JPH087588B2 - 楽音制御装置 - Google Patents
楽音制御装置Info
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- JPH087588B2 JPH087588B2 JP2006938A JP693890A JPH087588B2 JP H087588 B2 JPH087588 B2 JP H087588B2 JP 2006938 A JP2006938 A JP 2006938A JP 693890 A JP693890 A JP 693890A JP H087588 B2 JPH087588 B2 JP H087588B2
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- G10H—ELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
- G10H1/00—Details of electrophonic musical instruments
- G10H1/02—Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos
- G10H1/04—Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos by additional modulation
- G10H1/053—Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos by additional modulation during execution only
- G10H1/057—Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos by additional modulation during execution only by envelope-forming circuits
-
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- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
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- G10H5/00—Instruments in which the tones are generated by means of electronic generators
- G10H5/007—Real-time simulation of G10B, G10C, G10D-type instruments using recursive or non-linear techniques, e.g. waveguide networks, recursive algorithms
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- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
- G10H—ELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
- G10H2250/00—Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
- G10H2250/315—Sound category-dependent sound synthesis processes [Gensound] for musical use; Sound category-specific synthesis-controlling parameters or control means therefor
- G10H2250/461—Gensound wind instruments, i.e. generating or synthesising the sound of a wind instrument, controlling specific features of said sound
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- G—PHYSICS
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- G10H—ELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
- G10H2250/00—Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
- G10H2250/471—General musical sound synthesis principles, i.e. sound category-independent synthesis methods
- G10H2250/511—Physical modelling or real-time simulation of the acoustomechanical behaviour of acoustic musical instruments using, e.g. waveguides or looped delay lines
- G10H2250/521—Closed loop models therefor, e.g. with filter and delay line
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Nonlinear Science (AREA)
- Electrophonic Musical Instruments (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、管楽器、撥弦楽器、擦弦楽器および打弦
楽器等の楽音を発生する楽音合成に用いて好適な楽音制
御装置に関する。
楽器等の楽音を発生する楽音合成に用いて好適な楽音制
御装置に関する。
「従来の技術」 従来より、電子楽器などの楽音合成装置としてFM(周
波数変調)音源を用いたものが知られている。このFM音
源を用いた楽音合成装置は、EG(エンベロープ・ジェネ
レータ)などの手段によって振幅が時間的に変化するエ
ンベロープを発生し、このエンベロープにより楽音のス
ペクトルや振幅、ピッチなどを制御する。
