JPH09157158A - 生薬配合製剤 - Google Patents
生薬配合製剤Info
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- JPH09157158A JPH09157158A JP7319389A JP31938995A JPH09157158A JP H09157158 A JPH09157158 A JP H09157158A JP 7319389 A JP7319389 A JP 7319389A JP 31938995 A JP31938995 A JP 31938995A JP H09157158 A JPH09157158 A JP H09157158A
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- drug
- extract
- resinate
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- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】薬物を吸着させたイオン交換樹脂レジネートに
該レジネートから薬物放出に影響を与えることなく生薬
抽出物を配合させた製剤および該製剤の製造法を提供す
る。 【解決手段】薬物を吸着させたイオン交換樹脂レジネー
トと生薬抽出物とを含有する製剤を、関係式:F=B
(eq)/A(eq)〔但し、0≦F≦0.3〕 〔式中、A(eq)は薬物を吸着させたイオン交換樹脂レ
ジネートの交換容量を、B(eq)は生薬抽出物中に含ま
れイオン性物質のイオン当量をそれぞれ示す。〕で表さ
れる量のイオン性物質を含有する生薬抽出物と該薬物吸
着イオン交換樹脂レジネートとを配合することにより製
造する。
該レジネートから薬物放出に影響を与えることなく生薬
抽出物を配合させた製剤および該製剤の製造法を提供す
る。 【解決手段】薬物を吸着させたイオン交換樹脂レジネー
トと生薬抽出物とを含有する製剤を、関係式:F=B
(eq)/A(eq)〔但し、0≦F≦0.3〕 〔式中、A(eq)は薬物を吸着させたイオン交換樹脂レ
ジネートの交換容量を、B(eq)は生薬抽出物中に含ま
れイオン性物質のイオン当量をそれぞれ示す。〕で表さ
れる量のイオン性物質を含有する生薬抽出物と該薬物吸
着イオン交換樹脂レジネートとを配合することにより製
造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体に有効な作用
を示す薬物をイオン交換樹脂に結合したレジネート及び
レジネートを放出制御膜により被覆した粒子からなる水
性懸濁製剤に、生薬の抽出物を配合することを特徴とし
た水性懸濁製剤に関するものである。
を示す薬物をイオン交換樹脂に結合したレジネート及び
レジネートを放出制御膜により被覆した粒子からなる水
性懸濁製剤に、生薬の抽出物を配合することを特徴とし
た水性懸濁製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に液剤は固形製剤に比べ投与後の吸
収が速く、また飲み易く、固形剤が飲めない老人や子供
にも適用できる優れた製剤である。また、徐放性を有す
る液剤は、半減期の短い薬物や有効血中濃度範囲の狭い
薬物に対して有効であり、患者のコンプライアンスを高
める上でも有効な製剤であるが、現在その数は非常に少
ない。この徐放性液剤の調製法としては、薬物をイオン
交換樹脂に結合させ放出制御膜により被覆する方法(米
国特許 2990332号及び3138525号)がある。さらに、水
中分散時のイオン交換樹脂の膨潤に伴う放出制御膜の亀
裂を防ぐ方法として、薬物−イオン交換樹脂複合体(レ
ジネート)内に溶媒和剤を加える方法(米国特許 42217
78号及び4847077号)、及びイオン交換樹脂に結合して
いる薬物の理論イオン吸着量を80%以上にする方法
(特公平7−5458号公報)が知られている。上記のよう
に従来、薬物−イオン交換樹脂複合体を使用した水性懸
濁製剤は多種知られているがこれらの水性懸濁製剤に、
生薬抽出物を配合した製剤は例を見ない。生薬は、古来
より医療用薬、民間薬として使用され安全性が確かめら
れており種々の薬効を示すものが存在する。さらに、そ
の薬効成分は同定されていない未知のものも含め多成分
であり複合剤的に働く為、1つの生薬が幅の広い薬理作
用を有している場合が多い。従って、生薬を製剤に配合
することにより、その薬効の増強及び幅の広い薬効の追
加をはかることができる。こうした観点から薬物をイオ
ン交換樹脂に結合させたレジネートを含有する水性懸濁
製剤に生薬の抽出物を配合した製剤を設計する試みを行
ったが、生薬抽出物の配合によりレジネートからの薬物
の解離が起こり、製剤の変質や力価の減弱の要因となっ
たり、徐放性液剤では薬物の放出性が設計通り得られず
変化することが確認された。
収が速く、また飲み易く、固形剤が飲めない老人や子供
にも適用できる優れた製剤である。また、徐放性を有す
る液剤は、半減期の短い薬物や有効血中濃度範囲の狭い
薬物に対して有効であり、患者のコンプライアンスを高
める上でも有効な製剤であるが、現在その数は非常に少
ない。この徐放性液剤の調製法としては、薬物をイオン
交換樹脂に結合させ放出制御膜により被覆する方法(米
国特許 2990332号及び3138525号)がある。さらに、水
中分散時のイオン交換樹脂の膨潤に伴う放出制御膜の亀
裂を防ぐ方法として、薬物−イオン交換樹脂複合体(レ
ジネート)内に溶媒和剤を加える方法(米国特許 42217
78号及び4847077号)、及びイオン交換樹脂に結合して
いる薬物の理論イオン吸着量を80%以上にする方法
(特公平7−5458号公報)が知られている。上記のよう
に従来、薬物−イオン交換樹脂複合体を使用した水性懸
濁製剤は多種知られているがこれらの水性懸濁製剤に、
生薬抽出物を配合した製剤は例を見ない。生薬は、古来
より医療用薬、民間薬として使用され安全性が確かめら
れており種々の薬効を示すものが存在する。さらに、そ
の薬効成分は同定されていない未知のものも含め多成分
であり複合剤的に働く為、1つの生薬が幅の広い薬理作
用を有している場合が多い。従って、生薬を製剤に配合
することにより、その薬効の増強及び幅の広い薬効の追
加をはかることができる。こうした観点から薬物をイオ
ン交換樹脂に結合させたレジネートを含有する水性懸濁
製剤に生薬の抽出物を配合した製剤を設計する試みを行
ったが、生薬抽出物の配合によりレジネートからの薬物
の解離が起こり、製剤の変質や力価の減弱の要因となっ
たり、徐放性液剤では薬物の放出性が設計通り得られず
変化することが確認された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、生体に
有効な作用を示す薬物をイオン交換樹脂に結合したレジ
ネートの水性懸濁製剤に、生薬の抽出物を配合した水性
懸濁製剤であって、該レジネートからの薬物放出に影響
を与えず、かつ長期保存が可能である水性懸濁製剤を得
るべく鋭意検討を行った。その結果、レジネートに生薬
の抽出物を配合した場合に、レジネートからの薬物放出
に影響を与えない生薬抽出成分では問題はないが、レジ
ネートから薬物の遊離が発生する場合には配合する生薬
抽出エキスからイオンを除去することにより、レジネー
トからの薬物の放出性を設計通りに行うことが可能とな
り、上記問題を解決できることを見いだした。
有効な作用を示す薬物をイオン交換樹脂に結合したレジ
ネートの水性懸濁製剤に、生薬の抽出物を配合した水性
懸濁製剤であって、該レジネートからの薬物放出に影響
を与えず、かつ長期保存が可能である水性懸濁製剤を得
るべく鋭意検討を行った。その結果、レジネートに生薬
の抽出物を配合した場合に、レジネートからの薬物放出
に影響を与えない生薬抽出成分では問題はないが、レジ
ネートから薬物の遊離が発生する場合には配合する生薬
抽出エキスからイオンを除去することにより、レジネー
トからの薬物の放出性を設計通りに行うことが可能とな
り、上記問題を解決できることを見いだした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は(1)薬物を吸
着したイオン交換樹脂レジネートと生薬抽出物とを含有
することを特徴とする製剤、(2)水性懸濁製剤である
上記(1)記載の製剤、(3)レジネートが、透水性高
分子膜で被覆されたレジネートである上記(2)記載の
水性懸濁製剤、(4)生薬がオンジ、セネガおよびキキ
ョウから選ばれる生薬である上記(3)記載の水性懸濁
製剤、(5)薬物がジヒドロコデインまたはメチルエフ
ェドリンである上記(2)または(3)記載の水性懸濁
製剤、および(6)透水性高分子がアミノアルキルメタ
クリレートコポリマーである上記(3)記載の水性懸濁
製剤に関する。また、本発明は(7)関係式 F=B(eq)/A(eq)〔但し、0≦F≦0.3〕 〔式中、A(eq)は薬物を吸着させたイオン交換樹脂レ
ジネートの交換容量を、B(eq)は生薬抽出物中に含ま
れるイオン性物質のイオン当量をそれぞれ示す。〕で表
される量のイオン性物質を含有する生薬抽出物と薬物を
吸着させたイオン交換樹脂レジネートとを配合すること
を特徴とする製剤の製造法、および(8)生薬抽出物中
に含まれるイオン性物質量のイオン交換樹脂による調整
工程を有する上記(7)記載の製造法に関する。本発明
製剤に配合される薬物を吸着させたイオン交換樹脂レジ
ネートは、イオン交換樹脂に常法に従い所望の薬物を吸
着させたものであり、用いられるイオン交換樹脂として
は不溶性多孔質合成高分子、例えばスチレンとジビニル
ベンゼンとの共重合体が挙げられる。酸性イオン交換樹
脂(H型)は塩基性薬物を吸着し、塩基性イオン交換樹
脂(OH型)は酸性薬物を吸着するが、本発明においては
とりわけ強酸性または強塩基性イオン交換樹脂を使用す
ることが好ましい。またスチレン−ジビニルベンゼン共
