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JPH08507683A - エステラーゼおよびバイオトランスフォーメーションにこれを使用する方法 - Google Patents

エステラーゼおよびバイオトランスフォーメーションにこれを使用する方法

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Publication number
JPH08507683A
JPH08507683A JP6519714A JP51971494A JPH08507683A JP H08507683 A JPH08507683 A JP H08507683A JP 6519714 A JP6519714 A JP 6519714A JP 51971494 A JP51971494 A JP 51971494A JP H08507683 A JPH08507683 A JP H08507683A
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JP
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esterase
ester
biotransformation
microorganism
activity
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Ceased
Application number
JP6519714A
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ワーネック、ジュリー・ベリンダ・ヘイゼル
ウィズドム、リチャード・アンソニー
Original Assignee
カイロサイエンス・リミテッド
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Filing date
Publication date
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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    • C12N9/14Hydrolases (3)
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    • C12N9/18Carboxylic ester hydrolases (3.1.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
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    • C12P41/003Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions

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Abstract

(57)【要約】 オフィオストマ(Ophiostoma)種またはセラトシスティス(Ceratocystis)種の微生物、または該微生物より得られる酵素活性を有する物質を、バイオトランスフォーメーション反応において、酸またはアルコールのひとつのエナンチオマーを、そのエステルであるエナンチオマー混合物より得るための立体特異的試薬として使用する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 エステラーゼおよびバイオトランスフォーメーションにこれを使用する方法発明の分野 本発明はエステラーゼおよびバイオトランスフォーメーション(biotransfor- mation)におけるその使用法に関する。発明の背景 多くの化合物はキラルであるが、通常の化学合成において得られるそのラセミ 体から実質的に純粋なエナンチオマーを得ることが望まれる場合が多い。かかる キラルな化合物には様々な2-アリールプロピオン酸を含み、これらは抗炎症剤 としてよく知られている。例えばイブプロフェン、ナプロキセンおよびケトプロ フェンが挙げられる。現在ではこれらの治療効果は(S)-エナンチオマーに起 因することが証明されている。 (R)-エナンチオマーを含まない(S)-エナンチオマーを得る方法がいくつ か知られている。