JPH0842698A - 副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケット - Google Patents
副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケットInfo
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- JPH0842698A JPH0842698A JP6201533A JP20153394A JPH0842698A JP H0842698 A JPH0842698 A JP H0842698A JP 6201533 A JP6201533 A JP 6201533A JP 20153394 A JP20153394 A JP 20153394A JP H0842698 A JPH0842698 A JP H0842698A
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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- F16J2015/0856—Flat gaskets with a non-metallic coating or strip
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Gasket Seals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属製ガスケットにおいて、副燃焼室を構成
するホットプラグとシリンダヘッド対向面との間に存在
する段差がビード基板等に亀裂を発生させるのを防止す
る。 【構成】 金属製ガスケット20を構成する中間板28
の燃焼室孔の内周縁部のうち、副燃焼室を内部に有する
ホットプラグ8の底面24とシリンダヘッド1の対向面
3との境界部に対応する部位には、窪み部18,18が
形成されている。境界部に段差51が存在しても、金属
製ガスケット20の押圧時に、ビード基板21や中間板
27は窪み部18,18への逃げが可能であり、ビード
基板21や中間板27に対する応力集中の発生を防止し
て、これらの弾性金属板に亀裂が発生するのを防止す
る。
するホットプラグとシリンダヘッド対向面との間に存在
する段差がビード基板等に亀裂を発生させるのを防止す
る。 【構成】 金属製ガスケット20を構成する中間板28
の燃焼室孔の内周縁部のうち、副燃焼室を内部に有する
ホットプラグ8の底面24とシリンダヘッド1の対向面
3との境界部に対応する部位には、窪み部18,18が
形成されている。境界部に段差51が存在しても、金属
製ガスケット20の押圧時に、ビード基板21や中間板
27は窪み部18,18への逃げが可能であり、ビード
基板21や中間板27に対する応力集中の発生を防止し
て、これらの弾性金属板に亀裂が発生するのを防止す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダヘッドに副
燃焼室を持つディーゼルエンジンにおいて、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックとの対向面をシールするため、
シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に配置される
副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケットに関す
る。
燃焼室を持つディーゼルエンジンにおいて、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックとの対向面をシールするため、
シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に配置される
副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンにおいて、シリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの間のような構造部材の対向面
間をシールするために、該対向面間にビードを備えた弾
性金属板から製作したシリンダヘッドガスケット即ち金
属製ガスケットが使用されている。この種の金属製ガス
ケットは、基板となる弾性金属板に燃焼室孔を穿設し、
これらの燃焼室孔の周囲近傍にビード部を形成してい
る。当該金属製ガスケットをシリンダヘッドとシリンダ
ブロックとの対向面間に配置してボルト等によりシリン
ダヘッドとシリンダブロックとを締め付けて固定したと
き、金属製ガスケットの弾性金属板に設けたビードは、
燃焼室孔の周囲における対向面に対して弾性的な環状接
触部即ちシール部を形成して燃焼室孔の内外部をシール
することができる。
ドとシリンダブロックとの間のような構造部材の対向面
間をシールするために、該対向面間にビードを備えた弾
性金属板から製作したシリンダヘッドガスケット即ち金
属製ガスケットが使用されている。この種の金属製ガス
ケットは、基板となる弾性金属板に燃焼室孔を穿設し、
これらの燃焼室孔の周囲近傍にビード部を形成してい
る。当該金属製ガスケットをシリンダヘッドとシリンダ
ブロックとの対向面間に配置してボルト等によりシリン
ダヘッドとシリンダブロックとを締め付けて固定したと
き、金属製ガスケットの弾性金属板に設けたビードは、
燃焼室孔の周囲における対向面に対して弾性的な環状接
触部即ちシール部を形成して燃焼室孔の内外部をシール
することができる。
【0003】しかしながら、最近の内燃機関は、高効率
化、高出力化が求められ、その一環として、燃焼室とし
て主室に加えて副燃焼室である副室を設け、副室で一次
燃焼させ、主室で二次燃焼を行うものがある。かかる内
燃機関においては、稼働中に副室とその周囲が高温化す
るため、シリンダヘッドとシリンダブロックの対向面間
に締め付けられる金属製ガスケットが高い熱応力状態に
なる。そのため、金属製ガスケットには、高熱応力状態
を回避できるものが要求されるようになっている。
化、高出力化が求められ、その一環として、燃焼室とし
て主室に加えて副燃焼室である副室を設け、副室で一次
燃焼させ、主室で二次燃焼を行うものがある。かかる内
燃機関においては、稼働中に副室とその周囲が高温化す
るため、シリンダヘッドとシリンダブロックの対向面間
に締め付けられる金属製ガスケットが高い熱応力状態に
なる。そのため、金属製ガスケットには、高熱応力状態
を回避できるものが要求されるようになっている。
【0004】図5には、副燃焼室7を有するエンジンに
適用した金属製ガスケット50が示されている。金属製
ガスケット50は、シリンダヘッド1とシリンダブロッ
ク2との間の対向面3,4間に配置されている。また、
金属製ガスケット50には、シリンダヘッド1の水ジャ
ケット(冷却水路)即ち水穴11とシリンダブロック2
の水ジャケット(冷却水路)即ち水穴12とが対向する
位置に水穴部16が形成され、水穴部16には水穴11
と12とを連通する孔17が形成されている。シリンダ
ヘッド1に形成されたキャビティ14には、副燃焼室7
を構成するホットプラグ8が位置決めされ且つ周り止め
されて配置されている。従って、金属製ガスケット50
の一部は、ホットプラグ8の底面24とシリンダブロッ
ク2の対向面4との間に介在されている。シリンダブロ
ック2に形成された気筒数に対応する孔部には、シリン
ダ13を構成するシリンダライナ15が嵌合されてい
る。ホットプラグ8には、シリンダ13側に形成された
主燃焼室6と副燃焼室7とを連通する連絡孔9が形成さ
れている。金属製ガスケット50には、主燃焼室6に対
応して燃焼室孔23が形成されている。図中、符号5は
ピストンを示す。以下、各図において、金属製ガスケッ
トの燃焼室孔を符号23、ホットプラグを符号8及びホ
ットプラグの底面を符号24で示す。
適用した金属製ガスケット50が示されている。金属製
ガスケット50は、シリンダヘッド1とシリンダブロッ
ク2との間の対向面3,4間に配置されている。また、
金属製ガスケット50には、シリンダヘッド1の水ジャ
ケット(冷却水路)即ち水穴11とシリンダブロック2
の水ジャケット(冷却水路)即ち水穴12とが対向する
位置に水穴部16が形成され、水穴部16には水穴11
と12とを連通する孔17が形成されている。シリンダ
ヘッド1に形成されたキャビティ14には、副燃焼室7
を構成するホットプラグ8が位置決めされ且つ周り止め
