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JPH09141781A - 印刷回路用積層板の製造方法 - Google Patents

印刷回路用積層板の製造方法

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JPH09141781A
JPH09141781A JP8068275A JP6827596A JPH09141781A JP H09141781 A JPH09141781 A JP H09141781A JP 8068275 A JP8068275 A JP 8068275A JP 6827596 A JP6827596 A JP 6827596A JP H09141781 A JPH09141781 A JP H09141781A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布時の含浸性に優れ、耐熱性に優れた印刷
回路用積層板を提供すること。 【解決手段】 表面層はエポキシ樹脂を含浸したガラス
織布プリプレグからなり、中間層はエポキシ樹脂に対し
て無機充填材が50〜250重量%含有されている樹脂
を含浸したガラス不織布プリプレグからなる積層板にお
いて、中材に含浸する樹脂の組成として、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂に対して、硬化剤としてノボラック
型フェノール樹脂を必須成分とし、ビスフェノールA及
び又はテトラブロモビスフェノールAとを用い、ビスフ
ェノールAとテトラブロモビスフェノールAのOH基の
合計量とエポキシ樹脂のエポキシ基数の比が、エポキシ
基/OH基=3〜6であり、かつ、フェノールノボラッ
ク及びビスフェノールAとテトラブロモビスフェノール
AのOH基の合計とエポキシ樹脂のエポキシ基数の比
が、エポキシ基/OH基=0.8〜1.4である印刷回
路用積層板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布時の含浸性及
びプリプレグの保存性に優れ、耐熱性に優れた印刷回路
用積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷回路用積層板として、ガラス
織布を表面層基材とし、ガラス不織布を中間層基材と
し、これら基材にエポキシ樹脂を含浸させ加熱加圧した
コンポジット積層板が大量に使用されるようになった。
コンポジット積層板は、ガラス織布基材のみを使用した
積層板と比較して、電気絶縁性などの特性が同等であ
り、経済的に安価で、かつ打ち抜き加工が可能で、Vカ
ット性が優れており、加工性の良いガラス基材積層板で
ある。
【0003】しかし、一般のコンポジット積層板は、厚
さ方向の寸法変化を押さえる目的で、中間層に無機充填
材として水酸化アルミニウムが用いられているため、耐
熱性が劣るという問題がある。従来、コンポジット積層
板の耐熱性を改良するためにはノボラック型エポキシ樹
脂を配合する方法が知られているが、コストが上昇する
ばかりでなく、硬化物が硬くてもろいものとなるため、
大量に配合すると打ち抜き加工工程において、目白等の
部分はがれが発生しやすいものとなる。
【0004】さらに、含浸性を向上させるためビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノール
Aを使用し、エポキシ樹脂のエポキシ基数と、テトラブ
ロモビスフェノールAのOH基数との比、エポキシ基/
OH基=1〜2で配合し、乾燥工程において反応させる
方法(インシチュー)も知られているが、含浸性は向上
するものの、塗布速度を遅くする必要があり、また、塗
布機の幅方向の温度分布の影響を受けやすく、安定した
プリプレグを作りにくい方法である。加えて、未反応の
テトラブロモビスフェノールAがプリプレグ中に存在す
るため、保存中にエポキシ樹脂と反応して硬化が進行
し、プリプレグのライフが短いという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の問題点を改良するために種々検討して完成され
たものであり、その目的とするところは、塗布時の含浸
性に優れ、耐熱性に優れた、低コストの印刷回路用積層
板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面層はエポ
キシ樹脂を含浸したガラス織布プリプレグからなり、中
間層はエポキシ樹脂に対して無機充填材が50〜250
重量%含有されている樹脂を含浸したガラス不織布プリ
プレグからなる積層板において、中間層における樹脂の
組成が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に対して、硬
