JPH0877541A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0877541A JPH0877541A JP6211339A JP21133994A JPH0877541A JP H0877541 A JPH0877541 A JP H0877541A JP 6211339 A JP6211339 A JP 6211339A JP 21133994 A JP21133994 A JP 21133994A JP H0877541 A JPH0877541 A JP H0877541A
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- Japan
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- compound
- fluorine
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- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/62—Record carriers characterised by the selection of the material
- G11B5/72—Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction
- G11B5/725—Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction containing a lubricant, e.g. organic compounds
- G11B5/7253—Fluorocarbon lubricant
- G11B5/7257—Perfluoropolyether lubricant
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/62—Record carriers characterised by the selection of the material
- G11B5/72—Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction
- G11B5/726—Two or more protective coatings
- G11B5/7262—Inorganic protective coating
- G11B5/7264—Inorganic carbon protective coating, e.g. graphite, diamond like carbon or doped carbon
- G11B5/7266—Inorganic carbon protective coating, e.g. graphite, diamond like carbon or doped carbon comprising a lubricant over the inorganic carbon coating
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y10S428/90—Magnetic feature
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/31504—Composite [nonstructural laminate]
- Y10T428/3154—Of fluorinated addition polymer from unsaturated monomers
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y10T428/31504—Composite [nonstructural laminate]
- Y10T428/31678—Of metal
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Lubricants (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 走行性、耐久性および保存性に優れた強磁性
金属薄膜型磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に設けた
強磁性金属薄膜からなる磁性層上に直接あるいは磁性層
上に形成した無機保護層に下記一般式(1)もしくは
(2)で示されるリン酸アルキルエステル化合物とアル
キルアミン化合物の塩およびフッ素含有カルボン酸エス
テル化合物からなる表面層を設けた磁気記録媒体であ
る。 【化1】 ただし、R1、R2は同じもしくは互いに相違する2〜2
6の炭化水素基、またはフッ素化炭化水素基、RA、
RB、RC、RDは水素または炭素数26以下の炭化水素
基またはフッ素化炭化水素基、mは1または2である。 【効果】 あらゆる使用条件下で強固な保護膜が得られ
る。
金属薄膜型磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に設けた
強磁性金属薄膜からなる磁性層上に直接あるいは磁性層
上に形成した無機保護層に下記一般式(1)もしくは
(2)で示されるリン酸アルキルエステル化合物とアル
キルアミン化合物の塩およびフッ素含有カルボン酸エス
テル化合物からなる表面層を設けた磁気記録媒体であ
る。 【化1】 ただし、R1、R2は同じもしくは互いに相違する2〜2
6の炭化水素基、またはフッ素化炭化水素基、RA、
RB、RC、RDは水素または炭素数26以下の炭化水素
基またはフッ素化炭化水素基、mは1または2である。 【効果】 あらゆる使用条件下で強固な保護膜が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強磁性金属薄膜を磁性層
とする磁気記録媒体に関し、その保護膜上に存在させる
潤滑剤の構造、組成を特定することにより、特に、走行
性、耐久性および保存性に優れた強磁性金属薄膜型磁気
記録媒体を製造することに関する。
とする磁気記録媒体に関し、その保護膜上に存在させる
潤滑剤の構造、組成を特定することにより、特に、走行
性、耐久性および保存性に優れた強磁性金属薄膜型磁気
記録媒体を製造することに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、フロッピーディスク等の磁
気記録媒体においては、潤滑剤を磁性層表面に塗布する
ことによって、磁気記録媒体とヘッドとの間の潤滑性お
よび走行耐久性を改善することが行われている。特に、
磁気記録媒体では記録の高密度化により磁性層表面はよ
り平滑になり、また磁気記録媒体は様々な環境で使用さ
れ、かつ記録された情報は数年から数十年にわたって保
存される。そのため多様な環境下での走行耐久性および
保存安定性が要求されており、従来の潤滑剤では十分な
効果を発揮し得なくなっている。更に、カムコーダすな
わちカメラ一体型ビデオテープレコーダや8ミリビデオ
のような小型のビデオテープレコーダは戸外で使用され
ることが多く、磁気記録媒体には幅広い環境条件での使
用に耐える性能が必要とされている。
気記録媒体においては、潤滑剤を磁性層表面に塗布する
ことによって、磁気記録媒体とヘッドとの間の潤滑性お
よび走行耐久性を改善することが行われている。特に、
磁気記録媒体では記録の高密度化により磁性層表面はよ
り平滑になり、また磁気記録媒体は様々な環境で使用さ
れ、かつ記録された情報は数年から数十年にわたって保
存される。そのため多様な環境下での走行耐久性および
保存安定性が要求されており、従来の潤滑剤では十分な
効果を発揮し得なくなっている。更に、カムコーダすな
わちカメラ一体型ビデオテープレコーダや8ミリビデオ
のような小型のビデオテープレコーダは戸外で使用され
ることが多く、磁気記録媒体には幅広い環境条件での使
用に耐える性能が必要とされている。
【0003】また、テレビジョンの今後の高品位化、デ
ィジタル化等に対応したビデオテープや磁気ディスクへ
の磁気記録密度向上のために、高密度記録に有利であり
強磁性金属薄膜を磁性層とする金属薄膜型磁気記録媒体
が期待されているが、磁性層が極く薄い金属の酸化層で
のみ保護されているのみであるので、強磁性金属薄膜型
磁気記録媒体にあっては、走行性や耐久性を保証するだ
けではなく、保存性をも大幅に向上できる潤滑層用素材
の提供が求められている。とくに、強磁性金属薄膜型磁
気記録媒体にあっては、より高密度記録化を可能にする
ために、表面を平滑化し、磁性層の組成をCoNi−O
系からCo−O系やCo−Oを含むCo−Fe等のCo
を主体とした高Bm化 の方向に改良が行われているが、
これらのコバルトの含有割合の多いものでは安定な走行
性、耐久性、耐食性を得ることが困難であった。金属薄
膜型磁気記録媒体用の潤滑剤として、さまざまな構造の
潤滑性能に優れた炭化水素系、フッ素系の潤滑剤が検討
されており、とくに分子内に親水性官能基を有する有機
フッ素化合物は、走行耐久性を大幅に改善することがで
きることが知られている。ところが、特性の優れた潤滑
剤を使用しても電磁変換特性を改善した平滑な金属薄膜
型の磁気記録媒体においては、繰り返し摺動により磁性
層上に付着した潤滑剤が徐々に失われ、特性が劣化する
という問題があった。
ィジタル化等に対応したビデオテープや磁気ディスクへ
の磁気記録密度向上のために、高密度記録に有利であり
強磁性金属薄膜を磁性層とする金属薄膜型磁気記録媒体
が期待されているが、磁性層が極く薄い金属の酸化層で
のみ保護されているのみであるので、強磁性金属薄膜型
磁気記録媒体にあっては、走行性や耐久性を保証するだ
けではなく、保存性をも大幅に向上できる潤滑層用素材
の提供が求められている。とくに、強磁性金属薄膜型磁
気記録媒体にあっては、より高密度記録化を可能にする
ために、表面を平滑化し、磁性層の組成をCoNi−O
系からCo−O系やCo−Oを含むCo−Fe等のCo
を主体とした高Bm化 の方向に改良が行われているが、
これらのコバルトの含有割合の多いものでは安定な走行
性、耐久性、耐食性を得ることが困難であった。金属薄
膜型磁気記録媒体用の潤滑剤として、さまざまな構造の
潤滑性能に優れた炭化水素系、フッ素系の潤滑剤が検討
されており、とくに分子内に親水性官能基を有する有機
フッ素化合物は、走行耐久性を大幅に改善することがで
きることが知られている。ところが、特性の優れた潤滑
剤を使用しても電磁変換特性を改善した平滑な金属薄膜
型の磁気記録媒体においては、繰り返し摺動により磁性
層上に付着した潤滑剤が徐々に失われ、特性が劣化する
という問題があった。
【0004】そこで、分子内に各種の極性基を有する潤
滑剤を使用することによって、特性を改善することが行
われている。例えば、カルボン酸、エステル、燐酸エス
テル等が特開昭59−119537号公報や特公平4−
50644号公報等に、カルボン酸のアルキルアミン塩
やホスホン酸のアルキルアミン塩が特開平4−2740
17号公報や特開平4−372716号公報に記載され
ているが、低温での繰り返し走行耐久性に乏しいという
問題があった。そこで2種類以上の潤滑剤を併用して、
特性を向上させようとする検討も数多くなされてきた。