波数変調)音源を用いたものが知られている。このFM音
源を用いた楽音合成装置は、EG(エンベロープ・ジェネ
レータ)などの手段によって振幅が時間的に変化するエ
ンベロープを発生し、このエンベロープにより楽音のス
ペクトルや振幅、ピッチなどを制御する。
ところで、近年、より自然楽器の楽音に近い楽音を発
生するために、ウェーヴガイド方式など物理モデルに基
づくような自然楽器の発音メカニズムをシミュレートす
る楽音合成装置が提案されている。このような楽音合成
装置としては、発音体の音響損失をシミュレートしたロ
ーパスフィルタと、発音体における振動の伝播遅延をシ
ミュレートした遅延回路とを閉ループ接続した構成のも
のが知られている。
生するために、ウェーヴガイド方式など物理モデルに基
づくような自然楽器の発音メカニズムをシミュレートす
る楽音合成装置が提案されている。このような楽音合成
装置としては、発音体の音響損失をシミュレートしたロ
ーパスフィルタと、発音体における振動の伝播遅延をシ
ミュレートした遅延回路とを閉ループ接続した構成のも
のが知られている。
このような構成において、上記閉ループ回路にインパ
ルス等の励起信号を導入すると、この励起信号が閉ルー
プ内を循環する。この場合、励起信号は、弦の振動周期
に等しい時間で閉ループ内を一巡するとともに、ローパ
スフィルタを通過する際に帯域が制限される。そして、
この閉ループを循環する信号は、楽音信号として取り出
される。
ルス等の励起信号を導入すると、この励起信号が閉ルー
プ内を循環する。この場合、励起信号は、弦の振動周期
に等しい時間で閉ループ内を一巡するとともに、ローパ
スフィルタを通過する際に帯域が制限される。そして、
この閉ループを循環する信号は、楽音信号として取り出
される。
ここで、例えば、EGが出力するエンベロープパターン
を制御変数として上記励起信号を制御する場合につい
て、第6図(a),(b)に示す波形図を参照して説明
する。第6図(a)は、通常の楽音制御におけるEGが出
力するエンベロープパターンである。この図において、
縦軸はEGの出力レベル、横軸は時間を示しており、当該
エンベロープパターンに従って音源が出力する楽音の音
量などが制御される。通常の楽器をシミュレートする場
合の音量制御では、図示のように、例えばEGの出力レベ
ルを、0から始まり、所定時間後に1に至り、また、ノ
ートの終息時においては、1から0に下がるように制御
してやれば十分である。また、第6図(b)は、例えば
管楽器におけるエンベロープパターンである。管楽器等
をシミュレートする場合には、図示のように、EGの出力
レベルを、アタック時からある程度上げておいて、所定
時間後に1に至るようにし、以降は上述した制御と同様
に行うのが望ましい。
を制御変数として上記励起信号を制御する場合につい
て、第6図(a),(b)に示す波形図を参照して説明
する。第6図(a)は、通常の楽音制御におけるEGが出
力するエンベロープパターンである。この図において、
縦軸はEGの出力レベル、横軸は時間を示しており、当該
エンベロープパターンに従って音源が出力する楽音の音
量などが制御される。通常の楽器をシミュレートする場
合の音量制御では、図示のように、例えばEGの出力レベ
ルを、0から始まり、所定時間後に1に至り、また、ノ
ートの終息時においては、1から0に下がるように制御
してやれば十分である。また、第6図(b)は、例えば
管楽器におけるエンベロープパターンである。管楽器等
をシミュレートする場合には、図示のように、EGの出力
レベルを、アタック時からある程度上げておいて、所定
時間後に1に至るようにし、以降は上述した制御と同様
に行うのが望ましい。
なお、この種の技術は、例えば特開昭63−40199号公
報あるいは特公昭58−58679号公報に開示されている。
報あるいは特公昭58−58679号公報に開示されている。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上述した自然楽器の発音メカニズムをシミ
ュレートする楽音合成装置では、複数の制御変数を所定
の時間間隔で制御しなければならず、前述した管楽器を
シミュレートする場合、第6図(b)に示すエンベロー
プパターンを発生することは非常に困難であるため、所
望の楽音を得ることが難しいという問題があった。
ュレートする楽音合成装置では、複数の制御変数を所定
の時間間隔で制御しなければならず、前述した管楽器を
シミュレートする場合、第6図(b)に示すエンベロー
プパターンを発生することは非常に困難であるため、所
望の楽音を得ることが難しいという問題があった。
また、この楽音合成装置では、EGから供給されるエン
ベロープパターンに対して第7図に示すヒステリシスを
もって応答する。このため、当該合成系は、上記エンベ
ロープ(この場合、吹奏圧力に相当する)に対して、ま
ず、アタック時には、ヒステリシス・サイクルの下側の
ラインを辿るため、所定の吹奏圧力になるまで音量が上
がらず、一方、レリース時には、上側のラインを辿るた
め、同一吹奏圧力ではレリース時の方が音量が大きくな
る。このため、EGから供給されるエンベロープパターン
と実際に発音される楽音との間には、かなり隔たりがあ
り、自然楽器をシミュレートしたヒステリシスをもつ楽
音合成装置においてリニアに音量などを制御することは
困難であった。
ベロープパターンに対して第7図に示すヒステリシスを
もって応答する。このため、当該合成系は、上記エンベ
ロープ(この場合、吹奏圧力に相当する)に対して、ま
ず、アタック時には、ヒステリシス・サイクルの下側の
ラインを辿るため、所定の吹奏圧力になるまで音量が上
がらず、一方、レリース時には、上側のラインを辿るた
め、同一吹奏圧力ではレリース時の方が音量が大きくな
る。このため、EGから供給されるエンベロープパターン
と実際に発音される楽音との間には、かなり隔たりがあ
り、自然楽器をシミュレートしたヒステリシスをもつ楽
音合成装置においてリニアに音量などを制御することは
困難であった。
また、上述したヒステリシスを有するため、EGのアタ
ックレートをある程度遅くするとキーオンに対して発音
が遅れるという問題を生じる。さらに、小音量で発音す
るためにEGの立ち上げレベルを低くくすると、出力が小
さすぎて発音ができなくなるという問題を生じる。
ックレートをある程度遅くするとキーオンに対して発音
が遅れるという問題を生じる。さらに、小音量で発音す
るためにEGの立ち上げレベルを低くくすると、出力が小
さすぎて発音ができなくなるという問題を生じる。
この発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもの
