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JPH089745B2 - 端子用銅基合金 - Google Patents

端子用銅基合金

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Publication number
JPH089745B2
JPH089745B2 JP3018337A JP1833791A JPH089745B2 JP H089745 B2 JPH089745 B2 JP H089745B2 JP 3018337 A JP3018337 A JP 3018337A JP 1833791 A JP1833791 A JP 1833791A JP H089745 B2 JPH089745 B2 JP H089745B2
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JP
Japan
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copper
stress relaxation
terminals
based alloy
terminal
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JP3018337A
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JPH04236736A (ja
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隆吉 遠藤
賢二 竹之内
三樹男 西畑
敏夫 浅野
章 菅原
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Dowa Holdings Co Ltd
Yazaki Corp
Original Assignee
Dowa Holdings Co Ltd
Yazaki Corp
Dowa Mining Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH04236736A publication Critical patent/JPH04236736A/ja
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Description

O>
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のコネクタ用
端子に用いられる銅基合金およびその端子に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の端子用銅基合金については、
従来は黄銅およびリン青銅、さらにはCu−Sn−Fe
−P系等の銅基合金が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車等コネクタ用端
子は、最近のエレクトロニクスの発達に伴い、高密度
化、小型化、軽量化、そして信頼性向上が求められるよ
うになってきている。またさらに、エンジンの高性能化
に伴い、エンジンルーム内の温度も上昇してきている。
それに伴い、そこに使用される導電材料である端子用銅
基合金も、より高信頼性および耐熱性が要求されるよう
になってきている。しかしながら、端子用銅基合金とし
て従来用いられてきた黄銅は安価ではあるが導電率が低
く、例えばC2600で27%IACSであり、さらに耐食性や応
力緩和特性にも問題があった。また、リン青銅は強度は
優れているが導電率が低く、例えばC5210で12%IACS程
度であり、耐応力緩和特性にも問題があり、さらに価格
的にも高く経済的でなかった。Cu−Sn−Fe−P系
合金は、これら2つの合金の欠点を補うために開発され
たものである。例えばCu−2.0 Sn−0.1 Fe−0.03
Pで導電率は35%IACSで、強度にも優れているが、耐応
力緩和特性については端子用合金としては十分満足して
いるとは言えなかった。
【0004】また特に自動車用端子として信頼性を向上
させるためには、そこに用いられる銅基合金が、強度、
ばね限界値、導電率に優れ、さらに長時間の使用に対し
ても応力緩和、腐食等を起こさないことが必要である
が、従来の黄銅、リン青銅、さらにCu−Sn−Fe−
