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JPH09186183A - 半導体封止用金型装置及びこの金型装置を用いた半導体封止装置並びに半導体装置の封装樹脂成形方法 - Google Patents

半導体封止用金型装置及びこの金型装置を用いた半導体封止装置並びに半導体装置の封装樹脂成形方法

Info

Publication number
JPH09186183A
JPH09186183A JP35261195A JP35261195A JPH09186183A JP H09186183 A JPH09186183 A JP H09186183A JP 35261195 A JP35261195 A JP 35261195A JP 35261195 A JP35261195 A JP 35261195A JP H09186183 A JPH09186183 A JP H09186183A
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JP
Japan
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mold
semiconductor
mold member
lead frame
resin
Prior art date
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Granted
Application number
JP35261195A
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English (en)
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JP3572772B2 (ja
Inventor
Fujio Kobayashi
富士雄 小林
Masakazu Tawara
政和 田原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP35261195A priority Critical patent/JP3572772B2/ja
Publication of JPH09186183A publication Critical patent/JPH09186183A/ja
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化された半導体封止用金型装置によって
バリの発生が抑制されたリードフレーム組立体を効率良
く成形する。 【解決手段】 同一面内にカル部17とランナー部18
とが形成されたリードフレーム10に実装された半導体
チップ2を封装する封装樹脂5をアウトサート成形して
リードフレーム組立体7を金型装置20によって成形す
る。金型装置20は、下金型部材21と上金型部材22
を有し、材料樹脂8をキャビティ23へと供給する材料
樹脂供給機構29と成形されたリードフレーム組立体7
をイジェクトするイジェクト機構32と、下金型部材2
1と上金型部材22とを型締め状態に自己保持する型締
め機構部36とが設けられる。この金型装置20は、成
形装置9内で、成形工程毎に間欠的に巡回搬送される。
成形装置9には、材料樹脂供給機構及びイジェクト機構
の駆動機構81、98と、金型装置20の加熱機構8
0、87、90とが設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体チップが実
装配線された半導体装置用リードフレームに対して上記
半導体チップを封装する封装樹脂をアウトサート成形す
る半導体封止用金型装置及びこの半導体封止用金型装置
を用いた半導体封止装置並びに半導体装置の封装樹脂成
形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置1は、一般に、図1に示すよ
うに、所定の回路等が集積形成された半導体チップ2が
導電性金属薄板上に実装されるとともに、この金属薄板
に形成したリード端子群3と電気的に接続された状態で
エポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂を材料とした封装樹
脂5によって封装されて構成されている。リード端子群
3は、一端部が半導体チップ2の外周部に延在されると
ともに、他端部が封装樹脂5から突出露呈されて接続端
子片4を構成している。半導体装置1には、封装樹脂5
の表面に実装位置等を表示する位置決め指標6や図示し
ない仕様表示等が設けられている。なお、これら位置決
め指標6や仕様表示等は、例えば封装樹脂5のインサー
ト成形時に、半導体封止用金型装置によって形成され
る。
【0003】上述した半導体装置1の製造には、図42
に示した導電性金属薄板を素材として帯状に形成された
リードフレーム200が用いられる。このリードフレー
ム200は、生産効率の向上を図るために、いわゆる多
数個取りの構成が採用されており、それぞれ半導体チッ
プ2が実装位置される複数のチップ実装部201が長手
方向に所定の間隔を以って設けられる。チップ実装部2
01には、例えばその中央部に半導体チップ2を収納位
置させる開口部が開設されるとともに、一端部がこの開
口部の周辺部に延在する多数のリード端子部202がそ
れぞれの領域に形成されている。
【0004】また、リードフレーム200には、幅方向
の両側縁に沿って搬送ガイド部203が形成されてい
る。この搬送ガイド部203は、一定の間隔を以って開
設された多数個のパーホレーション204A、204B
によって構成されている。したがって、リードフレーム
200は、この搬送ガイド部203により位置決めされ
た状態で図示しない搬送手段によって搬送され、半導体
チップ2の実装工程と、半導体チップ2とリード端子群
3とのワイヤボンディング法等による配線工程と、半導
体封止用金型装置を用いて半導体チップ2を熱硬化性合
成樹脂によって封装する樹脂封装工程或いは外周リード
部の切断等の工程等が施されて半導体装置1を連続して
製造する。
【0005】半導体装置1の製造は、一般に生産効率を
図るために上述したリードフレーム200の多数個取り
の構成とともに、一対の第1のリードフレーム200A
と第2のリードフレーム200Bとが互いに平行状態と
されて搬送手段によって上述した工程を同時に搬送され
る。なお、図39は、樹脂封装工程の概略構成図を示
し、第1のリードフレーム200Aと第2のリードフレ
ーム200Bとに跨がって配設される半導体封止用金型
装置については図示が省略されている。半導体封止用金
型装置は、互いに接離動作される上下一対の金型部材か
ら構成され、その対向面間に第1のリードフレーム20
0Aと第2のリードフレーム200Bとを通過させると
ともに材料樹脂が充填硬化して実装された半導体チップ
2を封装する封装樹脂5をアウトサート成形するキャビ
ティがそれぞれ構成されている。
【0006】また、半導体封止用金型装置は、第1のリ
ードフレーム200Aと第2のリードフレーム200B
との間に位置して、下金型部材側に材料樹脂供給部が配
設されている。材料樹脂供給部は、加熱手段が付設され
るとともに底面部に押出し部材が移動自在に配設されて
いる。この材料樹脂供給部には、例えばタブレット状と
されたエポキシ樹脂等の材料樹脂が装填される。
【0007】半導体封止用金型装置は、加熱手段によっ
て、材料樹脂供給部207やランナー部及びキャビティ
の各部位が材料樹脂211の溶融温度である175°C
程度に温調されている。材料樹脂211は、材料樹脂供
給部207内において加圧、加熱されることにより粘度
の低い溶融状態とされる。
【0008】半導体封止用金型装置には、材料樹脂供給
部207から第1のリードフレーム200Aと第2のリ
ードフレーム200Bに達するランナー部が設けられ、
さらにこのランナー部とキャビテイとの間に位置してゲ
ート部が設けられている。半導体封止用金型装置は、チ
ップ実装部201にそれぞれ半導体チップ2が実装され
た第1のリードフレーム200Aと第2のリードフレー
ム200Bとが搬送されると、下金型部材に対して上金
型部材が移動動作して型締め動作が行われる。半導体封
止用金型装置は、この型締め状態で押出し部材が動作さ
れて、材料樹脂供給部207から溶融状態の材料樹脂2
11を各ランナー部へと押し出す。材料樹脂211は、
このランナー部からゲート部を介してそれぞれキャビテ
ィ内へと充填される。
【0009】半導体封止用金型装置は、上金型部材と下
金型部材とを型締め状態に保持して所定の時間加熱する
ことによって材料樹脂211を硬化させた後、下金型部
材に対して上金型部材が移動動作されて型開き動作が行
われる。これによって、リードフレーム200には、半
導体チップ2の外周部を封装する封装樹脂5がアウトサ
ート成形される。半導体封止用金型装置には、搬送手段
によってリードフレーム200の次の領域が搬送位置さ
れ、上述した封装樹脂5のアウトサート成形が行われ
る。
【0010】以下、この封装樹脂5のアウトサート成形
が順次行われて、リードフレーム200上に実装された
複数個の半導体チップ2の封装樹脂5による封装工程が
終了する。なお、封装樹脂5は、リードフレーム200
に形成されたリード端子部202の先端部近傍までを封
装している。
【0011】リードフレーム200は、実装された半導
体チップ2に対する封装樹脂5による封装工程が終了す
ると、搬送手段によって外周リード部の切断工程へと搬
送される。この外周リード部の切断は、例えば外形打抜
き金型を用いて行われる。外形打抜き金型は、リード端
子部の先端部を残してリードフレーム200の他の外周
部分を切断除去して図1に示した上述した半導体装置1
を完成させる。
【0012】この切断工程においては、図42に示した
封装樹脂5とランナー樹脂部208との間に存在するゲ
ート樹脂部209の切断も行われる。このゲート樹脂部
209は、リードフレーム200の下方部にリード端子
部の領域中に位置して存在する。ゲート樹脂部209
は、半導体装置1に大きく突出した状態で残されている
場合、この半導体装置1を回路基板等に実装する際に大
きな障害となるため、精密に切断されなければならな
い。したがって、従来の半導体製造方法によれば、専用
のゲート切断機が用いて、このゲート樹脂部209をリ
ードフレーム200から切断していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のリード
フレーム200に対する封装樹脂5のアウトサート成形
法においては、種々の部位に材料樹脂211のバリが発
生する。材料樹脂211のバリは、図42に示すよう
に、材料樹脂供給部207の開口端部の周囲に発生する
装填部バリ212、材料樹脂供給部207から導かれる
ランナー部がリードフレーム200を横断する部位に発
生する横断部バリ213或いはリード端子部202の周
辺に発生する端子部バリ214等に大別される。
【0014】装填部バリ212は、材料樹脂供給部20
7を構成する上金型部材と下金型部材との型合せ面にお
いて材料樹脂211がはみ出して硬化することにより発
生する。この装填部バリ212は、インサート成形後の
エアー処理やブラッシング処理によって除去することが
可能である。
【0015】装填部バリ212は、上述したように次の
切断工程においてリードフレーム200のリード部分が
切断除去されることから、半導体装置1への影響は無
い。しかしながら、この装填部バリ212は、半導体装
置1が自動機によって製造される場合に、次工程への搬
送等に際してリードフレーム200の引掛り、位置決め
不良等の原因となり好ましくない。また、この装填部バ
リ212は、不安定な状態で付着することから、搬送途
中で脱落し、可動機構部等の動作に支障を与えるといっ
た問題を生じさせる。
【0016】横断部バリ213は、リードフレーム20
0の外側に配置された材料樹脂供給部207からランナ
ー部を介して半導体封止用金型装置のキャビティに導か
れる材料樹脂211がリードフレーム200の側端部に
おいてはみ出して硬化することにより発生する。すなわ
ち、リードフレーム200は、そのパーホレーション2
04にガイドピンが相対係合されることによって、下金
型金型のリードフレーム装着部に位置決めされた状態で
装着される。
【0017】リードフレーム200は、パーホレーショ
ン204の中心と側端部との間隔寸法及びパーホレーシ
ョン204の内径寸法とが所定の公差を以って規定され
ている。例えば、この公差は、それぞれ±0.05mm
とされている。また、リードフレーム200は、パーホ
レーション204に対してガイドピンがスムーズに相対
係合されるために、適当なクリアランスが設定されてい
る。例えば、クリアランスは、0.01mmに設定され
ている。
【0018】リードフレーム200と下金型部材とは、
上述した条件とともに各部の加工誤差或いは組立誤差も
考慮して、パーホレーション204とガイドピンとが係
合可能とされて位置決めされるように構成される。ま
た、リードフレーム200と下金型部材とは、リードフ
レーム200の熱膨張による寸法変化を考慮して、パー
ホレーション204とガイドピンとが係合可能とされて
位置決めされるように構成される。
【0019】このため、リードフレーム200と下金型
部材には、側端部とリードフレーム装着壁との間に間隙
221が構成されることになる。この間隙は、その寸法
が最大で0.12mmにも達する。
【0020】下金型部材は、上述したようにリードフレ
ーム200の装着部に対して外方に位置して材料樹脂供
給部107が配置された構成であることから、この材料
樹脂供給部207からランナー部がリードフレーム20
0を横切ってキャビティへと導かれている。したがっ
て、材料樹脂供給部207から押し出された材料樹脂2
11は、ランナー部において、間隙からはみ出して硬化
することにより横断部バリ213を発生させる。
【0021】この横断部バリ213は、上述した装填部
バリ212と同様に、次の切断工程においてリードフレ
ーム200のリード部分が切断除去されることから、半
導体装置1への影響は無い。しかしながら、この横断部
バリ213は、半導体装置1が自動機によって製造され
る場合に、次工程への搬送に際してリードフレーム20
0の引掛り、位置決め不良等の原因となり好ましくな
い。また、横断部バリ213は、リードフレーム200
に不安定な状態で付着することから、搬送途中で脱落
し、可動機構部等の動作に支障を与えるといった問題を
生じさせる。
【0022】端子部バリ214は、チップ実装部201
に実装された半導体チップ2を封装する封装樹脂5のキ
ャビティを構成する上金型部材と下金型部材との型合せ
面から、チップ実装部201の周囲に打抜き形成された
リード端子部に沿ってはみ出した材料樹脂211が硬化
することによって発生する。この端子部バリ214は、
各リード端子間に跨がった薄膜状を呈するバリであり、
リードフレーム200内に発生するため、上述した装填
部バリ212や横断部バリ213のように搬送時等に際
しての影響は少ない。
【0023】すなわち、リードフレーム200は、上述
した金属薄板を材料として一般に精密プレスによって打
抜き形成される。このリードフレーム200には、プレ
ス加工の特性から剪断端面にダレ部とカエリ部とが発生
し、精密な均一面として構成することが困難である。ま
た、リードフレーム200は、いわゆるスプリングバッ
ク現象によって全体として湾曲した状態となる。
【0024】したがって、従来の半導体封止用金型装置
においては、上述したダレ部とカエリ部とが発生するリ
ードフレーム200の両端部を上金型部材と下金型部材
とによって強く押し付けることにより端子部バリ214
の発生を防止するように構成されていた。この上金型部
材と下金型部材との型締め力は、ランナー部が横切るリ
ードフレーム200の一端部からゲート部に対応する部
位と、封装樹脂5が充填されるキャビティの外周部と、
封装樹脂5の位置決め部に対応する部位及びリードフレ
ーム200の他端部において、型締め力が大となるよう
に構成されていた。このように、従来の半導体封止用金
型装置においては、各部において型締め力を異にするこ
とから構造が複雑となるとともにその型締め力の調整が
極めて面倒であった。
【0025】また、樹脂封止装置は、型締め状態でキャ
ビティの外周部に隙間が形成されないように、下金型部
材に設けた材料樹脂供給部207の開口部と上金型部材
の主面との間に、微小な間隔が保持される。リードフレ
ーム200は、その厚み寸法の公差を±0.01mmで
形成されている。したがって、この間隔は、0.01m
m〜0.02mmに設定されることになる。
【0026】このように半導体封止用金型装置は、材料
樹脂供給部207における型締め力が実質的に小ならし
められることによってキャビティにおける十分な型締め
力が確保され、このキャビティの外周部における端子部
バリ214の発生が抑制されることになる。換言すれ
ば、半導体封止用金型装置においては、端子部バリ21
4を抑制する構成を採用することによって、材料樹脂供
給部207の開口部に上述した装填部バリ212が必然
的に発生することになる。
【0027】このように、従来のリードフレーム200
に対する封装樹脂5のアウトサート成形法においては、
このリードフレーム200及び半導体封止用金型装置の
構成上、種々の部位に材料樹脂211のバリ、すなわ
ち、装填部バリ212、横断部バリ213或いは端子部
バリ214等が必然的に発生し、これらのバリが搬送等
に際してリードフレーム200の引掛り現象や脱落によ
る可動部等への障害といった問題を生じさせていた。
【0028】また、従来のリードフレーム200に対す
る封装樹脂5のアウトサート成形法によれば、半導体封
止用金型装置がその各部を高精度に仕上げることによっ
て型締め力を部分的に調整するように構成されるため、
