JPH0889938A - 過酸化水素含有水系液体の処理方法 - Google Patents
過酸化水素含有水系液体の処理方法Info
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- JPH0889938A JPH0889938A JP23365394A JP23365394A JPH0889938A JP H0889938 A JPH0889938 A JP H0889938A JP 23365394 A JP23365394 A JP 23365394A JP 23365394 A JP23365394 A JP 23365394A JP H0889938 A JPH0889938 A JP H0889938A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 水系液体中に存在する過酸化水素を分解処理
する方法であって、固定化カタラーゼを用いることを特
徴とする水系液体の処理方法。 【効果】 本発明の水系液体の処理方法は、固定化カタ
ラーゼが充分な活性と安定性を有し、長時間の繰り返し
使用が可能であり、処理コストの削減が可能である。ま
た、重合反応あるいは有機合成反応後の工程液に含まれ
る過酸化水素を、重合体、有機化合物もしくは含有液体
を変質させずに分解除去できる。
する方法であって、固定化カタラーゼを用いることを特
徴とする水系液体の処理方法。 【効果】 本発明の水系液体の処理方法は、固定化カタ
ラーゼが充分な活性と安定性を有し、長時間の繰り返し
使用が可能であり、処理コストの削減が可能である。ま
た、重合反応あるいは有機合成反応後の工程液に含まれ
る過酸化水素を、重合体、有機化合物もしくは含有液体
を変質させずに分解除去できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】水溶性高分子、有機化合物などの
製造工程液、工業排水、生活排水など、過酸化水素を含
有する水系液体に存在する過酸化水素をカタラーゼによ
り分解する水系液体の処理方法に関する。
製造工程液、工業排水、生活排水など、過酸化水素を含
有する水系液体に存在する過酸化水素をカタラーゼによ
り分解する水系液体の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素を分解する酵素であるカタラ
ーゼは哺乳類動物細胞あるいは微生物から生産されるこ
とが知られており、種々の用途に用いられている。水系
液体中に存在する過酸化水素を分解処理する方法として
は、例えば、排水中の残存過酸化水素を分解する目的で
排水処理に微生物由来のカタラーゼを使用することが知
られている(例えば特開昭58−6299号、特開昭6
3−270595号、特開平1−250469号、特開
平2−104781号、特開平2−222773号、特
開平3−86297号、特開平3−106498号、特
開平3−145398号)。従来のカタラーゼの使用方
法は、液体または粉末状の酵素を処理すべき排水に添加
するか、カタラーゼ活性を有する菌体を固定化し固定化
菌体を使用するというものであった。液体または粉末状
の酵素を使用する場合は、高価な酵素を多量に必要と
し、酵素の安定化剤の添加や前処理を必要とするという
問題があった。また、固定化菌体を使用する場合、溶離
した菌体が処理水質上問題になり全ての排水処理に使え
ないという問題があった。
ーゼは哺乳類動物細胞あるいは微生物から生産されるこ
とが知られており、種々の用途に用いられている。水系
液体中に存在する過酸化水素を分解処理する方法として
は、例えば、排水中の残存過酸化水素を分解する目的で
排水処理に微生物由来のカタラーゼを使用することが知
られている(例えば特開昭58−6299号、特開昭6
3−270595号、特開平1−250469号、特開
平2−104781号、特開平2−222773号、特
開平3−86297号、特開平3−106498号、特
開平3−145398号)。従来のカタラーゼの使用方
法は、液体または粉末状の酵素を処理すべき排水に添加
するか、カタラーゼ活性を有する菌体を固定化し固定化
菌体を使用するというものであった。液体または粉末状
の酵素を使用する場合は、高価な酵素を多量に必要と
し、酵素の安定化剤の添加や前処理を必要とするという
問題があった。また、固定化菌体を使用する場合、溶離
した菌体が処理水質上問題になり全ての排水処理に使え
ないという問題があった。
【0003】また、従来、室温より低い、例えば0℃〜
10℃のような低温で有効に作用するカタラーゼを用い
る処理方法は知られていない。また、従来、過酸化水素
含有水系液体の処理において、カタラーゼ活性を有する
固定化菌体の使用は前述のごとく知られているが、固定
化カタラーゼを使用することは知られていない。これ
は、カタラーゼが本来菌体内酵素であり、菌体外では極
めて不安定であるためと考えられる。
10℃のような低温で有効に作用するカタラーゼを用い
る処理方法は知られていない。また、従来、過酸化水素
含有水系液体の処理において、カタラーゼ活性を有する
固定化菌体の使用は前述のごとく知られているが、固定
化カタラーゼを使用することは知られていない。これ
は、カタラーゼが本来菌体内酵素であり、菌体外では極
めて不安定であるためと考えられる。
【0004】従来、過酸化水素含有有機廃液などの過酸
化水素を分解除去するその他の方法としては、過酸化水
素が熱で分解され易い点を利用して高温処理する方法が
あるが、例えば希薄水系液体を高温にするため多大のエ
ネルギーを要するなどの欠点があり、あるいは被処理水
系液体の種類によっては高温に加温することが好ましく
ない場合があった。また金属酸化物や重金属塩によって
も過酸化水素を分解することができるが、処理後に残留
するかかる金属類の完全除去処理を要し、工程が煩雑に
なったり、コスト面で問題があった。
化水素を分解除去するその他の方法としては、過酸化水
素が熱で分解され易い点を利用して高温処理する方法が
あるが、例えば希薄水系液体を高温にするため多大のエ
ネルギーを要するなどの欠点があり、あるいは被処理水
系液体の種類によっては高温に加温することが好ましく
ない場合があった。また金属酸化物や重金属塩によって
も過酸化水素を分解することができるが、処理後に残留
するかかる金属類の完全除去処理を要し、工程が煩雑に
なったり、コスト面で問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高分子化合物の製造工
程由来あるいは過酸化水素を用いる酸化反応による有機
化合物の製造において酸化反応工程由来の水系液体、さ
らには半導体製造工程由来の排水,繊維の漂白工程由来
の排水,染料などの脱色工程由来の排水,パルプの漂白
工程由来の排水,過酸化水素により殺菌、脱臭あるいは
漂白もしくは脱色処理を施した排水などの水系液体中の
過酸化水素をカタラーゼにより分解処理する方法におい
て、多量のカタラーゼを消費せず、長時間にカタラーゼ
が安定に働き、従って処理工程が改善され、あるいは従
来より低温での処理が可能な、あるいは処理コストの低
減が可能な水系液体の処理方法を提供する。
程由来あるいは過酸化水素を用いる酸化反応による有機
化合物の製造において酸化反応工程由来の水系液体、さ
らには半導体製造工程由来の排水,繊維の漂白工程由来
の排水,染料などの脱色工程由来の排水,パルプの漂白
工程由来の排水,過酸化水素により殺菌、脱臭あるいは
漂白もしくは脱色処理を施した排水などの水系液体中の
過酸化水素をカタラーゼにより分解処理する方法におい
て、多量のカタラーゼを消費せず、長時間にカタラーゼ
