[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH0862789A - ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法及び現像液再生方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法及び現像液再生方法

Info

Publication number
JPH0862789A
JPH0862789A JP19861994A JP19861994A JPH0862789A JP H0862789 A JPH0862789 A JP H0862789A JP 19861994 A JP19861994 A JP 19861994A JP 19861994 A JP19861994 A JP 19861994A JP H0862789 A JPH0862789 A JP H0862789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
sensitive material
developing
halide photographic
photographic light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19861994A
Other languages
English (en)
Inventor
Wataru Ishikawa
渉 石川
Takeshi Sanpei
武司 三瓶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP19861994A priority Critical patent/JPH0862789A/ja
Publication of JPH0862789A publication Critical patent/JPH0862789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動現像機で迅速処理しても、濃度、感度の
低下や軟調化したり、スキャナー工程におけるリニアリ
ティーの劣化といった問題が起こりにくいハロゲン化銀
感光材料の処理方法の提供。 【構成】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料を自動現像機で
現像処理する方法において、実質的にハイドロキノン類
を含有せず、かつ遷移金属錯塩からなる現像主薬を含有
する現像液で現像され、しかも、フィルム先端が自動現
像機に挿入されてから該先端が乾燥ゾーンから出てくる
までの全処理時間(Dry to Dry)が10秒以上60秒以下で
処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
現像処理方法及び該現像液の再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料の現像処理方法に関し、特に迅速現像処理に適応し
た現像処理方法及びその現像液再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】黒白ハロゲン化銀写真感光材料、特に印
刷製版用感光材料は、一般に露光後、現像、定着、水洗
及び乾燥の4プロセスを持つ自動現像機で写真処理され
る。その現像においては、ハイドロキノンの様な有機現
像主薬を含む現像液が用いられてきた。
【0003】一方、自動現像機を用いて処理する場合、
従来、フィルム先端が自動現像機に挿入されてから該先
端が乾燥ゾーンから出てくるまでの全処理時間(Dry to
Dry)が90秒以上かかるのが通常であったが、近年、印
刷点数の増加や労働時間の短縮により、現像処理時間の
短縮が要望され、全処理時間(Dry to Dry)が60秒以下の
迅速処理を行う必要がでてきた。
【0004】しかしながら、上記のような感光材料をこ
のような迅速処理条件で自動現像機で連続処理する場合
には、硬調性が不足したり、スキャナー工程におけるリ
ニアリティーの劣化という問題をしばしば生ずる。
【0005】また、近年環境に対する関心の高まりと共
に現像液の廃液量の低減が急務となっている。廃液量の
低減の手段の一つとして、現像液の再生利用がある。し
かしながら、上記のような有機現像主薬であるハイドロ
キノンを含む現像液は、再生利用が難しいというのが現
状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
し、本発明の目的は、自動現像機で迅速処理しても、濃
度、感度の低下や軟調化したり、スキャナー工程におけ
るリニアリティーの劣化といった問題が起こりにくいハ
ロゲン化銀感光材料の処理方法を提供することにある。
また本発明のもう一つの目的は、ハロゲン化銀写真感光
材料を処理した後の現像液を再生する方法及び再生した
液で現像処理しても軟調化や感度の低下等の写真性能の
劣化が生じにくいハロゲン化銀写真感光材料の現像処理
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成される。
【0008】1) 支持体上に少なくとも一層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料を自動
現像機で現像処理する方法において、実質的にハイドロ
キノン類を含有せず、かつ遷移金属錯塩からなる現像主
薬を含有する現像液で現像され、しかも、フィルム先端
が自動現像機に挿入されてから該先端が乾燥ゾーンから
出てくるまでの全処理時間(Dry to Dry)が10秒以上60
秒以下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料の現像処理方法。
【0009】2) 前記現像液でハロゲン化銀写真感光
材料を現像処理後、通電して現像液を再生してから別の
ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理することを特徴と
する前記1記載のハロゲン化銀写真感光材料の現像処理
方法。
【0010】3) 前記ハロゲン化銀写真感光材料が、
画像を形成するハロゲン化銀乳剤層の銀/バインダー重
量比率が0.7以上1.3以下であり、かつ、該ハロゲン化銀
乳剤層の上に塗布された保護層の厚みが0.6μm以上2.0
μm以下であることを特徴とする前記1又は2記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法。
【0011】4) 前記ハロゲン化銀写真感光材料が、
ハロゲン化銀乳剤層を有する面と支持体をはさんで反対
の面に、少なくとも一層の非感光性の親水性コロイド層
及び少なくとも一層の疎水性ポリマー層を有することを
特徴とする前記1、2、3記載のハロゲン化銀写真感光
材料の現像処理方法。
【0012】5) 実質的にハイドロキノン類を含有せ
ず、かつ遷移金属錯塩からなる現像主薬を含有する現像
液でハロゲン化銀写真感光材料を現像処理後、通電して
現像液を再生することを特徴とする現像液再生方法。
【0013】以下、本発明について詳述する。
【0014】本発明において用いることができる遷移金
属錯塩からなる現像主薬としては、Ti,V,Cr,Mn,F
e,Co,Ni,Cu等の遷移金属の錯塩であり、好ましくはT