重体からなるイオン交換樹脂の架橋度は、ジビニルベン
ゼンの使用量により決定されるが、本発明では架橋度6
〜16%、とりわけ8〜14%のものを用いることが好
ましい。これらのイオン交換樹脂は、ダイヤイオン(三
菱化成(株)),ダウエックス(ダウ・ケミカル(株)),
アンバーライト(ローム・アンド・ハース(株))などの
商品名で市販されており、適宜これらから選択して使用
することができる。イオン交換樹脂の平均粒径は、5〜
1000μm、とりわけ10〜300μmであることが好
ましく、所望により市販のものをアトマイザーなどの粉
砕機で細粒化して用いることができる。
着したイオン交換樹脂レジネートと生薬抽出物とを含有
することを特徴とする製剤、(2)水性懸濁製剤である
上記(1)記載の製剤、(3)レジネートが、透水性高
分子膜で被覆されたレジネートである上記(2)記載の
水性懸濁製剤、(4)生薬がオンジ、セネガおよびキキ
ョウから選ばれる生薬である上記(3)記載の水性懸濁
製剤、(5)薬物がジヒドロコデインまたはメチルエフ
ェドリンである上記(2)または(3)記載の水性懸濁
製剤、および(6)透水性高分子がアミノアルキルメタ
クリレートコポリマーである上記(3)記載の水性懸濁
製剤に関する。また、本発明は(7)関係式 F=B(eq)/A(eq)〔但し、0≦F≦0.3〕 〔式中、A(eq)は薬物を吸着させたイオン交換樹脂レ
ジネートの交換容量を、B(eq)は生薬抽出物中に含ま
れるイオン性物質のイオン当量をそれぞれ示す。〕で表
される量のイオン性物質を含有する生薬抽出物と薬物を
吸着させたイオン交換樹脂レジネートとを配合すること
を特徴とする製剤の製造法、および(8)生薬抽出物中
に含まれるイオン性物質量のイオン交換樹脂による調整
工程を有する上記(7)記載の製造法に関する。本発明
製剤に配合される薬物を吸着させたイオン交換樹脂レジ
ネートは、イオン交換樹脂に常法に従い所望の薬物を吸
着させたものであり、用いられるイオン交換樹脂として
は不溶性多孔質合成高分子、例えばスチレンとジビニル
ベンゼンとの共重合体が挙げられる。酸性イオン交換樹
脂(H型)は塩基性薬物を吸着し、塩基性イオン交換樹
脂(OH型)は酸性薬物を吸着するが、本発明においては
とりわけ強酸性または強塩基性イオン交換樹脂を使用す
ることが好ましい。またスチレン−ジビニルベンゼン共
重体からなるイオン交換樹脂の架橋度は、ジビニルベン
ゼンの使用量により決定されるが、本発明では架橋度6
〜16%、とりわけ8〜14%のものを用いることが好
ましい。これらのイオン交換樹脂は、ダイヤイオン(三
菱化成(株)),ダウエックス(ダウ・ケミカル(株)),
アンバーライト(ローム・アンド・ハース(株))などの
商品名で市販されており、適宜これらから選択して使用
することができる。イオン交換樹脂の平均粒径は、5〜
1000μm、とりわけ10〜300μmであることが好
ましく、所望により市販のものをアトマイザーなどの粉
砕機で細粒化して用いることができる。
【0005】薬物としては、イオン交換樹脂に結合する
ものとして、塩基性薬物ではpKa6〜10とりわけpKa
7.5〜10、酸性薬物ではpKa 2〜5の範囲のイオ
ン性薬物が挙げられ、その薬効は目的に合わせて任意に
選択すればよく例えば、呼吸器管用剤:リン酸ジヒドロ
コデイン,リン酸コデイン,塩酸ノスカピン,グアヤコ
ールスルホン酸カリウム,フェンジゾ酸クロペラスチ
ン,臭化水素酸デキストロメトルファン,塩酸クロペラ
スチンなどの鎮咳・去痰剤;dl−塩酸メチルエフェドリ
ン,dl−メチルエフェドリンサッカリン塩などの気管支
拡張剤、dl−マレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒ
スタミン剤、消化器管用薬:臭化水素酸スコポラミン,
塩酸メチキセン,塩酸ジサイクロミンなどの消化管鎮痙
剤、中枢神経用薬:抗精神病剤である塩酸クロルプロマ
ジンなどのフェノチアジン誘導体;塩酸クロルプロチキ
センなどのフェノチアジン類似化合物;抗不安剤である
塩酸クロルジアゼポキシドなどのベンゾジアゼピン誘導
体;抗うつ剤である塩酸イミプラミンなどのイミプラミ
ン系薬剤;解熱・鎮痛剤であるサリチル酸ナトリウムな
ど;催眠剤であるフェノバルビタールナトリウムなど、
循環器管用薬:冠拡張剤である塩酸エタフェノンなど;
抗不整脈剤である塩酸プロカインアミドなど;Ca拮抗
剤である塩酸ベラパミルなど;降圧剤である塩酸ヒドラ
ジン,塩酸プロプラノロール,塩酸フロニジンなど;末
梢血管拡張・収縮剤である塩酸トラゾリンなど、抗生物
質:マクロライド系のリン酸オレアンドマイシンなど;
テトラサイクリン系の塩酸テトラサイクリンなど;スト
レプトマイシン系の硫酸フラジオマイシンなど;ペニシ
リン剤であるジクロキサシリンナトリウム,塩酸ピブメ
シリナム,カルベニシリンインダニルナトリウムなど、
化学療法剤:サルファ剤であるスルフイソミジンナトリ
ウムなど;抗結核剤である硫酸カナマイシンなど;抗原
虫剤である塩酸アモジアキンなど、が挙げられる。
ものとして、塩基性薬物ではpKa6〜10とりわけpKa
7.5〜10、酸性薬物ではpKa 2〜5の範囲のイオ
ン性薬物が挙げられ、その薬効は目的に合わせて任意に
選択すればよく例えば、呼吸器管用剤:リン酸ジヒドロ
コデイン,リン酸コデイン,塩酸ノスカピン,グアヤコ
ールスルホン酸カリウム,フェンジゾ酸クロペラスチ
ン,臭化水素酸デキストロメトルファン,塩酸クロペラ
スチンなどの鎮咳・去痰剤;dl−塩酸メチルエフェドリ
ン,dl−メチルエフェドリンサッカリン塩などの気管支
拡張剤、dl−マレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒ
スタミン剤、消化器管用薬:臭化水素酸スコポラミン,
塩酸メチキセン,塩酸ジサイクロミンなどの消化管鎮痙
剤、中枢神経用薬:抗精神病剤である塩酸クロルプロマ
ジンなどのフェノチアジン誘導体;塩酸クロルプロチキ
センなどのフェノチアジン類似化合物;抗不安剤である
塩酸クロルジアゼポキシドなどのベンゾジアゼピン誘導
体;抗うつ剤である塩酸イミプラミンなどのイミプラミ
ン系薬剤;解熱・鎮痛剤であるサリチル酸ナトリウムな
ど;催眠剤であるフェノバルビタールナトリウムなど、
循環器管用薬:冠拡張剤である塩酸エタフェノンなど;
抗不整脈剤である塩酸プロカインアミドなど;Ca拮抗
剤である塩酸ベラパミルなど;降圧剤である塩酸ヒドラ
ジン,塩酸プロプラノロール,塩酸フロニジンなど;末
梢血管拡張・収縮剤である塩酸トラゾリンなど、抗生物
質:マクロライド系のリン酸オレアンドマイシンなど;
テトラサイクリン系の塩酸テトラサイクリンなど;スト
レプトマイシン系の硫酸フラジオマイシンなど;ペニシ
リン剤であるジクロキサシリンナトリウム,塩酸ピブメ
シリナム,カルベニシリンインダニルナトリウムなど、
化学療法剤:サルファ剤であるスルフイソミジンナトリ
ウムなど;抗結核剤である硫酸カナマイシンなど;抗原
虫剤である塩酸アモジアキンなど、が挙げられる。
【0006】とりわけ、リン酸ジヒドロコデイン,dl−
塩酸メチルエフェドリン,フェニルプロパノールアミン
など塩基性呼吸器管用薬あるいはクロルフェニラミン、
ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤において優れた
徐放効果が得られる。これら薬物を単独あるいはイオン
交換樹脂の選択性および結合性が同程度の2種以上を複
合してイオン交換樹脂に結合させても良好なレジネート
が得られる。本発明においてはこれを強塩基イオン(ナ
トリウムイオンなど)または強酸イオン(塩素イオンな
ど)の各イオン交換樹脂への最大吸着量を100%とし
た相対モル数で80%以上、とりわけ85〜100%の
薬物を吸着したものが好ましい。
塩酸メチルエフェドリン,フェニルプロパノールアミン
など塩基性呼吸器管用薬あるいはクロルフェニラミン、
ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤において優れた
徐放効果が得られる。これら薬物を単独あるいはイオン
交換樹脂の選択性および結合性が同程度の2種以上を複
合してイオン交換樹脂に結合させても良好なレジネート
が得られる。本発明においてはこれを強塩基イオン(ナ
トリウムイオンなど)または強酸イオン(塩素イオンな
ど)の各イオン交換樹脂への最大吸着量を100%とし
た相対モル数で80%以上、とりわけ85〜100%の
薬物を吸着したものが好ましい。
【0007】本発明のレジネートは常法に従い、たとえ
ば下記のようにして製造することができる。薬物の塩も
遊離体も溶解しうる水性溶媒中で、薬物塩をイオン交換
樹脂と反応させて薬物遊離体水溶液を得る。水性溶媒と
しては、水または任意に水に溶けうる有機溶媒、たとえ
ばメチルアルコール,エチルアルコール,イソプロパノ
ールなどの一価アルコール類、アセトン,メチルエチル
ケトンなどのケトン類の水溶液が挙げられる。該水性溶
媒は、5〜95%好ましくは10〜90%の有機溶媒を
含む水溶液が挙げられ、とりわけ塩基性薬物の塩の場合
は40〜85%のエタノールもしくはイソプロパノール
水溶液を、酸性薬物の塩の場合は、5〜30%のエタノ
ール水溶液を用いることが好ましい。イオン交換樹脂と
の反応は、水溶性溶媒に溶解した薬物塩に対応するイオ
ン交換樹脂を加えて撹拌することにより行う。この場
合、イオン交換樹脂は、薬物塩の必要とする当量の約
1.0〜2.0倍量を用いるのが好ましい。反応は室温で
行うか、所望により70℃程度まで加温することもでき
る。反応時間は0.5〜6時間程度である。反応後イオ
ン交換樹脂を通常の手段で除去することにより、薬物遊
離体水溶液が得られる。薬物−樹脂複合体は、上記水溶
液に所定の粒径,架橋度を有するイオン交換樹脂を加え
て反応させることにより製造できる。反応は通常室温で
0.5〜3時間撹拌することにより行う。
ば下記のようにして製造することができる。薬物の塩も