が安定に働き、従って処理工程が改善され、あるいは従
来より低温での処理が可能な、あるいは処理コストの低
減が可能な水系液体の処理方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の水系液体中に存
在する過酸化水素を分解処理する方法は、カタラーゼを
含有もしくは産生する菌体の固定化以外の方法により、
カタラーゼ活性を有する状態でカタラーゼを固定化した
固定化カタラーゼを用いることを特徴とする。例えば、
カタラーゼを不溶性担体に吸着させた後に多官能試薬で
共有結合させ、または、あらかじめ多官能試薬で表面を
処理もしくは活性化した不溶性担体にカタラーゼを結合
させるなどの方法により得られる固定化カタラーゼを過
酸化水素含有水系液体と接触させることを特徴とする。
在する過酸化水素を分解処理する方法は、カタラーゼを
含有もしくは産生する菌体の固定化以外の方法により、
カタラーゼ活性を有する状態でカタラーゼを固定化した
固定化カタラーゼを用いることを特徴とする。例えば、
カタラーゼを不溶性担体に吸着させた後に多官能試薬で
共有結合させ、または、あらかじめ多官能試薬で表面を
処理もしくは活性化した不溶性担体にカタラーゼを結合
させるなどの方法により得られる固定化カタラーゼを過
酸化水素含有水系液体と接触させることを特徴とする。
【0007】すなわち、本発明は以下の過酸化水素含有
水系液体の処理方法を提供する。 1)水系液体中に存在する過酸化水素を分解処理する方
法であって、カタラーゼを固定した固定化カタラーゼを
用いる水系液体の処理方法。 2)カタラーゼが、pH7において、5℃でのカタラー
ゼ活性が30℃におけるカタラーゼ活性の85%以上の
値を示すカタラ−ゼである前記1)に記載の水系液体の
処理方法。 3)水系液体が過酸化水素を用いる重合反応もしくは酸
化反応による重合体もしくは有機化合物の製造工程由来
の過酸化水素を含有する液体である前記1)または2)
に記載の水系液体の処理方法。 4)水系液体が過酸化水素を含有する排水である前記
1)または2)に記載の水系液体の処理方法。 5)水系液体が、半導体製造工程排水,繊維の漂白工程
排水,染料の脱色工程排水,パルプの漂白工程排水また
は過酸化水素により殺菌、脱臭あるいは漂白もしくは脱
色処理を施した排水である前記1)または2)に記載の
水系液体の処理方法。 以下に本発明を詳細に説明す
る。
水系液体の処理方法を提供する。 1)水系液体中に存在する過酸化水素を分解処理する方
法であって、カタラーゼを固定した固定化カタラーゼを
用いる水系液体の処理方法。 2)カタラーゼが、pH7において、5℃でのカタラー
ゼ活性が30℃におけるカタラーゼ活性の85%以上の
値を示すカタラ−ゼである前記1)に記載の水系液体の
処理方法。 3)水系液体が過酸化水素を用いる重合反応もしくは酸
化反応による重合体もしくは有機化合物の製造工程由来
の過酸化水素を含有する液体である前記1)または2)
に記載の水系液体の処理方法。 4)水系液体が過酸化水素を含有する排水である前記
1)または2)に記載の水系液体の処理方法。 5)水系液体が、半導体製造工程排水,繊維の漂白工程
排水,染料の脱色工程排水,パルプの漂白工程排水また
は過酸化水素により殺菌、脱臭あるいは漂白もしくは脱
色処理を施した排水である前記1)または2)に記載の
水系液体の処理方法。 以下に本発明を詳細に説明す
る。
【0008】本発明による過酸化水素含有水系液体の処
理方法において、処理対象となる液体は、過酸化水素を
含有する水系液体であれば特に制限はなく、水溶液、水
系乳化液、水系懸濁液、水系スラリーのいずれでもよ
く、またかかる系に有機系溶剤が含まれている水系液
体、例えば水−アルコール混合溶媒のごとき均一混合溶
媒、通常水と任意の比率で均一に混合できない芳香族系
溶媒に少量の水が含まれている溶媒、あるいは水と非水
溶性溶媒との混合分散溶媒をベースとする溶液、懸濁液
もしくはスラリーであってもよい。
理方法において、処理対象となる液体は、過酸化水素を
含有する水系液体であれば特に制限はなく、水溶液、水
系乳化液、水系懸濁液、水系スラリーのいずれでもよ
く、またかかる系に有機系溶剤が含まれている水系液
体、例えば水−アルコール混合溶媒のごとき均一混合溶
媒、通常水と任意の比率で均一に混合できない芳香族系
溶媒に少量の水が含まれている溶媒、あるいは水と非水
溶性溶媒との混合分散溶媒をベースとする溶液、懸濁液
もしくはスラリーであってもよい。
【0009】かかる水系液体をより具体的に例示すれ
ば、例えば、過酸化水素を用いるアクリルアミド、アク
リル酸、アクリル酸エステルなどの重合、共重合あるい
はかかるモノマーと更に例えばポリビニルアルコールと
のグラフト共重合反応後の反応液もしくはそれに続く工
程液などのごとき、重合体の製造工程由来の水系液体、
過酸化水素を用いる酸化反応による例えばカテコール、
エポキシ化合物などの有機化合物の製造工程における酸
化反応後の反応液もしくはそれに続く工程液などのごと
き、有機化合物の製造工程由来の水系液体、半導体製造
工程排水、繊維の漂白工程排水、染料の脱色工程排水、
パルプの漂白工程排水、過酸化水素による殺菌、脱臭、
あるいは漂白もしくは脱色処理を施した、水産加工工程
排水、その他産業排水あるいは生活排水が挙げられる。
ば、例えば、過酸化水素を用いるアクリルアミド、アク
リル酸、アクリル酸エステルなどの重合、共重合あるい
はかかるモノマーと更に例えばポリビニルアルコールと
のグラフト共重合反応後の反応液もしくはそれに続く工
程液などのごとき、重合体の製造工程由来の水系液体、
過酸化水素を用いる酸化反応による例えばカテコール、
エポキシ化合物などの有機化合物の製造工程における酸
化反応後の反応液もしくはそれに続く工程液などのごと
き、有機化合物の製造工程由来の水系液体、半導体製造
工程排水、繊維の漂白工程排水、染料の脱色工程排水、
パルプの漂白工程排水、過酸化水素による殺菌、脱臭、
あるいは漂白もしくは脱色処理を施した、水産加工工程
排水、その他産業排水あるいは生活排水が挙げられる。
【0010】本発明に使用するカタラーゼは、特に限定
はないが、水系液体の処理条件で酵素活性を発揮できる
ために、広いpH領域で安定であり、用途によっては重
金属イオンやフッ素イオンによる阻害を受けにくいもの
が特に好ましい。また、例えば冬季や寒冷地のような低
水温の排水処理を行うためには、温度を上げるための特
別な工程を必要としない、エネルギー消費の少ない排水
処理方法を可能にするために、あるいは重合体もしくは
有機化合物製造工程液のように重合体あるいは有機化合
物を含有する液体を昇温させると変質の問題を生じるた
め、昇温させることなく該液体中の過酸化水素を分解処
理するために、低温活性を有するカタラーゼがより好ま
しい。例えば、枯草菌の1菌株であるIAM1026株
により生産されるカタラーゼのごとく、5℃でのカタラ
ーゼ活性が30℃におけるカタラーゼ活性の85%以上
の値を示す低温活性を有するカタラーが特に好ましい。
はないが、水系液体の処理条件で酵素活性を発揮できる
ために、広いpH領域で安定であり、用途によっては重
金属イオンやフッ素イオンによる阻害を受けにくいもの
が特に好ましい。また、例えば冬季や寒冷地のような低
水温の排水処理を行うためには、温度を上げるための特
別な工程を必要としない、エネルギー消費の少ない排水
処理方法を可能にするために、あるいは重合体もしくは
有機化合物製造工程液のように重合体あるいは有機化合
物を含有する液体を昇温させると変質の問題を生じるた
め、昇温させることなく該液体中の過酸化水素を分解処
