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JPH0915807A - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

Info

Publication number
JPH0915807A
JPH0915807A JP16079995A JP16079995A JPH0915807A JP H0915807 A JPH0915807 A JP H0915807A JP 16079995 A JP16079995 A JP 16079995A JP 16079995 A JP16079995 A JP 16079995A JP H0915807 A JPH0915807 A JP H0915807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive material
processing
washing
liquid
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16079995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3768562B2 (ja
Inventor
Akira Masuda
彰 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP16079995A priority Critical patent/JP3768562B2/ja
Publication of JPH0915807A publication Critical patent/JPH0915807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3768562B2 publication Critical patent/JP3768562B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水洗処理液の液圧を適性に設定し、カスケー
ドを正常に行う。 【構成】 水洗槽20、22、24、26に貯留された
水洗処理液の液面レベルがペーパー14の搬送方向上流
側(矢印A方向)に向かって段階的に低く設定されてお
り、さらに、所定の許容時間内では、このような段階的
に低くなった状態が保持される。よって、少なくとも許
容時間内において、水洗処理液がカスケード処理で新し
い水洗処理液を供給する方向と逆方向(矢印B方向)に
漏れることを防止でき、カスケードを正常に行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光材料処理装置に係
り、より詳しくは、水洗処理液を貯留した複数の処理槽
を有し、隣接する処理槽の間を仕切る仕切壁に設けられ
た通路及び前記複数の処理槽に貯留された水洗処理液の
中を通過させて感光材料を搬送する感光材料処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の感光材料処理装置では、画像が焼
付露光されたフィルムやペーパー等の感光材料を発色現
像液、漂白定着液、及び水洗処理液の各処理液中を順次
搬送することにより、感光材料の現像・定着・水洗の各
処理を行っている。特に、水洗する場合には、ペーパー
に発色現像液又は漂白定着液が付着したままとなること
を回避すべく水洗処理液を貯留した処理槽を複数設ける
ことが一般的である。
【0003】この場合、複数設けられた処理槽の各々に
貯留した水洗処理液の液面レベルを感光材料の搬送方向
下流側から上流側へ向かって段階的に低くなるように予
め設定し、最下流側の処理槽のみに新しい水洗処理液を
供給する、いわゆるカスケードによって水洗処理されて
いる。
【0004】また、上記のような従来の感光材料処理装
置では、感光材料を一の処理槽の水洗処理液中から一旦
引き出した後、隣接した処理槽の水洗処理液中へ搬送し
ている。
【0005】ところが、感光材料を水洗処理液中から引
き出したときには、実質的に感光材料の処理が停止して
いるため、感光材料を水洗処理液中から引き出している
時間を極力短くすることが待望されていた。