この半導体封止用金型装置の製造コストが極めて大とな
るといった問題点があった。さらに、半導体封止装置
は、半導体封止用金型装置に対して大きな型締め力を作
用させることから、大型かつ高価となるといった問題が
あった。
【0029】さらにまた、従来のリードフレーム200
に対する封装樹脂5のアウトサート成形法においては、
リード端子部202の先端部を残してリードフレーム2
00の他の外周部分を切断除去するリード外形打抜き金
型と、ゲート樹脂部209を切断する専用のゲート切断
機とが必要とされ、設備全体が大型化するとともに工程
も多いといった問題点があった。しかも、ゲート樹脂部
209は、封装樹脂5の周面にゲート痕を突出させた状
態で切断されることから、このゲート痕がリード外形打
抜き金型を破損させるといった問題を生じさせる虞れも
あった。
【0030】さらにまた、従来のリードフレーム200
に対する封装樹脂5のアウトサート成形法においては、
リードフレーム200の外方に位置して材料樹脂供給部
207が設けられるとともにランナー部224を介して
材料樹脂211をキャビティ205A、206Aへと引
き込むことから、材料樹脂211の量も多く必要となり
かつキャビティ205A、206A内への充填時間も長
くなることから成形サイクルが長くなるといった問題点
があった。
【0031】また、従来のリードフレーム200に対す
る封装樹脂5のアウトサート成形法においては、半導体
チップ2や半導体装置1自体の仕様に伴って外形形状等
が異にされることから、その都度半導体封止用金型装置
の交換、コンベア等の搬送手段の位置調整、或いはリー
ドフレーム200の供給機構の交換等の段取りに多くの
時間が必要とされ生産性が悪くなるといった問題があっ
た。さらに、半導体封止用金型装置は、高温であるとと
もに極めて重いため、交換等の取扱い作業が面倒である
ばかりでなく危険でもあるといった問題があった。
【0032】したがって、本発明は、半導体チップを実
装したリードフレームに封装樹脂をアウトサート成形し
てリードフレーム組立体を成形する半導体封止用成形金
型装置において、材料樹脂のバリが各部に発生すること
を抑制して工程全体の合理化を図るとともに、小型化か
つコスト低減、材料樹脂の少量化を達成した半導体封止
用金型装置を提供することを目的に提案されたものであ
る。
【0033】また、本発明は、合理化された工程と、小
型化、コストダウン或いは材料樹脂の少量化が図られた
半導体封止用金型装置を各工程に対応して巡回搬送させ
ることによって、効率良く半導体装置を生産するように
した半導体封止装置を提供することを目的に提案された
ものである。
【0034】さらに、本発明は、小型化、コストダウン
或いは材料樹脂の少量化が図られた樹脂封止装置を用い
て、合理化された工程によって半導体装置を生産性良く
製造するようにした半導体装置の封装樹脂成形方法を提
供することを目的に提案されたものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】この目的を達成した本発
明に係る半導体封止用金型装置は、半導体チップを実装
したリードフレームが装填されるとともにこのリードフ
レームに半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサー
ト成形されてリードフレーム組立体を成形する封装樹脂
のキャビティを構成する第1のキャビティが形成された
第1の金型部材と、この第1の金型部材に対して接離自
在に対向配置されるとともに上記第1のキャビティと協
動して封装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビテ
ィが形成された第2の金型部材とによって構成される。
半導体封止用金型装置は、熱硬化性合成樹脂からなる材
料樹脂が装填される材料樹脂装填部と、この材料樹脂装
填部に装填されて溶融状態とされた材料樹脂を上記キャ
ビティ内へと供給する押出手段とを備えた材料樹脂供給
機構と、半導体チップが封装樹脂によって封装されたリ
ードフレーム組立体をキャビティから突き出して離型す
るイジェクトピンを有するイジェクト機構とが第1の金
型部材内に設けられて構成される。半導体封止用金型装
置は、第1の金型部材と第2の金型部材に、型締め状態
を自己保持する型締保持機構が設けられて構成される。
【0036】以上のように構成された本発明に係る半導
体封止用金型装置によれば、第1の金型部材と第2の金
型部材とが型開き状態において、材料樹脂装填部に材料
樹脂が装填されるとともにその内部で溶融状態とされ、
かつ第1の金型部材に半導体チップを実装したリードフ
レームが位置決めされた状態で装着される。半導体封止
用金型装置は、第1の金型部材と第2の金型部材とが型
締め動作されるとともに型締保持機構によってその型締
め状態が自己保持され、材料樹脂供給機構が動作されて
押出手段により材料樹脂装填部から溶融状態の材料樹脂
がキャビティ内へと押し出される。
【0037】半導体封止用金型装置は、キャビティ内に
充填された材料樹脂が硬化するまで型締保持機構による
型締め状態が自己保持されるとともに、型締保持機構の
解除によって第1の金型部材と第2の金型部材とが型開
き動作されるとイジェクト機構が駆動されてイジェクト
ピンにより半導体チップを封装する封装樹脂をアウトサ
ート成形したリードフレーム組立体を第1の金型部材か
ら突き出す。
【0038】半導体封止用金型装置は、材料樹脂が装填
される材料樹脂供給部に対応してカル部が内部に設けら
れたリードフレームに、半導体チップを封装する封装樹
脂をアウトサート成形してリードフレーム組立体を製造
することから、材料樹脂供給部とキャビティ間を連結す
るランナー部にリードフレームの横断部位を構成せずか
つその短縮化を図る。したがって、半導体封止用金型装
置は、ランナー部のリードフレーム横断部に発生するバ
リを生じさずその処理のための後工程を不要とさせかつ
外周部の切断とゲート切断とを同一工程によって行うこ
とを可能として工程の合理化を達成し、さらに不要な材
料樹脂を削減する。
【0039】半導体封止用金型装置は、半導体チップを
実装した1個のリードフレームが供給されることによっ
て、半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成
形された1個のリードフレーム組立体を成形する。した
がって、半導体封止用金型装置は、小型化されて取り扱
いが極めて簡便となり、また型締保持機構による型締め
状態の自己保持を利用した搬送が可能となることから、
搬送機構によって複数個を巡回搬送させてリードフレー
ム組立体の連続製造が実現される。
【0040】また、本発明に係る半導体封止用金型装置
を用いた半導体封止装置は、半導体チップを実装したリ
ードフレームが装填されるとともにこのリードフレーム
に半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成形
されてリードフレーム組立体を成形する上記封装樹脂の
キャビティを構成する第1のキャビティが形成された第
1の金型部材と、この第1の金型部材に対して接離自在
に対向配置されるとともに第1のキャビティと協動して
封装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形
成された第2の金型部材とからなり、第1の金型部材内
には熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される材
料樹脂装填部及びこの材料樹脂装填部に装填されて溶融
状態とされた材料樹脂を上記キャビティ内へと供給する
押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、半導体チップ
が封装樹脂によって封装されたリードフレーム組立体を
キャビティから突き出して離型するイジェクトピンを有
するイジェクト機構とが備えられかつ上記第1の金型部
材と第2の金型部材とに型締め状態を自己保持する型締
保持機構が設けられた半導体封止用金型装置が用いられ
る。半導体封止装置は、半導体封止用金型装置を封装樹
脂のアウトサート成形工程毎に間欠的に巡回搬送する搬
送機構と、半導体封止用金型装置の材料樹脂供給機構の
押出手段を駆動してキャビティ内へ材料樹脂を充填させ
る材料樹脂供給駆動機構と、リードフレーム組立体に対
して封装樹脂のアウトサート成形が行われて第1の金型
部材と第2の金型部材とが型開き動作した状態で、イジ
ェクト機構を駆動してリードフレーム組立体を第1の金
型部材からイジェクトさせるイジェクト駆動機構とを備
えて構成される。
【0041】また、半導体封止装置は、上下方向に離間
して互いに対向配設された第1の搬送ガイドフレームと
第2の搬送ガイドフレームとを備え、これら第1の搬送
ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームとの間に構
成される第1の搬送空間部が第1の金型部材と第2の金
型部材とが型締め状態で搬送機構によって搬送される型
締め搬送空間部を構成し、第1の搬送ガイドフレームの
下方部に構成される第2の搬送空間部が型開き状態の第
1の金型部材を上記搬送機構によって搬送する第1の型
開き搬送空間部を構成し、第2の搬送ガイドフレームの
上方部に構成される第3の搬送空間部が型開き状態の上
記第2の金型部材を上記搬送機構によって搬送する他方
の型開き搬送空間部を構成する。第1の搬送ガイドフレ
ームと第2の搬送ガイドフレームには、第1の金型部材
と第2の金型部材とを加熱する加熱手段が備えられる。
【0042】以上のように構成された本発明に係る半導
体封止用金型装置を用いた半導体封止装置によれば、半
導体封止用金型装置の材料樹脂供給機構及びイジェクト
機構とを駆動する材料樹脂供給駆動機構及びイジェクト
駆動機構を備えることにより、上記半導体封止用金型装
置の小型化を達成し、その交換等の取り扱いを簡便かつ
安全に行うことを可能とする。
【0043】半導体封止装置は、型締保持機構によって
型締め状態が自己保持される半導体封止用金型装置を各
工程毎に間欠的に巡回搬送することから、リードフレー
ム組立体の連続生産を行い、生産性の向上を達成する。
また、半導体封止装置は、半導体封止用金型装置を搬送
する過程で、第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガ
イドフレームに設けた加熱手段によって第1の金型部材
と第2の金型部材とを加熱保持することから、加熱工程
が不要とされ、リードフレーム組立体の製造時間を短縮
する。
【0044】さらに、本発明に係る半導体封止用金型装
置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法は、半導体チ
ップを実装したリードフレームが装填されるとともにこ
のリードフレームに半導体チップを封装する封装樹脂が
アウトサート成形されてリードフレーム組立体を成形す
る上記封装樹脂のキャビティを構成する第1のキャビテ
ィが形成された第1の金型部材と、この第1の金型部材
に対して接離自在に対向配置されるとともに上記第1の
キャビティと協動して封装樹脂のキャビティを構成する
第2のキャビティが形成された第2の金型部材とからな
り、第1の金型部材内には熱硬化性合成樹脂からなる材
料樹脂が装填される材料樹脂装填部及びこの材料樹脂装
填部に装填されて溶融状態とされた材料樹脂をキャビテ
ィ内へと供給する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構
と、半導体チップが封装樹脂によって封装されたリード
フレーム組立体をキャビティから突き出して離型するイ
ジェクトピンを有するイジェクト機構とが備えられかつ
第1の金型部材と第2の金型部材とに型締め状態を自己
保持する型締保持機構が設けられた半導体封止用金型装
置が用いられる。半導体装置の封装樹脂成形方法は、少
なくとも、半導体封止用金型装置が型開きされた状態に
おいて第1の金型部材の上記材料樹脂装填部に材料樹脂
を装填する樹脂装填工程と、半導体封止用金型装置が型
開きされた状態において半導体チップを実装したリード
フレームを第1の金型部材に装着するリードフレーム装
着工程と、半導体封止用金型装置を型締めしかつ型締保
持機構によってその型締め状態を保持するとともに、材
料樹脂供給機構によってキャビティ内に材料樹脂を充填
する樹脂充填工程と、締保持機構による半導体封止用金
型装置の型締め状態を保持する型締め保持工程と、半導
体封止用金型装置を型開きしてリードフレームに対して
封装樹脂のアウトサート成形が行われたリードフレーム
組立体を第1の金型部材から突き出すイジェクト工程と
からなる。
【0045】上記半導体封止用金型装置は、上記各工程
毎に巡回駆動してリードフレームに対する封装樹脂のア
ウトサート成形を行うことから半導体装置を連続して効
率良く製造する。
【0046】本発明に係る半導体封止用金型装置を用い
た半導体装置の封装樹脂成形方法においては、半導体封
止用金型装置に1個のリードフレームが装着され、この
リードフレームに対して上記各工程を介して半導体チッ
プを封装する封装樹脂のアウトサート成形が行われて1
個のリードフレーム組立体が製造される。
【0047】また、本発明に係る半導体封止用金型装置
を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法においては、上
下方向に離間して互いに対向配設された第1の搬送ガイ
ドフレームと第2の搬送ガイドフレームとによって、型
締め状態の上記第1の金型部材と第2の金型部材とが搬
送される中央部の型締め搬送空間部と、型開き状態の第
1の金型部材が搬送される上方部の第1の型開き搬送空
間部及び第2の金型部材が搬送される下方部の第2の搬
送空間部とを構成し、型締め搬送空間部の搬送工程中に
リードフレームに対して半導体チップを封装する封装樹
脂のアウトサート成形を行い、型開きされた第1の金型
部材と第2の金型部材とを、第1の型開き搬送空間部と
第2の型開き搬送空間部を経由して型締め搬送空間部の
初期位置へと巡回搬送することによって、連続成形を行
う。
【0048】半導体封止用金型装置を用いた半導体装置
の封装樹脂成形方法においては、半導体封止用金型装置
を各工程にしたがって搬送機構によって搬送する過程
で、第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレ
ームに設けた加熱手段によって第1の金型部材と第2の
金型部材とを加熱保持することから、加熱工程が不要と
され、製造時間を短縮してリードフレーム組立体を製造
する。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照して詳細に説明する。半導体装置
1は、ニッケルと鉄との合金からなる導電性の金属薄板
を素材として形成されたリードフレーム10を用いて図
4に示した各製造工程を経て製造される。すなわち、第
1のリードフレーム製造工程においては、金属薄板に精
密プレス加工を施こすことにより詳細を後述するリード
フレーム10が形成される。勿論、リードフレーム10
は、精密プレス加工による他、エッチング加工等によっ
ても形成される。第2の半導体チップ実装工程において
は、第1の工程によって形成されたリードフレーム10
に対して、所定の回路等が集積形成された半導体チップ
2が実装される。
【0050】第3のワイヤボンディング工程において
は、自動配線装置等によって、リードフレーム10に形
成された多数個のリード端子片3と実装された半導体チ
ップ2の接続端子とがそれぞれワイヤを介して電気的に
接続される。第4の樹脂モールド工程においては、複数
個の半導体封止金型装置20を巡回搬送する半導体封止
装置9が用いられる。
【0051】リードフレーム10は、半導体封止装置9
を巡回搬送される半導体封止金型装置20にそれぞれ供
給され、この半導体封止金型装置20によって半導体チ
ップ2の外周部を封装する封装樹脂5がアウトサート成
形されて図3に示すリードフレーム組立体7が形成され
る。リードフレーム組立体7は、第5のリードフレーム
切断工程において、レーザカッタ等の切断装置によって
外周部分が切断除去されることにより、図1に示した半
導体装置1を製造する。
【0052】以上の製造工程を経て製造された半導体装
置1は、図1に示すように、全体がエポキシ樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の熱硬化性合
成樹脂を材料とした封装樹脂5によって封装されるとと
もに、この封装樹脂5の外周部にリード端子片3の一端
部によって構成される多数個の接続端子片4が突出露呈
されている。なお、半導体装置1には、封装樹脂5の表
面に回路基板等に対して実装する際の位置決め指標6や
図示しない仕様表示等が設けられている。封装樹脂5
は、後述するように半導体封止金型装置20によって材
料樹脂8がリードフレーム10にアウトサート成形され
ることにより構成される。
【0053】第1のリードフレーム製造工程によって形
成されるリードフレーム10は、図2に示すように全体
が略正方形を呈しており、後述するように半導体封止金
型装置20に各1枚が供給されることによって1個のリ
ードフレーム組立体7を形成する。このリードフレーム
10は、略中央部に半導体チップ2の外形寸法よりもや
や大とされた開口寸法を有するチップ実装開口部11が
開設されるとともに、その四方の領域にそれぞれ多数個
のリード端子片3が放射状に打ち抜き形成されている。
これらリード端子片3は、互いに微小な間隔が保持され
ており、それぞれその一端部がチップ実装開口部11に
臨まされるとともに他端部が外方へと延長されている。
【0054】また、これらリード端子片3は、チップ実
装開口部11に臨む一端部が半導体チップ2との接続部
を構成するとともに、他端部が半導体装置1を実装する