これらの方法には非対称キラル合成およびさまざまなキラルア ミンとともに作成したジアステレオマー塩の化学量結晶によるような化学分割法 を含む。 これらとは異なるアプローチには生触媒を2-アリールプロピオン酸の選択的 加水分解に用いる、生触媒法がある。正しい立体特異性を認識し得る生触媒を用 いれば、一方のエナンチオマーの未反応エステルと、もう一方のエナンチオマー の酸生成物が反応混合物として得られる。生成物の分離と回収は、比較的容易で ある。未反応エステルはラセミ化してさらなる反応に使用することができ、これ によってラセミ体である基質をほとんど完全に要求される単一のエナンチオマー 生成物へと転換することができる。 EP-A-0227078は、いくつかの市販の微生物の細胞外リパーゼを、か かる生触媒による分割に使用する方法を開示する。一般に、しかしながら多くの 酵素が必要とされ、反応には2〜6日間かかる。かかる反応はしたがって高くつ く。最も好ましい酵素粉であると同定されたのは、カンディダ・シリンドラセア エ(Candida cylindraceae)(カンディダ・ルゴーサ(Candida rugosa)とも言 われる)である;しかしながら、EP-A-0407033には、この試料は低い 活性しか有さないことおよび、複数のエステラーゼ活性を有する酵素を含有して いたことが示されている。さらに、ケトプロフェンを高いeeにて得ようとする には、この試料を精製する必要があった。 EP-A-0233656はエステラーゼ遺伝子をバチルス・タイ(Bacillus t hai )から単離、精製することを開示する。この酵素はナプロキセンおよびイブ プロフェンのエチルおよびメチルエステルを選択的に加水分解して、それぞれの 化合物の(S)-酸とする。この酵素のクローニングによって酵素の副活性が少 なくなり、高いeeの生成物が得られる。 WO-A-9323547はナプロキセンエステルを選択的に加水分解するエス テラーゼを産生するいくつかの株を開示する。最も適した株はゾフィーラ・ラテ ィプス(Zopfiella latipes)であり、このエステラーゼからエステラーゼをク ローン化している。 WO-A-9314189はトリコスポロン種(Trichosporon sp.)の微生物を 開示する。これはエチルケトプロフェンの(S)-エナンチオマーを選択的に加 水分解して、(S)-酸生成物を90%以上のeeにて産生する。このバイオト ランスフォーメーションを司る酵素は細胞内酵素である。セルフリー状態で安定 な酵素を得ることは困難なことが示されている、遺伝子クローニングまたは古典 的な変異誘発によって生触媒の活性を増加させるのは困難である。 経済的なバイオトランスフォーメーションにとっては、酵素のコストを下げる ことが重要であり、このためにクローニング法を用いるべきである。EP-A-0 233656において、野生型バチルス内エステラーゼの特異的な比活性は非常 に低かった;したがって、この酵素をクローニングし、高度に発現させたとして も生触媒のコストは依然として高いものである。 本発明の目的は、エステルに対して良好な活性を示し、高いeeの酸生成物を もたらし、そしてクローニングおよび、例えば大腸菌内に高度に発現させるのに 適しており、このため触媒のコストを最小に抑えることのできる生触媒を提供す ることである。発明の要旨 驚くべきことに、様々なソースから取った微生物のスクリーニングによって、 アスコミセート(ascomycete)のオフィオストマ・ノボーウルミ(Ophiostoma n ovo -ulmi)(セラトシスティス・ウルミ(Ceratocystis ulmi)とも呼ばれる) が所望の活性を有する細胞内加水分解酵素を産生することがわかった。さらなる 試験によって、この酵素はWO-A-9314189とは異なり安定なセルフリー 活性が得られることが示され、このためクローニングおよびセルフリーのバイオ トランスフォーメーションに好適に用いられることがわかった。オフィオストマ ・ノボ-ウルミはドイツ楡病を引き起こす植物の病原菌として知られている。こ れはオフォストマ・ウルミの毒性の少ない株に非常に近く、およびオフィオスト マ・ピセア(O.piceae)にも類似していることが知られている。 