【0006】このため、上流側の処理槽と下流側の処理
槽との間の仕切壁に感光材料の通路を設け、感光材料を
液外に引き出すことなく搬送することにより、感光材料
の迅速処理を図る技術(所謂水中クロスオーバー方式)
が種々提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように感光材料を液外に引き出すことなく搬送する場合
には、搬送される感光材料と通路との隙間等から水洗処
理液が隣接した処理槽へ漏れることがあり、処理停止中
でも通路を通して若干の水洗処理液が隣接した処理槽へ
漏れることがある。特に、上流側の処理槽から下流側の
処理槽へ水洗処理液が漏れると、下流側の処理槽の水洗
処理液に汚れが広がる虞れがあり、カスケードによる水
洗処理液の交換が正常に行われない虞れがある。
【0008】本発明は、上記問題点を解消するために成
されたものであり、水洗処理液の液圧を適性に設定し、
カスケードを正常に行うことができる感光材料処理装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、水洗処理液を貯留した複
数の処理槽を有し、隣接する処理槽の間を仕切る仕切壁
に設けられた通路及び前記複数の処理槽に貯留された水
洗処理液の中を通過させて感光材料を搬送する感光材料
処理装置であって、隣接する処理槽間において感光材料
の搬送方向上流側に位置する処理槽における感光材料が
通過する部分の液圧を、感光材料の搬送方向下流側に位
置する処理槽における感光材料が通過する部分の液圧よ
り小さくしたことを特徴とする。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、隣接する処理槽に貯留された水洗処
理液の液面レベルの差Hが、
【0011】
【数2】
【0012】Q:単位時間当りに通路を通って搬送方向
下流側の処理槽から搬送方向上流側の処理槽へ漏れる水
洗処理液の漏れ量 D:各処理槽の開口面積 を満たすように設定することによって、隣接する処理槽
間において感光材料の搬送方向上流側に位置する処理槽
における感光材料が通過する部分の液圧を、感光材料の
搬送方向下流側に位置する処理槽における感光材料が通
過する部分の液圧より小さくしたことを特徴とする。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の発明において、各処理槽を密閉された構造とし、各
処理槽における空気層に圧力差を設けることによって、
隣接する処理槽間において感光材料の搬送方向上流側に
位置する処理槽における感光材料が通過する部分の液圧
を、感光材料の搬送方向下流側に位置する処理槽におけ
る感光材料が通過する部分の液圧より小さくしたことを
特徴とする。
【0014】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至3の何れか1項に記載の発明において、各処理槽に貯
留された水洗処理液の液面に、不活性な流動体を配置し
たことを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明では、隣接する処理槽間に
おいて感光材料の搬送方向上流側に位置する処理槽にお
ける感光材料が通過する部分の液圧を、感光材料の搬送
方向下流側に位置する処理槽における感光材料が通過す
る部分の液圧より小さくしたので、感光材料の搬送方向
下流側の処理槽から搬送方向上流側の処理槽へ水洗処理
液が漏れることはあっても、その逆方向に水洗処理液が
漏れることを防止することができる。即ち、水洗処理液
がカスケードで新しい水洗処理液を供給する方向と逆方
向に漏れることを防止でき、カスケードを正常に行うこ
とができる。
【0016】隣接する処理槽間において感光材料の搬送
方向上流側に位置する処理槽における感光材料が通過す
る部分の液圧を、感光材料の搬送方向下流側に位置する
処理槽における感光材料が通過する部分の液圧より小さ
くするには、請求項2記載の発明のように、隣接する処
理槽に貯留された水洗処理液の液面レベルに以下の
(1)式で定まる差Hを設ければ良い。この場合、隣接
する処理槽間において感光材料の搬送方向上流側に位置
する処理槽における液面レベルを、下流側に位置する処