遊離体も溶解しうる水性溶媒中で、薬物塩をイオン交換
樹脂と反応させて薬物遊離体水溶液を得る。水性溶媒と
しては、水または任意に水に溶けうる有機溶媒、たとえ
ばメチルアルコール,エチルアルコール,イソプロパノ
ールなどの一価アルコール類、アセトン,メチルエチル
ケトンなどのケトン類の水溶液が挙げられる。該水性溶
媒は、5〜95%好ましくは10〜90%の有機溶媒を
含む水溶液が挙げられ、とりわけ塩基性薬物の塩の場合
は40〜85%のエタノールもしくはイソプロパノール
水溶液を、酸性薬物の塩の場合は、5〜30%のエタノ
ール水溶液を用いることが好ましい。イオン交換樹脂と
の反応は、水溶性溶媒に溶解した薬物塩に対応するイオ
ン交換樹脂を加えて撹拌することにより行う。この場
合、イオン交換樹脂は、薬物塩の必要とする当量の約
1.0〜2.0倍量を用いるのが好ましい。反応は室温で
行うか、所望により70℃程度まで加温することもでき
る。反応時間は0.5〜6時間程度である。反応後イオ
ン交換樹脂を通常の手段で除去することにより、薬物遊
離体水溶液が得られる。薬物−樹脂複合体は、上記水溶
液に所定の粒径,架橋度を有するイオン交換樹脂を加え
て反応させることにより製造できる。反応は通常室温で
0.5〜3時間撹拌することにより行う。
【0008】このようにして得られるレジネートは透水
性高分子被膜により被覆されていてもよい。透水性高分
子被膜としては、薬物を一律に放出する徐放性被膜、一
定期間薬物の放出を抑える腸溶性被膜などが挙げられ、
セルロース系高分子、アクリル系高分子などの生体適合
性の透水性高分子が選ばれる。具体的には、エチルセル
ロース、ニトロセルロース、ベンジルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース等に代表さ
れるセルロース系高分子、ポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、アミノアルキルメタクリレート等のアクリ
ル系高分子が挙げられる。とりわけ、アミノアルキルメ
タクリレートコポリマーが徐放性被膜として有利に用い
られる。また、透水性高分子被膜は目的に応じてレジネ
ートの表面全体をコーティングしているものでもよく、
また部分的にコーティングしていても良い。このような
透水性高分子による被覆は、高分子を溶解しうる有機溶
媒、例えばエタノール,トルエン,クロロホルム,メチ
ルエチルケトン,メチレンクロライド,イソプロパノー
ル,シクロヘキサン,メタノール,塩化エチレン,ジメ
チルホルムアミド,酢酸エチルエステルなどを一種また
は二種以上を混合して用いる。また、さらにこれらの溶
媒及び混合溶媒に水を加えて用いることもできる。
性高分子被膜により被覆されていてもよい。透水性高分
子被膜としては、薬物を一律に放出する徐放性被膜、一
定期間薬物の放出を抑える腸溶性被膜などが挙げられ、
セルロース系高分子、アクリル系高分子などの生体適合
性の透水性高分子が選ばれる。具体的には、エチルセル
ロース、ニトロセルロース、ベンジルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース等に代表さ
れるセルロース系高分子、ポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、アミノアルキルメタクリレート等のアクリ
ル系高分子が挙げられる。とりわけ、アミノアルキルメ
タクリレートコポリマーが徐放性被膜として有利に用い
られる。また、透水性高分子被膜は目的に応じてレジネ
ートの表面全体をコーティングしているものでもよく、
また部分的にコーティングしていても良い。このような
透水性高分子による被覆は、高分子を溶解しうる有機溶
媒、例えばエタノール,トルエン,クロロホルム,メチ
ルエチルケトン,メチレンクロライド,イソプロパノー
ル,シクロヘキサン,メタノール,塩化エチレン,ジメ
チルホルムアミド,酢酸エチルエステルなどを一種また
は二種以上を混合して用いる。また、さらにこれらの溶
媒及び混合溶媒に水を加えて用いることもできる。
【0009】合せて、可塑剤あるいは抗酸化剤などの安
定剤を任意の量添加してもよい。可塑剤には、フタル酸
エステルなどの二塩基酸エステル,グリコールエステ
ル,脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール,界面活
性剤,グリセリン及びその誘導体等を挙げことが出来
る。また抗酸化剤には、2(3)−t−ブチル−4−ヒド
ロキシアニソール(BHA),3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシトルエン(BHT),酢酸トコフェロー
ル,トコフェロール,アスコルビン酸あるいはその誘導
体などを挙げることが出来る。例えば、透水性高分子が
アクリル系高分子の場合は、メチレンクロライド,クロ
ロホルムなどに溶解しこの中に薬物−樹脂複合体を添加
して懸濁させる。この懸濁物を物理的あるいは機械的製
法であるスプレードライ法によりマイクロカプセルを製
造する。他の方法としては、高分子を良溶媒に溶解し、
これに、例えばポリブタジエン,ポリジメチルシロキサ
ン,フェニルメチルシロキサン,メタアクリル高分子な
どから選ばれる相分離剤を任意の量添加し、撹拌下、貧
溶媒を加え、物理化学的方法すなわち相分離法によりマ
イクロカプセルを製造することが出来る。更に、例えば
化学的方法である界面重合法などによりマイクロカプセ
ルを製造することが出来る。いずれの方法であっても得
られる徐放性のマイクロカプセルの粒径は5〜1000
μmのものが良く、特に好ましくは10〜300μmにす
るのがよい。
定剤を任意の量添加してもよい。可塑剤には、フタル酸
エステルなどの二塩基酸エステル,グリコールエステ
ル,脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール,界面活
性剤,グリセリン及びその誘導体等を挙げことが出来
る。また抗酸化剤には、2(3)−t−ブチル−4−ヒド
ロキシアニソール(BHA),3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシトルエン(BHT),酢酸トコフェロー
ル,トコフェロール,アスコルビン酸あるいはその誘導
体などを挙げることが出来る。例えば、透水性高分子が
アクリル系高分子の場合は、メチレンクロライド,クロ
ロホルムなどに溶解しこの中に薬物−樹脂複合体を添加
して懸濁させる。この懸濁物を物理的あるいは機械的製
法であるスプレードライ法によりマイクロカプセルを製
造する。他の方法としては、高分子を良溶媒に溶解し、
これに、例えばポリブタジエン,ポリジメチルシロキサ
ン,フェニルメチルシロキサン,メタアクリル高分子な
どから選ばれる相分離剤を任意の量添加し、撹拌下、貧
溶媒を加え、物理化学的方法すなわち相分離法によりマ
イクロカプセルを製造することが出来る。更に、例えば
化学的方法である界面重合法などによりマイクロカプセ
ルを製造することが出来る。いずれの方法であっても得
られる徐放性のマイクロカプセルの粒径は5〜1000
μmのものが良く、特に好ましくは10〜300μmにす
るのがよい。
【0010】本発明製剤に配合される生薬抽出物には、
種々の薬効を示す生薬を、水、アルコール、あるいはそ
れらの混液等の水性溶媒あるいは、アセトン、エーテル
等の有機溶媒により抽出した浸剤、煎剤、エキス剤、流
エキス剤、チンキ剤等が含まれる。本発明において、使
用される生薬の種類は特に限られないが、具体的に挙げ
ると、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、ニンジン、オン
ジ、カンゾウ、キキョウ、セネガ、ウイキョウなどの植
物の薬用とする部分、ゴオウ、センソ、ロクジョウなど
の動物を薬用とする部分、アセンヤクなどの抽出物など
が例示される。水性懸濁製剤が鎮咳去痰薬である場合
は、とりわけ、オンジ、セネガ、キキョウが好ましい
が、これらに限定されるものではない。これら生薬は、
1種あるいはそれ以上を組み合わせて配合しても良い。
生薬の抽出物中の生薬成分由来のイオンが薬物の放出に
悪影響を及ぼす場合は、生薬抽出物の精製にイオン交換
樹脂による処理工程を加えた生薬抽出物を使用する。こ
の場合、生薬と配合されるレジネートあるいは被覆レジ
ネートの交換容量A(eq)と、配合される生薬に含有さ
れるイオン性物質のイオン当量B(eq)の関係は、 F=B(eq)/A(eq) としたとき、Fが0≦F≦0.3となるように、好まし
くは0≦F≦0.2、さらに好ましくは0≦F≦0.1と
なるように生薬抽出物の処理を行う。上記生薬成分のイ
オン交換樹脂による具体的な処理法としては、常法に従
い強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹
脂のカラムをそれぞれ作製し、生薬から抽出した液を順
次通す方法(カラムクロマトグラフィー)、もしくは、
生薬抽出液と強酸性陽イオン交換樹脂および強塩基性陰
イオン交換樹脂を同一の容器にいれ撹拌する方法があ
る。いずれの場合においても、酸性陽イオン交換樹脂は
H型を使用し、塩基性陰イオン交換樹脂は、OH型を使
用する。酸性陽イオン交換樹脂及び塩基性陰イオン交換
樹脂の使用量は、原生薬量の1/50倍量から上限につ
いては特に制限はなく、好ましくは1/10倍〜20
倍、さらに好ましくは1/4倍〜5倍が好ましい。生薬
の処理方法は上記イオン交換樹脂を用いる方法に限定さ
れるものではなく、電荷保持物質(例えば、イオン交換
セルロース、イオン交換デキストラン、イオン交換アガ
ロースなどのイオン交換体、イオン交換膜など)、電気
泳動等の原理を用いた電気分離法、除去すべきイオンと
の溶解度積が小さい物質を添加し析出させ分離する方
法、熱処理等により除去する方法、分子ふるい効果を用
いて分離する方法等を適用することが可能であり、ま
