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JPH0860341A - 抗菌性を有する装飾品の表面処理方法 - Google Patents

抗菌性を有する装飾品の表面処理方法

Info

Publication number
JPH0860341A
JPH0860341A JP21536294A JP21536294A JPH0860341A JP H0860341 A JPH0860341 A JP H0860341A JP 21536294 A JP21536294 A JP 21536294A JP 21536294 A JP21536294 A JP 21536294A JP H0860341 A JPH0860341 A JP H0860341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
antibacterial agent
plating
surface treatment
powdered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21536294A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Kimura
裕徳 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukushin Mekki Kogyosho Kk
Original Assignee
Fukushin Mekki Kogyosho Kk
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukushin Mekki Kogyosho Kk filed Critical Fukushin Mekki Kogyosho Kk
Priority to JP21536294A priority Critical patent/JPH0860341A/ja
Publication of JPH0860341A publication Critical patent/JPH0860341A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い抗菌性を長期間にわたって維持し得る抗
菌性有する装飾品の表面処理方法を提供する。 【構成】 無機質の担体たるリン酸カルシウムの一部
を、抗菌性金属イオンたる銀で置換させてなる粉末状抗
菌剤7と、メッキ用金属たるTiとを混合した混合粉末
を材料としたイオンプレーティング法またはスパッタリ
ング法により、基材1上に、前記粉末状抗菌剤7を均一
に分布させた複合メッキ層8を形成する。また抗菌性金
属イオンは、前記銀のほか銅、亜鉛、錫、ビスマス及び
クロムからなる群より選ばれた少なくとも1種を用いて
もよい。さらに粉末状抗菌剤はルチル形の酸化チタンを
主成分とするものを用いてもよい。 【作用効果】 前記複合メッキ層8を形成した装飾品
は、高い抗菌性を長期間にわたって維持し得るととも
に、メッキ本来の色調及び光沢に悪影響を与えない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に複合メッキ層を
形成した眼鏡フレーム、時計、ライター、万年筆及びブ
ローチ等の装飾品の表面処理方法に係り、特に複合メッ
キ層に抗菌性をもたすように構成したものに関する。と
ころで、本明細書において、抗菌性とは、細菌および/
またはカビの繁殖をも抑える性質をいうものである。
【0002】
【従来の技術】従来から行われてきたこの種装飾品の表
面処理方法は、眼鏡フレーム等の装飾品のメッキを施し
た表面に、抗菌剤を混入させた塗料を吹付塗装や電着塗
装によって塗布するというものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、抗菌剤が塗料に混入することにより塗料の眼
鏡フレーム等への密着性が低下するうえ、該塗料は元
来、紫外線、汗、磨耗、アルコール等に極端に弱いた
め、使用開始後3か月程で剥離して抗菌効果が消滅して
しまうという問題点があった。
【0004】また、前述の各装飾品は、商品価値の点か
らも表面のメッキ処理を施した色調が重視されている
が、前記塗料及び抗菌剤は、完全な透明体ではないの
で、紫外線、汗、磨耗、アルコール等による剥離及び損
傷を防止すべく厚く形成すると、メッキ処理を施した装
飾品表面が前記塗料及び抗菌剤で被覆されるので、メッ
キ本来の色調が変化して商品価値が低下するという問題
点があった。特に、貴金属メッキ処理を施した装飾品の
場合はこの問題点が顕著に現れてしまう。
【0005】さらに、抗菌剤は塗料より比重が大きいた
め、該抗菌剤を塗料中に均一に分散させることが困難
で、装飾品各部位の抗菌剤等の分布にバラツキが出て、
不良品になるものが多いという問題点があった。
【0006】本発明は、前述の問題点を解消することを
課題とし、該課題を解決すべくなされたもので、紫外
線、汗、磨耗、アルコール等に強い抗菌性を有する装飾