されて配置されている。従って、金属製ガスケット50
の一部は、ホットプラグ8の底面24とシリンダブロッ
ク2の対向面4との間に介在されている。シリンダブロ
ック2に形成された気筒数に対応する孔部には、シリン
ダ13を構成するシリンダライナ15が嵌合されてい
る。ホットプラグ8には、シリンダ13側に形成された
主燃焼室6と副燃焼室7とを連通する連絡孔9が形成さ
れている。金属製ガスケット50には、主燃焼室6に対
応して燃焼室孔23が形成されている。図中、符号5は
ピストンを示す。以下、各図において、金属製ガスケッ
トの燃焼室孔を符号23、ホットプラグを符号8及びホ
ットプラグの底面を符号24で示す。
【0005】また、金属製ガスケットとして、図9及び
図10に示すものが知られている(例えば、特開昭64
−73156号公報参照)。図9は金属製ガスケットを
示す部分平面図、及び図10は燃焼室孔付近の水穴部を
示す断面図である。金属製ガスケット70は、多気筒内
燃機関に適用したものであり、燃焼室孔23を有し且つ
燃焼室孔23の周縁に沿ってビード74が形成された弾
性金属板からなる二枚のビード基板71,72、ビード
基板71,72の表面に塗着された耐熱性被覆材75、
及びビード基板71,72間に積層された一枚以上の中
間板(ストッパー板、調整板とも言う)76から構成さ
れている。ビード基板71,72のビード74の周囲に
は、シリンダヘッド又はシリンダブロックの水ジャケッ
トを通る冷却水が接触する水穴78が設けられている。
金属ガスケット70は、気筒数に応じて燃焼室孔23等
の数を増減させればよいものである。
図10に示すものが知られている(例えば、特開昭64
−73156号公報参照)。図9は金属製ガスケットを
示す部分平面図、及び図10は燃焼室孔付近の水穴部を
示す断面図である。金属製ガスケット70は、多気筒内
燃機関に適用したものであり、燃焼室孔23を有し且つ
燃焼室孔23の周縁に沿ってビード74が形成された弾
性金属板からなる二枚のビード基板71,72、ビード
基板71,72の表面に塗着された耐熱性被覆材75、
及びビード基板71,72間に積層された一枚以上の中
間板(ストッパー板、調整板とも言う)76から構成さ
れている。ビード基板71,72のビード74の周囲に
は、シリンダヘッド又はシリンダブロックの水ジャケッ
トを通る冷却水が接触する水穴78が設けられている。
金属ガスケット70は、気筒数に応じて燃焼室孔23等
の数を増減させればよいものである。
【0006】金属製ガスケット70におけるビード基板
71,72の表面に塗着された耐熱性被覆材75は、ゴ
ム系又はフッ素系等のシール剤をコーティングしたもの
であり、シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面
間に締め付けたときに、対向面3,4の表面の非平面性
が耐熱性被覆材75のコーティング層によって吸収さ
れ、ガスケットのシール性能を向上させている。シリン
ダヘッドとシリンダブロックの冷却水路と連通する水穴
は、燃焼室孔23の周囲を環状に取り囲む帯域79に所
々に設定された構造となっている。帯域79の全体は、
互いに平行に伸びるビード74,77で囲まれており、
冷却水が帯域79外へ漏出しないようにシールされてい
る。
71,72の表面に塗着された耐熱性被覆材75は、ゴ
ム系又はフッ素系等のシール剤をコーティングしたもの
であり、シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面
間に締め付けたときに、対向面3,4の表面の非平面性
が耐熱性被覆材75のコーティング層によって吸収さ
れ、ガスケットのシール性能を向上させている。シリン
ダヘッドとシリンダブロックの冷却水路と連通する水穴
は、燃焼室孔23の周囲を環状に取り囲む帯域79に所
々に設定された構造となっている。帯域79の全体は、
互いに平行に伸びるビード74,77で囲まれており、
冷却水が帯域79外へ漏出しないようにシールされてい
る。
【0007】副燃焼室を有するエンジンでは、図5に示
すように、ホットプラグ8の底面24のうち連絡孔9と
その周囲が主燃焼室6に直接に面しているが、残る三日
月状の領域が以下に示す金属製ガスケット50に接触し
ている。副燃焼室7から連絡孔9を通じて噴出する火
炎、未燃混合気等の燃焼ガスは連絡孔9の下側部分を構
成するホットプラグ8の底部10に対して熱を与え、底
部10が最も高温の領域になる。従って、ビード基板及
び中間板は、ホットプラグ8の底面24に対向する部分
が最も高温となり、この部分が熱による熱変形の影響を
最も受ける部分となる。
すように、ホットプラグ8の底面24のうち連絡孔9と
その周囲が主燃焼室6に直接に面しているが、残る三日
月状の領域が以下に示す金属製ガスケット50に接触し
ている。副燃焼室7から連絡孔9を通じて噴出する火
炎、未燃混合気等の燃焼ガスは連絡孔9の下側部分を構
成するホットプラグ8の底部10に対して熱を与え、底
部10が最も高温の領域になる。従って、ビード基板及
び中間板は、ホットプラグ8の底面24に対向する部分
が最も高温となり、この部分が熱による熱変形の影響を
最も受ける部分となる。
【0008】ところで、図5に示すホットプラグ8は、
シリンダヘッド1とは別体として作製され、シリンダヘ
ッド1のキャビティ14に組み込まれている。ホットプ
ラグ8及びシリンダヘッド1の製作や組み立ての公差等
により、ホットプラグ8の底面24は、図12に示すよ
うに、シリンダヘッド1の対向面3から段差51(Δ
s)をもって僅かに突出した状態になったり、或いは図
13に示すように、シリンダヘッド1の対向面3よりも
段差51(Δt)をもって僅かに窪んだ状態で圧入され
ている場合が多い。ホットプラグ8の底面24とシリン
ダヘッド1の対向面3とが組立て完了の時点で面一とな
っていても、内燃機関の長期にわたる運転に伴って、シ
リンダヘッド1とホットプラグ8との構成材料の違いに
よる熱膨張差に起因して、ホットプラグ8及びシリンダ
ヘッド1は変形したり、ホットプラグ8のシリンダヘッ
ド1内での位置や姿勢が変わることがあり、その結果、
ホットプラグ8の底面24は、対向面3から突出したり
対向面3の中へ入り込んで対向面3とホットプラグ8の
底面24との境界部において凹又は凸状の段差51を生
じることがある。上記のようなシリンダヘッド1とホッ
トプラグ8との境界部の段差51は、エンジン稼働中に
は、例えば、0.05〜0.06mmにも達することが
ある。
シリンダヘッド1とは別体として作製され、シリンダヘ
ッド1のキャビティ14に組み込まれている。ホットプ
ラグ8及びシリンダヘッド1の製作や組み立ての公差等
により、ホットプラグ8の底面24は、図12に示すよ
うに、シリンダヘッド1の対向面3から段差51(Δ
s)をもって僅かに突出した状態になったり、或いは図
13に示すように、シリンダヘッド1の対向面3よりも
段差51(Δt)をもって僅かに窪んだ状態で圧入され
ている場合が多い。ホットプラグ8の底面24とシリン
ダヘッド1の対向面3とが組立て完了の時点で面一とな
っていても、内燃機関の長期にわたる運転に伴って、シ
リンダヘッド1とホットプラグ8との構成材料の違いに
よる熱膨張差に起因して、ホットプラグ8及びシリンダ
ヘッド1は変形したり、ホットプラグ8のシリンダヘッ
ド1内での位置や姿勢が変わることがあり、その結果、
ホットプラグ8の底面24は、対向面3から突出したり
対向面3の中へ入り込んで対向面3とホットプラグ8の
底面24との境界部において凹又は凸状の段差51を生
じることがある。上記のようなシリンダヘッド1とホッ
トプラグ8との境界部の段差51は、エンジン稼働中に
は、例えば、0.05〜0.06mmにも達することが
ある。
【0009】金属製ガスケット70を構成する弾性金属
板については、図10に示されているように、弾性金属
板であるビード基板71,72の間に一枚の中間板76
を挟着積層して、シリンダヘッドとシリンダブロックと
の対向面の不整をより吸収し易くしたものが提案されて
いる。また、図11に開示されているように、金属製ガ
スケット80をビード基板81,82の間に中間板8
6,87を二枚として合計四枚構成としたものがある
(例えば、実開平4−66457号公報参照)。
板については、図10に示されているように、弾性金属
板であるビード基板71,72の間に一枚の中間板76
を挟着積層して、シリンダヘッドとシリンダブロックと
の対向面の不整をより吸収し易くしたものが提案されて
いる。また、図11に開示されているように、金属製ガ
