JPH09159670A - 試料中のリガンド検出法およびそのための試薬 - Google Patents
試料中のリガンド検出法およびそのための試薬Info
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- JPH09159670A JPH09159670A JP7320894A JP32089495A JPH09159670A JP H09159670 A JPH09159670 A JP H09159670A JP 7320894 A JP7320894 A JP 7320894A JP 32089495 A JP32089495 A JP 32089495A JP H09159670 A JPH09159670 A JP H09159670A
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Abstract
来酵素程度の比活性を有するアルカリフォスファターゼ
を得、これを利用する生体試料中のリガンド検出方法、
そのための試薬、試料中のリガンドを定量する方法、試
料中の核酸配列決定法を提供すること。 【解決手段】 下記理化学的性質を有するアルカリフォ
スファターゼを利用する生体試料中のリガンド検出方
法、そのための試薬、試料中のリガンドを定量する方
法、試料中の核酸配列決定法を提供すること。 1.次の反応を触媒する。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E)
Description
定性がよい新規なアルカリフォスファターゼを標識とす
る試料中のリガンドを検出する方法およびその試薬に関
する。
知られており、様々な成分が混在する中で、ある特定の
微量の成分を特異的に測定する場合には、生化学的親和
性を利用した分析法が用いられている。例えばグルコー
スや尿酸等、体液中に10-2mole/lオーダー以上
の濃度で存在する成分に対しては、該成分を基質とする
酵素反応を利用する検出法が多く使用され、酵素の基質
とならないより高分子量の成分や、より低濃度の成分を
測定しようとする場合には、各成分の親和性、例えば抗
原−抗体、ホルモン−レセプター、核酸−核酸等、より
親和性の高いものを利用することが一般的である。これ
らの親和性を利用する検出法では、一方の親和性成分を
標識して検出することが多くの場合、必要である。その
一つの方法として、標識として放射性物質(RI)を用
いる方法が、検出感度の面で優れており、従来から使用
されてきた。しかし、特殊な放射性物質を取り扱う施設
や測定装置を必要とすることから、近年は、酵素でもっ
て一方の親和性成分を標識し、親和性により結合した標
識もしくは結合しなかった標識の酵素活性を測定するこ
とにより、他方の親和性成分を定量する方法が用いられ
ている。標識酵素の検出に用いる基質を、比色用基質か
ら蛍光法用基質、更には発光用基質と変えることにより
飛躍的に検出感度の向上が図られている。標識用酵素が
備える条件として、一般的に高純度、安定性が高い、タ
ーンオーバーが高い、標識しやすい官能基を持つ、基質
に対するKm値が低い、バックグラウンドが低い、検出
に適した基質がある等が挙げられる。用いられている酵
素の種類としてはアルカリフォスファターゼ、β−ガラ
クトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース6
−リン酸デヒドロゲナーゼ、ペルオキシダーゼ、β−ラ
クタマーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム等が挙げら
れるが、この中でアルカリフォスファターゼがもつ大き
な利点は、バックグラウンドが他の酵素より低いことお
よび検出に適した基質があることなどである。
仔牛小腸由来アルカリフォスファターゼである。仔牛小
腸由来のアルカリフォスファターゼは、比活性3,00
0U/mg以上を有すこと、糖鎖を有しているため、過
ヨウ素酸法で標識できることより、他起源の酵素より優
れているとされている。しかし、その一方で、安定性に
乏しいこと、および有している糖鎖のためにバックグラ
ウンドが生じることも知られている(Besman,M.,Colema
n,J.E.,J.Biol.Chem.,260,1190(1985)、特開昭60-18058
4号公報)。
ゼは安定性が良く、純度の高い標品を容易に入手できる
が、比活性60U/mgと低く、標識用酵素に適さず、
分子生物学における脱リン酸化用酵素として使用されて
いるに過ぎない(Reid,R.W.,Wilson,I.B. in "The Enzy
mes", 3rd Ed.373(1971))。これらの酵素を改善するた
め、部位特異的変異により大腸菌アルカリフォスファタ
ーゼのアミノ酸を置換し、比活性を向上させる試みがあ
る(特開平4-349881号公報)。しかし、ここで得られた
変異アルカリフォスファターゼは、比活性において3.
9倍の上昇が得られたのみであり、仔牛小腸由来のもの
に匹敵しない。
ォスファターゼを獲得しようとする試みもあり、好アル
カリ性バチルス・エスピー(Bacillus sp.)由来の酵素
(M,Nomoto et al.,Agric.Biol.Chem.,52(7),1643(198
8))やバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheni
formis)由来の酵素に関する報告(Hulett,F.M.,J.Gen.
Microbiol.,132,2387(1986))がある。しかしながら、
前者は比活性1650U/mgであって、仔牛小腸由来
酵素の比活性に匹敵するとはいい難い。また後者は比活
性2115.9U/mgながら、その酵素活性測定は5
5℃においてであり、実用的な37℃ではその7割以下
であると予想されるデータが示されている(Hulett,F.