品の表面処理方法を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、高い抗菌性を長期間にわ
たって維持し得るとともに、メッキ本来の色調や光沢に
悪影響を与えない抗菌性を有する装飾品の表面処理方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記各目的を
達成するために、例えば、無機質の担体の一部を抗菌性
金属イオンで置換させてなる粉末状抗菌剤7とメッキ用
金属とを均一に混合したものを加熱し、かつ所定の反応
ガスによって反応させて行うイオンプレーティング法ま
たはスパッタリング法により、基材1上に、前記粉末状
抗菌剤7を均一に分布させた複合メッキ層8を形成する
ものである。
【0009】また、本発明は、上記各目的を達成するた
めに、例えば、無機質の担体の一部を抗菌性金属イオン
で置換してなる粉末状抗菌剤を均一に混合したメッキ液
を用いた湿式メッキ法により、基材上に、前記粉末状抗
菌剤とメッキ液中の金属とを共析させて該粉末状抗菌剤
7を均一に分布させた複合メッキ層を形成するものであ
る。
【0010】上記各無機質の担体は、リン酸カルシウム
を用いるのが、また抗菌性金属イオンは、銀、銅、亜
鉛、錫、ビスマス及びクロムからなる群より選ばれた少
なくとも1種であることが、それぞれ高い抗菌性をもつ
粉末状抗菌剤を得る観点から好ましい。
【0011】さらに、本発明は、上記各目的を達成する
ために、例えば、ルチル形の酸化チタンを主成分とする
粉末状抗菌剤とメッキ用金属とを均一に混合したものを
加熱し、必要に応じて所定の反応ガスによって反応させ
て行うイオンプレーティング法またはスパッタリング法
により、基材に、前記粉末状抗菌剤を均一に分布させた
複合メッキ層を形成するものである。
【0012】またさらに、本発明は、上記各目的を達成
するために、例えば、ルチル形の酸化チタンを主成分と
する粉末状抗菌剤を均一に混合したメッキ液を用いた湿
式メッキ法により、基材に、前記粉末状抗菌剤とメッキ
液中の金属を共析させて該粉末状抗菌剤7を均一に分布
させた複合メッキ層を形成するものである。
【0013】前記各粉末状抗菌剤は、粒径が1μm以下
であることが、光沢の低下をより生じさせない観点から
好ましい。特に優れた光沢が要求される場合には、この
粒径は0.1μm以下にすることが望ましい。また、該
各粉末状抗菌剤は、装飾品の使用環境に拘らず、安定し
た密着力を持続させ容易に剥離させないことにより抗菌
性をより長期間にわたって維持するという観点と、メッ
キ本来の色調への悪影響をより確実に阻止するという観
点とから、複合メッキ層中に0.05重量%〜20重量
%含有されていることが好ましい。
【0014】
【作用】以上のようにして、基材1にメッキによって粉
末状抗菌剤7を均一に分布させた複合メッキ層8を形成
した装飾品は、メッキ処理を施した表面に重ねて抗菌剤
を混入した塗料を塗布する必要がなく、粉末状抗菌剤7
が複合メッキ層8中、及び表面に存在し、かつその密着
力が強く剥離し難いので、高い抗菌性を長期間にわたっ
て維持し、さらにメッキ本来の色調と光沢を維持し得
る。また、前記装飾品は、複合メッキ層8中に粉末状抗
菌剤7を0.05重量%〜20重量%含有させると、使
用環境に拘らず、より密着力が強まって、さらに安定し
た抗菌性を発揮するとともに前記粉末状抗菌剤7の混入
による色調の変化がより起こらない。またさらに、粉末
状抗菌剤7の粒径を1μm以下にすると、前記粉末状抗
菌剤7の混入による光沢の低下をより確実に阻止し得
る。
【0015】
【実施例】以下に、眼鏡フレームのイオンプレーティン
グ法に適用した本発明の好適な第1実施例を添付図面に
基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1は眼鏡フ
レームの正面図、図2は眼鏡フレームの拡大部分縦断面
図、図3はイオンプレーティング装置の概略的な縦断面
図である。
【0016】図1に示したように、先ず、Ti線材を眼
鏡フレームA1の形状に成形して、基材1とする。
【0017】図3に示したように、次に、前記基材1を
イオンプレーティング装置にセットする。このイオンプ
レーティング装置は、真空処理槽2内に、上部のカソー
ド電極3と下部の蒸発源ボード4を、互いに対向するよ
うに配置し、カソード電極3に前述の基材1を取り外し
可能に吊持し得るように構成してある。前記蒸発源ボー
ド4には、可変式の直流電源5の陽極に接続した加熱ヒ
ーター6が設けてあり、該直流電源5の出力を加減する
ことによって蒸発源ボード4を所望の温度に制御できる
ように構成されている。また、前記直流電源5の陰極は
前記カソード電極3に接続してある。
【0018】続いて、前述の蒸発源ボード4に、メッキ
用金属たる90重量%のTi粉末と、10重量%で粒径
が0.3μmの粉末状抗菌剤7とを均一に混合して得た
混合粉末を載せ、真空処理槽2内に反応ガスとして窒素
とアセチレンガスを流し込みながら蒸発源ボード4を所
望の温度に加熱する。そして、前記基材1に、粒径0.