理するために、低温活性を有するカタラーゼがより好ま
しい。例えば、枯草菌の1菌株であるIAM1026株
により生産されるカタラーゼのごとく、5℃でのカタラ
ーゼ活性が30℃におけるカタラーゼ活性の85%以上
の値を示す低温活性を有するカタラーが特に好ましい。
【0011】本発明において用いる固定化カタラーゼ
は、カタラーゼを含有もしくは産生する菌体を固定化す
る方法以外の方法により、カタラーゼ活性を有する状態
でカタラーゼを吸着法以外の方法で固定化したものであ
れば如何なるものでも良く、例えば不溶性担体にカタラ
ーゼを吸着した後でグルタルアルデヒド等の多官能試薬
で共有結合させる方法(架橋法)、あらかじめ多官能試
薬により不溶性担体の表面を活性化した後で当該担体に
酵素を結合させる方法(活性化法)、あるいはカタラー
ゼをアルギン酸、カラギーナン、ポリアクリルアミド等
の高分子ゲル中に投入してあるいはアクリルアミドなど
の重合性モノマーと混合後重合して包括固定化する方法
(包括法)により得られる固定化カタラーゼがあげられ
るが、架橋法もしくは活性化法により得られる固定化カ
タラーゼが特に好ましい。一方、不溶性担体に単にカタ
ラーゼを物理吸着させる方法(吸着法)により得られる
固定化カタラーゼは使用中に酵素が担体から脱離しやす
いため、長時間使用あるいは繰り返し使用に適さない。
本発明において用いられる固定化カタラーゼは、固定化
していないカタラーゼに比べ、pH安定性、熱安定性、
塩類耐性および/もしくは有機溶媒耐性が向上している
ものが特に好ましく用いられる。
は、カタラーゼを含有もしくは産生する菌体を固定化す
る方法以外の方法により、カタラーゼ活性を有する状態
でカタラーゼを吸着法以外の方法で固定化したものであ
れば如何なるものでも良く、例えば不溶性担体にカタラ
ーゼを吸着した後でグルタルアルデヒド等の多官能試薬
で共有結合させる方法(架橋法)、あらかじめ多官能試
薬により不溶性担体の表面を活性化した後で当該担体に
酵素を結合させる方法(活性化法)、あるいはカタラー
ゼをアルギン酸、カラギーナン、ポリアクリルアミド等
の高分子ゲル中に投入してあるいはアクリルアミドなど
の重合性モノマーと混合後重合して包括固定化する方法
(包括法)により得られる固定化カタラーゼがあげられ
るが、架橋法もしくは活性化法により得られる固定化カ
タラーゼが特に好ましい。一方、不溶性担体に単にカタ
ラーゼを物理吸着させる方法(吸着法)により得られる
固定化カタラーゼは使用中に酵素が担体から脱離しやす
いため、長時間使用あるいは繰り返し使用に適さない。
本発明において用いられる固定化カタラーゼは、固定化
していないカタラーゼに比べ、pH安定性、熱安定性、
塩類耐性および/もしくは有機溶媒耐性が向上している
ものが特に好ましく用いられる。
【0012】本発明の一つの態様において用いられる不
溶性担体は、水に不溶性の平均0.1μm〜20mm程
度の範囲内の粒径を有する粒状物である。このうち0.
05mm以上の粒径を有するものについては、数μm以
下、特に好ましくは1μm以下の細孔を有する多孔性粒
子であればよい。また、シリカ、チタニア、ジルコニア
のごとき微細な一次粒子が凝集して得られる粒径0.1
μm〜数μmの二次粒子も用いることができる。かかる
担体として実用上十分な強度があり、熱、処理する水系
液体のpH下、塩類あるいは有機溶媒に対し安定で、カ
タラーゼ結合能が高く、固定化したときに酵素が溶離し
にくいものであれば、特に制限はない。
溶性担体は、水に不溶性の平均0.1μm〜20mm程
度の範囲内の粒径を有する粒状物である。このうち0.
05mm以上の粒径を有するものについては、数μm以
下、特に好ましくは1μm以下の細孔を有する多孔性粒
子であればよい。また、シリカ、チタニア、ジルコニア
のごとき微細な一次粒子が凝集して得られる粒径0.1
μm〜数μmの二次粒子も用いることができる。かかる
担体として実用上十分な強度があり、熱、処理する水系
液体のpH下、塩類あるいは有機溶媒に対し安定で、カ
タラーゼ結合能が高く、固定化したときに酵素が溶離し
にくいものであれば、特に制限はない。
【0013】例えば、セルロース、キトサンなどの天然
高分子の多孔性粒子、ポリスチレン系などの合成高分子
の多孔性粒子あるいはシリカ、ゼオライトなどの無機質
の多孔性粒子が用いられる。特に、キトパール(富士紡
績製の商品)などのキトサンの多孔性ビーズが好ましく
用いられる。
高分子の多孔性粒子、ポリスチレン系などの合成高分子
の多孔性粒子あるいはシリカ、ゼオライトなどの無機質
の多孔性粒子が用いられる。特に、キトパール(富士紡
績製の商品)などのキトサンの多孔性ビーズが好ましく
用いられる。
【0014】また、別の態様において用いられる不溶性
担体としては、膜状担体があり、前記の粒状物と同様、
実用上十分な強度があり、熱、処理する水系液体のpH
下、塩類あるいは有機溶媒に対し安定で、カタラーゼ結
合能が高く、固定化したときに酵素が溶離しにくいもの
であれば、特に制限はない。材質としては、セルロース
系、キトサン系などの天然高分子系、ポリスルホン系、
ポリビニルアルコール系などの合成高分子系あるいはア
ルミナ系、シリカ系などの無機質系のいずれかの系でカ
タラーゼ結合能を有するものが用いられ、あるいはそれ
らのいずれかをカタラーゼ固定化機能を有する材質とし
て含みその他の有機系高分子物質もしくは無機系物質を
含む複合材が用いられる。
担体としては、膜状担体があり、前記の粒状物と同様、
実用上十分な強度があり、熱、処理する水系液体のpH
下、塩類あるいは有機溶媒に対し安定で、カタラーゼ結
合能が高く、固定化したときに酵素が溶離しにくいもの
であれば、特に制限はない。材質としては、セルロース
系、キトサン系などの天然高分子系、ポリスルホン系、
ポリビニルアルコール系などの合成高分子系あるいはア
ルミナ系、シリカ系などの無機質系のいずれかの系でカ
タラーゼ結合能を有するものが用いられ、あるいはそれ
らのいずれかをカタラーゼ固定化機能を有する材質とし
て含みその他の有機系高分子物質もしくは無機系物質を
含む複合材が用いられる。
【0015】本発明において用いられる固定化カタラー
ゼのカタラーゼ活性は処理方法や処理対象水系液体によ
り異なり、所望の時間内に所望量の過酸化水素を分解で
きる活性を有すればよく、一概に規定できない。一般的
には固定化カタラーゼ容積当たり10〜500万U/m
lの範囲が用いられ、100〜10万U/mlが望まし
く、1000〜1万U/mlの範囲が特に酵素当たりの
処理効率上望ましい。
ゼのカタラーゼ活性は処理方法や処理対象水系液体によ
り異なり、所望の時間内に所望量の過酸化水素を分解で
きる活性を有すればよく、一概に規定できない。一般的
には固定化カタラーゼ容積当たり10〜500万U/m
lの範囲が用いられ、100〜10万U/mlが望まし
く、1000〜1万U/mlの範囲が特に酵素当たりの
処理効率上望ましい。
【0016】粒状物に固定化したカタラーゼを用いる場
合の本発明の水系液体の処理方法は、固定化カタラーゼ
を処理すべき水系液体中に自然または強制的に浮遊また
は懸濁させ、処理後にろ過、遠心分離などにより捕集す
る方法、チューブ状あるいは板状のミクロろ過膜、ゲル
ろ過膜などのろ過膜を隔てて一方の液層中に固定化カタ
ラーゼを保有ないしは流通させ、他方の液層に被処理水
系液体を保有ないしは流通させる方法、固定化カタラー
ゼを充填したカラムに処理すべき水系液体を流す方法、
固定化カタラーゼをシートまたはフィルム状に成形し、
処理すべき水系液体中に浸漬させるなどの方法で接触さ
せる方法など、特に制限はないが前二者の方法が特に好