理槽における液面レベルよりも低くすれば良い。
【0017】
【数3】
【0018】Q:単位時間当りに通路を通って搬送方向
下流側の処理槽から搬送方向上流側の処理槽へ漏れる水
洗処理液の漏れ量 D:各処理槽の開口面積 ここで、隣接する処理槽間の水洗処理液の液面レベルに
差Hを設けた場合に、それらの液面レベルが等しくなる
までに搬送方向下流側の処理槽における液面レベルは
(H/2)だけ下がり、搬送方向上流側の処理槽におけ
る液面レベルは(H/2)だけ上がる。即ち、液面レベ
ルが等しくなるまでに下流側の処理槽から上流側の処理
槽へ漏れる水洗処理液の漏れ量は、(H/2)×Dとな
る。
【0019】液面レベルが等しくなるまでに下流側の処
理槽から上流側の処理槽へ漏れる水洗処理液の漏れ量
((H/2)×D)を、単位時間当りに通路を通って搬
送方向下流側の処理槽から搬送方向上流側の処理槽へ漏
れる水洗処理液の漏れ量Qによって除算した値が、隣接
する処理槽間の水洗処理液の液面レベルに差Hを設けた
場合の液面レベルが等しくなるまでの時間となる。
【0020】従って、(1)式は、隣接する処理槽に貯
留された水洗処理液の液面レベルが等しくなるまでの時
間が許容時間よりも長いことを表している。即ち、
(1)式を満たすことは、許容時間内には隣接する処理
槽に貯留された水洗処理液の液面レベルが等しくならな
いことを意味する。
【0021】よって、許容時間内において、水洗処理液
の液面レベルが感光材料の搬送方向上流側に向かって段
階的に低くなった状態、即ち、隣接する処理槽間におい
て感光材料の搬送方向上流側に位置する処理槽における
感光材料が通過する部分の液圧を、感光材料の搬送方向
下流側に位置する処理槽における感光材料が通過する部
分の液圧より小さくした状態を保持することができる。
従って、水洗処理液がカスケードで新しい水洗処理液を
供給する方向と逆方向に漏れることを防止でき、カスケ
ードを正常に行うことができる。
【0022】なお、上記許容時間は、一日の処理時間内
において水洗処理液が所定レベル以上の品質に保持され
るように、一日の処理時間に応じて設定することがで
き、例えば、一日の処理時間が8時間である場合、許容
時間として約6時間程度を設定すれば良い。但し、この
許容時間は、各処理槽に貯留された水洗処理液の量に応
じて設定することが望ましい。即ち、貯留された水洗処
理液の量が多い場合には、上流側から少量の水洗処理液
が漏れても、貯留された水洗処理液全体の品質が急激に
劣化する可能性が低いのに対し、貯留された水洗処理液
の量が少ない場合には、上流側から少量の水洗処理液が
漏れると、貯留された水洗処理液全体の品質が急激に劣
化する虞れがあるため、貯留された水洗処理液の量が少
ないときほど許容時間を一日の処理時間に近い時間に設
定する方が良い。
【0023】また、請求項3記載の発明のように、各処
理槽を密閉された構造とし、各処理槽における空気層に
圧力差を設けることによって、隣接する処理槽間におい
て感光材料の搬送方向上流側に位置する処理槽における
感光材料が通過する部分の液圧を、感光材料の搬送方向
下流側に位置する処理槽における感光材料が通過する部
分の液圧より小さくしても良い。
【0024】請求項3記載の発明では、各処理槽の水洗
処理液の液面レベルを均一にし、隣接する処理槽間にお
いて感光材料の搬送方向上流側に位置する処理槽におけ
る空気層の圧力を、感光材料の搬送方向下流側に位置す
る処理槽における空気層の圧力より小さくしても良く、
また、水洗処理液の液面レベルに差を設け、各処理槽に
おける空気層に圧力差を設けることにより、隣接する処
理槽間において感光材料の搬送方向上流側に位置する処
理槽における感光材料が通過する部分の液圧を、感光材
料の搬送方向下流側に位置する処理槽における感光材料
が通過する部分の液圧より小さくしても良い。
【0025】また、請求項4記載の発明では、各処理槽
に貯留された水洗処理液の液面に、不活性な流動体を配
置した。不活性な流動体としては、流動パラフィンや流
動オイル等を用いることができる。これにより、各処理
槽における水洗処理液の蒸発量を少なくし、各処理槽に
おける感光材料が通過する部分の液圧に与える水洗処理
液の蒸発による影響を少なくすることができる。