回路基板等との接続端子部4を構成する。これらリード
端子片3は、他端部がブリッジ部12を介して一体に連
結されており、第5のリードフレーム切断工程において
ブリッジ部12から外周部分が切断除去される際に、互
いに分離されて接続端子部4を形成する。
【0055】リードフレーム10は、図2において鎖線
で示すように、接続端子部4の先端部を残した内周領域
が、後述するように半導体封止金型装置20によって材
料樹脂8が充填されて封装樹脂5をアウトサート成形す
るための樹脂充填領域部13を構成している。また、リ
ードフレーム10には、各リード端子片3を精密に打ち
抜き形成するために、図2に示すように、ブリッジ部1
2の外方に位置して各リード端子片3にそれぞれ対応す
る多数の矩形開口からなる端子形成ガイド部14が打抜
き形成されている。
【0056】さらに、リードフレーム10には、外周の
一方コーナ部に位置決め用の切欠き15が形成されると
ともに、この切欠き15を挟む2辺の最外周領域に位置
して位置決め穴16A乃至16Cがそれぞれ開設されて
いる。これら位置決め用切欠き15及び位置決め穴16
A乃至16Cは、このリードフレーム10を後述する半
導体封止金型装置20に装着する際の位置決め作用をな
す。第1の位置決め穴16Aは、丸穴として構成されて
いる。また、第2の位置決め穴16Bは、装着する際の
調整作用を奏するように楕円形の長穴として構成されて
いる。第3の位置決め穴16Cは、他方の辺側に端子形
成ガイド部14と平行な矩形開口部の一端部に連設され
た長穴によって構成されている。これら位置決め穴16
A乃至16Cは、上述した半導体封止金型装置20内に
装着する際の位置決め作用ばかりでなく、リードフレー
ム10を工程間で搬送する際に搬送機構のガイドピン等
が相対係合する搬送ガイドとしても作用する。
【0057】リードフレーム10には、位置決め用切欠
き15の内側に位置してカル部17が開設されている。
カル部17は、後述するようにリードフレーム10が半
導体封止金型装置20に装着された際に、この半導体封
止金型装置20側に設けられた材料樹脂装填部28に対
応位置する環状の開口部として構成されている。カル部
17には、その一部にチップ実装開口部11へと連通す
る通路であるランナー部18が開設されている。ランナ
ー部18は、チップ実装開口部11に向かって次第にそ
の先端部が細く絞られることによって、ゲート部19が
構成される。
【0058】以上のように構成されたリードフレーム1
0には、第2の半導体チップ実装工程において、チップ
実装開口部11に半導体チップ2が実装位置される。リ
ードフレーム10は、第3のワイヤボンディング工程に
おいて、その各リード端子片3と半導体チップ2の各端
子との間がワイヤ等によって電気的接続が行われる。し
かる後、リードフレーム10は、第4の封装樹脂アウト
サート成形工程を行うために半導体封止金型装置20へ
と供給される。
【0059】半導体封止金型装置20は、図5に示すよ
うに、下金型部材21と上金型部材22とから構成され
る。これら下金型部材21と上金型部材22とは、互い
に接離自在とされるとともに、突き合わされた状態にお
いて相対する主面に封装樹脂5が充填されるキャビティ
23を構成する。半導体封止金型装置20は、詳細を後
述する半導体封止装置9によって巡回搬送されてリード
フレーム組立体7を1個ずつ連続して製造する。
【0060】下金型部材21は、図6に示すように、上
金型部材22との対向主面24が精密な平滑面とされ、
この主面24にリードフレーム10の外径寸法とほぼ等
しい外形を有するリードフレーム受け部25が一体に突
設されている。このリードフレーム受け部25には、封
装樹脂5が充填されるキャビティ23の下側部分を構成
するキャビティ凹部26が凹設されている。また。リー
ドフレーム受け部25には、リードフレーム10の位置
決め穴16にそれぞれ対応してキャビティ凹部26の外
周部に位置決めピン27が突設されている。
【0061】また、下金型部材21には、リードフレー
ム10のカル部17に対応して材料樹脂装填部28(ポ
ット)が設けられている。この材料樹脂装填部28は、
図7に示すように、全体が下金型部材21を貫通しかつ
上側部分28Aがやや太径とされるとともに中央部の細
径部28Bを介して下側部分28Cが再び太径とされた
段付きの円穴として構成されている。
【0062】また、材料樹脂装填部28には、内部に材
料樹脂押出部材30からなる材料樹脂供給機構29が配
設されている。材料樹脂押出部材30は、図7に示すよ
うに、通常シリンダ部30Aが上側太径部28Aの最下
部に位置することにより、材料樹脂装填部28に材料樹
脂8の充填空間を構成している。材料樹脂装填部28に
は、その上側太径部28Aにタブレット状の材料樹脂8
が装填される。
【0063】材料樹脂8は、後述するこの半導体封止金
型装置20が備えられる半導体封止装置9の加熱機構8
0、87、90によって下金型部材21と上金型部材2
2とがそれぞれ加熱されることにより、材料樹脂装填部
28の内部で溶融される。材料樹脂8は、この溶融状態
で、材料樹脂充填工程に際して、半導体封止装置9の樹
脂供給駆動機構81によって材料樹脂押出部材30が図
8に示すように押し上げ動作されることにより、材料樹
脂装填部28からキャビティ23内へと押し出される。
【0064】下金型部材21には、図6に示すように、
キャビティ凹部26に位置して、一対のイジェクト穴3
1が設けられている。これらイジェクト穴31は、図7
に示すように、全体が下金型部材21を貫通しており、
中央部と下方部とにそれぞれ太径部31A、31Bが形
成されている。イジェクト穴31には、その内部にイジ
ェクト機構32が配設されている。イジェクト機構32
は、イジェクトピン33と、イジェクトスプリング34
とから構成されている。
【0065】イジェクトピン33は、一端部がイジェク
ト穴31の細径部とほぼ等しい外径を有するとともに他
端部に中央太径部31Aとほぼ同形のフランジ部33A
が一体に張り出し形成されている。イジェクトスプリン
グ34、イジェクト穴31の中央太径部31Aとイジェ
クトピン33のフランジ部33Aとの間にやや圧縮され
た状態で組み付けられている。したがって、イジェクト
ピン33は、イジェクトスプリング34の弾性力によ
り、図7に示すように通常その先端面がキャビティ凹部
26と同一面を構成する位置に押し下げられている。
【0066】イジェクトピン33は、後述するイジェク
ト工程に際して、半導体封止装置9のイジェクト駆動機
構98によって図9に示すように押し上げ動作されるこ
とにより、下金型部材21に添着されたリードフレーム
組立体7を外方へとイジェクトする。
【0067】また、下金型部材21には、図6に示すよ
うに、主面24の各辺の外周縁部に位置してそれぞれ位
置決め用凹部35が凹設されている。これら位置決め用
凹部35は、後述するように下金型部材21と上金型部
材22とが型締めされる際に上金型部材22に形成され
た位置決め用凸部47が相対係合することにより、両部
材が正確に型締めされるようにする。
【0068】さらに、下金型部材21には、図6に示す
ように、上金型部材22との型締め状態を自己保持する
型締め保持機構を構成する左右一対のトグル型締め機構
36が相対する2側面に付設されている。これら型締め
保持機構は、下金型部材21側に設けられたトグル型締
め機構36と、上金型部材22側に設けられた後述する
係合ピン48とによって構成される。トグル型締め機構
36は、下金型部材21の相対する2側面にそれぞれ配
設され、一端部を支軸37A、37Bに回動自在に支持
された第1リンクレバー38A、38Bと、これら第1
リンクレバー38A、38Bの自由端に回動自在に支持
された第2リンクレバー39A、39Bと、これら第2
リンクレバー39A、39Bの自由端を連結する連結部
材40とから構成される。
【0069】第1リンクレバー38A、38Bには、図
6に示すように、その外側縁に円弧状のガイド凸部41
A、41Bを介して係合凹部42A、42Bがそれぞれ
形成されている。連結部材40は、後述する半導体封止
装置9の前部トグル型締め駆動機構92によって高さ方
向に押圧動作されるとともに後部トグル型締め駆動機構
94により引上げ動作される作動部を構成する。したが
って、トグル型締め機構36は、連結部材40が押圧動
作されると、第2リンクレバー39A、39Bがそれぞ
れ外側へと揺動動作し、これら第2リンクレバー39
A、39Bと連動して第1リンクレバー38A、38B
も支軸37A、37Bを支点としてそれぞれ外側へと揺
動動作する。
【0070】トグル型締め機構36は、この状態におい
て、図13に示すように連結部材40が中立点を越えて
下側に位置して全体としてすぼまった状態を呈し、下金
型部材21に対して上金型部材22を型締め状態に保持
する。トグル型締め機構36は、後述するように連結部
材40を復帰動作させるまでこの下金型部材21と上金
型部材22との型締め状態を自己保持する。
【0071】なお、以上のように構成された下金型部材
21は、後述する半導体封止装置9によって、各工程毎
に間欠的に巡回搬送される。下金型部材21は、材料樹
脂装填部28及びイジェクト穴31の一端部がそれぞれ
開口されたその底面部43が搬送面とされる。また、下
金型部材21は、詳細を後述するが、半導体封止装置9
の第1加熱機構80及び第2加熱機構87によって底面
部43から約175°Cに加熱温調されるとともに、樹
脂供給駆動機構82及びイジェクト駆動機構98の作用
面を構成する。
【0072】下金型部材21は、第1加熱機構80及び
第2加熱機構87によって加熱されることにより、材料
樹脂装填部28に装填した材料樹脂8を加熱溶融すると
ともに、装着されたリードフレーム10を加熱する。し
たがって、材料樹脂8は、後述するキャビティ23内へ
の充填工程に際して、安定した状態でこのキャビティ2
3内へと供給される。
【0073】上金型部材22は、図10及び図11に示
すように、下金型部材21との対向面44が精密な平滑
面とされて成形面として構成されるとともにその外形寸
法がリードフレーム10の外形寸法よりもやや大とされ
て形成されている。上金型部材22には、図11に示す
ように、その主面44に封装樹脂5が充填されるキャビ
ティ23の上側部分を構成するキャビティ凹部45が凹
設されている。また、上金型部材22には、リードフレ
ーム10の位置決め穴16及び下金型部材21の位置決
めピン27に対応して位置決め凹部46がそれぞれ設け
られている。
【0074】下金型部材21には、図10及び図11に
示すように、上述した下金型部材21の各位置決め用凹
部35にそれぞれ対応する主面44の各辺の外周縁部に
高さ方向に突出する位置決め用凸部47が突設されてい
る。これら位置決め用凸部47は、上金型部材22が下
金型部材21と型締めされる際に、上金型部材22の位
置決め用凹部35に相対係合することにより両部材が正
確に型締めされるようにする。
【0075】さらに、上金型部材22には、図10及び
図11に示すように、上述した下金型部材21のトグル
型締め機構36に対応した相対する両側面に、左右方向
に離間して一対の係合ピン47A、47Bがそれぞれ突
設されている。これら係合ピン47A、47Bは、トグ
ル型締め機構36とともに下金型部材21と上金型部材
22との型締め状態を自己保持する型締め保持機構を構
成する。
【0076】すなわち、下金型部材21と上金型部材2
2とは、上述した位置決め用凹部35と位置決め用凸部
47とが相対係合して型締めされた状態において、トグ
ル型締め機構36の連結部材40が押圧動作されて全体
としてすぼまる方向に動作することにより、第1リンク
レバー38A、38Bのガイド凸部41A、41Bが上
金型部材22側の係合ピン47A、47Bに沿って移動
する。下金型部材21と上金型部材22とは、係合ピン
47A、47Bがそれぞれ係合凹部42A、42Bの底
部に達することにより、型締め状態が自己保持される。
【0077】上金型部材22には、図10及び図11に
示すように、相対する両側面に左右方向の搬送用係合溝
49が凹設されている。上金型部材22は、これら搬送
用係合溝49に後述する半導体封止装置9の上金型部材
搬送機構94が相対係合して各工程を巡回搬送される。
また、上金型部材22は、その上面部50が搬送面とさ
れるとともに、この上面部50から半導体封止装置9の
第2加熱機構87及び第3加熱機構90によって約17
5°Cに加熱温調される。
【0078】以上のように構成された半導体封止金型装
置20は、下金型部材21と上金型部材22とが互いに
離間した型開き状態において、材料樹脂装填部28内に
タブレット状の材料樹脂8が装填される。材料樹脂8
は、詳細を後述するが、下金型部材21が半導体封止装
置9の第1加熱機構80及び第2加熱機構87によって
約175°Cに温調されていることから、材料樹脂装填
部28内において加圧、加熱されることにより粘度の低
い溶融状態となる。
【0079】下金型部材21には、その主面24上に、
半導体チップ2を実装したリードフレーム10が装着さ
れる。リードフレーム10は、位置決めピン25に対し
て位置決め穴16を相対係合させることによって、その
樹脂充填領域部13がキャビティ凹部26に対応位置さ
れて位置決め装着される。リードフレーム10は、その
カル部17が下金型部材21の材料樹脂装填部28と対
応位置される。
【0080】しかる後、半導体封止金型装置20は、詳
細を後述するように半導体封止装置9の下金型部材駆動
機構82及び前部上金型部材駆動機構91によって下金
型部材21と上金型部材22とが図12に示すように互
いに接合されて低圧状態で型締め動作される。下金型部
材21と上金型部材22とは、相対する位置決め用凹部
35と位置決め用凸部47とが係合されることによって
互いに精密に組み合わされる。リードフレーム10は、
この下金型部材21と上金型部材22とが組み合わされ
た状態において、位置決め穴16を貫通した位置決めピ
ン25が位置決め凹部46と相対係合することにより、
上金型部材22に対しても位置決めされた状態となる。
【0081】したがって、リードフレーム10は、その
樹脂充填領域部13が上金型部材22のキャビティ凹部
45に対応位置され、全体として半導体封止金型装置2
0のキャビティ23に臨ませられる。また、リードフレ
ーム10は、下金型部材21と上金型部材22とが型締
めされた状態において、カル部17及びランナー部18
が下金型部材21と上金型部材22との間において、周
囲を密閉された空間部を構成する。
【0082】半導体封止金型装置20は、半導体封止装
置9の後述する第1加熱機構80、第2加熱機構87及
び第3加熱機構90とによって全体が材料樹脂8の融点
温度である約175°Cに温調されることによって、材
料樹脂装填部28に装填されたタブレット状の材料樹脂
8がその内部で溶融される。半導体封止金型装置20
は、図12に示した状態においては、半導体封止装置9
の下金型部材駆動機構82及び前部上金型駆動機構91
とによって下金型部材21と上金型部材22とが型締め
された状態にあるが、上述したようにキャビティ23の
内部圧力が低い、いわゆる低圧型締めの状態にある。
【0083】半導体封止金型装置20は、半導体封止装
置9の前部トグル型締め駆動機構92によって連結部材
40が押圧駆動されることによって、トグル型締め機構
36が全体としてすぼまった状態に駆動される。トグル
型締め機構36は、これにより第1リンクレバー38
A、38Bのガイド凸部41A、41Bが係合ピン47
A、47Bに沿って移動してこれら係合ピン47A、4
7Bと係合凹部42A、42Bとを相対係合させる。半
導体封止金型装置20は、これによって図13に示すよ
うに、下金型部材21と上金型部材22とがしっかりと
型締めされた状態となる。下金型部材21と上金型部材
22とは、係合凹部42A、42Bと係合ピン47A、
47Bとの係合状態が保持されることから、型締め状態
に自己保持される。
【0084】半導体封止金型装置20は、上述した型締
め状態において、半導体封止装置9の樹脂供給駆動機構
81によって材料樹脂供給機構29が動作されることに
より、材料樹脂装填部28の内部で溶融状態とされた材
料樹脂8が材料樹脂押出部材30により押し出される。
材料樹脂8は、図8に示すように、後述する半導体封止
装置9の材料樹脂供給駆動機構81によって材料樹脂押
出部材30が駆動されることにより材料樹脂装填部28
からカル部17を介してランナー部18へと押し出され
る。材料樹脂8は、ランナー部18からゲート部19を
介してキャビティ23内へと供給充填される。
【0085】リードフレーム10は、上述したように、
同一面内に下金型部材21の材料樹脂装填部28と相対
位置するカル部17及びランナー部18とが一体に形成
されていることにより、後述する材料樹脂8の充填工程
において途中で横断部を構成することなくゲート部19
を介して材料樹脂8をキャビティ23内へと供給するこ
とを可能とする。半導体封止金型装置20は、これによ
ってリードフレーム10に、半導体チップ2を封装する
封装樹脂5をアウトサート成形してリードフレーム組立
体7を成形する。
【0086】半導体封止金型装置20は、トグル型締め
機構36と係合ピン48とからなる型締め保持機構によ
って下金型部材21と上金型部材22とが型締め状態を
自己保持された状態で半導体封止装置9を巡回搬送され
る。キャビティ23内に充填された材料樹脂8は、この
搬送過程で、下金型部材21と上金型部材22とが半導
体封止装置9の各加熱機構80、87、90によって加
熱状態に保持されるとともに加圧状態に保持されること
から次第に硬化してリードフレーム10の樹脂充填領域
部13に対応する封装樹脂5をアウトサート成形する。
【0087】半導体封止金型装置20は、このようにし
てリードフレーム10に封装樹脂5をアウトサート成形
してリードフレーム組立体7を成形した後、半導体封止