3μmの粉末状抗菌剤7を約1重量%含んだ約0.5μ
m厚の複合メッキ層8を形成し、装飾品たる眼鏡フレー
ムA1を得る。前記粉末状抗菌剤7は、無機質の担体た
るリン酸カルシウムの一部を、抗菌性金属イオンたる銀
で置換させたものである。
【0019】図2に示したように、顕微鏡で観察したと
ころ、前記粉末状抗菌剤7は、複合メッキ層8中にほぼ
均一に分布し、かつ複合メッキ層8外面にも露出した状
態でほぼ均一に分布しており、この均一な分布によって
バラツキなく抗菌性を発揮する。
【0020】続いて、上記眼鏡フレームA1と、基材1
にTi粉末を用いたイオンプレーティング法によるメッ
キを施した後、粉末状抗菌剤7を混入した塗料で電着塗
装を施した眼鏡フレームB1(従来例、図示せず)と、
基材1に抗菌剤を使用せずにTi粉末を用いたイオンプ
レーティング法によるメッキを施した眼鏡フレームC1
(図示せず)との減菌率及び経時的減菌率の変化を比較
するためにキャス試験を行った。その結果を表1に示
す。
【表1】
【0021】この結果から、眼鏡フレームA1と眼鏡フ
レームB1とはキャス試験前においていずれも減菌率9
9.9%であるが、該試験24時間後には、眼鏡フレー
ムA1が該試験前と同じ99.9%であるのに対し、眼
鏡フレームB1では52.0%に低下している。すなわ
ち、眼鏡フレームA1は眼鏡フレームB1に比べて、長
期間高い減菌率(抗菌性有無の目安になる)が維持され
ることが判明した。また、色調、光沢について肉眼によ
り観察したところ、眼鏡フレームA1は眼鏡フレームC
1と比較して遜色がない一方、眼鏡フレームB1は前記
量フレームA1,C1よりも劣ることが確認された。
【0022】以下に、眼鏡フレームのスパッタリング法
に適用した、本発明の好適な第2実施例を詳細に説明す
る。
【0023】先ず、3.0μm厚のパラジウムメッキ
(耐腐食用)を施した洋白線材を眼鏡フレームの形状に
成形して基材(図示せず、図1参照)とする。
【0024】次に、通常用いられている一般的なスパッ
タリング装置(図示せず)に、前記基材と、メッキ用金
属たるTi粉末90重量%と、第1実施例の粉末状抗菌
剤7と同一組成で粒径0.3μmの粉末状抗菌剤10重
量%を均一に混合した混合粉末から粉末冶金法により作
成したスパッタリングターゲットとをセットする。
【0025】続いて、反応ガスとして窒素をスパッタリ
ング装置内に流し込みながら、スパッタリング法で複合
メッキを施し、前記基材に、粒径0.3μmの粉末状抗
菌剤を約1重量%を含んだ約0.3μm厚の金色の複合
メッキ層を形成して、装飾品たる眼鏡フレームA2(図
示せず)を得た。
【0026】図示してはいないが、顕微鏡で観察したと
ころ、第1実施例と同様に、前記粉末状抗菌剤は、複合
メッキ層中に均一に分布し、かつ複合メッキ層外面に露
出した状態で均一に分布していた。なお、この均一な分
布によってバラツキのない抗菌性を眼鏡フレームにもた
すことができる。
【0027】続いて、上記眼鏡フレームA2と、基材に
Ti粉末を用いたスパッタリング法でメッキを施した
後、上述の粉末状抗菌剤を混入した塗料で電着塗装を施
した眼鏡フレームB2(従来例、図示せず)と、基材に
抗菌剤を使用せずにTi粉末を用いたスパッタリング法
でメッキを施した眼鏡フレームC2(図示せず)との減
