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JPH09128024A - 冗長軸を有するロボットの動作プログラムの最適化方法 - Google Patents

冗長軸を有するロボットの動作プログラムの最適化方法

Info

Publication number
JPH09128024A
JPH09128024A JP30373595A JP30373595A JPH09128024A JP H09128024 A JPH09128024 A JP H09128024A JP 30373595 A JP30373595 A JP 30373595A JP 30373595 A JP30373595 A JP 30373595A JP H09128024 A JPH09128024 A JP H09128024A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
value
condition
fine adjustment
redundant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30373595A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Nagatsuka
嘉治 長塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Priority to JP30373595A priority Critical patent/JPH09128024A/ja
Publication of JPH09128024A publication Critical patent/JPH09128024A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冗長軸を有するロボットの動作プログラムの
最適化。 【解決手段】 冗長軸の軸値(ここではX軸周り姿勢W
)の微小調整量δの初期値とサイクルタイムの予測精
度条件を設定し(S1,S2)、原プログラムAを読み
込む(S3)。教示点指標値iを初期設定し(S4)、
サイクルタイム計算のための教示点位置を設定する(S
5)。第1回目の処理サイクルでは、プログラムAの位
置データ通りに設定される。次いで、設定されたデータ
に準拠し、i番目の教示点の軸値Wi を微調整した条件
(1),(2)、微調整しない条件(3)の下でサイク
ルタイムを計算し(S6)、最短時間を与える条件に対
応した冗長軸の軸値を微調整処理後の軸値とする(S
7)。S8の指標値の更新、S9の残余教示点の有無チ
ェックをはさみ、計n個の教示点について微調整処理を
行い、δの値を下方更新した上で(S10)、更に同様
の処理を繰り返す。δ値が予め設定された値δmin を下
回った時点で設定されている冗長軸の軸値Wj を採用し
たプログラムBを出力し(S12)、処理を終える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用ロボット
(以下、単に「ロボット」と言う。)の動作プログラム
の最適化する技術に関し、更に詳しく言えば、許容され
た冗長自由度を有するロボットの動作を定めたプログラ
ムを最適化するための技術に関する。本発明の技術は、
例えば、スポット溶接ロボット、アーク溶接ロボット、
シーリングロボットなどに有効に適用される。
【0002】
【従来の技術】一般に、ロボットに経路移動の動作を教
示する際には、実現させたい経路に沿って所要数の点を
選び、各点に関してロボットの位置と姿勢(通常、ツー
ル先端点の位置と姿勢で代表される。)を指定する作業
が行なわれ、この教示作業を通して動作プログラムが作
成される。作成された動作プログラムには、ロボットの
位置と姿勢を3次元空間内で一意的に指定する位置デー
タが含まれる。
【0003】ところで、ロボットが行なう作業の内容に
よっては、特定の軸に関する姿勢あるいは位置について
作業内容から直接的な制約を受けない場合が少なくな
い。図1は、これを説明する図で、図1(1)にはスポ
ット溶接ロボットのケース、図1(2)にはアーク溶接
ロボットのケースが示されている。