本発明の基礎となる発明の後、立体特異的エステラーゼ活性がオフィストマ・ ウルミ(セラトシスティス・ウルミ(Ceratocystis ulmi)とも呼ばれる)内お よびオフィオストマ・ピセア(同様にセラトシスティス・ピセア(Ceratocystis piceae)とも呼ばれる)内のオフィオストマ・ノボ-ウルミ以外の株、および米 国、ヨーロッパ、中東およびウズベキスタン内のさまざまな場所から集めた単離 物内に存在することが認められた。さらに、イギリス、サリー、エグハムのIM Iからセラトシスティス種の他の株を得、活性のスクリーニングを行った。その 結果活性が発見されたのは、セラトシスティス・コロナタ(Ccoronata)(例 えばIMI 176533)、セラトシスティス・イプス(Cips)(例えばIMI 212114) 、セラトシスティス・テトロッピ(Ctetroppi)(例えばIMI 212117)、セラ トシスティス・カイニー(C.cainii)(例えばIMI 176523)、セラトシスティス ・アルボレア(Carborea)(例えばIMI 176529)およびセラトシスティス・ス テノセラス(Cstenoceras)(例えばIMI 268494)であった。これより、世界 中の様々な場所から幅広く集めて来た別のセラトシスティス株に幅広く活性が発 現しているようである。 最初に単離した株をスクリーニングしたものをAJ3と名付けた。この株をブ ダペスト条約の下、IMIへ1993年2月15日に寄託し、IMI35605 0の識別番号を得た。この株は立体特異的な活性の良好な例となる;しかしなが ら、様々な関連株の広い範囲に活性が認められるため、本発明の範囲はこの特定 の微生物株に限定されない。本発明はまた、かかる微生物からいずれかの適当な 方法により単離される酵素活性の使用法に関する。活性は例えば酵素それ自身、 または活性配列を有する融合タンパク質として入手できる。発明の説明 本発明は、オフィオストマ種の微生物、およびナプロキセンのごとき2-アリ ールアルカノイックアシッドエチルエステルのラセミ体を立体特異的に加水分解 させて、実質的に()-エナンチオマー豊富な、例えば93〜96%またはそ れ以上のエナンチオマー過剰である酸を得、()-エナンチオマーの豊富なエ ステルを残させるのに用い得る該微生物の酵素活性に関する。 他の基質にはアルコール官能基がキラルである化合物を含む。例えば2-メト キシシクロヘキサノールとアルカノイックアシッドとのエステルである。本発明 の新規なエステラーゼはこのように広範囲に適用できるが、いずれかの基質に適 用した場合のその効果は簡単な試験で調べることができる。基質の性質に基づい て、(R)-または(S)-酸もしくはアルコールエナンチオマーが(S)-もし くは(R)-残存エステルとの混合物としてそれぞれ得られる。 反応は該エステルのエナンチオマーがどのような比率で混合された混合物であ っても成し得るが、通常はラセミ体の混合物である。反応は好ましくはpH8〜 11、より好ましくはpH9.5〜10.5、最も好ましくは約pH10.0にて 行う。溶媒としては例えばシクロヘキサンのごとき有機溶媒を用いればよい。 開示された生触媒は、エナンチオマー純度の高いキラルなアルコール、酸また はエステル類を製造するのに好適に用いられる。標準的な化学的操作を所望の生 成物を単離、分取し、可能な場合には不要なエナンチオマーを再利用するために ラセミ化するのに用いればよい。バイオトランスフォーメーションによって生成 する酸またはアルコールが所望の立体化学特性を有する場合には、通常50%以 下が転換した時点でバイオトランスフォーメーションを止めて、加水分解生成物 の最大エナンチオマー純度を確保する。残存するエステルが所望の立体化学特性 を有する場合には、バイオトランスフォーメーションを転換が50%以上となる ように行う。実際、基質のエステルに対し入手し得る生触媒が低いエナンチオマ ー特異性しか有さないものである場合、一般に不要である方の立体構造を有する エステルを優先的に加水分解する生触媒を選択して、残存エステルを所望の生成 物として回収するのが好ましい。この方法によれば、バイオトランスフォーメー ションの採用によって得られるエステル生成物のエナンチオマー過剰度(enanti omeric excess)(ee)を、50%以上変換することによって上げることができ る。かかる方法は当業者に知られているが、通常使用されているものと反対の立 体特異性を有する生触媒を用いることにより、明らかな利点がある。実施例3に 示したように、本発明に開示したエステラーゼは好ましい立体特異的活性を有す るばかりでなく、広い範囲の市販の酵素に対して反対の特異性を示す。 