また、カルボン酸とフッ素含有エステルを併用すること
が特開昭62−141625号公報に記載されており、
それぞれの潤滑剤を単独で使用した場合に比べ低温での
繰り返し走行耐久性を著しく向上させることができる
が、耐食性、特に高温高湿環境下での保存性が乏しいと
いう問題があった。さらに、特開平4−205712号
公報には2種類の潤滑剤からなる層を形成して、磁性層
側及びバックコート層側の潤滑剤の量を規定する方法が
提案されているがこの方法によっても充分な潤滑性は得
られていない。
滑剤を使用することによって、特性を改善することが行
われている。例えば、カルボン酸、エステル、燐酸エス
テル等が特開昭59−119537号公報や特公平4−
50644号公報等に、カルボン酸のアルキルアミン塩
やホスホン酸のアルキルアミン塩が特開平4−2740
17号公報や特開平4−372716号公報に記載され
ているが、低温での繰り返し走行耐久性に乏しいという
問題があった。そこで2種類以上の潤滑剤を併用して、
特性を向上させようとする検討も数多くなされてきた。
また、カルボン酸とフッ素含有エステルを併用すること
が特開昭62−141625号公報に記載されており、
それぞれの潤滑剤を単独で使用した場合に比べ低温での
繰り返し走行耐久性を著しく向上させることができる
が、耐食性、特に高温高湿環境下での保存性が乏しいと
いう問題があった。さらに、特開平4−205712号
公報には2種類の潤滑剤からなる層を形成して、磁性層
側及びバックコート層側の潤滑剤の量を規定する方法が
提案されているがこの方法によっても充分な潤滑性は得
られていない。
【0005】また、磁気記録媒体の磁性層を形成した面
とは逆の面に設けたバックコート層に潤滑剤を付与し、
摺動によって失われる磁性層面の潤滑剤を随時バックコ
ート層から供給する方法が、特開昭57−29767号
公報、特開昭58−188326号公報、特開昭60−
63711号公報、特開昭60−63712号公報、特
開昭62−209718号公報、特開平1−21121
5号公報等に記載されている。このような塗布方法によ
って繰り返し走行耐久性が改善されるものの、バックコ
ート層側にのみ潤滑剤を塗布した場合には、耐久性の確
保が困難であり、バックコート層と磁性層の両者に塗布
した場合には、磁性層上に潤滑剤が過剰に存在してしま
い静止摩擦係数が上昇して貼り付きを生じる等の問題が
あった。
とは逆の面に設けたバックコート層に潤滑剤を付与し、
摺動によって失われる磁性層面の潤滑剤を随時バックコ
ート層から供給する方法が、特開昭57−29767号
公報、特開昭58−188326号公報、特開昭60−
63711号公報、特開昭60−63712号公報、特
開昭62−209718号公報、特開平1−21121
5号公報等に記載されている。このような塗布方法によ
って繰り返し走行耐久性が改善されるものの、バックコ
ート層側にのみ潤滑剤を塗布した場合には、耐久性の確
保が困難であり、バックコート層と磁性層の両者に塗布
した場合には、磁性層上に潤滑剤が過剰に存在してしま
い静止摩擦係数が上昇して貼り付きを生じる等の問題が
あった。
【0006】強磁性金属薄膜を磁性層とする磁気記録媒
体の実用上の問題点である耐食性の面でも、分子内に極
性基を有するフッ素系潤滑剤のみでは不充分であり、防
錆剤の併用などが提案されているが、一般に知られてい
る潤滑剤と防錆剤の併用では耐食性の確保が困難であっ
た。
体の実用上の問題点である耐食性の面でも、分子内に極
性基を有するフッ素系潤滑剤のみでは不充分であり、防
錆剤の併用などが提案されているが、一般に知られてい
る潤滑剤と防錆剤の併用では耐食性の確保が困難であっ
た。
【0007】そこで近年は磁気ディスクのみならず磁気
テープにおいても磁性層上に保護膜を設けて耐久性、耐
食性を改善する試みがなされている。なかでもダイヤモ
ンド状炭素膜に代表される炭素膜は高硬度であり、さら
にあらゆる環境において摺動部材に焼き付き難いため、
最も注目されている保護膜である。しかしこの様な炭素
保護膜においても、炭素保護膜のみでは繰り返し摺動に
よって摩擦係数が上昇し、膜破断を生じてしまう。そこ
で保護膜上に極性基を有する潤滑剤を塗布する方法が一
般的である。例えば特開平5−151559号公報では
炭素保護膜上に長鎖アルキルシラン化合物を付与した磁
気記録媒体が示されている。しかし、低温低湿環境では
長鎖アルキルシラン化合物だけでは潤滑性能が不足し、
摩擦係数の上昇による保護膜の膜破断を生じやすかっ
た。
テープにおいても磁性層上に保護膜を設けて耐久性、耐
食性を改善する試みがなされている。なかでもダイヤモ
ンド状炭素膜に代表される炭素膜は高硬度であり、さら
にあらゆる環境において摺動部材に焼き付き難いため、
最も注目されている保護膜である。しかしこの様な炭素
保護膜においても、炭素保護膜のみでは繰り返し摺動に
よって摩擦係数が上昇し、膜破断を生じてしまう。そこ
で保護膜上に極性基を有する潤滑剤を塗布する方法が一
般的である。例えば特開平5−151559号公報では
炭素保護膜上に長鎖アルキルシラン化合物を付与した磁
気記録媒体が示されている。しかし、低温低湿環境では
長鎖アルキルシラン化合物だけでは潤滑性能が不足し、
摩擦係数の上昇による保護膜の膜破断を生じやすかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、摩擦係数が
低く安定しており、スチル耐久性及び繰り返し走行耐久
性に優れるとともに、特に高密度の磁気記録が可能な耐
食性に優れた磁気記録媒体を提供するものである。
低く安定しており、スチル耐久性及び繰り返し走行耐久
性に優れるとともに、特に高密度の磁気記録が可能な耐
食性に優れた磁気記録媒体を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の課題は、
非磁性支持体の少なくとも一方の面上に強磁性金属薄膜
からなる磁性層と、あるいは更にその上に積層された無
機保護膜を有する磁気記録媒体において、リン酸アルキ
ルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩、および
フッ素含有カルボン酸エステル化合物が存在する表面層
を有する磁気記録媒体により達成される。本発明の磁気
記録媒体にあって、リン酸アルキルエステル化合物とア
ルキルアミン化合物の塩は炭素等の保護膜に吸着し易
く、分子内にリン酸基を有するので厳しい摺動条件では
極圧潤滑を行うものと考えられ、耐久性と耐食性を改善
することができる。さらにリン酸アルキルエステル化合
物を使用する場合に比べ、高温高湿環境に保存した後の
走行耐久性の劣化が少なく、高い信頼性を得ることがで
きる。これはリン酸アルキルエステル化合物が高温高湿
下で加水分解を受けたとしても、アルキルアミン化合物
が分解されずに、潤滑に寄与するためと考えられる。そ
して、前記フッ素含有カルボン酸エステルを併用するこ
とにより、リン酸アルキルエステル化合物とアルキルア
ミン化合物の塩の吸着膜上の非吸着分子の挙動による流
体潤滑性を得ることができる。この効果は低温、低湿環
境で特に顕著に現れる。
非磁性支持体の少なくとも一方の面上に強磁性金属薄膜
からなる磁性層と、あるいは更にその上に積層された無
機保護膜を有する磁気記録媒体において、リン酸アルキ
ルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩、および
フッ素含有カルボン酸エステル化合物が存在する表面層
を有する磁気記録媒体により達成される。本発明の磁気
記録媒体にあって、リン酸アルキルエステル化合物とア
ルキルアミン化合物の塩は炭素等の保護膜に吸着し易
く、分子内にリン酸基を有するので厳しい摺動条件では
極圧潤滑を行うものと考えられ、耐久性と耐食性を改善
することができる。さらにリン酸アルキルエステル化合
物を使用する場合に比べ、高温高湿環境に保存した後の
走行耐久性の劣化が少なく、高い信頼性を得ることがで
きる。これはリン酸アルキルエステル化合物が高温高湿
下で加水分解を受けたとしても、アルキルアミン化合物
が分解されずに、潤滑に寄与するためと考えられる。そ
して、前記フッ素含有カルボン酸エステルを併用するこ
とにより、リン酸アルキルエステル化合物とアルキルア
ミン化合物の塩の吸着膜上の非吸着分子の挙動による流
体潤滑性を得ることができる。この効果は低温、低湿環
境で特に顕著に現れる。
【0010】以上のように、本発明の磁気記録媒体にお
いては、リン酸アルキルエステル化合物とアルキルアミ
ン化合物の塩およびフッ素含有カルボン酸エステル化合
物を共に使用することにより、各々を単独で使用するよ
りもその利点を充分に発揮できるのである。そして、両
者単独の特性からは予期できないほどスチル耐久性や繰
り返し走行耐久性などを大きく向上させることができる
点に本発明の大きな特徴がある。
いては、リン酸アルキルエステル化合物とアルキルアミ
ン化合物の塩およびフッ素含有カルボン酸エステル化合
物を共に使用することにより、各々を単独で使用するよ
りもその利点を充分に発揮できるのである。そして、両
者単独の特性からは予期できないほどスチル耐久性や繰
り返し走行耐久性などを大きく向上させることができる
点に本発明の大きな特徴がある。
【0011】本発明の磁気記録媒体においては、さらに
磁性層が設けられた面とは反対側の面にバックコート層
を設けて、そのバックコート層中もしくはその表面上に
前記フッ素含有カルボン酸エステルを存在させることに
より、媒体表面と磁気ヘッドやガイドポールの摺動によ
り徐々に消失してゆく潤滑剤をテープ状媒体を巻き取っ
た際にバックコートから潤滑剤を転写することにより補
充することができるので、繰り返し走行耐久性を優れた
ものにすることができるのである。従って、本発明の磁
気記録媒体はテープ状の媒体であるとその特徴を効果的
に利用することができる。さらに本発明を構成するリン
酸アルキルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩
およびフッ素含有カルボン酸エステルが次の構造である
場合、特に優れた走行耐久性と耐食性を達成することが
できるのである。
磁性層が設けられた面とは反対側の面にバックコート層
を設けて、そのバックコート層中もしくはその表面上に
前記フッ素含有カルボン酸エステルを存在させることに
より、媒体表面と磁気ヘッドやガイドポールの摺動によ
り徐々に消失してゆく潤滑剤をテープ状媒体を巻き取っ
た際にバックコートから潤滑剤を転写することにより補
充することができるので、繰り返し走行耐久性を優れた
ものにすることができるのである。従って、本発明の磁
気記録媒体はテープ状の媒体であるとその特徴を効果的
に利用することができる。さらに本発明を構成するリン
酸アルキルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩
およびフッ素含有カルボン酸エステルが次の構造である
場合、特に優れた走行耐久性と耐食性を達成することが
できるのである。
【0012】
【化2】
【0013】ただし、R1、R2は同じ、もしくは互いに
相違する2〜26の炭化水素基、またはフッ素化炭化水
素基、RA、RB、RC、RDは水素または炭素数26以下
の炭化水素基またはフッ素化炭化水素基、mは1または
2である。一般式(1)または(2)の化合物におい