M. et al.,Biochemistry,10(8),1364(1971))。
安定性が高く、しかも仔牛小腸由来酵素程度の比活性を
有するアルカリフォスファターゼを微生物から得ること
が求められていた。本発明の目的はかかるアルカリフォ
スファターゼを使用する試料中のリガンドを検出する方
法、生体試料中のリガンドの検出方法、そのための試
薬、試料中のリガンドを定量する方法、試料中の核酸配
列決定法を提供することである。
高く、安定性に優れ、かつバックグラウンドが低いバイ
ンディングアッセイ方法およびそれを使用する試薬を安
価に作製するために、鋭意研究を重ねた結果、安定性が
良く、比活性が高く、かつバックグラウンドの原因と考
えられる糖鎖を持たないアルカリフォスファターゼを見
いだし、本発明を完成するに至った。
学的性質を有するアルカリホスファターゼを使用するこ
とを特徴とする試料中のリガンドを検出する方法であ
る。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定である。(但し、残存活性が80%以上の
場合を安定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E)
するアルカリホスファターゼで直接的または間接的に標
識されたリガンドに対する特異的結合物質または(ii)リ
ガンドに対する特異的結合物質および下記理化学的性質
を有するアルカリホスファーゼで標識されたリガンド、
および(iii) アルカリホスファターゼ測定試薬を含有す
る生体試料中のリガンド検出試薬である。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定である。(但し、残存活性が80%以上の
場合を安定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E)
はビオチン化合物を結合し、リガンドに対して特異的な
親和性を有する物質および(ii)ビオチン化合物またはア
ビジン化合物を結合する下記理化学的性質を有するアル
カリホスファターゼおよび(iii) アルカリホスファター
ゼを測定する物質を含有する生体試料中のリガンド検出
試薬である。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定である。(但し、残存活性が80%以上の
場合を安定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E)
有するアルカリホスファターゼを使用することを特徴と
する試料中のリガンドを定量する方法である。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定である。(但し、残存活性が80%以上の
場合を安定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E)
有するアルカリホスファターゼを使用することを特徴と
する試料中の核酸配列決定法である。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定である。(但し、残存活性が80%以上の
場合を安定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E)
する具体な方法は、試料中のリガンドとリガンドに対し
て特異的な親和性を有する物質との親和性反応を利用
し、該反応により結合した物質に結合するアルカリホス
ファターゼ活性を測定するか、あるいは結合しなかった
アルカリホスファターゼ活性を測定する方法である。
は、抗原、抗体、ホルモン、ホルモンレセプターまたは
核酸などが例示される。リガンドとリガンドに対して特
異的な親和性を有する物質との親和性反応としては、抗
原抗体反応、ホルモン−ホルモンレセプター反応、核酸
ハイブリダイゼーション反応などがある。
ゼは、上記理化学的性質を有するアルカリフォスファタ
ーゼであれば、いずれの起源のものを用いても良い。好
適なものとしては、バチルス(Bacillus)属のアルカリ
フォスファターゼなどがある。例えば、バチルス・バデ
ィウス(Bacillus badius)TE3492、バチルス・
バディウスTE3493のアルカリフォスファターゼや
バチルス・バディウスTE3497のアルカリフォスフ
ァターゼが例示される。
カリフォスファターゼの理化学的性質は、以下の通りで
ある。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メチ
ルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グリ
セロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、フ
ォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸に
作用する。 3.Km値:0.34mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 4.至適pH:pH9〜10 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適温度:60℃以上 7.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 8.比活性:少なくとも2,300U/mg 9.糖鎖を有さない。 10.熱安定性:60℃以下〔pH7.5、30分間、
(但し、残存活性が80%以上の場合を安定であると定
義する)〕 11.分子量:140,000〜150,000(ゲル
ろ過法)65,000〜67,000(SDS−PAG
E)
カリフォスファターゼの理化学的性質は、以下の通りで
