JPH09125145A - 磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH09125145A JPH09125145A JP28228995A JP28228995A JPH09125145A JP H09125145 A JPH09125145 A JP H09125145A JP 28228995 A JP28228995 A JP 28228995A JP 28228995 A JP28228995 A JP 28228995A JP H09125145 A JPH09125145 A JP H09125145A
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Abstract
性電磁鋼板の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 鋼中に重量%で、0.10%≦Si≦2.50%、
Mn,Alの少なくとも1種であって0.10%≦Al≦1.00%、
0.10%≦Mn≦2.00%とし、かつ、SiとAlの合計量がSi+2
Al≦2.50%であり、 C≦0.0025%、 N≦0.0020%、 S≦
0.0020%、Ti≦0.0030%、Nb≦0.0030%、 V≦0.0050
%、As≦0.0030%を満足し、残部がFeおよび不可避的
不純物からなるαγ変態を有する成分のスラブを用い、
熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍および1回の冷間
圧延工程を施し、次いで仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁
鋼板の製造方法において、熱延板焼鈍をAc3 点以上の
温度域で10秒〜5分の間実施することを特徴とする。
Description
料として用いられる、磁束密度が高く、鉄損が低い優れ
た磁気特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関す
るものである。
がその鉄心材料として使用される回転機および中、小型
変圧器等の分野においては、世界的な電力、エネルギー
節減、さらにはフロンガス規制等の地球環境保全の動き
の中で、高効率化の動きが急速に広まりつつある。この
ため、無方向性電磁鋼板に対しても、その特性向上、す
なわち、高磁束密度かつ低鉄損化への要請がますます強
まってきている。
従来、低鉄損化の手段として一般に、電気抵抗増大によ
る渦電流損低減の観点からSiあるいはAl等の含有量
を高める方法がとられてきた。しかし、この方法では反
面、磁束密度の低下は避け得ないという問題点があっ
た。このような問題点の克服のために、熱延板結晶粒径
を粗大化することで磁束密度と鉄損の両方を改善させる
方法が行われてきた。
においては、α域の上限付近において熱延を終了するこ
とにより冷延前結晶粒径を確保し、結果として成品の磁
束密度、鉄損を向上させることが行われてきた。このよ
うな観点から、特開昭56−38420号公報には熱延
終了温度をAr3 点とAr1 点の中間温度以下として6
80℃以上の温度で巻き取ることにより熱延結晶組織の
粗大化を図る方法が開示されている。
噛み込み時の圧延速度と定常圧延状態の圧延速度が必然
的に異なることから、コイル長手方向の温度分布を解消
することが困難であり、α域の上限にて熱延を実施する
ために、圧延設定温度を低くせざるを得ないという不利
益があった。
ではそのA1 変態点が900℃付近であることから、熱
延終了温度を上昇させて熱延結晶組織の成長を図ること
に限度があり、冷延前結晶組織の増大による磁気特性の
向上には限界があった。さらに熱延終了温度がγ域に上
昇することは、熱延終了後にα相への変態が進行するこ
とから熱延組織が細粒化し、結果として磁気特性が悪化
するため、避けるべき事とされてきた。
粗大化の限界を打破する技術として、特開昭57−35
628号公報には熱延終了温度をAr3 点以上として熱
延結晶組織の細粒化を図った上で、Ac3 点以下の温度
で熱延板焼鈍を施し、冷延前結晶組織の粗大化を図る方
法が開示されている。しかしながらγ域で熱延板焼鈍を
行うことは、冷却時にγ相からα相への変態に伴い結晶
組織が細粒化するため、実施温度に上限があり、前述の