で、難しい制御変数の制御を必要とせず、かつ、単純な
エンベロープの発生だけで、より自然楽器の楽音に近い
楽音を合成するよう制御できる楽音制御装置を提供する
ことを目的としている。
で、難しい制御変数の制御を必要とせず、かつ、単純な
エンベロープの発生だけで、より自然楽器の楽音に近い
楽音を合成するよう制御できる楽音制御装置を提供する
ことを目的としている。
「課題を解決するための手段」 上述した問題を解決するために、請求項1記載の発明
では、楽音制御信号に対してその出力楽音信号がヒステ
リシスをもって応答する音源手段と、前記ヒステリシス
を相殺する特性で楽音制御情報を変換し、該変換結果を
新たな楽音制御情報として前記音源手段へ出力する変換
手段とを具備したことを特徴とする。
では、楽音制御信号に対してその出力楽音信号がヒステ
リシスをもって応答する音源手段と、前記ヒステリシス
を相殺する特性で楽音制御情報を変換し、該変換結果を
新たな楽音制御情報として前記音源手段へ出力する変換
手段とを具備したことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の楽音
制御装置において、前記音源手段は、第1の遅延手段と
該第1の遅延手段を閉ループ接続する第1の閉ループ手
段とからなることを特徴とする。
制御装置において、前記音源手段は、第1の遅延手段と
該第1の遅延手段を閉ループ接続する第1の閉ループ手
段とからなることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の発明では、請求項2記載の楽
音制御装置において、前記変換手段は、第2の遅延手段
と該第2の遅延手段を閉ループ接続する第2の閉ループ
手段とを有し、前記第2の閉ループ手段を循環する信号
を符号反転した後に前記楽音制御信号と合成し、この合
成された信号を前記音源手段へ出力することを特徴とす
る。
音制御装置において、前記変換手段は、第2の遅延手段
と該第2の遅延手段を閉ループ接続する第2の閉ループ
手段とを有し、前記第2の閉ループ手段を循環する信号
を符号反転した後に前記楽音制御信号と合成し、この合
成された信号を前記音源手段へ出力することを特徴とす
る。
「作用」 変換手段は、ヒステリシスを相殺する特性で楽音制御
信号を変換し、該変換結果を新たな楽音制御信号として
音源手段へ出力する。
信号を変換し、該変換結果を新たな楽音制御信号として
音源手段へ出力する。
「実施例」 次に図面を参照してこの発明の実施例について説明す
る。
る。
第1図はこの発明の一実施例の構成を示すブロック図
である。この図において、1この発明の楽音制御装置で
あり、加算器2、ROM3、遅延手段4、乗算器5,6および
加算器7,8から構成されている。加算器2は、図示しな
いEGから供給されるエンベロープELと後述するフィード
バック信号FBとを加算し、ROM(リード・オンリ・メモ
リ)3へ出力する。ROM3には、予め例えば第2図に示す
非線形関数がテーブルとして記憶されている。この例の
場合の非線形関数は、0〜1.0の入力信号に対して0〜
1.0の値をとり、1.0より大きい入力信号に対しても1.0
の値をとる。この非線形関数は、最大傾斜αを持ち、こ
の最大傾斜αは、0〜1の値を持つように設定する。こ
のROM3の出力信号NLは、遅延手段4および乗算器5に供
給される。遅延手段4は、出力信号NLを所定の時間遅ら
せた後、乗算器6へ出力する。また、この遅延手段4
は、図示しない操作子におけるキーオンの瞬間、あるい
はそれ以前に0にリセットされるか、もしくはEGからの
出力を一旦負の大きな値に振ることによってリセットさ
れる。
である。この図において、1この発明の楽音制御装置で
あり、加算器2、ROM3、遅延手段4、乗算器5,6および
加算器7,8から構成されている。加算器2は、図示しな
いEGから供給されるエンベロープELと後述するフィード
バック信号FBとを加算し、ROM(リード・オンリ・メモ
リ)3へ出力する。ROM3には、予め例えば第2図に示す
非線形関数がテーブルとして記憶されている。この例の
場合の非線形関数は、0〜1.0の入力信号に対して0〜
1.0の値をとり、1.0より大きい入力信号に対しても1.0
の値をとる。この非線形関数は、最大傾斜αを持ち、こ
の最大傾斜αは、0〜1の値を持つように設定する。こ
のROM3の出力信号NLは、遅延手段4および乗算器5に供
給される。遅延手段4は、出力信号NLを所定の時間遅ら
せた後、乗算器6へ出力する。また、この遅延手段4
は、図示しない操作子におけるキーオンの瞬間、あるい
はそれ以前に0にリセットされるか、もしくはEGからの
出力を一旦負の大きな値に振ることによってリセットさ
れる。
次に、乗算器6は、出力信号NLにβ(以下、乗算係数
βという)を乗算し、前述したフィードバック信号FBと
して加算器2へ出力する。次に、乗算器5は、出力信号
NLに−γ(以下、乗算係数−γという)を乗算し、出力
信号NL1として加算器7へ出力する。加算器7は、エン
ベロープELと上記出力信号NL1とを加算し、その結果を
出力信号NL2として加算器8へ出力する。加算器8は、
出力信号NL2にγ(以下、乗算係数γという)を加算
し、管楽器の吹奏圧力に相当するエンベロープPとして
出力する。
βという)を乗算し、前述したフィードバック信号FBと
して加算器2へ出力する。次に、乗算器5は、出力信号
NLに−γ(以下、乗算係数−γという)を乗算し、出力
信号NL1として加算器7へ出力する。加算器7は、エン
ベロープELと上記出力信号NL1とを加算し、その結果を
出力信号NL2として加算器8へ出力する。加算器8は、
出力信号NL2にγ(以下、乗算係数γという)を加算
し、管楽器の吹奏圧力に相当するエンベロープPとして
出力する。
また、上述した構成によいて、出力信号NLに乗算係数
βを掛けた結果(α・β)が1より大きくなることによ
り、図示の点Aにおける入力側から見た伝達関数は、第
3図(a)に示すヒステリシスAのようになる(第7図
と同じ)。また、特に乗算係数βが十分大きければ、エ
ンベロープEGを0から1に立ち上げた後、再び0に戻し
ても、ROM3の出力信号NLはほぼ1を維持する。また、加
算器7の出力側の図示の点Bにおける入力側から見た伝
達関数は、第3図(b)に示すヒステリシスBのように
なる。このヒステリシスBは、ちょうど上記ヒステリシ
スAと逆の特性を有しており、まず、アタック時には、
ヒステリシス・サイクルの上側のラインを辿り、一方、
レリース時には、下側のラインを辿るようになってい
る。なお、最大傾斜αおよび乗算係数β,γは、系の特