本発明は加水分解反応を触媒する非固定化生触媒に関して開示してきた。しか しながら、バイオトランスフォーメーションをここに記載したエステラーゼのご とき加水分解酵素を用いて行うには、当業者に知られている多くの代替方法があ る。即ち、現在ではいずれかの方法によって酵素を固定化することによりいくら かの経済的利益が得られる場合のあることが確立されており、酵素の回収、再利 用に有用であり、ある場合には安定性が良好になる。低い水位の反応条件下にお いても同様に、かかる生体酵素を合成、エステル交換またはエステル内反応に用 いることができる。この考え方は、従来からの方法の開発と最適化のための手法 である。 以下の実施例により発明を説明する。実施例1 以下の培地を用いて生物を増殖させた: (NH42SO4(g/l) 0.5 MgSO4・7H2O(g/l) 0.25 CaCl2・2H2O(g/l) 0.1 KH2PO4(g/l) 8.0 イースト抽出液(g/l) 10.0 グルコース(g/l) 5.0 痕跡性元素溶液(μl/1) 100 pH(NaOHであわせる) 6.5 使用した痕跡性元素溶液の組成は以下の通りである: CaCl2・2H2O(g/l) 3.57 ZnO(g/l) 2.0 CuCl2・2H2O(g/l) 0.85 Na2MoO4・2H2O(g/l) 4.8 MnCl2・4H2O(g/l) 2.0 FeCl3・6H2O(g/l) 5.4 H3BO4(g/l) 0.3 CoCl2・6H2O(g/l) 2.4 HCl(ml/l) 250 AJ3細胞を1リットル容の振とうフラスコ内の培地100mlへ接種した。 この培養物を30℃で48時間、振とうしながら増殖させた。その後10mlの 培養物を、1リットル容の振とうフラスコ内の90mlの新たな培地へ移し、こ のフラスコ内容物をさらに8時間、30℃で振とう培養した。このフラスコ内容 物を5g/lのグルコースおよび0.5ml/lのシリコーン/PPGベース-抗起 泡剤(XFO371、イワンホー・ケミカルズ、アメリカ合衆国イリノイ州)を 添加した1.5リットルの培地を投入した2.8リットル容の研究用発酵槽へ接種 した。この発酵槽を48時間、攪拌および通気をしながら、DOT>50%空気 飽和を維持し、温度を30℃、pHを6.0にそれぞれ調整しつつ稼働させた。 発酵の完了時に細胞を遠心分離により回収し、細胞のペレットを10%w/v (細胞湿重量に対して)となるように溶菌緩衝液、すなわち0.1Mの炭酸ナト リウムの5%トリトンX-100水溶液に再懸濁した。溶菌は8℃にて一晩振と うしながら行い、その後酵素活性を有する溶菌液を遠心分離によって細胞残渣か ら分取した。分析をはじめる前に溶菌液を溶菌緩衝液にて50%に希釈した。 エチルナプロキセン(エチル6-メトキシ-α-メチル-2-ナフタレンアセテー ト)のラセミ体を19mg/mlとなるよう、シクロヘキサンヘ溶解した。この 溶液2mlを5mlの調製した粗酵素溶液とガラス製バイアル内で混合し、23 ℃にて72時間振とうしながら反応させた。 72時間後、反応混合物の水相を分析したところナプロキセンの蓄積量が2. 76mg/mlであり、約40%が変換された量であった。ナプロキセンのエナ ンチオマー純度をHPLC分析により調べたところ、(S)-エナンチオマーに ついて93%のee(エナンチオマー過剰)であることが認められた(純度96 .5%に匹敵する)。実施例2 この実施例は立体特異的エステラーゼをAJ3からの単離物からクローニング する方法およびその生成物の使用法を説明する。ポリ(A)+m-RNAの単離 フィルターを通したAJ3菌糸体10gを液体窒素の元で細かい粉末へと砕い た。全ゲノムRNAを菌糸体の粉砕物より、酸グアニジニウムチオシアネート- フェノール-クロロホルム抽出法によって単離した(詳細はコムクディンスキー とサッチ(Chomczynski & Sacchi)のアナル・バイオケム(Anal.Biochem.)16 2 :156-159(1987)に記載されている)。この方法によって8.76mg/mlの 全ゲノムRNAが得られ、260:280nm比は1.704であった。 ポリ(A)+m-RNAを全ゲノムRNAよりオリゴ(dT)-セルロースを用 いたアフィニティークロマトグラフィーにより単離した(詳細はサンブルック( Sambrook)ら、「モレキュラー・クローニング、ア・ラボラトリー・マニュアル 」第2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(1989年) 参照)。