化剤としてノボラック型フェノール樹脂を必須成分と
し、ビスフェノールA及び又はテトラブロモビスフェノ
ールAであり、ビスフェノールAとテトラブロモビスフ
ェノールAの合計量のOH基とエポキシ樹脂のエポキシ
基数の比が、エポキシ基/OH基=3〜6であり、か
つ、ノボラック型フェノール樹脂及びビスフェノールA
とテトラブロモビスフェノールAのOH基の合計とエポ
キシ樹脂のエポキシ基数の比が、エポキシ基/OH基=
0.8〜1.4であることを特徴とする印刷回路用積層
板の製造方法に関するものであり、かかる方法により、
塗布時の含浸性に優れ、さらにプリプレグの保存性及び
耐熱性に優れたコンポジット積層板を提供するものであ
る。
【0007】本発明において、表面層に含浸するエポキ
シ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型及びノボラ
ック型の共縮合タイプのエポキシ樹脂等があり、これら
は単独または2種以上混合して使用することができる。
硬化剤としてはノボラック型フェノール樹脂、アミン
類、アミド類、酸無水物等があり、特に限定するもので
はない。銅箔との密着性を向上させるためには、ジシア
ンジアミド(DDA)を使用するのが好ましい。硬化剤
としてDDAを使用する場合、DDAの反応点の数を4
として、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とDDAの
反応点の数の合計の比が、DDA反応点/エポキシ基=
0.3〜1.0、好ましくは0.4〜0.7である。
0.3未満では充分に硬化せず、1.0を越えると吸水
性が劣化し耐熱性が悪くなり、望ましくない。
【0008】本発明において使用する中間層のエポキシ
樹脂ワニスの各成分について説明する。ビスフェノール
A型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が170〜5
00であれば特に問題なく使用できるので好ましく、こ
れ以上では使用可能であるが、エポキシ当量が大きくな
るとともに含浸性が低下するようになる。そしてこれら
のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、単独または2種
以上混合して使用することができる。
【0009】硬化剤として使用するノボラック型フェノ
ール樹脂は、主としてビスフェノールA型エポキシ樹脂
の架橋反応に預かるものであり、耐熱性向上のために配
合するものである。種類としては、フェノール型、ビス
フェノールA型、クレゾール型等があり、これらは単独
または2種以上混合して使用することができる。またビ
スフェノールA及びテトラブロモビスフェノールAは、
主としてエポキシ樹脂の高分子化反応に預かるものであ
り、そのビスフェノールA及びテトラブロモビスフェノ
ールAの量は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に対し
て、エポキシ基/OH基=3〜6であり、望ましくは4
〜5.5である。3未満では安定したプリプレグが得に
くく、プリプレグのライフが悪くなる、また6を越える
とプリプレグの溶融温度が低下し、成形性が悪くなる傾
向がある。ビスフェノールAとテトラブロモビスフェノ
ールAとは、エポキシ樹脂に対する反応性は実質的に同
等であり、積層板に難燃性を要求される場合には、その
程度に応じてテトラブロモビスフェノールAの割合を多
くするか、あるいはテトラブロモビスフェノールAのみ
を使用する。
【0010】ノボラック型フェノール樹脂とビスフェノ
ールA及び又はテトラブロモビスフェノールAのOH基
の合計とエポキシ樹脂のエポキシ基の比は、エポキシ基
/OH基=0.8〜1.4、望ましくは0.9〜1.2
である。0.8未満では硬化物が硬くてもろいものとな
り打抜きが悪くなり、1.4以上では耐熱性、ガラス転
移温度(Tg)が低下するため好ましくない。
【0011】無機充填材としては、水酸化アルミニウ
ム、タルク、シリカ、アルミナ、クレイ、ウォラストナ
イト、三酸化アンチモンなどがあり、これらを単独また
は2種以上混合して使用することができる。その添加量
はエポキシ樹脂に対して50〜250重量%であり、5
0重量%未満では寸法安定性向上効果が小さいため、ス
ルーホール信頼性が十分でなく、250重量%を越える
と無機充填材の混合が困難となり好ましくない。
【0012】従来、積層板用の樹脂組成物は、エポキシ
樹脂とビスフェノールAまたはテトラブロモビスフェノ
ールAを反応釜中で反応させた高分子量のものを使用し
ていた。これに対し本発明では、原料として低分子量の
樹脂成分を使用するため、塗布時の含浸性を大きく改善