【0004】図1(1)に示したスポット溶接ロボット
のケースで、スポットガン2の加圧軸(二重矢印)周り
に関する姿勢(矢印4)については、その位置で溶接作
業を行なう観点から見る限り、特段の制約は無く、直ち
に最適姿勢を一意的に決めることは出来ない。
【0005】このように、作業内容の観点から姿勢ある
いは位置の決め方について冗長性が許容されている軸
は、「冗長軸」とも呼ばれている。図示したケースで
は、スポット溶接ロボットのツール座標系の設定が、ス
ポットガン2の加圧軸方向と1つの座標軸(例えばX
軸)の方向が一致するように行なわれているので、ツー
ル座標系のX軸周りの回転を表わす軸(W軸)が冗長軸
となる。
【0006】また、図1(2)に示したアーク溶接ロボ
ットのケースについては、ロボットアーム1に搭載され
た溶接トーチ3の軸方向に対応した姿勢については、狙
い角及び前進/後退角に関する制約を受け、最適姿勢は
一意的に決ってしまう。これに対して、溶接トーチ3の
軸の周りの姿勢(矢印5)については、その位置で溶接
作業を行なう観点から見る限り、特段の制約を受けな
い。
【0007】従って、溶接トーチ3の軸が冗長軸に相当
することになる。アーク溶接ロボットのツール座標系
は、溶接トーチ3の軸がZ軸の方向が一致するよう設定
されることが多いので、この場合はツール座標系のZ軸
周りの回転を表わす軸(R軸)が冗長軸となる。
【0008】このような意味でロボットが冗長軸を有す
る場合には、冗長軸に関する位置(姿勢の場合は、角度
位置。以下、同様。)は一応自由に教示出来るため、そ
の分教示作業の負担は軽減されると考えられる。しか
し、冗長軸に関する位置を自由に指定した場合、各教示
点における教示位置自体に作業遂行上の不都合が無いと
しても、ロボットの経路移動に要する時間を考慮に入れ
ると、最適化された動作を実現させるためには一般に不
十分である。
【0009】例えば、隣合う教示点間の移動中に冗長軸
に関する角度位置(姿勢)が無用に大きく変化するよう
な教示が行なわれた場合には、ロボットの経路移動に要
する時間が明らかに長期化する。このような事態を回避
するには、経路移動時間短縮化の観点を考慮に入れて冗
長軸に関する角度位置(姿勢)を教示すれば良いが、多
数の教示点について経路移動時間を短縮化する最適の位
置あるいは姿勢を定めたプログラムを作成することは、
実際上は極めて困難である。また、最適のプログラムに
近いものが作成出来たとしても、そのための大きな負担
増は避けられない。
【0010】このような状況があるにかかわらず、冗長
軸を有するロボットの動作を経路移動時間の短縮化の観
点から自動的に最適化する適当な技術は知られておら
ず、スポット溶接ロボット、アーク溶接ロボット、シー
リングロボットなどのアプリケーションにおいて未解決
の課題となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、冗
長軸を有するロボットについて、最短時間化の観点から
最適化された動作プログラムを提供する技術を提供しよ
うとするものである。また、本発明はそのことを通して
教示作業の効率化とロボットによる作業のサイクルタイ
ムの短縮化を図ろうとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題を解決するために、冗長軸を有するロボットの動作を
定めた作成済みの動作プログラムに対して最適化のため
のソフトウェア処理を適用することにより、経路移動の
時間短縮の観点から最適化された動作プログラムが作成
される。
【0013】即ち、本発明の方法では、ロボット制御装
置のソフトウェア処理を利用して、(1)最適化対象と
される動作プログラムを入力する段階と、(2)サイク
ルタイムを短縮化する方向に、入力された動作プログラ
ムに含まれる調整対象教示点の位置データを冗長軸に関
して反復微調整する段階と、(3)反復微調整が完了し
た動作プログラムを出力する段階が実行される。ここ
で、上記(2)の段階における反復微調整は、冗長軸に
関する微調整のレベルを上げながら、即ち、同微調整の
レベルを表わすパラメータを下方に修正しながら実行さ
れる。
【0014】より具体的に言えば、上記(2)の反復微