た、これら方法を複数組み合わせることも可能である。
種々の薬効を示す生薬を、水、アルコール、あるいはそ
れらの混液等の水性溶媒あるいは、アセトン、エーテル
等の有機溶媒により抽出した浸剤、煎剤、エキス剤、流
エキス剤、チンキ剤等が含まれる。本発明において、使
用される生薬の種類は特に限られないが、具体的に挙げ
ると、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、ニンジン、オン
ジ、カンゾウ、キキョウ、セネガ、ウイキョウなどの植
物の薬用とする部分、ゴオウ、センソ、ロクジョウなど
の動物を薬用とする部分、アセンヤクなどの抽出物など
が例示される。水性懸濁製剤が鎮咳去痰薬である場合
は、とりわけ、オンジ、セネガ、キキョウが好ましい
が、これらに限定されるものではない。これら生薬は、
1種あるいはそれ以上を組み合わせて配合しても良い。
生薬の抽出物中の生薬成分由来のイオンが薬物の放出に
悪影響を及ぼす場合は、生薬抽出物の精製にイオン交換
樹脂による処理工程を加えた生薬抽出物を使用する。こ
の場合、生薬と配合されるレジネートあるいは被覆レジ
ネートの交換容量A(eq)と、配合される生薬に含有さ
れるイオン性物質のイオン当量B(eq)の関係は、 F=B(eq)/A(eq) としたとき、Fが0≦F≦0.3となるように、好まし
くは0≦F≦0.2、さらに好ましくは0≦F≦0.1と
なるように生薬抽出物の処理を行う。上記生薬成分のイ
オン交換樹脂による具体的な処理法としては、常法に従
い強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹
脂のカラムをそれぞれ作製し、生薬から抽出した液を順
次通す方法(カラムクロマトグラフィー)、もしくは、
生薬抽出液と強酸性陽イオン交換樹脂および強塩基性陰
イオン交換樹脂を同一の容器にいれ撹拌する方法があ
る。いずれの場合においても、酸性陽イオン交換樹脂は
H型を使用し、塩基性陰イオン交換樹脂は、OH型を使
用する。酸性陽イオン交換樹脂及び塩基性陰イオン交換
樹脂の使用量は、原生薬量の1/50倍量から上限につ
いては特に制限はなく、好ましくは1/10倍〜20
倍、さらに好ましくは1/4倍〜5倍が好ましい。生薬
の処理方法は上記イオン交換樹脂を用いる方法に限定さ
れるものではなく、電荷保持物質(例えば、イオン交換
セルロース、イオン交換デキストラン、イオン交換アガ
ロースなどのイオン交換体、イオン交換膜など)、電気
泳動等の原理を用いた電気分離法、除去すべきイオンと
の溶解度積が小さい物質を添加し析出させ分離する方
法、熱処理等により除去する方法、分子ふるい効果を用
いて分離する方法等を適用することが可能であり、ま
た、これら方法を複数組み合わせることも可能である。
【0011】本発明製剤は、上記のようにして得られた
薬物イオン交換樹脂レジネートに、生薬抽出物を配合す
ることより得られるが、ここでレジネートは放出制御膜
により被膜したものでもよく、またレジネートと被覆し
たレジネートとを混合して配合しても良い。本発明製剤
を水性懸濁製剤に製することは服用性の面からみて、好
ましい態様の1つであるが、この場合も生薬抽出物と配
合する分散粒子としてレジネートと被覆したレジネート
とを混合して配合しても良い。水性溶媒としては、日本
薬局方規定の精製水等を用いればよく、必要に応じて懸
濁化剤、pH調整剤、防腐剤、着色剤、矯味矯臭剤など
を適量加えることが出来る。懸濁化剤としては、キサン
タンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、プルラ
ン、トラガントガム等の天然系増粘剤やメチルセルロー
スのような半合成系、ポリビニルピロリドンのような合
成系増粘剤を、pH調整剤としてはクエン酸、酒石酸、
リンゴ酸、酢酸、蓚酸、安息香酸、タンニン酸、乳酸、
グルコン酸、フマル酸、ソルビン酸、エリソルビン酸、
およびその塩類などを、矯味剤としてはショ糖、果糖、
乳糖、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グ
リセリン、コーンシロップ、果糖ブトウ糖液糖、還元麦
芽糖などを、防腐剤として安息香酸類、パラオキシ安息
香酸エステル類、ソルビン酸類、デヒドロ酢酸類、クロ
ルヘキシジン、クロロブタノールなどが挙げられ、これ
らを1種あるいはそれ以上を配合しても良い。さらに水
性溶媒中に非イオン性薬物を配合しても良く、その他、
水性溶媒に不溶性を示す物質を加えても良い。
薬物イオン交換樹脂レジネートに、生薬抽出物を配合す
ることより得られるが、ここでレジネートは放出制御膜
により被膜したものでもよく、またレジネートと被覆し
たレジネートとを混合して配合しても良い。本発明製剤
を水性懸濁製剤に製することは服用性の面からみて、好
ましい態様の1つであるが、この場合も生薬抽出物と配
合する分散粒子としてレジネートと被覆したレジネート
とを混合して配合しても良い。水性溶媒としては、日本
薬局方規定の精製水等を用いればよく、必要に応じて懸
濁化剤、pH調整剤、防腐剤、着色剤、矯味矯臭剤など
を適量加えることが出来る。懸濁化剤としては、キサン
タンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、プルラ
ン、トラガントガム等の天然系増粘剤やメチルセルロー
スのような半合成系、ポリビニルピロリドンのような合
成系増粘剤を、pH調整剤としてはクエン酸、酒石酸、
リンゴ酸、酢酸、蓚酸、安息香酸、タンニン酸、乳酸、
グルコン酸、フマル酸、ソルビン酸、エリソルビン酸、
およびその塩類などを、矯味剤としてはショ糖、果糖、
乳糖、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グ
リセリン、コーンシロップ、果糖ブトウ糖液糖、還元麦
芽糖などを、防腐剤として安息香酸類、パラオキシ安息
香酸エステル類、ソルビン酸類、デヒドロ酢酸類、クロ
ルヘキシジン、クロロブタノールなどが挙げられ、これ
らを1種あるいはそれ以上を配合しても良い。さらに水
性溶媒中に非イオン性薬物を配合しても良く、その他、
水性溶媒に不溶性を示す物質を加えても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下の参考例、比較例および実施
例により本発明をより具体的に説明する。 参考例1 i) メチルエフェドリンレジネートの調製 塩酸メチルエフェドリン14gを60%メタノール溶液
150mlに溶解した後、この液にアニオン交換樹脂(O
H型;ダイヤイオン SAN1(三菱化成製))70g
を加えて1時間撹はんした。この後、スラリーをろ別し
てさらに、ろ別したイオン交換樹脂を300mlの60%
メタノール溶液で洗浄し洗液を先のろ液に混ぜ、60%
メタノール溶液で500mlとした。この溶液500ml中
の塩酸塩及び遊離塩基の合計含量を高速液体クロマトグ
ラフ(HPLC)で、遊離塩基の含量を滴定法で定量し
たところ塩酸塩としてのメチルエフェドリンは認められ
ず、100%遊離塩に転換されていた。また、その含量
は塩酸メチルエフェドリン換算で13.8gであり、9
8.6%の回収率であった。
例により本発明をより具体的に説明する。 参考例1 i) メチルエフェドリンレジネートの調製 塩酸メチルエフェドリン14gを60%メタノール溶液
150mlに溶解した後、この液にアニオン交換樹脂(O
H型;ダイヤイオン SAN1(三菱化成製))70g
を加えて1時間撹はんした。この後、スラリーをろ別し
てさらに、ろ別したイオン交換樹脂を300mlの60%
メタノール溶液で洗浄し洗液を先のろ液に混ぜ、60%
メタノール溶液で500mlとした。この溶液500ml中
の塩酸塩及び遊離塩基の合計含量を高速液体クロマトグ
ラフ(HPLC)で、遊離塩基の含量を滴定法で定量し
たところ塩酸塩としてのメチルエフェドリンは認められ
ず、100%遊離塩に転換されていた。また、その含量
は塩酸メチルエフェドリン換算で13.8gであり、9
8.6%の回収率であった。
【0013】次に、この溶液450mlにジビニルベンゼ
ン含有量8%(架橋度8%)のカチオン交換樹脂(H
型;ダイヤイオン SKNUPC(三菱化成))24.
3g(メチルエフェドリンの吸着がイオン交換樹脂の理
論飽和の吸着量の90%となる量)を加え1時間撹はん
し反応させた。反応後レジネートをろ取し乾燥した。反
応後のろ液のメチルエフェドリンを測定したところ検出
されなかった。したがって、溶液中の遊離塩基型メチル
エフェドリンは全量イオン交換樹脂に結合したことにな
る。 ii) 被覆レジネートの調製 上記i) で得られたメチルエフェドリンレジネート2.
8gをメチレンクロライド5mlにアミノアルキルメタク
リレートコポリマーRS(オイドラギット RS100
(Roehm Pharma 製))1gを溶解した溶液中に分散さ
せた。このスラリーを噴霧乾燥してマイクロカプセルを
得た。得られたマイクロカプセルからのメチルエフェド
リンの徐放性は溶出試験(JP XI パドル法:ただし溶
出液は0.05% Tween80を含有する0.2M NaCl
溶液500ml)を用いて評価した結果、良好な徐放性を
示し、溶出試験後の走査型電子顕微鏡観察では、マイク
ロカプセル被膜の亀裂、破壊などのいわゆる rupture
の発生は、まったく認められなかった。
ン含有量8%(架橋度8%)のカチオン交換樹脂(H
型;ダイヤイオン SKNUPC(三菱化成))24.
3g(メチルエフェドリンの吸着がイオン交換樹脂の理
論飽和の吸着量の90%となる量)を加え1時間撹はん
し反応させた。反応後レジネートをろ取し乾燥した。反
応後のろ液のメチルエフェドリンを測定したところ検出
されなかった。したがって、溶液中の遊離塩基型メチル
エフェドリンは全量イオン交換樹脂に結合したことにな
る。 ii) 被覆レジネートの調製 上記i) で得られたメチルエフェドリンレジネート2.