スケット80をビード基板81,82の間に中間板8
6,87を二枚として合計四枚構成としたものがある
(例えば、実開平4−66457号公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金属製ガス
ケットがシリンダヘッドの下面とシリンダブロックの上
面との間に挟持されて締め付けられた場合、ビード基板
及び中間板はそれぞれ板厚が一様の金属板であるから、
この締め付け力は、押し付ける力がシリンダヘッド側の
ビード基板から、中間板、シリンダブロック側のビード
基板、そしてシリンダブロックへと伝わり、又その反作
用として押し戻す力となって各金属板を締め付ける。図
12及び図13に示すように、シリンダヘッド1の対向
面3とホットプラグ8の底面24との境界部に段差51
を生じると、段差51がホットプラグ8側が凹状である
場合にはシリンダヘッド1のホットプラグ8を収容する
穴の開口縁部が、また、段差51がホットプラグ側が凸
状である場合にはホットプラグ8の底面外周部が、それ
ぞれ上記締め付け力を金属製ガスケットのビード基板の
表面に対して鋭く押し潰そうとする集中的な応力が作用
させる。このような集中的な応力によってビード基板や
中間板には応力集中が発生する。上記凹状又は凸状の段
差による応力集中の影響は、段差51がシリンダブロッ
クの上面との間で金属ガスケットに対して剪断力が作用
する部位、即ち、境界部が金属製ガスケットに係合し始
める位置である燃焼室孔の内周縁部において最も大き
い。
ケットがシリンダヘッドの下面とシリンダブロックの上
面との間に挟持されて締め付けられた場合、ビード基板
及び中間板はそれぞれ板厚が一様の金属板であるから、
この締め付け力は、押し付ける力がシリンダヘッド側の
ビード基板から、中間板、シリンダブロック側のビード
基板、そしてシリンダブロックへと伝わり、又その反作
用として押し戻す力となって各金属板を締め付ける。図
12及び図13に示すように、シリンダヘッド1の対向
面3とホットプラグ8の底面24との境界部に段差51
を生じると、段差51がホットプラグ8側が凹状である
場合にはシリンダヘッド1のホットプラグ8を収容する
穴の開口縁部が、また、段差51がホットプラグ側が凸
状である場合にはホットプラグ8の底面外周部が、それ
ぞれ上記締め付け力を金属製ガスケットのビード基板の
表面に対して鋭く押し潰そうとする集中的な応力が作用
させる。このような集中的な応力によってビード基板や
中間板には応力集中が発生する。上記凹状又は凸状の段
差による応力集中の影響は、段差51がシリンダブロッ
クの上面との間で金属ガスケットに対して剪断力が作用
する部位、即ち、境界部が金属製ガスケットに係合し始
める位置である燃焼室孔の内周縁部において最も大き
い。
【0011】ホットプラグに対向する金属製ガスケット
の部位は、上記したように、エンジン稼働中に高温にな
るので、温度変化が大きくなり、またホットプラグがシ
リンダヘッドとは材質が異なるために熱膨張の差も大き
く現れるところであるので、熱応力自体が大きくなると
共に、その繰り返し応力による金属疲労の影響も大きい
部位である。上記の部位は、図14に示すように、更に
上記段差51に基づく応力集中を受けることになるの
で、金属製ガスケット70のビード基板71やビード基
板72間の中間板76は、ホットプラグ8の底面24と
シリンダヘッドの対向面との境界部に対応する燃焼室孔
23の内周縁部において、段差が伸びる方向(符号B)
に沿って亀裂52が生じやすい。金属製ガスケット70
に亀裂52が一旦生じると、その部位は燃焼室孔23の
縁部であるから、高温の燃焼ガスが亀裂52を通してシ
リンダヘッドの対向面と、金属製ガスケット70のビー
ド基板77の表面の間に漏れ出ることになる。従って、
従来の副燃焼室を備える内燃機関用の金属製ガスケット
については、上記段差によってシール性能が悪化し、ビ
ード基板や中間板の表面に腐食が生じ易いという問題が
あり、この問題を解決すべく、金属製ガスケットの構造
的な剛性や強度に対する影響を可及的に低減するという
課題があった。
の部位は、上記したように、エンジン稼働中に高温にな
るので、温度変化が大きくなり、またホットプラグがシ
リンダヘッドとは材質が異なるために熱膨張の差も大き
く現れるところであるので、熱応力自体が大きくなると
共に、その繰り返し応力による金属疲労の影響も大きい
部位である。上記の部位は、図14に示すように、更に
上記段差51に基づく応力集中を受けることになるの
で、金属製ガスケット70のビード基板71やビード基
板72間の中間板76は、ホットプラグ8の底面24と
シリンダヘッドの対向面との境界部に対応する燃焼室孔
23の内周縁部において、段差が伸びる方向(符号B)
に沿って亀裂52が生じやすい。金属製ガスケット70
に亀裂52が一旦生じると、その部位は燃焼室孔23の
縁部であるから、高温の燃焼ガスが亀裂52を通してシ
リンダヘッドの対向面と、金属製ガスケット70のビー
ド基板77の表面の間に漏れ出ることになる。従って、
従来の副燃焼室を備える内燃機関用の金属製ガスケット
については、上記段差によってシール性能が悪化し、ビ
ード基板や中間板の表面に腐食が生じ易いという問題が
あり、この問題を解決すべく、金属製ガスケットの構造
的な剛性や強度に対する影響を可及的に低減するという
課題があった。
【0012】また、ところで、金属製ガスケットがシリ
ンダヘッドの下面とシリンダブロックの上面との間に配
置されて締め付けられた場合、ビード基板及び中間板は
それぞれ板厚が一様の金属板であるから、この締め付け
力は、押し付ける力がシリンダヘッド側のビード基板か
ら、中間板、シリンダブロック側のビード基板、そして
シリンダブロックへと伝わり、又その反作用として押し
戻す力となって戻ってきて、各金属板を締め付ける。図
5に示すように、シリンダブロック2にシリンダヘッド
1を締め付け後に、ホットプラグ8の低剛性部96に熱
変形が生じる場合は、低剛性部96が金属製ガスケット
のビード基板側に張り出す変形97となる。熱変形につ
いての試験及び解析により、ホットプラグの底面36m
mに対して最大125μmの突き出し変形が予想される
(図7又は図8を参照)。ビード基板側に張り出す変形
97の熱変形量が大きくなると、上記締め付け力によっ
てビード基板を押し潰そうとする過大な力が作用するこ
とになる。ビード基板に対する押圧の影響は、前記膨張
する変形がシリンダブロックの上面との間で金属ガスケ
ットに対して鋏のように作用する部位、即ち、燃焼室孔
23の内周縁部において最も大きい。
ンダヘッドの下面とシリンダブロックの上面との間に配
置されて締め付けられた場合、ビード基板及び中間板は
それぞれ板厚が一様の金属板であるから、この締め付け
力は、押し付ける力がシリンダヘッド側のビード基板か
ら、中間板、シリンダブロック側のビード基板、そして
シリンダブロックへと伝わり、又その反作用として押し
戻す力となって戻ってきて、各金属板を締め付ける。図
5に示すように、シリンダブロック2にシリンダヘッド
1を締め付け後に、ホットプラグ8の低剛性部96に熱
変形が生じる場合は、低剛性部96が金属製ガスケット
のビード基板側に張り出す変形97となる。熱変形につ
いての試験及び解析により、ホットプラグの底面36m
mに対して最大125μmの突き出し変形が予想される
(図7又は図8を参照)。ビード基板側に張り出す変形
97の熱変形量が大きくなると、上記締め付け力によっ
てビード基板を押し潰そうとする過大な力が作用するこ
とになる。ビード基板に対する押圧の影響は、前記膨張
する変形がシリンダブロックの上面との間で金属ガスケ
ットに対して鋏のように作用する部位、即ち、燃焼室孔
23の内周縁部において最も大きい。
【0013】ホットプラグに対向する金属製ガスケット
の部位は、上記したようにエンジン稼働中に高温になり
やすいために温度変化が大きく、シリンダヘッドとは材
質が異なるために熱膨張の差も大きく現れるところでも
あるので、熱応力自体が大きくなるとともにその繰り返
し応力による金属疲労の影響も大きい部位である。この
部位は、更にホットプラグ8の熱膨張に基づく過大な負
荷を受けることになるので、金属製ガスケットのビード
基板やビード基板間の中間板は、図15に示すように、
ホットプラグ8の底面24と当接を開始する燃焼室孔2
3の内周縁部において、燃焼室孔23の半径方向に沿う
亀裂98を生じやすい。金属製ガスケットに一旦亀裂9
8を生じると、その部位は燃焼室孔23の縁部であるか
ら、高温の燃焼ガスが亀裂98を通してシリンダヘッド
の対向面3,4と、金属製ガスケットのビード基板の表