調整の段階は、(2−1)サイクルタイムの計算を行な
うために、各教示点に関するその時点までの調整を経た
位置を設定する段階と、(2−2)前記設定された教示
点位置データに準拠し、一つの調整対象教示点について
冗長軸の軸値を所定量だけ上方微調整した条件と、所定
量だけ下方微調整した条件と、微調整しない各条件の下
でサイクルタイムを計算する段階と、(2−3)上記条
件の内、最短時間を与える条件に対応した冗長軸の軸値
を微調整処理後の軸値とする段階を含み、(2−1)〜
(2−3)の段階は、調整対象教示点を替えながら繰り
返し実行され、且つ、入力された動作プログラムに含ま
れる全調整対象教示点について、(2−1)〜(2−
3)の段階が完了する毎に、上方微調整の所定量と下方
微調整の所定量を下方更新しながら、微調整量が十分小
さな限界に到達するまで繰り返される。
【0015】好ましい実施形態においては、上方微調整
の所定量と下方微調整の所定量は、微調整のレベルを表
わすパラメータδで記述される。このパラメータδを用
いれば、冗長軸の微調整条件は、軸値を+δ微調整する
条件と、−δ微調整する条件として定められる。これら
冗長軸の微調整条件が、予めロボットに設定されている
動作範囲の制限に抵触する場合には、当該抵触した条件
を除外した各条件の下でサイクルタイムが計算される。
【0016】
【作用】本発明の動作プログラムの最適化方法は、冗長
軸を有するロボットの動作を定めた作成済みの動作プロ
グラムに対して、冗長軸に関する微調整を繰り返しなが
らサイクルタイムを短縮化する方向へ動作プログラムを
改変するソフトウェア処理を施す点に基本的な特徴があ
る。
【0017】動作プログラムの改変を最適化の方向に収
束させるために、冗長軸に関する微調整のレベルが徐々
に上げられてゆく。冗長軸に関する微調整のレベルを変
更する方法は、サイクルタイムの計算時の微調整量を変
えることである。この考え方を採用した好ましい実施形
態においては、冗長軸の軸値を+δ微調整した条件と、
−δ微調整した条件と、微調整をしない条件でサイクル
タイムが計算・比較され、より短時間の条件に対応した
冗長軸の軸値が逐次採用される。
【0018】入力された動作プログラムをサイクルタイ
ム短縮化の観点で最適化した動作プログラムが、ロボッ
トに設定されている動作範囲の制限に抵触するケースは
もともと少ないと考えられる。しかし、サイクルタイム
の計算・比較に際して、ロボットの動作範囲の制限に抵
触するような条件は排除することで、動作範囲の制限に
抵触するような位置データを含む動作プログラムの出力
がより確実に排除される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の方法は通常のハードウェ
ア構成を有するロボット制御装置を用いて実施すること
が出来る。図2は、その代表的な構成を要部ブロック図
で示したものである。
【0020】図2において、符号30で全体を表示した
ロボット制御装置にはプロセッサボード31が装備さ
れ、このプロセッサボード31はマイクロプロセッサか
らなる中央演算処理装置(以下、CPUと言う。)31
a、ROM31b並びにRAM31cを備えている。
【0021】CPU31aは、ROM31bに格納され
たシステムプログラムに従ってロボット制御装置全体を
制御する。RAM31cには、作成済みの動作プログラ
ム(未最適化)や各種設定値等の他に、後述する最適化
処理を実行するためのプログラムと関連設定値、並び
に、最適化処理後の動作プログラムデータが格納され
る。また、RAM31cの一部はCPU31aが実行す
る計算処理等の為の一時的なデータ記憶に使用される。
なお、プログラムデータや設定値の保存には、適宜外部
装置として用意されたハードディスク装置などが利用さ
れる。
【0022】プロセッサボード31はバス37に結合さ
れ、このバス結合を介してロボット制御装置30内の他
の部分との間で、指令やデータの授受が行なわれるよう
になっている。先ず、デジタルサーボ制御回路32がプ
ロセッサボード31に接続されており、CPU31aか
らの指令を受けて、サーボアンプ33を経由してサーボ
モータ51〜56を駆動する。各軸を動作させるサーボ
モータ51〜56は、ロボットRBの各軸の機構部に内
蔵されている。