ましい。一方、過酸化水素の分解で発生する酸素ガスに
よる流路の閉塞あるいは不均質化などの問題があり、カ
ラム等に充填して固定床として使用する方法は用途によ
っては制限されることがあるが、本発明による一態様と
して用いることが出来る。
合の本発明の水系液体の処理方法は、固定化カタラーゼ
を処理すべき水系液体中に自然または強制的に浮遊また
は懸濁させ、処理後にろ過、遠心分離などにより捕集す
る方法、チューブ状あるいは板状のミクロろ過膜、ゲル
ろ過膜などのろ過膜を隔てて一方の液層中に固定化カタ
ラーゼを保有ないしは流通させ、他方の液層に被処理水
系液体を保有ないしは流通させる方法、固定化カタラー
ゼを充填したカラムに処理すべき水系液体を流す方法、
固定化カタラーゼをシートまたはフィルム状に成形し、
処理すべき水系液体中に浸漬させるなどの方法で接触さ
せる方法など、特に制限はないが前二者の方法が特に好
ましい。一方、過酸化水素の分解で発生する酸素ガスに
よる流路の閉塞あるいは不均質化などの問題があり、カ
ラム等に充填して固定床として使用する方法は用途によ
っては制限されることがあるが、本発明による一態様と
して用いることが出来る。
【0017】また、他の実施態様として行われる膜状担
体に固定化したカタラーゼを用いる場合の本発明の水系
液体の処理方法には、カタラーゼ固定化膜に処理すべき
水系液体を接触するように流す方法、カタラーゼ固定化
膜に処理すべき水系液体を透過させる方法、カタラーゼ
固定化膜を処理すべき水系液体に浸積させる方法などが
ある。
体に固定化したカタラーゼを用いる場合の本発明の水系
液体の処理方法には、カタラーゼ固定化膜に処理すべき
水系液体を接触するように流す方法、カタラーゼ固定化
膜に処理すべき水系液体を透過させる方法、カタラーゼ
固定化膜を処理すべき水系液体に浸積させる方法などが
ある。
【0018】本発明の水系液体の処理方法に適用できる
前記水系液体中の過酸化水素の濃度は特に制限されるも
のではなく、如何なる濃度のものであってもよく、例え
ば数%以下の液体に好ましく適用でき、3%以下の濃度
の水系液体に特に好ましく適用できる。本発明の処理方
法によれば、更に好ましい実施態様として、処理前の水
系液体中の過酸化水素濃度が数%以下の範囲で、特に低
い数1000〜数10ppm以下である水系液体中の過
酸化水素濃度を、更に低濃度、例えば1ppm未満、あ
るいは検出されない程度にまで分解することができる。
前記水系液体中の過酸化水素の濃度は特に制限されるも
のではなく、如何なる濃度のものであってもよく、例え
ば数%以下の液体に好ましく適用でき、3%以下の濃度
の水系液体に特に好ましく適用できる。本発明の処理方
法によれば、更に好ましい実施態様として、処理前の水
系液体中の過酸化水素濃度が数%以下の範囲で、特に低
い数1000〜数10ppm以下である水系液体中の過
酸化水素濃度を、更に低濃度、例えば1ppm未満、あ
るいは検出されない程度にまで分解することができる。
【0019】本発明の水系液体の処理方法において用い
られる固定化カタラーゼの量は、処理を行う水系液体の
種類や過酸化水素の濃度により異なるので一概に規定で
きないが、所望の量の過酸化水素を所望の時間内に分解
処理するに充分な量であればよい。通常下記に述べる方
法で測定されるカタラーゼ活性量として、処理液中に
0.1〜10000U/mlの範囲であればよく、特に
1〜1000U/mlの範囲が好ましい。
られる固定化カタラーゼの量は、処理を行う水系液体の
種類や過酸化水素の濃度により異なるので一概に規定で
きないが、所望の量の過酸化水素を所望の時間内に分解
処理するに充分な量であればよい。通常下記に述べる方
法で測定されるカタラーゼ活性量として、処理液中に
0.1〜10000U/mlの範囲であればよく、特に
1〜1000U/mlの範囲が好ましい。
【0020】本発明の水系液体の処理方法において、処
理温度、圧力、pH、時間等の処理条件は、処理を行う
水系液体の種類や過酸化水素の濃度により異なるので一
概に規定出来ず、目的に応じて任意に選ぶことが出来
る。例えば処理温度としては0〜100℃の範囲であれ
ばよく、0〜60℃の範囲が望ましく、更に5〜40℃
の範囲が特に望ましい。圧力としては大気圧もしくは減
圧下で行うことが望ましい。pHとしては用いるカタラ
ーゼが活性を有する範囲で行うことが出来、例えばpH
2〜12の範囲であればよく、pH4〜12の範囲が望
ましい。
理温度、圧力、pH、時間等の処理条件は、処理を行う
水系液体の種類や過酸化水素の濃度により異なるので一
概に規定出来ず、目的に応じて任意に選ぶことが出来
る。例えば処理温度としては0〜100℃の範囲であれ
ばよく、0〜60℃の範囲が望ましく、更に5〜40℃
の範囲が特に望ましい。圧力としては大気圧もしくは減
圧下で行うことが望ましい。pHとしては用いるカタラ
ーゼが活性を有する範囲で行うことが出来、例えばpH
2〜12の範囲であればよく、pH4〜12の範囲が望
ましい。
【0021】処理時間としては固定化カタラーゼをカラ
ム等に充填して固定床として用い、被処理水系液体を通
液あるいは固定化カタラーゼを該液体中に浸積して処理
する場合、固定化カタラーゼをシートまたはフィルム状
に成形し、被処理水系液体中に浸積させるなどの方法で
接触させる場合、あるいは膜状担体にカタラーゼを固定
化したものに被処理水系液体を透過させるなどの方法で
接触させる場合には、カタラーゼ活性が低下してそのま
ま継続使用することが経済上好ましくなくなる時間まで
なら如何なる時間であってもよく、数週間から数カ月使
用でき、場合によっては1年以上使用することもできる
と考えられる。
ム等に充填して固定床として用い、被処理水系液体を通
液あるいは固定化カタラーゼを該液体中に浸積して処理
する場合、固定化カタラーゼをシートまたはフィルム状
に成形し、被処理水系液体中に浸積させるなどの方法で
接触させる場合、あるいは膜状担体にカタラーゼを固定
化したものに被処理水系液体を透過させるなどの方法で
接触させる場合には、カタラーゼ活性が低下してそのま
ま継続使用することが経済上好ましくなくなる時間まで
なら如何なる時間であってもよく、数週間から数カ月使
用でき、場合によっては1年以上使用することもできる
と考えられる。
【0022】一方、固定化カタラーゼを、被処理水系液
体中に自然または強制的に浮遊または懸濁させて用いる
場合には、1分から一昼夜程度の範囲が好ましく用いら
れ、5分から数時間の範囲が特に望ましい。この場合は
いわゆるバッチ式処理となり、一回の処理を行った後、
ろ過、遠心分離、ろ過膜による分離などの方法で固定化
カタラーゼを回収し、回収した固定化カタラーゼを新た
な被処理水系液体中に浮遊または懸濁させて再使用する
ことができる。このようにして回収された固定化カタラ
ーゼはカタラーゼ活性が経済性などの理由から実用的使
用に耐えられなくなるまで何度でも繰り返し使用でき
る。
体中に自然または強制的に浮遊または懸濁させて用いる
場合には、1分から一昼夜程度の範囲が好ましく用いら
れ、5分から数時間の範囲が特に望ましい。この場合は
いわゆるバッチ式処理となり、一回の処理を行った後、
ろ過、遠心分離、ろ過膜による分離などの方法で固定化
カタラーゼを回収し、回収した固定化カタラーゼを新た
な被処理水系液体中に浮遊または懸濁させて再使用する
ことができる。このようにして回収された固定化カタラ
ーゼはカタラーゼ活性が経済性などの理由から実用的使
用に耐えられなくなるまで何度でも繰り返し使用でき
る。
【0023】また、ろ過膜を隔てて一方の液層中に、固
定化カタラーゼを保有ないしは流通させ、他方の液層に