面の間に漏れ出ることになる。従って、従来の副燃焼室
を備える内燃機関用の金属製ガスケットについては、上
記ホットプラグの低剛性部の熱膨張変形を原因としてシ
ール性能が悪化し、ビード基板や中間板の表面に腐食を
生じるという問題があり、この問題を解消すべく金属製
ガスケットの構造的な剛性や強度に対する影響を可及的
に低減するという課題があった。
の部位は、上記したようにエンジン稼働中に高温になり
やすいために温度変化が大きく、シリンダヘッドとは材
質が異なるために熱膨張の差も大きく現れるところでも
あるので、熱応力自体が大きくなるとともにその繰り返
し応力による金属疲労の影響も大きい部位である。この
部位は、更にホットプラグ8の熱膨張に基づく過大な負
荷を受けることになるので、金属製ガスケットのビード
基板やビード基板間の中間板は、図15に示すように、
ホットプラグ8の底面24と当接を開始する燃焼室孔2
3の内周縁部において、燃焼室孔23の半径方向に沿う
亀裂98を生じやすい。金属製ガスケットに一旦亀裂9
8を生じると、その部位は燃焼室孔23の縁部であるか
ら、高温の燃焼ガスが亀裂98を通してシリンダヘッド
の対向面3,4と、金属製ガスケットのビード基板の表
面の間に漏れ出ることになる。従って、従来の副燃焼室
を備える内燃機関用の金属製ガスケットについては、上
記ホットプラグの低剛性部の熱膨張変形を原因としてシ
ール性能が悪化し、ビード基板や中間板の表面に腐食を
生じるという問題があり、この問題を解消すべく金属製
ガスケットの構造的な剛性や強度に対する影響を可及的
に低減するという課題があった。
【0014】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、シリンダヘッドの対向面とホットプラグの
底面との境界部に対応する燃焼室孔の内周縁部におい
て、中間板に構造上の工夫を施すことにより、たとえシ
リンダヘッドの対向面とホットプラグの底面との境界部
に段差が生じても、その段差によって生じやすいビード
基板や中間板への応力を分散させて応力集中を避け、剛
性や強度を低下させることなく、亀裂の発生を防止する
と共に、シール機能及び耐久性を維持することができる
金属製ガスケットを提供することである。
ことであり、シリンダヘッドの対向面とホットプラグの
底面との境界部に対応する燃焼室孔の内周縁部におい
て、中間板に構造上の工夫を施すことにより、たとえシ
リンダヘッドの対向面とホットプラグの底面との境界部
に段差が生じても、その段差によって生じやすいビード
基板や中間板への応力を分散させて応力集中を避け、剛
性や強度を低下させることなく、亀裂の発生を防止する
と共に、シール機能及び耐久性を維持することができる
金属製ガスケットを提供することである。
【0015】この発明の別の目的は、シリンダヘッドに
配置したホットプラグの底面に対応する部分の燃焼室孔
のプロフィールの形状を外側に拡大して避けることによ
り、ホットプラグの低剛性部に大きな熱膨張変形が生じ
ても、その変形が少なくともビード基板の燃焼室孔の内
周縁部に影響が及ばないようにして剛性や強度を低下さ
せることなく、亀裂の発生を防止すると共に、シール機
能及び耐久性を向上できる金属製ガスケットを提供する
ことである。
配置したホットプラグの底面に対応する部分の燃焼室孔
のプロフィールの形状を外側に拡大して避けることによ
り、ホットプラグの低剛性部に大きな熱膨張変形が生じ
ても、その変形が少なくともビード基板の燃焼室孔の内
周縁部に影響が及ばないようにして剛性や強度を低下さ
せることなく、亀裂の発生を防止すると共に、シール機
能及び耐久性を向上できる金属製ガスケットを提供する
ことである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、燃焼室孔を有し且つ前記燃焼室孔の周縁に
沿ってビードを形成した二枚の弾性金属板から成るビー
ド基板及び前記ビード基板間に積層された中間板から構
成され且つ副燃焼室を構成するホットプラグを配置した
シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に介在される
副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケットにおい
て、前記中間板の前記燃焼室孔に沿った縁部のうち前記
ホットプラグの底面と前記シリンダヘッドの対向面との
それぞれの境界部に対応する前記中間板の部分に窪み部
がそれぞれ形成されていることを特徴とする副室式ディ
ーゼルエンジンの金属製ガスケットに関する。
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、燃焼室孔を有し且つ前記燃焼室孔の周縁に
沿ってビードを形成した二枚の弾性金属板から成るビー
ド基板及び前記ビード基板間に積層された中間板から構
成され且つ副燃焼室を構成するホットプラグを配置した
シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に介在される
副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケットにおい
て、前記中間板の前記燃焼室孔に沿った縁部のうち前記
ホットプラグの底面と前記シリンダヘッドの対向面との
それぞれの境界部に対応する前記中間板の部分に窪み部
がそれぞれ形成されていることを特徴とする副室式ディ
ーゼルエンジンの金属製ガスケットに関する。
【0017】或いは、この発明は、燃焼室孔に沿ってビ
ードを形成した弾性金属板から成る二枚のビード基板と
前記ビード基板間に積層された中間板とから構成され、
副燃焼室を構成するホットプラグを設けたシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの間で前記ホットプラグの底面
の一部と対向して配置される副室式ディーゼルエンジン
の金属製ガスケットにおいて、少なくとも前記シリンダ
ヘッド側に位置する前記ビード基板に形成した前記燃焼
室孔は前記ホットプラグに設けた噴口近傍の低剛性部を
回避するように外側に拡大した形状に形成されているこ
とを特徴とする副室式ディーゼルエンジンの金属製ガス
ケットに関する。また、前記中間板と前記シリンダブロ
ック側に位置する前記ビード基板とに形成した前記燃焼
室孔は前記ホットプラグに設けた噴口近傍の低剛性部を
回避するように外側に拡大した形状に形成されているも
のである。
ードを形成した弾性金属板から成る二枚のビード基板と
前記ビード基板間に積層された中間板とから構成され、
副燃焼室を構成するホットプラグを設けたシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの間で前記ホットプラグの底面
の一部と対向して配置される副室式ディーゼルエンジン
の金属製ガスケットにおいて、少なくとも前記シリンダ
ヘッド側に位置する前記ビード基板に形成した前記燃焼
室孔は前記ホットプラグに設けた噴口近傍の低剛性部を
回避するように外側に拡大した形状に形成されているこ
とを特徴とする副室式ディーゼルエンジンの金属製ガス
ケットに関する。また、前記中間板と前記シリンダブロ
ック側に位置する前記ビード基板とに形成した前記燃焼
室孔は前記ホットプラグに設けた噴口近傍の低剛性部を
回避するように外側に拡大した形状に形成されているも
のである。
【0018】
【作用】この発明による副室式ディーゼルエンジンの金
属製ガスケットは、上記のように構成されており、次の
ような作用をする。即ち、この副室式ディーゼルエンジ
ンの金属製ガスケットは、燃焼室孔を有し且つ前記燃焼
室孔の周縁に沿ってビードを形成した二枚の弾性金属板
から成るビード基板及び前記ビード基板間に積層された
中間板から構成され、前記中間板の燃焼室孔の内周縁部
のうち前記ホットプラグの底面と前記シリンダヘッドの
対向面との境界部に対応する部分に窪み部が設けられて
いるから、シリンダヘッドの下面とホットプラグの底面
の境界部に段差が生じていて、該段差がビード基板を鋭
く押し潰そうとしても、或いは熱膨張による前記境界部
に応力集中が発生しようとしても、前記段差に押される
ビード基板の部位に対して段差が押す方向である前記窪
み部が逃げの作用を働かせ、ビード基板の燃焼室孔の内
周縁部は薄板の曲げ応力状態になるが、曲げ応力が比較
的広い範囲で生じる分だけ曲げ応力の最大値が低くな
り、かつ中間板に対して広い領域で支持されるので、ビ
ード基板から中間板へと応力が分散され、応力集中の発