P系合金はいずれも上記特性を満足するものではなかっ
た。
【0005】さらにこれらの端子用銅基合金を用いて製
造された端子についても、これらの材料の特性がそのま
ま端子としての特性に結びついていた。黄銅、リン青
銅、Cu−Sn−Fe−P系合金を用いた端子では、導
電率、耐応力緩和特性の両特性を兼ね備えていないた
め、端子の自己発熱により酸化、メッキ剥離、応力緩
和、回路の電圧降下、ハウジングの軟化や変形が生じる
可能性を有する。
【0006】したがって、本発明は、引張強さ、ばね限
界値、導電率および耐応力緩和特性のすべてに優れた端
子用銅基合金を提供すること、並びに、少なくともこの
合金により構成されたばね部を有している低電圧低電流
抵抗値、耐応力緩和特性に優れた端子を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、前記の課題について鋭意検討の結果、該
銅基合金としてCu−Ni−Sn−P系銅基合金および
それにさらにZnを添加したCu−Ni−Sn−P−Z
n系合金について試験研究を重ね、その成分組成を選ぶ
ことにより、引張強度、導電率、さらには応力緩和率に
ついて満足すべき特性が得られることを見出し、また、
この銅基合金から作製されたばねを内蔵するか、または
ばねを含めての全体をその銅基合金で一体的に製作した
端子は優れた性能を兼ね備えていることを見い出し本発
明に到達した。
【0008】すなわち本発明は第一に、重量%で、N
i:0.5 〜3.0 %、Sn:0.5 〜2.0 %、P:0.005 〜
0.20%を含有し、残部がCuと不可避不純物からなる組
成を有し、引張り強さが50kgf/mm2 以上、ばね限界値が
40kgf/mm2 以上、応力緩和率が10%以下および導電率30
%IACS以上の特性を持つことを特徴とする端子用銅基合
金を提供する。本発明は第二に、重量%で、Ni:0.5
〜3.0 %、Sn:0.5 〜2.0 %、P:0.005 〜0.20%、
Zn:0.01〜2.0 %を含有し、残部がCuと不可避不純
物からなる組成を有し、引張強さが50kgf/mm2 以上、ば
ね限界値が40kgf/mm2 以上、応力緩和率10%以下および
導電率30%IACS以上の特性を持つことを特徴とする端子
用銅基合金を提供する。本発明は第三に、重量%で、N
i:0.5 〜3.0 %、Sn:0.5 〜2.0 %、P:0.005 〜
0.20%を含有し、残部がCuと不可避不純物からなる組
成の銅基合金から溶製され、熱間および冷間圧延を経て
加工されたばね材でつくったばねを内蔵するか、または
このばね材でばねを含めた全体を一体的に構成した端子
を提供する。本発明は第四に、重量%で、Ni: 0.5〜
3.0 %、Sn:0.5 〜2.0 %、P:0.005 〜0.20%、Z
n:0.01〜2.0 %を含有し、残部がCuと不可避不純物
からなる組成の銅基合金から溶製され、熱間および冷間
圧延を経て加工されたばね材でつくったばねを内蔵する
か、またはこのばね材でばねを含めた全体を一体的に構
成した端子を提供する。
【0009】
【作用】次に本発明におけるCu−Ni−Sn−P系お
よびCu−Ni−Sn−P−Zn系銅基合金の添加元素
の作用および成分範囲の限定理由について説明する。
【0010】NiはCuマトリックス中に固溶して、強
度、ばね限界値および耐応力緩和特性を向上させ、さら
にPと化合物を形成して分散析出することにより、導電
率を向上させ、しかもさらに強度、ばね限界値および耐
応力緩和特性を向上させる。ただし、 0.5%未満では所
望の効果が得られず、 3.0%を超えると効果が飽和して
しまうので、好ましいNiの範囲としては、 0.5〜3.0
wt%である。
【0011】SnはCuマトリックス中に固溶して強
度、ばね限界値および耐食性を向上させる。ただし、
0.5%未満では所望の効果が得られず、 2.0%を超える
と効果が飽和してしまうので、好ましいSnの範囲とし
ては、 0.5〜2.0 wt%である。
【0012】Pは溶湯の脱酸剤として作用すると共に、
Niと化合物を形成して分散析出することにより、導電
率を向上させ、かつ強度並びに耐応力緩和特性を向上さ
せる。ただし、 0.005%未満では所望の効果が得られ
ず、0.20%を超えると効果が飽和してしまうので、好ま
しいPの範囲としては、 0.005〜0.20wt%である。
【0013】副成分として添加することができるZn
は、メッキ耐候性を向上させる効果がある。ただし、0.