8gをメチレンクロライド5mlにアミノアルキルメタク
リレートコポリマーRS(オイドラギット RS100
(Roehm Pharma 製))1gを溶解した溶液中に分散さ
せた。このスラリーを噴霧乾燥してマイクロカプセルを
得た。得られたマイクロカプセルからのメチルエフェド
リンの徐放性は溶出試験(JP XI パドル法:ただし溶
出液は0.05% Tween80を含有する0.2M NaCl
溶液500ml)を用いて評価した結果、良好な徐放性を
示し、溶出試験後の走査型電子顕微鏡観察では、マイク
ロカプセル被膜の亀裂、破壊などのいわゆる rupture
の発生は、まったく認められなかった。
【0014】参考例2 i) ジヒドロコデインレジネートの調製 リン酸ジヒドロコデイン10gを50%エタノール溶液
250mlに溶解した後、この液に参考例1と同じアニオ
ン交換樹脂(OH型)30gを加えて2時間撹はんし
た。この後、スラリーをろ別してさらに、ろ別したイオ
ン交換樹脂を300mlの50%エタノール溶液で洗浄し
洗液を先のろ液に混ぜ、50%エタノール溶液で500
mlとした。この溶液500ml中のリン酸塩及び遊離塩基
の合計含量を高速液体クロマトグラフで、遊離塩基の含
量を滴定法で定量したところリン酸塩としてのジヒドロ
コデインは認められず、100%遊離塩基に転換されて
いた。また、その含量はリン酸ジヒドロコデイン換算で
9.8gであり、98.0%の回収率であった。次に、こ
の溶液450mlにジビニルベンゼン含有量8%(架橋度
8%)のカチオン交換樹脂(H型;ダイヤイオン SK
NUPC(三菱化成製))25.69g(ジヒドロコデ
インの吸着がイオン交換樹脂の理論飽和の吸着量の85
%となる量)を加え1時間撹はんし反応させた。反応
後、レジネートをろ取し乾燥させた。一方、ろ液のジヒ
ドロコデインを測定したところ検出されなかった。した
がって、溶液中の遊離塩基型ジヒドロコデインは全量イ
オン交換樹脂に結合したことになる。
250mlに溶解した後、この液に参考例1と同じアニオ
ン交換樹脂(OH型)30gを加えて2時間撹はんし
た。この後、スラリーをろ別してさらに、ろ別したイオ
ン交換樹脂を300mlの50%エタノール溶液で洗浄し
洗液を先のろ液に混ぜ、50%エタノール溶液で500
mlとした。この溶液500ml中のリン酸塩及び遊離塩基
の合計含量を高速液体クロマトグラフで、遊離塩基の含
量を滴定法で定量したところリン酸塩としてのジヒドロ
コデインは認められず、100%遊離塩基に転換されて
いた。また、その含量はリン酸ジヒドロコデイン換算で
9.8gであり、98.0%の回収率であった。次に、こ
の溶液450mlにジビニルベンゼン含有量8%(架橋度
8%)のカチオン交換樹脂(H型;ダイヤイオン SK
NUPC(三菱化成製))25.69g(ジヒドロコデ
インの吸着がイオン交換樹脂の理論飽和の吸着量の85
%となる量)を加え1時間撹はんし反応させた。反応
後、レジネートをろ取し乾燥させた。一方、ろ液のジヒ
ドロコデインを測定したところ検出されなかった。した
がって、溶液中の遊離塩基型ジヒドロコデインは全量イ
オン交換樹脂に結合したことになる。
【0015】ii) 被覆レジネートの調製 上記i) で得られたジヒドロコデインレジネート3.3
gをアセトン8mlにアミノアルキルメタアクリレートコ
ポリマーRS(オイドラギット RS100(Roehm P
harma 製))0.8gとアミノアルキルメタアクリレー
トコーポリマーRL(オイギラギットRS100L)
0.2gとを溶解した溶液中に分散させた。このスラリ
ーを噴霧乾燥してマイクロカプセルを得た。得られたマ
イクロカプセルからのジヒドロコデインの徐放性は溶出
試験(JP XI パドル法:ただし溶出液は0.05%
Tween 80を含有する0.2MNaCl溶液500ml)を
用いて評価した結果良好な徐放性を示し、溶出試験後の
走査型電子顕微鏡観察では、マイクロカプセル被膜の亀
裂、破壊などのいわゆる rupture の発生は、まったく
認められなかった。
gをアセトン8mlにアミノアルキルメタアクリレートコ
ポリマーRS(オイドラギット RS100(Roehm P
harma 製))0.8gとアミノアルキルメタアクリレー
トコーポリマーRL(オイギラギットRS100L)
0.2gとを溶解した溶液中に分散させた。このスラリ
ーを噴霧乾燥してマイクロカプセルを得た。得られたマ
イクロカプセルからのジヒドロコデインの徐放性は溶出
試験(JP XI パドル法:ただし溶出液は0.05%
Tween 80を含有する0.2MNaCl溶液500ml)を
用いて評価した結果良好な徐放性を示し、溶出試験後の
走査型電子顕微鏡観察では、マイクロカプセル被膜の亀
裂、破壊などのいわゆる rupture の発生は、まったく
認められなかった。
【0016】参考例3 i) メチルエフェドリン・ジヒドロコデイン配合レジネ
ートの調製 リン酸ジヒドロコデインと塩酸メチルエフェドリンの遊
離塩基液を参考例1−i)及び2−i)に準じてアニオン
交換樹脂(OH型)を用いて各々調製した。次に、両遊
離塩基液の混合モル比が、ジヒドロコデイン:メチルエ
フェドリン=17.8:82.2となるようにカチオン交
換樹脂(参考例1及び2と同じ)に混合し、結合した薬
物の吸着量がイオン交換樹脂の理論飽和の吸着量の95
%となるように反応させレジネートを調製した。反応
後、レジネートをろ取し乾燥させた。一方、ろ液のジヒ
ドロコデイン及びメチルエフェドリンを測定したところ
検出されなかった。従って、溶液中の遊離塩基型ジヒド
ロコデイン及びメチルエフェドリンは全量イオン交換樹
脂に結合したことになる。 ii) 被覆レジネートの調製 上記i) で得られたジヒドロコデイン・メチルエフェド
リン配合レジネート40gをメチレンクロライド66.
7mlと50%エタノール26.7mlにアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーRS(オイドラギットRS10
0(Roehm Pharma 製))4gを溶解した溶液中に分散
させた。このスラリーを噴霧乾燥してマイクロカプセル
を得た。得られたマイクロカプセルからのジヒドロコデ
イン、メチルエフェドリンの徐放性は溶出試験(JP X
II パドル法:ただし溶出液は0.05% Tween 80を
含有する0.2M NaCl 溶液900ml)を用いて評価
した結果、良好な徐放性を示した。
ートの調製 リン酸ジヒドロコデインと塩酸メチルエフェドリンの遊
離塩基液を参考例1−i)及び2−i)に準じてアニオン
交換樹脂(OH型)を用いて各々調製した。次に、両遊
離塩基液の混合モル比が、ジヒドロコデイン:メチルエ
フェドリン=17.8:82.2となるようにカチオン交
換樹脂(参考例1及び2と同じ)に混合し、結合した薬
物の吸着量がイオン交換樹脂の理論飽和の吸着量の95
%となるように反応させレジネートを調製した。反応
後、レジネートをろ取し乾燥させた。一方、ろ液のジヒ
ドロコデイン及びメチルエフェドリンを測定したところ
検出されなかった。従って、溶液中の遊離塩基型ジヒド
ロコデイン及びメチルエフェドリンは全量イオン交換樹
脂に結合したことになる。 ii) 被覆レジネートの調製 上記i) で得られたジヒドロコデイン・メチルエフェド
リン配合レジネート40gをメチレンクロライド66.