て、R1、R2の炭素数が、2よりも少ないと充分な耐磨
耗性が得られず、また、揮発性が高くなるため充分な特
性を発揮できない。また、26よりも大きいと溶剤に対
する溶解性が低下したり磁性層あるいは保護膜へ吸着特
性が低下するので好ましくなく、炭素数が6〜20であ
ることがとくに好ましい。また、RA、RB、RC、RDは
水素もしくは炭素数26以下の炭化水素基、フッ素化炭
化水素基であるが、好ましくは20以下である。またこ
れらの炭化水素基は直鎖飽和炭化水素基が望ましいが、
不飽和炭化水素基を含有するものや側鎖、連結基が導入
された枝分かれ構造の炭化水素基であっても良く、一部
または全部の水素原子をフッ素原子で置換したフッ素化
炭化水素基であっても良い。これらは同一である必要は
なく、好ましくはRA、RB、RC、RDのいずれかは炭素
数8〜26の炭化水素基であって、さらに好ましくはそ
の他の炭化水素基が3以下もしくは水素である。mは1
または2であり、好ましくはmは1である。このリン酸
アルキルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩
は、原料となるリン酸アルキルエステル化合物とアルキ
ルアミン化合物を溶解できる溶剤に双方を溶解した後に
溶剤を揮発除去することにより得ることができる。ま
た、アルキルアミン化合物を先ず磁性層面に塗布した後
に、更にその上からリン酸エステル化合物を塗布するこ
とにより磁性層の表面に表面層として存在させることも
できる。炭素数がこれより少ないと、良好な保護効果が
得られず、逆に余り多くなると結晶性が高まり、塗布が
し難くなく潤滑効果が劣化するので好ましくない。
相違する2〜26の炭化水素基、またはフッ素化炭化水
素基、RA、RB、RC、RDは水素または炭素数26以下
の炭化水素基またはフッ素化炭化水素基、mは1または
2である。一般式(1)または(2)の化合物におい
て、R1、R2の炭素数が、2よりも少ないと充分な耐磨
耗性が得られず、また、揮発性が高くなるため充分な特
性を発揮できない。また、26よりも大きいと溶剤に対
する溶解性が低下したり磁性層あるいは保護膜へ吸着特
性が低下するので好ましくなく、炭素数が6〜20であ
ることがとくに好ましい。また、RA、RB、RC、RDは
水素もしくは炭素数26以下の炭化水素基、フッ素化炭
化水素基であるが、好ましくは20以下である。またこ
れらの炭化水素基は直鎖飽和炭化水素基が望ましいが、
不飽和炭化水素基を含有するものや側鎖、連結基が導入
された枝分かれ構造の炭化水素基であっても良く、一部
または全部の水素原子をフッ素原子で置換したフッ素化
炭化水素基であっても良い。これらは同一である必要は
なく、好ましくはRA、RB、RC、RDのいずれかは炭素
数8〜26の炭化水素基であって、さらに好ましくはそ
の他の炭化水素基が3以下もしくは水素である。mは1
または2であり、好ましくはmは1である。このリン酸
アルキルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩
は、原料となるリン酸アルキルエステル化合物とアルキ
ルアミン化合物を溶解できる溶剤に双方を溶解した後に
溶剤を揮発除去することにより得ることができる。ま
た、アルキルアミン化合物を先ず磁性層面に塗布した後
に、更にその上からリン酸エステル化合物を塗布するこ
とにより磁性層の表面に表面層として存在させることも
できる。炭素数がこれより少ないと、良好な保護効果が
得られず、逆に余り多くなると結晶性が高まり、塗布が
し難くなく潤滑効果が劣化するので好ましくない。
【0014】本発明の磁気記録媒体で使用できるリン酸
アルキルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩と
しては、具体的には、 C12H25OPO3H・H3NC18H37 C16H33OPO3H・H3NC18H35 C18H37OPO3H・H3NC12H25 C8H17OPO3H・H3N3C18H37 C8F17(CH2)2OPO3H・H3NC18H37 C16H33OPO3H・H3N(CH2)2C8F17 C12H25OPO3・(H3NC18H37)2 C16H33OPO3・(H3N(CH2)2C8F17)2 C12H25OPO3H・H2N(C18H37)2 C12H25OPO3H・HN(C8H17)3 C12H25OPO3H・N(C8H17)4 (C12H25O)2PO2・H3NC18H37 等をあげることができる。
アルキルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩と
しては、具体的には、 C12H25OPO3H・H3NC18H37 C16H33OPO3H・H3NC18H35 C18H37OPO3H・H3NC12H25 C8H17OPO3H・H3N3C18H37 C8F17(CH2)2OPO3H・H3NC18H37 C16H33OPO3H・H3N(CH2)2C8F17 C12H25OPO3・(H3NC18H37)2 C16H33OPO3・(H3N(CH2)2C8F17)2 C12H25OPO3H・H2N(C18H37)2 C12H25OPO3H・HN(C8H17)3 C12H25OPO3H・N(C8H17)4 (C12H25O)2PO2・H3NC18H37 等をあげることができる。
【0015】一方、リン酸アルキルエステル化合物とア
ルキルアミン化合物の塩と併用するフッ素含有カルボン
酸エステル化合物は、カルボン酸とアルコールのエステ
ルであり、分子内にフッ素原子を含有する化合物であ
る。特に、前記一般式(3)〜(6)で表される分子構
造のものである。ただしR3、R4は同一であっても異な
っていても良く、炭素数8〜26の炭化水素基であっ
て、少なくとも一方はその一部もしくは全部の水素原子
をフッ素原子で置換したフッ素化炭化水素基である。R
5は炭素数8〜26の炭化水素基、R6は炭素数2〜18
の炭化水素基、またはその一部または全部の水素原子を
フッ素原子で置換したフッ素化炭化水素基である。ま
た、R7 は、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキレ
ン基、nは1〜18であり、Rfは、分子量1000〜
3000のパーフルオロポリエーテル基、R8 は、炭素
数8〜28の炭化水素基である。
ルキルアミン化合物の塩と併用するフッ素含有カルボン
酸エステル化合物は、カルボン酸とアルコールのエステ
ルであり、分子内にフッ素原子を含有する化合物であ
る。特に、前記一般式(3)〜(6)で表される分子構
造のものである。ただしR3、R4は同一であっても異な
っていても良く、炭素数8〜26の炭化水素基であっ
て、少なくとも一方はその一部もしくは全部の水素原子
をフッ素原子で置換したフッ素化炭化水素基である。R
5は炭素数8〜26の炭化水素基、R6は炭素数2〜18
の炭化水素基、またはその一部または全部の水素原子を
フッ素原子で置換したフッ素化炭化水素基である。ま
た、R7 は、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキレ
ン基、nは1〜18であり、Rfは、分子量1000〜
3000のパーフルオロポリエーテル基、R8 は、炭素
数8〜28の炭化水素基である。
【0016】以下それぞれのフッ素含有カルボン酸エス
テルについて記述する。一般式(3)の化合物R3−C
OO−R4において、R3、R4は同一であっても異なっ
ていても良い。炭素数8〜26の炭化水素基であって、
その少なくとも一方はその一部もしくは全部の水素原子
をフッ素原子で置換したフッ素化炭化水素基である。炭
素数は好ましくは8〜20、更に好ましくは8〜18で
ある。R3およびR4の炭素数が8よりも少ないと良好
な潤滑性が得られず、また炭素数が余り多くなると結晶
性が高まり均一な塗布ができなくなるので共に好ましく
ない。さらに潤滑剤の揮発性を抑え、良好な潤滑効果を
得るためには分子中の2つの炭素鎖のうち少なくとも一
方は炭素数が10以上のものであることが好ましい、ま
た、R3、R4は飽和炭化水素もしくは飽和フッ素化炭化
水素基が好ましいが、この炭素鎖中に不飽和結合や枝分
かれ構造を有していても良い。これにより融点が低下
し、流体潤滑性が向上することも期待される。
テルについて記述する。一般式(3)の化合物R3−C
OO−R4において、R3、R4は同一であっても異なっ
ていても良い。炭素数8〜26の炭化水素基であって、
その少なくとも一方はその一部もしくは全部の水素原子
をフッ素原子で置換したフッ素化炭化水素基である。炭
素数は好ましくは8〜20、更に好ましくは8〜18で
ある。R3およびR4の炭素数が8よりも少ないと良好
な潤滑性が得られず、また炭素数が余り多くなると結晶
性が高まり均一な塗布ができなくなるので共に好ましく
ない。さらに潤滑剤の揮発性を抑え、良好な潤滑効果を
得るためには分子中の2つの炭素鎖のうち少なくとも一
方は炭素数が10以上のものであることが好ましい、ま
た、R3、R4は飽和炭化水素もしくは飽和フッ素化炭化
水素基が好ましいが、この炭素鎖中に不飽和結合や枝分
かれ構造を有していても良い。これにより融点が低下
し、流体潤滑性が向上することも期待される。
【0017】さらに潤滑剤の揮発性を抑え、良好な潤滑
効果を得るためには分子中の2つの炭素鎖のうち少なく
とも一方は炭素数が10以上のものであることが好まし
い。前記フッ素含有カルボン酸エステルは、具体的には C8F17COOC18H37 C8F17(CH2)2COOC18F37 C17F35COO(CH2)2C8F17 C17F33COO(CH2)2C8F17 C17F31COO(CH2)2C8F17 C8F17(CH2)10COO(CH2)10C8F17 等が挙げられる。
効果を得るためには分子中の2つの炭素鎖のうち少なく
とも一方は炭素数が10以上のものであることが好まし
い。前記フッ素含有カルボン酸エステルは、具体的には C8F17COOC18H37 C8F17(CH2)2COOC18F37 C17F35COO(CH2)2C8F17 C17F33COO(CH2)2C8F17 C17F31COO(CH2)2C8F17 C8F17(CH2)10COO(CH2)10C8F17 等が挙げられる。
【0018】また、一般式(4)の化合物 R5−CO
O−(R7O)n−R6において、R5は炭素数8〜26の
炭化水素基、R6 は炭素数2〜18の炭化水素基、また
はその一部または全部の水素原子をフッ素原子で置換し
たフッ素化炭化水素基、R7は、炭素数1〜4の直鎖ま
たは分岐のアルキレン基、nは1〜18である。この化
合物は一般式(3)の化合物にアルキレンオキシド基を
導入した化合物であり、このアルキレンオキシド基によ
って融点が低下し、塗膜の均一性が向上すると同時に、
低温での走行耐久性を改善する。また一般式(3)の化
合物において炭素鎖に不飽和結合を導入した化合物はこ
の一般式(4)の化合物と同様に低温での耐久性を改善
するが、それに比べ一般式(4)の化合物は加水分解を
受け難く、保存性が良好なことが特徴である。
O−(R7O)n−R6において、R5は炭素数8〜26の
炭化水素基、R6 は炭素数2〜18の炭化水素基、また
はその一部または全部の水素原子をフッ素原子で置換し
たフッ素化炭化水素基、R7は、炭素数1〜4の直鎖ま
たは分岐のアルキレン基、nは1〜18である。この化
