JPH08509910A - 灌流による超音波エネルギー結合のためのシステム及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 超音波エネルギー結合のためのシステム（５）は、超音波トランスデューサー（11）と、通路（14）を備えたホーン部材（12）と、及び、該通路を通しそして該ホーンの外へと液体を移動させるためのポンプ（17）とを含む。該エネルギー結合又は移動を達成するために用いられる方法は、超音波トランスデューサーにより該ホーン部材を振動させ、そして該通路を通して該ホーン部材内へそして対象物上へと、液体をポンプ輸送することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 灌流による超音波エネルギー結合のためのシステム及び方法 発明の分野 本発明は超音波エネルギー結合のためのシステム及び方法に関し、より具体的 には、対象物を液体で灌流することによる、対象物に振動の機械的エネルギーを 移転するための方法に関する。 先行技術についての記述 本発明は、液体を他の液体と、又は粉末を液体と混合するのを、及び／又は錠 剤を液体に溶解するのを効率化することのできる自動化された分析機器システム において特に有用性がある。しかしながら、本発明は、類似の機能を必要とする 他の広範な種々の適用において有用性を有する。 幾つかの先行技術の機器システムが、混合その他の機能を提供するために超音 波エネルギーを用いている。Listonの米国特許第4,528,159号は、試薬錠剤を溶 解させるためのアセンブリーを備えたそのようなシステムを記述している。その アセンブリーは、反応コンパートメントを液体浴内へ進める連続のキュベットベ ルト及び、ホーンから該反応コンパートメントへとエネルギーを移動する該浴内 に配置された超音波ホーンを含む。このアセンブリーは、不必要に複雑でありそ して製造に費用がかかる。加えて、それはエネルギーの効率的な移動を提供しな い。 サンプル成分を混合し又は溶解させるための別の先行技術のプラクティスの一 つは、意図した機能を達成させるために、超音波ホー ンのチップをサンプル内に直接入れることを含む。このプラクティスは、システ ムがこの意図した機能を多数のサンプルに対して提供する自動化された適用にお いては、交差汚染問題を引き起こす。そのような適用は、該ホーンチップから汚 染物を除去するための追加の洗浄ステップを必要とする。 本発明は、先行技術の装置及びプラクティスのこの欠点を回避する。それは、 対象物をエネルギー移動液体で灌流することによる対象物への振動の機械的エネ ルギーの移転の、単純且つ効果的なシステム及び方法を提供する。 発明の要約 本発明の一具体例に従って、対象物へ振動の機械的エネルギーを移転するため のシステムは、電気的エネルギー（電源により提供される）を振動の機械的エネ ルギーへと変換する超音波トランスデューサーを含む。該トランスデューサーに 連結されたホーン部材が、トランスデューサーによって提供された振動の機械的 エネルギーを受け取って、それをホーン部材と接触している液体に移転する。該 ホーン部材は、それを通って該液体が流れるものである少なくとも１つの流路を 備える。 ポンプアセンブリーが該液体を液体源から、該ホーン部材の流路を通して、該 ホーン部材の外へそして対象物へと、移動させる。このアセンブリーは、ポンプ 及び、液体が該液体源から該ホーン部材へと通って流れるものである導管を含む 。該液体源は、該対象物から離れて流れる液体を受け取るためのそして液体を更 なる灌流のために提供するための、容器アセンブリーを含む。 該システムにおいて用いられている超音波エネルギー結合の方法 は、超音波トランスデューサーによってホーン部材を振動させることを含む。そ れはまた、液体を、該振動するホーン部材と接触させそして次に対象物上へとポ ンプ輸送し、それによって対象物を該液体で灌流することを含む。従って、該液 体は、ホーンの振動の機械的エネルギーを該対象物へ移転する。 図面の簡単な説明 この発明のよりよい理解のためには、添付の図面に一層詳細に図解されそして 本発明の一具体例として以下に記述された具体例を参照しなければならない。図 面において： 図１は、本発明のシステムを用いた装置の移し替えアセンブリーの透視図であ り、 図２は、図１の線２−２に沿ってとられた断面図であって、容器を灌流する２ つの超音波ホーンを備えた超音波エネルギー結合システムを示しており、 図３は、図２の断面図であって、該容器を灌流する１つの超音波ホーンを備え た図２のシステムの修正を図解している。 図４は、本発明のシステムにおいて使用される超音波ホーンの透視図である。 次の開示は本発明を一具体例及び該一具体例の一修正との関係において記述し ているが、本発明がこの具体例によって限定されないことは理解されねばならな い。