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JPH09100172A - 塩基性質キャスタブル耐火物 - Google Patents

塩基性質キャスタブル耐火物

Info

Publication number
JPH09100172A
JPH09100172A JP7255403A JP25540395A JPH09100172A JP H09100172 A JPH09100172 A JP H09100172A JP 7255403 A JP7255403 A JP 7255403A JP 25540395 A JP25540395 A JP 25540395A JP H09100172 A JPH09100172 A JP H09100172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnesia
resistance
refractory
clinker
calcia clinker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7255403A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihisa Sasaki
俊久 佐々木
Jun Egami
潤 江上
Masahiko Amano
正彦 天野
Hisashi Nakamura
壽志 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Krosaki Harima Corp
Original Assignee
Kurosaki Refractories Co Ltd
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurosaki Refractories Co Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Kurosaki Refractories Co Ltd
Priority to JP7255403A priority Critical patent/JPH09100172A/ja
Publication of JPH09100172A publication Critical patent/JPH09100172A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネシア・カルシア質クリンカーを使用し
た塩基性質キャスタブルの耐消化性および耐スポーリン
グ性、耐スラグ侵食性、耐スラグ浸透性の向上を図る。 【解決手段】 耐火骨材50〜80wt%と、マグネシ
ア・クリンカー20〜50wt%に対し、粒径10〜5
0mmの表面処理された粗大粒マグネシアを5〜50w
t%添加した塩基性質キャスタブル耐火物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐消化性、耐食
性、耐スポーリング性、耐スラグ浸透性に優れた塩基性
キャスタブル耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄用製鋼炉の内張りライニングは、築
炉の省力化、施工面、コスト低減などの目的で定形耐火
物から不定形耐火物に移行しつつある。そして、近年、
真空脱ガス法、連続鋳造、取鍋精錬技術の向上から、ア
ルゴン撹拌、合金添加真空処理等の比率が増大し、製鋼
条件は高温出鋼、滞留時間の延長等により苛酷化する傾
向にあり、さらには、クリーンスチール化の要求も強く
なってきている。不定形耐火物もこの諸条件に対応する
必要性があり、この要求を満たす不定形耐火物として、
塩基性質キャスタブル耐火物が検討されている。例え
ば、特開平4−198064号公報には、MgO 65
〜96wt%,ZrO2 2.6〜20wt%,SiO2
1.3〜10wt%の組成を有するマグネシア・ジル
コニア・フォルステライトクリンカーを使用することが
提案されており、これによって、塩基性不定形耐火物の
耐スラグ浸透性,耐スポーリング性を改善できるとして
いる。
【0003】しかし、この不定形耐火物を温度変化の激
しい製鋼炉、取鍋等に適用した場合には、熱的あるいは
スラグ浸透に伴う構造的スポーリングによる剥離損耗を
生じ、塩基性材質が有する高耐食性を充分に発揮するこ
とができない。
【0004】このことから、耐スラグ浸透性と耐スポー
リング性に優れたマグネシア・カルシアクリンカーを含
有せしめた塩基性質キャスタブル耐火物への期待が高ま
っている。
【0005】ところが、マグネシア・カルシアクリンカ
ーを使用した場合、クリンカー自体の消化性が著しく、
実用化に際しては、この消化性の対策を行う必要があ