装置9側の後述する後部トグル型締め駆動機構94によ
ってトグル型締め機構36の連結部材40が引上げ動作
されて初期状態へと復帰駆動される。半導体封止金型装
置20は、このトグル型締め機構36が初期位置に復帰
動作して係合凹部42A、42Bと係合ピン47A、4
7Bとの係合状態が解除されると、半導体封止装置9側
の後述する後部上金型部材駆動機構95により上金型部
材22が引上げ駆動されて、下金型部材21に対して離
間動作される型開き動作が行われる。
【0088】半導体封止金型装置20によって形成され
たリードフレーム組立体7は、この型開き動作に際し
て、図8に示すように、下金型部材21側に添着され
る。半導体封止金型装置20は、半導体封止装置9側の
後述するイジェクト駆動機構98によって、図9に示す
ように、イジェクトピン33がイジェクトスプリング3
4の弾性力に抗してキャビティ23内へと突出動作され
る。したがって、リードフレーム組立体7は、イジェク
トピン33により下金型部材21から突き出されて取出
し手段により下金型部材21から取り出される。
【0089】なお、リードフレーム組立体7には、樹脂
充填領域部13に封装樹脂5がアウトサート成形される
とともに、図3に示すようにリードフレーム10のカル
部17からランナー部18に充填された材料樹脂8がそ
のまま残留硬化している。このリードフレーム組立体7
は、次のリードフレーム切断工程へと供給され、例えば
レーザ切断機或いは打抜き金型によるプレス加工等によ
ってリード端子片3の先端部を残して外周部が切断除去
されて半導体装置1を完成させる。
【0090】上述したように、半導体封止金型装置20
は、リードフレーム10に封装樹脂5をアウトサート成
形してリードフレーム組立体7を成形することから、次
のような作用効果を奏する。すなわち、半導体封止金型
装置20は、下金型部材21に対してその位置決めピン
27に位置決め穴16を係合させてリードフレーム10
を位置決めして下金型部材21と上金型部材22との型
合わせ面内で直接保持することから、リードフレーム1
0に対して板厚、加工精度或いは熱膨張による寸法変化
を考慮した公差の設定を不要とさせるとともに、下金型
部材21に対して正確に位置決めされた状態で装着させ
る。
【0091】また、半導体封止金型装置20は、下金型
部材21と上金型部材22とによって、リードフレーム
10をその型合わせ面内で保持することから、このリー
ドフレーム10に対して均一な型締め力を作用させれば
よく、型締め力の調整等を不要としてその構造が簡易化
されるばかりでなく型締め機構等が簡易化され、全体の
小型化が図られる、リードフレーム組立体7は、上述し
たリードフレーム10の各部の寸法に対する大きな公差
を不要とさせ、下金型部材21と上金型部材22とが均
一な型締め力を以ってリードフレーム10を保持すると
いった半導体封止金型装置20の特徴により、カル部1
7の開口部の装填部バリや、樹脂充填領域部13の周辺
部の端子部バリが発生すること無く成形される。
【0092】また、半導体封止金型装置20は、封装樹
脂5に対応するキャビティ23と材料樹脂8が装填され
るカル部17とが近接配置されかつリードフレーム10
を横断するランナー部を有しない構成とされている。し
たがって、半導体封止金型装置20は、ランナー部18
を短縮化してこのランナー部18に残留する材料樹脂8
を削減するとともに横断部バリの発生が無いリードフレ
ーム組立体7を形成する。したがって、リードフレーム
組立体7は、バリの発生が殆ど無いため、搬送途中での
バリの脱落による搬送機構の障害、バリ取り工程の簡易
化が図られたものとなる。
【0093】さらに、半導体封止金型装置20は、上述
した特徴から、硬化時間の短い熱硬化型材料樹脂の使用
を可能とし、充填から硬化までの時間を大幅に短縮して
生産性の向上を達成させる。
【0094】上述した半導体封止金型装置20は、後述
するように半導体封止装置9に複数個が備えられ各工程
毎に巡回搬送されることによって、リードフレーム組立
体7を連続して製造するが、例えば独立した1組によっ
て構成されることにより簡易の半導体封止装置を構成し
てもよいことは勿論である。また、リードフレーム10
については、1枚で1個の半導体装置1を形成するが、
例えば中央部にカル部を形成するとともに、その周囲に
複数の半導体製造領域を一体に形成したものであっても
よい。
【0095】このリードフレームについては、詳細を省
略するが、金属薄板を素材として矩形に形成され、その
主面が例えば4つの半導体製造領域に区分されている。
これら半導体製造領域は、それぞれ1個の半導体装置1
を形成する個別の半導体製造領域を構成する。各半導体
製造領域は、上述したリードフレーム10と同様に、そ
れぞれその中央部に半導体チップ2が実装位置されるチ
ップ実装部が一体に形成されるとともに、これらチップ
実装部の周囲に多数個のリード端子片が打抜き形成され
ている。
【0096】また、リードフレームは、各半導体製造領
域が、その内周部にリード端子片の先端部を残して封装
樹脂5をアウトサート成形する樹脂充填領域部が構成さ
れ、これら樹脂充填領域部の中心部に位置して1つの材
料樹脂供給部が開設されて構成される。材料樹脂供給部
には、各半導体製造領域と連通するランナー部がそれぞ
れ設けられる。なお、これらランナー部は、各半導体製
造領域に向かって次第に幅寸法を小ならしめて先端部に
ゲート部がそれぞれ設けられる。
【0097】なお、半導体装置1については、上述した
半導体チップ2が矩形の封装樹脂5によって封装される
とともに外周部に多数個の接続端子片4が突設されたフ
ラットパッケージ型のものばかりでなく、接続端子片4
がリード穴に挿入されて回路基板に実装される半導体装
置であってもよい。
【0098】上述した半導体封止用金型装置20を用い
てリードフレーム組立体7を成形する半導体封止装置9
は、図14に示すように、半導体封止用金型装置20に
供給したリードフレーム10からリードフレーム組立体
7を成形する工程にしたがって、上述した半導体封止用
金型装置20をS−1ステーション乃至S−8ステーシ
ョンの8つのステーションに分解し、半導体封止用金型
装置20を間欠的に巡回搬送する。半導体封止装置9
は、S−1ステーション乃至S−8ステーションにおけ
る各タクトタイムが10秒に設定されている。半導体封
止装置9は、これらS−1ステーション乃至S−8ステ
ーションにおいて、後述するようにそれぞれ複数の成形
工程を処理する。
【0099】半導体封止装置9には、S−1ステーショ
ン乃至S−8ステーションに各1組の半導体封止用金型
装置20を配置することから、全体で8個の半導体封止
用金型装置20が備えられている。上述したように、半
導体封止用金型装置20は、1個のリードフレーム10
が装着されて1個のリードフレーム組立体7が製造され
る。したがって、半導体封止装置9は、10秒間に1個
のリードフレーム組立体7が連続して成形される。
【0100】ところで、従来のリードフレーム100を
用いる半導体封止装置においては、例えば84個取りの
半導体封止用金型装置が用いられ、80秒に16個(1
0秒で2個)のリードフレーム組立体7が成形される。
したがって、半導体封止装置9は、従来の半導体封止装
置と比較して時間当たりのリードフレーム組立体7の生
産性がやや悪くなる。しかしながら、半導体封止装置9
は、上述した小型で構造簡易かつ取扱いが簡便な半導体
封止用金型装置20を備えることにより、後述するよう
に装置全体が大幅に小型されるとともに廉価に構成され
ることから、限られたスペースに複数台を設置すること
も可能となるとともに段取り作業も簡単であることから
要員も多くを要しない。したがって、半導体封止装置9
は、これによって従来の半導体封止装置と比較して実質
的にリードフレーム組立体7の生産性を向上させること
が可能である。
【0101】半導体封止装置9は、図14に示すよう
に、第1ステーションS−1において、材料樹脂タブレ
ット8を下金型部材21の材料樹脂装填部28に装填す
る材料樹脂装填工程S−1−1と、半導体チップ2を実
装したリードフレーム10を下金型部材21に装着する
リードフレーム装着工程S−1−2と、下金型部材21
と上金型部材22とを互いに低圧状態で型締めする低圧
型締め工程S−1−3とを行う。
【0102】半導体封止金型装置20は、材料樹脂装填
工程S−1−1において、図15に示すように下金型部
材21と上金型部材22とが互いに離間した型開き状態
にあり、タブレット状の材料樹脂8が下金型部材21の
材料樹脂装填部28の内部に装填される。下金型部材2
1は、この状態において半導体封止装置9側に設けた各
加熱機構80、87、90によって予熱された状態にあ
る。
【0103】また、半導体封止金型装置20は、リード
フレーム装着工程S−1−2において、図16に示すよ
うに引き続き下金型部材21と上金型装置22とが互い
に離間した状態にあり、リードフレーム10が供給され
て下金型部材21に装填される。リードフレーム10
は、上述したようにその位置決め穴16と位置決めピン
27とが相対係合することによって、位置決めされた状
態で下金型部材21に装着される。半導体封止金型装置
20は、詳細を後述する第1加熱機構80及び第2加熱
機構87によって下金型部材21が予熱された状態にあ
ることから、リードフレーム10を加熱する。
【0104】さらに、半導体封止金型装置20は、低圧
型締め工程S−1−3において、図17に示すように半
導体封止装置9側の下金型部材駆動機構82及び前部上
金型部材駆動機構91とによってそれぞれ底面部43と
上面部50とが押圧されることにより、下金型部材21
と上金型部材22とが接近駆動されて型締めされる。下
金型部材21と上金型部材22とは、上述したように位
置決め用凹部35と位置決め用凸部47とが相対係合す
ることにより、互いに精密に組み合わされる。また、下
金型部材21と上金型部材22とは、その相対する主面
24、44間で装着されたリードフレーム10を挟み込
んで保持する。
【0105】半導体封止装置9は、第2ステーションS
−2において、下金型部材21と上金型部材22とを後
述する各加熱機構80、87、90によって予熱しなが
ら搬送するプリ加熱工程S−2−1と、下金型部材21
と上金型部材22とを型締め機構を介して所定の圧力に
よって型締め保持するとともにキャビティ23内へと材
料樹脂8を充填する型締め・樹脂充填工程S−2−2と
を行う。また、半導体封止装置9は、この型締め・樹脂
充填工程S−2−2において、材料樹脂駆動機構81が
動作して半導体封止金型装置20の材料樹脂供給機構2
9を駆動し、半導体封止用金型装置20の材料樹脂装填
部28からそのキャビティ23への材料樹脂8の充填を
行う。
【0106】半導体封止金型装置20は、プリ加熱工程
S−2−1において、図18に示すように下金型部材2
1と上金型部材22とが上述した低圧型締め状態のまま
搬送される。さらに、半導体封止金型装置20は、型締
め・樹脂充填工程S−2−2において、半導体封止装置
9の前部トグル型締め駆動機構92によってトグル型締
め機構36の連結部材40が押圧駆動されることによ
り、図19に示すように下金型部材21と上金型部材2
2とが型締め状態とされる。半導体封止金型装置20
は、上述したように、トグル型締め機構36の第1リン
クレバー38に設けた係合凹部42と上金型部材22に
設けた係合ピン48とが相対係合することによって、下
金型部材21と上金型部材22とが型締め状態を自己保
持する。半導体封止金型装置20は、この状態で材料供
給駆動機構81が駆動されて材料樹脂装填部28に装填
された材料樹脂8がキャビティ23内へと充填される。
【0107】半導体封止装置9は、第3ステーションS
−3において、下金型部材21と上金型部材22とを後
述する各加熱機構80、87、90によって加熱しなが
ら搬送することにより、充填された材料樹脂8をキャビ
ティ23内で硬化させる加熱搬送工程S−3−1を行
う。
【0108】半導体封止金型装置20は、加熱搬送工程
S−3−1において、図20に示すように型締め保持機
構を構成するトグル型締め機構36の第1リンクレバー
38の係合凹部42と係合ピン48とが互いに係合状態
を保持されることから、下金型部材21と上金型部材2
2との型締め状態が自己保持される。また、半導体封止
金型装置20は、半導体封止装置9の各加熱機構80、
87、90によって175°Cの温調状態が保持されて
搬送される。
【0109】半導体封止装置9は、第4ステーションS
−4においても、引き続き下金型部材21と上金型部材
22とを後述する各加熱機構80、87、90によって
後加熱しながら搬送する後加熱搬送工程S−4−1を行
う。
【0110】半導体封止金型装置20は、後加熱搬送工
程S−4−1において、図21に示すように引き続き型
締め保持機構によって下金型部材21と上金型部材22
との型締め状態が自己保持されて、半導体封止装置9の
各加熱機構80、87、90による後加熱が行われる。
【0111】半導体封止装置9は、第5ステーションS
−5においても、引き続き下金型部材21と上金型部材
22とを後述する各加熱機構80、87、90によって
後加熱しながら搬送する後加熱搬送工程S−5−1を行
う。
【0112】半導体封止金型装置20は、後加熱搬送工
程S−5−1において、図22に示すように引き続き型
締め保持機構によって下金型部材21と上金型部材22
との型締め状態が自己保持されて、半導体封止装置9の
各加熱機構80、87、90による後加熱が行われる。
キャビティ23内に充填された材料樹脂8は、上述した
S−3−1工程乃至S−5−1の工程において、半導体
封止金型装置20が加熱、加圧状態に保持されることか
ら、充分に硬化してリードフレーム10に封装樹脂5を
アウトサート成形する。
【0113】半導体封止装置9は、第6ステーションS
−6において、半導体封止金型装置20がその型締め保
持機構によって型締め状態を自己保持しながら搬送する
搬送工程S−6−1と、半導体封止金型装置20をその
型締め保持機構を駆動して型締め保持状態を解除する型
締め解除工程S−6−2と、半導体封止金型装置20を
型開き動作させる型開き工程S−6−3とを行う。
【0114】半導体封止金型装置20は、搬送工程S−
6−1において、図23に示すように下金型部材21と
上金型部材22とが引き続き型締め保持機構によって型
締め状態が自己保持されて搬送される。半導体封止金型
装置20は、型締め解除工程S−6−2において、図2
4に示すように半導体封止装置9の後部トグル型締め駆
動機構94によって型締め保持機構を構成するトグル型
締め機構36の連結部材40が引上げ動作されることに
より、第1リンクレバー38の係合凹部42と係合ピン
48との係合状態が解除される。
【0115】半導体封止金型装置20は、型開き工程S
−6−3において、上述したように半導体封止装置9の
後部上金型部材駆動機構95が動作されることによって
図25に示すように下金型部材21に対して上金型部材
22が離間駆動されることにより型開き動作が行われ
る。下金型部材21には、この状態で、リードフレーム
10に封装樹脂5がアウトサート成形されたリードフレ
ーム組立体7が添着される。
【0116】半導体封止装置9は、第7ステーションS
−7において、型開き動作された下金型部材21と上金
型部材22とが独立して搬送される搬送工程S−7−1
と、リードフレーム10に封装樹脂5がアウトサート成
形されたリードフレーム組立体7を下金型部材21から
イジェクトするイジェクト工程S−7−2と、イジェク
トされたリードフレーム組立体7を下金型部材21から
取り出す取出工程S−7−3とを行う。
【0117】半導体封止金型装置20は、搬送工程S−
7−1において、図26に示すようにリードフレーム組
立体7が添着された下金型部材21と上金型部材22と
が、下金型部材搬送機構83、上金型部材搬送機構94
とによってそれぞれ互いに独立して搬送される。半導体
封止金型装置20は、イジェクト工程S−7−2におい
て、図27に示すように半導体封止装置9のイジェクト
駆動機構98によってイジェクト機構32が駆動され
る。リードフレーム組立体7は、これによりイジェクト
ピン33によって下金型部材21から突き出される。半
導体封止金型装置20は、取出工程S−7−3におい
て、図28に示すように下金型部材21からイジェクト
されたリードフレーム組立体7が取り出される。
【0118】半導体封止装置9は、第8ステーションS
−8において、下金型部材21と上金型部材22とを独
立の経路によって初期位置へと回送する搬送工程S−8
−1と、半導体封止金型装置20の材料樹脂供給機構2
9及びイジェクト機構32を初期状態へと復帰させる復
帰工程S−8−2とを行う。
【0119】半導体封止金型装置20は、搬送工程S−
8−1において、図29に示すように下金型部材21か
らリードフレーム組立体7が取り出された状態で、この
下金型部材21と上金型部材22とが独立の搬送系で初
期位置へと復帰搬送される。また、半導体封止金型装置
20は、復帰工程S−8−2において、図30に示すよ
うにイジェクトスプリング34の弾性力によってイジェ
クト機構32のイジェクトピン33が初期位置へと復帰
し、また材料樹脂供給機構29の材料樹脂押出部材30
も初期位置へと復帰する。
【0120】なお、上述した半導体封止装置9の各工程
については、後述する各機構部の配置位置やその動作仕
様等によって適宜変更されることは勿論である。例え
ば、イ材料樹脂供給機構29及びジェクト機構32は、
復帰工程S−8−2において初期位置へと復帰動作され
るようにしたが、第1ステーションS−1の前段工程に
よって行うようにしてもよい。
【0121】上述したリードフレーム組立体7の成形工
程を行う半導体封止装置9は、図31及び図34に示す
ように、互いに平行に設置された第1搬送ガイドフレー
ム70と、第2搬送ガイドフレーム71及び第3搬送ガ