更には、図面が同縮尺でなくグラフ上のシンボル、図式的表示及び分解図が 、部分的に、該具体例を説明していることが理解されねばならない。特定の例に おいては、その開示は、本発明の理解に必要のない詳細を含まないであろう。 図面及び具体例についての詳細な記述 今や図面を見ると、図１は、移し替えアセンブリーに近接した２つの位置に本 発明の超音波エネルギー結合システムを備えた、回転可能な移し替えアセンブリ ーＴを図解している。該移し替えアセンブリーＴは、囲いＣ（例えば、１つのキ ュベット又は１対のキュベット）を、該囲い内に入れられた液体を他の液体と、 粉末を液体と、又は錠剤を液体と混合するのを効率化するシステムＳへと移動さ せる。 図２に示されているように、各システムＳは、一対の超音波トランスデューサ ー及びホーンアセンブリー10を含む。各アセンブリーのトランスデューサー11は 、（適当な電源Ｐによって提供される）電気的エネルギーを振動の機械的エネル ギーへ変換する商業的に入手できる広範な種々のトランスデューサーのいずれで あってもよい。そのようなトランスデューサーの１つは、コネチカット州ダンベ リーのMaterials Inc.によって販売されているModel No．VC40である。 各アセンブリーのホーン部材12は、対応するトランスデューサー11から振動の エネルギーを受け取り、そしてそれを以下に記述するように液体へ移転する。部 材12は、第１の末端においてトランスデューサー11と結合したそしてアルミニウ ム、チタン、ステンレススチールその他の、優れた音響エネルギー伝達特性を有 する固体でできた長く延びた部材である。（図４を参照）ネジ山つきボルト13が 該ホーン部材12の第１の末端を対応するトランスデューサー11に固定している（ 図２を参照）。他端は、該ホーンの外方へと振動エネルギーを集中させるために 丸みを持たせた形状である。 各ホーン部材は、穿孔、鋳造又はその他の方法でホーン部材の形 に形成した通路14を備える。該通路は、該部材の側面に入口15が配置されており そして該部材の、該第１の末端とは反対側の第２の末端に出口が配置されている 、丸い、全体としてＬ字型の穴である。特定の一具体例として、該ホーン部材は 図４に示された形状を有する通路及び、約0.050インチの一定の直径を有する丸 い断面を備えて製作された。 代わりとして、該通路は、いかなる適当な形状及びいかなる適当な断面を有し ていてもよい。例えば、通路は、トランスデューサー11を通ってそしてホーン部 材12を横切って、一端から他端へと延びていてもよい。加えて、ホーン部材12は 、１つより多くの通路を、又は、１つの入口部、ホーン12の長さに沿った節点に 極めて近接したマニホールド部、及び２つ又はより多くの出口部を備えた通路を 含んでもよい。該出口部は、横に並べられて又は上下におかれていてよい。 ポンプ17及び導管18ａ〜ｄは、ホーン部材12がトランスデューサーから受け取 った振動の機械的エネルギーを液体へ移転するよう、液体（例えば、エチレング リコール、水、水より粘性の低い液体、及び水より粘性の高い液体）を容器19か ら２つのホーン部材12へとそして各ホーン部材12の通路14を通して移動させる。 ポンプは、液体を加圧下に通路出口16から押出し、そして液体は、囲い又はコン パートメントＣに接触する。 一般に、空気は音響の伝導性に乏しい。従って、ホーン部材の先端を取り囲ん でいる空気は、灌流液を通る該容器上へ至るより容易な経路を見いだす音響エネ ルギーのためのチャネリング媒質として働く。従って、ホーンチップは、振動の エネルギーを該容器上へ集 中させる。 ポンプ17は蠕動ポンプ又は如何なる他の適当な、簡便なポンプであってもよい 。導管18ａ〜ｄは、ポンプ17及びホーン部材12の取付具に接続された適切なサイ ズのプラスチックチューブである。囲い又はコンパートメントＣは、プラスチッ クで作られた１つのキュベット又は１対のキュベットである。代わりとしては、 囲いは、ガラス又はプラスチックで作られた管であってもよい。加えて、それは 多数のキュベットよりなる細長い条片又は連続したキュベット・ベルトの一部で あってもよい。 囲いＣは、システムＳが混合又は溶解させるサンプル成分を含有する。移し替 えアセンブリーＴは、該囲いを保持しそしてそれを図２に示された位置へと移動 させる。この位置において、囲いＣは、移し替えアセンブリーＴによって、２つ の超音波トランスデューサー及びホーンアセンブリー10の間にある。 移し替えアセンブリーＴ（これに該囲いが解放可能に固定されている）は、ホ ーン部材12と囲いＣとの間における液体の妨げられない流れを許容する。囲いＣ は、ホーン部材12と接触していない。しかしながら、それは、ホーン部材から排 出された液体が接触し得るところである、ホーン部材の出口16と近接している。 