詳しくは、0.5gのオリゴ(dT)-セルロースを10mlの0.1M NaOH内に再懸濁させ、得られたスラリー1mlを2.5mlの滅菌使い捨 てシリンジ筒へ注入した。封入された土台の体積を0.8mlとした。10.5m gの全ゲノムRNAを平衡化したオリゴ(dT)-セルロースへと結合させた。 ゲノムRNAをこのカラムより、過剰の体積のカラム用バッファーにて溶出させ た。進行を分光 化学の手法によってモニターすべく、溶出物を260nmで分析した。260n mで検出し得る吸収が認められなくなった時点でポリ(A)+を適当な溶出バッ ファーで溶出させた。溶出の進行は分光化学によってモニターした。試料を集め 、オリゴ(dT)-セルロースカラムヘ再度かけ、溶出を再び行った。最終試料 には85μg/mlの高純度ポリ(A)+m-RNAが含まれていた。c-DNAライブラリーの調製 c-DNAライブラリーはZAP-cDNA合成キット(ストラタジェン・リミ テッド、アメリカ合衆国カリフォルニア、ラ・ジョラ)を用いて構築した。8. 5μgのポリ(A)+m-RNAを用いて操作を開始した。第1および第2の合成 の効率をオートラジオグラフィーによって分析した。セファクリルS-400を 用いたスピンカラムゲル濾過クロマトグラフィーに続いて、大きさで分けられた c-DNA試料をエチジウムブロミド-注入アガロースにて定量した;10ng/ μlを越える値が測定された。高分子量のc-DNA試料をuni-ZAP XR ベクター内につなぎ、次いで大腸菌XL1-ブルーMRF'内へギガパック11パ ッケージング・エキストラクツ(ストラタジェン・リミテッド)を用いてパッケ ージした。得られたc-DNAライブラリーの力価は、1.63×1010プラーク 形成ユニット(pfu)/mlであった。c-DNAライブラリーのエステラーゼ活性スクリーニング 150mmNZY寒天プレート上で培養した場合、大腸菌XLI-ブルーMR F'に対して50,000pfuを得るのに十分な組換えファージを用いた。1. 2×106個の組換えファージを誘導条件下(例えば2.5mMのIPTG存在下 )において変異させた。エステラーゼ活性を有するファージを0.1%(w/v) S(+)ケトプロフェンエチルエステル含有アガロースの上掛け(over lay)を 用いてスクリーニングした。エステラーゼ活性はほとんど水に溶けないエチルエ ステルが水溶性ケトプロフェン酸に転化することによって示される。一晩、24 ℃にてインキュベーションしたところ、8個の不連続なクリアランスゾーンが認 められた。このクリアランスゾーンに関係しているプラークを抜き取り、当該箇 所のファージを回収した。エステラーゼ陽性ファージを、大腸菌XL1-ブルー M RF'内で再度増幅させ、力価を測定し、エステラーゼ活性のスクリーニングを 、基質上掛け法およびHPLCを用いて行った。Uni-Zap-XRからの組換えp-ブルースクリプトのインビボ切り出し Uni-Zap-XRベクター内に位置している組換えp-ブルースクリプトフ ァージミドを、エクスアシスト(ExAssist)/SOLRシステム(ストラタジェ ン・リミテッド)を用いて切り出した。62個の組換えファージミドを切り出し 、大腸菌SOLR内に安定に受け継がせた。これらの組換え大腸菌のすべてにつ いて、基質上掛け法を用いてエステラーゼ活性を調べ、陽性であることを確認し た。コロニーの直径に対する基質クリアランスゾーンの直径の比較によって、株 番号47および62がさらなる研究の対象として重要であることが判明し、これ らをそれそれCS47およびCS62と名付けた。組換えプラスミドの制限酵素地図 400mlのLB+アンピシリン(50μg/ml)培地にて培養した組換え 大腸菌XL1-ブルーMRF'の株CS47およびCS62を増殖させた。プラス ミド(それぞれpCS47およびpCS62と名付けた)をホルムズとキングレ イ(Holmes & Quingley)のアナル・バイオケム114:193(1981))の方法によっ てこれらの株から調製し、CsCl-エチジウムブロマイド密度勾配による超遠 心によって精製した。これらのプラスミドを、市販の様々な制限酵素を用い、そ れぞれの販売者の条件に基づいて消化した。フラグメントの大きさをアガロース ゲル電気泳動によって評価し、異なるアガロース濃度のゲルを用いてフラグメン トの大きさを確認した。