性と音色作りの上から予め設定されるが、キースケーリ
ング(音程に応じて設定値を変化させる)してもよい。
βを掛けた結果(α・β)が1より大きくなることによ
り、図示の点Aにおける入力側から見た伝達関数は、第
3図(a)に示すヒステリシスAのようになる(第7図
と同じ)。また、特に乗算係数βが十分大きければ、エ
ンベロープEGを0から1に立ち上げた後、再び0に戻し
ても、ROM3の出力信号NLはほぼ1を維持する。また、加
算器7の出力側の図示の点Bにおける入力側から見た伝
達関数は、第3図(b)に示すヒステリシスBのように
なる。このヒステリシスBは、ちょうど上記ヒステリシ
スAと逆の特性を有しており、まず、アタック時には、
ヒステリシス・サイクルの上側のラインを辿り、一方、
レリース時には、下側のラインを辿るようになってい
る。なお、最大傾斜αおよび乗算係数β,γは、系の特
性と音色作りの上から予め設定されるが、キースケーリ
ング(音程に応じて設定値を変化させる)してもよい。
次に、上述した構成におけるこの実施例の動作につい
て、第4図(a)〜(c)に示す波形図を参照して説明
する。また、ここで動作例として、エンベロープEL、出
力信号NL、点Bにおける出力信号NL2および最終出力の
圧力Pの各時刻t0〜t9における値を表1に示す。また、
この例の場合、乗算係数βを1.0とし、乗算係数γを0.2
とする。
て、第4図(a)〜(c)に示す波形図を参照して説明
する。また、ここで動作例として、エンベロープEL、出
力信号NL、点Bにおける出力信号NL2および最終出力の
圧力Pの各時刻t0〜t9における値を表1に示す。また、
この例の場合、乗算係数βを1.0とし、乗算係数γを0.2
とする。
まず、例えば、図示しないEGにより第3図(a)に示
すエンベロープELが加算器2および7に供給される。
すエンベロープELが加算器2および7に供給される。
まず、時刻t0において、エンベロープELは0であるた
め、第2図に示す非線形関数を記憶したROM3の出力信号
NLも0となる。したがって、点Bにおける出力信号NL2
も0となる(第4図(b)の時刻t0参照)。そして、加
算器8では、乗算係数γ(=0.2)が加算されるため、
当該楽音制御装置1の最終的な出力、すなわちエンベロ
ープPは0.2となる(第4図(c)の時刻t0参照)。
め、第2図に示す非線形関数を記憶したROM3の出力信号
NLも0となる。したがって、点Bにおける出力信号NL2
も0となる(第4図(b)の時刻t0参照)。そして、加
算器8では、乗算係数γ(=0.2)が加算されるため、
当該楽音制御装置1の最終的な出力、すなわちエンベロ
ープPは0.2となる(第4図(c)の時刻t0参照)。
次に、時刻t1において、エンベロープELが0.25になる
と、ROM3の出力信号NLは0.25となる。そして、乗算器5
において、上記出力信号NLに乗算係数−γ(=−0.2)
が乗算され、出力信号NL1は−0.05となる。次に、加算
器7において、出力信号NL1とエンベロープELが加算さ
れ、出力信号NL2は0.2となる(第4図(b)の時刻t1参
照)。さらに、加算器8において、乗算係数γが加算さ
れてエンベロープPは0.4となる。一方、出力信号NL
は、乗算器6において、乗算係数βが乗算されたフィー
ドバックFB(=0.25)が加算器2に供給される(第4図
(c)の時刻t1参照)。
と、ROM3の出力信号NLは0.25となる。そして、乗算器5
において、上記出力信号NLに乗算係数−γ(=−0.2)
が乗算され、出力信号NL1は−0.05となる。次に、加算
器7において、出力信号NL1とエンベロープELが加算さ
れ、出力信号NL2は0.2となる(第4図(b)の時刻t1参
照)。さらに、加算器8において、乗算係数γが加算さ
れてエンベロープPは0.4となる。一方、出力信号NL
は、乗算器6において、乗算係数βが乗算されたフィー
ドバックFB(=0.25)が加算器2に供給される(第4図
(c)の時刻t1参照)。
次に、時刻t2において、エンベロープELが0.5になる
と、加算器2において、上述したフィードバックFBが加
算される。したがって、加算器2の出力は0.75となり、
ROM3の出力信号NLも0.75となる。そして、乗算器5にお
いて、上記出力信号NLに乗算係数−γが乗算され、出力
信号NL1は−0.15となる。次に、加算器7において、出
力信号NL1とエンベロープELが加算され、出力信号NL2は
0.35となる(第4図(b)の時刻t2参照)。さらに、加
算器8において、乗算係数γが加算されて、エンベロー
プPは0.55となる(第4図(b)の時刻t2参照)。一
方、出力信号NLは、乗算係数βが乗算されて加算器2へ
フィードバックされる。
と、加算器2において、上述したフィードバックFBが加
算される。したがって、加算器2の出力は0.75となり、
ROM3の出力信号NLも0.75となる。そして、乗算器5にお
いて、上記出力信号NLに乗算係数−γが乗算され、出力
信号NL1は−0.15となる。次に、加算器7において、出
力信号NL1とエンベロープELが加算され、出力信号NL2は
0.35となる(第4図(b)の時刻t2参照)。さらに、加
算器8において、乗算係数γが加算されて、エンベロー
プPは0.55となる(第4図(b)の時刻t2参照)。一
方、出力信号NLは、乗算係数βが乗算されて加算器2へ
フィードバックされる。
次に、時刻t3において、エンベロープELが0.75になる
と、加算器2において、上述したフィードバックFBが加
算され、加算器2の出力は1.0となり、ROM3の出力信号N
Lは1.0となる。そして、乗算器5において、上記出力信
号NLに乗算係数−γが乗算され、出力信号NL1は−0.2と
なる。次に、加算器7において、出力信号NL1とエンベ
ロープELが加算され、出力信号NL2は0.55となる(第4
図(b)の時刻t3参照)。さらに、加算器8において、
乗算係数γが加算されて、最終的なエンベロープPは0.
75となる(第4図(c)の時刻t3参照)。一方、出力信
号NLは、乗算係数βが乗算されて加算器2へフィードバ
ックされる。
と、加算器2において、上述したフィードバックFBが加
算され、加算器2の出力は1.0となり、ROM3の出力信号N
Lは1.0となる。そして、乗算器5において、上記出力信
号NLに乗算係数−γが乗算され、出力信号NL1は−0.2と
なる。次に、加算器7において、出力信号NL1とエンベ
ロープELが加算され、出力信号NL2は0.55となる(第4
図(b)の時刻t3参照)。さらに、加算器8において、
乗算係数γが加算されて、最終的なエンベロープPは0.