合物は一般式(3)の化合物にアルキレンオキシド基を
導入した化合物であり、このアルキレンオキシド基によ
って融点が低下し、塗膜の均一性が向上すると同時に、
低温での走行耐久性を改善する。また一般式(3)の化
合物において炭素鎖に不飽和結合を導入した化合物はこ
の一般式(4)の化合物と同様に低温での耐久性を改善
するが、それに比べ一般式(4)の化合物は加水分解を
受け難く、保存性が良好なことが特徴である。
【0019】一般式(4)の化合物としては C8F17COO(CH2CH2O)2C12H25 C6F13C8H16COO(CH2CH2O)6C2H4C4F9 C8F17C14H29COO(C6 H12O)C8H17 C8F17COO(C4H8O)C4H8CH(CH3)C8H
17 (CF3)2CFC10H20COO(C6H12O)4C14H29 C8F17C2H4COO(C8H16O)2C5H10CF(CF
3)2 が挙げられる。
17 (CF3)2CFC10H20COO(C6H12O)4C14H29 C8F17C2H4COO(C8H16O)2C5H10CF(CF
3)2 が挙げられる。
【0020】一般式(5)および(6) Rf−COO−R8 …(5) R8−COO−CH2−Rf …(6) の化合物において、Rfは、分子量1000〜3000
のパーフルオロポリエーテル基、R8 は、炭素数8〜2
8の炭化水素基である。分子量がこれより少なくなると
パーフルオロポリエーテル特有の優れた流体潤滑性が得
られなくなり、また、これより多くなると静止摩擦係数
の上昇をひきおこして、走行停止やヘッドクラッシュを
生じやすくなる。そして、Rfはパーフルオロメチレン
オキシド重合体(CF2O)n、パーフルオロエチレンオ
キシド重合体(CF2CF2O)n、パーフルオロ−n−
プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パ
ーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF
3)CF2O)nまたはこれらの共重合体等が挙げられ
る。具体的にはデュポン社製KRYTOX、モンテフル
オス社製FOMBLIN、ダイキン社製デムナム等が使
用できる。一般式(5)の化合物は末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルと脂肪族アルコー
ルのエステル化物、一般式(6)の化合物は脂肪酸と末
端にヒドロキシル基を有するパーフルオロポリエーテル
のエステル化物である。
のパーフルオロポリエーテル基、R8 は、炭素数8〜2
8の炭化水素基である。分子量がこれより少なくなると
パーフルオロポリエーテル特有の優れた流体潤滑性が得
られなくなり、また、これより多くなると静止摩擦係数
の上昇をひきおこして、走行停止やヘッドクラッシュを
生じやすくなる。そして、Rfはパーフルオロメチレン
オキシド重合体(CF2O)n、パーフルオロエチレンオ
キシド重合体(CF2CF2O)n、パーフルオロ−n−
プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パ
ーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF
3)CF2O)nまたはこれらの共重合体等が挙げられ
る。具体的にはデュポン社製KRYTOX、モンテフル
オス社製FOMBLIN、ダイキン社製デムナム等が使
用できる。一般式(5)の化合物は末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルと脂肪族アルコー
ルのエステル化物、一般式(6)の化合物は脂肪酸と末
端にヒドロキシル基を有するパーフルオロポリエーテル
のエステル化物である。
【0021】以上のエステルは製造費用や環境保護の立
場からは、通常の有機溶剤に溶解することが好ましく、
そのためにはエステル結合の一方にフッ素を含有しない
炭化水素鎖をもつ化合物を使用するか、フルオロアルキ
ル基のアルキル部とパーフルオロアルキル基の割合を溶
解性を高める方向に調整すれば良い。また結晶性が高
く、融点の高いエステルを使用すると磁性層表面やバッ
クコート層表面に析出を生じることがあるため、さらに
低温度での潤滑性を考慮するとエステルの融点は30℃
以下のものが望ましい。
場からは、通常の有機溶剤に溶解することが好ましく、
そのためにはエステル結合の一方にフッ素を含有しない
炭化水素鎖をもつ化合物を使用するか、フルオロアルキ
ル基のアルキル部とパーフルオロアルキル基の割合を溶
解性を高める方向に調整すれば良い。また結晶性が高
く、融点の高いエステルを使用すると磁性層表面やバッ
クコート層表面に析出を生じることがあるため、さらに
低温度での潤滑性を考慮するとエステルの融点は30℃
以下のものが望ましい。
【0022】本発明の磁気記録媒体において、磁性層あ
るいは保護膜上に本発明の化合物の表面層を形成するに
は、表面層として使用する化合物がリン酸アルキルエス
テル化合物とアルキルアミン化合物の塩およびフッ素含
有カルボン酸エステル化合物を有機溶剤に溶解した溶液
を塗布する混合塗布法、リン酸アルキルエステル化合物
とアルキルアミン化合物の塩を塗布し、その後フッ素含
有カルボン酸エステル化合物の混合物を塗布する逐次塗
布法を用いることができるが、リン酸アルキルエステル
化合物とアルキルアミン化合物の塩を磁性層もしくは保
護膜表面に蜜に配向させるため、前記塩からなる潤滑剤
層を形成した後に、フッ素含有カルボン酸エステル化合
物の潤滑剤層を形成することが好ましい。
るいは保護膜上に本発明の化合物の表面層を形成するに
は、表面層として使用する化合物がリン酸アルキルエス
テル化合物とアルキルアミン化合物の塩およびフッ素含
有カルボン酸エステル化合物を有機溶剤に溶解した溶液
を塗布する混合塗布法、リン酸アルキルエステル化合物
とアルキルアミン化合物の塩を塗布し、その後フッ素含
有カルボン酸エステル化合物の混合物を塗布する逐次塗
布法を用いることができるが、リン酸アルキルエステル
化合物とアルキルアミン化合物の塩を磁性層もしくは保
護膜表面に蜜に配向させるため、前記塩からなる潤滑剤
層を形成した後に、フッ素含有カルボン酸エステル化合
物の潤滑剤層を形成することが好ましい。
【0023】さらに、磁性層上に有機溶剤に溶解したリ
ン酸アルキルエステル化合物とアルキルアミン化合物の
塩を塗布乾燥した後、フッ素含有カルボン酸エステル化
合物を含有したバックコート層を形成して巻き取ること
によってバックコート層のフッ素含有カルボン酸エステ
ル化合物を保護膜表面に転写させる方法が最も好まし
い。これは、強磁性金属薄膜より、通常、はるかに空隙
がたくさんあるバックコート層により多くの潤滑剤を保
持させておくのが有利であると同時に摺動によって失わ
れる潤滑剤を巻き取り時に補給できるためである。ま
た、フッ素含有化合物を磁性層上に塗布すると、その化
合物が有機溶剤に可溶であっても、塗布後乾燥時に微細
な塗布むらや化合物の析出が起こることがあったが、バ
ックコート層から転写する方法では、フッ素含有脂肪酸
エステル化合物からなる潤滑剤をバックコート層に混合
あるいは塗布し、バックコート層から巻取り時の接触に
より磁性層側に転写されるので、磁性層上に直接に塗布
する場合よりも塗布むらが発生しにくく、また潤滑剤の
析出も起こりにくいので、使用することができる潤滑剤
の種類が多くなるという利点もある。バックコート層
は、非磁性粉末と結合剤樹脂から構成され、非磁性粉末
としては、各種の無機顔料やカーボンブラックを使用す
ることができ、また結合剤樹脂としてはニトロセルロー
ス、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン
等の塗布型磁性層用の結合剤樹脂として使用されている
各種のものを使用することができる。
ン酸アルキルエステル化合物とアルキルアミン化合物の
塩を塗布乾燥した後、フッ素含有カルボン酸エステル化
合物を含有したバックコート層を形成して巻き取ること
によってバックコート層のフッ素含有カルボン酸エステ
ル化合物を保護膜表面に転写させる方法が最も好まし
い。これは、強磁性金属薄膜より、通常、はるかに空隙
がたくさんあるバックコート層により多くの潤滑剤を保
持させておくのが有利であると同時に摺動によって失わ
れる潤滑剤を巻き取り時に補給できるためである。ま
た、フッ素含有化合物を磁性層上に塗布すると、その化
合物が有機溶剤に可溶であっても、塗布後乾燥時に微細
な塗布むらや化合物の析出が起こることがあったが、バ
ックコート層から転写する方法では、フッ素含有脂肪酸
エステル化合物からなる潤滑剤をバックコート層に混合
あるいは塗布し、バックコート層から巻取り時の接触に
より磁性層側に転写されるので、磁性層上に直接に塗布
する場合よりも塗布むらが発生しにくく、また潤滑剤の
析出も起こりにくいので、使用することができる潤滑剤
の種類が多くなるという利点もある。バックコート層
は、非磁性粉末と結合剤樹脂から構成され、非磁性粉末
としては、各種の無機顔料やカーボンブラックを使用す
ることができ、また結合剤樹脂としてはニトロセルロー
ス、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン
等の塗布型磁性層用の結合剤樹脂として使用されている
各種のものを使用することができる。
【0024】本発明の潤滑剤用化合物は、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、メタノール、エタノール及びイソプロパノー
ル等から選ばれる炭化水素系溶剤を主成分とする有機溶
剤に溶解するので、フッ素系の有機溶剤を使用すること
なく塗布して乾燥することによって磁気記録媒体を製造
することができる。このように、炭化水素系溶剤に溶解
できるので、従来のフッ素系化合物のようにフッ素系溶
剤の使用によるオゾン層の破壊という環境問題を起こす
恐れがないという実用上極めて大きな特徴を有してい
る。
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、メタノール、エタノール及びイソプロパノー
ル等から選ばれる炭化水素系溶剤を主成分とする有機溶
剤に溶解するので、フッ素系の有機溶剤を使用すること
なく塗布して乾燥することによって磁気記録媒体を製造
することができる。このように、炭化水素系溶剤に溶解
できるので、従来のフッ素系化合物のようにフッ素系溶
剤の使用によるオゾン層の破壊という環境問題を起こす
恐れがないという実用上極めて大きな特徴を有してい
る。
【0025】本発明の磁気記録媒体においては、強磁性
金属薄膜上に保護膜が設けられる。保護膜はシリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルトなどの酸
化物、窒化チタンなどの窒化物、炭化クロム等の炭化
物、グラファイト、無定形カーボンなどの炭素からなる
保護膜である。すなわち、前記保護膜の保護作用に更に
本発明における潤滑層の効果が付加されて、苛酷な条件
での磁気ヘッドとの摺動にも充分に耐えて、媒体表面に
摩擦がなく、表面の潤滑性を長期間保持できる磁気記録
媒体とすることができる。
金属薄膜上に保護膜が設けられる。保護膜はシリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルトなどの酸
