JPH09148146A - インダクタンス部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号線もしくは電源線のノイズを除去するイ
ンダクタンス部品において、前記半筒状のフェライトコ
アの接合面の反りをなくし、また、前記接合面の研磨を
する必要のない低コストのインダクタンス部品を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 筒状のフェライトコアを中空部に沿って
中央部で２分割し、さらに長さ方向に細分割して多数の
短半筒状のフェライトコア単体１３ａ、１３ｂを形成
し、前記多数の短半筒状のフェライトコア単体１３ａ、
１３ｂをそれぞれ２つの半筒状ケース１１ａ、１１ｂ内
に縦続配置し、前記半筒状ケース１１ａ、１１ｂを筒状
になるように合体させ、対向する短半筒状のフェライト
コア単体１３ａ、１３ｂの無研磨の接合面１４同士を接
合して閉磁路をなす筒状のフェライトコアとするインダ
クタンス部品の構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、通信線、電源線等
に関連づけ、前記通信線、電源線等のノイズを吸収する
フェライトコアを備えたインダクタンス部品に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、デジタル機器の高周波化に伴う
電磁波障害などに対処するために、不要な周波数成分を
取り除くフェライトコアを備えたインダクタンス部品が
多用されている。

【０００３】この種の従来のインダクタンス部品につい
て、図７および図８を参照しながら説明する。図７は、
従来のインダクタンス部品の外観斜視図を示し、図８は
従来のインダクタンス部品を開放した状態の斜視図を示
す。

【０００４】図７および図８において、１は合成樹脂製
の２つの半筒状ケース１ａ、１ｂよりなるフェライトコ
アの収納ケースであり、半筒状ケース１ａ、１ｂの一側
はヒンジ２によって回動自在に連結されている。また、
半筒状ケース１ｂの側部には係止穴８をもつ止め具７を
設けてあり、他方の半筒状ケース１ａの側部には、前記
係止穴８に係合する突部９を設けている。

【０００５】前記２つの半筒状ケース１ａ、１ｂ内に
は、筒状フェライトコアを、その中空部に沿って中央部
で２分割した半筒状の分割フェライトコア３ａと３ｂを
収納してあり、半筒状ケース１ａ、１ｂの背部には、前
記収納した分割フェライトコア３ａ、３ｂを内方に押す
ための弾性片１０を設けている。

【０００６】そして、半筒状ケース１ａ、１ｂを筒にな
るようにそのヒンジ２を支点にして回動して閉じ、突部
９を止め具７の係止穴８に係止させることにより筒状の
収納ケース１が構成される。このとき、収納された半筒
状の分割フェライトコア３ａ、３ｂの側端の接合面５、
６は互いに接合し、閉磁路をなす筒状のフェライトコア
を構成する。この接合には、半筒状ケース１ａ、１ｂの
弾性片１０の弾性が作用する。

【０００７】こうして構成されたインダクタンス部品に
は、その中空部に信号線４が通され、信号線４における
ノイズはフェライトコアに吸収される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のインダクタンス部品の構成では、分割フェライトコ
ア３ａ、３ｂは比較的に長く、プレス体密度の不均一に
より、焼成時に歪みや反りが生じ、したがって分割フェ
ライトコア３ａ、３ｂの接合面５、６間に隙間が生じ、
良好な閉磁路を作りにくい。このため、前記接合面５、
６を隙間ができないように研磨しており、研磨工程が削
減できず、製造コストが高いものになっていた。

【０００９】本発明は前記従来の問題に留意し、分割さ
れたフェライトコアの歪みおよび反り等を抑え、接合面
の研磨を必要としなく、低価格のインダクタンス部品を
提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のインダクタンス
部品は、同一形状の多数の短半筒状のフェライトコア単
体を合体自在な２つの保持部材に縦続配置し、前記２つ
の保持部材を結合することにより、対向した短半筒状の
フェライトコア単体の側端の無研磨の接合面同士を接合
して筒状のフェライトコアを構成するものであり、各短
半筒状のフェライトコア単体が、その長さが短いため、
側端の接合面に歪みや反りが生じなく、したがって前記
接合面の研磨が不要であり、低価格のインダクタンス部
品とすることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、同一形状の多数の短半筒状のフェライトコア単体を
２つの保持部材に縦続配置し、前記２つの保持部材を結
合することにより、対向した短半筒状のフェライトコア
単体の側端の無研磨の接合面同士を接合して筒状のフェ
ライトコアを構成したインダクタンス部品としたもので
あり、各短半筒状のフェライトコア単体がその長さが短
いため、側端の接合面に歪みや反りが生じなく、前記接
合面の研磨が不要である。