【0026】特に、水洗処理液を貯留した処理槽を3槽
以上有する感光材料処理装置では、搬送される感光材料
は、最上流側、最下流側の処理槽以外の処理槽の水洗処
理液の液面に接しないので、最上流側、最下流側の処理
槽以外の処理槽の液面に配置する流動体は感光材料に与
える影響をあまり考慮しなくて良いという特有の効果を
有する。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の感光材料処
理装置の一実施例を説明する。
【0028】図1には、感光材料処理装置としてのペー
パープロセッサ10における処理部12が示されてい
る。処理部12には、感光材料としてのペーパー14の
搬送方向上流側(矢印A方向側)から順に、現像槽1
6、定着槽18、第1水洗槽20、第2水洗槽22、第
3水洗槽24及び第4水洗槽26が水平方向に並んで配
置されている。現像槽16には現像液が、定着槽18に
は定着液が所定量貯留されている。また、第1水洗槽2
0、第2水洗槽22、第3水洗槽24及び第4水洗槽2
6には、水洗処理液が貯留されている。
【0029】現像槽16及び定着槽18の内部には、ペ
ーパー14を槽内で略U字状に搬送する複数のローラか
らなる搬送装置28が設けられている。現像槽16の上
方には、ペーパー14を現像槽16内へ搬送する挟持ロ
ーラ30及び現像処理されたペーパー14を定着槽18
側へ搬送する挟持ローラ32が設けられている。また、
定着槽18の上方には、現像槽16側から搬送されたペ
ーパー14を定着槽18内へ搬送する挟持ローラ34及
び定着処理されたペーパー14を第1水洗槽20側へ搬
送する挟持ローラ36が設けられている。
【0030】また、第1水洗槽20の上方には、定着処
理されたペーパー14を第1水洗槽20の内部へ搬送す
る挟持ローラ38が設けられている。第1水洗槽20と
第2水洗槽22との間の仕切壁40、第2水洗槽22と
第3水洗槽24との間の仕切壁42、第3水洗槽24と
第4水洗槽26との間の仕切壁44には、各々ペーパー
14の通過を許容するスリット状の通路46が設けられ
ている。
【0031】各通路46には、ブレード48が取り付け
られている。ブレード48は、弾性体(ゴム、合成樹脂
等)からなる下ブレード及び弾性体からなる上ブレード
から構成されており、下ブレード及び上ブレードはペー
パー14の搬送方向へ向けて傾斜し、各々の先端はペー
パー14に当接している。
【0032】また、第1水洗槽20、第2水洗槽22、
第3水洗槽24及び第4水洗槽26の内部には、槽内の
ペーパー14を矢印B方向側へ搬送する挟持ローラ50
が設けられている。なお、第4水洗槽26の上方には、
水洗されたペーパー14を図示しない乾燥処理部へ搬送
する挟持ローラ52が設けられている。
【0033】第4水洗槽26の上方には、補充タンク9
2に貯留された新鮮な水洗処理液を第4水洗槽26へ供
給する配管94の端部が配置されており、配管94の途
中には補充タンク92の水洗処理液を第4水洗槽26へ
供給するために駆動するポンプ96が設けられている。
ポンプ96にはポンプ駆動装置98が接続されており、
所定タイミングでポンプ制御装置98から駆動信号が入
力されることにより、ポンプ96が動作し補充タンク9
2の水洗処理液が配管94を介して第4水洗槽26へ供
給される。
【0034】また、第1水洗槽20には、所定量以上の
水洗処理液を排出するためのオーバーフロー管68が設
けられており、オーバーフローした水洗処理液はオーバ
ーフロー管68を介して貯留槽69に貯留される。
【0035】上記のような構成のペーパープロセッサ1
0において処理開始前に、隣接する水洗槽の水洗処理液
の液面レベルの液面差ΔHが感光材料の搬送方向上流側
に向かって段階的に低くなるように設定する。以下、こ
の設定すべき液面差ΔHについて説明する。
【0036】本実施例では、液面差ΔHを設定するにあ
たり、ペーパー搬送に伴う水洗処理液の流入・流出によ
り生じる液面差ΔIと水洗処理液の蒸発により生じる液
面差ΔJとを液面変動要因とみなし、これらの液面変動
要因を以下のように考慮する。
【0037】まず、ペーパー搬送に伴う水洗処理液の流
入・流出による液面差ΔIについて、第1水洗槽20と