制御熱延の熱延終了温度制御と同様におのずから限界が
あった。
アップ上昇を抑え、冷延前結晶組織の粗大化を図る手法
として、高温で熱延板を巻取り、これをコイルの保有熱
で焼鈍する自己焼鈍法が特開昭54−76422号公
報、特開昭58−136718号公報に開示されてい
る。しかしながらこれらの先行発明における実施例にお
いても同様の理由により自己焼鈍はすべてα相域で行っ
ており、冷延前結晶組織の粗大化には限度があった。
よる無方向性電磁鋼板の磁気特性向上の限界を克服する
手法として、特開平3−204420号公報には、仕上
熱延の巻取温度をAr3 点以上としてAr3 点からAr
1 点までの平均冷却速度を50℃/秒以下に制御する技
術が開示されている。しかしながらAr3 点以上の高温
での巻取りにより、コイル内温度分布不均一に起因する
コイル長手方向の磁性が不均一になるという問題があっ
た。
熱延板焼鈍をγ域で実施し、その後Ar3 点からAr1
点までの冷却速度を5℃/秒以下に制御する方法が、ま
た特開平6−240360号公報には、熱延板焼鈍をA
c1 点以上の温度域で実施した後、Ar3 点からAr1
点までの冷却速度を50℃/秒以下に制御する技術が開
示されている。しかしながらこの技術においては冷却速
度を低くする必要があることから、その焼鈍時間が必然
的に長くなり、生産性の低下を招く問題点があった。ま
た、これら先行技術においてはAr3 点からAr1 点ま
での冷却速度の変化による磁気特性の変動が大きく、ス
トリップ長手方向の磁気特性が安定して優れた無方向性
電磁鋼板の製造は著しく困難であった。
点からは、鉄損低減の為に、単にSiあるいはAl等の
含有量を高めるのみではなく、特公平6−80169号
公報に記載されているように、MnおよびSの低減によ
る高純度鋼化により析出物の無害化を図る方法が開示さ
れている。しかしながら鋼の高純化のみでは磁束密度の
改善は不十分であり、鉄損と磁束密度の両者の優れた無
方向性電磁鋼板の開発には限界があった。
ることで無方向性電磁鋼板の磁気特性を改善する方法と
して、特開昭55−158252号公報のごとくSn添
加、特開昭62−180014号公報のごときSn,C
u添加、もしくは特開昭59−100217号公報のご
ときSb添加による集合組織の改善による磁気特性の優
れた無方向性電磁鋼板の製造方法が開示されている。し
かしながら、集合組織制御元素であるSn,Cuもしく
はSb等の添加によりコストの上昇を招き、低コストな
無方向性電磁鋼板の製造法の提供には限界があった。
記載されているような仕上げ焼鈍サイクルの工夫等の製
造プロセス上の処置もなされてきたが、いずれも低鉄損
化は図られても、磁束密度についてはそれほどの効果は
なかった。このように、従来技術では、磁束密度が高く
かつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板を製造できるには至ら
ず、無方向性電磁鋼板に対する前記の要請に応えること
は出来なかった。
おけるこのような問題点を解決し、高磁束密度かつ低鉄
損の無方向性電磁鋼板を提供することを目的とするもの
である。
ろは、以下の通りである。すなわち、(1) 鋼中に重量%
で、 0.10%≦Si≦2.50%、 C≦0.0025%、 N≦0.0020%、 S≦0.0020%、 Ti≦0.0030%、 Nb≦0.0030%、 V≦0.0050%、 As≦0.0030% を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるα
γ変態を有する成分のスラブを用い、熱間圧延して熱延
板とし、熱延板焼鈍および1回の冷間圧延工程を施し次
いで仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、熱延板焼鈍をAc3 点以上の温度域で10秒〜5
分の間実施することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製
造方法であり、また、(2) 鋼中に重量%で、 0.10%≦Si≦2.50%、 Mn,Alの少なくとも1種であって0.10%≦Al
≦1.00%、0.10%≦Mn≦2.00%とし、か
つ、SiとAlの合計量がSi+2Al≦2.50%で