ある。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メチ
ルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グリ
セロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、フ
ォスフォエタノールアミン、グルコース−6−リン酸に
作用する。 3.Km値:0.26mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 4.至適pH:pH9〜10 5.安定pH:pH6〜9(25℃、16時間) 6.至適温度:60℃以上 7.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 8.比活性:少なくとも2,300U/mg 9.糖鎖を有さない。 10.熱安定性:60℃以下〔pH7.5、30分間、
(但し、残存活性が80%以上の場合を安定であると定
義する)〕 11.分子量:140,000〜150,000(ゲル
ろ過法)65,000〜67,000(SDS−PAG
E)
カリフォスファターゼの理化学的性質は、以下の通りで
ある。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.基質特異性:p−ニトロフェニルリン酸、4−メチ
ルウンベリフェリルリン酸、NADP、DL−α−グリ
セロリン酸、β−グリセロリン酸、フェニルリン酸、フ
ォスフォエタノールアミン、グルコース−1−リン酸、
グルコース−6−リン酸に作用する 3.Km値:0.28mM(p−ニトロフェニルリン酸
に対する) 4.至適pH:pH9.5〜10 5.安定pH:pH6〜11(25℃、16時間) 6.至適温度:60℃以上 7.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 8.比活性:少なくとも2,300U/mg 9.糖鎖を有さない。 10.熱安定性:70℃以下〔pH7.5、30分間、
(但し、残存活性が80%以上の場合を安定であると定
義する)〕 11.分子量:140,000〜150,000(ゲル
ろ過法)65,000〜67,000(SDS−PAG
E)
る方法としては、バチルス属に属し、上記理化学的性質
を有するアルカリホスファターゼ生成能を有する菌株、
例えば、バチルス・バディウス(Bacillus badius)T
E3492(FERM P−14683)、バチルス・
バディウスTE3493(FERM P−1468
4)、バチルス・バディウスTE3497(FERM
BP−5120)を培地にて培養し、培養物より該アル
カリホスファターゼを採取する方法がある。アルカリホ
スファターゼ生産菌の培養にあたって使用する培地とし
ては、使用菌株が資化しうる炭素源、窒素源、無機物、
その他必要な栄養素を適量含有するものであれば、合成
培地、天然培地いずれも使用できる。炭素源としては、
例えばグルコース、グリセロール等が使用される。窒素
源としては、例えばペプトン類、肉エキス、酵母エキス
等の窒素含有天然物や、塩化アンモニウム、クエン酸ア
ンモニウム等の無機窒素含有化合物が使用される。無機
物としては、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、硫酸
マグネシウム等が使用される。またアルカリホスファタ
ーゼの生産誘導として、リン酸濃度を低くしておくこと
が望ましい。
培養で行う。培養温度は20〜40℃、好ましくは25
〜37℃、培養pH5〜11の範囲で、好ましくは6〜
10に制御するのがよい。これら以外の条件下でも使用
する菌株が生育すれば実施できる。培養期間は通常1〜
7日で生育し、菌体内および菌体外にアルカリホスファ
ターゼが生産蓄積される。
精製法を用いればよい。例えば、菌体除去後の培地を、
硫安やぼう硝などの塩析法、塩化マグネシウムや塩化カ
ルシウムなどの金属凝集法、プロタミンやポリエチレン
イミンなどの凝集法、さらにはDEAE(ジエチルアミ
ノエチル)−セルロース、CM(カルボキシメチル)−
セファロースなどのイオン交換クロマト法などにより精
製することができる。また、これらの方法で得られた粗
酵素液や精製酵素液は、例えば、スプレードライや凍結
乾燥により粉末化できる。
性測定法を示す。まず下記反応混液をキュベットに調製
し、37℃で約5分予備加温する。 3.00ml 0.1ml CoCl2 および0.5m
M MgCl2 を含む1M ジエタノールアミン緩衝
液、pH9.8 0.05ml 0.67m p−ニトロフェニルリン酸
溶液 次に、酵素溶液0.05mlを加え、緩やかに混和後、
水を対照に37℃で制御された分光光度計で405nm
の吸光度変化を3〜4分間記録し、その初期直線部分か
ら1分間当たりの吸光度変化を求める。盲検は反応混液
に酵素溶液の代わりに酵素希釈液(0.05mM Co
Cl2 および1mM MgCl2 を含む50mM トリ
ス塩酸緩衝液、pH7.5)を加え、上記同様に操作を
行って1分間当たりの吸光度を求めた。上記条件で1分
間に1マイクロモルのp−ニトロフェノールを生成する
酵素量を1単位(U)とする。
で標識される物質としては、例えば、抗原としてはタン
パク質、核酸などの高分子物質などが挙げられる。最
近、良く用いられている抗原のエピトープ部位をデサイ
ンしたペプチドも使用することができる。また抗体とし
ては通常、使用されるもの、例えばヤギ、ウサギ、モル
モットなどに免疫して得られるポリクローナル抗体、マ
ウス腹水等のハイブリドーマから得られるモノクローナ
ル抗体、更にこれらの抗体をプロテアーゼ処理して得ら
れる抗原結合活性フラグメント(Fab’)などを使用
することができる。遺伝子組変え技術で得られるFv抗
体、一本鎖Fv抗体等抗原結合活性を有するタンパク質