i,V,Cr,Feの錯塩である。これらは現像液として用
いるために還元力を有する形であれば良く、例えばT
i3+,V2+,Cr2+,Fe2+等の錯塩の形をとるものがしられ
ている。具体的な配位子としては、エチレンジアミン四
酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等
のアミノポリカルボン酸およびその塩、ヘキサメタポリ
リン酸、テトラポリリン酸等のリン酸類およびその塩な
どが挙げられる。このなかでも、EDTA,DTPA等の配位子
を持つ遷移金属錯塩が特に好ましく用いられる。
【0015】好ましい配位子の具体例を下記に挙げる
が、これらに限定されるものではない。
【0016】(1)エチレンジアミン四酢酸(EDTA) (2)ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA) (3)トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA) (4)ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA) (5)ニトリロ三酢酸(NTA) (6)1,2-ジアミノシクロヘキサン四酢酸 (7)1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸 (8)ヘキサメタポリリン酸 (9)テトラポリリン酸 その他の好ましい化合物例として、特公昭54-41899号に
記載された化合物が挙げられる。
【0017】本発明に係る錯体は、遷移金属塩と配位子
化合物とを添加して現像液中で形成させることもでき
る。本発明に係る化合物の現像液における好ましい含有
量は、現像液1リットルあたり1〜100gである。
【0018】本発明においては、実質的にハイドロキノ
ン類(例えばハイドロキノン、クロルハイドロキノン、
ブロムハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイド
ロキノンモノスルフォネートなど)を含有しないことが
特徴である。実質的に含有しないとは、現像液1リット
ルあたり0.01モル未満の含有量を言う。
【0019】本発明においては、本発明に係る遷移金属
錯塩からなる現像主薬と3-ピラゾリドン類やアミノフェ
ノール類の現像主薬を組み合わせて使用することが出来
る。組み合わせて使用する場合、3-ピラゾリドン類やア
ミノフェノール類の現像主薬は、通常現像液1リットル
あたり0.01〜1.0モルの量で用いられるのが好ましい。
【0020】本発明において、現像液には、保恒剤とし
て亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫
酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸ナトリ
ウムなどを用いることができる。亜硫酸塩は0.25モル/
l以上が好ましい。特に好ましくは、0.4モル/l以上
である。
【0021】本発明において、遷移金属錯塩現像主薬を
含有する現像液で処理するにあたって、現像液に銀スラ
ッジ防止剤として下記一般式(I)で表される化合物を
含有せしめるのが好ましい。
【0022】一般式(I) Z1−SM1 式中、Z1は、アルキル基、芳香族基又は複素環基を表
し、ヒドロキシ基、−SO3M2、−COOM2(ここにM2は水
素原子、アルカリ金属原子、置換又は未置換のアンモニ
ウムイオンを表す。)、置換又は未置換のアミノ基、置
換又は未置換のアンモニオ基から選ばれる少なくとも1
つ、又はこれらから選ばれる少なくとも1つを有する置
換基によって置換されている。M1は水素原子、アルカ
リ金属原子、置換又は未置換のアミジノ基(ハロゲン化
水素酸塩又はスルホン酸塩を形成してもよい。)を表
す。
【0023】Z1で表されるアルキル基としては、好ま
しくは炭素数1〜30(更には2〜20)の直鎖、分岐又は
環状のものであって更に他の置換基を有していてもよ
い。芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜32の単環
又は縮合環であって更に他の置換基を有していてもよ
い。複素環基としては、好ましくは炭素数1〜32の単環
又は縮合環であり、窒素、酸素及び硫黄から選ばれるヘ
テロ原子を少なくとも1つ(≦6つ)有する5又は6員
環で更に他の置換基を有していてもよい。Z1は好まし
くは2個以上の窒素原子を有する複素環基である。さら
に好ましくは2個以上の窒素原子を有する6員環を少な
くとも一つ有する複素環基である。
【0024】Z1が置換基として、又は置換基の置換基
としてアンモニオ基を有する場合、好ましくは炭素数20
以下で置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換の
フェニル基、ナフチル基を置換基として有するものであ
る。
【0025】以下に具体的化合物例を示すが、これらに
限定されるものではない。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】本発明において、一般式(I)の化合物は
現像液1l当たり10-6〜10-1モルで使用するのが好まし
く、更には10-5〜10-2モルであることが好ましい。
【0032】本発明の現像液には、その他必要によりア
ルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、
pH緩衝剤(たとえば、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、
ホウ酸、酢酸、クエン酸、アルカノールアミンなど)、
溶解助剤(たとえばポリエチレングリコール類、それら
のエステル、アルカノールアミンなど)、増感剤(たと
えばポリオキシエチレン類を含む非イオン界面活性剤、
四級アンモニウム化合物など)、界面活性剤、消泡剤、
カブリ防止剤(たとえば、臭化カリウム、臭化ナトリウ
ムの如きハロゲン、ニトロベンズインダゾール、ニトロ
ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチア
ゾール、テトラゾール類、チアゾール類など)、キレー
ト化剤(たとえばエチレンジアミン四酢酸またはそのア
ルカリ金属塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリリン酸塩な
ど)、現像促進剤(たとえば米国特許第2,304,025号、
特公昭47-45541号各公報に記載の化合物など)、硬膜剤
(たとえばグルタールアルデヒド又は、その重亜硫酸塩
付加物など)、あるいは消泡剤などを添加することがで
きる。現像液のpHは11.0未満に調整されることが好ま
しい。
【0033】本発明の自動現像機に用いられる定着液と
しては一般に用いられる組成のものを用いることができ
る。定着液は一般に定着剤とその他から成る水溶液であ
り、pHは通常3.8〜5.8である。定着剤としてはチオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウ
ムなどのチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシ
アン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオ
シアン酸塩のほか、可溶性安定銀錯塩を生成し得る有機
硫黄化合物で定着剤として知られているものを用いるこ
とができる。
【0034】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩、たとえば塩化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム、カリ明ばんなどを加えることができる。定着液
には、所望により、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫
酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、pH調整剤(例え
ば、硫酸)硬水軟化能のあるキレート剤等の化合物を含
むことができる。
【0035】本発明の現像処理に際しては、現像温度を
20〜30℃の通常の温度範囲に設定することもできるし、
30〜40℃の高温処理の範囲に設定することもできる。
【0036】本発明においてフィルム先端が自動現像機
に挿入されてから該先端が乾燥ゾーンから出てくるまで
の全処理時間(Dry to Dry)は10〜60秒である。ここで
いう全処理時間とは黒白ハロゲン化銀写真感光材料を処
理するのに必要な全工程時間を含み、具体的には処理に
必要な例えば現像、定着、漂白、水洗、安定化処理、乾
燥等の工程の時間をすべて含んだ時間、つまりDry to D
ryの時間である。全処理時間が10秒未満では減感、軟調
化等で満足な写真性能が得られない。さらに好ましくは
全処理時間(Dry to Dry)が20〜48秒である。
【0037】本発明による黒白感光材料は、自動現像機
を用いて処理されるが、その際に感光材料の面積に比例
した一定量の現像液を補充しながら処理される。その現
像補充量は、廃液量を少なくするために1m2当たり300m
l以下である。好ましくは1m2当たり75〜200mlである。
【0038】また、自動現像機には90℃以上の伝熱体
(例えば90℃〜130℃のヒートローラー等)あるいは150
℃以上の輻射物体(例えばタングステン、炭素、ニクロ
ム、酸化ジルコニウム・酸化イットリウム・酸化トリウ
ムの混合物、炭化ケイ素などに直接電流を通して発熱放
射させたり、抵抗発熱体から熱エネルギーを銅、ステン
レス、ニッケル、各種セラミックなどの放射体に伝達さ
せて発熱させたりして赤外線を放出するもの)で乾燥す
るゾーンを持つものが含まれる。
【0039】本発明において、現像能力の劣化した現像
液は通電して再生される。具体的には、劣化現像液に陰
極を、電解質溶液に陽極を入れ、陰イオン交換膜を介し
て劣化現像液槽と電解質溶液槽が接するようにし、両極
に通電して再生する。通電しながら本発明に係る感光材
料を処理することもできる。
【0040】本発明に用いられる陰極は、電気伝導体ま
たは半導体であればよく、例えばステンレス等が好まし
く用いられ、特に表面積を大きくして効率を上げるため
にステンレスウールが好ましい。陽極としては溶解しな
い電気伝導体が用いられ、例えば炭素、金、白金、チタ
ン等が好ましく、チタンの白金メッキが特に好ましい。
本発明に用いられる陰イオン交換膜は市販のものを用い
ることが出来る。
【0041】再生された現像液は、もう一度自動現像機
の現像槽に戻し、再度現像に利用される。その際、現像
液に添加される各種の添加剤、例えば前述のような現像
液に添加することができるpHバッファー剤、保恒剤、
現像抑制剤、銀スラッジ防止剤等を追加添加することが
出来る。また、もう一つの実施態様として、現像液に通
電しながら本発明の感光材料を処理する方法があり、そ
の際も上記のような現像液に添加できる添加剤を追加添
加できる。
【0042】本発明でいう画像を形成するハロゲン化銀
乳剤層とは、後述する本発明にかかる感光性ハロゲン化
銀乳剤層を指す。また本発明で言う銀/バインダー重量
比率とは、単位面積当たりの銀の重量をバインダーの重
量で割った数値を指し、バインダーとは乳剤に含まれる
ハロゲン化銀粒子以外の固形分の事で、具体的には、ゼ
ラチン、ラテックス、その他乳剤層中に含まれる各種添
加剤の固形分の総和を表す。この銀/バインダー重量比
率は0.7以上1.3以下であるが、特に0.8から1.2であるこ
とが好ましい。
【0043】また画像を形成する該ハロゲン化銀乳剤層
の上に塗布される保護層とは、実質的に感光度を有しな
い親水性コロイド層であって、感光性乳剤層の保護を目
的として通常は最表面に設層される。本発明にかかる感
光材料は乳剤層、保護層はそれぞれ単層でも良いし、2
層以上からなる重層でも良い。重層の場合には間に中間
層などを設けても良い。乳剤層が2層以上ある場合、保
護層は最上層の乳剤層からの厚みをさす。尚非感光性層
で実質的に画像形成に寄与しない乳剤層を各種の目的で
塗設する事が出来る。
【0044】本発明のバック層を塗設する方法について
は特に制限はない。従来ハロゲン化銀写真感光材料の親
水性コロイド層を塗設する公知の方法を用いることがで
きる。例えばディップコート法、エアーナイフコート
法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバ
ーコート法、グラピアコート法、或いは、米国特許第2,
681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョ
ンコート法、又は米国特許2,761,418号、同3,508,947
号、同2,761,791号記載の多層同時塗布方法を用いるこ
とができる。
【0045】本発明のバック層は1層であっても2層以
上から成っていてもよい。又、バック層が2層以上の場
合、バック層の少なくとも1層に、本発明の疎水性ポリ
マー層を設ける事が必要である。
【0046】バック層の親水性コロイド総量/乳剤面親
水性コロイド総量比(重量比)の適正の値は、ハロゲン
化銀写真感光材料の親水性コロイド総量、塗布銀量、支
持体厚みにより変化するが、この値が大きい方がカール
の点で好ましい。そのため、本発明のバック層の親水性
コロイドの総量は、ハロゲン化銀乳剤層が塗設されてい
る面(A面)の親水性コロイドの総量(乳剤面親水性コ
ロイド総量)の0.1倍以上(重量比)が好ましくさらに
好ましくは、0.32以上である。
【0047】本発明のバック層のバインダーとして用い
られる親水性コロイドとしては、ゼラチンが最も好まし
く用いられる。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられてい
るものはいずれも用いることができる。これらのゼラチ
ンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチンである。
【0048】ゼラチン以外の親水性コロイドとしてコロ
イド状アルブミン、カゼイン等の蛋白質、寒天、アルギ
ン酸ナトリウム、デンプン誘導体等の糖誘導体、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースな
どが挙げられる。
【0049】つづいて本発明のバック面の疎水性ポリマ
ー層(以降ポリマー層と表す)について述べる。ポリマ
ー層は疎水性ポリマーをバインダーとする層である。ポ
リマー層のバインダーの具体例として、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニ
ル、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、テトラフルオロエチレン、ポリ
フッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ブタジエンゴム、
クロロプレンゴム、天然ゴム等のゴム類、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリル酸
又はメタクリル酸のエステル、ポリエチレンフタレート
等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポ
リアミド樹脂、セルローストリアセテート等のセルロー
ス樹脂、シリコーン樹脂などの水不溶性ポリマー又は、
これらの誘導体を挙げることができる。更にポリマー層
のバインダーとして、1種類のモノマーから成るホモポ
リマーでも、2種類以上のモノマーから成るコポリマー
でも良い。特に好ましいバインダーとしては、アルキル
アクリレート又はアルキルメタクリレートとアクリル酸
又はメタクリル酸のコポリマー(アクリル酸又はメタク
リル酸は5モル%以下が好ましい)、スチレン-ブタジ
エンコポリマー、スチレン-ブタジエン-アクリル酸コポ
リマー(アクリル酸は5モル%以下が好ましい)、スチ
レン-ブタジエン-ジビニルベンゼン-メタクリル酸コポ
リマー(メタクリル酸は5モル%以下が好ましい)、酢
酸ビニル-エチレン-アクリル酸コポリマー(アクリル酸
は5モル%以下)、塩化ビニリデン-アクリロニトリル-
メチルメタクリレート-エチルアクリレート-アクリル酸
コポリマー(アクリル酸5モル%以下)、エチルアクリ
レート-グリシジルメタクリレート-アクリル酸コポリマ
ー等である。これらは1種類を単独で用いてもよいし2
種以上を併用して用いてもよい。
【0050】本発明のポリマー層には、必要に応じてマ
ット剤、界面活性剤、染料、すべり剤、架橋剤、増粘
剤、UV吸収剤、コロイダルシリカ等の無機微粒子などの
写真用添加剤を添加してもよい。これらの添加剤につい
てもリサーチ・ディスクロージャー誌176巻17646項(197
8年12月)の記載などを参考にすることができる。
【0051】本発明のポリマー層は1層であっても2層
以上であっても良い。本発明のポリマー層の厚みには特
に制限はない。しかしポリマー層の厚みが小さ過ぎる場
合、ポリマー層の耐水性が不充分となり、バック層が処
理液に膨潤する様になってしまい不適切である。逆にポ
リマー層の厚みが大き過ぎる場合、ポリマー層の水蒸気
透過性が不充分となり、バック層の親水性コロイド層の
吸脱湿が阻害されてカールが不良となってしまう。勿論
ポリマー層の厚みは用いるバインダーの物性値にも依存
する。従ってポリマー層厚みは、この両者を考慮して決
定する必要がある。ポリマー層の好ましい厚みは、ポリ
マー層のバインダー種にもよるが、0.05〜10μm、より
好ましくは0.1〜5μmの範囲である。なお本発明のポリ
マー層が2層以上から成る場合には、すべてのポリマー
層の厚みの和を本発明のハロゲン化銀写真感光材料のポ
リマー層の厚みとする。
【0052】本発明のポリマー層を塗設する方法に特に
制限はない。バック層を塗布乾燥した後に、バック層上
にポリマー層を塗布しその後乾燥しても良いし、バック
層とポリマー層を同時に塗布し、その後乾燥してもよ
い。ポリマー層はポリマー層のバインダーの溶媒に溶解
して溶剤系で塗布しても良いし、バインダーのポリマー
の水分散物を用いて、水系で塗布してもよい。
【0053】本発明に係るハロゲン化銀乳剤層中のハロ
ゲン化銀のハロゲン組成は特に制限はないが、好ましく
は塩化銀、60モル%以上の塩化銀を含む塩臭化銀又は60
モル%以上の塩化銀を含む塩沃臭化銀である。
【0054】ハロゲン化銀の平均粒径は0.7μm以下であ
ることが好ましく、特に0.5〜0.1μmが好ましい。平均
粒径とは、写真科学の分野の専門家には常用されてお
り、容易に理解される用語である。粒径とは、粒子が球
状又は球に近似できる粒子の場合には粒子直径を意味す
る。粒子が立方体である場合には球に換算し、その球の
直径を粒径とする。平均粒径を求める方法の詳細につい
ては、ミース,ジェームス:ザ・セオリー・オブ・ザ・
フォトグラフィックプロセス(C.E.Mees&T.H.James
著:The theory of the photographic process),第3
版,36〜43頁(1966年(マクミラン「Mcmillan」社
刊))を参照すればよい。
【0055】ハロゲン化銀粒子の形状には制限はなく、
平板状、球状、立方体状、14面体状、正八面体状その他
いずれの形状でもよい。又、粒径分布は狭い方が好まし
く、特に平均粒径の±40%の粒径域内に全粒子数の90
%、望ましくは95%が入るような、いわゆる単分散乳剤
が好ましい。
【0056】本発明における可溶性銀塩と可溶性ハロゲ
ン塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時混合
法、それらの組合せなどのいずれを用いてもよい。
【0057】粒子を銀イオン過剰の下において形成させ
る方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同
時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される
液相中のpAgを一定に保つ方法、即ちいわゆるコントロ
ールド・ダブルジェット法を用いることができ、この方
法によると、結晶形が規則的で粒径が均一に近いハロゲ
ン化銀乳剤が得られる。
【0058】ハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化
銀粒子は粒子を形成する過程又は成長させる過程の少な
くとも1つの過程でカドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリ
ウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩、あるいはこれらの
元素を含む錯塩を添加することが好ましい。
【0059】ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法につい
ては、詳しくはリサーチ・ディスクロージャー(Resear
ch Disclosure)176号17643,22〜23頁(1978年12月)
に記載もしくは引用された文献に記載されている。
【0060】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されても、さ
れなくともよい。化学増感の方法としては硫黄増感、還
元増感及び貴金属増感法が知られており、これらの何れ
をも単独で用いても又併用してもよい。好ましい化学増
感方法は硫黄増感であり、硫黄増感剤としては、ゼラチ
ン中に含まれる硫黄化合物の他、種々の硫黄化合物、例
えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、ローダニン類、ポリスル
フィド化合物等を用いることができる。
【0061】貴金属増感法のうち金増感法はその代表的
なもので、金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外