01%未満では所望の効果が得られず、2.0 %を超えると
効果が飽和してしまうので、好ましいZnの範囲として
は、0.01〜2.0 wt%である。
【0014】次に、本発明における端子の特性について
説明する。
【0015】挿抜力は端子において雄ターミナルと雌タ
ーミナルの結合の力を示すものであるが、あまり強すぎ
ると雄ターミナルを簡単に挿入することが困難である。
特に高集積化に伴いターミナルの数が増加すると、通常
の組み立て作業に支障をきたすことになる。また逆にあ
まり弱すぎると、接触荷重が低いため振動等によって酸
化皮膜が生成し易く接触抵抗が不安定となり、コネクタ
として電気的信頼性に欠けるものとなる。
【0016】したがって初期の挿抜力としては0.2kgf以
上3kgf以下が望ましく、そのためにはそこに用いられる
端子材料としては引張強さ50kgf/mm2 以上、ばね限界値
が40kgf/mm2 以上、応力緩和率10%以下の材料を用いる
ことが必要である。
【0017】さらに初期の低電圧低電流抵抗値について
は小さい方が望ましく3mΩ以下が良い。接触電気抵抗
値の大きさは、熱サイクルによる結合部の接触荷重の減
少の大きさに影響されるが、材料の自己発熱によって生
じる応力緩和、さらに自動車内のエンジンルーム内や排
ガス系周辺の温度の影響により生じる応力緩和によって
も接触荷重が減少してしまい、それに伴い接触電気抵抗
値も増加してしまう。
【0018】そのためには材料自体の応力緩和率が 150
℃×1,000 時間で10%以下であり、さらに引張強さ50kg
f/mm2 以上、ばね限界値40kgf/mm2 以上であることが必
要であり、さらに材料の導電率は30%IACS以上が好まし
く、バネに加工後の応力緩和率が20%以下であることが
好ましい。以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明する。
【0019】
【実施例1】表1に示す組成の合金を高周波溶解炉を用
いて溶製し、850 ℃に加熱した後、厚さ 5.0mmまで熱間
圧延した。次に表面の面削により 4.8mmとし冷間圧延と
熱処理を繰り返し、最終加工率67%、板厚 0.2mmの板材
を得た。
【0020】次に、上記材料について引張強さ、伸び、
ばね限界値を測定すると共に、曲げ加工性、応力緩和特
性等を調査した。これらの結果を従来使用されている黄
銅、リン青銅およびCu−Sn−P−Fe合金と比較し
て表1に示した。
【0021】引張強さ、導電率、ばね限界値の測定はJI
S H 2241、JIS H 0505、JIS H 3130に準拠した。
【0022】曲げ加工性については90°W曲げ加工試験
で評価した。試験はCES−M0002−6 に準拠し、R=
0.1mm の治具で90°W曲げ加工し、中央部山表面の状況
を調べて、割れが発生したものを×、シワが発生したも
のを△、良好なものを○と評価した。ただし、曲げ軸は
圧延方向に対して平行(Bad Way)とした。
【0023】また、応力緩和試験は試験片の中央部の応
力が40kgf/mm2 となるようにアーチ曲げを行い、150 ℃
の温度で 1,000時間保持後の曲げぐせを応力緩和率とし
て次式により算出した。 応力緩和率(%)={(L1 −L2 )/(L1 −L0 )}×100 (ただし、L0 :治具の長さ(mm)、 L1 :開始時の試料長さ(mm) L2 :処理後の試料端間の水平距離(mm))
【0024】以上の結果から、本発明による試料 No.1
〜4の合金はいずれも引張強さ50kgf/mm2 、ばね限界値
40kgf/mm2 、導電率30%以上を示し、かつ曲げ加工性も
良好である。そしてさらに応力緩和率が10%以下で耐応
力緩和特性に優れている。したがって、自動車等の端子
用銅基合金として非常に優れた合金であることがわか
る。
【0025】
【表1】
【0026】
【実施例2】さらに本発明の銅基合金を用いた端子特性
について実施例により具体的に説明する。
【0027】端子としての評価のため、本発明材料にて
プレス加工し、本発明材の狙いである応力緩和特性につ
いて評価を行った。
【0028】本発明合金を用いて図1に示すばね部2を
備えた雌端子1にプレス加工した。今回の材料はプレス
加工後、ばね性を良好にするために熱処理を行った。
【0029】熱処理条件は、端子の表面処理としてSn
メッキを施すため、表面劣化を考慮し、180 ℃×30分の
処理を行った後、応力緩和特性の評価試験を実施した。
なお、従来品との比較のため、Cu−Sn−Fe−P系
および黄銅材料の雌端子も同一条件の熱処理を施し、同
時に評価テストを行った。
【0030】初期の端子の挿抜力は、共に 0.5〜0.6kg
f、初期の低電圧低電流抵抗値は 1.5〜2.0 mΩであっ
た。
【0031】応力緩和特性試験として雌端子に雄端子を
篏合した後、耐熱試験を行い、試験前後の接触荷重の測
定を行った。なお、耐熱条件としては 120℃、 300時間
の条件である。応力緩和率は次式により算出した。 応力緩和率(%)={(F1 −F2 )/F1 }×100 (F1 :初期の接触荷重(gf);F2 :試験後の接触荷重(gf))
【0032】試験結果を図3に示す。従来品のCu−S
