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JPH09126303A - プーリ及びファン、並びにこれらの玉軸受 - Google Patents

プーリ及びファン、並びにこれらの玉軸受

Info

Publication number
JPH09126303A
JPH09126303A JP16787896A JP16787896A JPH09126303A JP H09126303 A JPH09126303 A JP H09126303A JP 16787896 A JP16787896 A JP 16787896A JP 16787896 A JP16787896 A JP 16787896A JP H09126303 A JPH09126303 A JP H09126303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer ring
pulley
ball bearing
contact
ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP16787896A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Suzuki
善明 鈴木
Motoharu Niki
基晴 仁木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP16787896A priority Critical patent/JPH09126303A/ja
Publication of JPH09126303A publication Critical patent/JPH09126303A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プーリとしての機能を確保しつつ、耐久性、
コスト面をも考慮に入れ、冷時異音の発生を効果的に抑
制、または防止し得る手段を提供する。 【解決手段】 外輪(2a)とボール(2c)とを2点で接
触させると共に、外輪軌道面(3a)のボール(2c)との
接触位置(P)(Q)の近傍に油溝(5)を設けた単列
の玉軸受(2)を、ベルトが接触するプーリ周面(1e)
を有するプーリ本体(1)の内径部に嵌合又は一体化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
のタイミングベルトや補機駆動用ベルト等と接触するプ
ーリ、及び上記エンジンの冷却水を強制冷却するための
ファン、並びにこれらに用いられる玉軸受に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】プーリは、自動車のエンジンのタイミン
グベルトや補機駆動用ベルト等において、ベルトの巻掛
け角を増大させ、ベルトに適当な張力を与えるために配
置される。プーリとしては、ベルトが接触するプーリ周
面を玉軸受外輪の外径に直接設けたもの(いわゆる笠型
外輪)もあるが、図5に示すように、プーリ周面(11
c)を有するプーリ本体(11)と玉軸受(12)とを嵌合
一体化した構成のものが多く使用されている。
【0003】プーリ本体(11)は鋼板プレス製で、ベル
トを掛けるための外径円筒部(11a)、玉軸受(12)の
外輪(12a)と嵌合する内径円筒部(11b)を有する。
プーリ周面(11c)は、外径円筒部(11a)の外径に設
けられる。玉軸受(12)は、プーリ本体(11)の内径円
筒部(11b)に嵌合された外輪(12a)、固定軸(図示
省略)に嵌合される内輪(12b)、内輪・外輪(12b)
(12a)の軌道面間に組込まれた複数のボール(12c)
を保持する保持器(12d)、グリースを密封するシール
(12e)をそれぞれ有する。
【0004】この種のプーリでは、プーリ本体(11)が
ベルトから回転駆動力を受けて回転すると、これに嵌合
された玉軸受(12)の外輪(12a)がプーリ本体(11)
と一体となって回転する。
【0005】上記のようなプーリにおいて、玉軸受(1
2)は外輪回転式であり、通常は、接触角が付与されて