る。例えば特開平5−294713号公報には、マグネ
シア・カルシアクリンカーにTiO2やFe23を添加
し、かつクリンカー表面に難溶解性被覆を施すことによ
り、耐消化性を向上させる試みが開示されている。しか
し、このようなマグネシア・カルシアクリンカーをその
まま使用した不定形耐火物、特にキャスタブル耐火物の
場合、通常、結合剤として使用されているアルミナセメ
ント中のアルミナと反応して著しく耐火度を下げ、耐食
性が劣化するという問題がある。
【0006】また、アルミナセメントを結合剤として使
用するものにおいて、超微粉と分散剤とを併用すること
によって少量のアルミナセメントで済み、且つ、高強度
な耐火物組成物が得られることが特公昭60−9983
号公報に開示されている。さらに、特開平5−2298
76号公報には、アルミナセメントを使用しなくても、
活性マグネシアと珪酸質微粉末、それに、分散剤との併
用により高強度な耐火物組成物が得られることが開示さ
れている。この分散剤と超微粉を組み合わせるという方
法は、粉末材料を鋳込み現場に搬入して水を添加し、混
練、鋳込み、養生、脱枠及び乾燥した後に使用される通
常のキャスタブル耐火物の場合、混練時に低水量で十分
施工可能な流動性が発現する混練配合物を得ることがで
き、しかも緻密な組織のキャスタブル耐火物施工体が得
られるという考えに基づく。この場合に使用される超微
粉原料としては、一般にアルミナやシリカの超微粉が効
果的であるものの、前述のように、アルミナはマグネシ
ア・カルシアクリンカーと反応して耐食性を下げ、ま
た、シリカの超微粉はそれ自体、焼結剤であると共にマ
グネシア・カルシアクリンカーと反応して過焼結気味に
なり、焼成後の収縮が大きくなるという欠点がある。
【0007】このように、アルミナセメントを少なくし
超微粉と分散剤を併用した凝集ボンドとマグネシア・カ
ルシアクリンカーを含有する塩基性キャスタブル耐火物
の場合には、超微粉をある程度多めに添加することにな
るが、焼成後の施工体は、焼結が進み、収縮が大きくな
るために、実炉への使用時に耐スポーリング性に劣り、
亀裂や剥離が生じることになる。
【0008】このような過焼結抑制方法としては、カイ
ヤナイトやロー石、珪石等高温で膨張する骨材を使用す
ることにより、マトリックス中に微細なクラックを生成
させて亀裂を分散させ、焼結を抑制する方法が考えられ
る。しかし、これらの方法は、骨材として酸性酸化物を
多く含んでいるので塩基性材料が検討されるような高塩
基度スラグにさらされ、1600°C前後の高温で温度
変動の激しい過酷な操業の行われる製鋼炉では、著しく
耐火度を低下し、耐食性が下がるので好ましくない。
【0009】この他、れんが屑または、造粒物を添加す
ることが、例えば特公平3−2824号公報、特開平3
−183664号公報に開示されている。しかし、前者
のようにれんが屑の表面をシリコンオイル、シリカゾ
ル、アルミナゾル等でコーティング処理したものは、混
練時の吸水性、施工時の作業性の悪化による充填不足解
消を望む塩基性キャスタブル耐火物では十分でなく、後
者の表面の滑らかな造粒物についても前者と同様であ
り、また、実炉使用時の過焼結による耐スポーリング性
において十分な改善効果が得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような問題から、
骨材がマグネシア質やアルミナ−マグネシア質あるいは
マグネシア−カルシア質の塩基性キャスタブル耐火物、
さらに、れんが屑あるいは造粒物を使用したもの等の耐
火物は、実用上で前述のような問題があった。
【0011】本発明において、解決すべき課題は、耐ス
ラグ浸透性,耐消化性に優れ、かつ、過焼結が抑制さ
れ、耐スポーリング性に優れて実用性に富んだ塩基性質
キャスタブル耐火物を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による塩基性質キ
ャスタブル耐火物は、耐消化性の優れたマグネシア・カ
ルシアクリンカー含有塩基性質耐火物に表面処理した粒
径10〜50mmの大粗粒マグネシアを外掛けで、5〜
50wt%添加することにより、配合物中の超微粉に起
因する過焼結を抑制し、塩基性質キャスタブル耐火物の
耐スポーリング性を向上することができるという解明に
基づいて完成させたものである。
【0013】すなわち、本発明の塩基性質キャスタブル
耐火物は、粒度調整した耐火骨材80〜50wt%と、
マグネシア・カルシアクリンカー20〜50wt%との
配合物に、表面処理した粒径10〜50mmの大粗粒マ
グネシアを5〜50wt%外掛添加したものである。
【0014】マグネシア・カルシアクリンカーとして
は、MgOとCaOとFe23の合計量が97wt%以
上であり、かつMgO 30〜90wt%、Fe23
0.2〜5wt%、TiO2 0.5〜3wt%の化学