菌率及び経時的減菌率を比較するためにキャス試験を行
った。その結果を表2に示す。
【表2】
【0028】この結果から、眼鏡フレームA2と眼鏡フ
レームB2とはキャス試験前においていずれも減菌率9
9.9%であるが、該試験24時間後には、眼鏡フレー
ムA2が該試験前と同じ99.9%であるのに対し、眼
鏡フレームB2では52.0%に低下している。すなわ
ち、眼鏡フレームA2は眼鏡フレームB2に比べて、高
い減菌率を長期間にわたって維持することが判明した。
また、色調、光沢について肉眼により観察したところ、
眼鏡フレームA2は眼鏡フレームC2と比較して遜色が
ない一方、眼鏡フレームB2は前記眼鏡フレームA2,
C2よりも劣ることが確認された。
【0029】以下に、眼鏡フレームの湿式メッキ法に適
用した、本発明の好適な第3実施例を詳細に説明する。
【0030】先ず、0.45dm2 のTi線材を眼鏡フ
レームの形状に成形して基材(図示せず、図1参照)と
する。
【0031】次に、Au−Pd−Cuのメッキ液中に、
第1実施例の粉末状抗菌剤7と同一組成で粒径0.1μ
mの粉末状抗菌剤を約20g/lの割合で添加し、前記
基材をメッキ槽中にセットする。
【0032】続いて、前記メッキ液に、攪拌と超音波照
射を併用しながら、電流密度0.5A/dm2 で3分間
通電し、該基材に、粒径が0.1μmの粉末状抗菌剤を
約4重量%含んだ0.5μm厚のAu−Pd−Cu合金
の複合メッキ層を形成して眼鏡フレームA3を得る。
【0033】前記粉末状抗菌剤は、攪拌と超音波照射に
よりメッキ液中に均一に分散されることにより、形成さ
れた複合メッキ層にも均一に分布し、特に複合メッキ層
中のみならず外面に露出した状態で均一に分布するので
眼鏡フレーム各部における抗菌力にバラツキが起こらな
い。
【0034】続いて、上記眼鏡フレームA3と、基材に
Au−Pd−Cuのメッキ液による湿式メッキを施した
後、上述の粉末状抗菌剤を混入した塗料で電着塗装を施
した眼鏡フレームB3(従来例、図示せず)と、基材に
抗菌剤を使用せずにAu−Pd−Cuのメッキ液による
湿式メッキを施した眼鏡フレームC3(図示せず)との
減菌率及び経時的減菌率を比較するために減菌試験を行
った。この減菌試験は、眼鏡フレームを人工汗溶液に2
4時間浸漬後に行った。なお、このように眼鏡フレーム
を人工汗溶液に24時間浸漬すると、実際の使用におい
て1年経過後とほぼ同じ状態になる。また、減菌率はシ
ェイクフラスコ法で測定した。テスト結果を表3に示
す。
【表3】
【0035】この結果から、眼鏡フレームA3と眼鏡フ
レームB3とは試験前においていずれも減菌率99.9
%であるが、24時間浸漬後の試験では、眼鏡フレーム
A3が99.0%であるのに対し、眼鏡フレームB3で
は18.0%と急激に低下しており、眼鏡フレームA3
は眼鏡フレームB3に比べて、長期間にわたって減菌率
が高く維持されることが判明した。また、色調、光沢に
ついて肉眼により観察したところ、眼鏡フレームA3は
眼鏡フレームC3と比較して遜色がない一方、眼鏡フレ
ームB3は前記量フレームA3,C3よりも劣ることが
確認された。
【0036】以下に、装飾品の部品の湿式メッキ法に適
用した、本発明の好適な第4実施例を詳細に説明する。
【0037】先ず、装飾品の部品の形状に成形した0.