イドフレーム72とを備えている。これら第1搬送ガイ
ドフレーム70乃至第3搬送ガイドフレーム72は、詳
細を省略するがサイドフレーム73、84とによってそ
れぞれの対向間隔が保持されており、半導体封止金型装
置20が巡回搬送される互いに平行な水平方向の上下3
段の第1搬送空間部74乃至第3搬送空間部76を構成
する。
【0122】第1搬送空間部74は、第1搬送ガイドフ
レーム70上に構成される下側搬送空間部であり、具体
的には図32に示すように、下金型部材21が単独で同
図において右側から左側に向かって搬送される搬送空間
部を構成する。第1搬送空間部74には、後述するよう
に前方部と後方部とにそれぞれ上述した第1ステーショ
ンS−1に対応する第1ステーション部77と第7ステ
ーションS−7に対応する第7ステーション部78とが
構成されている。半導体封止装置9は、これら第1ステ
ーション部77と第7ステーション部78との間の第1
搬送空間部74において、第8ステーションS−8の下
金型部材21の搬送工程S−8−1を行う。
【0123】第2搬送空間部75は、第2搬送ガイドフ
レーム71と第3の搬送ガイドフレーム72との間に構
成される中央搬送空間部であり、具体的には図32に示
すように、型締めされて一体化された下金型部材21と
上金型部材22とが同図左側から右側に向かって搬送さ
れる搬送空間部を構成する。半導体封止装置9は、この
第2搬送空間部75において、上述した第2ステーショ
ンS−2乃至第6ステーションS−6の各工程を行う。
【0124】第3搬送空間部75は、第3の搬送ガイド
フレーム72の上側に構成される搬送空間部であり、具
体的には図32に示すように、上金型部材22が単独で
同図において右側から左側に向かって搬送される搬送空
間部を構成する。半導体封止装置9は、この第3搬送空
間部75において、第8ステーションS−8の上金型部
材22の搬送工程S−8−1を行う。
【0125】半導体封止装置9は、第1搬送空間部74
及び第2搬送空間部75において、下金型部材22を位
置決めした状態で載置する搬送台によって搬送する。搬
送台は、詳細を省略するが、後述する第1搬送ガイドフ
レーム70に設けた搬送ガイド溝79に相対係合されて
移動する。また、搬送台には、下金型部材22に進入す
る後述する各機構のガイド溝が設けられている。
【0126】また、半導体封止装置9は、第2搬送空間
部75及び第3搬送空間部76において、上金型部材2
2をホルダー88によって保持して搬送する。ホルダー
88は、上金型部材22の両側面に設けた搬送用係合溝
49に相対係合する一対の係合部を有しており、これら
係合部が側面方向に移動動作することによって上金型部
材22をチャッキング或いは開放する。
【0127】半導体封止装置9には、図示しないが、側
面方向から上述した第1搬送空間部74乃至第3搬送空
間部76に沿って半導体封止金型装置20を移動させる
搬送機構が各ステーションに対応してそれぞれ付設され
ている。搬送機構は、例えば搬送台或いはホルダー88
と相対係合される送りレバー部材を備え、これら送りレ
バー部材によって下金型部材21及び上金型部材22と
を保持して上述した各ステーション毎に10秒毎のタク
トタイムを以って間欠的に搬送する。
【0128】第1搬送ガイドフレーム70は、第2搬送
ガイドフレーム71及び第3搬送ガイドフレーム72に
対して前後方向に延長されている。半導体封止装置9に
は、第1搬送ガイドフレーム70のこれら前後の延長領
域の上方空間部に、上述した第1搬送空間部74の前後
に位置する第1ステーション部77と第7ステーション
部78とが構成されている。第1ステーション部77
は、上述した第1ステーションS−1に対応し、第7ス
テーション部78は、第7ステーションS−7に対応す
る。
【0129】半導体封止装置9には、第1ステーション
部77に図示しない材料樹脂供給機構が配設されてい
る。半導体封止装置9は、図32に示すようにこの材料
樹脂供給機構によって、下金型部材21に材料樹脂8を
供給してその樹脂装填部28に装填する上述した材料樹
脂装填工程S−1−1を行う。また、半導体封止装置9
には、第1ステーション部77に図示しないリードフレ
ーム供給機構が配設されている。半導体封止装置9は、
図32に示すようにこのリードフレーム供給機構から下
金型部材21にリードフレーム10を供給してそのリー
ドフレーム受け部25上に装着する上述したリードフレ
ーム装着工程S−1−2を行う。
【0130】第1搬送ガイドフレーム70には、図31
及び図33に示すように、その主面の幅方向の中央部に
位置して長手方向の搬送ガイド溝79が設けられてい
る。第1搬送ガイドフレーム70には、図31に示すよ
うに第1ステーション部77と第7ステーション部78
とにそれぞれ対応位置して第1加熱機構80が配設され
ている。
【0131】この第1加熱機構80は、図33に示すよ
うに、第1搬送ガイドフレーム70の内部に配設された
複数のヒータと、図示しない制御部とによって構成され
ている。第1加熱機構80は、第1搬送ガイドフレーム
70を介して下金型部材21を例えばエポキシ樹脂から
なる材料樹脂8の溶融温度である175°Cに温度調節
する。したがって、下金型部材21は、予熱状態にある
ため、その材料樹脂装填部28に装填される材料樹脂8
を効率的に溶融するとともに、装着されたリードフレー
ム10を予熱する。半導体封止装置9は、これにより予
熱工程の短縮が図られている。
【0132】なお、第1加熱機構80及び後述する第2
加熱機構87、第3加熱機構90とは、それぞれ制御部
を有しており、センサーの出力によってヒータを制御し
て下金型部材21及び上金型部材22の温度調節を行っ
ている。センサーは、図示を省略するが、例えば下金型
部材21及び上金型部材22の内蔵型ではなくこれらに
それぞれ差し込まれる着脱型の熱電対によって構成され
ている。勿論、これら加熱機構は、かかる構成に限定さ
れるものでは無い。
【0133】第1搬送ガイドフレーム70には、第1ス
テーション部77の下方部に対応位置して材料樹脂供給
駆動機構81及び下金型部材駆動機構82とが配設され
るとともに、第7ステーション部78の下方部に対応位
置して下金型部材搬送機構83及びイジェクト駆動機構
98とが配設されている。
【0134】下金型部材駆動機構82は、詳細を省略す
るが例えば図示しない制御部によって駆動されるエアー
シリンダ装置によって構成され、そのピストン部材が搬
送ガイド溝79の底部に設けたガイドスリットから第1
ステーション部77内に進退動作する。下金型部材駆動
機構82は、エアーシリンダ装置が動作されることによ
って、そのピストン部材によって下金型部材21を第2
搬送空間部75の高さ位置まで押し上げる。半導体封止
装置9は、このようにして押上げ動作された下金型部材
21に対して、後述するように前部上金型部材駆動機構
91によって上金型部材22を接近動作させて互いに低
圧状態で組み合わすことにより、上述した低圧型締工程
S−1−3を行う。
【0135】材料樹脂供給駆動機構81は、詳細には、
下金型部材駆動機構82の後段側でかつ第7ステーショ
ン部78に対してやや後段側に位置して下金型部材21
の材料樹脂装填部28に対応して配設されている。材料
樹脂供給駆動機構81は、上述した下金型部材駆動機構
82と同様に、詳細を省略するが例えばエアーシリンダ
装置によって構成される。材料樹脂供給駆動機構81
は、そのピストン部材が搬送ガイド溝79の底部に設け
た図示しないガイドスリットを介して第1ステーション
部77内に進退動作する。
【0136】半導体封止装置9は、材料樹脂供給駆動機
構81が駆動されてエアーシリンダ装置が動作すると、
そのピストン部材を材料樹脂装填部28の底面開口28
Cから進入させて下金型部材21の材料樹脂供給機構2
9を構成する材料樹脂押出部材30を押し上げ動作させ
る。半導体封止装置9は、これによって半導体封止金型
装置20のキャビティ23へ材料樹脂8を充填供給する
樹脂充填工程S−2−2を行う。
【0137】なお、材料樹脂供給機構29による半導体
封止金型装置20のキャビティ23への材料樹脂8の充
填は、上述したように下金型部材21と上金型部材22
とが型締めされた状態で行われる。したがって、材料樹
脂供給機構29の動作は、後述する第3搬送ガイドフレ
ーム72の前段位置に配設された前部トグル型締め駆動
機構92が動作した後に行われる。また、材料樹脂供給
機構29は、材料樹脂8が硬化するにしたがってキャビ
ティ23内において収縮することから、材料樹脂供給駆
動機構81によって材料樹脂装填部28から収縮量に見
あった材料樹脂8を補填供給する。
【0138】下金型部材搬送機構83は、中央部をサイ
ドフレーム73に回動自在に支持された略十字状の回動
フレームと、この回動フレームの各腕部にそれぞれ揺動
自在に支持された4個搬送部材86等から構成されてい
る。回動フレームは、図示しない駆動機構によって10
秒のタクトタイム毎に90°ずつ間欠的に回動動作され
る。搬送部材86は、回動フレームにブランコ状に支持
されることにより水平状態に保持され、その1個が第1
搬送空間部74の後端部、換言すれば第6ステーション
S−6の後端部に対応位置されている。
【0139】したがって、半導体封止装置9は、後述す
るように後部上金型部材駆動機構95によって上金型部
材22が分離された下金型部材21を、この下金型部材
搬送機構83の搬送部材86に載置して第7ステーショ
ン部78へと搬送する搬送工程S−7−1を行う。第7
ステーション部78には、図示しないがイジェクトされ
たリードフレーム組立体7を下金型部材21から取り出
すためのリードフレーム組立体取出機構が配設されてい
る。
【0140】イジェクト駆動機構98も、上述した下金
型部材駆動機構82と同様に、詳細を省略するが例えば
エアーシリンダ装置によって構成される。イジェクト駆
動機構98は、そのピストン部材が搬送ガイド溝79の
底部に設けた図示しないガイドスリットを介して第7ス
テーション部78に対して進退動作する。
【0141】半導体封止装置9は、イジェクト駆動機構
98が駆動されてエアーシリンダ装置が動作すると、そ
のピストン部材を第7ステーション部78に位置された
下金型部材21の底面部43からイジェクト穴31へと
進入させる。半導体封止装置9は、これによってイジェ
クト機構32のイジェクトピン33をイジェクトスプリ
ング34の弾性力に抗して押し上げ、下金型部材21か
ら添着されたリードフレーム組立体7をイジェクトする
イジェクト工程S−7−2を行う。
【0142】半導体封止装置9は、第7ステーション部
78において、リードフレーム組立体取出機構によって
イジェクトされたリードフレーム組立体7を下金型部材
21から取り出すリードフレーム取出工程S−7−3を
行う。半導体封止装置9は、さらに下金型部材21を搬
送部材86によって第7ステーション部78から第1ス
テーション部77へと巡回搬送する搬送工程S−8−1
を行う。また、半導体封止装置9は、この搬送工程S−
8−1において、材料樹脂供給機構29及びイジェクト
機構32とを復帰動作させる復帰工程S−8−2を行
う。
【0143】第2搬送ガイドフレーム71は、図31に
示すように、その前端部71Aが第1ステーション部7
7に対応位置されるとともに、後端部71Bが後述する
第6ステーション部89に対応位置されている。また、
第2搬送ガイドフレーム71には、第1搬送ガイドフレ
ーム70の搬送ガイド溝79に対応してその主面の幅方
向の中央部に沿って長手方向の搬送ガイド溝85が設け
られている。この搬送ガイド溝85には、下金型部材2
1が位置決め載置される搬送台が走行される。第2搬送
ガイドフレーム71は、図33に示すように、下金型部
材21と上金型部材22とが型締めされて一体化された
半導体封止金型装置20を、下金型部材21の底面部4
3を搬送台で支えて搬送させる。
【0144】第2搬送ガイドフレーム71には、第2加
熱機構87が配設されている。この第2加熱機構87
は、図31に示すように長手方向のほぼ全域に亘って搬
送ガイド溝79を挟んだ両側に位置してその内部に配設
された複数のヒータと、図示しない制御部とによって構
成されている。第2加熱機構87は、第2搬送ガイドフ
レーム71を介して下金型部材21を例えばエポキシ樹
脂からなる材料樹脂8の溶融温度である175°Cに温
度調節する。
【0145】第2加熱機構87は、上述したように、下
金型部材21に差し込まれるセンサーの出力によって制
御部が制御されて下金型部材21の温度調節を行う。ま
た、第2加熱機構87は、後述するように第3加熱機構
90とによって、下金型部材21と上金型部材22とを
第2搬送空間部75の全域に亘って温度調節する。した
がって、半導体封装装置9は、第2加熱機構87と第3
加熱機構90とにより、第2ステーションS−2乃至第
5ステーションS−5間における半導体封止金型装置2
0に対する上述した各加熱工程を行う。
【0146】第3搬送ガイドフレーム72は、図31に
示すように、その前端部72Aが第2搬送ガイドフレー
ム71の前端部71Aとほぼ同位置とされるとともに、
後端部72Bが第2搬送ガイドフレーム71の後端部7
1Bに対してほぼ半導体封止金型装置20の外形寸法に
対応してやや前方側に位置されている。したがって、第
3搬送ガイドフレーム72は、これによってその後端部
において第2搬送空間部75と第3搬送空間部76とを
連通する第6ステーションS−6に対応する第6ステー
ション部89を構成している。
【0147】第3搬送ガイドフレーム72には、第3加
熱機構90が配設されている。この第3加熱機構90
は、図33に示すように長手方向のほぼ全域に亘って搬
送ガイド溝79を挟んだ両側に位置してその内部に配設
された複数個のヒータと、図示しない制御部とによって
構成されている。第3加熱機構90は、第3搬送ガイド
フレーム72を介して上金型部材22を例えばエポキシ
樹脂からなる材料樹脂8の溶融温度である175°Cに
温度調節する。
【0148】第3加熱機構90は、上述したように、上
金型部材22に差し込まれるセンサーの出力によって制
御部が制御されて上金型部材22の温度調節を行う。第
3加熱機構90は、上述したように第2加熱機構87と
によって、下金型部材21と上金型部材22とを第2搬
送空間部75の全域に亘って温度調節するとともに第3
搬送空間部76を搬送される上金型部材22を予熱す
る。
【0149】第3搬送ガイドフレーム72には、その上
方部に位置して前段側に前部上金型部材駆動機構91と
前部トグル型締め駆動機構92とが配設されるととも
に、後段側に型締機構93と後部トグル型締め駆動機構
94及び後部上金型部材駆動機構95とが配設されてい
る。
【0150】前部上金型部材駆動機構91は、第3搬送
ガイドフレーム72の前端部72Aの前方側、すなわち
第1ステーション部77に対応して配設されている。前
部上金型部材駆動機構91は、詳細を省略するが例えば
図示しない制御部によって駆動されるエアーシリンダ装
置によって構成され、上下方向に動作するとともにその
先端部に吸着ヘッド91Aが取り付けられている。
【0151】したがって、前部上金型部材駆動機構91
は、図31に示すように、吸着ヘッド91Aによってホ
ルダー88を吸着保持することによって第1ステーショ
ン部77に位置する上金型部材22を保持する。前部上
金型部材駆動機構91は、この状態からエアーシリンダ
装置が動作することによって上金型部材22を第2搬送
空間部75の位置まで押し下げる。半導体封止装置9
は、これによって上金型部材22が下金型部材21に対
して低圧状態で型締めされる上述した低圧型締め工程S
−1−3を行う。
【0152】半導体封止装置9は、下金型部材21と上
金型部材22とを低圧型締め状態で搬送機構を介して第
2搬送空間部75へと搬送する搬送工程及び第2搬送空
間部75において第2加熱機構87と第3加熱機構90
とによってこれら下金型部材21と上金型部材22とを
予熱する搬送予熱工程S−2−1を行う。
【0153】前部トグル型締め駆動機構92は、第2搬
送空間部75の第2ステーション部に対応して半導体封
止金型装置20の搬送路を挟んだ両側に配設されてい
る。前部トグル型締め駆動機構92は、詳細を省略する
が例えば図示しない制御部によって駆動される一対のエ
アーシリンダ装置によって構成される。この前部トグル
型締め駆動機構92には、上下方向に動作されるピスト
ン部材の先端部が第1ステーション部77に位置する半
導体封止金型装置20のトグル型締め機構36の連結部
材40に対応位置されている。
【0154】したがって、前部トグル型締め駆動機構9
2は、ピストン部材によって連結部材40を押下げ駆動
してトグル型締め機構36を全体すぼまった状態とす
る。半導体封止金型装置20は、これによって上述した
ように型締め保持機構が動作して下金型部材21と上金
型部材22とを型締め状態に自己保持する。
【0155】型締機構93は、第2搬送空間部75の第
2ステーション部に対応して前部トグル型締め駆動機構
92の後段位置に配設されており、詳細を省略するが例
えば図示しない制御部によって駆動されるエアーシリン
ダ装置によって構成される。型締機構93は、エアーシ
リンダ装置が動作されることによってそのピストン部材
が上金型部材22の上面部50を押圧する。
【0156】半導体封止装置9は、これによって上金型
部材22が下金型部材21に対して所定の型締め力を以
って強く押し付けられて型締め状態とする型締め工程S
−2−2を行う。半導体封止装置9は、この半導体封止
金型装置20の型締め動作とともに上述した材料樹脂供
給駆動機構81の動作による材料樹脂8のキャビティ2
3への充填供給が行われる。
【0157】後部トグル型締め駆動機構94は、第3搬
送ガイドフレーム72の後端部72Bの後方側、すなわ
ち第6ステーション部89の上方部に対応して配設され
ている。後部トグル型締め駆動機構94は、詳細を省略
するが例えば図示しない制御部によって駆動される一対