化物、窒化チタンなどの窒化物、炭化クロム等の炭化
物、グラファイト、無定形カーボンなどの炭素からなる
保護膜である。すなわち、前記保護膜の保護作用に更に
本発明における潤滑層の効果が付加されて、苛酷な条件
での磁気ヘッドとの摺動にも充分に耐えて、媒体表面に
摩擦がなく、表面の潤滑性を長期間保持できる磁気記録
媒体とすることができる。
【0026】したがって前記保護膜としては、ヘッド材
質と同等またはそれ以上の硬度を有する膜が好ましく、
さらに摺動中に焼き付きを生じ難く、その効果が安定し
て持続するものが最も好ましく、そのような保護膜とし
ては硬質炭素膜があげられる。硬質炭素保護膜として
は、プラズマCVD法、スパッタリング法等で作成した
アモルファス、グラファイト、ダイヤモンド構造、もし
くはこれらの混合物からなる炭素膜であり、特に好まし
くは一般にダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質
炭素膜である。この炭素膜はビッカース硬度で1000
kg/mm2 以上、好ましくは2000kg/mm2 以
上の硬質の炭素膜である。また、その結晶構造はアモル
ファス構造であり、かつ非導電性である。そして、本願
発明におけるダイヤモンド状炭素膜の構造をラマン光分
光分析によって測定した場合には、1520〜1560
-1cmにピークが検出されることによって確認すること
ができる。炭素膜の構造がダイヤモンド状構造からずれ
てくるとラマン光分光分析により検出されるピークが上
記範囲からずれるとともに、炭素膜の硬度も低下し、本
願発明の目的を達成するのが困難となってくる。
質と同等またはそれ以上の硬度を有する膜が好ましく、
さらに摺動中に焼き付きを生じ難く、その効果が安定し
て持続するものが最も好ましく、そのような保護膜とし
ては硬質炭素膜があげられる。硬質炭素保護膜として
は、プラズマCVD法、スパッタリング法等で作成した
アモルファス、グラファイト、ダイヤモンド構造、もし
くはこれらの混合物からなる炭素膜であり、特に好まし
くは一般にダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質
炭素膜である。この炭素膜はビッカース硬度で1000
kg/mm2 以上、好ましくは2000kg/mm2 以
上の硬質の炭素膜である。また、その結晶構造はアモル
ファス構造であり、かつ非導電性である。そして、本願
発明におけるダイヤモンド状炭素膜の構造をラマン光分
光分析によって測定した場合には、1520〜1560
-1cmにピークが検出されることによって確認すること
ができる。炭素膜の構造がダイヤモンド状構造からずれ
てくるとラマン光分光分析により検出されるピークが上
記範囲からずれるとともに、炭素膜の硬度も低下し、本
願発明の目的を達成するのが困難となってくる。
【0027】本願発明におけるダイヤモンド状炭素膜の
構造は、ラマン分光法の他に、X線電子分光法(ESC
A)によっても同定することができる。特に、ESCA
によって同定する場合、C−1sのプラズモン損失エネ
ルギーが26±1eVであるとさらに良好な炭素膜とな
る。ここでいうプラズモン損失エネルギーは、炭素膜に
X線を照射して測定されるC−1sスペクトルのメイン
ピークから、プラズモン損失により生ずるピークのずれ
をX線電子分光装置(例えば、パーキンエルマー社製、
PHI−560)により測定されるものである。炭素保
護膜の硬度が減少すると摩擦特性は改善されるが耐摩耗
性が不足し、所望の走行耐久性を得ることができない。
とくに、スチル耐久性が大幅に低下してしまう。これら
のダイヤモンド状炭素保護膜はスパッタリングやCVD
によって作製することができるが、生産性、品質の安定
性および厚み10nm以下の超薄膜でも良好な耐摩耗性
を確保できるという点からCVDによって作製すること
が好ましく、とくに高周波プラズマによって分解した化
学種を基板にバイアス電圧を印加して加速する方法が好
ましい。
構造は、ラマン分光法の他に、X線電子分光法(ESC
A)によっても同定することができる。特に、ESCA
によって同定する場合、C−1sのプラズモン損失エネ
ルギーが26±1eVであるとさらに良好な炭素膜とな
る。ここでいうプラズモン損失エネルギーは、炭素膜に
X線を照射して測定されるC−1sスペクトルのメイン
ピークから、プラズモン損失により生ずるピークのずれ
をX線電子分光装置(例えば、パーキンエルマー社製、
PHI−560)により測定されるものである。炭素保
護膜の硬度が減少すると摩擦特性は改善されるが耐摩耗
性が不足し、所望の走行耐久性を得ることができない。
とくに、スチル耐久性が大幅に低下してしまう。これら
のダイヤモンド状炭素保護膜はスパッタリングやCVD
によって作製することができるが、生産性、品質の安定
性および厚み10nm以下の超薄膜でも良好な耐摩耗性
を確保できるという点からCVDによって作製すること
が好ましく、とくに高周波プラズマによって分解した化
学種を基板にバイアス電圧を印加して加速する方法が好
ましい。
【0028】この炭素保護膜の材料となるプラズマ化さ
れる炭素化合物は、とくに制限されるものではないが、
炭化水素系、ケトン系、アルコール系の化合物が挙げら
れる。
れる炭素化合物は、とくに制限されるものではないが、
炭化水素系、ケトン系、アルコール系の化合物が挙げら
れる。
【0029】特に、メタン、エタン、プロパン、ブタン
等のアルカン、あるいはエチレン、プロピレン等のアル
ケン、またはアセチレン等のアルキンをはじめとした炭
素含有化合物を原料としたプラズマCVDによって硬質
炭素保護膜を形成することが好ましい。
等のアルカン、あるいはエチレン、プロピレン等のアル
ケン、またはアセチレン等のアルキンをはじめとした炭
素含有化合物を原料としたプラズマCVDによって硬質
炭素保護膜を形成することが好ましい。
【0030】これらの炭素含有化合物からなる原料気体
は、一般に13.3〜0.133N/m2 、好ましくは
6.67〜2.67N/m2 の分圧でプラズマ発生装置
内に導入される。また、前記原料気体の他に水素、アル
ゴン等の不活性気体を同時に導入することもできる。こ
の場合、望ましい混合気体としては、メタンなどの炭化
水素とアルゴンが挙げられる。この場合、その混合割合
は、一般に炭化水素:アルゴン=6:1〜2:1が望ま
しい。
は、一般に13.3〜0.133N/m2 、好ましくは
6.67〜2.67N/m2 の分圧でプラズマ発生装置
内に導入される。また、前記原料気体の他に水素、アル
ゴン等の不活性気体を同時に導入することもできる。こ
の場合、望ましい混合気体としては、メタンなどの炭化
水素とアルゴンが挙げられる。この場合、その混合割合
は、一般に炭化水素:アルゴン=6:1〜2:1が望ま
しい。
【0031】硬質炭素保護膜の膜厚が厚いと電磁変換特
性の悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が
薄いと耐摩耗性が不足するために、膜厚2.5〜20n
mが好ましく、とくに好ましくは5〜10nmである。
また、この硬質炭素保護膜上に付与する潤滑剤との密着
をさらに向上させる目的で硬質炭素保護膜表面を酸化性
もしくは不活性気体によって表面処理しても良い。
性の悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が
薄いと耐摩耗性が不足するために、膜厚2.5〜20n
mが好ましく、とくに好ましくは5〜10nmである。
また、この硬質炭素保護膜上に付与する潤滑剤との密着
をさらに向上させる目的で硬質炭素保護膜表面を酸化性
もしくは不活性気体によって表面処理しても良い。
【0032】本発明の磁気記録媒体における磁性層とな
る強磁性金属薄膜は、真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法、CVD法等の真空成膜法にて
成膜する。成膜は、単層、平行型多層、非平行型多層等
によって形成される。また、使用される金属材料として
は、鉄、コバルト、ニッケル等の金属の他に、コバルト
−ニッケル合金、コバルト−クロム合金、コバルト−白
金合金、鉄−コバルト合金等のコバルト系合金等が挙げ
られる。コバルトを主体とした従来より公知の金属また
は合金を微量の酸素雰囲気で真空斜め蒸着法で作成され
た場合には、特に電磁変換特性を改善するため磁性層を
構成する金属原子の90%以上はコバルトであるCo−
O、Co−Oを含有するCo−Fe等が好ましい。ま
た、金属原子の95%以上はコバルトであることが好ま
しく、97%以上であることがより好ましい。磁性層の
厚みは、100〜300nmとするのが望ましく、さら
に望ましくは120〜200nmである。また、強磁性
金属薄膜は電磁変換特性を改善するため重層構成とした
り、非磁性下地層や中間層を有していても良い。
る強磁性金属薄膜は、真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法、CVD法等の真空成膜法にて
成膜する。成膜は、単層、平行型多層、非平行型多層等
によって形成される。また、使用される金属材料として
は、鉄、コバルト、ニッケル等の金属の他に、コバルト
−ニッケル合金、コバルト−クロム合金、コバルト−白
金合金、鉄−コバルト合金等のコバルト系合金等が挙げ
られる。コバルトを主体とした従来より公知の金属また
は合金を微量の酸素雰囲気で真空斜め蒸着法で作成され
た場合には、特に電磁変換特性を改善するため磁性層を
構成する金属原子の90%以上はコバルトであるCo−
O、Co−Oを含有するCo−Fe等が好ましい。ま
た、金属原子の95%以上はコバルトであることが好ま
しく、97%以上であることがより好ましい。磁性層の
厚みは、100〜300nmとするのが望ましく、さら
に望ましくは120〜200nmである。また、強磁性
金属薄膜は電磁変換特性を改善するため重層構成とした
り、非磁性下地層や中間層を有していても良い。
【0033】磁性層を構成する金属原子のほとんどがコ
バルトである強磁性金属薄膜は磁気特性に優れているが
耐候性が悪く、さらに走行性、耐久性の面でも実用上問
題であった。ところが、本発明のような潤滑層を使用す
ることにより上記のようにその90%以上がコバルトで
ある組成であっても耐食性、走行性、耐久性の面で優れ
た実用に充分耐え得る磁気記録媒体とすることができ
る。
バルトである強磁性金属薄膜は磁気特性に優れているが
耐候性が悪く、さらに走行性、耐久性の面でも実用上問
題であった。ところが、本発明のような潤滑層を使用す
ることにより上記のようにその90%以上がコバルトで
ある組成であっても耐食性、走行性、耐久性の面で優れ
た実用に充分耐え得る磁気記録媒体とすることができ
る。
【0034】本発明で使用する非磁性支持体としては、
厚さ3〜10μmのポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
アミドポリイミド等のフィルムが好ましく、走行性を改
善するためその表面に粒径5〜20nmの無機フィラー
を付与したものが好ましい。また、非磁性支持体の内部
にフィラーを含有し、非磁性支持体の表面に凹凸を形成
したものでも良い。
厚さ3〜10μmのポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