を使用することも可能である。
は、リガンドまたはリガンドに対して特異的な親和性を
有する物質のいずれか一方に結合されていることが好ま
しい。
体などに標識する際に使用する方法としては、グルタル
アルデヒド法、マレイミド法、カルボジイミド法、ピリ
ジン−ジスルフィド法などを用いることができるが、好
ましいのはマレイミド法のように抗原、抗体や酵素の活
性を低下させない方法である。
としては、通常、1分子以上、好ましくは2分子以上結
合した酵素標識体を使用することが望ましい。
ガンド、例えば抗原または抗体とアルカリホスファター
ゼを結合した該リガンドに特異的な親和性を有する物
質、例えば抗体または抗原を反応させ、反応生成物と未
反応生成物を分離した後、反応生成物に結合したアルカ
リホスファターゼ活性または未反応生成物のアルカリホ
スファターゼ活性を測定する。
用いる免疫学的測定法は、抗体、抗原のいずれを測定す
る場合にも、競合法、もしくは非競合法のヘテロジニア
ス法に使用することができる。いずれの方法においても
一次抗体のみならず、二次抗体を用いる方法において
も、それらにアルカリホスファターゼを標識することが
できる。また二次抗体の代わりに、プロテインA、プロ
テインGのようなFcレセプターにアルカリホスファタ
ーゼを標識して使用できる。
は、リガンドまたはリガンドに対して特異的な親和性を
有する物質を固相に結合しているリガンドの検出法があ
る。固相としては、従来既知のものを使用すれば良く、
例えばポリスチレンビーズなどが挙げられる。
化合物またはビオチン化合物がリガンドに対して特異的
な親和性を有する物質、例えば抗体または抗原に結合
し、アルカリホスファターゼがビオチン化合物またはア
ビジン化合物に結合して、リガンド、例えば抗原または
抗体とリガンドに対して特異的な親和性を有する物質、
例えば抗体または抗原との親和性反応と同時に、または
その後にアビジン化合物−ビオチン化合物結合反応を行
い、該反応により結合したアルカリホスファターゼ活性
または残存するアルカリホスファターゼ活性を測定する
試料中のリガンドの検出法がある。ここにアビジン化合
物とはビオチン化合物と強く結合する糖タンパク質であ
り、例えばアビジン、ストレプトアビジンなどが挙げら
れる。また、ビオチン化合物とはビタミンB複合体の1
つであり、例えばビオチンなどが挙げられる。
ビジンとビオチンの結合定数は、1015M-1レベルで非
常に高いこと、アビジン化合物、就中アビジンは4つの
ビオチン結合部位を持つこと、ビオチン化合物を導入す
ることは、例えば抗体などの活性の損失が少ないことに
よりアビジン化合物−ビオチン化合物系は大きなメリッ
トを有している。
いて、固相に固定化した抗体と試料を反応させ、さらに
ビオチン化合物を結合した抗体と反応させた後、反応生
成物中のビオチン化合物または未反応生成物中のビオチ
ン化合物をアルカリホスファターゼで標識したアビジン
化合物により検出する。アビジンおよび類縁物質のスト
レプトアビジンは分子量5万程度のタンパク質であり、
これらはアルカリホスファターゼとグルタルアルデヒド
法、マレイミド法、カルボジイミド法、ピリジン−ジス
ルフィド法などを用いて結合することができる。
合物を結合する抗体を使用した場合、抗原抗体反応の
後、アビジン化合物とアルカリホスファターゼで標識し
たビオチン化合物により検出する。アルカリホスファタ
ーゼをビオチン化する試薬は市販されており、例えばビ
オチン−N−ハイドロキシ−コハク酸イミドエステル、
ビオチン−N−ハイドロキシ−スルホコハク酸イミドエ
ステル、ビオチノイル−ε−アミノカプロン酸−N−ハ
イドロキシ−コハク酸イミドエステルなどを挙げること
ができる。
前記理化学的性質を有するアルカリホスファターゼで標
識されたリガンドに対する特異的結合物質または前記理
化学的性質を有するアルカリホスファターゼで標識され
たリガンドおよびアルカリホスファターゼ測定試薬を含
有する。アルカリホスファターゼ測定試薬としては、発
色基質、蛍光基質、発光基質などが例示される。
ン酸、1−ナフトールフタレインモノリン酸(特公平5
−13958号公報)、5−ブロモ−4−クロロ−3−
インドリルリン酸およびそれとニトロブルーテトラゾリ
ウムとの組み合わせなどが挙げられる。また、蛍光基質
としては、4−メチルウンベリフェリルリン酸、フェナ
レノン−6−リン酸とその類縁化合物、ベンズフェナレ
ン−6−リン酸とその類縁化合物(特開昭62−190
191号公報)などが挙げられる。さらに、発光基質と
しては、PPD、AMPPD等の1,2−ジオキセタン
化合物またはそれらの誘導体およびこれらの化合物とエ
ンハンサー、例えば界面活性剤、蛍光性物質またはタン
パク質などの混合物などが挙げられる。
200mmol/l、好ましくは〜50mmol/lで
ある。本発明の酵素反応は、通常、pH7〜11で行う
が、至適pHを考慮すると、pH8〜11で酵素反応す
ることが望ましい。使用する緩衝液としては、トリス塩
酸緩衝液、リン酸緩衝液、ジエタノールアミン塩酸緩衝
液、トリエタノールアミン塩酸緩衝液、重炭酸緩衝液、
N−メチル−D−グルカミン塩酸緩衝液、バルビタール
緩衝液、グリシン水酸化ナトリウム緩衝液、2−アミノ
−2−メチルプロパノール塩酸緩衝液、アミノアルコー
ル系緩衝液などを例示することができる。これらの緩衝
液の濃度は、5〜200mmol/l、好ましくは20
〜50mmol/lである。
成物に結合する酵素の活性は、アルカリホスファタゼ活
性をレート法で測定することより実施できるが、上記基
質と酵素結合体を一定時間反応させ、反応停止後に該生
成物を検出することによっても行うことができる。停止
剤として使用できるものとしては、アルカリ溶液、酵素
阻害剤、EDTA等のキレート剤、無機リン酸等が使用
できる。また反応停止後、強アルカリ条件にすることに