75となる(第4図(c)の時刻t3参照)。一方、出力信
号NLは、乗算係数βが乗算されて加算器2へフィードバ
ックされる。
そして、時刻t4〜t7において、エンベロープELが1.0
になると、加算器2において、上述したフィードバック
FBが加算される。したがって、この間の加算器2の出力
は1.0以上となる。しかし、ROM3は第2図に示す非線形
関数を有しているため、その出力信号NLは1.0を保持す
る。そして、乗算器5において、上記出力信号NLに乗算
係数−γが乗算され、出力信号NL1は、この時刻t4〜t7
の間、−0.2となる(第4図(b)参照)。次に、加算
器7において、出力信号NL1とエンベロープELが加算さ
れ、出力信号NL2は時刻t4〜t7の間、0.8となる。さら
に、加算器8において、乗算係数γが加算されて、エン
ベロープPは1.0となる(第4図(c)の時刻t4〜t7参
照)。一方、出力信号NLには、乗算係数βが乗算されて
加算器2へフィードバックされる。
になると、加算器2において、上述したフィードバック
FBが加算される。したがって、この間の加算器2の出力
は1.0以上となる。しかし、ROM3は第2図に示す非線形
関数を有しているため、その出力信号NLは1.0を保持す
る。そして、乗算器5において、上記出力信号NLに乗算
係数−γが乗算され、出力信号NL1は、この時刻t4〜t7
の間、−0.2となる(第4図(b)参照)。次に、加算
器7において、出力信号NL1とエンベロープELが加算さ
れ、出力信号NL2は時刻t4〜t7の間、0.8となる。さら
に、加算器8において、乗算係数γが加算されて、エン
ベロープPは1.0となる(第4図(c)の時刻t4〜t7参
照)。一方、出力信号NLには、乗算係数βが乗算されて
加算器2へフィードバックされる。
次に、時刻t8において、エンベロープELが0.5になる
と、加算器2において、上述したフィードバックFBが加
算されて、加算器2の出力は1.5となる。ROM3の出力信
号NLは1.0を保持する。そして、乗算器5において、上
記出力信号NLに乗算係数−γが乗算され、出力信号NL1
は−0.2となる。次に、加算器7において、出力信号NL1
とエンベロープELが加算され、出力信号NL2は0.3となる
(第4図(b)の時刻t8参照)。さらに加算器8におい
て、乗算係数γが加算されて、エンベロープPは0.5と
なる(第4図(c)の時刻t8参照)。一方、出力信号NL
は、乗算係数βが乗算されて加算器2へフィードバック
される。
と、加算器2において、上述したフィードバックFBが加
算されて、加算器2の出力は1.5となる。ROM3の出力信
号NLは1.0を保持する。そして、乗算器5において、上
記出力信号NLに乗算係数−γが乗算され、出力信号NL1
は−0.2となる。次に、加算器7において、出力信号NL1
とエンベロープELが加算され、出力信号NL2は0.3となる
(第4図(b)の時刻t8参照)。さらに加算器8におい
て、乗算係数γが加算されて、エンベロープPは0.5と
なる(第4図(c)の時刻t8参照)。一方、出力信号NL
は、乗算係数βが乗算されて加算器2へフィードバック
される。
次に、時刻t9において、エンベロープELが0になる
と、加算器2において、上述したフィードバックFBが加
算されて、加算器2の出力は1.0となる。ROM3の出力信
号NLは1.0を保持する。そして、乗算器5において、上
記出力信号NLに乗算係数−γが乗算され、出力信号LN1
は−0.2となる(第4図(b)の時刻t9参照)。次に、
加算器7において、出力信号NL1とエンベロープELが加
算され、出力信号NL2は−0.2となる。さらに、加算器8
において、乗算係数γが加算されて、圧力Pは0となる
(第4図(c)の時刻t9参照)。
と、加算器2において、上述したフィードバックFBが加
算されて、加算器2の出力は1.0となる。ROM3の出力信
号NLは1.0を保持する。そして、乗算器5において、上
記出力信号NLに乗算係数−γが乗算され、出力信号LN1
は−0.2となる(第4図(b)の時刻t9参照)。次に、
加算器7において、出力信号NL1とエンベロープELが加
算され、出力信号NL2は−0.2となる。さらに、加算器8
において、乗算係数γが加算されて、圧力Pは0となる
(第4図(c)の時刻t9参照)。
以上のようにして、この楽音制御装置1は、第4図
(a)に示すエンベロープELを所望の出力レベルを有す
る第4図(c)に示すエンベロープPとして、図示しな
い楽音合成装置(音源)へ出力する。楽音合成装置で
は、エンベロープPに応じて楽音の音量を制御する。
(a)に示すエンベロープELを所望の出力レベルを有す
る第4図(c)に示すエンベロープPとして、図示しな
い楽音合成装置(音源)へ出力する。楽音合成装置で
は、エンベロープPに応じて楽音の音量を制御する。
次に、上述した楽音制御装置1の応用例として、第5
図に示すブロック図を参照して説明する。この図におい
て、図全体は、音源制御装置1をリード楽器などの管楽
器の楽音を合成する楽音合成装置に適用したものであ
る。この楽音合成装置は、管楽器のマウスピース部の動
作をシミュレートした励振回路10と、管楽器の共鳴管を
シミュレートした遅延回路30とをジャンクション20を介
して接続した構成となっている。
図に示すブロック図を参照して説明する。この図におい
て、図全体は、音源制御装置1をリード楽器などの管楽
器の楽音を合成する楽音合成装置に適用したものであ
る。この楽音合成装置は、管楽器のマウスピース部の動
作をシミュレートした励振回路10と、管楽器の共鳴管を
シミュレートした遅延回路30とをジャンクション20を介
して接続した構成となっている。
まず、励振回路10は、シングルリード楽器のマウスピ
ース部をシミュレートしたもである。ここで、自然楽器
におけるマウスピース部の説明をする。まず、吹奏時に
は、マウスピース部とリード部によって形成される間隙
からマウスピース部内に空気流(息)が吹き込まれ、こ
の結果、マウスピース部内に空気圧の変化が生じ、この
圧力変化が圧力進行波となって共鳴管終端部に向けて伝
播する。そして、共鳴管の各部で反射された圧力波が反
射圧力波となってマウスピース部に戻ってくる。
ース部をシミュレートしたもである。ここで、自然楽器
におけるマウスピース部の説明をする。まず、吹奏時に
は、マウスピース部とリード部によって形成される間隙
からマウスピース部内に空気流(息)が吹き込まれ、こ
の結果、マウスピース部内に空気圧の変化が生じ、この
圧力変化が圧力進行波となって共鳴管終端部に向けて伝
播する。そして、共鳴管の各部で反射された圧力波が反
射圧力波となってマウスピース部に戻ってくる。
また、吹奏時におけるリード部には、マウスピース部
の内圧と吹奏圧との圧力差に応じた力が作用する。さら
に、このリード部には、上記圧力差の他、エンブシュア
(吹奏者がマウスピース部を口にくわえることによって