制限消化の結果を図1に示した。5'末端においてpC S47がpCS62より約200塩基対分短いことは特筆すべきことである。組換え株の増殖 組換えCS62株を、1リットルの振とうフラスコに入れた50μg/mlの アンピシリンを含有するLB培地100ml内へ接種した。これを15時間、3 7℃、300rpmにて振とうしなから(オービタル・シェイカー、行程25m m)インキュベートした。次いで、2.8リットル容の実験用発酵槽へ入れた1. 5リットルの培地内へこの培養物を1%接種した。培地には以下の組成のものを 用いた: トリプトン(ユニパス・リミテッド(Unipath Ltd.)、英国ハンプシャー ) 12.0g/l イースト抽出物(ユニパス・リミテッド) 24.0g/l グリセロール 4.0ml/l KH2PO4 2.3g/l K2HPO4・3H2O 16.4g/l 温度を25℃に保ち、10%リン酸を必要に応じて自動的に添加してpHを7 に保ち、攪拌の調節によって溶解酸素張力が飽和空気量の50%以上となるよう にした。0.75リットル/分の通気速度を用いた。菌の増殖は、培養物を適当に 希釈した試料の520nmにおける吸収の、ブランク培地の吸収に対する比によ ってモニターした。吸収比が0.9となったとき、IPTG(イソプロピル-β- チオガラクトシド)を240μg/mlとなるように添加した。 24時間発酵槽内で増殖させた後、細胞を遠心分離によって回収し、使用時ま で−20℃で保存した。組換え株の使用 上述のごとく増殖させ、保存しているCS62の細胞を用いてエチルナプロキ センの加水分解に使用するための酵素を得た。細胞を10%(w/v)となるよ う0.1Mの炭酸ナトリウム(pH10)内へ再懸濁し、4℃の条件下、10分 間の超音波処理(10秒間オン、10秒間オフのサイクル)にて溶菌させた。酵 素を含む溶菌物を次いで遠心分離してセルフリー上清液を得た。 エチルナプロキセンのラセミ体をシクロヘキサンへ、濃度が100g/lとな るように溶解した。この溶液200μlを1mlの酵素溶液に加え、1時間、2 5℃にて振とうした。相を分離し、水相を分析してナプロキセンの蓄積を調べた (逆相HPLCによる)。ナプロキセン5.3g/l(約26%の変換)が蓄積さ れているのが認められた。分析によって(S)-エナンチオマーに対してeeが 95%以上であることがわかった((R)-エナンチオマーは少なすぎて測定不 可能であった)。 大腸菌SOLR(宿主、非組換え株)からの酵素抽出物を用いるバイオトラン スフォーメーションの分析では、エステルに対する活性が認められなかった。実施例3 細胞(実施例2のごとく増殖させた細胞)を5%(w/v)となるよう、10 0mMトリス(pH8)へ再懸濁し、振幅20μmの超音波処理(10秒間オン 、10秒間オフのサイクル)をソニプレップ150(Soniprep 150)を用いて1 5分間かけて溶菌させた。溶菌物の遠心分離により細胞の残滓を除き、上清をバ イオトランスフォーメーションに用いた。 10gの2-メトキシシクロヘキサノールのブチレートエステルのラセミ体を 100mlの100mMトリス(pH8)内へ投入し、マグネチックスターラー にて攪拌した。上記CS62の溶液20mlをここへ添加した。バイオトランス フォーメーションの温度を25℃に調整し、pHを1MのNaOHによって8. 0に調整した。試料を取り、2-メトキシシクロヘキサノールの生成をモニター した。試料1mlにNaClを飽和濃度となるよう添加し、次いで1×5体積の トルエン内へ抽出した。トルエン層を取り、MgSO4を添加して乾燥させた。 次いで試料をGCにて分析した。0.25μmのフィルムを有する15mDB-5 カラムを用い、ヘリウムを担体として55.2KPa、オーブン温度1分目60 ℃、150℃まで10℃/分の速度で上昇、その後は150℃の温度を保つ条件 下で分析を行った。 得られた2-メトキシシクロヘキサノールのeeを、トリフルオロ酢酸無水物 (TFAA)による誘導体化に続いて測定した。20μlのTFAAを1mlの トルエン抽出試料へ添加し、これを室温で30分間静置した。ジアステレオマー を30mのGTAカラム(キラルデックス(Chraldex))、96kPa、ヘリウ ム担体およびオーブン温度100℃を用いたGCにて分割した。 41時間の反応後、基質の44%が変換しており、2-メトキシシクロヘキサ ノールの(S)-エナンチオマーに関するeeは96%であった。 