接続界面を形成するため、これ
により得られる固体電解コンデンサは極めて安定した低
レジスタンスの電気特性を有するものである。
属酸化物半導体層は、その細かな結晶粒子が集積した凹
凸部によるアンカー効果により、導電性高分子電解質層
と密着性に優れた良好な接続界面を形成するため、これ
により得られる固体電解コンデンサは極めて安定した低
レジスタンスの電気特性を有するものである。
【図1】本発明の固体電解コンデンサを示す模式断面図
【図2】図1のA部の拡大断面図
【図3】本発明の実施の形態1,2,3における固体電
解コンデンサを示す破断斜視図
解コンデンサを示す破断斜視図
【図4】比較例1における固体電解コンデンサを示す破
断斜視図
断斜視図
【図5】比較例2における固体電解コンデンサを示す破
断斜視図
断斜視図
【図6】本発明の実施の形態1と比較例1,2により得
られた固体電解コンデンサのインピーダンスと測定周波
数との関係を示す特性図
られた固体電解コンデンサのインピーダンスと測定周波
数との関係を示す特性図
【図7】本発明の実施の形態2と比較例1,2により得
られた固体電解コンデンサのインピーダンスと測定周波
数との関係を示す特性図
られた固体電解コンデンサのインピーダンスと測定周波
数との関係を示す特性図
【図8】本発明の実施の形態3と比較例1,2により得
られた固体電解コンデンサのインピーダンスと測定周波
数との関係を示す特性図
られた固体電解コンデンサのインピーダンスと測定周波
数との関係を示す特性図
【図9】(a)従来の固体電解コンデンサにおける陽極
体からなるコンデンサ素子の破断斜視図 (b)従来の固体電解コンデンサにおける陽極箔または
陽極板からなるコンデンサ素子の破断斜視図
体からなるコンデンサ素子の破断斜視図 (b)従来の固体電解コンデンサにおける陽極箔または
陽極板からなるコンデンサ素子の破断斜視図
11,21, 電極体 12,22 誘電体酸化皮膜 13,23 金属酸化物半導体層 14,24 導電性高分子電解質層
Claims (2)
- 【請求項1】 多孔質弁金属よりなる電極体の表面に誘
電体酸化皮膜を形成し、次いで、30重量%より低い濃
度の金属酸化物半導体層形成用の溶液に前記電極体を浸
漬することにより誘電体酸化皮膜上に導電性プレコート
層としての金属酸化物半導体層を形成するという形成処
理を多くとも2回以内施し、その後、複素環式化合物お
よびその誘導体を含む溶液に前記電極体を浸漬する工程
と、複素環式化合物およびその誘導体の酸化電位より高
い電極電位を有する酸化剤、ドーパントを含む溶液に前
記電極体を浸漬する工程を複数回交互に繰り返して化学
酸化重合により導電性高分子電解質層を形成するように
した固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項2】 30重量%より低い濃度の金属酸化物半
導体層形成用の溶液に1重量%以下の非イオン界面活性
剤を添加した請求項1記載の固体電解コンデンサの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1960096A JPH09213575A (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1960096A JPH09213575A (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09213575A true JPH09213575A (ja) | 1997-08-15 |
Family
ID=12003719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1960096A Pending JPH09213575A (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09213575A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1644947A2 (en) * | 2003-07-10 | 2006-04-12 | Showa Denko K.K. | Jig for producing capacitor, production method for capacitor and capacitor |
EP1665301A1 (en) * | 2003-09-26 | 2006-06-07 | Showa Denko K.K. | Production method of a capacitor |
JP2008205190A (ja) * | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Nichicon Corp | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
-
1996
- 1996-02-06 JP JP1960096A patent/JPH09213575A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1644947A2 (en) * | 2003-07-10 | 2006-04-12 | Showa Denko K.K. | Jig for producing capacitor, production method for capacitor and capacitor |
EP1644947A4 (en) * | 2003-07-10 | 2007-08-22 | Showa Denko Kk | CAPACITOR PRODUCTION JIG, PRODUCTION METHOD AND CORRESPONDING CAPACITOR |
US7819928B2 (en) | 2003-07-10 | 2010-10-26 | Showa Denko K.K. | Jig for producing capacitor, production method for capacitor and capacitor |
EP1665301A1 (en) * | 2003-09-26 | 2006-06-07 | Showa Denko K.K. | Production method of a capacitor |
EP1665301A4 (en) * | 2003-09-26 | 2009-06-24 | Showa Denko Kk | METHOD OF MANUFACTURING A CONDENSER |
US8349683B2 (en) | 2003-09-26 | 2013-01-08 | Showa Denko K.K. | Production method of a capacitor |
JP2008205190A (ja) * | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Nichicon Corp | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
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