【0023】シリアルポート34はバス37に結合さ
れ、液晶表示部付の教示操作盤57、RS232C機器
(通信用インターフェイス)58に接続されている。教
示操作盤57は動作プログラム等のプログラムや位置デ
ータ、その他必要な設定値等を入力する為に使用され
る。この他、バス37には、デジタル信号用の入出力装
置(デジタルI/O)35、アナログ信号用の入出力装
置(アナログI/O)36が結合されている。
【0024】ここでは、本発明の一つの実施形態とし
て、上記構成と機能を有するロボット制御装置30を用
い、下記のようなプログラムAを原プログラムとして最
適化を実行する手順について説明する。プログラムA
は、Q1,Q2・・・Q7を教示点として、X =一定値(148
0)の平面上で始点Q1〜終点Q7に至る直線経路を移動す
るプログラムを表わしている。
【0025】[プログラムA] SPEED =2000 MOVE TO Q1 MOVE TO Q2 MOVE TO Q3 MOVE TO Q4 MOVE TO Q5 MOVE TO Q6 MOVE TO Q7 (位置データ) Q1 = ( 1480, 0, 990, 180, 0, 0 ) Q2 = ( 1480, 200, 990, 180, 0, 0 ) Q3 = ( 1480, 400, 990, 180, 0, 0 ) Q4 = ( 1480, 600, 990, 135, 0, 0 ) Q5 = ( 1480, 600, 790, 90, 0, 0 ) Q6 = ( 1480, 600, 590, 90, 0, 0 ) Q7 = ( 1480, 600, 390, 90, 0, 0 ) プログラムAにおける教示点の位置をZY平面上で表示
し、W で記述されるX軸周りの姿勢を矢印で併記すれ
ば、図3のようになる。W=0 の方向は、+Y軸方向とし
た。図示にも示した通り、最適化処理を適用する前のプ
ログラムAで指定されているX軸周りの姿勢は、Q1〜Q3
までがW =180度、コーナ点のQ4ではW=135度、Q
5〜Q7までがW =90度となっている。一般に、このよ
うな細かい姿勢推移を伴わない教示は、比較的楽に実行
出来る。
【0026】本実施形態においては、上記プログラムA
の軸値P とW が常に0とされていることから判るよう
に、ロボットが動作する3次元直交座標系のY軸とZ軸
は、各々ツール座標系のY軸及びZ軸と常に一致した方
向を保つ動作を行なうものとする。また、ツール座標系
のX軸周りの姿勢に関して冗長自由度が許容されている
ものとする。従って、冗長軸はW軸であり、最適化のた
めに調整されるのはW軸の軸値W となる。
【0027】このような条件は、プログラムAを例えば
図1(1)におけるスポット溶接ロボットの経路移動動
作を記述するものと想定した場合と整合する。スポット
溶接ロボットでは、各教示点Q1,Q2・・・Q7の全部また
は大部分は溶接点に対応して選ばれることが通例である
(Q1,Q7を各々アプローチ点、デパート点としても良
い)。
【0028】以下、上記内容のプログラムAがロボット
制御装置30のRAM31cに格納済みであるとして、
このプログラムAを最適化するための処理(最適化処
理)について、その概要を記した図4のフローチャート
を参照して説明する。先ず、教示操作盤57の液晶ディ
スプレイに条件設定画面から、微小調整のレベルを表わ
すパラメータ(冗長軸の微調整量)δの初期値を入力す
る。指定されたδの値が内部設定される(ステップS
1)。同様に、条件設定画面から、サイクルタイムの予
測精度に関する条件を入力すると、指定された予測精度
条件が内部設定される(ステップS2)。サイクルタイ
ムの予測精度に関する条件は、後述するステップS6に
おけるサイクルタイムの計算時の条件を定めるもので、
ここでは、粗/中/精密のいずれかを選択する。いずれ
の条件を選択するかは、要求される最適化の精度や用意
されているサイクルタイム計算プログラム等を考慮して
決められることが好ましい。
【0029】教示操作盤57から条件設定完了を表わす
指令を入力すると、作成済みのプログラムAが読み込ま
れ(ステップS3)、教示点番号指標iの初期値i=1
が内部設定される(ステップS4)。次いで、後続する
ステップS6でサイクルタイム計算を実行する際の教示