いない深溝玉軸受が使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なプーリを寒冷時に運転すると、プーリ仕様や運転条件
によっては、特異音(笛吹き音)が発生する場合があ
る。この寒冷時の特異音、いわゆる冷時異音は市場にお
いて必ずしも100%発生するわけではなく、気温等に左右
され、国内ではごく限られた地域(北海道等)でのみ発
生する。また、自動車のエンジンの始動からごく短時間
(長いものでも1分間)に発生し、その後は皆無であ
る。さらに、玉軸受として単列の深溝玉軸受を使用する
場合に多く発生し、複列アンギュラ玉軸受を使用する場
合は、発生率が低くなる。
【0007】冷時異音はこのような複雑な性質を有し、
再現するのが困難であったため、その発生原因について
は未だ明確には解明されていない。しかも自動車に使用
されるプーリは、高温・高速で運転されるものであり、
その耐久性も重要な特性の一つであるから、耐久性低下
につながるような対策手段は採れない。
【0008】このような理由から、現在プーリの冷時異
音対策としてこれといって決め手となる有効な手段が提
供されていないのが実情である。
【0009】従来より冷時異音対策として、低温特性に
優れたグリース(寒冷時においても、転動体と内・外輪
の軌道面との接触部に油膜がむらなく形成されるもの)
を使用することが検討されている。この対策手段は、寒
冷時におけるグリースの潤滑性能を高めることによって
冷時異音の発生を抑制しようとするものであり、かなり
の効果が期待できる。しかし、グリースの粘度が低くな
るため、高温時の潤滑性能に懸念があり、耐久性低下に
つながる可能性がある。
【0010】そこで、本発明は、プーリとしての機能を
確保しつつ、耐久性、コスト面をも考慮に入れ、冷時異
音の発生を効果的に抑制、または防止し得る手段を提供
しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】一般に寒冷時には、グリ
ースの基油粘度上昇による軌道面の油膜むら・不均一化
が生じやすい。油膜むら、不均一化があると、転動体と
軌道面との間の摩擦係数が微小な周期的変化を起こし、
これにより転動体に自励振動が生じる。
【0012】本出願人は、冷時異音再現試験において、
いくつかの発生メカニズムを確認した。
【0013】 冷時異音発生時のプーリ(外輪)は、
軸方向に振動している。また、この周波数成分は、冷時
異音(笛吹き音)の音響周波数と一致する。
【0014】 冷時異音が発生しない時は、この周波
数成分は認められない。
【0015】 冷時異音発生時の周波数成分は、プー
リ端面180゜測定位置2ヵ所で同位相である。
【0016】これらの検証から、冷時異音の発生メカニ
ズムは、未だ完全には解明されていないものの、転動体
の自励振動によってプーリ系が共振し、外輪が軸方向に
振動(並進運動)する点が大きな発生要因になっている
と考えられる。
【0017】本発明は、上記のような検証に基づき、冷
時異音対策として、転動体の自励振動を効果的に抑制し
得る構成を提供するものである。
【0018】すなわち、自動車のエンジンによって駆動
されるベルトと接触するプーリ周面を有するプーリ本体
を玉軸受の外輪外径に嵌合したプーリにおいて、上記玉
軸受を単列に配置して、玉軸受の転動体と内輪又は外輪
のうちの少なくとも外輪とを2点で接触させることとし
た。これにより、転動体の挙動、特に軸方向への挙動が
抑制されるので、その自励振動が効果的に抑制され、プ
ーリの軸方向の高周波成分を抑制することが可能とな
る。ここで、「単列」とは、転動体の列数が1列である
ものをいう。
【0019】ところで、上記のように、外輪と転動体と
を2点で接触させても2つの接触点に均等に荷重が付与
されることは少なく、ベルトの振動等により一方の接触
点にのみ集中的に荷重が負荷され、他方の接触点では滑
り摩擦が生じる場合が多い。このような滑り摩擦は、通
常は短期間で消滅するのであるが、使用条件によっては
長期間継続し、摩擦熱により一方の接触点が著しく高温
化して軸受機能を低下させるおそれがある。
【0020】そこで本発明では、外輪軌道面の転動体と
