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JPH09188969A - 芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および芳香族ポリアミド繊維用油剤 - Google Patents

芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および芳香族ポリアミド繊維用油剤

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Publication number
JPH09188969A
JPH09188969A JP35278795A JP35278795A JPH09188969A JP H09188969 A JPH09188969 A JP H09188969A JP 35278795 A JP35278795 A JP 35278795A JP 35278795 A JP35278795 A JP 35278795A JP H09188969 A JPH09188969 A JP H09188969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic polyamide
alkali metal
weight
saturated alcohol
fiber
Prior art date
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Granted
Application number
JP35278795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3757340B2 (ja
Inventor
Takeji Komai
武治 古米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Du Pont Toray Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Du Pont Toray Co Ltd filed Critical Du Pont Toray Co Ltd
Priority to JP35278795A priority Critical patent/JP3757340B2/ja
Publication of JPH09188969A publication Critical patent/JPH09188969A/ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】芳香族ポリアミド繊維の紡績工程における繊維
脱落を防止する。 【解決手段】炭素原子数18〜20の飽和アルコール燐
酸エステルのアルカリ金属塩が繊維表面に0.01〜
1.5重量%付着されている芳香族ポリアミド繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は芳香族ポリアミド
繊維、芳香族ポリアミド繊維用油剤および芳香族ポリア
ミド繊維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミ
ン成分から構成される芳香族ポリアミド繊維は高強度、
高弾性率、高耐熱性などの優れた性質を有しており、産
業用途や衣料用途に用いられている。
【0003】特に繊維に捲縮をかけて一定長に切断した
短繊維(ステープルファイバー)は高強度、高耐熱性を
必要とする特殊衣料用途に多数用いられている。
【0004】たとえば安全手袋、防護衣料、消防服、工
業用耐熱フエルト等が実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、芳香族
ポリアミドはその分子構造に起因する性質から高分子鎖
が配列しているため、繊維軸方向には高い強度を示す
が、ミクロフィブリルが発生しやすいことが知られてい
る。
【0006】特に芳香族ポリアミドの短繊維からなる紡
績糸を製造するには、捲縮をかけたトウを所定長さにカ
ットし、混打綿、カード工程を経て、粗紡、精紡を行な
う必要がある。
【0007】ところが、芳香族ポリアミド繊維はローラ
ー等と擦過すると、元来フィブリル化しやすい繊維構造
であるため、多数のフィブリル化が生じ、種々の工程で
かなりの量の繊維脱落が発生する。
【0008】この脱落物は油剤と共に、特に精紡機のロ
ーラーに付着し、度々、除去作業を行なわなければなら
ないという問題があった。
【0009】そして、この付着物は油剤と共にローラー
表面にフィルム状になって固化するため、簡単には除去
できないという操業上のトラブルとなっていた。
【0010】このような不具合を改善するためには、繊
維に付与する油剤の改良が考えられるが、芳香族ポリア
ミド短繊維の精紡工程の繊維脱落を防止する適切な油剤
は見出されていないのが現状である。
【0011】
【課題を解決しようとする手段】本発明は上述の従来の
欠点を解決するため、次の手段をとるものである。
【0012】即ち、本発明は、炭素原子数18〜20の
飽和アルコール燐酸エステルのアルカリ金属塩が繊維表
面に0.01〜1.5重量%付着されていることを特徴
とする芳香族ポリアミド繊維であり、また、かかる芳香
族ポリアミド繊維を作るための油剤としての、炭素原子
数18〜20の飽和アルコール燐酸エステルのアルカリ
金属塩を含んでなることを特徴とする芳香族ポリアミド
繊維用油剤であり、また、かかる繊維を製造する方法と
しての、炭素原子数18〜20の飽和アルコール燐酸エ
ステルのアルカリ金属塩を含んでなる油剤で芳香族ポリ
アミドを処理することを特徴とする芳香族ポリアミドの
製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における芳香族ポリアミド
とは一般的に下記構造式で表わされるものが代表的であ
る。
【0014】A.パラ系アラミド
【化1】
【化2】 B.メタ系アラミド
【化3】 上記構造式(I)、(II)、(III)のホモポリマ
ー、(I)/(II)、(I)/(III)、(II)
/(III)、(I)/(II)/(III)の共重合
体も好ましく用いられる。
【0015】これらの芳香族ポリアミドは通常、溶媒に
溶解させ、紡糸口金から溶液を気体および/又は液体中
に吐出させ、その後、凝固浴へ導入することにより繊維
を得ることができる。
【0016】本発明における炭素原子数18〜20の飽
和アルコール燐酸エステルのアルカリ金属塩のアルコー
ルは、C18〜20の飽和アルコールであり、直鎖アルコー
ルが好ましく、一般に常温で固体であるが中でもステア