生を避けることができる。
属製ガスケットは、上記のように構成されており、次の
ような作用をする。即ち、この副室式ディーゼルエンジ
ンの金属製ガスケットは、燃焼室孔を有し且つ前記燃焼
室孔の周縁に沿ってビードを形成した二枚の弾性金属板
から成るビード基板及び前記ビード基板間に積層された
中間板から構成され、前記中間板の燃焼室孔の内周縁部
のうち前記ホットプラグの底面と前記シリンダヘッドの
対向面との境界部に対応する部分に窪み部が設けられて
いるから、シリンダヘッドの下面とホットプラグの底面
の境界部に段差が生じていて、該段差がビード基板を鋭
く押し潰そうとしても、或いは熱膨張による前記境界部
に応力集中が発生しようとしても、前記段差に押される
ビード基板の部位に対して段差が押す方向である前記窪
み部が逃げの作用を働かせ、ビード基板の燃焼室孔の内
周縁部は薄板の曲げ応力状態になるが、曲げ応力が比較
的広い範囲で生じる分だけ曲げ応力の最大値が低くな
り、かつ中間板に対して広い領域で支持されるので、ビ
ード基板から中間板へと応力が分散され、応力集中の発
生を避けることができる。
【0019】或いは、この副室式ディーゼルエンジンの
金属製ガスケットは、燃焼室孔を有し且つ前記燃焼室孔
の周縁に沿ってビードを形成した二枚の弾性金属製ビー
ド基板及び前記ビード基板間に積層された中間板から構
成され、副燃焼室を構成するホットプラグが設けられて
いるシリンダヘッドとシリンダブロックとの間において
前記シリンダヘッド側の前記ビード基板がホットプラグ
の底面の一部と接触するように配置されるものであっ
て、前記シリンダヘッド側に位置する前記ビード基板の
前記燃焼室孔のプロフィールを、前記副燃焼室に連通し
かつ前記燃焼室孔に臨む噴口の周囲に存在する前記ホッ
トプラグの低剛性部との接触を回避するように外側に拡
大しているので、ホットプラグの熱変形量の大きい低剛
性部に対する金属製ガスケットの接触が回避され、燃焼
室孔のプロフィール形状を拡大しない場合と比較して、
中間板のヘタリを防止できるとともに、燃焼室孔の内周
縁部にかかっていた過大な熱負荷から解放される。
金属製ガスケットは、燃焼室孔を有し且つ前記燃焼室孔
の周縁に沿ってビードを形成した二枚の弾性金属製ビー
ド基板及び前記ビード基板間に積層された中間板から構
成され、副燃焼室を構成するホットプラグが設けられて
いるシリンダヘッドとシリンダブロックとの間において
前記シリンダヘッド側の前記ビード基板がホットプラグ
の底面の一部と接触するように配置されるものであっ
て、前記シリンダヘッド側に位置する前記ビード基板の
前記燃焼室孔のプロフィールを、前記副燃焼室に連通し
かつ前記燃焼室孔に臨む噴口の周囲に存在する前記ホッ
トプラグの低剛性部との接触を回避するように外側に拡
大しているので、ホットプラグの熱変形量の大きい低剛
性部に対する金属製ガスケットの接触が回避され、燃焼
室孔のプロフィール形状を拡大しない場合と比較して、
中間板のヘタリを防止できるとともに、燃焼室孔の内周
縁部にかかっていた過大な熱負荷から解放される。
【0020】また、この副室式ディーゼルエンジンの金
属製ガスケットにおいて、前記中間板及びシリンダブロ
ック側のビード基板の燃焼室孔の輪郭を前記燃焼室孔の
拡大した輪郭即ちプロフィール形状に合わせて拡大した
場合には、中間板は、ホットプラグの低剛性部に対応す
る部分で、燃焼室孔のプロフィールを外側に拡大してあ
るので、ホットプラグの低剛性部が熱変形により金属製
ガスケット側に熱膨張しても、該熱膨張部分は中間板に
接触することはない。したがって、ホットプラグが金属
製ガスケットに対して過大な熱負荷を繰り返し与えて、
金属製ガスケットの中間板に亀裂を生じさせることはな
い。シリンダブロック側のビード基板の燃焼室孔のプロ
フィールをも、シリンダヘッド側のビード基板や中間板
の燃焼室孔の輪郭に合わせて外側に拡大するので、金属
製ガスケットとしての燃焼室孔のプロフィール形状を揃
えることができ、製造及び組立て等の各工程管理が容易
になる。
属製ガスケットにおいて、前記中間板及びシリンダブロ
ック側のビード基板の燃焼室孔の輪郭を前記燃焼室孔の
拡大した輪郭即ちプロフィール形状に合わせて拡大した
場合には、中間板は、ホットプラグの低剛性部に対応す
る部分で、燃焼室孔のプロフィールを外側に拡大してあ
るので、ホットプラグの低剛性部が熱変形により金属製
ガスケット側に熱膨張しても、該熱膨張部分は中間板に
接触することはない。したがって、ホットプラグが金属
製ガスケットに対して過大な熱負荷を繰り返し与えて、
金属製ガスケットの中間板に亀裂を生じさせることはな
い。シリンダブロック側のビード基板の燃焼室孔のプロ
フィールをも、シリンダヘッド側のビード基板や中間板
の燃焼室孔の輪郭に合わせて外側に拡大するので、金属
製ガスケットとしての燃焼室孔のプロフィール形状を揃
えることができ、製造及び組立て等の各工程管理が容易
になる。
【0021】また、この副室式ディーゼルエンジンの金
属製ガスケットにおいて、前記各ビード基板の表裏両面
に耐熱性被覆材を塗着した場合には、耐熱性被覆材が、
ビード基板の表面やシリンダヘッド、シリンダブロック
及びホットプラグのビード基板との接触面における不整
を吸収するので、シリンダヘッドとシリンダブロックの
対向面間に締め付けたときの金属製ガスケットのシール
性能が向上する。耐熱性被覆材の厚みは、ビード基板の
全面に対して一律の厚さとする必要はない。ホットプラ
グの熱変形がビード基板に多少とも負荷として影響が残
るような領域においては、耐熱性被覆材の厚みを比較的
薄くしてもよい。
属製ガスケットにおいて、前記各ビード基板の表裏両面
に耐熱性被覆材を塗着した場合には、耐熱性被覆材が、
ビード基板の表面やシリンダヘッド、シリンダブロック
及びホットプラグのビード基板との接触面における不整
を吸収するので、シリンダヘッドとシリンダブロックの
対向面間に締め付けたときの金属製ガスケットのシール
性能が向上する。耐熱性被覆材の厚みは、ビード基板の
全面に対して一律の厚さとする必要はない。ホットプラ
グの熱変形がビード基板に多少とも負荷として影響が残
るような領域においては、耐熱性被覆材の厚みを比較的
薄くしてもよい。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による副室
式ディーゼルエンジンの金属製ガスケットの実施例を説
明する。図1はこの発明による副室式ディーゼルエンジ
ンの金属製ガスケットの一実施例を示す概略平面図、図
2は図1の金属製ガスケットのホットプラグと対向する
部分を拡大して示した拡大平面図、図3は図2の金属製
ガスケットの水孔を含んで燃焼室孔から外周縁に到るま
で線A−Aに沿って切断した断面図、及び図4は図1乃
至図3に示した金属製ガスケットにおいてシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの対向面間に配置する前の自由
状態における金属製ガスケットの燃焼室孔の縁部に沿っ
て示した断面図である。
式ディーゼルエンジンの金属製ガスケットの実施例を説
明する。図1はこの発明による副室式ディーゼルエンジ
ンの金属製ガスケットの一実施例を示す概略平面図、図
2は図1の金属製ガスケットのホットプラグと対向する
部分を拡大して示した拡大平面図、図3は図2の金属製
ガスケットの水孔を含んで燃焼室孔から外周縁に到るま
で線A−Aに沿って切断した断面図、及び図4は図1乃
至図3に示した金属製ガスケットにおいてシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの対向面間に配置する前の自由
状態における金属製ガスケットの燃焼室孔の縁部に沿っ
て示した断面図である。
【0023】図1〜4に示すように、この発明による金
属製ガスケット20は、多気筒内燃機関におけるシリン
ダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4をシ
ールするため、シリンダヘッド1とシリンダブロック2
との対向面3,4間に装着して使用されるものである。
金属製ガスケット20は、第1の弾性金属板であるシリ
ンダヘッド1側即ち上側のビード基板21と、第2の弾
性金属板であるシリンダブロック2側即ち下側のビード
基板22とを積層したものであり、両ビード基板21,
22間に2枚の中間板27及び中間板28をサンドイッ
チ状に積層したものである。中間板27は、中間板28
よりも板厚が薄く、燃焼室孔23の縁部において折返し
部37を形成しており、また全体として第2中間板28