あり、 C≦0.0025%、 N≦0.0020%、 S≦0.0020%、 Ti≦0.0030%、 Nb≦0.0030%、 V≦0.0050%、 As≦0.0030% を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるα
γ変態を有する成分のスラブを用い、熱間圧延して熱延
板とし、熱延板焼鈍をおよび1回の冷間圧延工程を施し
次いで仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法に
おいて、熱延板焼鈍をAc3 点以上の温度域で10秒〜
5分の間実施することを特徴とする無方向性電磁鋼板の
製造方法。
る。発明者らは、低鉄損と高磁束密度を同時に達成すべ
く従来技術における問題点を鋭意検討を重ねた結果、変
態を有する無方向性電磁鋼板にあって、Siを0.10
%〜2.5%、Alを0.10%〜1.0%、Mnを
0.10%〜2.0%含有しαγ変態を有する鋼にあっ
て、C,SおよびN含有量を低減し、さらに、Ti,
V,Nb,As含有量をも同時に低減することにより高
純度鋼化し、熱延板焼鈍温度をAc3 点以上の温度域と
することにより、短時間の熱延板焼鈍で従来以上に熱延
結晶組織を粗大化し、磁束密度が高く鉄損の低い無方向
性電磁鋼板を製造することが可能であることを見出し
た。
組織を粗大化することで改善することが可能である。こ
のため従来、仕上熱延において熱延終了温度を上昇させ
るか、さらに効果的な方法として熱延板焼鈍で結晶組織
の粗大化を図り、製品の磁束密度を高め、鉄損を低減さ
せることが行われてきた。しかしながら熱延板焼鈍温度
を上昇させてα+γ2相域もしくはγ域に達すると、焼
鈍終了後にγ相からα相への変態が進行することから熱
延組織が細粒化し、結果として磁気特性が悪化するた
め、避けるべきとされてきた。
板の低級品ではそのA1 変態点が900℃付近あること
から、熱延板焼鈍温度の上昇には限度があり、冷延前結
晶組織の増大による磁気特性の向上には限界があった。
向性電磁鋼板の磁気特性向上の限界を克服する手法とし
て、特開平6−57332号公報および特開平6−24
0360号公報には、熱延板焼鈍をAc1 点以上の温度
域で実施した後、Ar3 点からAr1 点までの冷却速度
を一定以下に制御する方法が開示されている。しかしな
がらこの技術においては冷却速度を低下のために、生産
性の低下を招くのみならず、Ar3 点からAr1 点まで
の冷却速度が変化すると製品の磁気特性が大きく変動
し、ストリップ長手方向の磁気特性が安定した無方向性
電磁鋼板の製造が著しく困難であった。
無方向性電磁鋼板の磁気特性向上に対する従来技術の限
界を打破すべく鋭意検討を進めた結果、変態を有する無
方向性電磁鋼板にあって、Siを0.10%〜2.5
%、Alを0.10%〜1.0%、Mnを0.10%〜
2.0%含有しαγ変態を有する鋼にあって、C,Sお
よびN含有量を低減し、さらに、Ti,V,Nb,As
含有量をも同時に低減することにより高純度鋼化すれ
ば、熱延板焼鈍温度をγ域まで高めても変態後のα相の
結晶組織が細粒化せず、仕上げ焼鈍後の製品における磁
束密度が極めて高く、鉄損が良好(鉄損値が低い)であ
るばかりでなく、さらに熱延板焼鈍後の冷却速度に対し
て磁気特性の依存性が小さく安定的に高磁束密度低鉄損
の無方向性電磁鋼板を製造しうることを知見した。
の固有抵抗を増大させ渦流損を低減させ、鉄損値を改善
するために添加される。Si含有量が0.10%未満で
あると固有抵抗が十分に得られないので0.10%以上
添加する必要がある。一方、Si含有量が2.50%を
超えるとαγ変態を生じなくなるので2.50%以下と
する必要がある。
増大させ渦電流損を低減させる効果を有する。このため
には、0.10%以上添加する必要がある。一方、Al
含有量が1.00%を超えると、磁束密度が低下し、コ
スト高ともなるので1.00%以下とする。さらに、
(Si+2Al)が2.50%を超えると、αγ変態を
生じなくなるので、(Si+2Al)≦2.50%でな
くてはならない。また、鋼中のAl含有量が0.10%
未満であっても本発明の効果はなんら損なわれるもので
はない。
抗を増大させ渦電流損を低減させる効果を有する。この
ため、Mn含有量は0.10%以上とする必要がある。
一方、Mn含有量が2.0%を超えると熱延時の変形抵
抗が増加し熱延が困難となるとともに、熱延後の結晶組