【００１２】本発明の請求項２に記載の発明は、筒状の
フェライトコアを中空部に沿って中央部で２分割し、さ
らに長さ方向に細分割して多数の短半筒状のフェライト
コア単体を形成し、前記多数の短半筒状のフェライトコ
ア単体を２つの半筒状の収納ケース内に縦続配置し、前
記２つの半筒状の収納ケースを筒状になるように合体さ
せ、対向する短半筒状のフェライトコア単体の側端の無
研磨の接合面同士を接合して筒状のフェライトコアを構
成したインダクタンス部品としたものであり、同じく短
半筒状のフェライトコア単体がその長さが短いため、側
端の接合面に歪みや反りが生じなく、前記接合面の研磨
が不要である。そして短半筒状のフェライトコア単体を
保持する部材が２つの半筒状の収納ケースよりなってい
るため、前記２つの収納ケースを合体して筒状にするこ
とにより、収納された各短半筒状のフェライトコア単体
は、その側端の接合面同士が接合させられ、筒状のフェ
ライトコアを構成することになる。

【００１３】本発明の請求項３に記載の発明は、請求項
２に記載のインダクタンス部品において、半筒状の収納
ケースは、長さ方向に分割され、縦続する各短半筒状の
フェライトコア単体を個々に保持する独立した複数の収
納ケースよりなる構成としたものであり、必要とするイ
ンピーダンスの値に応じて独立した収納ケースの数、す
なわち短半筒状のフェライトコア単体の数を増減するこ
とができ、その調整を容易にする。

【００１４】以下、本発明の実施の形態について図面を
用いて具体的に説明する。 （実施の形態１）図１は本発明の実施の形態１のインダ
クタンス部品の外観斜視図を示し、図２は本発明の実施
の形態１のインダクタンス部品におけるフェライトコア
収納ケースを開放した状態の斜視図を示し、図３は本発
明の実施の形態１のインダクタンス部品における短半筒
状のフェライトコア単体の斜視図を示す。

【００１５】図１〜図３において、１１は合成樹脂製の
２つの半筒状ケース１１ａ、１１ｂよりなるフェライト
コアの収納ケースであり、半筒状ケース１１ａ、１１ｂ
の一側はヒンジ２０によって回動自在に連結されてい
る。また、半筒状ケース１１ｂの側部には係止穴１８を
もつ止め具１７を設けてあり、他方の半筒状ケース１１
ａの側部には、前記係止穴１８に係合する突部１９を設
けている。また、半筒状ケース１１ａ、１１ｂの内側に
は係止用突部２１が、そして長さ方向の端部には隔壁２
２が形成されている。

【００１６】前記２つの半筒状ケース１１ａ、１１ｂ内
には、筒状フェライトコアをその中空部に沿って中央部
で２分割し、さらに長さ方向に多数に分割して形成され
た多数の短半筒状のフェライトコア単体１３ａ、１３ｂ
を縦続して配列収納してあり、半筒状ケース１１ａ、１
１ｂの背部には、前記収納した短半筒状のフェライトコ
ア単体１３ａ、１３ｂを内方に押すための弾性片１２を
設けている。前記短半筒状のフェライトコア単体１３
ａ、１３ｂの外側には前記係止用突部２１に当たる抜け
止め突部１５を設けてあり、また、側端の接合面１４は
無研磨としている。

【００１７】そして、半筒状ケース１１ａ、１１ｂを筒
になるようにそのヒンジ２０を支点にして回動して閉
じ、突部１９を止め具１７の係止穴１８に係止させるこ
とによりフェライトコアの収納ケース１１が構成され
る。このとき、収納された短半筒状のフェライトコア単
体１３ａ、１３ｂの側端の接合面１４は互いに接合し、
閉磁路をなす筒状のフェライトコアを構成する。この接
合には、半筒状ケース１１ａ、１１ｂの弾性片１２の弾
性が作用する。

【００１８】こうして構成されたインダクタンス部品に
は、その中空部に信号線１６が通され、信号線１６にお
けるノイズはフェライトコアに吸収される。

【００１９】（実施の形態２）図４は本発明の実施の形
態２のインダクタンス部品の各部材の組み立て状態を示
す斜視図、図５は本発明の実施の形態２のインダクタン
ス部品の開放状態の斜視図を示す。

【００２０】この実施の形態２は短半筒状のフェライト
コア単体１３ａ、１３ｂを収納する半筒状ケース１１
ａ、１１ｂに特徴を持ち、他は実施の形態１と同じ構成
であるのでその説明は省略する。