7mlと50%エタノール26.7mlにアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーRS(オイドラギットRS10
0(Roehm Pharma 製))4gを溶解した溶液中に分散
させた。このスラリーを噴霧乾燥してマイクロカプセル
を得た。得られたマイクロカプセルからのジヒドロコデ
イン、メチルエフェドリンの徐放性は溶出試験(JP X
II パドル法:ただし溶出液は0.05% Tween 80を
含有する0.2M NaCl 溶液900ml)を用いて評価
した結果、良好な徐放性を示した。
【0017】比較例1 方法)ジヒドロコデイン及びメチルエフェドリンを含有
しているレジネートを、参考例3−i)に準じてを作製
し、下記の各処方に配合し、常法に従い水性懸濁液剤を
調製した〔表1〕。各処方の製剤を、5℃、25℃、4
0℃、60℃に1週間保存し、レジネートから遊離した
薬物を定量した。定量はHPLCにより行った。
しているレジネートを、参考例3−i)に準じてを作製
し、下記の各処方に配合し、常法に従い水性懸濁液剤を
調製した〔表1〕。各処方の製剤を、5℃、25℃、4
0℃、60℃に1週間保存し、レジネートから遊離した
薬物を定量した。定量はHPLCにより行った。
【0018】
【表1】 *各生薬配合量は、原生薬換算でオンジ1.7g、キキ
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。各処方での5
℃、25℃、40℃、60℃に1週間保存した場合の、
ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンのイオン交換樹
脂からの遊離%を〔表2〕に示した。〔表1〕に示すと
おり生薬成分未配合の水性懸濁製剤(処方1)は、全温
度において1週間保存後のジヒドロコデインおよびメチ
ルエフェドリンの遊離量はいずれも10%以内であった
に対し、オンジ、キキョウ、セネガの水性エキスを配合
した水性懸濁製剤(処方2〜4)では、いずれの薬物と
も明らかに遊離量が増大し、全温度において、50〜6
0%の遊離を示し、生薬成分が薬物とイオン交換樹脂と
の結合に著しい影響を与えていることが示された。
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。各処方での5
℃、25℃、40℃、60℃に1週間保存した場合の、
ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンのイオン交換樹
脂からの遊離%を〔表2〕に示した。〔表1〕に示すと
おり生薬成分未配合の水性懸濁製剤(処方1)は、全温
度において1週間保存後のジヒドロコデインおよびメチ
ルエフェドリンの遊離量はいずれも10%以内であった
に対し、オンジ、キキョウ、セネガの水性エキスを配合
した水性懸濁製剤(処方2〜4)では、いずれの薬物と
も明らかに遊離量が増大し、全温度において、50〜6
0%の遊離を示し、生薬成分が薬物とイオン交換樹脂と
の結合に著しい影響を与えていることが示された。
【0019】
【表2】 比較例2 方法)ジヒドロコデイン及びメチルエフェドリンを含有
しているレジネートを上記参考例3−i)に準じて作製
し、下記の各処方に配合した〔表3〕。処方1は生薬成
分未配合の水性懸濁製剤であり、処方2はオンジ水性エ
キスを配合し、処方3はキキョウ水性エキスを配合し、
処方4はセネガ水性エキスを配合した水性懸濁製剤であ
った。各処方を、40℃で3週間まで保存し、レジネー
トから遊離した薬物をHPLCにより定量した。各処方
の、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンのイオン交
換樹脂からの遊離率(%)を〔表4〕に示した。
しているレジネートを上記参考例3−i)に準じて作製
し、下記の各処方に配合した〔表3〕。処方1は生薬成
分未配合の水性懸濁製剤であり、処方2はオンジ水性エ
キスを配合し、処方3はキキョウ水性エキスを配合し、
処方4はセネガ水性エキスを配合した水性懸濁製剤であ
った。各処方を、40℃で3週間まで保存し、レジネー
トから遊離した薬物をHPLCにより定量した。各処方
の、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンのイオン交
換樹脂からの遊離率(%)を〔表4〕に示した。
【表3】 *各生薬配合量は、原生薬換算でオンジ1.7g、キキ
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。生薬成分未配合
処方1の水性懸濁製剤では、ジヒドロコデイン、メチル
エフェドリンのいずれも遊離量は3週間まで変化無く、
10%前後であった。一方オンジ水性エキス、キキョウ
水性エキス、セネガ水性エキスをそれぞれ配合した処方
2から4では、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリン
とも、全ての処方において50〜60%の遊離を示し
た。
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。生薬成分未配合
処方1の水性懸濁製剤では、ジヒドロコデイン、メチル
エフェドリンのいずれも遊離量は3週間まで変化無く、
10%前後であった。一方オンジ水性エキス、キキョウ
水性エキス、セネガ水性エキスをそれぞれ配合した処方
2から4では、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリン
とも、全ての処方において50〜60%の遊離を示し
た。
【0020】
【表4】
【0021】比較例3 ジヒドロコデインおよびメチルエフェドリンを含有して
いるレジネートを参考例3−i)に準じて作製し、下記
の各処方に配合した〔表5〕。処方1は生薬成分未配合
の水性懸濁製剤であり、処方2はオンジ流エキスを配合
し、処方3はキキョウ流エキスを配合し、処方4はセネ
ガ流エキスを配合した水性懸濁製剤であった。各処方
を、40℃で2週間保存し、レジネートから遊離した薬
物を定量した。定量はHPLCにより行った。
いるレジネートを参考例3−i)に準じて作製し、下記
の各処方に配合した〔表5〕。処方1は生薬成分未配合
の水性懸濁製剤であり、処方2はオンジ流エキスを配合
し、処方3はキキョウ流エキスを配合し、処方4はセネ
ガ流エキスを配合した水性懸濁製剤であった。各処方
を、40℃で2週間保存し、レジネートから遊離した薬
物を定量した。定量はHPLCにより行った。
【0022】
【表5】 *各生薬配合量は、原生薬換算でオンジ1.7g、キキ
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。各処方で40
℃、2週間保存した場合の、ジヒドロコデイン、メチル
エフェドリンのイオン交換樹脂からの遊離%を〔表6〕
に示した。処方1の生薬成分未配合の水性懸濁製剤で
は、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンの遊離量
は、10%前後であった。オンジ流エキス、キキョウ流
エキス、セネガ流エキスをそれぞれ配合した処方2から
4では、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンとも、
全ての処方において50〜60%の遊離を示した。生薬
の配合により、水性エキスと同様に流エキスにおいて
も、薬物とイオン交換樹脂との結合に著しい影響を与え
ていることが示された。
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。各処方で40
℃、2週間保存した場合の、ジヒドロコデイン、メチル
エフェドリンのイオン交換樹脂からの遊離%を〔表6〕
に示した。処方1の生薬成分未配合の水性懸濁製剤で
は、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンの遊離量
は、10%前後であった。オンジ流エキス、キキョウ流
エキス、セネガ流エキスをそれぞれ配合した処方2から
4では、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンとも、
全ての処方において50〜60%の遊離を示した。生薬
の配合により、水性エキスと同様に流エキスにおいて
も、薬物とイオン交換樹脂との結合に著しい影響を与え
ていることが示された。
【表6】
【0023】実施例1 イオン交換樹脂を用いたオンジ水製エキスの処理法およ
びサポニンの確認 1)生薬抽出液の調製 刻んだオンジ100gに脱イオン水700mlを加え、
50℃、90分間、撹拌下で抽出を行った。篩過により
固液分離を行い、残渣を300mlの脱イオン水で洗浄
した。抽出液と洗浄液を合わせて濾紙ろ過を行い、ろ液
836mlを得た。 2)水製エキスおよびサポニン画分の調製 原生薬量10g分の生薬抽出液を凍結乾燥し、水製エ
キス1.7g(エキス収率17%)(A)を得た。 原生薬量40g分の生薬抽出液をn−ブタノール10
0mlで3回抽出し、得られた抽出液を減圧濃縮し水製
エキスサポニン画分1.5g(収率3.75%,対原生薬
換算値)(B)を得た。 カチオン交換樹脂(H型;ダイヤイオン SKNUP
C(三菱化成))及びアニオン交換樹脂(OH型;ダイ
ヤイオン SAN1(三菱化成))12.5gを内径12
mmの2本のカラムにそれぞれ充填し、原生薬量50g
分の生薬抽出液(418ml)をカチオン交換樹脂カラ
ムからアニオン交換樹脂カラムの順に通過させた。次い
でカラムを脱イオン水で洗浄し、先の通過液と合わせて
処理液として465mlを得た。原生薬10g分の処理
液を凍結乾燥し水製エキス(有処理)1.6g(エキス
収率16%)(C)を得た。 原生薬40g分の上記の処理液をn-ブタノール1
00mlで3回抽出し、減圧濃縮し水製エキス(有処
理)サポニン画分1.2g(収率3.00%,対原生薬換
算値)(D)を得た。
びサポニンの確認 1)生薬抽出液の調製 刻んだオンジ100gに脱イオン水700mlを加え、
50℃、90分間、撹拌下で抽出を行った。篩過により
固液分離を行い、残渣を300mlの脱イオン水で洗浄
した。抽出液と洗浄液を合わせて濾紙ろ過を行い、ろ液
836mlを得た。 2)水製エキスおよびサポニン画分の調製 原生薬量10g分の生薬抽出液を凍結乾燥し、水製エ
キス1.7g(エキス収率17%)(A)を得た。 原生薬量40g分の生薬抽出液をn−ブタノール10
0mlで3回抽出し、得られた抽出液を減圧濃縮し水製
エキスサポニン画分1.5g(収率3.75%,対原生薬
換算値)(B)を得た。 カチオン交換樹脂(H型;ダイヤイオン SKNUP
C(三菱化成))及びアニオン交換樹脂(OH型;ダイ
ヤイオン SAN1(三菱化成))12.5gを内径12
mmの2本のカラムにそれぞれ充填し、原生薬量50g
分の生薬抽出液(418ml)をカチオン交換樹脂カラ
ムからアニオン交換樹脂カラムの順に通過させた。次い
でカラムを脱イオン水で洗浄し、先の通過液と合わせて
処理液として465mlを得た。原生薬10g分の処理
液を凍結乾燥し水製エキス(有処理)1.6g(エキス
収率16%)(C)を得た。 原生薬40g分の上記の処理液をn-ブタノール1
00mlで3回抽出し、減圧濃縮し水製エキス(有処