の貴金属、例えば白金、パラジウム、ロジウム等の錯塩
を含有しても差支えない。
【0062】還元増感剤としては第一錫塩、アミン類、
ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用い
ることができる。
【0063】ハロゲン化銀乳剤は増感色素により所望の
波長に分光増感できる。用いることができる増感色素に
は、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及びヘミオキソノ
ール色素が包含される。これらの色素類には、塩基性異
節環核としてシアニン色素類に通常利用される核のいず
れをも適用できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリ
ン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チ
アゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラ
ゾール核、ピリジン核など;これらの核に脂環式炭化水
素環が融合した核;及びこれらの核に芳香炭化水素環が
融合した核、即ち、インドレニン核、ベンズインドレニ
ン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオ
キサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール
核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キ
ノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原子上に
置換されていてもよい。メロシアニン色素又は複合メロ
シアニン色素にはケトメチレン構造を有する核として、
ピラゾリン-5-オン核、チオヒダントイン核、2-チオオ
キサゾリジン-2,4-ジオン核、チアゾリジン-2,4-ジオン
核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5〜6
員異節環を適用することができる。具体的には、リサー
チディスクロージャー第176巻RD-17643(1978年12月
号)第2・3頁、米国特許4,425,425号、同4,425,426号
に記載されているものを用いることができる。また増感
色素は米国特許3,485,634号に記載されている超音波振
動を用いて溶解してもよい。その他に本発明の増感色素
を溶解、或いは分散して乳剤中に添加する方法として
は、米国特許3,482,981号、同3,585,195号、同3,469,98
7号、同3,425,835号、同3,342,605号、英国特許1,271,3
29号、同1,038,029号、同1,121,174号、米国特許3,660,
101号、同3,658,546号に記載の方法を用いることができ
る。これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それら
の組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合わせは
特に強色増感の目的でしばしば用いられる。有用な強色
増感を示す色素の組み合わせ及び強色増感を示す物質は
リサーチ・ディスクロージャー(ResearchDisclosure)
176巻17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項に記載さ
れている。
【0064】本発明に用いられる感光材料には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。即ちアゾール類、例
えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾール類、ニ
トロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール
類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾー
ル類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベン
ズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミ
ノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベン
ゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1-
フェニル-5-メルカプトテトラゾール)等;メルカプト
ピリミジン類、メルカプトトリアジン類;例えばオキサ
ゾリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン
類、例えばトリアザインデン類、テトラザインデン類
(特に4-ヒドロキシ置換-1,3,3a,7-テトラザインデン
類)、ペンタザインデン類等;ベンゼンチオスルホン
酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド
等のようなカブリ防止剤又は安定剤として知られた多く
の化合物を加えることができる。
【0065】本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コ
ロイドには無機又は有機の硬膜剤を含有してよい。例え
ばクロム塩(クロム明礬、酢酸クロム等)、アルデヒド
類(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアル
デヒド等)、N-メチロール化合物(ジメチロール尿素、
メチロールジメチルヒダントイン等)、ジオキサン誘導
体(2,3-ジヒドロキシジオキサン等)、活性ビニル化合
物(1,3,5-トリアクリロイル-ヘキサヒドロ-s-トリアジ
ン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,N′-
メチレンビス-〔β-(ビニルスルホニル)プロピオンアミ
ド〕等)、活性ハロゲン化合物(2,4-ジクロロ-6-ヒド
ロキシ-s-トリアジン等)、ムコハロゲン酸類(ムコク
ロル酸、フェノキシムコクロル酸等)イソオキサゾール
類、ジアルデヒド澱粉、2-クロロ-6-ヒドロキシトリア
ジニル化ゼラチン等を、単独又は組み合わせて用いるこ
とができる。
【0066】本発明の感光性乳剤層及び/又は非感光性
の親水性コロイド層には、塗布助剤、帯電防止、滑り性
改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良など種々の
目的で種々の公知の界面活性剤を用いてもよい。
【0067】写真乳剤の結合剤又は保護コロイドとして
はゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水
性コロイドも用いることができる。例えばゼラチン誘導
体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アル
ブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エ
ステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ナトリ
ウム、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ-N-ビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、
ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビ
ニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の
合成親水性高分子物質を用いることができる。
【0068】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、
酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解物、
ゼラチン酵素分解物も用いることができる。
【0069】本発明の写真乳剤には、寸度安定性の改良
などの目的で水不溶又は難溶性合成ポリマーの分散物を
含むことができる。例えばアルキル(メタ)アクリレー
ト、アルコキシアクリル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリ
ル、オレフィン、スチレンなどの単独もしくは組合せ、
又はこれらとアクリル酸、メタクリル酸、α,β-不飽和
ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スチレンス
ルホン酸等の組合せを単量体成分とするポリマーを用い
ることができる。
【0070】本発明に用いられる感光材料には、その他
の種々の添加剤が用いられる。例えば、減感剤、可塑
剤、滑り剤、現像促進剤、オイル、染料などが挙げられ
る。
【0071】これらの添加剤及び前述の添加剤につい
て、具体的には、リサーチ・ディスクロージャー176号
(前出),22〜31頁等に記載されたものを用いることが
できる。
【0072】本発明の感光材料において、写真乳剤層そ
の他の層は感光材料に通常用いられる可撓性支持体の片
面又は両面に塗布される。可撓性支持体として有用なも
のは、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリスチ
レン、ポリエチレンテレフタレートの合成高分子から成
るフィルム等である。
【0073】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。
【0074】実施例1 下引き処理したポリエチレンテレフタレートに8W/(m
2・min)のエネルギーでコロナ放電した後下記構成の帯電
防止液を、下記の付量になる様に30m/minの速さでロー
ルフィットコーティングパン及びエアーナイフを使用し
て塗布した。
【0075】(導電性層を有する支持体の調製)下引き
処理した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートにコ
ロナ放電した後、下記構成の帯電防止液を、下記の付量
になる様に70m/minの速さでロールフィットコーティ
ングパン及びエアーナイフを使用して塗布した。
【0076】 水溶性導電性ポリマー P-6 0.6g/m2 疎水性ポリマー粒子 L-1 0.4g/m2 ポリエチレンオキサイド化合物 Ao-1 0.06g/m2 硬膜剤 E-8 0.2g/m2 これを90℃、2分間乾燥し、140℃、90秒間熱処理し
た。この導電性層を支持体の片側に塗布したものを調製
した。
【0077】
【化6】
【0078】(ハロゲン化銀乳剤の調製)同時混合法を
用いて塩沃臭化銀(塩化銀62モル%、沃化銀化0.5モル%
他は臭化銀)乳剤を調製した。
【0079】なお、最終到達平均粒径の5%が形成され
てから最終到達平均粒径に至るまでの混合工程時にヘキ
サブロモロジウム酸カリウム塩とヘキサクロロイリジウ
ム酸カリウムを、それぞれ銀1モル当たり8×10-8モル
と8×10-7モル添加した。
【0080】得られた乳剤をフェニルイソシアナートで
処理した変性ゼラチンを用いて通常のフロキュレーショ
ン法で脱塩してからゼラチン中に分散し、防ばい剤とし
て下記の〔A〕、〔B〕及び〔C〕を加え平均粒径0.30
μmの立方体単分散粒子(変動係数10%)からなる乳剤
を得た。
【0081】
【化7】
【0082】この乳剤にクエン酸と塩化ナトリウム及び
1-フェニル-5-メルカプトテトラゾールを加えた後、塩
化金酸とチオ硫酸ナトリウムを加えて60℃で化学熟成し
最高感度に達してから、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3
a,7-テトラザインデンを銀1モル当たり1g添加して熟
成を停止した後、ハロゲン化銀1モル当たり臭化カリウ
ム600mg及び下記構造SD-1の増感色素を150mg添加した。
【0083】(乳剤塗布液の調製)この乳剤にハロゲン
化銀1モル当りハイドロキノンを4g、下記構造のポリ
マーラテックスP-1を15g、抑制剤ST-1を150mg、スチレ
ン-マレイン酸重合体を2g、1Nの水酸化ナトリウム溶
液、下記構造S-1を1.5g及び塗布助剤としてサポニンと
硬膜剤として2,4-ジクロル-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリア
ジンのナトリウム塩を添加した。
【0084】(乳剤保護膜層塗布液の調製)1m2当た
り、ゼラチン1.1gを含む水溶液に重亜硫酸ナトリウム
のホルマリン付加物を1mg、1-フェニル-4-ヒドロキシ
メチル-3-ピラゾリドンを5.5mg、平均粒径3μm及び平
均粒径8μmの単分散シリカをそれぞれ15mgずつ塗布助
剤として下記構造S-2とクエン酸を添加し、更に硬膜剤
としてホルマリンを添加した。又、フッ素系の界面活性
剤FA-33を塗布量が3×10-6モル/m2となるように添加
した。
【0085】(バッキング層塗布液の調製)1m2当た
り、ゼラチン2.3gを含む水溶液に、後記水溶性染料化
合物III-1を100mg、同III-2を25mg、同III-3を100mg、
ポリマーラテックスP-1を350mg、スチレン-マレイン酸
重合体を60mg、コロイダルシリカを150mg、〔A〕、
〔B〕、〔C〕の混合物、塗布助剤としてドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ、硬膜剤としてグリオキザール及
びE-2を55mg添加し撹拌した。
【0086】
【化8】
【0087】
【化9】
【0088】(バッキング層保護膜層塗布液の調製)1
m2当たり、ゼラチン0.7gを含む水溶液に、S-2を7mg、
平均粒径5.5μmの単分散ポリメチルメタアクリレートの
分散物、〔A〕、〔B〕、〔C〕の混合物、スチレン-
マレイン酸重合体を添加し撹拌し、更に硬膜剤としてグ
リオキザール及び2,4-ジクロル-6-ヒドロキシ-1,3,5-ト
リアジンのナトリウム塩を添加した。
【0089】(試料の作成)上記帯電防止層を有するポ
リエチレンテレフタレートフィルム支持体上の片側に15
W/(m2・min)のエネルギーでコロナ放電した後、上記帯
電防止層を有する側に以上のようにして調製したバッキ
ング層塗布液及びバッキング層保護膜層塗布液を塗布し
た。また支持体上の片側に15W/(m2・min)のエネルギー