生じる圧力に関連した値)が加えられ、これらの圧力を
総合した圧力によってリード部が曲げられ、該リード部
とマウスピース部との間隙が変化する。この場合、リー
ド部に加えられる総合的な圧力と間隙との関係は、例え
ば、2次関数等の非線形関数で近似されており、後述す
るROM15にテーブルとして記憶されている。
の内圧と吹奏圧との圧力差に応じた力が作用する。さら
に、このリード部には、上記圧力差の他、エンブシュア
(吹奏者がマウスピース部を口にくわえることによって
生じる圧力に関連した値)が加えられ、これらの圧力を
総合した圧力によってリード部が曲げられ、該リード部
とマウスピース部との間隙が変化する。この場合、リー
ド部に加えられる総合的な圧力と間隙との関係は、例え
ば、2次関数等の非線形関数で近似されており、後述す
るROM15にテーブルとして記憶されている。
また、リード部が変位して間隙が変化すると、この結
果、空気流のマウスピース部内への流入のし易さ、すな
わち、空気流に対するアドミッタンスが変化するととも
に、リード部の移動に伴って強制的に空気が移動し空気
圧の変化がもたらされる。このようにして、マウスピー
ス部内に空気圧の変化がもたらされ、共鳴管内における
進行圧力波と反射圧力波の往復運動が持続され、共鳴管
内が共振状態となって楽音が発生される。
果、空気流のマウスピース部内への流入のし易さ、すな
わち、空気流に対するアドミッタンスが変化するととも
に、リード部の移動に伴って強制的に空気が移動し空気
圧の変化がもたらされる。このようにして、マウスピー
ス部内に空気圧の変化がもたらされ、共鳴管内における
進行圧力波と反射圧力波の往復運動が持続され、共鳴管
内が共振状態となって楽音が発生される。
第5図における励振回路10は、以上説明したマウスピ
ース部におけるリード部の動作を忠実にシミュレートす
るものである。この励振回路10には、楽音発生時、吹奏
圧力に相当するエンベロープPおよびエンブシュアに相
当するエンブシュアEが供給される。
ース部におけるリード部の動作を忠実にシミュレートす
るものである。この励振回路10には、楽音発生時、吹奏
圧力に相当するエンベロープPおよびエンブシュアに相
当するエンブシュアEが供給される。
次に、ジャンクション20は、管楽器におけるマウスピ
ース部と共鳴管との接続部における空気圧力波の散乱を
シミュレートするものである。このジャンクション20で
は、遅延回路30からの出力信号と励振回路10の出力信号
が加算器21によって加算されて遅延回路30に入力され、
また、加算器21の出力信号と共振回路30の出力信号が加
算器22によって加算されて、乗算器23を介して励振回路
10に入力されるようになっている。
ース部と共鳴管との接続部における空気圧力波の散乱を
シミュレートするものである。このジャンクション20で
は、遅延回路30からの出力信号と励振回路10の出力信号
が加算器21によって加算されて遅延回路30に入力され、
また、加算器21の出力信号と共振回路30の出力信号が加
算器22によって加算されて、乗算器23を介して励振回路
10に入力されるようになっている。
次に、遅延回路30は、例えばシフトレジスタ等の遅延
手段によって実現される。この遅延回路30は、ジャンク
ション20を介して供給された励振回路10の出力信号を所
定時間遅延した後、ジャンクション20を介して励振回路
10に帰還する。この場合、励振回路10と遅延回路30との
間を信号が往復するのに要する時間によって楽音の1次
の共振周波数が決定される。この楽音合成装置では、図
示していない制御装置によって遅延回路30の遅延時間が
制御され、音高の制御が行われる。
手段によって実現される。この遅延回路30は、ジャンク
ション20を介して供給された励振回路10の出力信号を所
定時間遅延した後、ジャンクション20を介して励振回路
10に帰還する。この場合、励振回路10と遅延回路30との
間を信号が往復するのに要する時間によって楽音の1次
の共振周波数が決定される。この楽音合成装置では、図
示していない制御装置によって遅延回路30の遅延時間が
制御され、音高の制御が行われる。
次に、励振回路10内の減算器11には、遅延回路30から
ジャンクション20および乗算器23を介して共鳴管からの
反射波の空気圧に相当する信号PRと、楽音制御装置1か
ら吹奏圧力に相当するエンベロープPが供給される。こ
の減算器11は、マウスピース部の内圧と吹奏圧との圧力
差に相当する出力信号PAをフィルタ12へ出力する。
ジャンクション20および乗算器23を介して共鳴管からの
反射波の空気圧に相当する信号PRと、楽音制御装置1か
ら吹奏圧力に相当するエンベロープPが供給される。こ
の減算器11は、マウスピース部の内圧と吹奏圧との圧力
差に相当する出力信号PAをフィルタ12へ出力する。
フィルタ12は、高周波成分を除去した後、フィルタ13
へ出力するとともに、乗算器24を介して乗算器16へ出力
する。乗算器24は、出力信号PAに−1を乗算する。
へ出力するとともに、乗算器24を介して乗算器16へ出力
する。乗算器24は、出力信号PAに−1を乗算する。
次に、フィルタ13は、入力信号の低周波成分を抽出す
る機能および入力信号の高周波成分を抽出する機能を有
し、各成分を出力するためのローパス出力およびハイパ
ス出力を有する。この種のローパスフィルタ機能および
ハイパスフィルタ機能を共に備えたフィルタとしては、
IIRフィルタ(非巡回型デジタルフィルタ)が良く知ら
れている。このフィルタ13のローパス出力は、出力信号
PBとして加算器14へ供給される。また、ハイパス出力
は、乗算器25を介して加算器21へ供給される。乗算器25
は、乗算係数として−σを乗算する。
る機能および入力信号の高周波成分を抽出する機能を有
し、各成分を出力するためのローパス出力およびハイパ
ス出力を有する。この種のローパスフィルタ機能および
ハイパスフィルタ機能を共に備えたフィルタとしては、
IIRフィルタ(非巡回型デジタルフィルタ)が良く知ら
れている。このフィルタ13のローパス出力は、出力信号
PBとして加算器14へ供給される。また、ハイパス出力
は、乗算器25を介して加算器21へ供給される。乗算器25
は、乗算係数として−σを乗算する。
次に、加算器14は、上記出力信号PBに対し、前述した
エンブシュアEを加算し、実際にリード部に加えられる
全圧力を求め、出力信号PCとしてROM15へ出力する。こ
のROM15には、前述した非線形関数が予めテーブルとし
て記憶されており、上記出力信号PCに応じて、リード部
とマウスピース部との間隙に相当する信号Sを乗算器16
へ出力する。乗算器16は、出力信号Sと出力信号−PAと
を乗算し、マウスピース部の内部に流入する空気の流速
を求め、流速信号FLとして乗算器17へ出力する。乗算器
17は、流速信号FLに乗算係数として−Gを乗算して加算
器21へ出力する。