第2水洗槽22間のペーパー搬送による、時間tまでに
処理した時の水洗処理液の流入・流出による液面差I12
(t)を例として図2を用いて説明する。
【0038】第1水洗槽20において、所定時間t0
にペーパー14の搬送に伴い定着槽18(図1参照)か
ら流入する液量C0 と第2水洗槽22へ流出する液量C
1 との差V1 だけ液量の変化がある。
【0039】C0 −C1 =V1 −−−(2) よって、第1水洗槽20における水洗処理液の移動によ
る液面変化量I1(t0)は差V1 を処理槽の開口面積Dで
除算した値となる。
【0040】 I1(t0)=V1 /D=(C0 −C1 )/D −−−(3) 同様に、第2水洗槽22における水洗処理液の移動によ
る液面変化量I2(t0)は、第1水洗槽20から流入する
液量C1 と第3水洗槽24へ流出する液量C2との差V
2 を、開口面積Dで除算した値となる。
【0041】 I2(t0)=V2 /D=(C1 −C2 )/D −−−(4) 従って、第1水洗槽20と第2水洗槽22との液面差I
12(t0)は以下の(5)式で表される。
【0042】 I12(t0)=I1(t0)−I2(t0)=(C0 −2C1 +C2 )/D −−(5) なお、第2水洗槽22と第3水洗槽24との液面差I23
(t0)、及び第3水洗槽24と第4水洗槽26との液面差
34(t0)も、上記と同様に求めることができる。
【0043】次に、水洗処理液の蒸発による液面差ΔJ
について、第1水洗槽20と第2水洗槽22との蒸発に
よる液面差J12(t)を例として図2を用いて説明す
る。
【0044】第1水洗槽20において単位時間内に蒸発
する水洗処理液の量を蒸発量E1 とすると、単位時間内
での液面変化量j1 は、蒸発量E1 を開口面積Dで除算
した値となる。
【0045】j1 =E1 /D −−−(6) 同様に、第2水洗槽20における単位時間内での液面変
化量j2 は、蒸発量E 2 を開口面積Dで除算した値とな
る。
【0046】j2 =E2 /D −−−(7) 第1水洗槽20と第2水洗槽22との蒸発による液面差
12(t)は、上記液面変化量j1 と液面変化量j2
の差であるので、以下の式が導出される。
【0047】 J12(t)=j1 −j2 =(E1 −E2 )/D −−−(8) 従って、所定時間t0 までの蒸発による液面差は、
【0048】
【数4】
【0049】となる。なお、第2水洗槽22と第3水洗
槽24との蒸発による液面差J23(t)及び第3水洗槽
24と第4水洗槽26との蒸発による液面差J34(t)
も、上記と同様に求めることができる。
【0050】以上の説明により、第1水洗槽20と第2
水洗槽22との実際の液面差H12は、上述したペーパー
搬送に伴う水洗処理液の流入・流出による液面差Δ
12、水洗処理液の蒸発による液面差J12(t)、及び
処理開始前に設定する液面差ΔH 12によって、以下(1
0)式のように表される。
【0051】
【数5】
【0052】第1水洗槽20と第2水洗槽22との液面
差が液面差H12である場合、これらの液面レベルが等し
くなるまでに第2水洗槽22における液面レベルは(H
12/2)だけ下がり、第1水洗槽20における液面レベ
ルは(H12/2)だけ上がる。即ち、液面レベルが等し
くなるまでに第2水洗槽22から第1水洗槽20へ漏れ
る水洗処理液の漏れ量は((H12/2)×D)となる。
【0053】また、第2水洗槽22から第1水洗槽20
への水洗処理液の漏れ量Q12が、図3に示すように関数
Q(t)で表される場合には、所定時間t0 までの漏れ
量Q 12は、以下の(11)式となる。
【0054】
【数6】
【0055】本実施例では、隣接する水洗槽の水洗処理
液の液面レベルが感光材料の搬送方向上流側に向かって
段階的に低くなる状態が、許容時間内において保持され
るように、液面差ΔHを処理開始前に設定する。
【0056】即ち、第1水洗槽20と第2水洗槽22と
の間での水洗処理液の漏れを例にとると、許容時間Tで
の漏れ量
【0057】
【数7】
【0058】が、液面レベルが等しくなるまでに第2水
洗槽22から第1水洗槽20へ漏れる水洗処理液の漏れ
量((H12/2)×D)に、満たなければ良い。従っ
て、(10)式と(11)式とから導出される以下の