と密着している。折返し部37は、金属製ガスケット2
0をシリンダヘッド1とシリンダブロック2の両対向面
3,4間に締め付けたとき、燃焼室孔23の縁部におい
てシール圧力を確保している。また、ビード基板21と
折返し部37を有する中間板27との間にはシム19が
介在している。なお、図1では金属製ガスケット20は
四気筒エンジンに使用するものとして示しているが、気
筒数に対応させて燃焼室孔等を形成すれば多気筒エンジ
ンに適用できるものである。
属製ガスケット20は、多気筒内燃機関におけるシリン
ダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4をシ
ールするため、シリンダヘッド1とシリンダブロック2
との対向面3,4間に装着して使用されるものである。
金属製ガスケット20は、第1の弾性金属板であるシリ
ンダヘッド1側即ち上側のビード基板21と、第2の弾
性金属板であるシリンダブロック2側即ち下側のビード
基板22とを積層したものであり、両ビード基板21,
22間に2枚の中間板27及び中間板28をサンドイッ
チ状に積層したものである。中間板27は、中間板28
よりも板厚が薄く、燃焼室孔23の縁部において折返し
部37を形成しており、また全体として第2中間板28
と密着している。折返し部37は、金属製ガスケット2
0をシリンダヘッド1とシリンダブロック2の両対向面
3,4間に締め付けたとき、燃焼室孔23の縁部におい
てシール圧力を確保している。また、ビード基板21と
折返し部37を有する中間板27との間にはシム19が
介在している。なお、図1では金属製ガスケット20は
四気筒エンジンに使用するものとして示しているが、気
筒数に対応させて燃焼室孔等を形成すれば多気筒エンジ
ンに適用できるものである。
【0024】ビード基板21,22は、例えば、SUS
301の金属材料を打ち抜いてビード加工や各種の穴の
成形加工等をし、熱処理をして、張り強さ、伸び、硬さ
を所定の値を満たすように作製したものである。また、
中間板27,28は、それぞれ、例えば、SUS304
又はSAICの金属材料を打ち抜いた後、折返し加工や
ビード加工等を施し、必要に応じて熱処理を施して作製
したものである。
301の金属材料を打ち抜いてビード加工や各種の穴の
成形加工等をし、熱処理をして、張り強さ、伸び、硬さ
を所定の値を満たすように作製したものである。また、
中間板27,28は、それぞれ、例えば、SUS304
又はSAICの金属材料を打ち抜いた後、折返し加工や
ビード加工等を施し、必要に応じて熱処理を施して作製
したものである。
【0025】金属製ガスケット20におけるビード基板
21,22及び中間板27,28には、シリンダヘッド
1及びシリンダブロック2に形成された燃焼室に対応し
てそれぞれ燃焼室孔23が形成されている。ビード基板
21,22及び中間板27,28には、オイルを通すオ
イル孔29、ボルト孔30の他、ノック孔、固定ハトメ
孔等が穿設されているが、これらについては、金属製ガ
スケットの技術分野においてそれぞれ周知の技術である
ので、ここでは詳細な説明を省略する。
21,22及び中間板27,28には、シリンダヘッド
1及びシリンダブロック2に形成された燃焼室に対応し
てそれぞれ燃焼室孔23が形成されている。ビード基板
21,22及び中間板27,28には、オイルを通すオ
イル孔29、ボルト孔30の他、ノック孔、固定ハトメ
孔等が穿設されているが、これらについては、金属製ガ
スケットの技術分野においてそれぞれ周知の技術である
ので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0026】ビード基板21,22の燃焼室孔23の周
囲には、ビード25,26が中間板27,28に向かっ
て隆起しているが、図2に示すように、ホットプラグ8
の部分では大きく外側に膨らんだ位置にある。ビード基
板21,22は、ビード25,26の外側ではガスケッ
トの自由状態では中間板27,28から浮いた位置にあ
るが、オイル孔29,ボルト孔30等の各種の孔が設け
られている位置でハーフビード33,34となり、各孔
に接触する位置を取っている。ハーフビード33,34
の外側では、ハーフビード43,44を経て金属製ガス
ケット20の外周縁に到っている。
囲には、ビード25,26が中間板27,28に向かっ
て隆起しているが、図2に示すように、ホットプラグ8
の部分では大きく外側に膨らんだ位置にある。ビード基
板21,22は、ビード25,26の外側ではガスケッ
トの自由状態では中間板27,28から浮いた位置にあ
るが、オイル孔29,ボルト孔30等の各種の孔が設け
られている位置でハーフビード33,34となり、各孔
に接触する位置を取っている。ハーフビード33,34
の外側では、ハーフビード43,44を経て金属製ガス
ケット20の外周縁に到っている。
【0027】金属製ガスケット20のビード基板21,
22の表面には、耐熱性及び耐油性を有するゴム(例え
ば、フッ素ゴム)、樹脂等の非金属材料から成る耐熱性
被覆材38が塗着されている。耐熱性被覆材38は、そ
の厚さが、例えば、ビード基板21,22の外面に20
μm程度のコーティング層が施され、ビード基板21,
22の中間板に面する内面に10μm程度のコーティン
グ層が施されている。耐熱性被覆材38は、シリンダヘ
ッド1及びシリンダブロック2に対して金属対金属の接
触状態を回避し、金属製ガスケット20としての耐腐食
性や耐久性及び強度を確保している。また、耐熱性被覆
材38は、金属製ガスケット20の機械加工面に凹凸が
存在していても、これらの凹凸を埋めて充分なシール機
能を果たすようになる。
22の表面には、耐熱性及び耐油性を有するゴム(例え
ば、フッ素ゴム)、樹脂等の非金属材料から成る耐熱性
被覆材38が塗着されている。耐熱性被覆材38は、そ
の厚さが、例えば、ビード基板21,22の外面に20
μm程度のコーティング層が施され、ビード基板21,
22の中間板に面する内面に10μm程度のコーティン
グ層が施されている。耐熱性被覆材38は、シリンダヘ
ッド1及びシリンダブロック2に対して金属対金属の接
触状態を回避し、金属製ガスケット20としての耐腐食
性や耐久性及び強度を確保している。また、耐熱性被覆
材38は、金属製ガスケット20の機械加工面に凹凸が
存在していても、これらの凹凸を埋めて充分なシール機
能を果たすようになる。
【0028】金属製ガスケット20をシリンダヘッド1
とシリンダブロック2との間に配置して、ボルト穴30
を通したボルトにより締め付けると、燃焼室孔23の直
近においては、中間板27の折返し部37が板厚を増や
しているので、締め付け面圧が高くなり、燃焼ガスの漏
出に対する幅の広いシール部を形成する。中間板27の
折返し部37の外側では、ビード基板21,22のビー
ド25,26も圧縮されるので、対向面3,4に強く押
し付けられてシール部を確保する。これら多重同心状の
環状シール部によって、燃焼室孔23からの高温高圧の
燃焼ガスが両対向面3,4に漏れ出るのを阻止すること
ができる。シリンダヘッド1とシリンダブロック2との
対向面3,4に生じる不整をビードやコーティング層が
吸収し、内燃機関の吸気行程、圧縮行程、爆発行程及び
膨張行程の繰り返しで発生するシリンダヘッド1の歪み
量が抑制される。更に、金属製ガスケット20における
ビード25,26の周囲の各種の孔の縁は、ハーフビー
ドの変形により対向面3,4に対して強く圧接されて、
それら孔の周縁のシールを果たす。
とシリンダブロック2との間に配置して、ボルト穴30
を通したボルトにより締め付けると、燃焼室孔23の直
近においては、中間板27の折返し部37が板厚を増や
しているので、締め付け面圧が高くなり、燃焼ガスの漏
出に対する幅の広いシール部を形成する。中間板27の
折返し部37の外側では、ビード基板21,22のビー
ド25,26も圧縮されるので、対向面3,4に強く押
し付けられてシール部を確保する。これら多重同心状の
環状シール部によって、燃焼室孔23からの高温高圧の
燃焼ガスが両対向面3,4に漏れ出るのを阻止すること
ができる。シリンダヘッド1とシリンダブロック2との
対向面3,4に生じる不整をビードやコーティング層が
吸収し、内燃機関の吸気行程、圧縮行程、爆発行程及び
膨張行程の繰り返しで発生するシリンダヘッド1の歪み
量が抑制される。更に、金属製ガスケット20における
ビード25,26の周囲の各種の孔の縁は、ハーフビー
ドの変形により対向面3,4に対して強く圧接されて、
それら孔の周縁のシールを果たす。
【0029】ビード基板21,22には、燃焼室孔23