織が微細化しやすくなり、製品の磁気特性が悪化するの
で、Mn含有量は2.0%以下とする必要がある。ま
た、Mn添加によりαγ変態点が低下するため、本発明
における熱延板焼鈍温度の下限であるAc3 点を引き下
げることが可能となり、焼鈍時の加熱に要するエネルギ
ーを節約しコスト低減となるとともに、鋼板表面の酸化
物形成を抑制することが可能になり酸洗歩留りが向上す
るなどの点でMn添加は有効である。このような変態点
制御の観点からはMn含有量は0.30%〜1.50%
であることが好ましい。
な点であり、0.0025%以下に制御することが必要
である。C含有量が0.0025%を超えると、熱延板
焼鈍後のα+γ域もしくはγ相からα相への変態により
結晶組織が細粒化するため、0.0025%以下とする
必要がある。
中に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS等の硫化物、A
lN等の窒化物を形成する。これらが存在することによ
り熱延板焼鈍後のγ相からα相への変態時にα相の核を
提供するとともに変態後のα相結晶組織の粒成長を妨げ
るためその含有量はともに0.0020%以下とする必
要がある。
がそれぞれ0.0030%、0.0030%、0.00
50%を超えるとTiN,VN,NbN等の窒化物の析
出が顕著となり、熱延結晶組織の粗大化が阻害されると
ともに仕上焼鈍工程での結晶粒成長が阻害され磁気特性
が悪化する。
成に影響を及ぼす要因として、As含有量を抑制する必
要がある。Asは、それ自体では、本発明の成分範囲内
の鋼では、上記の硫化物や窒化物等の析出物を形成する
ことは無い。しかし、鋼中に、一定量以上のAsが含有
されると、硫化物サイズが微細になるため、熱延結晶組
織の粗大化を著しく阻害する。このような観点から、A
s含有量は0.0030%以下にする必要がある。
性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、P,
B,Ni,Cr,Sb,Sn,Cuの1種または2種以
上を鋼中に含有させても本発明の効果は損なわれない。
例えばPは、製品の打ち抜き性を良好ならしめるために
0.1%までの範囲内において添加される。P≦0.2
%であれば、製品の磁気特性の観点から問題がない。B
は熱間圧延時にBNを形成させてAlNの微細析出を妨
げ、Nを無害化させるために添加される。B含有量はN
との量のバランスが必要であり、その含有量は両者の比
B%/N%が0.5から1.5の範囲を満たすことが好
ましい。
る。発明者らは鋭意検討を重ねた結果、C,N,Sをは
じめとしてTi,V,Nb,As等の不純物含有量を制
御し、鋼の不純物成分を制御することにより熱延板焼鈍
をγ相において実施した場合に、熱延結晶組織が従来の
α相域での熱延板焼鈍以上に粗大化されるとともに、成
品磁気特性に対する焼鈍後の冷却速度の変化の影響が小
さく、安定して優れた磁気特性が達成され得ることを発
見し本発明の完成に至った。
び冷却速度に対する熱延結晶組織形成の相違を調べるた
め、以下のような実験を行った。表1に示す成分の鋼を
溶製し仕上げ熱延を実施し、2.5mm厚に仕上げた。熱
延板焼鈍温度は800℃から1050℃の範囲とした。
これを酸洗、冷延して0.5mm厚とした。さらに脱脂
し、720℃×30秒焼鈍し、エプスタイン試料を切り
出して磁気特性を測定した。熱延板焼鈍後の冷却方法は
700℃までの平均冷却速度を気水冷却により60℃/
秒とした。熱延板焼鈍温度に対する熱延板結晶粒径の変
化、製品鉄損、製品磁束密度をそれぞれ図1、図2、図
3に示した。成分1の高純度鋼では熱延板焼鈍温度がA
c3 点以上になっても熱延結晶組織が粗大化するが、成
分2の比較材では熱延板焼鈍温度がαγ変態点以上にな
ると熱延結晶組織が細粒化する。
において焼鈍後の700℃までの平均冷却速度を5℃秒
から気水冷却量を制御して100℃/ 秒まで変化させ、
熱延板結晶粒径、成品鉄損、磁束密度に対する冷却速度
の影響を調べた。その結果を図4、図5、図6にそれぞ
れ示す。成分1の高純度鋼では熱延板焼鈍後の冷却速度
に対する熱延結晶組織、磁気特性の影響が小さいが、成
分2の比較材では熱延板焼鈍後の冷却速度を高めると熱
延結晶組織が細粒化し、磁気特性も悪化している。
i,V,Nb,As等の不純物を低減した高純度鋼をA