これら２つの超音波トランスデューサー及びホーンアセンブリー10のホーン部材 は、液体を対向方向へそして囲いＣ上へと導く。 上部の開いた受器20が、囲いＣの外側表面を離れて流れる液体を、その開いた 上部を通して受ける。この液体は、受器から、導管21を通ってそして、囲いＣの 更なる灌流のために導管18ａ〜ｄへ液体を供給する容器19内へと排出される。 図３は、図２の具体例の修正を示す。この修正されたシステムＳは、囲いＣの 片側部分のみを灌流する単一の超音波トランスデューサー及びホーンアセンブリ ーしか含んでいない。別の代替例の一つは、該位置への囲いの出入りの動きを妨 害しないよう所定の位置の回りに配置された３つ又はより多くの超音波トランス デューサー及びホーンアセンブリーを備えることを含む。 上記のテキスト及び図面は、一具体例及びその具体例の一修正を説明している か、本発明がこの具体例及び修正に限定されないことは理解されよう。本発明の 関係分野の当業者は、本発明の原理を用いて、特に上述の教示を考慮することに 基づいて、修正及び他の具体例を作ることができる。従って本出願人は、添付の 請求の範囲によって、本発明の本質的特徴を構成するそれらの特徴を組み込んだ 如何なるそのような修正及び他の具体例をも包含することを意図している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 超音波エネルギー結合のためのシステムであって、電気的エネルギーを振 動の機械的エネルギーに変換するための超音波トランスデューサー手段と、該ト ランスデューサー手段によって与えられた該振動の機械的エネルギーを受け取り そしてそれを液体へ移転するための、該トランスデューサー手段に接続されたホ ーン部材手段であって該液体が通って流れる通路手段を備えたものであるホーン 部材手段と、液体源から液体を受け取り該液体を該通路手段を通してそして該ホ ーン部材から外へと移動させるためのポンプ手段と、を含むシステム。 ２． 該ポンプ手段のため液体を供給するための容器手段を更に含む、請求項１ のシステム。 ３． 該ポンプ手段がポンプと、液体が該容器から該ポンプへとそして該ポンプ から該ホーン部材手段へと通って流れる導管とを含むものである、請求項２のシ ステム。 ４． 該トランスデューサー手段が、１対のトランスデューサーを含み且つホー ン部材手段が、該液体を対向する方向に導く対応する１対のホーン部材を含むも のである、請求項１のシステム。 ５． 対象物を液体で灌流することによって対象物へ振動の機械的エネルギーを 移転するためのシステムであって、電気的エネルギーを振動の機械的エネルギー に変換するための超音波トランスデューサー手段と、該トランスデューサー手段 によって供給された該振動の機械的エネルギーを受け取りそしてそれを液体へ移 転するために該トランスデューサーに接続されたホーン部材手段であって、該液 体が通って流れる通路手段を備えているホーン部材手段と、該液体が該対象物の 外表面に接触するよう該液体を該液体源から該ホーン部材へと該通路手段を通し そして該ホーン部材の外へと移動させるためのポンプと、を含むシステム。 ６． 該トランスデューサー手段が１対のトランスデューサーを含み且つ該ホー ン部材手段が、該液体を対向する方向に導く対応する１対のホーン部材を含むも のである、請求項５のシステム。 ７． 該液体源が、該対象物の表面から離れて流れる液体を受けるための入口と 出口とを備えた受器を含むものである、請求項５のシステム。 ８． サンプル囲いとの組み合わせで、該囲いを振動させるために該囲いと液体 連通したシステムであって、電気的エネルギーを振動の機械的エネルギーに変換 するための超音波トランスデューサー手段と、該トランスデューサー手段によっ て供給された振動の機械的エネルギーを受け取りそしてそれを液体へ移転するた めの、該トランスデューサー手段に接続されたホーン部材手段であって、該液体 が通って流れる通路手段を備えたものであるホーン部材手段と、該液体を供給す るための液体源と、該液体が該サンプル囲いの外表面に接触するよう該液体を該 液体源から該ホーン部材へと該通路手段を通しそして該ホーン部材から外へと移 動させるためのポンプと、を含むシステム。 ９． 該トランスデューサー手段が１対のトランスデューサーを含み且つ該ホー ン部材手段が、該液体を対向する方向に導く対応する１対のホーン部材を含むも のである、請求項８のシステム。 10． 通路を備えたホーン部材を用いて対象物に振動の機械的エネ ルギーを移転するための方法であって、該ホーン部材を振動させるステップと、 該通路を通して液体を該対象物上へポンプ輸送するステップとを含むものである 方法。 11． 該超音波トランスデューサーが該ホーン部材を振動させるものである、請 求項10の方法。