1dm2 の真鍮片を基材(図示せず)とする。
【0038】次に、Au−Ni1重量%のメッキ液中
に、第1実施例の粉末状抗菌剤7と同一組成で粒径0.
05μmの粉末状抗菌剤を10g/lの割合で添加す
る。
【0039】続いて、メッキ液に対して、攪拌と超音波
照射を併用しながら、電流密度1A/dm2 で5分間通
電し、該基材に、粒径0.05μmの粉末状抗菌剤を約
3重量%含んだ0.5μm厚の貴金属を主成分とするA
u−Ti合金のメッキ層たる複合メッキ層を形成して装
飾品の部品A4(図示せず)を得る。
【0040】前記粉末状抗菌剤は、攪拌と超音波照射に
よりメッキ液中に均一に分散されることにより、形成さ
れた複合メッキ層にも均一に分布し、特に複合メッキ層
中のみならず外面に露出した状態で均一に分布するの
で、眼鏡フレームの各部においてバラツキのない抗菌性
を発揮する。
【0041】続いて、上記部品A4と、基材にAu−T
iメッキ液による湿式メッキを施した後、上述の粉末状
抗菌剤を混入した塗料で電着塗装を施した部品B4(従
来例、図示せず)と、基材に抗菌剤を使用せずにAu−
Tiメッキ液による湿式メッキを施した部品C4(図示
せず)との減菌率及び経時的減菌率を比較するために減
菌試験を行った。この減菌試験は、部品A4,B4,C
4を人工汗溶液に24時間浸漬後に行うもので、各部品
を人工汗溶液に24時間浸漬すると、それぞれ実際の使
用において1年経過後とほぼ同じ状態になる。また、減
菌力はシェイクフラスコ法で測定した。その結果を表4
に示す。
【表4】
【0042】この結果から、部品A4と部品B4とは試
験前においていずれも減菌率99.9%であるが、24
時間浸漬後の試験後では、部品A4が99.0%である
のに対し、部品B4では13.0%と急激に低下してお
り、部品A4は部品B4に比べて、経時的減菌率が高い
こと、すなわち、高い抗菌性を長期間にわたって維持で
きることが判明した。また、色調、光沢について肉眼に
より観察したところ、部品A4は部品C4と比較して遜
色がない一方、部品B4は前記部品A4,C4よりも劣
ることが確認された。
【0043】また、上記部品A4,B4を用いて、Ni
アレルギーを持つ5人を対象としてパッチテストを行っ
たところ表5のような結果が得られた。
【表5】
【0044】この結果から、部品A4は、部品B4に比
べてNiアレルギーを起こしにくいということが判明し
た。この理由は、部品A4の複合メッキ層外面に粉末状
抗菌剤が均一に分布し複合メッキ層中のNiが皮膚に直
接触れる面積を少なくしているためと考えられる。この
ように、前述の実施例4は、Niアレルギーを防止する
という他の利点がある。
【0045】前記第1〜第4実施例の変形例には、それ
ぞれで用いる粉末状抗菌剤をルチル形の酸化チタンを主
成分としたものに代えた表面処理方法がある。そして、
この粉末状抗菌剤は、各実施例の場合と同様に、その粒
径が1μm以下であり、かつ複合メッキ層中に0.05
重量%〜20重量%含有されたものが好ましい。なお、
ルチル形の酸化チタンを主成分とした該粉末状抗菌剤
は、粒径を小さく形成することが容易であるという特性
をもっている。
【0046】なお、本発明は前記各実施例になんら限定
されるものではなく、例えば、無機質の担体は、抗菌性
金属イオンを置換し得るリン酸カルシウムではない他の
物質に代えてもよく、また、抗菌性金属イオンは、銀の
ほか銅、亜鉛、錫、ビスマス及びクロムからなる群より
選ばれた少なくとも1種を用いてもよい。上述の実施例
のように銀を用いた場合は、硬度が高いので通常のメッ
キ層と比べて数分の1の厚みで十分な耐磨耗性を有する
から、特にメッキ材料として貴金属を使用する場合に経
済性に優れて有効であるという利点を有する。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明は、粉末状抗菌剤を
均一に分布した複合メッキ層を形成することによって、
紫外線、汗、磨耗、アルコール等に強く、またメッキ本
来の色調や光沢に悪影響を与えないほか、高い抗菌性を
長期間にわたって維持し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼鏡フレームの正面図
【図2】眼鏡フレームの拡大部分縦断面図。
【図3】イオンプレーティング装置の概略的な縦断面
図。
【符号の説明】