(12)式を満たすように、第1水洗槽20と第2水洗
槽22とで液面差ΔH12を設定する。
【0059】
【数8】
【0060】なお、この許容時間Tとしては、一日の処
理時間(例えば8時間)内は、水洗処理液の品質を一定
レベルに保持できる程度の時間、例えば6時間が定めら
れる。
【0061】同様に、第2水洗槽22と第3水洗槽24
とで液面差ΔH23及び第3水洗槽24と第4水洗槽26
とで液面差ΔH34を設定する。
【0062】以上の説明から明らかなように、上記(1
2)式に基づいて液面差ΔH12、液面差ΔH23及び液面
差ΔH34をペーパープロセッサ10の処理開始前に設定
することにより、許容時間、例えば6時間以内は隣接す
る水洗槽の水洗処理液の液面レベルが等しくなることは
なく、水洗処理液の液面レベルが感光材料の搬送方向上
流側に向かって段階的に低くなった状態が維持される。
よって、許容時間以内に水洗処理液がペーパー14の搬
送方向上流側から下流側へ漏れること、即ち水洗処理液
がカスケードで新しい水洗処理液を供給する方向と逆方
向に漏れることを防止でき、一日の処理時間(例えば8
時間)内において水洗処理液の品質を一定レベルに保持
することができる。従って、カスケードを正常に行うこ
とができると共に、水洗処理液を良好な状態に維持し水
洗処理を正常に行うこともできる。
【0063】なお、上記実施例では、水洗処理液を貯留
した4つの処理槽が設けられたペーパープロセッサに本
発明が適用された例を示したが、3つ以下の処理槽又は
5つ以上の処理槽が設けられたペーパープロセッサにも
本発明を適用することができる。また、本発明は水洗処
理液を貯留した複数の処理槽を備えたフィルムプロセッ
サやプリンタプロセッサにも適用することができる。
【0064】また、上記実施例では、水洗処理液の蒸発
による液面差J(t)を考慮した例を示したが、図4に
示すように、貯留された水洗処理液の液面に、不活性
な、即ちペーパー14に影響を与えない流動体80を浮
かせることにより、水洗処理液の蒸発量を少なくして蒸
発による液面差を考慮しないようにすることができる。
不活性な流動体80としては、流動パラフィンや流動オ
イル等を用いることができる。なお、このとき図4に示
すように第1水洗槽20及び第4水洗槽26において、
ペーパー14が水洗処理液の中へ又は水洗処理液から外
へ搬送される液面部に案内用管74、76を配置するこ
とにより、ペーパー14の表面に流動体80が付着する
ことを防止しペーパーの水洗効果を妨げないようにする
のが好ましい。また、上記実施例のような所謂水中クロ
スオーバー方式の水洗処理では、ペーパーは最上流側の
第1水洗槽20の液面と最下流側の第4水洗槽26の液
面との2つの液面のみを通過する。従って、これら最上
流側、最下流側の処理槽以外の処理槽の液面と搬送され
るペーパーとは接しないので、最上流側、最下流側の処
理槽以外の処理槽の液面に配置する流動体はペーパーに
与える影響をあまり考慮しなくて良い。
【0065】また、図5に示すように、第1〜第4水洗
槽の各々を上蓋82で覆い密閉し、上蓋82においてペ
ーパー14を通過させる部分には、空気もれ防止可能な
案内部84を設け、第1〜第4水洗槽における空気圧P
1 、P2 、P3 、P4 を、P 1 <P2 <P3 <P4 とな
るように維持することにより、水洗処理液がペーパー1
4の搬送方向上流側から下流側へ逆流することを回避
し、水洗処理液の状態を良好に維持しても良い。この場
合には、隣接する水洗槽の液面レベルに前述したような
液面差を設定する必要は無い。なお、何れか1つの処理
槽の空気圧を大気圧とし、該処理槽の上流側の処理槽の
空気圧を負圧、下流側の処理槽の空気圧を正圧とすれ
ば、空気圧を大気圧とした処理槽を密閉しないように構
成することができる。
【0066】また、上記のように各水洗槽の空気圧に差
を設けることと前記実施例のように水洗処理液の液面レ
ベルに差を設けることとを併用することにより、各処理
槽におけるペーパーが通過する部分の液圧がペーパーの
搬送方向上流側に向かって小さくなるようにしても良
い。
【0067】また、ペーパープロセッサ10の稼働中に
実施される第4水洗槽26への水洗処理液の補充による
処理槽の液面差への影響を以下のように考慮しても良