組成を有し、その表面にリン酸カルシウムとリン酸マグ
ネシウムからなる被覆を施したものである。
【0015】マグネシアへの被覆は、耐消化性を改善す
るためで、大粗粒マグネシアの表面をリン酸塩、珪酸ソ
ーダ、シランカップリング処理剤の1種または、2種以
上を用いて表面処理をする。
【0016】マグネシア・カルシアクリンカー含有塩基
性質耐火物は、クリンカー中のカルシアがスラグ中のシ
リケートと反応して塩基度を高め融点上昇をもたらして
シリケートの浸透を抑制するためにスラグ浸透抑制効果
がある。しかし、前述のようにアルミナセメントの添加
量が少ないために超微粉と分散剤を併用しての凝集ボン
ドでは、結果的に超微粉をある程度多めに添加せざるを
得ない。このため、焼成後の施工体は、焼結が進み、収
縮が大きくなるために実炉使用時に亀裂や剥離が生じて
十分な効果が得られないという問題がある。本発明者等
は、種々の検討の結果、10〜50mmの表面処理した
大粗粒マグネシアを外掛けで、5〜50wt%添加する
ことにより、配合中のマグネシア・カルシアクリンカー
添加によるスラグ浸透抑制効果を損なうことなく、施工
体の耐スポーリング性が向上することを見出だした。
【0017】即ち、本発明はマグネシア・カルシアクリ
ンカー含有塩基性キャスタブル耐火物に表面処理した大
粗粒マグネシアを添加することにより、耐スラグ浸透
性、耐食性を損なうことなく、キャスタブル耐火物の耐
スポーリング性が向上することに特質が有り、このこと
により、実炉使用時における耐用向上を図ることができ
る。
【0018】以下に詳細に説明すると、耐火物原料の中
でもマグネシアは熱膨張率が大きく、大粗粒を通常の骨
材に添加した場合、マトリックス部はマグネシアよりも
むしろ低膨張であるため、バインダーやその他の添加剤
により焼結が進行して、熱膨張差が大きくなり、施工体
が実炉使用時の1500°Cまで繰り返し加熱される
と、耐スポーリング性は向上せず、大粗粒マグネシアが
マトリックスを破壊して組織が脆弱化する。
【0019】しかし、本発明のようにマグネシア・カル
シアクリンカーが20〜50wt%添加されている配合
では、大粗粒マグネシアリンカーがマトリックスを破壊
するのでなく、クラックディフレクション効果、即ち、
実炉使用時における亀裂の発生や伝播に効力を発揮し
て、耐スポーリング性が向上すると推察する。
【0020】大粗粒マグネシアについては、電融マグネ
シア、海水マグネシア(または合成マグネシア)、天然
マグネシアの内の1種または2種以上が適用できる。し
かし、耐食性の観点から純度95wt%以上の電融マグ
ネシア或るいは、海水マグネシアまたは合成マグネシア
が適している。大粗粒マグネシアの性状としては、破砕
粒、造粒物、れんが屑が考えられるが、破砕粒が望まし
い。これは、海水マグネシア(または合成マグネシア)
等の球状粒やぺレット粒、またはブリケット粒のような
性状を破砕せずにそのままキャスタブル配合物中に添加
して使用するとマトリックスとの接着性が悪く、スポー
リングによる亀裂抑制効果が小さくなる。
【0021】大粗粒マグネシアの粒度については、粒径
10〜50mmが良好である。即ち、粒径10mm未満
のものでは、スポーリングによる亀裂抑制効果が少な
く、50mmを越えると施工性が低下する。
【0022】大粗粒マグネシアの添加量については、外
掛けで5〜50wt%が望ましい。即ち、5wt%未満
だとスポーリングによる亀裂抑制効果が少なく、50w
t%を越えると施工性が低下する。
【0023】また、本発明に使用される粒径10〜50
mmの大粗粒マグネシアについては、表面処理をする。
即ち、マグネシア・カルシアクリンカーの添加量が増え
ると、大粗粒マグネシアを除いた混練物のpHが上昇す
ることにより
【化1】 上式の右方向への反応速度が進む。このため、MgO
は、Mg2+を補うために更に平衡は右方向へ移動して消
化しやすくなる。したがって、大粗粒マグネシアの表面
を消化防止しておく必要がある。ここで使用する消化防
止方法としては、リン酸塩、珪酸ソーダ、シランカップ
リング処理剤の1種または2種以上で表面処理すること
が望ましい。リン酸塩については、リン酸カルシウムや
リン酸マグネシウムが良好であり、大粗粒マグネシアの
表面に難溶性リン酸塩を形成して水との水和反応を抑制
する。カップリング剤としては、シラン系、チタネート
系、アルミネート系、ジルコニアルミネート系が挙げら
れるがシランカップリング処理剤系がその効果面、コス
ト面から有効である。珪酸ソーダについては、粉末、液
状いずれでも良い。
【0024】本発明に使用されるマグネシア・カルシア
クリンカーについては、MgOとCaOとFe23の合
計量が97wt%以上であり、かつMgO 30〜90
wt%、Fe23 0.2〜5wt%、TiO2 0.