被処理水系溶媒を保有ないしは流通させて、過酸化水素
を分解処理する場合には、上記の固定化カタラーゼを固
定床として用いる方法あるいは浮遊または懸濁させて用
いる場合に示した処理時間に相当する時間を処理時間と
することができる。
定化カタラーゼを保有ないしは流通させ、他方の液層に
被処理水系溶媒を保有ないしは流通させて、過酸化水素
を分解処理する場合には、上記の固定化カタラーゼを固
定床として用いる方法あるいは浮遊または懸濁させて用
いる場合に示した処理時間に相当する時間を処理時間と
することができる。
【0024】本発明において、カタラーゼ活性の測定
は、pH7.0,25℃で反応させ、残存する過酸化水
素をチオ硫酸ナトリウムで滴定する方法に従った(小崎
道雄監修「酵素利用ハンドブック(昭和60年版)」、
地人書館、p.404 〜410.;1Uは1分間に1μmolの
過酸化水素を分解する酵素量とした)。
は、pH7.0,25℃で反応させ、残存する過酸化水
素をチオ硫酸ナトリウムで滴定する方法に従った(小崎
道雄監修「酵素利用ハンドブック(昭和60年版)」、
地人書館、p.404 〜410.;1Uは1分間に1μmolの
過酸化水素を分解する酵素量とした)。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお本発明は実施例に限定されるものではな
い。
説明する。なお本発明は実施例に限定されるものではな
い。
【0026】実施例1:カタラーゼの調製 5リットルジャーファーメンターに下記組成培地2リッ
トルを入れ、121℃で、20分間滅菌した後、あらか
じめ2本の24mmφ試験管でScheafferの寒
天斜面培地に生育させたバチルス・ズブチリス(Bacill
us subtilis )IAM1026株(東京大学応用微生物
研究所(現分子細胞生物学研究所)より譲渡を受けた)
の菌体全量を該ジャーファーメンターに植菌し、pH
7.0、30℃、通気量1リットル/min、および
1,000rpmの条件下で40時間培養した。なおグ
ルコースおよびアンモニア水を適宜添加し、過酸化水素
を培養途中に70ppm添加した。
トルを入れ、121℃で、20分間滅菌した後、あらか
じめ2本の24mmφ試験管でScheafferの寒
天斜面培地に生育させたバチルス・ズブチリス(Bacill
us subtilis )IAM1026株(東京大学応用微生物
研究所(現分子細胞生物学研究所)より譲渡を受けた)
の菌体全量を該ジャーファーメンターに植菌し、pH
7.0、30℃、通気量1リットル/min、および
1,000rpmの条件下で40時間培養した。なおグ
ルコースおよびアンモニア水を適宜添加し、過酸化水素
を培養途中に70ppm添加した。
【0027】 培地組成 グルコース 3.0 % ペプトン 0.5 % 酵母エキス 0.2 % リン酸二水素ナトリウム・2水和物 0.57% リン酸水素二カリウム 0.61% 硫酸アンモニウム 0.3 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.3 % Fe、Mn、Zn、Cu、Co、Mo、Bを含む無機塩類が 各々0.3〜20ppm
【0028】培養終了後、遠心分離により菌体を回収
し、20%湿菌体量/全重量になるように50mMリン
酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、リゾチームを300
ppmとなるように添加し、30℃で、1時間溶菌させ
た。次にケイソウ土を用いたろ過処理の後、濾液を更に
除菌膜で除菌し、次いで分画分子量6,000の限外ろ
過膜で濃縮し、5℃でのカタラーゼ活性が30℃におけ
るカタラーゼ活性の85%以上の値を示す、低温で高い
活性を有するカタラーの水溶液を調製した。当該カタラ
ーゼ水溶液の比活性はおおよそ50000U/mlであ
った。本カタラーゼの特徴については先の出願(特願平
6−86745)に記載されているが、図1に示すよう
にpH7で測定した場合、0〜30℃に至適温度を有す
る。またこのカタラーゼの至適pHは図2に示す通りp
H7〜10の範囲にある。またSDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法により求めたこのカタラーゼの分子量
は65000±3000である。
し、20%湿菌体量/全重量になるように50mMリン
酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、リゾチームを300
ppmとなるように添加し、30℃で、1時間溶菌させ
た。次にケイソウ土を用いたろ過処理の後、濾液を更に
除菌膜で除菌し、次いで分画分子量6,000の限外ろ
過膜で濃縮し、5℃でのカタラーゼ活性が30℃におけ
るカタラーゼ活性の85%以上の値を示す、低温で高い
活性を有するカタラーの水溶液を調製した。当該カタラ
ーゼ水溶液の比活性はおおよそ50000U/mlであ
った。本カタラーゼの特徴については先の出願(特願平
6−86745)に記載されているが、図1に示すよう
にpH7で測定した場合、0〜30℃に至適温度を有す
る。またこのカタラーゼの至適pHは図2に示す通りp
H7〜10の範囲にある。またSDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法により求めたこのカタラーゼの分子量
は65000±3000である。
【0029】実施例2:カタラーゼの固定化(架橋法) 実施例1で調製したカタラーゼ水溶液を、pH7.0の
リン酸バッファーで平衡化されたキトパールBCW−3
010およびBCW−3510(富士紡績製)100m
lに吸着させ、さらに公知の方法に従い2.5%グルタ
ルアルデヒド溶液で架橋処理して、固定化カタラーゼを
得た。この架橋法による固定化カタラーゼは、それぞれ
2000U/ml、2200U/mlのカタラーゼ活性
を有していた。
リン酸バッファーで平衡化されたキトパールBCW−3
010およびBCW−3510(富士紡績製)100m
lに吸着させ、さらに公知の方法に従い2.5%グルタ
ルアルデヒド溶液で架橋処理して、固定化カタラーゼを
得た。この架橋法による固定化カタラーゼは、それぞれ
2000U/ml、2200U/mlのカタラーゼ活性
を有していた。
【0030】実施例3:カタラーゼの固定化(活性化
法) pH7.0のリン酸バッファーで平衡化されたキトパー
ルBCW−3010およびBCW−3510(富士紡績
製)100mlを2.5%グルタルアルデヒド溶液で2
時間振とう処理した。さらに実施例1で調製したカタラ
ーゼ水溶液を加えて固定化し、固定化カタラーゼを得
た。この活性化法による固定化カタラーゼは、それぞれ
1700U/ml、1800U/mlのカタラーゼ活性
を有していた。
法) pH7.0のリン酸バッファーで平衡化されたキトパー
ルBCW−3010およびBCW−3510(富士紡績
製)100mlを2.5%グルタルアルデヒド溶液で2
時間振とう処理した。さらに実施例1で調製したカタラ
ーゼ水溶液を加えて固定化し、固定化カタラーゼを得
た。この活性化法による固定化カタラーゼは、それぞれ
1700U/ml、1800U/mlのカタラーゼ活性
を有していた。
【0031】比較例1:カタラーゼの固定化(吸着法) pH7.0のリン酸バッファーで平衡化されたキトパー
ルBCW−3010およびBCW−3510(富士紡績
製)100mlに実施例1で調製したカタラーゼ水溶液
を吸着させ、固定化カタラーゼを得た。グルタルアルデ
ヒドによる架橋処理は行わなかった。この吸着法による
固定化カタラーゼは、それぞれ2800U/ml、30