のエアーシリンダ装置によって構成されている。これら
後部トグル型締め駆動機構94は、上下方向に動作され
るピストン部材の先端部が第7ステーション部77に位
置する半導体封止金型装置20のトグル型締め機構36
の連結部材40に対応位置されている。また、ピストン
部材は、詳細を省略するが、その先端部が鉤状とされて
フックが一体に形成されている。
【0158】以上のように構成された後部トグル型締め
駆動機構94は、上述したように前部トグル型締め駆動
機構92によって全体がすぼまった状態とされて半導体
封止金型装置20を自己保持するトグル型締め機構36
を駆動する。すなわち、後部トグル型締め駆動機構94
は、ピストン部材が降下してその先端部のフックがトグ
ル型締め機構36の連結部材40と相対係合する。しか
る後、後部トグル型締め駆動機構94は、エアーシリン
ダ装置が動作してピストン部材を引き上げることによ
り、フックを介して連結部材40を引上げ動作する。半
導体封止装置9は、これによって半導体封止金型装置2
0のトグル型締め機構36による型締めの自己保持状態
を解除する型締解除工程S−6−2を行う。
【0159】後部上金型部材駆動機構95は、後部トグ
ル型締め駆動機構94の中央部に位置して第3搬送ガイ
ドフレーム72の後端部72Bの後方側、すなわち第6
ステーション部89の上方部に配設されている。後部上
金型部材駆動機構95は、詳細を省略するが例えば図示
しない制御部によって駆動されるエアーシリンダ装置に
よって構成され、上下方向に動作するとともにその先端
部に吸着ヘッド95Aが取り付けられている。
【0160】したがって、後部上金型部材駆動機構95
は、図31に示すように、吸着ヘッド95Aによってホ
ルダー88を吸着保持することにより、第6ステーショ
ン部89に位置する上金型部材22を保持する。後部上
金型部材駆動機構95は、この状態からエアーシリンダ
装置が動作することによって上金型部材22を第2搬送
空間部75から第3搬送空間部76の位置まで押し下げ
る。半導体封止装置9は、これによって上金型部材22
を下金型部材21から離間させて型開きする上述した型
開き工程S−6−3を行う。半導体封止装置9は、下金
型部材21が第2搬送空間部75中を第7ステーション
部78まで搬送するのに対して、上金型部材22が第2
搬送空間部75中を第6ステーション部89まで搬送さ
れる。下金型部材21は、上述したように第7ステーシ
ョン部78においてリードフレーム組立体7のイジェク
ト動作、取出動作とが行われる。一方、上金型部材21
は、第6ステーション部89から第3搬送空間部76へ
と移動された後、搬送機構によって第1ステーション部
77へと巡回搬送される。
【0161】以上のように半導体封止装置9は、8組の
半導体封止金型装置20を水平方向の上下3段の第1搬
送空間部74乃至第3搬送空間部76に沿って、各工程
毎に10秒のタクトタイムを以って巡回搬送させる。し
たがって、半導体封止装置9は、供給されたリードフレ
ーム10からそのチップ実装開口部11に実装された半
導体チップ2の外周部を封装する封装樹脂5をアウトサ
ート成形したリードフレーム組立体7を10秒に1個ず
つ製造する。
【0162】半導体封止装置9は、第1搬送空間部74
乃至第3搬送空間部76を構成する第1搬送ガイドフレ
ーム70乃至第3搬送ガイドフレーム72の内部に第1
加熱機構80、第2加熱機構87及び第3加熱機構90
を備えることによって、半導体封止金型装置20を効率
的に加熱することから、加熱時間の短縮が図られるとと
もに、安定した品質のリードフレーム組立体7を生産す
る。
【0163】また、半導体封止装置9は、上述した各加
熱機構80、87、90とともに半導体封止金型装置2
0の型締め機構、型締め解除機構或いはイジェクト機構
等を駆動する各機構を第1搬送空間部74乃至第3搬送
空間部76に設置したことにより、半導体封止金型装置
20を小型で簡易な構造とする。したがって、半導体封
止装置9は、全体がより小型化されるとともに仕様変更
等に際しての半導体封止金型装置20の交換等が簡単に
行われる。半導体封止装置9は、従来の半導体封止装置
と比較して極めて廉価であるとともに省スペース化がは
かられているため、同一領域に複数台設置が可能とさ
れ、全体での生産性の向上を達成する。
【0164】上述したように、半導体封止装置9は、第
1搬送ガイドフレーム70乃至第3ガイドフレーム72
によって互いに平行な上下3段の第1搬送空間部74乃
至第3搬送空間部76が構成されている。第1搬送ガイ
ドフレーム70乃至第3ガイドフレーム72には、その
内部にそれぞれ第1加熱機構80、第2加熱機構87及
び第3加熱機構90を配設することによって半導体封止
金型装置20を加熱するように構成している。したがっ
て、半導体封止装置9は、半導体封止金型装置20の予
熱を行わない場合には、少なくとも上下2段の搬送ガイ
ドフレームによって第1搬送空間部74乃至第3搬送空
間部76をそれぞれ構成すればよい。
【0165】本発明は、上述した半導体封止金型装置2
0及び半導体封止装置9に限定されるものでは無く、以
下のように種々展開される。なお、以下の説明におい
て、半導体封止装置9及び半導体封止金型装置20と同
等の構成部位については同一符号を付すことによってそ
の詳細な説明を省略する。
【0166】半導体封止金型装置20は、図34に示し
た他の実施例に展開される。この半導体封止金型装置2
0は、下金型部材21と上金型部材22のクリーニング
レス化とイジェクト機構32の小型化を図ったことを特
徴としている。すなわち、下金型部材21は、その主面
24に例えばDLC、TiN、ICr、プロトニクスシ
ステムTA等のコーティング材によるコーティング処理
等を施してコーティング面55が形成されている。コー
ティング面55は、高硬度で表面磨耗抵抗が小さな主面
24を構成している。
【0167】同様に、上金型部材22にも、その主面4
4に例えばDLC、TiN、ICr、プロトニクスシス
テムTA等のコーティング材によるコーティング処理等
を施こすことによりコーティング面56が形成されてい
る。コーティング面56は、高硬度で表面磨耗抵抗が小
さな主面44を構成している。
【0168】上述した各コーティング材によるコーティ
ング処理の特性は以下の表1の通りである。DLCコー
ティング処理については、膜厚は薄いが、母材の硬度を
高くすれば下金型部材21と及び上金型部材22のキャ
ビティ23を構成する主面24、44の変形を妨げるこ
とが可能であり、極めて好適である。
【0169】
【表1】
【0170】下金型部材21と上金型部材22とは、上
述したコーティング面55、56を形成するために、塗
布されたDLCコーテング材を焼き付けるために炉処理
が必要である。半導体封止金型装置20は、上述したよ
うに小型、軽量化に構成されることから、大型の処理炉
を不要とし、主面のコーティング処理の実現を可能とし
ている。一般に、従来の処理炉では、多数個取りを行う
リードフレームを装着してリードフレーム組立体を成形
する半導体封止金型装置を処理可能なものは提供されて
いない。
【0171】半導体封止金型装置20は、下金型部材2
1と上金型部材22の主面24、44に上述したコーテ
ィング面55、56を形成したことにより、リードフレ
ーム組立体7の離型特性が向上されることからイジェク
ト機構32の簡易化が図られる。すなわち、金型装置に
おいては、一方の金型部材に添着した成形体をイジェク
トピンによってイジェクトするとともに、これらイジェ
クトピンを初期位置へと確実に復帰動作させる。したが
って、金型装置は、成形体の離型特性が悪い場合には、
イジェクトピンに対して大きなイジェクト力を作用させ
るとともに、イジェクトピンの大きな復帰力も必要とな
る。
【0172】金型装置は、一般に金型部材の背面側に、
イジェクトピンを設けたイジェクトプレートを移動自在
に配設し、このイジェクトプレートをリターンピン或い
はリターンスプリング等によって復帰動作させるように
構成される。したがって、金型装置は、イジェクトプレ
ート或いはそのリターン機構によって全体が大型化す
る。
【0173】半導体封止金型装置20は、上述した構成
によってリードフレーム組立体7の離型特性の向上が図
られたことにより、比較的軽微な弾性力によりイジェク
トピン33の復帰動作が可能となる。これによって、半
導体封止金型装置20は、上述したようにイジェクトピ
ン33が下金型部材21の内部に収納され、全体として
小型化が図られている。
【0174】半導体封止金型装置20は、図35乃至図
39に示した他の実施例にも展開される。この半導体封
止金型装置20は、下金型部材21と上金型部材22と
がその型締め状態をより確実に自己保持されることによ
って装填部バリや端子部バリの発生が抑制されかつリー
ドフレーム10に封装樹脂5が精密にアウトサート成形
されるように構成したことを特徴としている。
【0175】すなわち、半導体封止金型装置20は、下
金型部材21の相対する2側面にそれぞれ配設され、こ
の下金型部材21と上金型部材22との型締め状態を自
己保持する一対のトグル型締め機構36にそれぞれ型締
めスプリング59が付設されて構成されている。なお、
トグル型締め機構36は、上述した第1のトグル型締め
機構と比較して、第1リンクレバー57と、型締めスプ
リング59と、下金型部材21に形成されたスプリング
掛止部60との構成を異にするが、その他の基本構成を
同様にしている。
【0176】トグル型締め機構36は、一端部を支軸3
7A、37Bに回動自在に支持された第1リンクレバー
57A、57Bと、これら第1リンクレバー57A、5
7Bの自由端に回動自在に支持された第2リンクレバー
38A、38Bと、これら第2リンクレバー38A、3
8Bの自由端を連結する連結部材40及び型締めスプリ
ング59とから構成される。第1リンクレバー57は、
図36に示すように、その上方部が緩やかに外側へと折
曲されることによって外側縁に係合凹部58を構成した
略7字状を呈している。
【0177】これら第1リンクレバー57A、57B
は、図35及び図36に示すように、互いに重なり合わ
ないようにして下端部が支軸37に抜止めされて回動自
在に支持されている。第2リンクレバー38A、38B
も、互いに重なり合わないようにして下端部が第1リン
クレバー57A、57Bの自由端にそれぞれ抜止めされ
て回動自在に支持されている。連結部材40は、第2リ
ンクレバー38A、38Bの自由端を一体に連結する
が、図35に示すように、型締めスプリング59の一端
部を掛け合わすスプリング掛止部61が形成されてい
る。
【0178】下金型部材21には、支軸37Aと支軸3
7Bとの中央部に位置してスプリング掛止部60が設け
られている。型締めスプリング59は、一端部59Aが
このスプリング掛止部60に掛け合わされるとともに、
引張り状態で他端部59Bが連結部材40側のスプリン
グ掛止部61に掛け合わされる。
【0179】以上のように構成されるトグル型締め機構
36は、型締めスプリング59の必要弾性力Fyが、図
39から、 −Fy×a+1/2 ×Fy×tan θ×b−Q×sin α×c+Q×cos α×d=0 ・・・式1 a:支軸37とスプリング掛止部60との間隔 b:第1リンクレバー57の長さ寸法 c:支軸37と上金型部材22側の係合ピン48との間
隔 θ:初期位置の第2リンクレバー39の角度 α:締結状態の第2リンクレバー39の角度 Q:係合凹部58を介して係合ピン48に作用する型締
めスプリング59の必要弾性力Fyの分力で求められ
る。
【0180】型締めスプリング59は、例えば各部の寸
法値を次に設定した場合、上記式1より、初期荷重が
3.1Kgの引張りバネを採用すればよい。 a=26.2mm b=52.778mm c=43.798mm d=0.34558mm θ=83° α=5° 式1=−Fy×26.2+1/2×Fy×tan 83°×5
2.778−Q×sin5°×43.798+Q×cos 5
°×0.34558=403.64Fy−3.473Q
=0 これより、Fy=3.473Q/403.64・・・式2 ここで、必要型締め力Pは、P=Qcos α=0.996
Qであることから、Q=1.0038Pとなり、これを
式(2)代入して型締めスプリング59の必要弾性力F
yを求めると、 Fy=3.473×1.0038P/403.64・・・式3 となる。
【0181】トグル型締め機構36は、半導体封止金型
装置20の両側面に配設され、また材料樹脂5の押出圧
力から、P≒350kgとすると、型締めスプリング59
の必要弾性力Fyは、 Fy=3.473 ×1.0038P/403.64=3.473 ×1.0038×350
/403.64≒3.02kg となる。したがって、型締めスプリング59は、初期荷
重で3.1Kg以上の引張りバネが採用される。
【0182】以上のように構成された半導体封止金型装
置20は、下金型部材21と上金型部材22とが型開き
した状態において、図36に示すようにトグル型締め機
構36の連結部材40が中立点の上方に位置している。
同図に示したトグル型締め機構36においては、第1リ
ンクレバー57と第2リンクレバー39の連結部が支軸
37とスプリング掛止め部61とを結ぶ直線上から外側
に位置していることにより、型締めスプリング59の弾
性力が左右の第1リンクレバー57と第2リンクレバー
39とをすぼませる方向に作用する。したがって、上述
した前部トグル型締め駆動機構92は、この型締めスプ
リング59の弾性力に抗して連結部材40を押し上げた
状態に係止して、下金型部材21と上金型部材22とを
型開き状態に保持する機構として構成される。
【0183】勿論、トグル型締め機構36は、第1リン
クレバー57と第2リンクレバー39の連結部を、支軸
37とスプリング掛止め部61とを結ぶ直線上から内側
に位置させて、型締めスプリング59の弾性力が左右の
第1リンクレバー57と第2リンクレバー39とを互い
に中央側へと引き寄せる方向に作用させるように構成し
てもよい。この場合、上述した前部トグル型締め駆動機
構92は、第1リンクレバー57と第2リンクレバー3
9とが互いに突っ張り合った状態を呈し、下金型部材2
1と上金型部材22とが型開き状態に保持されることに
なる。
【0184】半導体封止金型装置20は、上述した型締
め工程S−2−2において、トグル型締め機構36の連
結部材40が前部トグル型締め駆動機構92による係止
状態を解除される。トグル型締め機構36は、型締めス
プリング59の弾性力によって左右の第1リンクレバー
57と第2リンクレバー39とが支軸37及び連結部を
支点としてそれぞれ外側へと回動動作し、下金型部材2
1に対して上金型部材22を引き付けながら全体として
すぼまった状態となる。
【0185】ところで、半導体封止金型装置20は、下
金型部材21に対して材料樹脂8の装填及びリードフレ
ーム10の装着を行った後、上述したように前部上金型
部材駆動機構91によって上金型部材22が押圧動作さ
れて、図37に示すように、下金型部材21に対して位
置決めされた状態で型締めが行われる。下金型部材21
と上金型部材22とは、この場合、上述したように低圧
で型締めされた状態にある。
【0186】半導体封止金型装置20は、半導体封止装
置9側の型締め機構93によって下金型部材21に対し
て上金型部材22が所定の型締め力を以って押圧されて
型締めが行われ、この状態で材料料樹脂供給駆動機構8
1の動作により材料樹脂供給機構29が材料樹脂装填部
28から材料樹脂8をキャビティ23へと押し出す樹脂
充填工程が行われる。材料樹脂8は、キャビティ23内
において、加熱、加圧状態を保持されることによって硬
化する。半導体封止金型装置20は、トグル型締め機構
36によってこの型締め状態が確実に保持される。
【0187】トグル型締め機構36は、全体としてすぼ
められた状態において、図38に示すように、第1リン
クレバー57に設けた係合凹部58が上金型部材22側
の係合ピン48と相対係合する。この係合凹部58と係
合ピン48との係合状態は、型締めスプリング59によ
る型締め力によって保持される。型締めスプリング59
は、上述したように必要型締め力に見合った弾性力を有
している。
【0188】したがって、半導体封止金型装置20は、
次工程へと搬送されて型締め機構93による型締め力が
開放された状態においても、必要型締め力を以って下金
型部材21と上金型部材22との型締め状態が自己保持
される。半導体封止金型装置20は、これによってキャ
ビティ23内に充填された材料樹脂8の硬化工程を搬送
工程によって行うことを可能とすることから、タクトタ
イムを大幅に短縮化させる。また、半導体封止金型装置
20は、この材料樹脂8の硬化工程に際して、下金型部
材21と上金型部材22とを必要型締め力を以って型締
め保持することから、バリの発生が防止されかつリード
フレーム10に対して封装樹脂5を安定した状態でアウ
トサート成形する。
【0189】半導体封止金型装置20は、第6ステーシ
ョンS−6まで搬送されと、半導体封止装置9側の後部
トグル型締め駆動機構94によって上述したトグル型締
め機構36による下金型部材21と上金型部材22との
型締め自己保持状態が解除される。すなわち、トグル型
締め機構36は、連結部材40が相対係合された後部ト
グル型締め駆動機構94のフックによって、型締めスプ
リング59の弾性力に抗して引上げ駆動される。トグル
型締め機構36は、これによって第1リンクレバー57
が支軸37を支点として回動動作し、その係合凹部58
と係合ピン48との係合状態が解除される。
【0190】半導体封止装置9は、図40及び図41に
示した他の半導体封止装置100にも展開される。この
半導体封止装置100は、4つのステーションによって
構成し、これらステーション毎に上述した4組の半導体
封止金型装置20を間欠的に巡回搬送して供給されたリ
ードフレーム10に封装樹脂5をアウトサート成形した