でコロナ放電した後、乳剤層及び乳剤保護膜層を塗布し
た。尚乳剤層は銀量4.0mg/m2、ゼラチン量1.7g/m2
乳剤保護層はゼラチン量1.0g/m2になるように塗布、
乾燥した。
【0090】得られた試料をステップウェッジと密着し
赤色半導体レーザー光の代用特性として波長670nmの露
光を行ってから、下記組成の現像液及び定着液を用いて
迅速処理用自動現像機(GR-26SR コニカ(株)製)にて下
記条件で処理した。
【0091】 (現像液組成)それぞれ使用液1リットルあたりの量 現像液A 現像液B 現像液C 現像液D 現像液E アンモニア水(25%) − 50ml 50ml 50ml 50ml ジエチレントリアミン5酢酸 ・5ナトリウム塩 0.05モル − − − − ジエチレントリアミン5酢酸 − − − 0.15モル 0.15モル EDTA − 0.15モル 0.15モル 0.15モル 0.15モル 亜硫酸ナトリウム 50g 20g 20g 20g 20g ほう酸 8g 8g 8g 8g 8g 臭化カリウム 5g 15g 15g 15g 15g 炭酸カリウム 40g 40g 40g 40g 40g 銀スラッジ防止剤 − I−7 I−10 I−35 I−41 − 60mg 60mg 60mg 60mg ジエチレングリコール 40g 40g 40g 40g 40g ベンツトリアゾール 0.2g 0.2g 0.2g 0.2g 0.2g ハイドロキノン 21.0g − − − − FeSO4(NH4)2SO4・6H2O − 0.15モル 0.15モル 0.15モル 0.15モル 1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル -3-ピラゾリドン 0.9g 0.9g 0.9g 0.9g 0.9g 水酸化カリウム水溶液にて pH10.4 pH7.0 pH7.0 pH7.0 pH7.0 比較 本発明 本発明 本発明 本発明 (定着液組成)使用液1リットルあたりの量 チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 200ml/リットル 亜硫酸ナトリウム 22g/リットル ほう酸 9.8g/リットル 酢酸ナトリウム・3水和物 34g/リットル 酢酸(90%水溶液) 14.5g/リットル 酒石酸 3.0g/リットル 硫酸アルミニウム(27%水溶液) 25ml/リットル 使用液のpHは4.9であった。
【0092】(現像処理条件) (工程) (温度) (時間) 現像 38℃ 12秒 定着 35℃ 10秒 水洗 40℃ 10秒 乾燥 50℃ 12秒 合計 44秒 (感度、ガンマ、最高濃度の評価)得られた現像済み試
料をPDA-65(コニカデジタル濃度計)で測定した。表中
の感度は試料1-1の濃度3.0における感度を100とした場
合の相対感度で表した。また、ガンマは濃度0.1と3.0の
正接をもって表し、表中のガンマ値が6未満では使用不
可能であり、6以上9未満でもまだ不十分である。ガン
マ値が9以上ではじめて超硬調な画像が得られ、十分に
実用可能な感光材料であることをしめす。最高濃度は、
3.5未満では使用不可能であり、4以上ではじめて十分
に実用可能となる。
【0093】評価結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】表1から、本発明の方法によると、Dry to
Dry60秒以下の処理においても比較に比べて感度も高
く、ガンマ及び最高濃度も十分で使用可能なレベルであ
ることが解る。
【0096】実施例2 実施例1において、試料1m2あたり150mlずつ現像液を
補充しながら試料を100m2処理した。そのとき生ずる劣
化現像液に下記陰極を、電解質溶液に下記陽極を入れ、
下記陰イオン交換膜を介して劣化現像液槽と電解質溶液
槽が接するようにし、両極に2Vで0.1A/dm2の条件で6
時間通電して再生した。
【0097】陰極 :ステンレスウール 陽極 :チタンの白金メッキ 電解質溶液 :KCl 10%溶液 陰イオン交換膜:旭硝子製Selemion AWV/ASR 通電して再生後も沈澱は発生しなかった。再生した現像
液をもう一度現像槽に入れ、実施例1と同様にして現像
を行い結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
【0099】表2から、本発明の方法によると、再生液
を使用しても感度の低下、軟調化が少なく、最高濃度も
十分で使用可能なレベルであることが解る。
【0100】実施例3 実施例1において、乳剤保護層の膜厚及び乳剤層の銀/
バインダー比率を表3に示すような値になるように銀
量、ゼラチン量を変化させて調製した。保護層の膜厚は
6000倍でSEM写真を撮り実測した。又、バッキング層の
ゼラチン量は0.6g/m2、バッキング保護層のゼラチン
量は0.4g/m2になるようにし、更にバッキング層の下
層に下記処方のポリマー層を同時塗布した。
【0101】 (ポリマー層) メチルメタクレート:アクリル酸=97:3 1.0g/m2 グリオキザール (硬膜剤) 6.0mg/m2 なお、銀量及びゼラチン量以外は実施例1と同様にして
試料を作製した。
【0102】
【表3】
【0103】得られた試料は、実施例1と同様に露光
し、現像液Bを用いて処理した。ガンマ、最高濃度は実
施例1と同様に評価を行い、感度は試料3-1の感度を100
とした場合の相対感度で表した。乾燥性、カブリ及びリ
ニアリティーの評価は以下のように行った。測定結果は
表4に示す。
【0104】(乾燥性の評価)処理直後の試料を密着さ
せ、その時の試料のくっつき度合いをランク評価した。
全くくっつかないものを最高ランク5とし、くっつきの
度合いに応じて4、3、2、1とランクを下げた。ラン
ク1、2は実用上使用不可のレベルである。
【0105】(カブリの評価)処理後の試料の未露光部
の濃度を測定し、カブリのないものを最高ランク5と
し、カブリの発生に応じて4、3、2、1とランクを下
げた。ランク1、2は実用上使用不可のレベルである。
【0106】(リニアリティーの評価)大日本スクリー
ニング社製SG-747を用い、95%と5%の網を出力させ、
処理後の網%を測定した。95%及び5%に近い程リニア
リティーが高い。
【0107】
【表4】
【0108】表4から、本発明のハロゲン化銀写真感光
材料は、感度も高く、ガンマ、最高濃度、カブリ、乾燥
性のいずれもが良いレベルにあり、十分使用可能であ
る。更に、リニアリティーも比較に比べ極めて良好であ
ることが解る。
【0109】
【発明の効果】本発明により自動現像機で迅速処理して
も、濃度、感度の低下や軟調化したり、スキャナー工程
におけるリニアリティーの劣化といった問題が起こりに
くいハロゲン化銀感光材料の処理方法が得られた。又、
ハロゲン化銀写真感光材料を処理した後の現像液を再生
する方法及び再生した液で現像処理しても軟調化や感度
の低下等の写真性能の劣化が生じにくいハロゲン化銀写
真感光材料の現像処理方法が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/76 502 5/00 A 5/31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料を自動現像
    機で現像処理する方法において、実質的にハイドロキノ