00U/mlのカタラーゼ活性を有していた。
ルBCW−3010およびBCW−3510(富士紡績
製)100mlに実施例1で調製したカタラーゼ水溶液
を吸着させ、固定化カタラーゼを得た。グルタルアルデ
ヒドによる架橋処理は行わなかった。この吸着法による
固定化カタラーゼは、それぞれ2800U/ml、30
00U/mlのカタラーゼ活性を有していた。
【0032】実施例4:熱安定性の測定 実施例1で得られたカタラーゼ水溶液および実施例2で
得られたBCW−3510を担体とする固定化カタラー
ゼを用いて、それぞれ200U/mlの希釈液を調製
し、20、30、40、50または60℃のいずれかの
温度においてpH7.0で30分間保持した後、残存活
性を測定した。30℃の場合を100として計算した相
対値を表1に示す。固定化カタラーゼは安定な温度域が
拡大した。
得られたBCW−3510を担体とする固定化カタラー
ゼを用いて、それぞれ200U/mlの希釈液を調製
し、20、30、40、50または60℃のいずれかの
温度においてpH7.0で30分間保持した後、残存活
性を測定した。30℃の場合を100として計算した相
対値を表1に示す。固定化カタラーゼは安定な温度域が
拡大した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例5:pH安定性の測定 実施例4で得られた2種類のカタラーゼ希釈液(200
U/ml)をpH4、5、6、7、8、9、10、1
1、11.5または12のいずれかのpHにおいて30
℃で30分間保持した後、残存活性を測定した。pH7
の場合を100として計算した相対値を表2に示す。固
定化カタラーゼは安定なpH域が拡大した。
U/ml)をpH4、5、6、7、8、9、10、1
1、11.5または12のいずれかのpHにおいて30
℃で30分間保持した後、残存活性を測定した。pH7
の場合を100として計算した相対値を表2に示す。固
定化カタラーゼは安定なpH域が拡大した。
【0035】
【表2】
【0036】実施例6:重合体製造工程由来の過酸化水
素含有液体の処理 5lのセパラブルフラスコ中の部分ケン化PVA(PA
−10;日本合成化学製)の3.5%水溶液2280g
に35%過酸化水素57gを添加し、加熱還流状態で下
記組成のモノマー水溶液1644gを2時間かけて滴下
した。 モノマー水溶液の組成 アクリルアミド 30.2% 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 7.8% メチルメタクリレート 1.9% アクリル酸(95%) 4.1% 脱イオン水 56.0%
素含有液体の処理 5lのセパラブルフラスコ中の部分ケン化PVA(PA
−10;日本合成化学製)の3.5%水溶液2280g
に35%過酸化水素57gを添加し、加熱還流状態で下
記組成のモノマー水溶液1644gを2時間かけて滴下
した。 モノマー水溶液の組成 アクリルアミド 30.2% 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 7.8% メチルメタクリレート 1.9% アクリル酸(95%) 4.1% 脱イオン水 56.0%
【0037】滴下終了1時間後に、過酸化水素の1.7
5%水溶液20gを加え、さらに3時間加熱還流を続け
た。冷却後、28%アンモニア水でpH6.0にした。
得られたポリマー水溶液(ポリマーを20%含む)の粘
度(B型回転粘度計)は468cP(20℃)、残存過
酸化水素濃度は12000ppmであった。ポリマー溶
液に対して3U/mlの濃度になるように、BCW−3
510を用いて実施例3で得られた固定化カタラーゼを
添加し、室温にて2時間撹拌した。2時間処理後の液中
の過酸化水素は10ppm以下になった。一方、ポリマ
ー溶液に対して、実施例1で得られた固定化していない
カタラーゼ水溶液を、同じ酵素濃度になるようにポリマ
ー溶液に添加し、同様の処理を行った。2時間後の処理
液には1100ppmの過酸化水素濃度が未分解で残っ
た。
5%水溶液20gを加え、さらに3時間加熱還流を続け
た。冷却後、28%アンモニア水でpH6.0にした。
得られたポリマー水溶液(ポリマーを20%含む)の粘
度(B型回転粘度計)は468cP(20℃)、残存過
酸化水素濃度は12000ppmであった。ポリマー溶
液に対して3U/mlの濃度になるように、BCW−3
510を用いて実施例3で得られた固定化カタラーゼを
添加し、室温にて2時間撹拌した。2時間処理後の液中
の過酸化水素は10ppm以下になった。一方、ポリマ
ー溶液に対して、実施例1で得られた固定化していない
カタラーゼ水溶液を、同じ酵素濃度になるようにポリマ
ー溶液に添加し、同様の処理を行った。2時間後の処理
液には1100ppmの過酸化水素濃度が未分解で残っ
た。
【0038】実施例7:有機化合物の製造工程由来の過
酸化水素含有溶液の処理 リンタングステン触媒存在下、10%過酸化水素含有水
溶液中でアリルアルコールを40℃で3時間反応させ、
エポキシ化物(グリシドール)を得る合成反応後の液
(残存過酸化水素1000ppm、リンタングステン酸
10ppmを含有し、pH=6である)を用いて、固定
化カタラーゼを10U/mlの濃度で添加し、40℃で
20分撹拌して分解処理した。処理後、固定化カタラー
ゼは補集し、水洗いした。このようにして回収した固定
化カタラーゼを14回まで繰り返し使用し、各処理液に
残存する過酸化水素濃度を測定した。本発明の固定化カ
タラーゼを使用した場合には、後の蒸留工程で問題なく
グリシドールの分離が行われた。
酸化水素含有溶液の処理 リンタングステン触媒存在下、10%過酸化水素含有水
溶液中でアリルアルコールを40℃で3時間反応させ、
エポキシ化物(グリシドール)を得る合成反応後の液
(残存過酸化水素1000ppm、リンタングステン酸
10ppmを含有し、pH=6である)を用いて、固定
化カタラーゼを10U/mlの濃度で添加し、40℃で
20分撹拌して分解処理した。処理後、固定化カタラー
ゼは補集し、水洗いした。このようにして回収した固定
化カタラーゼを14回まで繰り返し使用し、各処理液に
残存する過酸化水素濃度を測定した。本発明の固定化カ
タラーゼを使用した場合には、後の蒸留工程で問題なく
グリシドールの分離が行われた。
【0039】
【表3】
【0040】実施例8:排水処理試験(半導体製造工程
排水) 実施例2、3および比較例1、2で得られた固定化カタ
ラーゼを総活性で20万U相当量をガラスカラムに充填
し、半導体製造工程の排水(過酸化水素200ppm、
フッ素イオン2000ppm、銅,鉄、アルミニウムイ
オン各20ppmを含み、pH=6である)をSV=
2.0(1/h)の流速で、室温(25℃)または5℃
の異なる水温にして通液し、通液開始1時間後の処理水
中の過酸化水素濃度を測定した。また同様にして24時
間、1週間及び2週間連続通液した場合の処理水中の過
酸化水素の残存濃度を測定した。結果を表4に示した。
排水) 実施例2、3および比較例1、2で得られた固定化カタ
ラーゼを総活性で20万U相当量をガラスカラムに充填
し、半導体製造工程の排水(過酸化水素200ppm、
フッ素イオン2000ppm、銅,鉄、アルミニウムイ
オン各20ppmを含み、pH=6である)をSV=
2.0(1/h)の流速で、室温(25℃)または5℃
の異なる水温にして通液し、通液開始1時間後の処理水
中の過酸化水素濃度を測定した。また同様にして24時
間、1週間及び2週間連続通液した場合の処理水中の過
酸化水素の残存濃度を測定した。結果を表4に示した。
【0041】
【表4】
【0042】実施例9:排水処理試験(繊維漂白工程排