い。即ち、補充される液量をPとすると、補充された水
洗処理液によって第4水洗槽26の液面は(P/D)だ
け上昇する。
【0068】従って、第3水洗槽24と第4水洗槽26
との液面差ΔH34を設定する際には、補充液量Pを考慮
した以下の(13)式を満たすように、ペーパープロセ
ッサ10の稼働開始前に液面差ΔH34を設定しても良
い。
【0069】
【数9】
【0070】また、上記実施例のような所謂水中クロス
オーバー方式による水洗処理では、各水洗槽に貯留され
た水洗処理液の濃度は同じであることが最も望ましく、
隣接した水洗槽の水洗処理液における濃度差が、一方の
水洗処理液の濃度に対し20%以内の値となるように維
持した方が望ましい。ところが、上記濃度差が20%を
越える場合には、隣接した水洗槽の水洗処理液の比重差
や拡散率が大きくなり、一方の水洗槽から他方の水洗槽
への漏れ量が増加するので、液面設定において上記水洗
処理液の濃度差に起因する液面差を考慮することが望ま
しい。
【0071】また、上記実施例において図6に示すよう
に、隣接した水洗槽間にカスケードパイプを設けても良
い。即ち、第4水洗槽26と第3水洗槽24との間に、
第4水洗槽26に供給された新鮮な水洗処理液を第3水
洗槽24へ流通させるためのカスケードパイプ64を設
け、さらに、カスケードパイプ64の中間部には第3水
洗槽24から第4水洗槽26へ水洗処理液が逆流するこ
とを防止するための逆流防止弁66を設ける。これと同
様に、第3水洗槽24と第2水洗槽22との間及び第2
水洗槽22と第1水洗槽20との間にも、カスケードパ
イプ60、56を設け、カスケードパイプ60、56の
中間部には逆流防止弁62、58をそれぞれ設ける。処
理部12を上記のような構成とすることにより、水洗処
理液の逆流を防止しつつカスケードを効率的に行うこと
ができる。
【0072】さらに図6に示す処理部12において、カ
スケードパイプを通して水洗処理液をペーパー搬送方向
下流側から上流側へポンプによって強制的に流通させ
て、水洗処理液の迅速な交換を図るようにしても良い。
【0073】また、上記実施例では、いわゆる水中クロ
スオーバーの仕切壁40、42、44にはブレードが取
付られ、隣接する処理槽間の水洗処理液を遮断している
が、本発明は、以下に述べるような各種の水中クロスオ
ーバー、即ち、ローラ1対とブレード1対によって遮断
する水中クロスオーバー、ブレード1枚と固定部材によ
って遮断する水中クロスオーバー、及びローラ1本とブ
レード2枚によって遮断する水中クロスオーバーにも適
用することができる。
【0074】ローラ1対とブレード1対によって遮断す
る水中クロスオーバーの例としては、図7(A)に示す
ように、ローラ対86と、ローラ対86に対しペーパー
搬送方向上流側に配置した1対のブレード87、88
と、によって遮断する態様や、図7(B)に示すよう
に、ローラ対89と、ローラ対89に対し処理槽の深さ
方向の両側に配置したブレード90、91と、によって
遮断する態様がある。
【0075】また、ブレード1枚と固定部材によって遮
断する水中クロスオーバーの例としては、図8(A)に
示すように、ローラ対92と、ローラ対92に対しペー
パー搬送方向上流側に配置したブレード93及び固定部
材94と、によって遮断する態様があり、ローラ1本と
ブレード2枚によって遮断する水中クロスオーバーの例
としては、図8(B)に示すように、ローラ95と、ロ
ーラ95に対し処理槽の深さ方向の両側に配置したブレ
ード96、97と、によって遮断する態様がある。
【0076】
【発明の効果】請求項1乃至3記載の発明によれば、各
処理槽における感光材料が通過する部分の液圧が感光材
料の搬送方向上流側に向かって小さくなるので、水洗処
理液がカスケードで新しい水洗処理液を供給する方向と
逆方向に漏れることを防止でき、カスケードを正常に行
うことができる、という効果が得られる。
【0077】また、請求項4記載の発明によれば、各処
理槽の水洗処理液の液面に不活性な流動体を配置したの
で、各処理槽における水洗処理液の蒸発量を少なくし、
各処理槽における感光材料が通過する部分の液圧に与え
る水洗処理液の蒸発による影響を少なくすることができ
る、という効果が得られる。特に、水洗処理液を貯留し