c3 点以上の熱延板焼鈍温度で仕上げることにより、製
品における鉄損を低減し、磁束密度の高め、優れた磁気
特性の無方向性電磁鋼板を製造することが可能である。
され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造され
る。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このスラブ
に熱間圧延を施し所定の厚みとする。
延板焼鈍温度がAc3 点を下まわると、熱延結晶組織の
成長が不十分となり、優れた磁気特性を有する無方向性
電磁鋼板を得ることができない。このため熱延板焼鈍温
度はAc3 点以上であることが好ましい。熱延板焼鈍温
度には上限を設けないが、焼鈍炉の能力、また酸洗性か
らその上限が自ずから決まる。熱延板焼鈍時間は10秒
以上5分以下であり、好ましくは30秒以上3分以下で
ある。10秒以下では焼鈍の効果は不十分であり、5分
以上ではその効果が飽和するとともに生産性の低下を招
いたり、酸洗不良の原因ともなるので、5分以下とす
る。
調査するために、表1に示した成分および変態点を有す
る無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱
延により2.5mmに仕上げた。この熱延板に連続焼鈍炉
を用いて1000℃で均熱時間を変化させて熱延板焼鈍
を施し、700℃までの平均冷却速度を60℃/秒に制
御した。その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.50
mmに仕上げた。その後連続焼鈍炉にて730℃で30秒
間焼鈍した。これらの試料からエプスタイン試験片を切
り出し、磁気特性を測定した。図7、図8にそれぞれ熱
延板焼鈍時間と鉄損、磁束密度の関係を示した。
熱延板焼鈍時間の範囲において優れた磁気特性が達成さ
れる。また、熱延板焼鈍時間が5分を超えるものでは、
酸洗不良が発生した。エプスタイン試験片の測定結果で
はさほどの磁気特性の劣化は見られないが、酸洗不良は
鋼板の肌荒れにつながり、無方向性電磁鋼板を回転機等
で実際に使用する際に積層した鉄心の占積率の低下を招
き、性能が悪化するので好ましくない。
間圧延と連続焼鈍により製品とする。またさらにスキン
パス圧延工程を付加して製品としてもよい。スキンパス
圧延率は2%未満ではその効果が得られず、20%以上
では磁気特性が悪化するため2%から20%とする。
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延に
より2.5mmに仕上げた。続いてこの熱延板焼鈍を連続
焼鈍炉にて施した。熱延板焼鈍温度は1000℃とし、
いずれの成分系においてもAc3 点以上とした。焼鈍
後、700℃までの平均冷却速度は60℃/秒とした。
その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.50mmに仕上
げた。これを連続焼鈍炉にて730℃で30秒間焼鈍し
た。その後、エプスタイン試料に切断し、磁気特性を測
定した。表2に本発明と比較例の成分と磁気測定結果を
あわせて示す。このように鋼の純度を制御すれば、熱延
板焼鈍温度をAc3 点以上にすることにより磁束密度の
値が高く、鉄損値の低い材料を得ることが可能である。
点を有する無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加
熱し、熱延により2.5mmに仕上げた。この熱延板に連
続焼鈍炉を用いて30秒の熱延板焼鈍を施した。焼鈍温
度はAc1 点以下の850℃とAc3 点以上の1000
℃とし、700℃までの平均冷却速度を60℃/ 秒に制
御した。その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.50
mmおよび0.55mmに仕上げた。板厚0.50mmのもの
は連続焼鈍炉にて730℃で30秒間焼鈍した。さら
に、750℃で2時間の需要家相当の焼鈍を施した。ま
た、板厚0.55mmのものは、連続焼鈍炉にて700℃
で20秒焼鈍を施し、圧下率9%のスキンパス圧延によ
り0.50mm厚に仕上げ、750℃2時間の需要家相当
の焼鈍を施した。これらの試料からエプスタイン試験片
を切り出し、磁気特性を測定した。表4、表5に実施例