5〜3wt%の化学組成を有し、その表面にリン酸カル
シウムとリン酸マグネシウムからなる被覆を有するマグ
ネシア・カルシアクリンカーである。
【0025】MgOとCaOとFe23の合計量が97
wt%より少ない範囲では、マグネシア・カルシアクリ
ンカーの密度が低下し、耐消化性が劣化すると同時に不
純物量が増大し、マグネシア・カルシアクリンカー及び
耐火物の耐食性が低下することから好ましくない。Mg
O含有量が30wt%よりも少ない範囲では、マグネシ
ア・カルシアクリンカー表面が大部分カルシア結晶とな
り、Fe23、TiO2を添加し、更にリン酸塩を被覆
しても耐消化性が十分でなく、また、MgO含有量が9
0wt%を越える範囲では、マグネシア・カルシアクリ
ンカー中のフリーのCaO量が過少となり、耐火物にお
けるカルシアの特性が発揮しにくくなるから不適であ
る。Fe23、TiO2量に関しては、前者が0.2〜
5wt%、後者が0.5〜3wt%に規制されるが、こ
れらの酸化物の適量添加は、CaOと化合物を生成し、
耐消化性は向上するが、過剰の添加はマグネシア・カル
シアクリンカーの密度を低下させ、耐消化性を劣化させ
る。
【0026】本発明に使用するマグネシア・カルシアク
リンカーは、二次的な処理によってクリンカー表面をリ
ン酸カルシウムとリン酸マグネシウムで被覆することに
なるが、この理由は、クリンカー表面に難溶解性リン酸
塩被覆膜が形成されて水とクリンカーとの水和反応が抑
制されるためである。
【0027】かかるマグネシア・カルシアクリンカーの
耐消化性を表す重量増加率は、クリンカーのCaO含有
量によって異なるが、0.05〜0.3wt%の範囲で
あれば、一般のドロマイトクリンカー、マグネシア・カ
ルシアクリンカーに比較して格段に優れ、水を使用する
不定形耐火物に使用することが可能となる。
【0028】本発明は、以上の性状のマグネシア・カル
シアクリンカーを主原料として使用するが、添加量が2
0〜50wt%としたのは、添加量が20wt%未満だ
と耐火物の耐スポーリング性、耐スラグ浸透性に劣り、
十分な効果を得ることができない。添加量が50wt%
を越えると混練時に凝集イオンが多量に溶解するためか
混練時の作業性が著しく低下する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明に使用する耐火骨材として
は、アルミナ質やアルミナ−シリカ質以外の原料が併用
できる。例えば、酸化物を含む原料として珪石、珪砂、
電融シリカ、含水無定形シリカ、無水無定形シリカ等の
シリカ質、ジルコン、ジルコニア等のジルコニア質、電
融マグネシア、海水マグネシア、または合成マグネシ
ア、天然マグネシア、酸化カルシウム等の塩基性質、ス
ピネル、酸化クロム、クロム鉄鉱等のクロム質、炭化物
としては炭化珪素、炭化アルミニウム、炭化ジルコニウ
ム等の炭化物、窒化物としては窒化ジルコニウム、窒化
珪素、窒化珪素鉄、窒化硼素、窒化アルミニウム等、カ
ーボンを含む原料としては、コークス、鱗状黒鉛、鱗片
状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、人造黒鉛、仮焼無煙
炭、ビッチ粉、カーボンブラック、石炭粉、カーボンレ
ンガ及び電極屑などの炭素質、以上の他に炭化硼素等の
硼化物、珪素、フェロシリコン等の珪化物等の全ての耐
火物原料からなる群より選択し、必要に応じて1種また
は2種以上を併用することができる。
【0030】本発明の流し込み材には、通常のキャスタ
ブル耐火物に使用する分散剤を使用することができる。
分散剤としては、例えばアルカリ金属リン酸塩、アルカ
リ金属カルボン酸塩、アルカリ金属フミン酸塩、ポリカ
ルボン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナ卜リウム、
芳香族スルホン酸ナトリウム等、アルカリ金属珪酸塩、
アルカリ金属炭酸塩、またはリグニンスルホン酸ナトリ
ウム、無水マレイン−イソブチレン共重合物のナトリウ
ム塩及びこれらのアンモニウム塩、更に、これらと同様
な効果が得られる物質から1種または2種以上を選択し
て使用できる。これら分散剤の使用量は、慣用の使用範
囲内であり、例えば耐火骨材100重量部当たり0.0
05〜1.000重量%程度である。