エンブシュアEを加算し、実際にリード部に加えられる
全圧力を求め、出力信号PCとしてROM15へ出力する。こ
のROM15には、前述した非線形関数が予めテーブルとし
て記憶されており、上記出力信号PCに応じて、リード部
とマウスピース部との間隙に相当する信号Sを乗算器16
へ出力する。乗算器16は、出力信号Sと出力信号−PAと
を乗算し、マウスピース部の内部に流入する空気の流速
を求め、流速信号FLとして乗算器17へ出力する。乗算器
17は、流速信号FLに乗算係数として−Gを乗算して加算
器21へ出力する。
加算器21は、フィルタ13のハイパス出力に乗算定数−
σを乗算した演算結果、流速信号−G・FLおよび遅延回
路30の出力信号を加算し、前述したように遅延回路30へ
出力する。
σを乗算した演算結果、流速信号−G・FLおよび遅延回
路30の出力信号を加算し、前述したように遅延回路30へ
出力する。
上述した構成において、まず、エンベロープELが供給
されると、楽音制御装置1は、前述したように所定のエ
ンベロープPを発生し、減算器11へ供給する。励振回路
10は、上記パラメータに応じて励振信号を発生し、この
励振信号は遅延回路30によって所定時間遅延され、ジャ
ンクション20を介して前述の出力信号PRとなって励振回
路10に帰還される。このようにして音源制御装置1が出
力するエンベロープPと出力信号PRとが減算器11で減算
され、かつ、励振回路10→ジャンクション20→遅延回路
30→ジャンクション20→励振回路10という経路で励振信
号の循環が行われることによって、吹奏楽器が発生する
楽音が忠実に合成される。
されると、楽音制御装置1は、前述したように所定のエ
ンベロープPを発生し、減算器11へ供給する。励振回路
10は、上記パラメータに応じて励振信号を発生し、この
励振信号は遅延回路30によって所定時間遅延され、ジャ
ンクション20を介して前述の出力信号PRとなって励振回
路10に帰還される。このようにして音源制御装置1が出
力するエンベロープPと出力信号PRとが減算器11で減算
され、かつ、励振回路10→ジャンクション20→遅延回路
30→ジャンクション20→励振回路10という経路で励振信
号の循環が行われることによって、吹奏楽器が発生する
楽音が忠実に合成される。
なお、上述した実施例において、楽音制御装置1が出
力するエンベロープPによって制御する対象は、音量に
限らず、ピッチなどの他の音色情報でもよく、さらに複
数の音色情報を同時に制御してもよい。
力するエンベロープPによって制御する対象は、音量に
限らず、ピッチなどの他の音色情報でもよく、さらに複
数の音色情報を同時に制御してもよい。
また、第3図(b)に示すエンベロープBは、限らず
しもエンベロープAを完全に打ち消すように設定する必
要はなく、ヒステリシス特性を音色づくりに積極的に利
用してもよい。
しもエンベロープAを完全に打ち消すように設定する必
要はなく、ヒステリシス特性を音色づくりに積極的に利
用してもよい。
また、上述した実施例では、楽音制御装置1をハード
ウエアによる回路構成としたが、コンピュータのプログ
ラムによって実現してもよい。
ウエアによる回路構成としたが、コンピュータのプログ
ラムによって実現してもよい。
また、同実施例では、管楽器に限らず、擦弦楽器など
他の合成アルゴリズムに用いてもよく、あるいは楽音合
成以外にも機会系のようにヒステリシスが非常に顕著な
系の制御に適用してもよい。
他の合成アルゴリズムに用いてもよく、あるいは楽音合
成以外にも機会系のようにヒステリシスが非常に顕著な
系の制御に適用してもよい。
また、同実施例では、ディジタル回路による構成とし
たが、アナログ回路によって構成してもよい。
たが、アナログ回路によって構成してもよい。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、本来、音源
が持っているヒステリシスを見掛け上打ち消し、かつ、
所望のエンベロープに変換するため、難しい制御変数の
制御を必要とせず、かつ、単純なエンベロープの発生だ
けで、より自然楽器の楽音に近い楽音を発音できる利点
が得られる。
が持っているヒステリシスを見掛け上打ち消し、かつ、
所望のエンベロープに変換するため、難しい制御変数の
制御を必要とせず、かつ、単純なエンベロープの発生だ
けで、より自然楽器の楽音に近い楽音を発音できる利点
が得られる。
第1図はこの発明の一実施例の構成を示すブロック図、
第2図は同実施例のROM内に記憶される非線形関数を示
す波形図、第3図(a),(b)は、各々、ヒステリシ
スA、ヒステリシスBの特性曲線図、第4図(a),
(b),(c)は、各々、同実施例の動作を説明するた
めの波形図、第5図は同実施例を管楽器の楽音の発生に
適用した際の楽音合成装置の構成を示すブロック図、第
6図(a),(b)は、各々、通常の楽音発生に用いら
れるエンペロープ、管楽器の楽音発生に用いられるエン
ペロープを示す波形図、第7図は従来の楽音合成装置の
ヒステリシスを示す特性曲線図である。 1……音源制御装置、2……加算器(変換手段)、3…
…ROM(変換手段)、5……乗算器(変換手段)、6…
…乗算器(変換手段)、7……加算器(変換手段)、8
……加算器(変換手段)。
第2図は同実施例のROM内に記憶される非線形関数を示
す波形図、第3図(a),(b)は、各々、ヒステリシ
スA、ヒステリシスBの特性曲線図、第4図(a),
(b),(c)は、各々、同実施例の動作を説明するた
めの波形図、第5図は同実施例を管楽器の楽音の発生に
適用した際の楽音合成装置の構成を示すブロック図、第
6図(a),(b)は、各々、通常の楽音発生に用いら
れるエンペロープ、管楽器の楽音発生に用いられるエン
ペロープを示す波形図、第7図は従来の楽音合成装置の
ヒステリシスを示す特性曲線図である。 1……音源制御装置、2……加算器(変換手段)、3…
…ROM(変換手段)、5……乗算器(変換手段)、6…
…乗算器(変換手段)、7……加算器(変換手段)、8
……加算器(変換手段)。
Claims (3)
- 【請求項1】楽音制御信号に対してその出力楽音信号が
ヒステリシスをもって応答する音源手段と、 前記ヒステリシスを相殺する特性で楽音制御情報を変換
し、該変換結果を新たな楽音制御情報として前記音源手
段へ出力する変換手段と を具備したことを特徴とする楽音制御装置。 - 【請求項2】請求項1記載の楽音制御装置において、 前記音源手段は、第1の遅延手段と該第1の遅延手段を
閉ループ接続する第1の閉ループ手段とからなることを
特徴とする楽音制御装置。 - 【請求項3】請求項2記載の楽音制御装置において、 前記変換手段は、第2の遅延手段と該第2の遅延手段を
閉ループ接続する第2の閉ループ手段とを有し、前記第
2の閉ループ手段を循環する信号を符号反転した後に前
記楽音制御信号と合成し、この合成された信号を前記音