の接触位置の近傍に油溝を設けることとした。軸受運転
中は、この油溝中に保留されたグリースが2つの接触点
に随時補充され、このグリースによって接触部の潤滑が
なされるので、たとえ一方の接触点で油膜切れが生じて
も、接触点の極端な高温化を抑制することができる。ま
た、運転停止後でもある程度のグリースが油溝中に保持
されるので、再始動時にも外輪軌道面に速やかに均一な
油膜を形成することができ、この点でも始動時における
油膜むらを主な原因とする冷時異音の発生を抑制するこ
とが可能となる。運転停止後は、グリースは軸受の下
方、すなわち油溝の底部に流れる。
【0021】玉軸受の外輪軌道溝をゴシックアーチ、楕
円、放物線、双曲線の何れかの形状に形成すれば、転動
体と外輪とを2点で接触させることができる。また、内
輪軌道溝を同様の形状に形成すると、転動体と内輪とを
2点で接触させることができる。
【0022】その他、上記プーリ本体と外輪とを一体形
成してもよい。
【0023】本発明にかかるプーリ用玉軸受は、自動車
のエンジンによって駆動されるベルトと接触するプーリ
周面を有するプーリ本体に、外輪外径が嵌合される玉軸
受であって、単列に配置され、転動体と内輪又は外輪の
うちの少なくとも外輪とを2点で接触させると共に、外
輪軌道面の転動体との接触位置の近傍に油溝を設けたも
のである。
【0024】なお、上記構造は、エンジンルーム内に配
置された冷却ファン(エンジンの冷却水を強制冷却する
ためのファン)にも適用することができる。すなわち、
複数のブレードを有する回転部材を玉軸受の外輪外径に
嵌合したファンにおいて、玉軸受を単列に配置して、玉
軸受の転動体と内輪又は外輪のうちの少なくとも外輪と
を2点で接触させ、外輪軌道面の転動体との接触位置の
近傍に油溝を設けるのである。
【0025】本発明にかかるファン用玉軸受は、複数の
ブレードを有する回転部材に、外輪外径が嵌合される玉
軸受であって、単列に配置され、転動体と内輪又は外輪
のうちの少なくとも外輪とを2点で接触させると共に、
外輪軌道面の転動体との接触位置の近傍に油溝を設けた
ものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃
至図4、並びに、図6及び図7に基づいて説明する。
【0027】図1(a)に示すプーリは、自動車の補機
駆動ベルトに使用されるアイドラプーリで、鋼板プレス
製のプーリ本体(1)と、プーリ本体(1)の内径に嵌
合された単列の玉軸受(2)とで構成される。プーリ本
体(1)は、内径円筒部(1a)、内径円筒部(1a)の一
端から外径側に延びたフランジ部(1b)、フランジ部
(1b)から軸方向に延びた外径円筒部(1c)、内径円筒
部(1a)の他端から内径側に延びた鍔部(1d)からなる
環体である。内径円筒部(1a)の内径には、玉軸受
(2)の外輪(2a)が嵌合され、外径円筒部(1c)の外
径には図示しないベルトが接触するプーリ周面(1e)が
設けられている。このプーリ周面(1e)をベルトに接触
させることにより、アイドラとしての役割を果たす。
【0028】図1(b)は、プーリに嵌合される玉軸受
(2)の断面図である。玉軸受(2)は4点接触軸受
で、プーリ本体(1)の内径円筒部(1a)の内径に嵌合
された外輪(2a)、図示されていない固定軸に嵌合され
る内輪(2b)、内・外輪(2b)(2a)の軌道面(3b)
(3a)間に組み込まれた複数のボール(2c)、ボール
(2c)を円周等間隔に保持する保持器(2d)、グリース
を密封する一対のシール(2e)で構成され、外輪(2a)
及び内輪(2b)はそれぞれ一体に形成されている。玉軸
受(2)の外輪(2a)の軌道面(3a)、及び、内輪(2
b)の軌道面(3b)は曲率中心が2個存在する、いわゆ
るゴシックアーチ溝を形成している。従って、ボール
(2c)との接触において所定の接触角αが付与され、ボ
ール(2c)と外輪(2a)、及び、ボール(2c)と内輪
(2b)がそれぞれ軌道面(3a)(3b)の最深部を間に挟
んで2点で接触するようになる(ボール(2c)と外輪軌
道面(3a)との接触点をP、Qで示す)。上記接触角α
を大きくとればとるほど、転動体の自励振動抑制効果が