中で述べた本発明と比較例の熱延板焼鈍温度と磁気測定
結果をあわせて示す。
にとることにより、1回法、スキンパス圧延法とも磁束
密度の値が高く、鉄損値の低い材料が得られることがわ
かる。
点を有する無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加
熱し、熱延により2.5mmに仕上げた。この熱延板に連
続焼鈍炉を用いて1000℃で均熱時間を変化させて熱
延板焼鈍を施し、700℃までの平均冷却速度を60℃
/ 秒に制御した。その後、酸洗を施し、冷間圧延により
0.50mmに仕上げた。その後連続焼鈍炉にて730℃
で30秒間焼鈍した。さらに、750℃で2時間の需要
家相当の焼鈍を施した。これらの試料からエプスタイン
試験片を切り出し、磁気特性を測定した。表7に実施例
中で述べた本発明と比較例の熱延板焼鈍温度と磁気測定
結果をあわせて示す。
10秒以下では熱延板の結晶組織の成長が不十分であり
製品磁気特性の改善が不十分である。また、熱延板焼鈍
時間が5分を超えるものでは、酸洗不良が発生した。エ
プスタイン試験の結果ではさほどの磁気特性の劣化は見
られないが、酸洗不良は鋼板の肌荒れにつながり、無方
向性電磁鋼板を回転機等で実際に使用する際に積層した
鉄心の占積率の低下を招き、性能が悪化するので好まし
くない。以上のように熱延板焼鈍時間を10秒以上5分
以下にとることにより、磁束密度の値が高く、鉄損値の
低い材料が得られることがわかる。
が高く鉄損の低い、磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板
を製造することが可能である。
す図。
図。
関係を示す図。
示す図。
係を示す図。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼中に重量%で、 0.10%≦Si≦2.50%、 C≦0.0025%、 N≦0.0020%、 S≦0.0020%、 Ti≦0.0030%、 Nb≦0.0030%、 V≦0.0050%、 As≦0.0030%を満足し、残部がFeおよび不可
避的不純物からなるαγ変態を有する成分のスラブを用
い、熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍および1回の
冷間圧延工程を施し、次いで仕上げ焼鈍を施す無方向性
電磁鋼板の製造方法において、熱延板焼鈍をAc3 点以
上の温度域で10秒〜5分の間実施することを特徴とす
る無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 鋼中に重量%で、 0.10%≦Si≦2.50%、 Mn,Alの少なくとも1種であって0.10%≦Al
≦1.00%、 0.10%≦Mn≦2.00%とし、 かつ、SiとAlの合計量がSi+2Al≦2.50%
であり、 C≦0.0025%、 N≦0.0020%、 S≦0.0020%、 Ti≦0.0030%、 Nb≦0.0030%、 V≦0.0050%、 As≦0.0030%を満足し、残部がFeおよび不可
避的不純物からなるαγ変態を有する成分のスラブを用
い、熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍および1回の
冷間圧延工程を施し、次いで仕上げ焼鈍を施す無方向性
電磁鋼板の製造方法において、熱延板焼鈍をAc3 点以
上の温度域で10秒〜5分の間実施することを特徴とす
る無方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28228995A JP3348811B2 (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | 磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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1995
- 1995-10-30 JP JP28228995A patent/JP3348811B2/ja not_active Expired - Lifetime
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