より、p−ニトロフェニルリン酸、ジオキセタン化合物
等の基質では、感度を更に上げることができる(特開平
2−273199号公報)。
ォスファターゼの不活性化を防ぐために金属塩を添加す
ることが望ましい。使用できる金属塩としてはマグネシ
ウム塩、コバルト塩、亜鉛塩、マンガン塩、カルシウム
塩が挙げられるが、好ましくはマグネシウム塩とコバル
ト塩である。好ましいマグネシウム塩の添加濃度は0.
05mmol/l〜10mmol/lであり、酢酸マグ
ネシウム、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、
硫酸マグネシウム、エチレンジアミン四酢酸マグネシウ
ム等のマグネシウム錯化合物を使用することができる。
好ましいコバルト塩の添加濃度は0.02〜5mmol
/lであり、酢酸コバルト、塩化コバルト、クエン酸コ
バルト、硫酸コバルト、エチレンジアミン四酢酸コバル
ト等のコバルト錯化合物を使用することができる。マグ
ネシウム塩とコバルト塩を併用することが望ましいが必
須ではない。
カリフォスファターゼ活性を大きく阻害しない任意のも
のを使用することができる。一般に有用な界面活性剤は
非イオン性界面活性剤であるが、両性界面活性剤および
イオン性界面活性剤も使用できる。また本発明には水と
混和しうる有機溶媒の併用も可能である。その例として
メタノール、エタノール、プロパノール、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル、ヘキサメチレンホスホアミドなどである。
に行わせるため、あるいはその構成成分の活性を維持す
るため、他の化合物を添加してもよい。このような化合
物として、例えば安定化剤、賦形剤が挙げられる。また
バックグラウンドや非特異反応の低減にアルカリフォス
ファターゼの不活化型酵素を添加することは有効であ
る。
法のみならず、ホルモン−レセプター親和性を利用した
ホルモンやそのレセプターの測定、核酸−核酸親和性、
例えばDNA−DNA反応またはDNA−RNA反応な
どを利用した測定などにも用いることができる。
は、捕捉オリゴヌクレオチドを固定した部材に核酸(D
NAまたはRNA)を含む試料を作用させ、次いでアル
カリホスファターゼを標識した検出オリゴヌクレオチド
を作用させて、捕捉オリゴヌクレオチドに結合した核酸
と標識した検出オリゴヌクレオチドとの核酸ハイブリダ
イゼーションを行い、未反応の検出オリゴヌクレオチド
を分離した後、核酸ハイブリダイゼーションされた結合
体のアルカリホスファターゼ活性を測定することによ
り、試料中の核酸を検出する方法がある。
Aなど、1本鎖または2本鎖核酸が例示される。試料と
しては、血清、尿、リンパ液などの体液、各種組織など
の材料が例示される。
またはRNAとの複合体の作製は、例えば M.Renz and
C.Kurz,Nucleic Acids Res.,12(8),3435(1984)に記載の
方法を用いることができる。例えば、アルカリフォスフ
ァターゼとポリエチレンイミンを架橋して、コンジュゲ
ートを作製した後、DNAまたはRNAのオリゴヌクレ
オチドをグルタルアルデヒドにより架橋させ、標識核酸
を得る。またオリゴヌクレオチドを合成する場合、その
5’末端や任意の鎖にスペーサーアームを介して、直
接、アミノ基やチオール基を導入する試薬が市販されて
おり、これらの試薬とアルカリホスファターゼをグルタ
ルアルデヒド法、マレイミド法、カルボジイミド法、コ
ハク酸イミドエステル法、ピリジン−ジスルフィド法に
より結合して、オリゴヌクレオチドにアルカリホスファ
ターゼを導入することもできる。
鋳型として伸長反応を行う際、ビオチン化プライマーも
しくはビオチン化ターミネーター等を利用して、ビオチ
ンをDNA断片に取り込ませる。次に電気泳動により断
片を展開した後、アビジン化アルカリホスファターゼも
しくはアビジン、続いてビオチン化アルカリホスファタ
ーゼと反応させて、上記断片を検出する。
て、核酸ハイブリダイゼーションを行う方法に代えて、
細胞中で核酸ハイブリダイゼーションを行うin situ ハ
イブリダイゼーションにも使用可能である。
て、上記理化学的性質を有するアルカリホスファターゼ
を使用することを特徴とする試料中の核酸配列決定法が
ある。配列決定にはジデオキシターミネーション法、マ
キサム−ギルバート法など公知の手法を選択することが
できる。例えば、ジデオキシターミネーション法を用い
る場合、以下の方法が例示される。まず配列を決定すべ
き核酸(一本鎖もしくはアルカリ変性した2本鎖)にビ
オチン化プライマーをハイブリダイズさせ、さらに1種
のジデオキシリボヌクレオチド(例えばddATP)を
4種のデオキシリボヌクレオチド(dNTPs)および
核酸合成酵素(例えば、Klenow酵素、T7ポリメ
ラーゼ等)とともに加え、伸長反応と停止反応を同時に
行わせる。他の3種のジデオキシリボヌクレオチド(d
dCTP、ddGTPおよびddTTp)についても同
様に反応をおこなわせ、得られる4種の反応液をそれぞ
れシークエンスゲル上の電気泳動に付した後、アビジン
化アルカリフォスファターゼもしくはアビジン、続いて
ビオチン化アルカリホスファターゼを反応させ、発色基
質等を用いて種々の伸長断片を検出、各レーンを比較対
照することにより核酸配列を決定する。上記アルカリホ
スファターゼ標識核酸を用いる核酸配列決定用試薬とし
ては、該酵素を直接的または間接的に結合するDNAま
たはRNAとアルカリホスファターゼ測定試薬を包含す
る。
ターゼを使用するバインディングアッセイ用試薬、それ
による試料中のリガンド検出法は、高感度であって、長
期保存性に優れる。しかも目的物質の検出にあたり、バ
ックグラウンドの少ない良好な結果を与えることができ
る。
体的に説明する。参考例1 3.0%グリセロール、1.0%ポリペプトン、0.1