アミドポリイミド等のフィルムが好ましく、走行性を改
善するためその表面に粒径5〜20nmの無機フィラー
を付与したものが好ましい。また、非磁性支持体の内部
にフィラーを含有し、非磁性支持体の表面に凹凸を形成
したものでも良い。
【0035】また、非磁性支持体の磁性層を形成した面
とは反対側の面に非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする
塗布膜からなるバックコート層を設けることにより本願
発明の磁気記録媒体の走行性や耐久性をさらに向上させ
ることができる。強磁性金属薄膜は、その表面もしくは
内部に潤滑剤を保持できる量が少ないので予め潤滑剤を
バックコート層中に含有させておくことにより、不足す
る潤滑剤をバックコート層側から供給することができる
ので有利である。すなわち、テープ状の磁気記録媒体が
巻き取られた状態でバックコート層と磁性層とが接する
ことにより潤滑剤が磁性層へ補給されるのでその効果を
充分に発揮させることができる。バックコート層の非磁
性粉末としては、各種の無機顔料やカーボンブラックを
使用することができ、また結合剤樹脂としてはニトロセ
ルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウ
レタン等の塗布型磁性層用の結合剤樹脂として使用され
ている各種のものを使用することができる。
とは反対側の面に非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする
塗布膜からなるバックコート層を設けることにより本願
発明の磁気記録媒体の走行性や耐久性をさらに向上させ
ることができる。強磁性金属薄膜は、その表面もしくは
内部に潤滑剤を保持できる量が少ないので予め潤滑剤を
バックコート層中に含有させておくことにより、不足す
る潤滑剤をバックコート層側から供給することができる
ので有利である。すなわち、テープ状の磁気記録媒体が
巻き取られた状態でバックコート層と磁性層とが接する
ことにより潤滑剤が磁性層へ補給されるのでその効果を
充分に発揮させることができる。バックコート層の非磁
性粉末としては、各種の無機顔料やカーボンブラックを
使用することができ、また結合剤樹脂としてはニトロセ
ルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウ
レタン等の塗布型磁性層用の結合剤樹脂として使用され
ている各種のものを使用することができる。
【0036】本発明の磁気記録媒体において、潤滑剤化
合物としてさらにパーフルオロポリエーテルを併用する
こともできる。本発明で使用できるパーフルオロポリエ
ーテルとしては、パーフルオロメチレンオキシド、パー
フルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−
プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パ
ーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF
3)CF2O)n またはこれらの共重合体等が挙げられ、
アルコール、メチルエステル基などの極性基を含んでも
よい。具体的にはデュポン社製CRYTOX143A
Z、157SL、モンテフルオス社製FOMBLINZ
−DOL、Z−DEAL等が使用できる。
合物としてさらにパーフルオロポリエーテルを併用する
こともできる。本発明で使用できるパーフルオロポリエ
ーテルとしては、パーフルオロメチレンオキシド、パー
フルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−
プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パ
ーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF
3)CF2O)n またはこれらの共重合体等が挙げられ、
アルコール、メチルエステル基などの極性基を含んでも
よい。具体的にはデュポン社製CRYTOX143A
Z、157SL、モンテフルオス社製FOMBLINZ
−DOL、Z−DEAL等が使用できる。
【0037】パーフルオロポリエーテルを使用する場合
にはフッ素含有カルボン酸エステル化合物と同様にバッ
クコート層用の液中に混合してもよいし、あらかじめ作
成したバックコート層上にフッ素含有カルボン酸エステ
ル化合物を塗布する際に混合して塗布しても良い。
にはフッ素含有カルボン酸エステル化合物と同様にバッ
クコート層用の液中に混合してもよいし、あらかじめ作
成したバックコート層上にフッ素含有カルボン酸エステ
ル化合物を塗布する際に混合して塗布しても良い。
【0038】また、本発明においては吸着性官能基を有
さない炭化水素の一部の水素原子をフッ素原子で置換し
たフッ素化炭化水素化合物を併用することも可能であ
り、これによって低温低湿環境での走行耐久性をさらに
改善することができる。このフッ素化炭化水素は、炭素
数が14〜40、好ましくは16〜28であり、更に好
ましくは18〜24であってその水素原子の一部をフッ
素原子で置換したものである。炭素数が余り多くなると
結晶性が高まりスチル耐久性や繰り返し走行耐久性の劣
化を招く。また余り少ないと揮発性が高くなるので特性
の経時劣化を生じることがあるので好ましくない。炭素
鎖中のフッ素原子の比率は、水素原子とフッ素原子の個
数比率で3:1〜1:2であるのが望ましい。フッ素の
比率があまり高くなるとフッ素原子を含有しない通常の
炭化水素系溶剤に対する溶解性や塗布性が損なわれるこ
とがある。本発明におけるフッ素化炭化水素は、直鎖飽
和炭化水素の片方もしくはその両方がフッ素で置換され
ているもの、または枝分かれしているもの、不飽和結合
を有するもの等種々のものが使用できる。具体的には、
CF3(CF2)9(CH2)15CH3、CF3(CF2)
7(CH2)17CH3 、CF3(CF2)7(CH2)6(C
F2)7CF3、(CF3)7CF(CF2)4(CH2)15C
H3、(CF3)2CF(CF2)4(CH2)8(CF2)4
CF(CF3)2等が挙げられる。なかでも好ましいもの
は流体潤滑性に優れる両末端にフッ素化炭化水素基、ま
たは片末端もしくは両末端に分岐フッ素化炭化水素基を
有する化合物である。
さない炭化水素の一部の水素原子をフッ素原子で置換し
たフッ素化炭化水素化合物を併用することも可能であ
り、これによって低温低湿環境での走行耐久性をさらに
改善することができる。このフッ素化炭化水素は、炭素
数が14〜40、好ましくは16〜28であり、更に好
ましくは18〜24であってその水素原子の一部をフッ
素原子で置換したものである。炭素数が余り多くなると
結晶性が高まりスチル耐久性や繰り返し走行耐久性の劣
化を招く。また余り少ないと揮発性が高くなるので特性
の経時劣化を生じることがあるので好ましくない。炭素
鎖中のフッ素原子の比率は、水素原子とフッ素原子の個
数比率で3:1〜1:2であるのが望ましい。フッ素の
比率があまり高くなるとフッ素原子を含有しない通常の
炭化水素系溶剤に対する溶解性や塗布性が損なわれるこ
とがある。本発明におけるフッ素化炭化水素は、直鎖飽
和炭化水素の片方もしくはその両方がフッ素で置換され
ているもの、または枝分かれしているもの、不飽和結合
を有するもの等種々のものが使用できる。具体的には、
CF3(CF2)9(CH2)15CH3、CF3(CF2)
7(CH2)17CH3 、CF3(CF2)7(CH2)6(C
F2)7CF3、(CF3)7CF(CF2)4(CH2)15C
H3、(CF3)2CF(CF2)4(CH2)8(CF2)4
CF(CF3)2等が挙げられる。なかでも好ましいもの
は流体潤滑性に優れる両末端にフッ素化炭化水素基、ま
たは片末端もしくは両末端に分岐フッ素化炭化水素基を
有する化合物である。
【0039】本発明の磁気記録媒体は耐食性に優れる
が、複素環類の防錆剤を使用するとさらに耐食性を高め
ることができる。本発明で使用できる防錆剤を例示する
とベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、
ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核に
アルキル側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、
2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン
環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有
複素環類およびこの誘導体等が挙げられる。このような
目的で使用可能なテトラザインデン環化合物には、下記
に示すものが挙げられる。
が、複素環類の防錆剤を使用するとさらに耐食性を高め
ることができる。本発明で使用できる防錆剤を例示する
とベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、
ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核に
アルキル側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、
2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン
環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有
複素環類およびこの誘導体等が挙げられる。このような
目的で使用可能なテトラザインデン環化合物には、下記
に示すものが挙げられる。
【0040】
【化3】
【0041】ここで、Rには、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
とくに好ましくは、炭素数3以上20以下であり、アル
コキシ基の場合にはROCOCH2− のRは、C3H
7−、C6H13−、フェニル、またアルキル基の場合に
は、C6H13−、C9H19−、C17H35−が挙げられ、ア
ルキルアミド基の場合にはRNHCOCH2− のRはフ
ェニル基、C3H7−が挙げられる。また、チオウラシル
環化合物には、下記に示すものが挙げられる。
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
とくに好ましくは、炭素数3以上20以下であり、アル
コキシ基の場合にはROCOCH2− のRは、C3H
7−、C6H13−、フェニル、またアルキル基の場合に
は、C6H13−、C9H19−、C17H35−が挙げられ、ア
ルキルアミド基の場合にはRNHCOCH2− のRはフ
ェニル基、C3H7−が挙げられる。また、チオウラシル
環化合物には、下記に示すものが挙げられる。
【0042】
【化4】
【0043】ここで、Rは炭素数が3以上である炭化水
素基である。防錆剤の塗布量は潤滑剤は1.0〜50m
g/m2 に対して、0.01〜5.0mg/m2 が好ま
しい。特に好ましくは潤滑剤3〜30mg/m2 に対し
て防錆剤0.1〜10mg/m2 である。
素基である。防錆剤の塗布量は潤滑剤は1.0〜50m