源手段へ出力することを特徴とする楽音制御装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006938A JPH087588B2 (ja) | 1990-01-16 | 1990-01-16 | 楽音制御装置 |
US07/640,919 US5206448A (en) | 1990-01-16 | 1991-01-14 | Musical tone generation device for synthesizing wind or string instruments |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006938A JPH087588B2 (ja) | 1990-01-16 | 1990-01-16 | 楽音制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03210600A JPH03210600A (ja) | 1991-09-13 |
JPH087588B2 true JPH087588B2 (ja) | 1996-01-29 |
Family
ID=11652196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006938A Expired - Fee Related JPH087588B2 (ja) | 1990-01-16 | 1990-01-16 | 楽音制御装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5206448A (ja) |
JP (1) | JPH087588B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2738175B2 (ja) * | 1991-07-26 | 1998-04-08 | ヤマハ株式会社 | 楽音信号発生装置 |
SE525332C2 (sv) * | 2003-06-23 | 2005-02-01 | Softube Ab | Ett system och en metod för simulering av olinjär audioutrustning |
JP5605192B2 (ja) * | 2010-12-02 | 2014-10-15 | ヤマハ株式会社 | 楽音信号合成方法、プログラムおよび楽音信号合成装置 |
Family Cites Families (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3652955A (en) * | 1970-07-30 | 1972-03-28 | Gen Time Corp | Electromechanical oscillator using electret coupling |
US4517553A (en) * | 1971-05-19 | 1985-05-14 | Illinois Tool Works Inc. | N-Key rollover keyboard |
JPS5858679B2 (ja) * | 1975-12-16 | 1983-12-26 | ヤマハ株式会社 | デンシガツキ |
JPS5662297A (en) * | 1979-10-26 | 1981-05-28 | Nippon Musical Instruments Mfg | Musical tone synthesizer |
EP0248527B1 (en) * | 1986-05-02 | 1995-02-01 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Digital reverberation system |
US4875400A (en) * | 1987-05-29 | 1989-10-24 | Casio Computer Co., Ltd. | Electronic musical instrument with touch response function |
US4882965A (en) * | 1987-09-02 | 1989-11-28 | Mcclish Richard E D | Direction of bowing detection method and apparatus |
US5005460A (en) * | 1987-12-24 | 1991-04-09 | Yamaha Corporation | Musical tone control apparatus |
US4868869A (en) * | 1988-01-07 | 1989-09-19 | Clarity | Digital signal processor for providing timbral change in arbitrary audio signals |
US5052268A (en) * | 1988-06-30 | 1991-10-01 | Clark Jr Melville | Preselector |
JP2764961B2 (ja) * | 1988-11-18 | 1998-06-11 | ヤマハ株式会社 | 電子楽器 |
JPH07111628B2 (ja) * | 1989-07-07 | 1995-11-29 | カシオ計算機株式会社 | 空気流応答型発音指示装置 |
JP2719655B2 (ja) * | 1989-07-14 | 1998-02-25 | ヤマハ株式会社 | 波形信号変換装置 |
US5157218A (en) * | 1989-07-27 | 1992-10-20 | Yamaha Corporation | Musical tone signal forming apparatus |
US5144096A (en) * | 1989-11-13 | 1992-09-01 | Yamaha Corporation | Nonlinear function generation apparatus, and musical tone synthesis apparatus utilizing the same |
-
1990
- 1990-01-16 JP JP2006938A patent/JPH087588B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1991
- 1991-01-14 US US07/640,919 patent/US5206448A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5206448A (en) | 1993-04-27 |
JPH03210600A (ja) | 1991-09-13 |
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