理)サポニン画分1.2g(収率3.00%,対原生薬換
算値)(D)を得た。
【0024】3)サポニンの定性試験 以下の薄層クロマトグラフ(TLC)により、上記2)で
得られた各試料に対しサポニンの定性試験を行った。薄
層プレート(Kieselgel 60F254; メルク社)に上記2)
で得られた(A),(B),(C)及び(D)を20%メタノール溶
液に溶かして一定量スポットし、展開溶媒(第1液:ク
ロロメタン:メタノール:水(64:50:10);第2
液:n-ブタノール:酢酸:水(4:1:5))で約80m
m展開後、発色試薬として Kieselgel 試薬(50%エタ
ノール・硫酸液1ml及び2%p-ヒドロキシベンザル
デヒドメタノール溶液10mlを使用直前に混合)を噴
霧し、ホットプレート上で100℃,5分間過熱して発
色させた。その結果、全てにサポニンを確認した。 4)有処理水製エキスのイオン交換樹脂に対する影響 上記1)に準じて得られた生薬抽出液825mlを強酸
性陽イオン交換樹脂25g(wet)(原生薬の1/4倍量)
に通し、次いでカラムを脱イオン水で洗浄し、両者を合
わせ処理液900mlを得た。これを脱イオン水で正確
に1000mlに調製した後、5等分して(原生薬量2
0g相当)、それぞれを強酸性陽イオン交換樹脂5,1
0,20,40及び80g(wet)(原生薬に対してそれぞれ
1/4,1/2,1,2,4倍量に相当)を充填したカラムに
通した後、用いた5種の強酸性陽イオン交換樹脂カラム
を1N NaOH50ml、次いで脱イオン水で通過液
が中性になるまで洗浄し、樹脂吸着物を回収した。回収
液を塩酸で酸性とした後、1/3量のn-ブタノールで3
回抽出を行いイオン交換樹脂回収物を得た。上記3)記
載のTLCにより、樹脂吸着物中のサポニン量を確認し
た。その結果、イオン交換樹脂の使用量に拘わらずサポ
ニンは認められなかった。従って、原生薬の1/4倍量
のイオン交換樹脂による処理で、生薬成分がイオン交換
樹脂へ吸着しないことが判明した。
得られた各試料に対しサポニンの定性試験を行った。薄
層プレート(Kieselgel 60F254; メルク社)に上記2)
で得られた(A),(B),(C)及び(D)を20%メタノール溶
液に溶かして一定量スポットし、展開溶媒(第1液:ク
ロロメタン:メタノール:水(64:50:10);第2
液:n-ブタノール:酢酸:水(4:1:5))で約80m
m展開後、発色試薬として Kieselgel 試薬(50%エタ
ノール・硫酸液1ml及び2%p-ヒドロキシベンザル
デヒドメタノール溶液10mlを使用直前に混合)を噴
霧し、ホットプレート上で100℃,5分間過熱して発
色させた。その結果、全てにサポニンを確認した。 4)有処理水製エキスのイオン交換樹脂に対する影響 上記1)に準じて得られた生薬抽出液825mlを強酸
性陽イオン交換樹脂25g(wet)(原生薬の1/4倍量)
に通し、次いでカラムを脱イオン水で洗浄し、両者を合
わせ処理液900mlを得た。これを脱イオン水で正確
に1000mlに調製した後、5等分して(原生薬量2
0g相当)、それぞれを強酸性陽イオン交換樹脂5,1
0,20,40及び80g(wet)(原生薬に対してそれぞれ
1/4,1/2,1,2,4倍量に相当)を充填したカラムに
通した後、用いた5種の強酸性陽イオン交換樹脂カラム
を1N NaOH50ml、次いで脱イオン水で通過液
が中性になるまで洗浄し、樹脂吸着物を回収した。回収
液を塩酸で酸性とした後、1/3量のn-ブタノールで3
回抽出を行いイオン交換樹脂回収物を得た。上記3)記
載のTLCにより、樹脂吸着物中のサポニン量を確認し
た。その結果、イオン交換樹脂の使用量に拘わらずサポ
ニンは認められなかった。従って、原生薬の1/4倍量
のイオン交換樹脂による処理で、生薬成分がイオン交換
樹脂へ吸着しないことが判明した。
【0025】実施例2 イオン交換樹脂を用いたキキョウ水製エキスの処理法お
よびサポニンの確認 1)生薬抽出液の調製 実施例1に準じて、刻んだキキョウ100gからキキョ
ウ抽出液700mlを調製を得た。 2)水製エキスおよびサポニン画分の調製 上記1)で得られたをキキョウ抽出液用い、実施例1−
2)に記載の各処理により、次の処理物を得た。 キキョウ水製エキス3.7g(エキス収率37%); キキョウ水製エキスサポニン画分1.0g(収率2.5
%,対原生薬換算値); キキョウ水製エキス(有処理)3.2g(エキス収率3
7%); キキョウ水製エキス(有処理)サポニン画分0.6g
(収率1.5%,対原生薬換算値); 3)キキョウサポニンの定性試験 実施例1-2)に記載のTLC試験により、上記2)で得
られた各試料についてキキョウサポニンの定性試験を行
った結果、全てにサポニンを確認した。なお、本試験で
はプラチコディンD(Platycodin D)をキキョウサポニ
ンの標品として用いた。
よびサポニンの確認 1)生薬抽出液の調製 実施例1に準じて、刻んだキキョウ100gからキキョ
ウ抽出液700mlを調製を得た。 2)水製エキスおよびサポニン画分の調製 上記1)で得られたをキキョウ抽出液用い、実施例1−
2)に記載の各処理により、次の処理物を得た。 キキョウ水製エキス3.7g(エキス収率37%); キキョウ水製エキスサポニン画分1.0g(収率2.5
%,対原生薬換算値); キキョウ水製エキス(有処理)3.2g(エキス収率3
7%); キキョウ水製エキス(有処理)サポニン画分0.6g
(収率1.5%,対原生薬換算値); 3)キキョウサポニンの定性試験 実施例1-2)に記載のTLC試験により、上記2)で得
られた各試料についてキキョウサポニンの定性試験を行
った結果、全てにサポニンを確認した。なお、本試験で
はプラチコディンD(Platycodin D)をキキョウサポニ
ンの標品として用いた。
【0026】実施例3 1) セネガ水製エキスの調製 生薬(刻)70gに脱イオン水490mlを加え1.5時
間,50℃で撹拌抽出を行った。ろ過を行い抽出液と残
渣に分け、脱イオン水210mlで洗浄し抽出液と洗浄液
を合わし減圧濃縮を行った。濃縮操作の都合で軟エキス
とした(エキス収量32.7g,エキス収率21.6
%)。 2) イオン交換樹脂による処理 生薬(刻)130gに対して上記1)と同様の操作を行
い、抽出液と洗浄液を合わせ、強酸性、強塩基性のイオ
ン交換樹脂の順に各樹脂を60g(wet)を充填したカ
ラムに毎分20mlの速度で通過させた。通過後、凍結乾
燥を行い水製エキス(有処理)13.8g(収率0.42
%,対原生薬換算値)を得た。
間,50℃で撹拌抽出を行った。ろ過を行い抽出液と残
渣に分け、脱イオン水210mlで洗浄し抽出液と洗浄液
を合わし減圧濃縮を行った。濃縮操作の都合で軟エキス
とした(エキス収量32.7g,エキス収率21.6
%)。 2) イオン交換樹脂による処理 生薬(刻)130gに対して上記1)と同様の操作を行
い、抽出液と洗浄液を合わせ、強酸性、強塩基性のイオ
ン交換樹脂の順に各樹脂を60g(wet)を充填したカ
ラムに毎分20mlの速度で通過させた。通過後、凍結乾
燥を行い水製エキス(有処理)13.8g(収率0.42
%,対原生薬換算値)を得た。
【0027】実施例4 1) キキョウ流エキスの調製 生薬(刻)100gに25(v/v)%エタノール30
0mlを加え室温で2日静置した。浸出液をろ過し、16
7mlを得た。ろ過液を減圧濃縮しエタノールを留去した
後、凍結乾燥しキキョウ流エキス(エキス収率42.3
%)を得た。 2) イオン交換樹脂による処理 生薬(刻)200gに対して上記1)と同様の操作を行
い、浸出液を減圧したでエタノールを留去した。次いで
強酸性、強塩基性のイオン交換樹脂の順で各々70g
(wet)を充填したカラムに毎分20mlの速度で通過さ
せた後、凍結乾燥を行いキキョウ流エキス(有処理)を
得た(エキス収率0.47g,対原生薬換算値)。
0mlを加え室温で2日静置した。浸出液をろ過し、16
7mlを得た。ろ過液を減圧濃縮しエタノールを留去した
後、凍結乾燥しキキョウ流エキス(エキス収率42.3
%)を得た。 2) イオン交換樹脂による処理 生薬(刻)200gに対して上記1)と同様の操作を行
い、浸出液を減圧したでエタノールを留去した。次いで
強酸性、強塩基性のイオン交換樹脂の順で各々70g
(wet)を充填したカラムに毎分20mlの速度で通過さ
せた後、凍結乾燥を行いキキョウ流エキス(有処理)を
得た(エキス収率0.47g,対原生薬換算値)。
【0028】実施例5 1) セネガ流エキスの調製 生薬(刻)70gに10(v/v)%エタノール700
mlを加え室温で24時間静置した。浸出液をろ過し、残
渣を10(v/v)%エタノールで洗い、先のろ液と併
せて875mlとし、減圧濃縮し軟エキスとした(エキス
収率27%)。 2) イオン交換樹脂による処理 生薬(刻)130gに対して上記1)と同様の操作を行
い、浸出液と洗浄液を合わし減圧下でエタノールを留去
した。次いで強酸性、強塩基性のイオン交換樹脂の順で
各々60g(wet)を充填したカラムに毎分20mlの速
度で通過させた後、通過液を凍結乾燥させ、セネガ流エ
キス(有処理)を得た(エキス収率9.8%,対原生薬
換算値)。
mlを加え室温で24時間静置した。浸出液をろ過し、残
渣を10(v/v)%エタノールで洗い、先のろ液と併
せて875mlとし、減圧濃縮し軟エキスとした(エキス
収率27%)。 2) イオン交換樹脂による処理 生薬(刻)130gに対して上記1)と同様の操作を行
い、浸出液と洗浄液を合わし減圧下でエタノールを留去
した。次いで強酸性、強塩基性のイオン交換樹脂の順で
各々60g(wet)を充填したカラムに毎分20mlの速
度で通過させた後、通過液を凍結乾燥させ、セネガ流エ
キス(有処理)を得た(エキス収率9.8%,対原生薬
換算値)。
【0029】実施例6 オンジ流エキスの調製 実施例5と同手法にてオンジ流エキス(エキス収率2
3.3%)および有処理オンジ流エキス(エキス収率1
0.9%,対原生薬換算値)を共に凍結乾燥末として得
た。
3.3%)および有処理オンジ流エキス(エキス収率1
0.9%,対原生薬換算値)を共に凍結乾燥末として得
た。
【0030】実施例7 ジヒドロコデインおよびメチルエフェドリンを含有して
いるレジネートを参考例3−i)に準じて作製し、下記
の各処方に配合した〔表7〕。処方1は生薬成分未配合
の水性懸濁製剤であり、処方2はイオン交換樹脂により
処理を施したオンジ水性エキスを配合した水性懸濁製
剤、処方3はイオン交換樹脂により処理を施したキキョ
ウ水性エキスを配合した水性懸濁製剤、処方4はイオン
交換樹脂により処理を施したセネガ水性エキスを配合し
た水性懸濁製剤であった。各処方を、40℃で3週間ま
で保存し、経時的にレジネートから遊離した薬物をHP
LCにより定量した。
いるレジネートを参考例3−i)に準じて作製し、下記
の各処方に配合した〔表7〕。処方1は生薬成分未配合
の水性懸濁製剤であり、処方2はイオン交換樹脂により
処理を施したオンジ水性エキスを配合した水性懸濁製
剤、処方3はイオン交換樹脂により処理を施したキキョ
ウ水性エキスを配合した水性懸濁製剤、処方4はイオン
交換樹脂により処理を施したセネガ水性エキスを配合し
た水性懸濁製剤であった。各処方を、40℃で3週間ま
で保存し、経時的にレジネートから遊離した薬物をHP
LCにより定量した。
【0031】