点位置Qj=(Xj,Yj,Zj,Wj,Pj,Rj);j=1,2....nが内部設定
される(ステップS5)。ここで、最適化計算処理の対
象とされる教示点の個数であり、ここではn=7であ
る。第1回目の処理サイクルで設定される教示点位置
は、冗長軸の軸値Wjを含めてプログラムAの位置データ
と一致している。
【0030】続くステップS6では、ステップS5で設
定されたデータに準拠し、i番目の教示点の冗長軸の軸
値Wiを+δ微調整した条件(1)、−δ微調整した条件
(2)並びに微調整しない条件(3)の下で、サイクル
タイムを計算する。但し、フローチャートでの記載は省
略したが、Wi+δあるいはWi−δがロボットに設定され
ている動作範囲外である場合には、サイクルタイムの計
算は行なわない。
【0031】ステップS6の計算結果を比較し、最短の
サイクルタイムを与える条件に対応した冗長軸の軸値を
微調整処理後の軸値とする。例えば、条件(1)で計算
したサイクルタイムが最短であれば、新Wi=旧Wi+δが
設定される。同様に、条件(2)で計算したサイクルタ
イムが最短であれば、新Wi=旧Wi−δが設定される。ま
た、条件(3)で計算したサイクルタイムが最短であれ
ば、新Wi=旧Wiとされる。
【0032】ステップS5〜ステップS7の処理サイク
ルは、毎回、ステップS8の指標値の更新、ステップS
9の残余教示点の有無チェックをはさんで、計n回繰り
返される(nは教示点個数)。ステップ1で設定したδ
の初期値の下で、全ての調整対象教示点について条件
(3)で計算したサイクルタイムが最短である時、δの
下での微調整を完了とする。微調整処理を完了したら、
ステップS10へ進み、δの値を下方更新する(微調整
レベルの上方更新)。ここでは、新δ=旧δ×(1/
2)とする。
【0033】そして、下方更新されたδ値が予め設定さ
れた微小限界値δmin を下回っていないことを確認した
上で(ステップS11)でステップS4へ戻る。ステッ
プS4以下の処理は上述した通りである。但し、サイク
ルタイム計算の準拠データとしてステップS5で設定さ
れる位置データの中で、冗長軸の軸値Wjについては、前
回の処理サイクルで選ばれた値が用いられることに注意
する必要がある。
【0034】以上の処理を十分な回数繰り返すことで、
各教示点の冗長軸の軸値Wjが最短のサイクルタイムを与
える方向に収束する。そこで、十分小さく設定された微
小限界値δmin をδが下回った時点で設定されている冗
長軸の軸値Wjを採用したプログラムBを出力し(ステッ
プS12)、処理を終える。出力されたプログラムB
が、プログラムAを最適化したプログラムである。
【0035】通常、冗長軸の軸値が滑らかに変化する
程、サイクルタイムは短くなる傾向があるので、前述の
位置データを有するプログラムA対するプログラムBの
位置データは、次のようになるものと考えて良い。
【0036】(プログラムAの位置データ) Q1 = ( 1480, 0, 990, 180, 0, 0 ) Q2 = ( 1480, 200, 990, 160, 0, 0 ) Q3 = ( 1480, 400, 990, 140, 0, 0 ) Q4 = ( 1480, 600, 990, 135, 0, 0 ) Q5 = ( 1480, 600, 790, 115, 0, 0 ) Q6 = ( 1480, 600, 590, 110, 0, 0 ) Q7 = ( 1480, 600, 390, 90, 0, 0 ) 上記位置データを持つプログラムBについて教示点位置
とX軸周りの姿勢を図3と同様の形式で示したものが図
5である。当然のことながら、X, Y, Z, W ,P,R の内、
プログラムAと異なった値に調整されているのは、W だ
けである。もし、冗長軸が他の軸、例えばZ軸周りの回
転を表わす軸であれば、R の値が調整される。同様に、
Z軸に関する並進を表わす軸であれば、Z の値が調整さ
れる。
【0037】以上、冗長軸が空間座標系に対する姿勢が
一定のツール座標系の座標軸周りの回転を表わす軸が冗
長軸であるケースについて、最適化の方法を説明した
が、適当な手段によって冗長軸が特定出来るケースであ
る限り、本発明の方法が適用可能であることは言うまで