    ン類を含有せず、かつ遷移金属錯塩からなる現像主薬を
    含有する現像液で現像され、しかも、フィルム先端が自
    動現像機に挿入されてから該先端が乾燥ゾーンから出て
    くるまでの全処理時間(Dry to Dry)が10秒以上60秒以
    下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料の現像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記現像液でハロゲン化銀写真感光材料
    を現像処理後、通電して現像液を再生してから別のハロ
    ゲン化銀写真感光材料を現像処理することを特徴とする
    請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀写真感光材料が、画像
    を形成するハロゲン化銀乳剤層の銀/バインダー重量比
    率が0.7以上1.3以下であり、かつ、該ハロゲン化銀乳剤
    層の上に塗布された保護層の厚みが0.6μm以上2.0μm以
    下であることを特徴とする請求項1又は2記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料の現像処理方法。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン化銀写真感光材料が、ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有する面と支持体をはさんで反対の面
    に、少なくとも一層の非感光性の親水性コロイド層及び
    少なくとも一層の疎水性ポリマー層を有することを特徴
    とする請求項1、2又は3記載のハロゲン化銀写真感光
    材料の現像処理方法。
  5. 【請求項5】 実質的にハイドロキノン類を含有せず、
    かつ遷移金属錯塩からなる現像主薬を含有する現像液で
    ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理後、通電して現像
    液を再生することを特徴とする現像液再生方法。
JP19861994A 1994-08-23 1994-08-23 ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法及び現像液再生方法 Pending JPH0862789A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19861994A JPH0862789A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法及び現像液再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19861994A JPH0862789A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法及び現像液再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0862789A true JPH0862789A (ja) 1996-03-08

Family

ID=16394214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19861994A Pending JPH0862789A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法及び現像液再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0862789A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0462571B2 (ja)
JPH0621919B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0473858B2 (ja)
JP3448724B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用現像剤及びその処理方法
EP0679938B1 (en) A method for producing a silver halide photographic light-sensitive material
JP2821505B2 (ja) 耐圧性が改良されたハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法
JPH0410616B2 (ja)
JPH0961972A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JPH0862789A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法及び現像液再生方法
JPH09127655A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤および処理方法
JPS61230145A (ja) 画像形成方法
JPH0934052A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JP3393275B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3379037B2 (ja) 黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JPH08297340A (ja) 黒白ハロゲン化銀写真感光材料及びその製造方法
JPH0922084A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその現像方法
JPH0829908A (ja) 黒白ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JPH08248551A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法
JPH0973145A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法、ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法
JPH09281628A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法
JPH08234360A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0444027A (ja) 耐圧性が改良されたハロゲン化銀写真感光材料
JPH11119367A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JPH0240643A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH09325457A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法