本発明の生触媒の立体特異的活性はめったに無いものである考えられる。12 個の市販のリパーゼ/エステラーゼを上記の基質に試してみたところ、いずれも (S)-エナンチオマーに対するかかる特異性を示さなかった。ブタ膵臓リパー ゼ、リゾフス・アールヒジウス(Rizopus arrhizius)、リゾフス・デルマール (Rizopus delemar)、ムコール・ミエハイ(Mucor miehei)、アスペルギルス ・ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム・シクロピウム(Penicillium c yclopium )、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)か ら得られる市販のリパーゼ/エステラーゼはすべて(R)-エナンチオマーに対し て特異性を有したが、カンディダ・シリンドラカエ(Candida cylindracae)、 ムコール・ジャワニクス(Mucor javanicus)およびコレステロールエステラー ゼは立体特異性を示さなかった。ペニシリン・ルージェフォーチ(Penicillin r oguefortii )およびカンディダ・リポリティカ(Candida lipolytica)から得ら れる他の試料は、2-メトキシシクロヘキサノールのブチレートエステルのラセ ミ体の分割に対して活性が非常に少なかった。従って上述の触媒については(S )-エナンチオマーの加水分解に高い特異性を有するものは無い。本発明の酵素 は、(S)-エナンチオマーをアルコールとして、基質を50%以上変換をさせ ることなく得ることができるという点において、非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI (C12P 41/00 C12R 1:645) (C12N 1/14 C12R 1:645) (C12N 9/18 C12R 1:645) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GB,HU,JP,KP,KR,K Z,LK,LV,MG,MN,MW,NO,NZ,PL ,RO,RU,SD,SK,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ウィズドム、リチャード・アンソニー イギリス、ケンブリッジシャー、シービー 4・4エヌピー、インピングトン、ステー ション・ロード79番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. オフィオストマ(Ophiostoma)種またはセラトシスティス(Ceratocyst is )種の微生物、または該生物から誘導される酵素活性を有する物質を立体特異 的エステラーゼとして、(S)-ケトプロフェン以外のキラルな酸、アルコール またはエステルのエナンチオマーのひとつを、該酸およびアルコールから誘導さ れるエステルのエナンチオマー混合物から調製するために使用する方法。 2.微生物または該物質が、エチルナプロキセンのラセミ体と立体選択的に反 応し、その15〜25%の変換した時点において(S)-ナプロキセンに関する エナンチオマー過剰度が少なくとも93%である、請求項1記載の方法。 3. 微生物がオフィオストマ・ノボーウルミ(Ophiostoma novo-ulmi)IM I356050から得られる性質を有する、請求項1または2記載の方法。 4. エステルがケトプロフェン以外の2-アリールアルカノイックアシッド である、請求項1記載の方法。 5. (S)-ナプロキセンをそのエチルエステルのラセミ体から製造するた めのものである、請求項4記載の方法。 6. アルコールがキラルである、請求項1から3いずれかに記載の方法。 7. 反応をpH8から11にて行う、請求項1から6いずれかに記載の方法 。 8. 反応をpH9.5から10.5にて行う、請求項1から7いずれかに記載 の方法。 9. ケトプロフェンのバイオトランスフォーメーション以外の用途に用いら れる、オフィオストマ・ノボーウルミ(Ophiostoma novo-ulmi)IMI3560 50から得られる性質を有する微生物または、該微生物より誘導される立体選択 性エステラーゼ活性を有する物質。
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