g/m2 に対して、0.01〜5.0mg/m2 が好ま
しい。特に好ましくは潤滑剤3〜30mg/m2 に対し
て防錆剤0.1〜10mg/m2 である。
【0044】
【作用】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の少な
くとも一方の面上に強磁性金属薄膜からなる磁性層と、
あるいは更にその上に積層された無機保護膜を有する磁
気記録媒体において、リン酸アルキルエステル化合物と
アルキルアミン化合物の塩、およびフッ素含有カルボン
酸エステル化合物が存在する表面層を設けたので、炭素
等の無機保護膜に吸着しやすいリン酸アルキルエステル
化合物とアルキルアミン化合物の塩は、高度な極圧潤滑
を行う結果、耐久性と耐食性を改善することができ、更
に、リン酸アルキルエステル化合物を使用する場合に比
べ、高温高湿環境に保存した後の走行耐久性の劣化が少
なく、高い信頼性を得ることができる。 フッ素含有カ
ルボン酸エステルの併用により、リン酸アルキルエステ
ル化合物とアルキルアミン化合物の塩の吸着膜上の非吸
着分子の挙動による流体潤滑性を得ることができる。こ
の効果は低温、低湿環境で特に顕著に現れる。
くとも一方の面上に強磁性金属薄膜からなる磁性層と、
あるいは更にその上に積層された無機保護膜を有する磁
気記録媒体において、リン酸アルキルエステル化合物と
アルキルアミン化合物の塩、およびフッ素含有カルボン
酸エステル化合物が存在する表面層を設けたので、炭素
等の無機保護膜に吸着しやすいリン酸アルキルエステル
化合物とアルキルアミン化合物の塩は、高度な極圧潤滑
を行う結果、耐久性と耐食性を改善することができ、更
に、リン酸アルキルエステル化合物を使用する場合に比
べ、高温高湿環境に保存した後の走行耐久性の劣化が少
なく、高い信頼性を得ることができる。 フッ素含有カ
ルボン酸エステルの併用により、リン酸アルキルエステ
ル化合物とアルキルアミン化合物の塩の吸着膜上の非吸
着分子の挙動による流体潤滑性を得ることができる。こ
の効果は低温、低湿環境で特に顕著に現れる。
【0045】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、本発明をさらに詳細に説明する。実施例及び比較例 表面に粒径13nmのシリカの球状フィラーを有する厚
さ10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に
コバルトを酸素含有雰囲気中で磁性金属蒸気流の前記ポ
リエチレンテレフタレートフィルムに対する入射角が4
5°となるようにして、70nmの厚さで2回斜め蒸着
し、全体の厚みが140nmの2層構成の強磁性金属薄
膜を得た。なお、2層とも薄膜を構成する強磁性金属の
柱状結晶の傾きは同じ向きとなるようにした。その後熱
処理を施し、カールを修正した後、磁性層上に以下に示
すプラズマCVD法で炭素保護膜を作成した。メタンを
原料気体として流量150sccmで供給するととも
に、アルゴンをキャリアー気体として流量50sccm
の流量で供給し、600Wの高周波電力を印加するとと
もに、パスローラを介して磁性層表面には−400Vの
直流電圧を印加し、気体導入部に設置されたアノードに
は+500Vの直流電圧を印加し、発生したプラズマを
加速させて搬送速度5m/分で温度20℃の磁性層表面
にダイヤモンド状炭素からなる硬質炭素保護膜を形成し
た。得られた炭素保護膜は、膜厚80nm、ラマン分光
法によって炭素保護膜がダイヤモンド状炭素であること
を確認した。また、この方法で得られた炭素保護膜のビ
ッカース硬度は2,200kg/mm2 であった。
し、本発明をさらに詳細に説明する。実施例及び比較例 表面に粒径13nmのシリカの球状フィラーを有する厚
さ10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に
コバルトを酸素含有雰囲気中で磁性金属蒸気流の前記ポ
リエチレンテレフタレートフィルムに対する入射角が4
5°となるようにして、70nmの厚さで2回斜め蒸着
し、全体の厚みが140nmの2層構成の強磁性金属薄
膜を得た。なお、2層とも薄膜を構成する強磁性金属の
柱状結晶の傾きは同じ向きとなるようにした。その後熱
処理を施し、カールを修正した後、磁性層上に以下に示
すプラズマCVD法で炭素保護膜を作成した。メタンを
原料気体として流量150sccmで供給するととも
に、アルゴンをキャリアー気体として流量50sccm
の流量で供給し、600Wの高周波電力を印加するとと
もに、パスローラを介して磁性層表面には−400Vの
直流電圧を印加し、気体導入部に設置されたアノードに
は+500Vの直流電圧を印加し、発生したプラズマを
加速させて搬送速度5m/分で温度20℃の磁性層表面
にダイヤモンド状炭素からなる硬質炭素保護膜を形成し
た。得られた炭素保護膜は、膜厚80nm、ラマン分光
法によって炭素保護膜がダイヤモンド状炭素であること
を確認した。また、この方法で得られた炭素保護膜のビ
ッカース硬度は2,200kg/mm2 であった。
【0046】また、このフイルムの磁気記録媒体を形成
した面とは反対側には、以下の組成のバックコート層用
の塗布液を塗布し、厚さ0.5μmのバックコート層を
形成した。 (バックコート層塗布液) カーボンブラック カンカルブ N−990 3重量部 (カンカルブ社製 平均粒子径 270nm) ブラックパール 800 97重量部 (キャボット社製 平均粒子径 17nm) ニトロセルローズ(ダイセル社製 RS1/2H) 60重量部 ポリウレタン(日本ポリウレタン社製 N−2304) 60重量部 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製 コロネートL) 20重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 次いで、表1記載のリン酸アルキルエステル化合物とア
ルキルアミン化合物の塩、フッ素含有カルボン酸エステ
ルの混合エタノール溶液をワイヤーバー法によって、表
1に記載の塗布量および塗布面に塗布、乾燥した。得ら
れた原反を幅8mmに裁断し、8mmVTR用のカセッ
トに組み込んで評価用の試料とした。試料番号に記載の
比は、その試料番号のものが比較例であることを示す。
また、試料番号10におけるnは、パーフルオロポリエ
ーテル鎖の分子量で約2000のものを示し、試料番号
20もパーフルオロポリエーテル鎖の分子量で約200
0のものを示し、試料番号21は、パーフルオロポリエ
ーテル鎖の分子量で約1800のものを示す。
した面とは反対側には、以下の組成のバックコート層用
の塗布液を塗布し、厚さ0.5μmのバックコート層を
形成した。 (バックコート層塗布液) カーボンブラック カンカルブ N−990 3重量部 (カンカルブ社製 平均粒子径 270nm) ブラックパール 800 97重量部 (キャボット社製 平均粒子径 17nm) ニトロセルローズ(ダイセル社製 RS1/2H) 60重量部 ポリウレタン(日本ポリウレタン社製 N−2304) 60重量部 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製 コロネートL) 20重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 次いで、表1記載のリン酸アルキルエステル化合物とア
ルキルアミン化合物の塩、フッ素含有カルボン酸エステ
ルの混合エタノール溶液をワイヤーバー法によって、表
1に記載の塗布量および塗布面に塗布、乾燥した。得ら
れた原反を幅8mmに裁断し、8mmVTR用のカセッ
トに組み込んで評価用の試料とした。試料番号に記載の
比は、その試料番号のものが比較例であることを示す。
また、試料番号10におけるnは、パーフルオロポリエ
ーテル鎖の分子量で約2000のものを示し、試料番号
20もパーフルオロポリエーテル鎖の分子量で約200
0のものを示し、試料番号21は、パーフルオロポリエ
ーテル鎖の分子量で約1800のものを示す。
【0047】
【表1】
【0048】以上のようにして得られた各磁気記録媒体
の試料の摩擦係数、スチル耐久性、繰り返し走行耐久性
及び対腐蝕性を以下の条件で測定し、その結果を表2に
示す。 〔評価方法〕 1.摩擦係数(μ値)の測定 23℃70%RHの環境において磁気記録媒体とステン
レス棒(材質SUS420J)とを20gの張力
(T1) で巻き付け角180°で接触させ、磁気テープ
を3.3cm/秒の速度で走行させるのに必要な張力
(T2) を測定し、下記計算式により磁気テープの、摩
擦係数μを求めた。 μ=1/π・ln(T2/T1) 2.スチル耐久性の測定 (A条件)23℃10%RHの環境において、8mmV
TR(富士写真フイルム(株)製FUJIX−M6)を
使用して走行テンション20gでカラーバー画像を記録
した後、スチル制限機構を動作させないでスチル状態で
画像を再生し、出力が初期の−6dBとなるまでの時間
を測定して評価した。 (B条件)−10℃の環境においてスチル耐久性は市販
の8mmVTR(富士写真フイルム(株)製 FUJI
X V−88)でカラーバー信号を記録した後再生し、
スチル制限機構を作動させずにスチル状態で画像を再生
し、出力が初期の−6dBとなるまでの時間を測定して
評価した。 (C条件)5℃10%RHの環境条件において、8mm
VTR(ソニー(株)製 EV−S700)を使用し
て、記録ヘッドのシリンダーの回転数が通常の回転数の
2倍の状態でカラーバー信号を記録した後再生し、スチ
ル制限機構を作動させずにスチル状態で画像を再生し、
出力が初期の−6dBとなるまでの時間を測定して評価
した。
の試料の摩擦係数、スチル耐久性、繰り返し走行耐久性
及び対腐蝕性を以下の条件で測定し、その結果を表2に
示す。 〔評価方法〕 1.摩擦係数(μ値)の測定 23℃70%RHの環境において磁気記録媒体とステン
レス棒(材質SUS420J)とを20gの張力
(T1) で巻き付け角180°で接触させ、磁気テープ
を3.3cm/秒の速度で走行させるのに必要な張力
(T2) を測定し、下記計算式により磁気テープの、摩
擦係数μを求めた。 μ=1/π・ln(T2/T1) 2.スチル耐久性の測定 (A条件)23℃10%RHの環境において、8mmV
TR(富士写真フイルム(株)製FUJIX−M6)を
使用して走行テンション20gでカラーバー画像を記録
した後、スチル制限機構を動作させないでスチル状態で
画像を再生し、出力が初期の−6dBとなるまでの時間
を測定して評価した。 (B条件)−10℃の環境においてスチル耐久性は市販
の8mmVTR(富士写真フイルム(株)製 FUJI
X V−88)でカラーバー信号を記録した後再生し、
スチル制限機構を作動させずにスチル状態で画像を再生
し、出力が初期の−6dBとなるまでの時間を測定して
評価した。 (C条件)5℃10%RHの環境条件において、8mm
VTR(ソニー(株)製 EV−S700)を使用し
て、記録ヘッドのシリンダーの回転数が通常の回転数の
2倍の状態でカラーバー信号を記録した後再生し、スチ
ル制限機構を作動させずにスチル状態で画像を再生し、
出力が初期の−6dBとなるまでの時間を測定して評価
した。
【0049】3.繰り返し走行耐久性 23℃10%RHの環境条件において、8mmVTR
(ソニー(株)製 EV−S1500)を用いて、7.