【0031】本発明の不定形耐火物は、さらにこの種の
流し込み施工用耐火物の添加物として既知なる各種金属
ファイバー類、例えばSUSファイバー、スチールファ
イバー等の金属ファイバーや金属粒、金属粉、ガラス等
の酸化防止剤や凝集剤、増粘剤、凝結調整剤、消泡剤等
を各種物性を損なわない範囲で添加しても良い。
【0032】更に本発明の不定形耐火物には、絹、羊毛
などの動物性天然繊維の他、麻、綿、木綿、藁等の植物
性天然繊維またはビスコース等の再生繊維、アセテート
等の半合成繊維、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
ウレタン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポ
リ塩化ビニリデン系、ポリフロールエチレン系、ポリア
クリル系、PVA系等の合成繊維等の熱間で消失する有
機繊維を添加することもできる。そしてこれら有機繊維
は、0.001〜1.0重量%程度である。
【0033】
【実施例】表1は使用した大粗粒マグネシア及びマグネ
シア・カルシアクリンカーの組成と特性を示す。表2,
表3に本発明の実施例とその比較例を示す。また、同時
にその試験結果を示す。
【0034】
【表1】
【表2】
【表3】 マグネシア・カルシアクリンカーAは本発明に規定する
範囲内にある組成を有するもので、耐消化性を改良する
ためにTiO2をクリンカー製造時に添加したものであ
り、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムの被覆が施
されている。一方、マグネシア・カルシアクリンカーB
には、このような耐消化性を改良するための処理がなさ
れていない。マグネシア・カルシアクリンカーCは本発
明の範囲から外れた組成を示す。
【0035】更に、大粗粒マグネシアD〜Hは組成は同
一であり、いずれもジョークラッシャーによる破砕大粗
粒であるが、大粗粒マグネシアDには、リン酸塩(リン
酸カルシウム、リン酸マグネシウム)の被覆、大粗粒マ
グネシアEには、シランカップリングによる表面処理、
大粗粒マグネシアFには、珪酸ソーダの被覆、大粗粒マ
グネシアGには、リン酸塩の被覆とシランカップリング
による表面処理がなされており、大粗粒マグネシアHに
はこのような処理がなされていない。
【0036】これらの配合原料にケイ酸質粉末、水硬性
セメント、分散剤を添加し、密充填が得られるように粗
粒、中粒、微粒に調整した。その後、JIS R255
3で示される標準軟度状態になるようにそれぞれ水を添
加して、常温で混練、鋳込み、養生、脱枠を行なった
後、110°Cで24時間乾燥し、以下の試験法により
比較評価を行なった。
【0037】<耐スラグ侵食性>CaO/SiO2モル
比=3.2、Al23=10wt%、T−Fe=10w
t%のスラグを侵食剤とした。試験片を内張りした高周
波誘導炉内にSS41鋼を1600°Cで加熱溶融後、
侵食剤を投入し、30分保持する操作を10サイクル行
なった後、試験片の溶損寸法を測定した。
【0038】なお、数値は実施例1の溶損寸法を100
とした指数で示し、この数値が小さい程耐スラグ性が良
好なことを示す。
【0039】<耐スラグ浸透性>上記の溶損寸法を測定
した試験片の切断面からスラグの浸透厚さを測定した。
なお、この数値は実施例1のスラグ浸透厚さを100と
した指数で示し、この数値が小さい程耐スラグ浸透性が
良好なことを示す。
【0040】<耐スポーリング性>電気炉による片面加
熱を行ない、試験片を1200°Cに急加熱し30分保
持後、800°Cに急冷する操作を繰り返し、剥離に至
る回数で評価した。
【0041】本発明の実施例である1〜14は耐スラグ
侵食性.耐スラグ浸透性及び耐スポーリング性のバラン
スが優れている。
【0042】これに対し、比較例1は本発明の範囲から
外れたマグネシア・カルシアクリンカーを使用している
ため、耐消化性が著しく低下し、試験片乾燥時に消化亀
裂が発生し、評価不能であった。
【0043】比較例2は、本発明の組成,粒径の範囲に
あるマグネシア・カルシアクリンカーを使用している
が、TiO2無添加、リン酸カルシウムとリン酸マグネ
シウムの被覆が施されていないために、耐消化性に劣っ