%酵母エキス、0.02%硫酸マグネシウム、0.00
2%リン酸一カリウム、0.3%塩化ナトリウムを含む
培地100mlを500ml容坂口フラスコに移し、1
21℃、15分間オートクレーブを行った。種菌とし
て、バチルス・バディウムTE3497(FERM B
P−5120)を一白金耳植菌し、30℃で20時間培
養し、種培養液とした。次に同培地6Lを10Lジャー
ファーメンターに移し、121℃で15分間オートクレ
ーブを行い、放冷後、種培養液100mlに移し、30
0rpm,通気量21/分、30℃で20時間培養し
た。得られた培養液について遠心分離を行い、上清液を
得た。本液を硫安分画、DEAE−セファロースクロマ
トグラフィー、フェニルセファロールクロマトグラフィ
ー、セファデックスG−200によるゲルろ過により比
活性2,300U/mgにまで精製した。
性を有していた。 1.下記の反応を触媒した。 オルソリン酸モノエステル + H2 O → アルコー
ル + オルソリン酸 2.基質特異性
あった。 4.至適pH 0.97Mジエタノールアミン緩衝液(pH8.0〜1
1.0)中での酵素活性を測定した。至適pHは9.5
〜10であった。 5.安定pH グリシン塩酸緩衝液(pH2〜3)、酢酸緩衝液(pH
3〜6)、K−リン酸緩衝液(pH6〜8)、トリス塩
酸緩衝液(pH8〜9)、グリシンNaOH緩衝液(p
H9〜10)で26℃、16時間保存して、その残存活
性を測定した。安定pHはpH6〜11であった。 6.至適温度 各温度における酵素活性を測定した。至適温度は60℃
以上であった。 7.熱安定性 本発明の酵素を1.0mM MgCl2 および0.1m
M CoCl2 を含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)中で30分間保温した後、残存する酵素活性を
測定した。70℃まで安定であった(但し、80%以上
の残存活性がある場合を安定であると定義する)。 8.活性化および安定化剤 Mg2+およびCo2+が必須であった。 9.分子量 140,000〜150,000(ゲルろ過法) 65,000〜67,000(SDS−PAGE) 10.糖含量 糖は検出されなかった。
IgGの作製 参考例1のアルカリフォスファターゼ5mgを含む50
mMリン酸緩衝液、pH7.2(1mM MgCl2 お
よび0.1mM CoCl2 を含む)2.5mlに25
%グルタルアルデヒド溶液35μlを加え、25℃で5
0分間インキュベートした。次に、2.5mgのヤギ抗
ヒトCRPIgG分画(日本バイオテスト研究所製)を
含む0.5ml 50mMリン酸緩衝液、pH7.2を
加え、25℃で更に75分間インキュベートした。次に
2M Tris/HCl、pH8.7を150μl添加
後、4℃で30分間撹拌し、150mgのNaBH4 を
含む水溶液を150μl添加後、4℃で15時間インキ
ュベートした。得られた混合物はSuperdexTM
200(ファルマシア製)を用いる高速液体クロマトグ
ラフィー(溶出液として0.1M NaCl、1mM
MgCl2 、0.1mM CoCl2 、0.1% Na
N3 を含む50mM Tris/HCl、pH8.0を
使用)で精製し、第一ピークを酵素標識抗体として取得
した。
製)を被覆したポリスチレンビーズ1個にヒトCRP
0〜1000ng/ml 1mlを加え、30℃で1時
間インキュベートした。次に固相をPBSで3回洗浄
後、アルカリフォスファターゼ活性当たり1U/mlに
希釈した酵素標識抗体1mlを加え、30℃で1時間イ
ンキュベートした。更にPBSで3回洗浄後、11mM
p−ニトロフェニルリン酸、5mM MgCl2 を含
む1Mジエタノールアミン緩衝液、pH9.8を加え、
37℃で30分間反応させ、0.5N NaOH 2m
lを加えて反応を停止させ、405nmにおける吸光度
を測定し、検量線を作成した(図1)。
mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.2)2.5
mlに25%グルタルアルデヒド溶液150μlを加
え、実施例1と同様に操作を行い、酵素標識抗体を取得
した。上記酵素標識抗体を用い、実施例1と同様にヒト
CRPについての検量線を作製した(図1)。特異発色
(10ng/ml ヒトCRP)とブランクの吸光度
(0ng/ml ヒトCRP)の比(S/N比)は、本
発明のアルカリフォスファターゼ12.5に対して、C
IAPは5.13であり、本発明のアルカリフォスファ
ターゼの方が非特異吸着が小さかった。
P Fab’の作製 ヒツジ抗ヒトCRP F(ab’)2 (バインディング
サイト社)5mgを含む0.1Mリン酸緩衝液、pH
6.0 1mlに0.1M 2−メルカプトエチルアミ
ン、10mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液、
pH6.0 100mlを加え、37℃、90分間イン
キュベートした。該混合液を5mM EDTAを含む
0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0で脱塩後、0.5m
lに濃縮した。一方、本発明のアルカリフォスファター
ゼ2.5mgを含む30mM トリエタノールアミン緩
衝液、pH7.6(1mM MgCl2 、0.1mM
CoCl2 を含む)500μlに0.1mg N−サク
シニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキ
サン−1−カルボキシレートを含むジメチルホルムアミ
ド10μlを加え、30℃で30分間インキュベートし
た。得られた液は1mMMgCl2 、0.1mM Co
Cl2 を含む0.1M トリス塩酸緩衝液、pH7.0
で脱塩後、0.5mlに濃縮した。調製したヒツジ抗ヒ