た処理槽を3槽以上有する感光材料処理装置では、搬送
される感光材料は、最上流側、最下流側の処理槽以外の
処理槽の水洗処理液の液面に接しないので、最上流側、
最下流側の処理槽以外の処理槽の液面に配置する流動体
は感光材料に与える影響をあまり考慮しなくて良いとい
う特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のペーパープロセッサの処理部の概略
構成図である。
【図2】隣接する処理槽間での液面レベルの差の設定方
法を説明するための図である。
【図3】時間とともに変化する漏れ量を示す線図であ
る。
【図4】水洗処理液の液面に不活性な流動体を浮かせた
例を示す概略構成図である。
【図5】隣接する処理槽間で空気圧に差を設けた場合の
概略構成図である。
【図6】隣接する処理槽間にカスケードパイプを設けた
場合の概略構成図である。
【図7】(A)及び(B)は、本発明を適用可能な各種
の水中クロスオーバーの態様を示す図である。
【図8】(A)及び(B)は、本発明を適用可能な各種
の水中クロスオーバーの態様を示す図である。
【符号の説明】
10 ペーパープロセッサ(感光材料処理装置) 14 ペーパー(感光材料) 20 第1水洗槽(処理槽) 22 第2水洗槽(処理槽) 24 第3水洗槽(処理槽) 26 第4水洗槽(処理槽) 40、42、44 仕切壁 46 通路 80 流動体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水洗処理液を貯留した複数の処理槽を有
    し、隣接する処理槽の間を仕切る仕切壁に設けられた通
    路及び前記複数の処理槽に貯留された水洗処理液の中を
    通過させて感光材料を搬送する感光材料処理装置であっ
    て、 隣接する処理槽間において感光材料の搬送方向上流側に
    位置する処理槽における感光材料が通過する部分の液圧
    を、感光材料の搬送方向下流側に位置する処理槽におけ
    る感光材料が通過する部分の液圧より小さくしたことを
    特徴とする感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 隣接する処理槽に貯留された水洗処理液
    の液面レベルの差Hが、 【数1】 Q:単位時間当りに通路を通って搬送方向下流側の処理
    槽から搬送方向上流側の処理槽へ漏れる水洗処理液の漏
    れ量 D:各処理槽の開口面積 を満たすように設定することによって、隣接する処理槽
    間において感光材料の搬送方向上流側に位置する処理槽
    における感光材料が通過する部分の液圧を、感光材料の
    搬送方向下流側に位置する処理槽における感光材料が通
    過する部分の液圧より小さくしたことを特徴とする請求
    項1記載の感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】 各処理槽を密閉された構造とし、各処理
    槽における空気層に圧力差を設けることによって、隣接
    する処理槽間において感光材料の搬送方向上流側に位置
    する処理槽における感光材料が通過する部分の液圧を、
    感光材料の搬送方向下流側に位置する処理槽における感
    光材料が通過する部分の液圧より小さくしたことを特徴
    とする請求項1記載の感光材料処理装置。
  4. 【請求項4】 各処理槽に貯留された水洗処理液の液面
    に、不活性な流動体を配置したことを特徴とする請求項
    1乃至3の何れか1項に記載の感光材料処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002090962A (ja) * 2000-09-11 2002-03-27 Fuji Photo Film Co Ltd 感光材料処理装置
DE102014114458B3 (de) * 2014-10-06 2015-10-22 En3 Gmbh Vorrichtung zur Steuerung der Kinematik einer Rotationskolbenmaschine

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