大きくなるので、冷時異音を生じにくくする点では有利
であるが、過度に大きくすると軸受寿命の低下等の弊害
を招くおそれがあるので、接触角αは、これらプラス点
とマイナス点を比較考量して適切な範囲に設定する必要
がある。
【0029】両軌道面(3a)(3b)の最深部には、特に
冷時におけるグリースの油膜形成を良好に行なうべく、
環状のグリース溜まり部(4a)(4b)が形成される。こ
のグリース溜まり部(4a)(4b)の形状は任意であり、
内輪側の溜まり部(4b)のようにゴシックアーチ溝をそ
のまま利用した形状でもよく、また、外輪側の溜まり部
(4a)のように凹溝形状としてもよい。
【0030】なお、軌道面(3a)(3b)の形状はゴシッ
クアーチ溝に限らず、その曲率半径がボール(2c)の曲
率半径よりも大きい形状、例えば楕円、放物線、双曲線
形状の溝であっても良い。
【0031】外輪軌道面(3a)のうち、外輪(2a)とボ
ール(2c)の接触点(P)(Q)の近傍には、軸心O−
Oを中心とする環状の油溝(5)がグリース溜まり部
(4a)を間に挟んで2列に形成される。両油溝(5)
は、回転時の遠心力によってグリースが確実に接触点
(P)(Q)に供給されるよう接触点(P)(Q)より
も僅かに内径側に設けられ、また、この時のグリースの
流入量が等しくなるよう軸心O−Oから等距離の位置に
設けられている。
【0032】上記のようにして玉軸受(2)の外輪(2
a)とボール(2c)とを2点で接触させると、ボール(2
c)の挙動、特に軸方向への挙動が抑制され、ボール(2
c)の自励振動による冷時異音の発生が効果的に抑制さ
れる。
【0033】また、ベルトの振動等により一方の接触点
に負荷が集中し、他方の接触点が滑り摩擦によって発熱
した場合でも、遠心力によって内径側油溝(5)から飛
散したグリースが当該接触点に補充されて潤滑作用をな
すので、接触点の油膜切れを防止して良好な潤滑状態を
維持することができる。さらに、運転停止後でもある程
度のグリースが油溝(5)中に保持されるので、再始動
時にも外輪軌道面(3a)に速やかに均一な油膜を形成す
ることができ、従って、この点からも冷時異音の発生を
抑制することが可能となる。
【0034】一般的な深溝玉軸受では、厳密にいえばボ
ール(2c)と外輪(2a)は、図2に示すように1点で接
触すると考えられる。従って、ベルトを駆動した際に
は、外輪(2a)がボール(2c)との接触点を中心として
揺動するいわゆる角振れを生じる場合が多い(二点鎖線
で示す)。これに対し、本発明では、上述のようにボー
ル(2c)と外輪(2a)を2点接触させているので、外輪
(2a)の角振れを小さくしてベルトの振動を抑制するこ
とができ、軸受のグリース漏れを防止すると共に、ベル
トや軸受の耐久性向上を図ることができる。
【0035】以上、4点接触玉軸受について説明した
が、本発明に用いる玉軸受は4点接触玉軸受に限定され
ない。すなわち、少なくとも外輪(2a)とボール(2c)
とが2点接触していれば、図3に示すように、内輪(2
b)とボール(2c)とを1点で接触させた3点接触型の
軸受でも同様の効果が得られる。また、油溝(5)の形
成位置は接触点(P)(Q)の近傍である限り任意であ
り、図4に示すように、外輪(2a)の軌道面(3a)と内
径面の境界部分に油溝(5)を設けても構わない。さら
に、プーリ本体(1)と玉軸受(2)の外輪(2a)とを
一体に形成しても同様の効果が得られる。
【0036】ところで、上述の冷時異音は、プーリに限
らず、ラジエータの冷却水を強制冷却するための冷却フ
ァンにおいても同様に生じ得る。図6(a)(b)に示
すように、このファン(30)は、環状のケース(回転部
材)(35)の周囲に複数のブレード(31)を放射状に取
り付け、このケース(35)を玉軸受(32)の外輪(32
a)に嵌合したもので、エンジンによって駆動される主
軸(33)(たとえばポンプシャフト等に連結される)に
回転可能に取り付けられる。主軸(33)とファン(30)
との間には、外気温の変動に応じて伝動、断絶を切換え
る温度対応型のクラッチ機構(34)が介装されており、
このクラッチ機構(34)を介して主軸(33)からファン