トCRP Fab’にマレイミド化アルカリフォスファ
ターゼを加え、4℃、20時間インキュベートした。次
に10mM 2−メルカプトエチルアミン 50μlを
加え、25℃で20分間インキュベートした。得られた
混合物はSuperdexTM200で精製し、第一ピ
ークを酵素標識抗体として取得した。
ト研究所製)を被覆したポリスチレンビーズ1個に、ヒ
トCRP0〜1000ng/ml 1mlを加え、30
℃で1時間インキュベートした。次に固相をPBSで3
回洗浄後、アルカリフォスファターゼ活性当たり1U/
mlに希釈した酵素標識抗体1mlを加え、30℃で1
時間インキュベートした。更にPBSで3回洗浄後、1
1mMp−ニトロフェニルリン酸、5mM MgCl2
を含む1Mジエタノールアミン緩衝液、pH9.8を加
え、37℃で30分間反応させ、0.5N NaOH2
mlを加えて反応を停止させ、405nmにおける吸光
度を測定し、検量線を作成した(図2)。
ミン緩衝液、pH7.6(1mM MgCl2 、0.1
mM ZnCl2 、3M NaClを含む)500μl
について実施例2と同様の操作を行い、酵素標識抗体を
取得した。上記酵素標識抗体を用い、実施例1同様ヒト
CRPについての検量線を作成した(図2)。特異発色
(10ng/ml ヒトCRP)とブランクの吸光度
(0ng/ml ヒトCRP)の比(S/N比)は、本
発明のアルカリフォスファターゼ55.2に対して、C
IAPは34.8であり、本発明のアルカリフォスファ
ターゼの方が非特異吸着が小さかった。
ゼの作製 ストレプトアビジン4mgを含む0.1Mリン酸緩衝
液、pH7.5 600μlに0.1mg S−アセチ
ルメルカプトスクシニックアンハイドライドを含むジメ
チルホルムアミド10μlを添加し、30℃で30分間
インキュベートした。次に0.1M EDTA、pH
7.0 20μl、0.1M Tris/HCl、pH
7.0 120μl、1M塩酸ハイドロキシルアミン1
20μlを添加し、30℃で5分間インキュベートし、
0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0で脱塩後、600μ
lに濃縮した。実施例2で作製したマレイミド化アルカ
リフォスファターゼ溶液100μlに作製したメルカプ
トスクシニル化ストレプトアビジン100μlを加え、
4℃、20時間インキュベート後、得られた混合物をS
uperdexTM200で精製し、第一ピークを酵素
標識ストレプトアビジンとした。
レプトアビジンを作製した。常法に従い、イモビロン
(ミリポア社)にビオチニルBSAを0〜5ngアプラ
イし、1%カゼインを含むPBSでブロッキング後、本
発明の酵素標識ストレプトアビジン及びCIAP標識ス
トレプトアビジン0.3U/mlと30℃で1時間イン
キュベートした。次に発光基質PPDを含む1M ジエ
タノールアミン緩衝液,pH9.8(5mM MgCl
2 を含む)と反応させ、X線フィルムに感光させて検出
した。本発明の酵素標識体およびCIAP標識体共に
0.5ngのビオチニル化ストレプトアビジンを検出す
ることができた。次に本発明の酵素標識ストレプトアビ
ジンおよびCIAP標識ストレプトアビジンを1mM
MgCl2 を含む50mM Tris/HCl、pH
7.5で40℃に7日間保存して、アルカリフォスファ
ターゼ活性を比較した。結果を図3に示すが、本発明の
酵素標識ストレプトアビジンの方が安定であった(図
3)。
Mトリエタノールアミン緩衝液、pH7.5(1mM
MgCl2 、0.1mM CoCl2を含む)600μ
lに0.128mg D−ビオチニン−ε−アミノカプ
リン酸−N−ハイドロキシスクシイミドエステルを含む
ジメチルホルムアミド20μlを加え、25℃で3時間
撹拌した後、0.1M NaCl、1mM MgC
l2 、0.1mM CoCl2 、0.1%NaN3 を含
む50mMトリス塩酸緩衝液に対して透析した。
アルカリフォスファタを作製した。常法に従い、イモビ
ロン(ミリポア社)にビオチニルBSAを0〜5ngア
プライし、1%カゼインを含むPBSでブロッキング
後、1μg/mlの本発明のビオチニル化アルカリフォ
スファターゼ及びビオチニル化CIAP0.3U/ml
と30℃で1時間インキュベートした。次に発光基質P
PDを含む1M ジエタノールアミン緩衝液、pH9.
8(5mM MgCl2 を含む)と反応させ、X線フィ
ルムに感光させて検出した。本発明の酵素標識体および
CIAP標識体共に50pgのビオチニル化ストレプト
アビジンを検出することができた。次に本発明のビオチ
ニル化アルカリフォスファターゼおよびビオチニル化C
IAPを1mM MgCl2 を含む50mM Tris
/HCl、pH7.5中で熱アルカリフォスファターゼ
活性の熱安定性を比較した。結果を図4に示すが、本発
明のビオチニル化アルカリフォスファターゼの方が安定
であった。
ーンテック社製)を5’端に組み込んだ下記配列のオリ
ゴヌクレオチドを通常の方法で合成し、精製した。 5’−GTAAAACGACGGCCAGTGAGCG
CGCGTAAT−3’ 上記プローブ10nmoleを含む0.1M NaHC
O3 10μlにジスクシミジルスベリン酸溶液(10m
g/ml−DMSO)50μl加え、攪拌後、25℃1
5分間反応させ、セファデックスG−25カラムでゲル
ろ過し、最初のオリゴヌクレオチドを含むピークを分取
した。該ピークを100μlに濃縮し、本発明のアルカ
リフォスファターゼ1.5mgを含む0.1M NaH
CO3 40μlを加え、25℃で一晩反応した。該混合
物に約500μlの1.0mM MgCl2 を含む20
mM Tris/HCl、pH7.0を加えた後、Mo
noQ(ファルマシア製)を用いる高速液体クロマトグ
ラフィー(溶出液A:1.0mM MgCl2 を含む2
0mMTris/HCl、pH7.0、溶出液B:1.