水) 過酸化水素を用いて繊維を95℃で40分漂白した後、
繊維を水洗した洗浄液を入れた槽(過酸化水素500p
pmを含み、pH=10である)に実施例2、3および
比較例1、2で調製した固定化カタラーゼを5U/ml
の濃度になるように添加し、洗浄液中の過酸化水素を4
0℃で20分分解処理した。処理後、固定化カタラーゼ
は補集し、水洗した。さらに別の未処理槽に添加し、同
様に過酸化水素の分解処理を行った。このようにして、
回収した固定化カタラーゼを14回繰り返し使用した。
1回目、2回目、7回目及び14回目の処理水に残存す
る過酸化水素濃度を測定した。結果を表5に示した。
水) 過酸化水素を用いて繊維を95℃で40分漂白した後、
繊維を水洗した洗浄液を入れた槽(過酸化水素500p
pmを含み、pH=10である)に実施例2、3および
比較例1、2で調製した固定化カタラーゼを5U/ml
の濃度になるように添加し、洗浄液中の過酸化水素を4
0℃で20分分解処理した。処理後、固定化カタラーゼ
は補集し、水洗した。さらに別の未処理槽に添加し、同
様に過酸化水素の分解処理を行った。このようにして、
回収した固定化カタラーゼを14回繰り返し使用した。
1回目、2回目、7回目及び14回目の処理水に残存す
る過酸化水素濃度を測定した。結果を表5に示した。
【0043】
【表5】
【0044】実施例10:排水処理試験(染料の脱色工
程排水) 染色工場のフタロシアニン染料による染色後の排水(過
酸化水素800ppm、鉄イオン300ppmを含有
し、pH=4である)に実施例2、3および比較例1、
2で調製した固定化カタラーゼを5U/mlの濃度で添
加し、35℃で20分撹拌して排水中の過酸化水素を分
解した。処理後、固定化カタラーゼを回収し、水洗し
た。実施例7と同様に、処理を14回繰り返した場合の
1回目、2回目、7回目及び14回目の処理排水に残存
する過酸化水素濃度を測定した。結果を表6に示した。
程排水) 染色工場のフタロシアニン染料による染色後の排水(過
酸化水素800ppm、鉄イオン300ppmを含有
し、pH=4である)に実施例2、3および比較例1、
2で調製した固定化カタラーゼを5U/mlの濃度で添
加し、35℃で20分撹拌して排水中の過酸化水素を分
解した。処理後、固定化カタラーゼを回収し、水洗し
た。実施例7と同様に、処理を14回繰り返した場合の
1回目、2回目、7回目及び14回目の処理排水に残存
する過酸化水素濃度を測定した。結果を表6に示した。
【0045】
【表6】
【0046】実施例11:カタラーゼ固定化膜による処
理 日東電工製ミニメンブレンリアクターNTE−370−
C5Dのキャピラリー内部を1%グルタルアルデヒド水
溶液で2時間含浸させて膜内の官能基を活性化した後、
水洗し、次に実施例1で調製したカタラーゼの水溶液を
2時間循環させて、27万Uのカタラーゼを固定化した
膜を作成した。上記カタラーゼ固定化膜に過酸化水素5
00ppmを含有する水溶液200mlを温度5℃、平
均圧力0.2kgf/cm2 という条件で10分間循環
させた。透過液の過酸化水素濃度が1ppm以下になっ
ているのを確認した後、0.25ml/分の速度で上記
の過酸化水素水溶液を流加しつつ、その流加量に相当す
る量の透過液を循環系外に抜き出し、循環液量を一定と
して連続運転を行った。5℃という低温での処理を7日
間継続後の透過液中の過酸化水素濃度は1ppm以下を
維持した。
理 日東電工製ミニメンブレンリアクターNTE−370−
C5Dのキャピラリー内部を1%グルタルアルデヒド水
溶液で2時間含浸させて膜内の官能基を活性化した後、
水洗し、次に実施例1で調製したカタラーゼの水溶液を
2時間循環させて、27万Uのカタラーゼを固定化した
膜を作成した。上記カタラーゼ固定化膜に過酸化水素5
00ppmを含有する水溶液200mlを温度5℃、平
均圧力0.2kgf/cm2 という条件で10分間循環
させた。透過液の過酸化水素濃度が1ppm以下になっ
ているのを確認した後、0.25ml/分の速度で上記
の過酸化水素水溶液を流加しつつ、その流加量に相当す
る量の透過液を循環系外に抜き出し、循環液量を一定と
して連続運転を行った。5℃という低温での処理を7日
間継続後の透過液中の過酸化水素濃度は1ppm以下を
維持した。
【0047】一方、低温活性でないカタラーゼ(Sig
ma社製、牛肝臓由来)を同様の方法で上記の膜に固定
化し、28万Uのカタラーゼ固定化膜を得た。透過液の
過酸化水素濃度を1ppm以下にした後、循環量一定で
上記と同様に5℃で連続抜き出し運転を行ったが、流加
速度0.25ml/分では抜き出し液の過酸化水素濃度
1ppm以下を維持できず、1ppmを維持するために
は、0.20ml/分に流加速度を下げる必要があっ
た。
ma社製、牛肝臓由来)を同様の方法で上記の膜に固定
化し、28万Uのカタラーゼ固定化膜を得た。透過液の
過酸化水素濃度を1ppm以下にした後、循環量一定で
上記と同様に5℃で連続抜き出し運転を行ったが、流加
速度0.25ml/分では抜き出し液の過酸化水素濃度
1ppm以下を維持できず、1ppmを維持するために
は、0.20ml/分に流加速度を下げる必要があっ
た。
【0048】実施例12:固定化カタラーゼを使用した
膜処理 実施例3で得られたBCW−3510を担体とする固定
化カタラーゼ10mlを過酸化水素200ppmを含有
する水溶液200ml中に添加し、この液を日本ガイシ
製チューブラーセラミックフィルター(内径22mm、
長さ500mm、孔径5μm)内を循環させた。運転条
件は温度25℃、平均圧力は0.5kgf/cm2 とし
た。20分間透過液を全量循環し、透過液中の過酸化水
素濃度が1ppm以下になったことを確認した後、上記
過酸化水素水溶液を0.1ml/分の速度で流加し、そ
の流加量に相当する分の透過液を循環系外へ抜き出し、
循環液量を一定として連続運転を行った。7日間運転後
の透過液中の過酸化水素濃度は1ppm以下を維持して
いた。
膜処理 実施例3で得られたBCW−3510を担体とする固定
化カタラーゼ10mlを過酸化水素200ppmを含有
する水溶液200ml中に添加し、この液を日本ガイシ
製チューブラーセラミックフィルター(内径22mm、
長さ500mm、孔径5μm)内を循環させた。運転条
件は温度25℃、平均圧力は0.5kgf/cm2 とし
た。20分間透過液を全量循環し、透過液中の過酸化水
素濃度が1ppm以下になったことを確認した後、上記
過酸化水素水溶液を0.1ml/分の速度で流加し、そ
の流加量に相当する分の透過液を循環系外へ抜き出し、
循環液量を一定として連続運転を行った。7日間運転後
の透過液中の過酸化水素濃度は1ppm以下を維持して
いた。
【0049】
【発明の効果】本発明における固定化カタラーゼは、1
回の使用のみならず長時間の繰り返し使用においても十
分な活性と安定性を示し、半導体工場の排水,繊維工場
の漂白排水,染料工場の脱色排水,パルプ工場の漂白排
水,過酸化水素により殺菌、脱臭あるいは漂白もしくは
脱色処理を施した排水、過酸化水素を用いて重合した重
合反応由来の液、および有機化合物の製造工程由来など
の過酸化水素含有水系液体中の過酸化水素の処理に有効
であることは明らかである。
回の使用のみならず長時間の繰り返し使用においても十
分な活性と安定性を示し、半導体工場の排水,繊維工場
の漂白排水,染料工場の脱色排水,パルプ工場の漂白排
水,過酸化水素により殺菌、脱臭あるいは漂白もしくは
脱色処理を施した排水、過酸化水素を用いて重合した重
合反応由来の液、および有機化合物の製造工程由来など
の過酸化水素含有水系液体中の過酸化水素の処理に有効