することができる。また本発明では、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂とビスフェノールA及びテトラブロモビ
スフェノールAの反応基数の比がエポキシ基/OH基=
3〜6であるため、塗布乾燥工程でビスフェノールA及
びテトラブロモビスフェノールAがほぼ完全にエポキシ
樹脂と反応するため、プリプレグ中にビスフェノールA
及び又はテトラブロモビスフェノールAが残存して保存
中に硬化が進行しプリプレグのライフが悪くなるという
ことがない。また、ビスフェノールA及びテトラブロモ
ビスフェノールAもノボラック型フェノール樹脂の一部
としてこれらの合計のOH基数とエポキシ基数を合わせ
ているため、未硬化のノボラック型フェノール樹脂が少
なく、耐熱性、ガラス転移温度のバランスのとれた硬化
物が得られる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
「部」は「重量部」を示す。 《実施例1》中間層のエポキシ樹脂配合ワニスの組成は
次の通りである。 (1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190) 58部 (2)テトラブロモビスフェノールA 17部 (3)ノボラック型フェノール樹脂(OH当量104) 25部 (4)2−フェニル−4−メチルイミダゾール 0.3部 (5)アセトン 50部 前記材料を混合して均一なワニスを作製した。 (エポキシ基/テトラブロモビスフェノールAのOH基
=5、全体のエポキシ基/OH基=1) 上記のエポキシ樹脂配合ワニスに樹脂分100部に対し
次の配合の無機充填材を添加し、撹拌混合し、無機充填
材含有ワニスを作製した。 (1)ギブサイト型水酸化アルミニウム 100部 この無機充填材含有ワニスをガラス不織布(坪量75
g)に樹脂及び無機充填材の含有量が75〜85重量%
になるように含浸乾燥して、ガラス不織布プリプレグ
(A)を得た。
【0014】表面層のエポキシ樹脂配合ワニスの組成は
次の通りである。 (1)臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 80部 (エポキシ当量500、Br化率26%) (2)フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量 210) 20部 (3)ジシアンジアミド 2部 (4)2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.15部 (5)メチルセロソルブ 40部 (6)アセトン 60部 前記材料を混合して均一なワニスを作製した。次に、こ
の調整ワニスをガラス織布(厚さ180μm)に樹脂含
有量が35〜50重量%になるように含浸乾燥してガラ
ス織布プリプレグ(E)を得た。次に、前記ガラス不織
布プリプレグ(A)を3枚重ね中間層とし、上下表面層
に前記ガラス織布プリプレグ(E)を各1枚配置し、更
にその両面に18μm厚の銅箔を配置し、成形温度16
5℃、圧力60kg/cm2 で90分間積層成形して厚
さ1.6mmの銅張積層板を得た。
【0015】《実施例2》表面層のプリプレグは実施例
1と同様に作製した。中間層のエポキシ樹脂配合ワニス
の組成は次の通りである。 (1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190) 57部 (2)テトラブロモビスフェノールA 20部 (3)ノボラック型フェノール樹脂(OH当量104) 23部 (4)2−フェニル−4−メチルイミダゾール 0.3部 (5)アセトン 50部 前記材料を混合して均一なワニスを作製した。 (エポキシ基/テトラブロモビスフェノールAのOH基
=4、全体のエポキシ基/OH基=1) 上記のエポキシ樹脂配合ワニスに樹脂分100部に対し
次の配合の無機充填材を添加し、撹拌混合し、無機充填
材含有ワニスを作製した。 (1)ギブサイト型水酸化アルミニウム 200部 この無機充填材含有ワニスをガラス不織布(坪量75
g)に樹脂及び無機充填材の含有量が80〜90重量%
になるように含浸乾燥して、ガラス不織布プリプレグ
(B)を得た。
【0016】次に、前記ガラス不織布プリプレグ(B)
を3枚重ね中間層とし、上下表面層に前記ガラス織布プ
リプレグ(E)を各1枚配置し、更にその両面に18μ
m厚の銅箔を配置し、成形温度165℃、圧力60kg
/cm2 で90分間積層成形して厚さ1.6mmの銅張
積層板を得た。
【0017】《比較例1》表面層のプリプレグは実施例
1と同様に作製した。中間層のエポキシ樹脂配合ワニス