もない。例えば、冗長軸がワーク座標系の1つの座標軸
またはその周りの姿勢を表わす軸に特定される場合に
は、それを冗長軸として上記説明した方法を適用すれば
良い。また、特定のロボット軸Jk (例えば、6軸ロボ
ットの第6軸J6 )を冗長軸に指定出来る場合には、原
プログラムの位置データを各軸値に換算し、その中で冗
長軸の軸値について微調整処理を繰り返すことで、原プ
ログラムを最適化することが出来る。
【0038】なお、本発明を原プログラムに対して適用
するに際して、特定の教示点(例えば、アプローチ点)
について、冗長軸の性質が失われる場合(例;特定の姿
勢でなければならない。)には、上記説明した処理の中
でその教示点を調整対象教示点から除外すれば良い(ス
テップS5〜ステップS5をスキップオーバーあるいは
教示点の微調整量δをδ=0とする)。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、冗長軸を有するロボッ
トについて作成された動作プログラムを、サイクルタイ
ム短縮化の観点から最適化した動作プログラムが自動的
に作成される。従って、原プログラム作成時の教示作業
が効率化と、ロボットによる作業のサイクルタイムの短
縮化が同時に達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロボットに冗長軸が生じる事例について説明す
る図である。(1)はスポット溶接ロボットの事例、
(2)はアーク溶接ロボットの事例を表わしている。
【図2】本発明を実施するっために使用可能なロボット
制御装置のハードウェア構成を要部ブロック図で示した
ものである。
【図3】最適化処理が適用される以前のプログラムAに
おける教示点の位置をZY平面上で表示し、W で記述さ
れるX軸周りの姿勢を矢印で併記した図である。
【図4】本発明の一つの実施形態におけるプログラム最
適化処理の概要を記したフローチャートである。
【図5】プログラムAに最適化処理を適用して得られる
プログラムBにおける教示点の位置を図3と同様の形式
で描示した図である。
【符号の説明】
1 ロボットアーム 2 スポット溶接ガン 3 溶接トーチ 4 冗長軸周りの姿勢の自由度を表わす矢印 30 ロボット制御装置 31 プロセッサボード 31a メインプロセッサ 31b ROM 31c RAM 32 ディジタルサーボ制御回路 33 サーボアンプ 34 シリアルポート 35 デジタル信号用の入出力装置(デジタルI/O) 36 アナログ信号用の入出力装置(アナログI/O) 37 バス 51〜56 サーボモータ 57 液晶表示部付の教示操作盤 58 RS232C機器(通信用インターフェイス) Q1〜Q7 教示点

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソフトウェア処理により、冗長軸を有す
    るロボットの動作プログラムの最適化を行なう方法にお
    いて、 (1)最適化対象とされる動作プログラムを入力する段
    階と、 (2)サイクルタイムを短縮化する方向に、前記入力さ
    れた動作プログラムに含まれる調整対象教示点の位置デ
    ータを冗長軸に関して反復微調整する段階と、 (3)前記反復微調整が完了した動作プログラムを出力
    する段階を含み、 前記(2)の段階における前記反復微調整が、冗長軸に
    関する微調整のレベルを表わすパラメータの値を小さく
    しながら実行される、前記方法。
  2. 【請求項2】 ソフトウェア処理により、冗長軸を有す
    るロボットの動作プログラムの最適化を行なう方法にお
    いて、 (1)最適化対象とされる動作プログラムを入力する段
    階と、 (2)サイクルタイムを短縮化する方向に、前記入力さ
    れた動作プログラムに含まれる調整対象教示点の位置デ
    ータを冗長軸に関して反復微調整する段階と、 (3)前記反復微調整が完了した動作プログラムを出力
    する段階を含み、 前記(2)の前記反復微調整の段階が、 (2−1)サイクルタイムの計算を行なうために、各教
    示点に関するその時点までの調整を経た位置を設定する
    段階と、 (2−2)前記設定された教示点位置データに準拠し、