からホットプラグ8のための高温領域41を遠巻きにし
てフルビード25,26が中間板27,28に向けて形
成されている。領域41の近傍で、ビード25,26の
直ぐ外側には、局部的に散在する形で分布する略矩形
(略楕円形であってもよい。)の水穴部31,32が設
けられている。水穴部31,32は、シリンダヘッド1
の水ジャケットである冷却水路11とシリンダブロック
2の水ジャケットである冷却水路12とが開口する位置
にあり、水穴部31,32を全体として囲むハーフビー
ド33,34は、冷却水路11,12の開口を完全に取
り囲む位置にある。金属製ガスケット20は、シリンダ
ヘッド1側に位置するビード基板21におけるハーフビ
ード33で囲まれる内部即ち水穴部31には、複数個
(図1では6個)の小孔35が形成されている。
からホットプラグ8のための高温領域41を遠巻きにし
てフルビード25,26が中間板27,28に向けて形
成されている。領域41の近傍で、ビード25,26の
直ぐ外側には、局部的に散在する形で分布する略矩形
(略楕円形であってもよい。)の水穴部31,32が設
けられている。水穴部31,32は、シリンダヘッド1
の水ジャケットである冷却水路11とシリンダブロック
2の水ジャケットである冷却水路12とが開口する位置
にあり、水穴部31,32を全体として囲むハーフビー
ド33,34は、冷却水路11,12の開口を完全に取
り囲む位置にある。金属製ガスケット20は、シリンダ
ヘッド1側に位置するビード基板21におけるハーフビ
ード33で囲まれる内部即ち水穴部31には、複数個
(図1では6個)の小孔35が形成されている。
【0030】小孔35の各内径は、エンジンに応じて適
宜の値にして冷却の強さを設定することができるが、他
の部位に設けられる小孔と比較すると充分小さいものに
設定されている。しかしながら、小孔35の内周面積の
総和は、同じ規模の水穴部31が単一の水穴から成る場
合と比較して、同等かそれ以上にすることもできる。ま
た、一つ一つの小孔35は小さいから、狭い領域にも巧
みに分布させることができて、水穴部31を設ける領域
の構造としての剛性や強度を低下させることもなく、効
率良く熱を奪うことができる。中間板27には、小孔3
5に連通する水通し孔を穿設して、冷却水の流量を調整
してもよく、また水通し孔を穿設せずに中間板27にシ
リンダヘッド1の水ジャケットからシリンダブロック2
の水ジャケット側への冷却水の流れを遮断する遮蔽板の
機能を持たせてもよい。
宜の値にして冷却の強さを設定することができるが、他
の部位に設けられる小孔と比較すると充分小さいものに
設定されている。しかしながら、小孔35の内周面積の
総和は、同じ規模の水穴部31が単一の水穴から成る場
合と比較して、同等かそれ以上にすることもできる。ま
た、一つ一つの小孔35は小さいから、狭い領域にも巧
みに分布させることができて、水穴部31を設ける領域
の構造としての剛性や強度を低下させることもなく、効
率良く熱を奪うことができる。中間板27には、小孔3
5に連通する水通し孔を穿設して、冷却水の流量を調整
してもよく、また水通し孔を穿設せずに中間板27にシ
リンダヘッド1の水ジャケットからシリンダブロック2
の水ジャケット側への冷却水の流れを遮断する遮蔽板の
機能を持たせてもよい。
【0031】次に、図4を参照して、この発明による金
属製ガスケット20において存在する段差51による応
力集中を軽減する構造の一実施例を説明する。金属製ガ
スケット20において、上下のビード基板21,22及
び中間板のうちの中間板27は、従来のものと同様の平
坦な弾性金属板からなる。中間板28は、中間板27よ
りも厚みが大に形成されている。中間板28には、特
に、応力集中の発生を防止するため即ち集中応力の分散
のために、窪み部18が形成されている。窪み部18,
18は、中間板28の燃焼室孔23に沿った縁部のう
ち、ホットプラグ8の底面24とシリンダヘッド1の対
向面3とのそれぞれの境界部に対応する中間板28の部
分にそれぞれ形成されている。
属製ガスケット20において存在する段差51による応
力集中を軽減する構造の一実施例を説明する。金属製ガ
スケット20において、上下のビード基板21,22及
び中間板のうちの中間板27は、従来のものと同様の平
坦な弾性金属板からなる。中間板28は、中間板27よ
りも厚みが大に形成されている。中間板28には、特
に、応力集中の発生を防止するため即ち集中応力の分散
のために、窪み部18が形成されている。窪み部18,
18は、中間板28の燃焼室孔23に沿った縁部のう
ち、ホットプラグ8の底面24とシリンダヘッド1の対
向面3とのそれぞれの境界部に対応する中間板28の部
分にそれぞれ形成されている。
【0032】図4には、中間板28に設けられた窪み部
18,18を周方向断面形状として台形状とした一例が
示してあり、このような形状の窪み部18,18は、中
間板28のプレス成形と同時に形成することができる。
窪み部18,18の燃焼室孔の半径方向については、窪
み部18,18の奥行きとして、中間板27の折返し部
37が形成されている範囲より僅かに長い領域Rとし、
そして燃焼室孔23の縁部から遠ざかる程、次第に窪み
の深さが浅くなるような形状とするのが、亀裂の発生防
止対策上好ましい。窪み部18,18の奥行き寸法R
は、例えば、約3mmであり、窪み部18,18の燃焼
室孔23の周方向の寸法Wは、例えば、約10mmであ
り、また、窪み部18,18の深さDは、例えば、約
0.03mmである。これらの数値は、一例であり、エ
ンジンの種類によって適宜設計により定めることができ
る。窪み部18,18の平面形状は三角形に限らず、半
円形の窪み部の他、半楕円形又は矩形等のなだらかな輪
郭を有するものであれば、各種の形状とすることができ
る。また、窪み部18,18の中間板28の平面に対す
る垂直断面の形状も、なだらかな曲線であるのが好まし
いが、鋭角を有することがなければ、台形状のみならず
三角形状等の各種の形状とすることができる。
18,18を周方向断面形状として台形状とした一例が
示してあり、このような形状の窪み部18,18は、中
間板28のプレス成形と同時に形成することができる。
窪み部18,18の燃焼室孔の半径方向については、窪
み部18,18の奥行きとして、中間板27の折返し部
37が形成されている範囲より僅かに長い領域Rとし、
そして燃焼室孔23の縁部から遠ざかる程、次第に窪み
の深さが浅くなるような形状とするのが、亀裂の発生防
止対策上好ましい。窪み部18,18の奥行き寸法R
は、例えば、約3mmであり、窪み部18,18の燃焼
室孔23の周方向の寸法Wは、例えば、約10mmであ
り、また、窪み部18,18の深さDは、例えば、約
0.03mmである。これらの数値は、一例であり、エ
ンジンの種類によって適宜設計により定めることができ
る。窪み部18,18の平面形状は三角形に限らず、半
円形の窪み部の他、半楕円形又は矩形等のなだらかな輪
郭を有するものであれば、各種の形状とすることができ
る。また、窪み部18,18の中間板28の平面に対す
る垂直断面の形状も、なだらかな曲線であるのが好まし
いが、鋭角を有することがなければ、台形状のみならず
三角形状等の各種の形状とすることができる。
【0033】金属製ガスケット20を、シリンダヘッド
1とシリンダブロック2との対向面3,4間に締め付け
た場合、通常の金属製ガスケットと同様に、燃焼室孔2
3周りにおいて、折返し部37やビード25,26によ
る二重のシール作用を奏すると共に、シリンダヘッド1
の対向面3とホットプラグ8の底面24の境界部に段差
51が生じているときであっても、段差51によってビ
ード基板21,22や中間板27,28に亀裂が生じる
ことを防いでいる。即ち、境界部の段差51がビード基
板21,22を鋭く押し潰そうとしても、中間板28の
燃焼室孔23の内周縁部のうち段差51に対応した部分
に窪み部18,18が設けられているから、段差51に
押されるビード基板21の部位は、段差51が押す方向
である窪み部18,18の中へなだらかに逃げることが
できる。ビード基板21の逃げによってビード基板2
1,22の燃焼室孔23の内周縁部は局部的に薄板の曲
げ応力状態になるが、なだらかな変形状態である分だけ
曲げ応力が比較的広い範囲で生じて曲げ応力の最大値が
低くなり、中間板27,28に対して広い領域で支持さ
れるので、ビード基板21,22や中間板27,28へ
の応力が集中せずに分散される。従来の金属製ガスケッ
トでは、段差によって押し付け力が作用したときに、ビ
ード基板がその作用方向に逃げることができなく、中間