であることは明らかである。
【0050】以上詳細に説明した通り、本発明の固定化
カタラーゼを用いる過酸化水素含有水系液体の処理方法
によれば、固定化カタラーゼが十分な活性と安定性を有
し、長時間の使用や長時間の繰り返し使用が可能であ
り、処理コストの削減が可能である。また、本発明の過
酸化水素含有水系液体の処理方法は、低水温であっても
過酸化水素の分解処理が可能であり、例えば、冬季や寒
冷地でのような低水温における処理であっても、温度を
上げるための特別な工程を必要としない、エネルギー消
費の少ない処理が可能である。また、過酸化水素を用い
る重合反応や有機化合物の製造により得られる重合体も
しくは有機化合物含有水系液体中の過酸化水素を、かか
る重合体もしくは有機化合物あるいはそれらを含有する
液体を変質させずに分解除去することができ、それによ
りかかる重合体もしくは有機化合物を含有する液体製品
の品質を高めることができる。
カタラーゼを用いる過酸化水素含有水系液体の処理方法
によれば、固定化カタラーゼが十分な活性と安定性を有
し、長時間の使用や長時間の繰り返し使用が可能であ
り、処理コストの削減が可能である。また、本発明の過
酸化水素含有水系液体の処理方法は、低水温であっても
過酸化水素の分解処理が可能であり、例えば、冬季や寒
冷地でのような低水温における処理であっても、温度を
上げるための特別な工程を必要としない、エネルギー消
費の少ない処理が可能である。また、過酸化水素を用い
る重合反応や有機化合物の製造により得られる重合体も
しくは有機化合物含有水系液体中の過酸化水素を、かか
る重合体もしくは有機化合物あるいはそれらを含有する
液体を変質させずに分解除去することができ、それによ
りかかる重合体もしくは有機化合物を含有する液体製品
の品質を高めることができる。
【図1】IAM1026株由来のカタラーゼの作用温度
及び至適温度を表すグラフである。
及び至適温度を表すグラフである。
【図2】IAM1026株由来のカタラーゼの作用pH
及び至適pHを表すグラフである。
及び至適pHを表すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 水系液体中に存在する過酸化水素を分解
処理する方法であって、カタラーゼを固定した固定化カ
タラーゼを用いる水系液体の処理方法。 - 【請求項2】 カタラーゼが、pH7において、5℃で
のカタラーゼ活性が30℃におけるカタラーゼ活性の8
5%以上の値を示すカタラ−ゼである請求項1に記載の
水系液体の処理方法。 - 【請求項3】 水系液体が過酸化水素を用いる重合反応
もしくは酸化反応による重合体もしくは有機化合物の製
造工程由来の過酸化水素を含有する液体である請求項1
または2に記載の水系液体の処理方法。 - 【請求項4】 水系液体が過酸化水素を含有する排水で
ある請求項1または2に記載の水系液体の処理方法。 - 【請求項5】 水系液体が、半導体製造工程排水,繊維
の漂白工程排水,染料の脱色工程排水,パルプの漂白工
程排水または過酸化水素により殺菌、脱臭あるいは漂白
もしくは脱色処理を施した排水である請求項1または2
に記載の水系液体の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23365394A JPH0889938A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 過酸化水素含有水系液体の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23365394A JPH0889938A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 過酸化水素含有水系液体の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0889938A true JPH0889938A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=16958424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23365394A Pending JPH0889938A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 過酸化水素含有水系液体の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0889938A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08132063A (ja) * | 1994-11-10 | 1996-05-28 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 過酸化水素含有排水の処理方法 |
JP2007054832A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Samsung Electronics Co Ltd | ナノ粒子生成装置 |
JP2013237944A (ja) * | 2012-05-14 | 2013-11-28 | Chiba Univ | 架橋カタラーゼ固定化繊維および超純水製造装置 |
JP2015009214A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 過酸化水素含有排水処理装置および処理方法 |
WO2016199435A1 (ja) * | 2015-06-11 | 2016-12-15 | 野村マイクロ・サイエンス株式会社 | 超純水製造システム及び超純水製造方法 |
-
1994
- 1994-09-28 JP JP23365394A patent/JPH0889938A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08132063A (ja) * | 1994-11-10 | 1996-05-28 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 過酸化水素含有排水の処理方法 |
JP2007054832A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Samsung Electronics Co Ltd | ナノ粒子生成装置 |
JP4542069B2 (ja) * | 2005-08-23 | 2010-09-08 | 三星電子株式会社 | ナノ粒子生成装置 |
JP2013237944A (ja) * | 2012-05-14 | 2013-11-28 | Chiba Univ | 架橋カタラーゼ固定化繊維および超純水製造装置 |
JP2015009214A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 過酸化水素含有排水処理装置および処理方法 |
WO2016199435A1 (ja) * | 2015-06-11 | 2016-12-15 | 野村マイクロ・サイエンス株式会社 | 超純水製造システム及び超純水製造方法 |
JP2017000970A (ja) * | 2015-06-11 | 2017-01-05 | 野村マイクロ・サイエンス株式会社 | 超純水製造システム及び超純水製造方法 |
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