(30)へのトルク伝達が行なわれる。このクラッチ機構
(34)の一構造例を以下に説明する。
【0037】主軸(33)の先端部には、主軸(33)と一
体に回転するドライブディスク(36)が嵌合固定されて
いる。ドライブディスク(36)の先端側には、円盤状の
プレート(37)が配置されており、このプレート(37)
は、ケース(35)との間でトルク伝達室となる第1チャ
ンバ(39)を形成している。プレート(37)とカバー
(38)との間には、オイル(トルク伝達用の粘性流体:
シリコンオイル等)の溜り部となる第2チャンバ(40)
が形成され、この第2チャンバ(40)内に、一端にバル
ブ(41)を取り付けると共に、他端をプレート(37)に
固定した板バネ(42)が配置されている。カバー(38)
にはバイメタル(43)が固定され、さらにこのバイメタ
ル(43)には主軸(33)の軸線(O−O)と合致させて
ピストン(44)が装着されている。
【0038】以上の構成において、外気温が低い時に
は、図6(a)に示すように、バイメタル(43)がほと
んど湾曲しないため、ピストン(44)は板バネ(42)を
図面右側に押圧している。この時、板バネ(42)に取り
付けたバルブ(41)は、プレート(37)の外径部に設け
た穴(45)を突き抜けて第1チャンバ(39)内のドライ
ブディスク(36)前面に圧接している。穴(45)は、図
7に示すように、挿入穴(45a)とこれに連続させた流
通穴(45b)とからなり、バルブ(41)は挿入穴(45
a)に嵌入している。ドライブディスク(36)とケース
(35)側、すなわちバルブ(41)との間には、常に相対
速度が存在しているため、ドライブディスク(36)とプ
レート(37)との間のオイル(散点で示す)は、堰とし
ての役割を果たすバルブ(41)によりかき出されて流通
穴(45b)より第2チャンバ(40)に送り込まれる。こ
の状態では、第1チャンバ(39)内のオイルはほとんど
第2チャンバ(40)内に入り、第1チャンバ(39)には
ごく僅かのオイルを残すのみとなるので、伝達トルクが
小さくなり、ファン(30)の回転速度は小さくなる。な
お、図7中の矢印はドライブディスク(36)の回転方向
を示す。
【0039】外気温が高いと図6(b)に示すように、
バイメタル(43)が湾曲するため、バルブ(41)が図面
左側に移動し、板バネ(42)の弾性によりピストン(4
4)が穴(45)から脱出する。従って、上述のかき出し
作用がなくなり、第1及び第2チャンバ(39)(40)内
のオイルは穴(45)を通じて同一油面となる。この時、
オイルは第1チャンバ(39)の有効伝達面に満たされる
ので、所定のトルク伝達がなされ、ファン(30)の回転
速度が早くなる。
【0040】以上のファン(30)において、玉軸受(3
2)を上述したプーリの玉軸受(2)と同様の構造とす
れば、冷時異音の発生を確実に防止することが可能とな
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるプ
ーリは、プーリ本体に嵌合される(一体形成される)単
列の玉軸受の転動体と少なくとも外輪とを2点で接触さ
せ、且つ、外輪軌道面の転動体との接触位置の近傍に油
溝を形成したので、プーリとして以下に挙げる特有の効
果を奏する。
【0042】 玉軸受の外輪と転動体とを2点で接触
させることにより、転動体の挙動、特に軸方向への挙動
が抑制されるので、冷時異音の発生要因の一つと考えら
れる転動体の自励振動が効果的に抑制される。また、プ
ーリとして角振れを小さくできるため、軸受のグリース
漏れを防止すると共に、ベルトの振動を抑制してベルト
や軸受の耐久性向上に寄与でき、機能がアップする。
【0043】 外輪軌道面の転動体との接触位置の近
傍に油溝を形成したので、グリースの溜まり部が形成さ
れ、一方の接触点で滑り摩擦が生じた場合でもその部分
の油膜切れを抑制して良好な潤滑状態を維持することが
できる。また、油溝中に保持したグリースにより、再始
動時にも外輪軌道面に速やかに均一な油膜が形成される
ので、上記手段(外輪と転動体とを2点で接触させる)
と相俟って冷時異音の発生をより確実に防止することが