の組成は次の通りである。 (1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190) 50部 (2)テトラブロモビスフェノールA 16部 (3)フェノールノボラック樹脂(OH当量104) 14部 (4)2−フェニル−4−メチルイミダゾール 0.3部 (5)アセトン 50部 前記材料を混合して均一なワニスを作製した。 (エポキシ基/テトラブロモビスフェノールAのOH基
=2、全体のOH基/エポキシ基=1) 上記のエポキシ樹脂配合のワニスに樹脂分100部に対
し次の配合の無機充填材を添加し、撹拌混合し、無機充
填材含有ワニスを作製した。 (1)ギブサイト型水酸化アルミニウム 100部 この無機充填材含有ワニスをガラス不織布(坪量75
g)に樹脂及び無機充填材の含有量が75〜85%にな
るように含浸乾燥して、ガラス不織布プリプレグ(C)
を得た。次に、前記ガラス不織布プリプレグ(C)を3
枚重ね中間層とし、上下表面層に前記ガラス織布プリプ
レグ(E)を各1枚配置し、更にその両面に18μm厚
の銅箔を配置し、成形温度165℃、圧力60kg/c
2 で90分間積層成形して厚さ1.6mmの銅張積層
板を得た。
【0018】《比較例2》表面層のプリプレグは実施例
1と同様に作製した。中間層のエポキシ樹脂配合ワニス
の組成は次の通りである。 (1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190) 65部 (2)テトラブロモビスフェノールA 19部 (3)フェノールノボラック樹脂(OH当量104) 16部 (4)2−フェニル−4−メチルイミダゾール 0.3部 (5)アセトン 50部 前記材料を混合して均一なワニスを作製した。 (エポキシ基/テトラブロモビスフェノールAのOH基
=5、全体のOH基/エポキシ基=0.65) 上記のエポキシ樹脂配合のワニスに樹脂分100部に対
し次の配合の無機充填材を添加し、撹拌混合し、無機充
填材含有ワニスを作製した。 (1)ギブサイト型水酸化アルミニウム 100部 この無機充填材含有ワニスをガラス不織布(坪量75
g)に樹脂及び無機充填材の含有量が75〜85%にな
るように含浸乾燥して、ガラス不織布プリプレグ(D)
を得た。次に、前記ガラス不織布プリプレグ(D)を3
枚重ね中間層とし、上下表面層に前記ガラス織布(E)
を各1枚配置し、更にその両面に18μm厚の銅箔を配
置し、成形温度165℃、圧力60kg/cm2 で90
分間積層成形して厚さ1.6mmの銅張積層板を得た。
【0019】以上の実施例及び比較例により得られた中
間層プリプレグ、及び積層板について、半田耐熱性、ガ
ラス転移温度(Tg)を評価した。その結果を表1に示
す。 (測定方法) 1.半田耐熱性:50mm角の試験片を作製し、飽和型
プレッシャークッカーで30分間吸湿させた後、溶融半
田浴上(280℃)に浮かせ、積層板にふくれが生じる
までの時間(秒)を測定した。 2.ガラス転移温度:粘弾性法による。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明により得られた積層板は、塗布時の含浸性に優れお
り、ビスフェノールA及び又はテトラプロモビスフェノ
ールAの残存がなく、架橋密度も適当であるので、ガラ
ス転移温度が向上し、半田耐熱性に優れている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面層はエポキシ樹脂を含浸したガラス
    織布プリプレグからなり、中間層はエポキシ樹脂に対し
    て無機充填材が50〜250重量%含有されている樹脂
    を含浸したガラス不織布プリプレグからなる積層板にお
    いて、中間層における樹脂の組成が、ビスフェノールA
    型エポキシ樹脂に対して、硬化剤としてノボラック型フ
    ェノール樹脂を必須成分とし、ビスフェノールA及び又
    はテトラブロモビスフェノールAであり、ビスフェノー
    ルAとテトラブロモビスフェノールAのOH基の合計量
    とエポキシ樹脂のエポキシ基数の比が、エポキシ基/O
    H基=3〜6であり、かつ、ノボラック型フェノール樹
    脂及びビスフェノールAとテトラブロモビスフェノール
    AのOH基の合計とエポキシ樹脂のエポキシ基数の比
    が、エポキシ基/OH基=0.8〜1.4であることを
    特徴とする印刷回路用積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面層に含浸する樹脂の組成として、エ
    ポキシ樹脂とジシアンジアミドを用い、エポキシ樹脂の
    エポキシ基数とジシアンジアミドの反応点の合計の比
    が、ジシアンジアミド反応点/エポキシ基=0.3〜
    1.0である請求項1記載の積層板の製造方法。
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