リルアルコールが好ましい。アルカリ金属はNa、K、
Liを挙げることができるが中でもKが好ましい。燐酸
エステルとはモノエステルおよびジエステルの総称であ
り、モノエステルの場合にはアルコールが1個、ジエス
テルの場合にはアルコールが2個ついていることにな
る。
【0017】本発明においてはこの炭素原子数18〜2
0の飽和アルコール燐酸エステルのアルカリ金属塩が芳
香族ポリアミド繊維表面に0.01〜1.5重量%付着
している必要があり、好ましくは0.1〜0.5重量%
である。
【0018】芳香族ポリアミド繊維としては捲縮を有す
る短繊維が好ましく、ステープルの長さは2〜150m
mが好ましい。
【0019】このような繊維を得るには芳香族ポリアミ
ド繊維にC18〜20の飽和アルコール燐酸エステルのアル
カリ金属塩を所定量付着させればよく、付着させる手段
は特に限定されないが、たとえば前記化合物の水溶液ま
たは水分散液を走行する繊維に噴霧する方法、浴中を走
行させる方法、給油ロール又はガイドに接触させる方
法、等を採用することができる。
【0020】このような芳香族ポリアミド繊維の処理剤
(以下油剤と称する)としては前記化合物のみでよい
が、更に制電剤、更に消泡剤を併用して油剤組成物とす
ることが好ましい。
【0021】ここで好ましい制電剤としては片末端にC
12〜20のアルキルエーテル基を有し、他の末端に燐酸ア
ルカリ金属塩のエステル基を有するポリ(アルキレンオ
キシド)化合物が挙げられ、アルキレン基の炭素数は2
〜3が好ましく、アルキレンオキシドのアルキレンはエ
チレン、プロピレンまたはエチレン/プロピレン(共重
合)が好ましい。
【0022】また、更に消泡剤としてシリコーンを併用
することも好ましい。
【0023】これらの油剤組成としては前記化合物が5
0〜90重量%、制電剤が10〜50重量%、これら1
00重量部に対して消泡剤0.01〜1.0重量部が好
ましい。そしてこれらの油剤組成物を繊維に付着させる
ための液濃度は付着方法によって異なるため、適宜決定
されるべきであるが、水溶液またはエマルジョンが好ま
しい。
【0024】
【実施例】以下実施例を示す。実施例中の数字は特にこ
とわらない限り、重量部を表わす。実施例1〜3、比較
例1〜3 単糸デニール1.5d(トータルデニール1500
のポリパラフェニレンテレフタラミドフィラメントをク
リールに200本仕掛け、これを引揃えてトータル30
万デニールのトウを形成した。このトウを浴槽中を通過
させて、原糸油剤を0.5%以下になるまで洗い落し、
引続いて約80℃のスチーム槽を通過させた。
【0025】その後、クリンパーで捲縮をかけるが、そ
の前後で表1に示す条件でステープル油剤を付与した。
【0026】ステープル油剤が付着した捲縮トウは乾燥
器を通して水分0.5%まで乾燥し、その後、カッター
で51mmにカットした後、製品としてベールに梱包
し、紡績工程に供した。
【0027】結果を表1にまとめて示した。
【0028】
【表1】 表1から次のことがわかる。
【0029】従来の油剤C12P−K塩に比べC18P−K
塩を主体とする油剤を用いたものはカード通過性が良
く、撚糸数を下げることができ、精紡工程の脱落もな
い。
【0030】また、POE・C12P−K塩を併用するこ
とにより、静電気の発生が抑制される。
【0031】比較例3はC18P−K塩を10重量%弱混
入しているが、全油剤の繊維への付着量が0.1重量%
であり、C18P−K塩の付着量は0.01重量%未満で
あるため、脱落が発生している。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば芳香族ポリアミド繊維の
フィブリル化を抑制し、紡績工程の繊維の脱落が防止さ
れる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素原子数18〜20の飽和アルコール
    燐酸エステルのアルカリ金属塩が繊維表面に0.01〜
    1.5重量%付着されていることを特徴とする芳香族ポ
    リアミド繊維。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミド繊維が捲縮を有する短
    繊維である請求項1記載の芳香族ポリアミド繊維。
  3. 【請求項3】 さらにポリ(アルキレンオキシド)系制
    電剤が0.01〜0.5重量%付着されている請求項1
    記載の芳香族ポリアミド繊維。
  4. 【請求項4】 ポリ(アルキレンオキシド)系制電剤
    が、片末端に炭素原子数12〜20のアルキルエーテル
    基を有し、他の末端に燐酸アルカリ金属塩のエステル基
    を有するポリ(アルキレンオキシド)化合物である請求
    項3記載の芳香族ポリアミド繊維。
  5. 【請求項5】 炭素原子数18〜20の飽和アルコール
    燐酸エステルのアルカリ金属塩を含んでなることを特徴
    とする芳香族ポリアミド繊維用油剤。
  6. 【請求項6】 炭素原子数18〜20の飽和アルコール
    燐酸エステルのアルカリ金属塩100重量部に対して、
    ポリ(アルキレンオキシド)系制電剤30〜100重量
    部を配合した組成物を含んでなることを特徴とする芳香
    族ポリアミド繊維用油剤。
  7. 【請求項7】 さらにシリコーン0.01〜1重量部を
    配合したことを特徴とする請求項6記載の芳香族ポリア
    ミド繊維用油剤。
  8. 【請求項8】 炭素原子数18〜20の飽和アルコール
    燐酸エステルのアルカリ金属塩を含んでなる油剤で芳香
    族ポリアミドを処理することを特徴とする芳香族ポリア
    ミドの製造方法。
  9. 【請求項9】 炭素原子数18〜20の飽和アルコール
    燐酸エステルのアルカリ金属塩100重量部に対して、
    ポリ(アルキレンオキシド)系制電剤30〜100重量
    部を配合した組成物を含んでなる油剤で芳香族ポリアミ
    ドを処理することを特徴とする芳香族ポリアミドの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 組成物がさらにシリコーン0.01〜
    1重量部を含んでいることを特徴とする請求項9記載の
    芳香族ポリアミドの製造方法。
JP35278795A 1995-12-29 1995-12-29 芳香族ポリアミド繊維用油剤、及び紡績用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法 Expired - Lifetime JP3757340B2 (ja)

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