【表7】 *各生薬配合量は、原生薬換算でオンジ1.7g、キキ
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。処理によりサポ
ニンに影響を与えないことを確認している。各処方で4
0℃、3週間まで保存した場合の、ジヒドロコデイン、
メチルエフェドリンのイオン交換樹脂からの遊離率
(%)を〔表8〕に示した。処方1の生薬成分未配合の
水性懸濁製剤では、ジヒドロコデイン、メチルエフェド
リンの遊離量は3週間まで変化無く、10%前後であっ
た。処方2から4のイオン交換樹脂により処理を施した
生薬の水性エキスを配合した水性懸濁製剤では、処方1
の場合と同程度の遊離量であり、比較例2のイオン交換
樹脂による処理を施さず配合した生薬水性エキスに比
べ、著しく薬物の遊離を改善する効果を示していた。
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。処理によりサポ
ニンに影響を与えないことを確認している。各処方で4
0℃、3週間まで保存した場合の、ジヒドロコデイン、
メチルエフェドリンのイオン交換樹脂からの遊離率
(%)を〔表8〕に示した。処方1の生薬成分未配合の
水性懸濁製剤では、ジヒドロコデイン、メチルエフェド
リンの遊離量は3週間まで変化無く、10%前後であっ
た。処方2から4のイオン交換樹脂により処理を施した
生薬の水性エキスを配合した水性懸濁製剤では、処方1
の場合と同程度の遊離量であり、比較例2のイオン交換
樹脂による処理を施さず配合した生薬水性エキスに比
べ、著しく薬物の遊離を改善する効果を示していた。
【表8】
【0032】実施例8 ジヒドロコデインおよびメチルエフェドリンを含有して
いるレジネートを参考例3−i)に準じて作製し、下記
の各処方に配合した〔表9〕。処方1は生薬成分未配合
の水性懸濁製剤であり、処方2はイオン交換樹脂により
処理を施したオンジ流エキスを配合した水性懸濁製剤、
処方3はイオン交換樹脂により処理を施したキキョウ流
エキスを配合した水性懸濁製剤、処方4はイオン交換樹
脂により処理を施したセネガ流エキスを配合した水性懸
濁製剤であった。各処方を、40℃で2週間保存し、経
時的にレジネートから遊離した薬物をHPLCにより定
量した。
いるレジネートを参考例3−i)に準じて作製し、下記
の各処方に配合した〔表9〕。処方1は生薬成分未配合
の水性懸濁製剤であり、処方2はイオン交換樹脂により
処理を施したオンジ流エキスを配合した水性懸濁製剤、
処方3はイオン交換樹脂により処理を施したキキョウ流
エキスを配合した水性懸濁製剤、処方4はイオン交換樹
脂により処理を施したセネガ流エキスを配合した水性懸
濁製剤であった。各処方を、40℃で2週間保存し、経
時的にレジネートから遊離した薬物をHPLCにより定
量した。
【0033】
【表9】 *各生薬配合量は、原生薬換算でオンジ1.7g、キキ
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。処理によりサポ
ニンに影響を与えないことを確認している。各処方で4
0℃、2週間保存した場合の、ジヒドロコデイン、メチ
ルエフェドリンのイオン交換樹脂からの遊離%を〔表1
0〕に示した。処方1の生薬成分未配合の水性懸濁製剤
では、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンの遊離量
は、10%前後であった。処方2から4のイオン交換樹
脂により処理を施した生薬の流エキスを配合した水性懸
濁製剤では、処方1の場合と同様の遊離量を示し、比較
例3のイオン交換樹脂による処理を施さず配合した生薬
流エキスに比べ、著しく薬物の遊離を改善する効果を示
していた。
ョウ1.3g、セネガ1.3gとし、1日最大分量の2/
3倍量から計算した1回量に相当する。処理によりサポ
ニンに影響を与えないことを確認している。各処方で4
0℃、2週間保存した場合の、ジヒドロコデイン、メチ
ルエフェドリンのイオン交換樹脂からの遊離%を〔表1
0〕に示した。処方1の生薬成分未配合の水性懸濁製剤
では、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンの遊離量
は、10%前後であった。処方2から4のイオン交換樹
脂により処理を施した生薬の流エキスを配合した水性懸
濁製剤では、処方1の場合と同様の遊離量を示し、比較
例3のイオン交換樹脂による処理を施さず配合した生薬
流エキスに比べ、著しく薬物の遊離を改善する効果を示
していた。
【表10】
【0034】実施例9 参考例3に準じてジヒドロコデインおよびメチルエフェ
ドリンを含有しているレジネート、およびこのレジネー
トに徐放性膜(アミノアルキルメタクリレート)を施し
た粒子を混合し、下記の各処方に配合した〔表11〕。
処方1は生薬成分未配合でショ糖濃度が55%となるよ
うに配合した水性懸濁製剤であり、処方2はイオン交換
樹脂により処理を施したオンジ水性エキスを配合し、シ
ョ糖濃度が55%となるように配合した水性懸濁製剤、
処方3はイオン交換樹脂により処理を施したオンジ水性
エキスを配合し、ローカストビーンガムが0.15%、
ショ糖が40%となるように配合した水性懸濁製剤であ
った。各処方を、40℃で1ヶ月保存し、レジネートお
よびレジネートに徐放性膜を施した粒子から遊離した薬
物を定量した。定量は、HPLCにより行った。
ドリンを含有しているレジネート、およびこのレジネー
トに徐放性膜(アミノアルキルメタクリレート)を施し
た粒子を混合し、下記の各処方に配合した〔表11〕。
処方1は生薬成分未配合でショ糖濃度が55%となるよ
うに配合した水性懸濁製剤であり、処方2はイオン交換
樹脂により処理を施したオンジ水性エキスを配合し、シ
ョ糖濃度が55%となるように配合した水性懸濁製剤、
処方3はイオン交換樹脂により処理を施したオンジ水性
エキスを配合し、ローカストビーンガムが0.15%、
ショ糖が40%となるように配合した水性懸濁製剤であ
った。各処方を、40℃で1ヶ月保存し、レジネートお
よびレジネートに徐放性膜を施した粒子から遊離した薬
物を定量した。定量は、HPLCにより行った。
【0035】
【表11】 *生薬配合量は、原生薬換算でオンジ6.7gとし、1
日最大分量の2/3倍量から計算した2日分に相当す
る。処理によりサポニンに影響を与えないことを確認し
ている。各処方での40℃、1ヶ月保存後の、ジヒドロ
コデイン、メチルエフェドリンのイオン交換樹脂からの
遊離%を〔表11〕に示した。処方1〜3で各薬物の遊
離はほぼ同じであり、オンジ成分がイオン交換樹脂によ
り処理を施すことにより、レジネート及び被覆したレジ
ネートに影響を与えること無しに配合できることが明か
となった。
日最大分量の2/3倍量から計算した2日分に相当す
る。処理によりサポニンに影響を与えないことを確認し
ている。各処方での40℃、1ヶ月保存後の、ジヒドロ
コデイン、メチルエフェドリンのイオン交換樹脂からの
遊離%を〔表11〕に示した。処方1〜3で各薬物の遊
離はほぼ同じであり、オンジ成分がイオン交換樹脂によ
り処理を施すことにより、レジネート及び被覆したレジ
ネートに影響を与えること無しに配合できることが明か
となった。
【表12】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 45/06 A61K 45/06 47/48 47/48 J
Claims (8)
- 【請求項1】薬物を吸着させたイオン交換樹脂レジネー
トと生薬抽出物とを含有することを特徴とする製剤。 - 【請求項2】水性懸濁製剤である請求項1記載の製剤。
- 【請求項3】レジネートが、透水性高分子被膜で被覆さ
れたレジネートである請求項2記載の水性懸濁製剤。 - 【請求項4】生薬がオンジ、セネガおよびキキョウから
選ばれる生薬である請求項3記載の水性懸濁製剤。 - 【請求項5】薬物がジヒドロコデインまたはメチルエフ
ェドリンである請求項2または3記載の水性懸濁製剤。 - 【請求項6】透水性高分子がアミノアルキルメタクリレ
ートコポリマーである請求項3記載の水性懸濁製剤。 - 【請求項7】関係式 F=B(eq)/A(eq)〔但し、0≦F≦0.3〕 〔式中、A(eq)は薬物を吸着させたイオン交換樹脂レ
ジネートの交換容量を、B(eq)は生薬抽出物中に含ま
れるイオン性物質のイオン当量をそれぞれ示す。〕で表
される量のイオン性物質を含有する生薬抽出物と薬物を
吸着させたイオン交換樹脂レジネートとを配合すること
を特徴とする製剤の製造法。 - 【請求項8】生薬抽出物中に含まれるイオン性物質量の
イオン交換樹脂による調整工程を有する請求項7記載の
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7319389A JPH09157158A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 生薬配合製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7319389A JPH09157158A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 生薬配合製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09157158A true JPH09157158A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18109629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7319389A Withdrawn JPH09157158A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 生薬配合製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09157158A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006528182A (ja) * | 2003-07-18 | 2006-12-14 | サンタラス インコーポレイティッド | 薬学的製剤および酸に起因する消化器疾患の治療法 |
JP2017075136A (ja) * | 2015-06-08 | 2017-04-20 | ロート製薬株式会社 | 内服組成物 |
-
1995
- 1995-12-07 JP JP7319389A patent/JPH09157158A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006528182A (ja) * | 2003-07-18 | 2006-12-14 | サンタラス インコーポレイティッド | 薬学的製剤および酸に起因する消化器疾患の治療法 |
JP2017075136A (ja) * | 2015-06-08 | 2017-04-20 | ロート製薬株式会社 | 内服組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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