6MHzの単一波信号を60分間記録後、これを100
回連続繰り返し再生し、100回後の出力の変化とヘッ
ド汚れを調べた。ヘッド汚れは摺動部、非摺動部に全く
汚れが観察されないものを○、摺動部にはっきりと汚れ
が観察されるものを×、それ以外を△とした。 4.耐腐蝕性 目視による評価 27℃、80%RH、亜硫酸ガス1ppmの環境に磁気
記録媒体の表面を暴露した状態で72時間保存し、保存
後のテープ表面を目視観察し、試験前とほとんど変化が
見られないものを○、テープ全面の金属光沢は残ってい
るものの腐食が観察されるものを△、磁性層の一部もし
くは全部が腐食により溶解したものを×とした。 μ値による保存性の評価 60℃、90%RHの環境に磁気記録媒体の表面を暴露
した状態で1週間保存し、保存後に前記1同様に摩擦係
数を測定した。
(ソニー(株)製 EV−S1500)を用いて、7.
6MHzの単一波信号を60分間記録後、これを100
回連続繰り返し再生し、100回後の出力の変化とヘッ
ド汚れを調べた。ヘッド汚れは摺動部、非摺動部に全く
汚れが観察されないものを○、摺動部にはっきりと汚れ
が観察されるものを×、それ以外を△とした。 4.耐腐蝕性 目視による評価 27℃、80%RH、亜硫酸ガス1ppmの環境に磁気
記録媒体の表面を暴露した状態で72時間保存し、保存
後のテープ表面を目視観察し、試験前とほとんど変化が
見られないものを○、テープ全面の金属光沢は残ってい
るものの腐食が観察されるものを△、磁性層の一部もし
くは全部が腐食により溶解したものを×とした。 μ値による保存性の評価 60℃、90%RHの環境に磁気記録媒体の表面を暴露
した状態で1週間保存し、保存後に前記1同様に摩擦係
数を測定した。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】従来の潤滑剤では得られなかった高度な
保存性、走行性、耐久性を合わせ持つ保護層の技術が得
られ、高密度磁気記録媒体を実現した。強磁性金属薄膜
あるいはその上に積層された無機保護膜に、リン酸アル
キルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩、およ
びフッ素含有カルボン酸エステル化合物が存在する表面
層を形成したので、リン酸アルキルエステル化合物とア
ルキルアミン化合物の塩は炭素等の無機保護膜に吸着し
易く、分子内にリン酸基を有するので厳しい摺動条件で
は極圧潤滑を行うものと考えられ、耐久性と耐食性を改
善することができる。さらにリン酸アルキルエステル化
合物を使用する場合に比べ、高温高湿環境に保存した後
の走行耐久性の劣化が少なく、高い信頼性を得ることが
できる。これはリン酸アルキルエステル化合物が高温高
湿下で加水分解を受けたとしても、アルキルアミン化合
物が分解されずに、潤滑に寄与するためと考えられる。
保存性、走行性、耐久性を合わせ持つ保護層の技術が得
られ、高密度磁気記録媒体を実現した。強磁性金属薄膜
あるいはその上に積層された無機保護膜に、リン酸アル
キルエステル化合物とアルキルアミン化合物の塩、およ
びフッ素含有カルボン酸エステル化合物が存在する表面
層を形成したので、リン酸アルキルエステル化合物とア
ルキルアミン化合物の塩は炭素等の無機保護膜に吸着し
易く、分子内にリン酸基を有するので厳しい摺動条件で
は極圧潤滑を行うものと考えられ、耐久性と耐食性を改
善することができる。さらにリン酸アルキルエステル化
合物を使用する場合に比べ、高温高湿環境に保存した後
の走行耐久性の劣化が少なく、高い信頼性を得ることが
できる。これはリン酸アルキルエステル化合物が高温高
湿下で加水分解を受けたとしても、アルキルアミン化合
物が分解されずに、潤滑に寄与するためと考えられる。
【0052】そして、前記フッ素含有カルボン酸エステ
ルを併用することにより、リン酸アルキルエステル化合
物とアルキルアミン化合物の塩の吸着膜上の非吸着分子
の挙動による流体潤滑性を得ることができる。この効果
は低温、低湿環境で特に顕著に現れるものとみられる。
ルを併用することにより、リン酸アルキルエステル化合
物とアルキルアミン化合物の塩の吸着膜上の非吸着分子
の挙動による流体潤滑性を得ることができる。この効果
は低温、低湿環境で特に顕著に現れるものとみられる。
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上に
強磁性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒体に
おいて、強磁性金属薄膜上に下記一般式(1)もしくは
(2)で示されるリン酸アルキルエステル化合物とアル
キルアミン化合物の塩およびフッ素含有カルボン酸エス
テル化合物からなる表面層が存在することを特徴とする
磁気記録媒体。 【化1】 ただし、R1、R2は同じもしくは互いに相違する2〜2
6の炭化水素基、またはフッ素化炭化水素基、RA、
RB、RC、RDは水素または炭素数26以下の炭化水素
基またはフッ素化炭化水素基、mは1または2である。 - 【請求項2】 表面層が、強磁性金属薄膜上に設けた保
護層上に形成したものであることを特徴とする請求項1
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 非磁性支持体の強磁性金属薄膜を有する
面とは反対側の面上にバックコート層があり、バックコ
ート層中には請求項1記載のフッ素化カルボン酸エステ
ル化合物を含有することを特徴とする請求項1もしくは
2に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 フッ素含有カルボン酸エステル化合物が
下記一般式(3)〜(6)で表されることを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。 R3−COO−R4 …(3) R5−COO−(R7O)n−R6 …(4) Rf−COO−R8 …(5) R8−COO−CH2−Rf …(6) ただしR3、R4は同一であっても異なっていても良く、
炭素数8〜26の炭化水素基であって、少なくともその
一方は、その一部もしくは全部の水素原子をフッ素原子
で置換したフッ素化炭化水素基である。R5は炭素数8
〜26の炭化水素基、R6は炭素数2〜18の炭化水素
基であって、その少なくとも一方は、その一部または全
部の水素原子をフッ素原子で置換したフッ素化炭化水素
基である。また、R7 は、炭素数1〜4の直鎖または分
岐のアルキレン基、nは1〜18であり、Rfは、分子
量1000〜3000のパーフルオロポリエーテル基、
R8 は、炭素数8〜28の炭化水素基である。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6211339A JPH0877541A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 磁気記録媒体 |
US08/865,830 US5869186A (en) | 1994-09-05 | 1997-05-30 | Magnetic recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6211339A JPH0877541A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0877541A true JPH0877541A (ja) | 1996-03-22 |
Family
ID=16604329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6211339A Pending JPH0877541A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 磁気記録媒体 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5869186A (ja) |
JP (1) | JPH0877541A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6673429B1 (en) | 2000-07-25 | 2004-01-06 | Seagate Technology Llc | Magnetic recording media with a multiple-layer lubricant |
US6815054B1 (en) * | 2001-07-26 | 2004-11-09 | Seagate Technology Llc | Ultra-thin, corrosion resistant, hydrogenated carbon overcoats by combined sputtering and PECVD |
US7060377B2 (en) * | 2003-10-20 | 2006-06-13 | Seagate Technology | Lubricant film containing additives for advanced tribological performance of magnetic storage medium |
JP2005350652A (ja) * | 2004-05-12 | 2005-12-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 潤滑剤、ならびに磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 |
US7510999B2 (en) * | 2004-05-28 | 2009-03-31 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Lubricant composition for magnetic recording media |
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JPH06187635A (ja) * | 1992-12-16 | 1994-07-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | 磁気記録媒体 |
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US5091269A (en) * | 1989-12-14 | 1992-02-25 | Sony Corporation | Magnetic recording medium lubricant consisting of an amine salt of carboxylic acid, an amine salt of perfluoroalkyl carboxylic acid or an fluoro amine salt of perfluoro carboxylic acid |
JPH0474313A (ja) * | 1990-07-16 | 1992-03-09 | Fuji Photo Film Co Ltd | 磁気記録媒体 |
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JPH05205253A (ja) * | 1992-01-27 | 1993-08-13 | Hitachi Ltd | 回転型磁気記録媒体 |
JP3130674B2 (ja) * | 1992-04-10 | 2001-01-31 | 富士写真フイルム株式会社 | 磁気記録媒体 |
JPH06124432A (ja) * | 1992-10-08 | 1994-05-06 | Teijin Memory Media Kk | 磁気記録媒体 |
JPH06145687A (ja) * | 1992-11-06 | 1994-05-27 | Sony Corp | 潤滑剤及びその潤滑剤を保有する磁気記録媒体 |
-
1994
- 1994-09-05 JP JP6211339A patent/JPH0877541A/ja active Pending
-
1997
- 1997-05-30 US US08/865,830 patent/US5869186A/en not_active Expired - Fee Related
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5869186A (en) | 1999-02-09 |
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