できる。
【0044】 上記効果は封入グリースの種類を問わ
ず、低温特性に優れた低温グリースを使用した従来のプ
ーリのように、高温耐久性の低下につながる心配がな
い。
【0045】 軸受構造を複雑化させることもなく、
量産に適し、コスト的にも有利である。
【0046】なお、これらの効果は本発明をエンジン冷
却水を強制冷却するためのファンに適用した場合にも同
様に達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は本発明の実施例を示す断面図であ
り、(b)図は本発明のプーリに嵌合される玉軸受の断
面図である。
【図2】外輪とボールとを1点接触させた際の外輪の角
振れを示す断面図である。
【図3】3点接触させた玉軸受の断面図である。
【図4】外輪の軌道面と内径面の境界部に油溝を設けた
玉軸受の断面図である。
【図5】従来のプーリを示す断面図である。
【図6】冷却ファンの一構造例を示す断面図である。
【図7】クラッチ機構のプレートに設けた穴の形状を示
す拡大正面図である。
【符号の説明】
1 プーリ本体 1e プーリ周面 2 玉軸受 2a 外輪 2b 内輪 2c 転動体(ボール) 3a 外輪軌道面 3b 内輪軌道面 5 油溝 P・Q 接触点 30 ファン 31 ブレード 32 玉軸受 33 主軸 34 クラッチ機構 35 回転部材(ケース)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のエンジンによって駆動されるベ
    ルトと接触するプーリ周面を有するプーリ本体を玉軸受
    の外輪外径に嵌合したプーリにおいて、上記玉軸受を単
    列に配置して、玉軸受の転動体と内輪又は外輪のうちの
    少なくとも外輪とを2点で接触させ、外輪軌道面の転動
    体との接触位置の近傍に油溝を設けたことを特徴とする
    プーリ。
  2. 【請求項2】 玉軸受の外輪軌道溝がゴシックアーチ、
    楕円、放物線、双曲線の何れかの形状であることを特徴
    とする請求項1記載のプーリ。
  3. 【請求項3】 玉軸受の内輪軌道溝がゴシックアーチ、
    楕円、放物線、双曲線の何れかの形状であることを特徴
    とする請求項1記載のプーリ。
  4. 【請求項4】 上記プーリ本体と外輪とを一体形成した
    ことを特徴とする請求項1記載のプーリ。
  5. 【請求項5】 自動車のエンジンによって駆動されるベ
    ルトと接触するプーリ周面を有するプーリ本体に、外輪
    外径が嵌合される玉軸受であって、単列に配置され、転
    動体と内輪又は外輪のうちの少なくとも外輪とを2点で
    接触させると共に、外輪軌道面の転動体との接触位置の
    近傍に油溝を設けたことを特徴とするプーリ用玉軸受。
  6. 【請求項6】 複数のブレードを有する回転部材を玉軸
    受の外輪外径に嵌合したファンにおいて、玉軸受を単列
    に配置して、玉軸受の転動体と内輪又は外輪のうちの少
    なくとも外輪とを2点で接触させ、外輪軌道面の転動体
    との接触位置の近傍に油溝を設けたことを特徴とするフ
    ァン。
  7. 【請求項7】 複数のブレードを有する回転部材に、外
    輪外径が嵌合される玉軸受であって、単列に配置され、
    転動体と内輪又は外輪のうちの少なくとも外輪とを2点
    で接触させると共に、外輪軌道面の転動体との接触位置
    の近傍に油溝を設けたことを特徴とするファン用玉軸
    受。
JP16787896A 1995-08-28 1996-06-27 プーリ及びファン、並びにこれらの玉軸受 Withdrawn JPH09126303A (ja)

Priority Applications (1)

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JP16787896A JPH09126303A (ja) 1995-08-28 1996-06-27 プーリ及びファン、並びにこれらの玉軸受

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