リードフレーム組立体7を成形する。なお、以下の説明
において、半導体封止装置9と同等の構成部位について
は同一符号を付すことによってその詳細な説明を省略す
る。
【0191】半導体封止装置100は、各ステーション
における個別の工程数が上述した半導体封止装置9に比
較して多くなり、全体のタクトタイムをほぼ同等とする
ために半導体封止金型装置20が各ステーション間を高
速で搬送される。
【0192】半導体封止装置100は、中央搬送ガイド
フレーム101と、この中央搬送ガイドフレーム101
の上下に対向位置された図示しない搬送ガイドフレーム
とを備える。半導体封止装置100には、これら搬送ガ
イドフレームによって互いに平行な上下3段の搬送空間
部102乃至104が構成されている。中央の第1搬送
空間部102は、下金型部材21と上金型部材22とが
型締めされた状態で搬送される搬送空間部を構成する。
下側の第2の搬送空間部103は、型開きされた下金型
部材21が単独で搬送される搬送空間部を構成する。上
側の第3の搬送空間部104は、型開きされた上金型部
材22が単独で搬送される搬送空間部を構成する。
【0193】中央搬送ガイドフレーム101は、図40
に示すように、断面凹字状に形成されて下金型部材21
の底面部を支持して搬送する長手方向の搬送ガイド溝が
形成されている。半導体封止装置100は、この搬送ガ
イド溝に沿って第1ステーションS−1乃至第4ステー
ションS−4が構成される。第1ステーションS−1及
び第4ステーションS−4の部位は、詳細を省略するが
底部が開放されることによってそれぞれ第2搬送空間部
103と連通している。また、図示しない上部搬送ガイ
ドフレームは、第2ステーションS−2及び第3ステー
ションS−3に対応する長さとされることによって、そ
の両側にそれぞれ第3搬送空間部104との連通部が構
成されている。
【0194】半導体封止装置100には、上述した第1
搬送空間部102乃至第3搬送空間部104に沿って図
示しないが下金型部材搬送機構及び上金型部材搬送機構
とが配設されている。また、半導体封止装置100に
は、第1搬送空間部102の下方部に位置して、第1ス
テーションS−1部位に対応して下金型部材駆動機構8
2が、第2ステーションS−2部位に対応して材料樹脂
供給駆動機構81が、第3ステーションS−3部位に対
応して下金型部材側の型締め機構105が、さらに第4
ステーションS−4部位に対応してイジェクト駆動機構
98がそれぞれ配設されている。これら各機構は、上述
した半導体封止装置9の各機構と同様に、エアーシリン
ダ装置によって構成されている。
【0195】また、半導体封止装置100には、第1搬
送空間部101の左右側方部に位置して、第1ステーシ
ョンS−1部位に対応してリードフレーム供給機構96
と材料樹脂供給機構109とがそれぞれ配設されるとと
もに、第4ステーションS−4部位に対応してリードフ
レーム組立体取出機構110が配設されている。これら
リードフレーム供給機構96及び材料樹脂供給機構10
9は、例えばロボット装置によって構成され、下金型装
置21に対してリードフレーム100或いは材料樹脂8
を供給する。なお、材料樹脂供給機構109は、ポット
に保持されている。
【0196】さらに、半導体封止装置100には、第3
搬送空間部104の上方部に位置して、第1ステーショ
ンS−1部位に対応して前部上金型部材駆動機構91と
トグル型締め駆動機構(図示せず)とが、第2ステーシ
ョンS−2部位に対応して第1の上金型部材の型締め機
構106が、第3ステーションS−3部位に対応して第
2の上金型部材の型締め機構107が、さらに第4ステ
ーションS−4部位に対応して後部上金型部材駆動機構
95及びトグル型締め解除機構(図示せず)とがそれぞ
れ配設されている。
【0197】以上のように構成された半導体封止装置1
00は、第1ステーションS−1部位及び第4ステーシ
ョンS−4部位において、図40に示すように、下金型
部材21と上金型部材22とが上下に型開きした状態に
ある。また、半導体封止装置100は、第2ステーショ
ンS−2部位及び第3ステーションS−3部位におい
て、同図に示すように、下金型部材21と上金型部材2
2とが型締めされた状態にある。
【0198】半導体封止装置100は、図41に示すよ
うに、第1ステーションS−1において、材料樹脂8の
タブレットを材料樹脂供給機構109を介して下金型部
材21の材料樹脂装填部28へと装填する材料樹脂装填
工程S−1−1と、リードフレーム10をリードフレー
ム供給機構96を介して下金型部材21に装着するリー
ドフレーム装着工程S−1−2とを行う。半導体封止装
置100は、さらに第1ステーションS−1において、
下金型部材21と上金型部材22とを下金型部材駆動機
構82及び前部上金型部材駆動機構91とによって低圧
状態で型締めするとともに図示しない加熱機構によって
予熱する低圧型締め・予熱工程S−1−3と、トグル型
締め駆動機構によってトグル型締め機構36を動作して
型締め状態を自己保持する型締め自己保持工程S−1−
4とを行う。
【0199】半導体封止装置100は、半導体封止金型
装置20を上述した型締め自己保持状態で、搬送機構に
よって第2ステーションS−2へと搬送する。半導体封
止装置100は、この第2ステーションS−2におい
て、下金型部材21と上金型部材22とが第1の上金型
部材型締め機構106によってしっかりと型締めされた
状態で、材料樹脂供給駆動機構81が駆動されてキャビ
ティ23内へと材料樹脂8を供給する樹脂充填工程S−
2−1を行う。
【0200】半導体封止装置100は、材料樹脂8の充
填が行われた半導体封止金型装置20を搬送機構によっ
て第3ステーションS−3へと搬送する。半導体封止装
置100は、この第3ステーションS−3において、下
金型部材21と上金型部材22とを下金型部材型締め機
構105と第2の上金型部材型締め機構107及びトグ
ル型締め機構36とによって型締め状態を保持しながら
加熱する後加熱工程S−3−1を行う。キャビティ23
内に充填された材料樹脂8は、これによって次第に硬化
する。
【0201】半導体封止装置100は、所定のタクトタ
イム後、半導体封止金型装置20を搬送機構によって第
4ステーションS−4へと搬送する。半導体封止装置1
00は、この第4ステーションS−4において、引き続
き半導体封止金型装置20を加熱する後加熱工程S−4
−1と、図示しないトグル型締め駆動機構によってトグ
ル型締め機構36を動作して型締め状態を解除するトグ
ル型締め解除工程S−4−2とを行う。また、半導体封
止装置100は、この第4ステーションS−4におい
て、後部上金型部材駆動機構95によって下金型部材2
1に対して上金型部材22を離間動作させる型開き工程
S−4−3を行う。
【0202】さらに、半導体封止装置100は、この第
4ステーションS−4において、イジェクト駆動機構9
8が動作して上金型部材22が型開き動作された下金型
部材21からリードフレーム組立体7をイジェクトする
リードフレーム組立体イジェクト工程S−4−4と、イ
ジェクトされたリードフレーム組立体7をリードフレー
ム組立体取出機構110によって取り出すリードフレー
ム組立体取出工程S−4−5とを行う。
【0203】さらにまた、半導体封止装置100は、こ
の第4ステーションS−4において、半導体封止金型装
置20の材料樹脂供給機構29及びイジェクト機構32
とを初期状態へと復帰動作させる復帰工程S−4−6と
を行う。しかる後、半導体封止装置100は、搬送機構
によって下金型部材21を第2搬送空間部103を介し
て、また上金型部材22を第3搬送空間部104を介し
てそれぞれ第1ステーション部位へと巡回搬送させる。
【0204】以上のように構成された第2の実施例半導
体封止装置100によれば、半導体封止金型装置20が
4組とされるために、多種類の半導体装置1を製造する
場合等において、仕様に適合した半導体封止金型装置2
0の交換が極めて簡便に行うことができることから、段
取り時間等の大幅な短縮が図られ、生産性を向上させ
る。また、半導体封止装置100は、全体としてさらに
小型化が図られる。
【0205】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る半導体封止用金型装置によれば、材料樹脂供給部とラ
ンナー部とを同一面内に形成したリードフレームを位置
決めした状態で装着し、このリードフレームに実装され
た半導体チップを封装する封装樹脂をアウトサート成形
してリードフレーム組立体を成形するようにしたことか
ら、型締め状態においてリードフレームに対して均一な
型締め力を作用させることができ、型締め機構とともに
全体構造も簡易で小型化されるばかりでなく、バリの発
生が抑制されたリードフレーム組立体を製造することか
ら後工程の合理化も達成させる。また、半導体封止用金
型装置は、型締め状態の自己保持機構を備えることによ
り、材料樹脂を硬化させる後加熱工程を搬送工程におい
て行うことを可能とすることから、製造工程の合理化と
時間短縮を達成させる。さらに、半導体封止用金型装置
は、全体が軽量、小型に構成されることから、取扱いが
簡易となり、多種類の半導体装置を製造する場合等にお
いても、その交換が容易に行われて段取り等の時間短縮
を達成させる。
【0206】また、本発明に係る半導体封止用金型装置
を用いた半導体封止装置によれば、軽量、小型でかつ型
締め状態の自己保持機構を備えた半導体封止用金型装置
を成形工程に対応して巡回搬送するとともに、材料樹脂
供給駆動機構及びイジェクト駆動機構とを備えて半導体
封止用金型装置の材料樹脂供給機構及びイジェクト機構
を外部から駆動するように構成したことにより、多種類
の半導体装置を製造する場合等における半導体封止用金
型装置の交換の段取り工程等或いはバリの発生が抑制さ
れたリードフレーム組立体を製造することからバリ取り
の後工程等の合理化が図られる。また、半導体封止装置
は、全体が小型で廉価であることから同一スペース内で
複数を設置することも可能となり、また少数の要員によ
って対応することができることからリードフレーム組立
体を効率良くかつ低コストで生産する。
【0207】さらに、本発明に係る半導体封止用金型装
置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法によれば、軽
量、小型でかつ型締め状態の自己保持機構を備えた半導
体封止用金型装置を成形工程に対応して巡回搬送させて
バリの発生が抑制されたリードフレーム組立体を製造す
ることからバリ取りの後工程等の合理化が図られ、また
半導体封装用金型装置の交換等も簡単に行われる。した
がって、本発明に係る半導体封止用金型装置を用いた半
導体の製造方法は、リードフレーム組立体を効率良く生
産するとともに大幅なコストダウンを達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体装置の斜視図である。
【図2】本発明に用いられるリードフレームの斜視図で
ある。
【図3】同リードフレームに封装樹脂のアウトサート成
形を行って成形した半導体装置の中間体であるリードフ
レーム組立体の斜視図である。
【図4】半導体装置の製造工程を説明する概略製造工程
図である。
【図5】本発明に係る半導体封止用金型装置の型開き状
態を示す斜視図である。
【図6】同半導体封止用金型装置を構成する下金型部材
の斜視図である。
【図7】同下金型部材の一部切欠き側面図である。
【図8】同下金型部材に設けられた材料樹脂装填部から
材料樹脂供給機構によって溶融状態の材料樹脂をキャビ
ティ内に押し出す状態を説明する下金型部材の縦断面図
である。
【図9】同下金型部材に設けられたイジェクト機構が動
作して下金型部材から封装樹脂をアウトサート成形した
リードフレーム組立体をイジェクト動作する状態を説明
する下金型部材の縦断面図である。
【図10】同半導体封止用金型装置を構成する上金型部
材の上面からの斜視図である。
【図11】同上金型部材の底面からの斜視図である。
【図12】同半導体封止用金型装置において、下金型部
材と上金型部材とが低圧型締めされた状態を示す斜視図
である。
【図13】同半導体封止用金型装置において、型締め保
持機構によって下金型部材と上金型部材とが型締め状態
を自己保持された状態を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る半導体封止装置における半導体
封止用金型装置の搬送位置と成形工程との説明図であ
る。
【図15】同半導体封止装置の成形工程に基づく第1ス
テーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明
図であり、下金型部材の材料樹脂装填部に材料樹脂を装
填する材料樹脂装填工程の状態を示す。
【図16】同第1ステーションにおける半導体封止用金
型装置の状態の説明図であり、下金型部材にリードフレ
ームを装着するリードフレーム装着工程の状態を示す。
【図17】同第1ステーションにおける半導体封止用金
型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材
とが低圧で型締めされた状態を示す。
【図18】同半導体封止装置の成形工程に基づく第2ス
テーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明
図であり、下金型部材と上金型部材とが低圧で型締めさ
れて搬送される状態を示す。
【図19】同第2ステーションにおける半導体封止用金
型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材
とを型締保持機構を動作させて本型締をおこなった状態
を示す。
【図20】同半導体封止装置の成形工程に基づく第3ス
テーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明
図であり、下金型部材と上金型部材とが型締保持機構に
よって型締め状態を自己保持されるとともに加熱手段に
よって加熱されながら搬送される状態を示す。
【図21】同半導体封止装置の成形工程に基づく第4ス
テーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明
図であり、型締め状態を自己保持された下金型部材と上
金型部材とが加熱手段によって後加熱されながら搬送さ
れる状態を示す。
【図22】同半導体封止装置の成形工程に基づく第5ス
テーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明
図であり、型締め状態を自己保持された下金型部材と上
金型部材とが加熱手段によって後加熱されながら搬送さ
れる状態を示す。
【図23】同半導体封止装置の成形工程に基づく第6ス
テーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明
図であり、型締め状態を自己保持された下金型部材と上
金型部材に対する加熱が停止されて搬送される状態を示
す。
【図24】同第6ステーションにおける半導体封止用金
型装置の状態の説明図であり、型締保持機構が駆動され
て下金型部材と上金型部材との型締め状態が解除される
状態を示す。
【図25】同第6ステーションにおける半導体封止用金
型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材
とが型開き動作する状態を示す。
【図26】同半導体封止装置の成形工程に基づく第7ス
テーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明
図であり、搬送機構によって型開きされた下金型部材と
上金型部材とがそれぞれ搬送される状態を示す。
【図27】同第7ステーションにおける半導体封止用金
型装置の状態の説明図であり、イジェクタ機構が動作さ
れて下金型部材に添着されたリードフレーム組立体がイ
ジェクトされる状態を示す。
【図28】同第7ステーションにおける半導体封止用金
型装置の状態の説明図であり、イジェクトされたリード
フレーム組立体を取り出す状態を示す。
【図29】同半導体封止装置の成形工程に基づく第8ス
テーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明
図であり、下金型部材と上金型部材とがそれぞれ搬送さ
れる状態を示す。
【図30】同第8ステーションにおける半導体封止用金
型装置の状態の説明図であり、下金型部材に設けられた
材料樹脂供給機構とイジェク機構とが復帰された状態を
示す。
【図31】同半導体封止装置の要部斜視図である。
【図32】同半導体封止装置における半導体封止用金型
装置の搬送動作を説明する要部斜視図である。
【図33】同半導体封止装置において、半導体封止用金
型装置の搬送空間部の構成を説明する要部正面図であ
る。
【図34】本発明に係る半導体封止用金型装置の他の実
施例を示し、キャビティ面にコーティング処理を施した
半導体封止用金型装置の分解斜視図である。
【図35】本発明に係る半導体封止用金型装置の他の実
施例を示し、型締保持機構に自己保持用のスプリングを
設けた半導体封止用金型装置の斜視図である。
【図36】同半導体封止用金型装置において、下金型部
材と上金型部材とが型開きされた状態を示す側面図であ
る。
【図37】同半導体封止用金型装置において、下金型部
材と上金型部材とが低圧で型締めされた状態を示す側面
図である。
【図38】同半導体封止用金型装置において、下金型部
材と上金型部材とが型締めされかつ自己保持した状態を
示す側面図である。
【図39】同半導体封止用金型装置の型締保持機構に設
けられた自己保持用のスプリングの弾性力の作用説明図
である。
【図40】本発明に係る半導体封止装置の他の実施例を
示し、半導体封止用金型装置を搬送支持する搬送ガイド
フレームを省略して示した要部斜視図である。
【図41】同半導体封止装置において、各工程における