1 基材 7 粉末状抗菌剤 8 複合メッキ層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質の担体の一部を抗菌性金属イオン
    で置換させてなる粉末状抗菌剤とメッキ用金属とを均一
    に混合したものを加熱し、必要に応じて所定の反応ガス
    によって反応させて行うイオンプレーティング法または
    スパッタリング法により、基材に、前記粉末状抗菌剤を
    均一に分布させた複合メッキ層を形成することを特徴と
    する抗菌性を有する装飾品の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 無機質の担体がリン酸カルシウムである
    前記請求項1に記載された抗菌性を有する装飾品の表面
    処理方法。
  3. 【請求項3】 抗菌性金属イオンが、銀、銅、亜鉛、
    錫、ビスマス及びクロムからなる群より選ばれた少なく
    とも1種である前記請求項1または前記請求項2に記載
    された装飾品の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 ルチル形の酸化チタンを主成分とする粉
    末状抗菌剤とメッキ用金属とを均一に混合したものを加
    熱し、必要に応じて所定の反応ガスによって反応させて
    行うイオンプレーティング法またはスパッタリング法に
    より、基材に、前記粉末状抗菌剤を均一に分布させた複
    合メッキ層を形成することを特徴とする抗菌性を有する
    装飾品の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 無機質の担体の一部を抗菌性金属イオン
    で置換させてなる粉末状抗菌剤を均一に混合したメッキ
    液を用いた湿式メッキ法により、基材に、前記粉末状抗
    菌剤とメッキ液中の金属を共析させて該粉末状抗菌剤を
    均一に分布させた複合メッキ層を形成することを特徴と
    する抗菌性を有する装飾品の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 無機質の担体がリン酸カルシウムである
    前記請求項5に記載された抗菌性を有する装飾品の表面
    処理方法。
  7. 【請求項7】 抗菌性金属イオンが、銀、銅、亜鉛、
    錫、ビスマス及びクロムからなる群より選ばれた少なく
    とも1種である前記請求項5または前記請求項6に記載
    された抗菌性を有する装飾品の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 ルチル形の酸化チタンを主成分とする粉
    末状抗菌剤を均一に混合したメッキ液を用いた湿式メッ
    キ法により、基材に、前記粉末状抗菌剤とメッキ液中の
    金属を共析させて該粉末状抗菌剤を均一に分布させた複
    合メッキ層を形成することを特徴とする抗菌性を有する
    装飾品の表面処理方法。
  9. 【請求項9】 メッキ液が貴金属を主成分とするもので
    あることを特徴とする前記請求項5または前記請求項6
    または前記請求項7または前記請求項8に記載された抗
    菌性を有する装飾品の表面処理方法。
  10. 【請求項10】 粉末状抗菌剤が、その粒径が1μm以
    下であり、かつ複合メッキ層中に0.05重量%〜20
    重量%含有されることを特徴とする前記請求項1または
    前記請求項2または前記請求項3または前記請求項4ま
    たは前記請求項5または前記請求項6または前記請求項
    7または前記請求項8または前記請求項9に記載された
    抗菌性を有する装飾品の表面処理方法。
JP21536294A 1994-08-17 1994-08-17 抗菌性を有する装飾品の表面処理方法 Pending JPH0860341A (ja)

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JPH0860341A true JPH0860341A (ja) 1996-03-05

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ID=16671041

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