ており、試験片乾燥時に消化亀裂が発生し、評価不能で
あった。
【0044】比較例3は、大粗粒マグネシアが添加され
ていないために耐スポーリング性が下がった。
【0045】比較例4は本発明の組成の範囲にあるマグ
ネシア・カルシアクリンカーを使用しているが、添加量
が少ないために、耐スラグ浸透性及び耐スポーリング性
に劣っている。
【0046】比較例5は本発明の組成の範囲にあるマグ
ネシア・カルシアクリンカーを使用しているが、添加量
が多いために混練時における作業性が著しく低下し、添
加水分を過剰に添加して混練せざるを得なくなったた
め、結果として組織の脆弱化を招き、耐スラグ浸透性及
び耐スポーリング性が劣下した。
【0047】比較例6は、大粗粒マグネシアに表面処理
がなされていないために、耐消化性が著しく低下し、試
験片乾燥時に消化亀裂が発生し、評価不能であった。
【0048】比較例7は、大粗粒マグネシアが80〜5
0mmの粒度で使用されているために混練時における作
業性が著しく低下し、添加水分を過剰に添加して混練せ
ざるを得なくなったため、結果として組織の脆弱化を招
き、耐スラグ浸透性及び耐スポーリング性が劣下した。
【0049】比較例8は、大粗粒マグネシアが添加され
ているものの、添加量が少ないために耐スポーリング性
が下がった。
【0050】比較例9は、大粗粒マグネシアを10〜5
mmの粒度で使用しているので、耐スポーリング性が低
下した。
【0051】比較例10は、大粗粒マグネシアの添加量
が多すぎて混練時に著しく作業性が悪くなり、水を過多
に加えて振動を掛けても流れず、鋳込み不能の状態だっ
た。実施例1からなる不定形耐火物を250t取鍋のス
ラグライン部に使用したところ、耐用性はマグクロ質れ
んが同等であり、キャスタブル耐火物として実炉に供す
ることが可能なことが確認できた
【0052】
【発明の効果】本発明によって、従来の塩基性れんが同
等の耐用性を持った、耐スラグ侵食性、耐スラグ浸透
性、耐消化性及び耐スポーリング性に優れ、過焼結を抑
制された塩基性不定形耐火物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江上 潤 千葉県木更津市築地7−1 黒崎窯業株式 会社不定形事業部木更津不定形工場内 (72)発明者 天野 正彦 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 中村 壽志 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度調整した耐火骨材80〜50wt%
    と、マグネシア・カルシアクリンカーを20〜50wt
    %含む配合物の、 前記マグネシア・カルシアクリンカーはMgOとCaO
    とFe23を合計97wt%以上含み、かつ、MgOを
    30〜90wt%、Fe23を0.2〜5wt%、Ti
    2が0.5〜3wt%の化学組成を有し、その表面に
    リン酸カルシウムとリン酸マグネシウムからなる被覆を
    施し、 前記耐火骨材マグネシア・カルシアクリンカーとの配合
    物に対して、表面処理した粒径10〜50mmの大粗粒
    マグネシアを5〜50wt%外掛け添加した塩基性質キ
    ャスタブル耐火物。
  2. 【請求項2】 大粗粒マグネシアの表面処理剤としてリ
    ン酸塩、珪酸ソーダ、シランカップリング処理剤の1種
    または2種以上を施した請求項1に記載の塩基性質キャ
    スタブル耐火物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101402774B1 (ko) * 2012-12-21 2014-06-02 (주)포스코켐텍 소화된 내화물을 이용한 내화물 원료의 제조방법
CN115159966A (zh) * 2022-06-30 2022-10-11 安徽瑞泰新材料科技有限公司 一种高强耐火浇注料及其制备方法
CN115321957A (zh) * 2022-09-13 2022-11-11 中钢集团洛阳耐火材料研究院有限公司 一种品质钢冶炼用中间包衬料及制备方法

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