n−Fe−P系の雌端子の応力緩和率は、本発明材の雌
端子より接触荷重の低下が大きく約30%であり、黄銅材
のそれについては、約50%であった。一方、本発明材は
約12%であり、応力緩和率20%以下を満足し、優位性が
認められた。また、電気性能試験は上記と同一のサンプ
ルを用いて 120℃× 300時間の放置試験を行い、試験前
後の低電圧低電流抵抗値を測定した。その結果を図4に
示す。以上の結果より、明らかに本発明材料は電気性能
においても、従来品のCu−Sn−Fe−P系や黄銅材
に比較して優位性が認められた。
【0033】本発明の端子用銅基合金を用いたばね部2
を内蔵する雌端子1を図2の如く成形し、図1の端子の
場合と同様の試験を行ったところ、図1の端子の場合と
同等の試験結果が得られた。
【0034】以上により、本発明による端子は自動車等
の端子として非常に優れていることがわかる。
【0035】なお、本発明の端子用銅基合金およびそれ
を用いた端子は自動車用以外に航空機、船舶等にも同様
に利用できるものである。
【0036】
【発明の効果】本発明の端子用銅基合金は、引張強さ、
ばね限界値、導電率が優れており、かつ耐応力緩和特性
にも優れており、さらに上記合金により構成され内部に
ばねを持つ端子は、低電圧低電流抵抗値、応力緩和特性
に優れており、工業上顕著な効果を有するものである。
【0037】すなわち、本発明によれば、導電率が少な
くとも30%IACSで、引張強度、ばね限界値いずれもが高
く、かつ応力緩和率が10%以下というような特性を兼ね
備えた端子用銅基合金が得られると共に、さらにその銅
基合金により構成されるばねを内蔵して、またはばねを
含めての全体を、その銅基合金で製作した初期性能とし
て挿抜力が適正な0.2kgf以上3kgf以下、低電圧低電流抵
抗3mΩ以下、応力緩和率20%以下等の特性を持つ端子
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の端子の一例についての斜視図である。
【図2】本発明の端子の別の一例についての斜視図であ
る。
【図3】本発明の端子および従来品における応力緩和特
性を示すグラフである。
【図4】本発明の端子および従来品における電気特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1‥‥雌端子 2‥‥ばね部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹之内 賢二 静岡県榛原郡榛原町布引原206−1 矢崎 部品株式会社内 (72)発明者 西畑 三樹男 東京都杉並区久我山3−45−17 (72)発明者 浅野 敏夫 東京都杉並区阿佐谷北6−8−14 (72)発明者 菅原 章 東京都八王子市犬目町2−1 (56)参考文献 特開 昭63−286544(JP,A) 特開 昭62−199741(JP,A) 特開 平1−242742(JP,A) 特開 平3−6341(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Ni:0.5〜3.0%、Sn:0.
    5〜2.0%、P:0.005〜0.20%を含有し、残部がCuと
    不可避的不純物からなる組成を有する銅基合金であっ
    て、Ni/Pの重量百分率の比率が20〜35の範囲と
    なる相対量で添加されているNiとPとの一部がNi−
    P系の金属化合物となってマトリックス中に均一微細に
    析出した組織を有していることによって、引張り強さが
    50kgf/mm2以上、ばね限界値が40kgf/mm2 以上、応
    力緩和率10%以下および導電率30%IACS以上の特性
    有していることを特徴とする端子用銅基合金。
  2. 【請求項2】 重量%で、Ni:0.5〜3.0%、Sn:0.
    5〜2.0%、P:0.005〜0.20%、Zn:0.01〜2.0%を含
    有し、残部がCuと不可避的不純物からなる組成を有す
    る銅基合金であって、Ni/Pの重量百分率の比率が2
    0〜35の範囲となる相対量で添加されているNiとP
    との一部がNi−P系の金属化合物となってマトリック
    ス中に均一微細に析出した組織を有していることによっ
    て、引張り強さが50kgf/mm2 以上、ばね限界値が40
    kgf/mm2 以上、応力緩和率10%以下および導電率30
    %IACS以上の特性を有していることを特徴とする端子用
    銅基合金。
JP3018337A 1991-01-17 1991-01-17 端子用銅基合金 Expired - Lifetime JPH089745B2 (ja)

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US08/036,490 US5322575A (en) 1991-01-17 1993-03-24 Process for production of copper base alloys and terminals using the same

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