0mM MgCl2 、1M NaClを含む20mM
Tris/HCl、pH7.0)で精製した。
ーブを作製した。本発明の酵素標識プローブおよびCI
AP標識プローブを1mM MgCl2を含むPBSで
70℃で2時間処理して、アルカリフォスファターゼ活
性を比較した。結果は図5に示すように、本発明の酵素
標識プローブの方が安定であった。
トCRPIgGを用いたヒトCRPの検量線の比較を示
す。
ヒトCRPFab’を用いたヒトCRPの検量線の比較
を示す。
とCIAP標識体の保存安定性の比較を示す。
標識体の熱安定性の比較を示す。
安定性を示す。
Claims (20)
- 【請求項1】 標識として、下記理化学的性質を有する
アルカリホスファターゼを使用することを特徴とする試
料中のリガンドを検出する方法。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定(但し、残存活性が80%以上の場合を安
定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E) - 【請求項2】 試料中のリガンドを検出する方法が、試
料中のリガンドとリガンドに対して特異的な親和性を有
する物質との親和性反応を利用するものであり、該反応
により結合した物質に結合するアルカリホスファターゼ
活性を測定するか、あるいは結合しなかったアルカリホ
スファターゼ活性を測定する方法である請求項1記載の
試料中のリガンドの検出法。 - 【請求項3】 リガンドとリガンドに対して特異的な親
和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
り、アルカリホスファターゼがリガンドに対して特異的
な親和性を有する物質に直接的または間接的に結合する
請求項1記載の試料中のリガンドの検出法。 - 【請求項4】 リガンドとリガンドに対して特異的な親
和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
り、アルカリホスファターゼがリガンドに直接的または
間接的に結合する請求項1記載の試料中のリガンドの検
出法。 - 【請求項5】 アビジン化合物またはビオチン化合物が
結合したリガンドに対して特異的な親和性を有する物質
と、アルカリホスファターゼとビオチン化合物またはア
ビジン化合物との結合とを、リガンドとリガンドに対し
て特異的な親和性を有する物質との親和性反応と同時
に、またはその後にアビジン化合物−ビオチン化合物結
合反応に付し、該反応により結合したアルカリホスファ
ターゼ活性または残存するアルカリホスファターゼ活性
を測定する請求項1記載の試料中のリガンドの検出法。 - 【請求項6】 リガンドが抗原、抗体、ホルモン、ホル
モンレセプターまたは核酸である請求項1記載の試料中
のリガンドの検出法。 - 【請求項7】 リガンドとリガンドに対して特異的な親
和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
り、該親和反応が抗原抗体反応である請求項1記載の試
料中のリガンドの検出法。 - 【請求項8】 リガンドとリガンドに対して特異的な親
和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
り、該親和反応がホルモン−ホルモンレセプター反応で
ある請求項1記載の試料中のリガンドの検出法。 - 【請求項9】 リガンドとリガンドに対して特異的な親
和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
り、該親和反応が核酸ハイブリダイゼーション反応であ
る請求項1記載の試料中のリガンドの検出法。 - 【請求項10】 リガンドとリガンドに対して特異的な
親和性を有する物質との親和性反応を利用するものであ
り、リガンドまたはリガンドに対して特異的な親和性を
有する物質のいずれか一方が固相に結合している請求項
1記載の試料中のリガンドの検出法。 - 【請求項11】 下記理化学的性質を有するアルカリホ
スファターゼで標識されたリガンドに対する特異的結合
物質または下記理化学的性質を有するアルカリホスファ
ターゼで標識されたリガンドおよびアルカリホスファタ
ーゼ測定試薬を含有する生体試料中のリガンド検出試
薬。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定(但し、残存活性が80%以上の場合を安
定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E) - 【請求項12】 (i) アビジン化合物またはビオチン化
合物を結合するリガンドに対して特異的な親和性を有す
る物質および(ii)ビオチン化合物またはアビジン化合物
を結合する下記理化学的性質を有するアルカリホスファ
ターゼおよび(iii) アルカリホスファターゼを測定する
物質を含有する生体試料中のリガンド検出試薬。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定(但し、残存活性が80%以上の場合を安
定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E) - 【請求項13】 アルカリホスファターゼ測定試薬が
1,2−ジオキセタン化合物またはこの誘導体、フェナ
レノン−6−リン酸、ベンズフェナレン−6−リン酸、
4−メチルウンベリフェリルリン酸、p−ニトロフェニ
ルリン酸、1−ナフトールフタレインリン酸、5−ブロ
モ−4−クロロ−3−インドリルリン酸またはこれらの
化合物の誘導体である請求項11または12記載の生体
試料中のリガンド検出試薬。 - 【請求項14】 リガンドが抗原、抗体、ホルモン、ホ
ルモンレセプターまたは核酸である請求項11または1
2記載の試料中のリガンド検出試薬。 - 【請求項15】 リガンドとリガンドに対して特異的な
親和性を有する物質とが親和性反応性であって、親和性
反応が抗原抗体反応である請求項11または12記載の
試料中のリガンド検出試薬。 - 【請求項16】 リガンドとリガンドに対して特異的な
親和性を有する物質との親和性反応性であって、親和性
反応がホルモン−ホルモンレセプター反応である請求項
11または12記載の試料中のリガンド検出試薬。 - 【請求項17】 リガンドとリガンドに対して特異的な
親和性を有する物質との親和性反応性であって、親和性
反応が核酸ハイブリダイゼーション反応である請求項1
1または12記載の試料中のリガンド検出試薬。 - 【請求項18】 リガンドまたはリガンドに対して特異
的な親和性を有する物質のいずれか一方が固相に結合し
ている請求項11または12記載の試料中のリガンドの
検出試薬。 - 【請求項19】 標識として、下記理化学的性質を有す
るアルカリホスファターゼを使用することを特徴とする
試料中のリガンドを定量する方法。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+ 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定(但し、残存活性が80%以上の場合を安
定であると定義する) 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E) - 【請求項20】 標識として、下記理化学的性質を有す
るアルカリホスファターゼを使用することを特徴とする
試料中の核酸配列決定法。 1.次の反応を触媒する。オルソリン酸モノエステル
+ H2 O → アルコール + オルソリン酸 2.活性化および安定化剤:Mg2+およびCo2+(但
し、残存活性が80%以上の場合を安定であると定義す
る) 3.熱安定性:pH7.5、60℃処理で、少なくとも
30分間安定である。 4.比活性:少なくとも2,300U/mg 5.糖鎖を有さない。 6.分子量:140,000〜150,000(ゲルろ
過法)65,000〜 67,000(SDS−PAG
E)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013011519A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Mitsubishi Chemical Medience Corp | 安定化された高アルカリ性試薬及び測定方法 |
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1995
- 1995-12-08 JP JP32089495A patent/JP3658820B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2013011519A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Mitsubishi Chemical Medience Corp | 安定化された高アルカリ性試薬及び測定方法 |
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