【００２１】図示のように短半筒状のフェライトコア単
体１３ａ、１３ｂを収納する半筒状のケースは、その長
さ方向に多数に分割され、各短半筒状のフェライトコア
単体１３ａ、１３ｂを個々に収納する多数の独立した短
半筒状ケース２３ａ、２３ｂよりなっている。そして、
短半筒状のフェライトコア単体１３ａ、１３ｂを収納し
た短半筒状ケース２３ａ、２３ｂは縦続して配列され
る。前記配列を確実なものとするため、短半筒状ケース
２３ｂの隔壁２２には互いに係合自在な連結子２４、２
５が形成されている。なお、短半筒状のフェライトコア
単体１３ａ、１３ｂは、ヒンジ２０によって回動自在に
連結されていることは実施の形態１と同じである。

【００２２】そして、各短半筒状ケース２３ａ、２３ｂ
を筒になるようにそのヒンジ２０を支点にして回動して
閉じ、突部１９を止め具１７の係止穴１８に係止させる
ことにより筒状の収納ケースが構成される。このとき、
収納された短半筒状のフェライトコア単体１３ａ、１３
ｂの側端の接合面１４は互いに接合し、閉磁路をなす筒
状のフェライトコアを構成する。こうして構成されたイ
ンダクタンス部品には、その中空部に信号線１６が通さ
れ、信号線１６におけるノイズはフェライトコアに吸収
される。

【００２３】ここで、効果的にノイズを吸収するため
に、インダクタンス部品の周波数に対するインピーダン
ス値を適正にする必要がある。図６に示すように周波数
に対するインピーダンス値は、フェライトコアの配列段
数によって異なる。したがって、実施の形態２では、短
半筒状のフェライトコアを収納した独立の短半筒状ケー
ス２３ａ、２３ｂを増減して適正インピーダンスを得る
ことができ、その調整作業も容易にできる。

【００２４】なお、前記各実施の形態では、半筒状ケー
ス１１ａ、１１ｂおよび短半筒状のフェライトコア単体
１３ａ、１３ｂが若干角ばっているが、これらを半円筒
状としてもよく、また、配列段数は図示の数に限られる
ものではない。さらに、インダクタンス部品の中空部に
通す線は、信号線１６以外に電源線、その他でもよい。

【００２５】

【発明の効果】前記各実施の形態の説明より明らかなよ
うに、本発明は、半筒状のフェライトコアを接合して構
成される筒状のフェライトコアを用いたインダクタンス
部品において、前記半筒状のフェライトコアを長さ方向
に分割して短くしたので、その接合面に歪みや反りが生
じなく、接合面を研磨しなくても良好な接合が得られる
とともに所定の性能を得ることができ、無研磨、低コス
トのインダクタンス部品を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１のインダクタンス部品の
外観斜視図

【図２】本発明の実施の形態１のインダクタンス部品に
おけるフェライトコア収納ケースを開放した状態の斜視
図

【図３】本発明の実施の形態１のインダクタンス部品に
おける短半筒状のフェライトコア単体の斜視図

【図４】本発明の実施の形態２のインダクタンス部品の
各部材の組み立て状態を示す斜視図

【図５】本発明の実施の形態２のインダクタンス部品の
開放状態の斜視図

【図６】本発明の実施の形態２のインダクタンス部品に
おける周波数に対するインピーダンス特性図

【図７】従来のインダクタンス部品の外観斜視図

【図８】従来のインダクタンス部品を開放した状態の斜
視図

【符号の説明】

１１ フェライトコアの収納ケース １１ａ、１１ｂ 半筒状ケース １２ 弾性片 １３ａ、１３ｂ 短半筒状のフェライトコア単体 １４ 接合面 １５ 抜け止め突部 １６ 信号線 １７ 止め具 １８ 係止穴 １９ 突部 ２０ ヒンジ ２１ 係止用突部 ２２ 隔壁

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】同一形状の多数の短半筒状のフェライトコ
   ア単体を２つの保持部材に縦続配置し、前記２つの保持
   部材を結合することにより、対向した短半筒状のフェラ
   イトコア単体の側端の無研磨の接合面同士を接合して筒
   状のフェライトコアを構成したインダクタンス部品。
2. 【請求項２】筒状のフェライトコアを中空部に沿って中
   央部で２分割し、さらに長さ方向に細分割して多数の短
   半筒状のフェライトコア単体を形成し、前記多数の短半
   筒状のフェライトコア単体を２つの半筒状の収納ケース
   内に縦続配置し、前記２つの半筒状の収納ケースを筒状
   になるように合体させ、対向する短半筒状のフェライト
   コア単体の側端の無研磨の接合面同士を接合して筒状の
   フェライトコアを構成したインダクタンス部品。
3. 【請求項３】半筒状の収納ケースは、長さ方向に分割さ
   れ、縦続する各短半筒状のフェライトコア単体を個々に
   保持する独立した複数の収納ケースよりなる構成とした
   請求項２記載のインダクタンス部品。