    一つの調整対象教示点について冗長軸の軸値を所定量だ
    け上方微調整した条件と、所定量だけ下方微調整した条
    件と、微調整しない各条件の下でサイクルタイムを計算
    する段階と、 (2−3)前記条件の内、最短時間を与える条件に対応
    した冗長軸の軸値を微調整処理後の軸値とする段階を含
    み、 前記(2−1)〜(2−3)の段階が、前記調整対象教
    示点を替えながら繰り返し実行され、且つ、 前記動作プログラムに含まれる全調整対象教示点につい
    て前記(2−1)〜(2−3)の段階が完了する毎に、
    前記上方微調整の所定量と前記下方微調整の所定量が下
    方更新され、該更新された微調整条件の下で、前記(2
    −1)〜(2−3)の段階が前記調整対象教示点を替え
    ながら繰り返し実行され、 前記上方微調整の所定量と前記下方微調整の所定量が予
    め設定された限界値を下回った時点で、前記(2)の段
    階を完了するようにした、前記方法。
  3. 【請求項3】 前記(2−2)の段階において、前記冗
    長軸の軸値を所定量だけ上方微調整した条件あるいは下
    方微調整した条件が、予めロボットに設定されている動
    作範囲の制限に抵触する場合には、当該抵触した条件を
    除外した各条件の下でサイクルタイムが計算される、請
    求項2に記載された冗長軸を有するロボットの動作プロ
    グラムの最適化方法。
  4. 【請求項4】 ソフトウェア処理により、冗長軸を有す
    るロボットの動作プログラムの最適化を行なう方法にお
    いて、 (1)最適化対象とされる動作プログラムと冗長軸の微
    調整レベルを表わすパラメータδを入力する段階と、 (2)サイクルタイムを短縮化する方向に、前記入力さ
    れた動作プログラムに含まれる調整対象教示点の位置デ
    ータを冗長軸に関して反復微調整する段階と、 (3)前記反復微調整が完了した動作プログラムを出力
    する段階を含み、 前記(2)の前記反復微調整の段階が、 (2−1)サイクルタイムの計算を行なうために、各教
    示点に関するその時点までの調整を経た位置を設定する
    段階と、 (2−2)前記設定された教示点位置データに準拠し、
    一つの調整対象教示点について冗長軸の軸値を+δ微調
    整した条件と、−δ微調整した条件と、微調整しない各
    条件の下でサイクルタイムを計算する段階と、 (2−3)前記条件の内、最短時間を与える条件に対応
    した冗長軸の軸値を微調整処理後の軸値とする段階を含
    み、 前記(2−1)〜(2−3)の段階が、前記調整対象教
    示点を替えながら繰り返し実行され、且つ、 前記動作プログラムに含まれる全調整対象教示点につい
    て前記(2−1)〜(2−3)の段階が完了する毎に、
    前記パラメータδの値が下方更新され、該更新された微
    調整条件の下で、前記(2−1)〜(2−3)の段階が
    前記調整対象教示点を替えながら繰り返し実行され、 前記パラメータδの値が予め設定された限界値δmin を
    下回った時点で、前記(2)の段階を完了するようにし
    た、前記方法。
  5. 【請求項5】 前記(2−2)の段階において、前記冗
    長軸の軸値を+δ微調整した条件あるいは−δ微調整し
    た条件が、予めロボットに設定されている動作範囲の制
    限に抵触する場合には、当該抵触した条件を除外した各
    条件の下でサイクルタイムが計算される、請求項4に記
    載された冗長軸を有するロボットの動作プログラムの最
    適化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102514008A (zh) * 2011-11-21 2012-06-27 中山大学 一种冗余度机械臂的不同层性能指标同时优化方法
JP2012196717A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Denso Wave Inc ロボットの制御方法およびロボットの制御装置
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