半導体封止用金型装置の状態を示す説明図である。
【図42】従来のリードフレームに対する封装樹脂のア
ウトサート成形工程を説明する一部切欠き要部斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 半導体装置 2 半導体チップ 3 リード端子片 5 封止樹脂 7 リードフレーム組立体 8 材料樹脂 9 半導体封止装置 10 リードフレーム 11 チップ実装開口部(半導体チップ実装部) 13 樹脂充填領域部 16 位置決め穴 17 カル部 18 ランナー部 19 ゲート部 20 半導体封止金型装置 21 下金型部材 22 上金型部材 23 キャビティ 28 材料樹脂装填部 29 材料樹脂供給機構 30 材料樹脂押出部材 32 イジェクト機構 33 イジェクトピン 36 型締め機構を構成するトグル型締め機構 38 第1リンクレバー 39 第2リンクレバー 40 連結部材 42 係合凹部 48 係合ピン(係合凸部) 55 下金型部材のコーティング面 56 上金型部材のコーティング面 59 型締めスプリング 70 第1搬送ガイドフレーム 71 第2搬送ガイドフレーム 72 第3搬送ガイドフレーム 74 第1搬送空間部 75 第2搬送空間部 76 第3搬送空間部 80 第1加熱機構 81 材料樹脂供給駆動機構 82 下金型部材駆動機構 83 下金型部材搬送機構 87 第2加熱機構 90 第3加熱機構 91 前部上金型部材搬送機構 92 トグル型締め駆動機構 93 型締め機構 94 後部上金型部材搬送機構 96 リードフレーム供給機構 97 材料樹脂供給駆動機構 98 イジェクト駆動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:34

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チップを実装したリードフレーム
    が装填されるとともにこのリードフレームに半導体チッ
    プを封装する封装樹脂がアウトサート成形されたリード
    フレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティを
    構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部材
    と、 この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置され、
    上記第1のキャビティと協動して封装樹脂のキャビティ
    を構成する第2のキャビティが形成された第2の金型部
    材と、 上記第1の金型部材内に設けられ、熱硬化性合成樹脂か
    らなる材料樹脂が装填される材料樹脂装填部と、この材
    料樹脂装填部に装填されるとともに溶融状態とされた上
    記材料樹脂を上記キャビティ内へと供給する押出手段と
    を備えた材料樹脂供給機構と、 上記第1の金型部材内に設けられ、上記半導体チップが
    上記封装樹脂によって封装された上記リードフレーム組
    立体を上記キャビティから突き出して離型するイジェク
    トピンを有するイジェクト機構とを備え、 上記第1の金型部材と第2の金型部材には、型締め状態
    に自己保持する型締保持機構が設けられるとともに、こ
    れら第1の金型部材と第2の金型部材とが設置される本
    体装置側の駆動機構によって上記材料樹脂供給機構及び
    イジェクト機構が駆動されることを特徴とする半導体封
    止用金型装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の金型部材と第2の金型部材に
    は、1個のリードフレームが装填されて上記半導体チッ
    プを封装する上記封装樹脂がアウトサート成形された1
    個のリードフレーム組立体を成形することを特徴とする
    請求項1に記載の半導体封止用金型装置。
  3. 【請求項3】 上記型締保持機構は、 上記第1の金型部材又は第2の金型部材に一端部を回動
    自在に支持されるとともに第1の係合部が形成された一
    対の第1のリンクレバー及びこれら第1のリンクレバー
    の他端部にそれぞれ回動自在に支持されるとともに自由
    端部が互いに連結部材を介して連結された一対の第2の
    リンクレバーとからなるトグル型締め機構と、 上記第1のリンクレバーの第1の係合部に対応して上記
    第2の金型部材又は第1の金型部材にそれぞれ設けられ
    た一対の第2の係合部とから構成され、 上記トグル型締め機構は、上記第1のリンクレバーと第
    2のリンクレバーとがすぼまった状態に動作されること
    によって、上記第1のリンクレバーに設けられた上記第
    1の係合部が対応する上記第2の係合部にそれぞれ相対
    係合されて、上記第1の金型部材と第2の金型部材とを
    型締めした状態に自己保持することを特徴とする請求項
    1に記載の半導体封止用金型装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の金型部材と第2の金型部材に
    は、その上記トグル型締め機構の中心線上に位置する側
    面部に、それぞれ端部が固定される型締め用弾性手段が
    引張り状態で張架され、 この型締め用弾性手段の弾性力によって上記トグル型締
    め機構による上記第1の金型部材と第2の金型部材との
    型締め状態を保持することを特徴とする請求項3に記載
    の半導体封止用金型装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の金型部材には、上記第2の金
    型部材が型開きした状態で、 チップ実装部と、一端部がこのチップ実装部の周辺部に
    それぞれ臨ませられるとともに他端部が外周部側へと引
    き出された多数個のリード端子と、ランナー部と、上記
    第1の金型部材の材料樹脂装填部に対応するカル部とが
    導電性金属薄板を素材として一体に形成され、上記チッ
    プ実装部に上記半導体チップが各リード端子と電気的に
    接続されて実装されたリードフレームが装着され、 これら第1の金型部材と第2の金型部材とが型締め動作
    されて上記トグル型締め機構による型締め状態が保持さ
    れ、上記材料樹脂供給機構によって溶融状態の上記材料
    樹脂が上記キャビティ内へと押し出されて硬化すること
    により、上記チップ実装部に実装された上記半導体チッ
    プを封装する上記封装樹脂を上記リードフレームにアウ
    トサート成形してリードフレーム組立体を成形すること
    を特徴とする請求項3に記載の半導体封止用金型装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の金型部材と第2の金型部材
    は、相対する主面に表面磨耗抵抗を小ならしめる高硬度
    のコーティング処理が施されたことを特徴とする請求項
    1に記載の半導体封止用金型装置。
  7. 【請求項7】 上記第1の金型部材と第2の金型部材に
    は、相対する主面に型合わせ状態を位置決めする位置決
    め手段が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の
    半導体封止用金型装置。
  8. 【請求項8】 半導体チップを実装したリードフレーム
    が装填されるとともにこのリードフレームに半導体チッ
    プを封装する封装樹脂がアウトサート成形されてリード
    フレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティを
    構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部材
    と、この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置さ
    れるとともに上記第1のキャビティと協動して上記封装
    樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形成さ
    れた第2の金型部材とからなり、上記第1の金型部材内
    には熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される材
    料樹脂装填部及びこの材料樹脂装填部に装填されて溶融
    状態とされた上記材料樹脂を上記キャビティ内へと供給
    する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、上記半導
    体チップが上記封装樹脂によって封装されたリードフレ
    ーム組立体を上記キャビティから突き出して離型するイ
    ジェクトピンを有するイジェクト機構とが備えられかつ
    上記第1の金型部材と第2の金型部材とに型締め状態を
    自己保持する型締保持機構が設けられた半導体封止用金
    型装置が用いられ、 この半導体封止用金型装置を巡回搬送する搬送機構と、 上記半導体封止用金型装置の上記材料樹脂供給機構の押
    出手段を駆動して上記キャビティ内へ上記材料樹脂を充
    填させる材料樹脂供給駆動機構と、 上記リードフレーム組立体に対して上記封装樹脂のアウ
    トサート成形が行われて上記第1の金型部材と第2の金
    型部材とが型開き動作した状態で、上記イジェクト機構
    を駆動して上記リードフレーム組立体を上記第1の金型
    部材からイジェクトさせるイジェクト駆動機構とを備え
    た半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装置。
  9. 【請求項9】 上記搬送機構は、上記半導体封止金型装
    置を、分割された封装樹脂のアウトサート成形工程の各
    個別工程毎に間欠的に巡回搬送することを特徴とした請
    求項8に記載の半導体封止用金型装置を用いた半導体封
    止装置。
  10. 【請求項10】 上記半導体封止用金型装置は、分割さ
    れた封装樹脂のアウトサート成形工程に対応して複数組
    が備えられ、上記搬送機構によって所定のタクトタイム
    毎に間欠的に巡回搬送されることを特徴とした請求項9
    に記載の半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装
    置。
  11. 【請求項11】 上下方向に離間して互いに対向配設さ
    れた第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレ
    ームとを備え、 これら第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフ
    レームとの間に構成される第1の搬送空間部は、上記第
    1の金型部材と第2の金型部材とが型締め状態で上記搬
    送機構によって搬送される型締め搬送空間部を構成し、 上記第1の搬送ガイドフレームの下方部に構成される第
    2の搬送空間部は、型開き状態の上記第1の金型部材が
    上記搬送機構によって搬送される一方の型開き搬送空間
    部を構成し、 上記第2の搬送ガイドフレームの上方部に構成される第
    3の搬送空間部は、型開き状態の上記第2の金型部材が
    上記搬送機構によって搬送される他方の型開き搬送空間
    部を構成し、 型開きされた上記第1の金型部材と第2の金型部材と
    が、上記第2の搬送空間部と第3の搬送空間部を経由し
    て初期位置へと巡回搬送されることを特徴とする請求項
    8に記載の半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装
    置。
  12. 【請求項12】 少なくとも、上記第1の搬送ガイドフ
    レームには、上記第1の金型部材を加熱する加熱手段が
    付設されたことを特徴とする請求項8に記載の半導体封
    止用金型装置を用いた半導体封止装置。
  13. 【請求項13】 半導体チップを実装したリードフレー
    ムが装填されるとともにこのリードフレームに半導体チ
    ップを封装する封装樹脂がアウトサート成形されてリー
    ドフレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティ
    を構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部
    材と、この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置
    されるとともに上記第1のキャビティと協動して上記封
    装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形成
    された第2の金型部材とからなり、上記第1の金型部材
    内には熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される
    材料樹脂装填部及びこの材料樹脂装填部に装填されて溶
    融状態とされた上記材料樹脂を上記キャビティ内へと供
    給する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、上記半
    導体チップが上記封装樹脂によって封装された上記リー
    ドフレーム組立体を上記キャビティから突き出して離型
    するイジェクトピンを有するイジェクト機構とが備えら
    れかつ上記第1の金型部材と第2の金型部材とに型締め
    状態を自己保持する型締保持機構が設けられた半導体封
    止用金型装置が用いられ、 上記半導体封止用金型装置が型開きされた状態におい
    て、上記第1の金型部材の上記材料樹脂装填部に上記材
    料樹脂を装填する樹脂装填工程と、 同様に、上記半導体封止用金型装置が型開きされた状態
    において、上記半導体チップを実装した上記リードフレ
    ームを上記第1の金型部材に装着するリードフレーム装
    着工程と、 上記半導体封止用金型装置を型締めしかつ上記型締保持
    機構によってその型締め状態を保持するとともに、上記
    材料樹脂供給機構によって上記キャビティ内に溶融状態
    の上記材料樹脂を充填する樹脂充填工程と、 上記型締保持機構による上記半導体封止用金型装置の型
    締め状態を保持する型締め保持工程と、 上記半導体封止用金型装置を型開きして上記リードフレ
    ームに対して上記封装樹脂のアウトサート成形が行われ
    たリードフレーム組立体を上記第1の金型部材から突き
    出すイジェクト工程とからなり、 上記半導体封止用金型装置を上記各工程毎に巡回駆動
    し、リードフレームに対して上記封装樹脂のアウトサー
    ト成形を行うことによりリードフレーム組立体を成形す
    ることを特徴とする半導体封止用金型装置を用いた半導
    体装置の封装樹脂成形方法。
  14. 【請求項14】 上記半導体封止用金型装置には、1個
    のリードフレームが装着され、このリードフレームに対
    して上記各工程を介して上記半導体チップを封装する上
    記封装樹脂のアウトサート成形が行われて1個のリード
    フレーム組立体が成形されることを特徴とする請求項1
    3に記載の半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の
    封装樹脂成形方法。
  15. 【請求項15】 上下方向に離間して互いに対向配設さ
    れた第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレ
    ームとによって、型締め状態の上記第1の金型部材と第
    2の金型部材とが搬送される中央部の型締め搬送空間部
    と、型開き状態の上記第1の金型部材が搬送される上方
    部の第1の型開き搬送空間部及び上記第2の金型部材が
    搬送される下方部の第2の搬送空間部とが構成され、 上記型締め搬送空間部の搬送工程中に上記リードフレー
    ムに対して上記半導体チップを封装する上記封装樹脂の
    アウトサート成形を行い、 型開きされた上記第1の金型部材と第2の金型部材と
    を、上記第1の型開き搬送空間部と第2の型開き搬送空
    間部を経由して上記型締め搬送空間部の初期位置へと巡
    回搬送することによって、リードフレーム組立体の連続
    成形を行うことを特徴とする請求項13に記載の半導体
    封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方
    法。
  16. 【請求項16】 上記第1の搬送ガイドフレームと第2
    の搬送ガイドフレームに設けられた加熱手段により、上
    記第1の金型部材と第2の金型部材との加熱工程を搬送
    工程によって行うことを特徴とする請求項15に記載の
    半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成
    形方法。
  17. 【請求項17】 上記第1の金型部材と第2の金型部材
    とが型締めされた状態において、外部に設けた駆動機構
    によって上記材料樹脂供給機構と材料樹脂供給駆動機構
    とをそれぞれ駆動することを特徴とする請求項13に記
    載の半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹
    脂成形方法。
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