板に直ちに当接し、その大きな反作用力とでビード基板
と中間板の極狭い範囲の部位が強く押し潰され、応力集
中が発生して割れ、クラック等が発生していたが、この
金属製ガスケット20では、従来の金属製ガスケットの
ような応力集中が発生することはなく、割れ、クラック
等の発生を避けることができるものである。
1とシリンダブロック2との対向面3,4間に締め付け
た場合、通常の金属製ガスケットと同様に、燃焼室孔2
3周りにおいて、折返し部37やビード25,26によ
る二重のシール作用を奏すると共に、シリンダヘッド1
の対向面3とホットプラグ8の底面24の境界部に段差
51が生じているときであっても、段差51によってビ
ード基板21,22や中間板27,28に亀裂が生じる
ことを防いでいる。即ち、境界部の段差51がビード基
板21,22を鋭く押し潰そうとしても、中間板28の
燃焼室孔23の内周縁部のうち段差51に対応した部分
に窪み部18,18が設けられているから、段差51に
押されるビード基板21の部位は、段差51が押す方向
である窪み部18,18の中へなだらかに逃げることが
できる。ビード基板21の逃げによってビード基板2
1,22の燃焼室孔23の内周縁部は局部的に薄板の曲
げ応力状態になるが、なだらかな変形状態である分だけ
曲げ応力が比較的広い範囲で生じて曲げ応力の最大値が
低くなり、中間板27,28に対して広い領域で支持さ
れるので、ビード基板21,22や中間板27,28へ
の応力が集中せずに分散される。従来の金属製ガスケッ
トでは、段差によって押し付け力が作用したときに、ビ
ード基板がその作用方向に逃げることができなく、中間
板に直ちに当接し、その大きな反作用力とでビード基板
と中間板の極狭い範囲の部位が強く押し潰され、応力集
中が発生して割れ、クラック等が発生していたが、この
金属製ガスケット20では、従来の金属製ガスケットの
ような応力集中が発生することはなく、割れ、クラック
等の発生を避けることができるものである。
【0034】また、金属製ガスケット20のビード基板
21の表面には、ゴム系又はフッ素系等をコーティング
した耐熱性被覆材38が塗着されているので、シリンダ
ヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4間に締
め付けたときに、耐熱性被覆材38は対向面3,4間の
表面の非平面性を吸収する働きがある。また、上記実施
例では、窪み部18を燃焼室孔23の内周縁部に設けた
ものを示したが、このような例に限らず、ホットプラグ
8の底面24とシリンダヘッド1の下面である対向面3
との間の線上(図11の、点線B)の境界領域のすべて
にわたって設けてもよい。更に、もう一方の中間板27
に板厚の余裕があれば、中間板28に設けた窪み部1
8,18に対応させて、中間板27に窪み部を設けても
よい。中間板が、一枚の場合には、その中間板に窪み部
を設けるのは言うまでもない。
21の表面には、ゴム系又はフッ素系等をコーティング
した耐熱性被覆材38が塗着されているので、シリンダ
ヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4間に締
め付けたときに、耐熱性被覆材38は対向面3,4間の
表面の非平面性を吸収する働きがある。また、上記実施
例では、窪み部18を燃焼室孔23の内周縁部に設けた
ものを示したが、このような例に限らず、ホットプラグ
8の底面24とシリンダヘッド1の下面である対向面3
との間の線上(図11の、点線B)の境界領域のすべて
にわたって設けてもよい。更に、もう一方の中間板27
に板厚の余裕があれば、中間板28に設けた窪み部1
8,18に対応させて、中間板27に窪み部を設けても
よい。中間板が、一枚の場合には、その中間板に窪み部
を設けるのは言うまでもない。
【0035】次に、この発明による副室式ディーゼルエ
ンジンの金属製ガスケットの別の実施例を、図6及び図
7を参照して説明する。図6は図2の線A−Aにおける
金属製ガスケットの別の実施例を示す断面図、及び図7
は図6の金属製ガスケットをシリンダブロックとシリン
ダヘッドとの対向面間に装着した状態を示す断面図であ
る。この実施例では、上記実施例と同一のものについて
は、同一の符号を付して説明を省略する。図6及び図7
では、各金属板の板厚やビード基板21,22の弾性変
形は誇張して示してある。また、変形後も各弾性金属板
間に隙間が存在する複雑な形状に示しているが、実質的
には殆ど隙間がない状態である。
ンジンの金属製ガスケットの別の実施例を、図6及び図
7を参照して説明する。図6は図2の線A−Aにおける
金属製ガスケットの別の実施例を示す断面図、及び図7
は図6の金属製ガスケットをシリンダブロックとシリン
ダヘッドとの対向面間に装着した状態を示す断面図であ
る。この実施例では、上記実施例と同一のものについて
は、同一の符号を付して説明を省略する。図6及び図7
では、各金属板の板厚やビード基板21,22の弾性変
形は誇張して示してある。また、変形後も各弾性金属板
間に隙間が存在する複雑な形状に示しているが、実質的
には殆ど隙間がない状態である。
【0036】金属製ガスケット20は、特に、図6及び
図7に示すように、少なくともシリンダヘッド1側に位
置するビード基板21に形成した燃焼室孔23をホット
プラグ8に設けた噴口9近傍の低剛性部96を回避する
ように外側に拡大した形状即ちプロフィール39に形成
されていることである。即ち、金属製ガスケット20を
構成する金属板のうち、シリンダヘッド1側に位置する
上側ビード基板21についてのみ、燃焼室孔23の内周
縁部のうち、ホットプラグ8の底面24に接触する部分
の一部、即ち、ホットプラグ8の底部10のうち低剛性
部96がエンジンの運転中に高温となり、金属製ガスケ
ット20側に膨張する二点鎖線で示される変形97を生
じる部分との接触を回避するために、燃焼室孔23の輪
郭即ちプロフィール形状を外側に拡大したものである。
この金属製ガスケット20の燃焼室孔23を外側に拡大
した形状をプロフィール39で示し、燃焼室孔23を拡
大する前の従来の円形状の燃焼室孔23を二点鎖線のプ
ロフィール99を示している。また、燃焼室孔23のプ
ロフィール39を外側へ拡大するに伴い、ビード25の
位置をプロフィール39に沿うように外側に拡大してい
る。
図7に示すように、少なくともシリンダヘッド1側に位
置するビード基板21に形成した燃焼室孔23をホット
プラグ8に設けた噴口9近傍の低剛性部96を回避する
ように外側に拡大した形状即ちプロフィール39に形成
されていることである。即ち、金属製ガスケット20を
構成する金属板のうち、シリンダヘッド1側に位置する
上側ビード基板21についてのみ、燃焼室孔23の内周
縁部のうち、ホットプラグ8の底面24に接触する部分
の一部、即ち、ホットプラグ8の底部10のうち低剛性
部96がエンジンの運転中に高温となり、金属製ガスケ
ット20側に膨張する二点鎖線で示される変形97を生
じる部分との接触を回避するために、燃焼室孔23の輪
郭即ちプロフィール形状を外側に拡大したものである。
この金属製ガスケット20の燃焼室孔23を外側に拡大
した形状をプロフィール39で示し、燃焼室孔23を拡
大する前の従来の円形状の燃焼室孔23を二点鎖線のプ
ロフィール99を示している。また、燃焼室孔23のプ
ロフィール39を外側へ拡大するに伴い、ビード25の
位置をプロフィール39に沿うように外側に拡大してい
る。
【0037】従来のプロフィール99のような上側ビー
ド基板21の燃焼室孔23であると、ホットプラグ8の
低剛性部96の変形97と強く接触して過大な負荷が上
側ビード基板21、中間板27の折返し部37及び中間
板28に繰り返して作用して亀裂を生じやすいのは、既
に説明したとおりであるが、本実施例では、上側ビード
基板21の燃焼室孔23のプロフィール39を外側に拡
大していると、低剛性部96に変形97が生じても、上
側ビード基板21は変形97を回避してこれに接触する
ことがない。従って、金属製ガスケット20の燃焼室孔
23の内周縁部には過大な熱負荷が生じることがなく、
上側ビード基板21や中間板27,28に亀裂が生じる
こともない。
ド基板21の燃焼室孔23であると、ホットプラグ8の
低剛性部96の変形97と強く接触して過大な負荷が上
側ビード基板21、中間板27の折返し部37及び中間
板28に繰り返して作用して亀裂を生じやすいのは、既
に説明したとおりであるが、本実施例では、上側ビード
基板21の燃焼室孔23のプロフィール39を外側に拡
大していると、低剛性部96に変形97が生じても、上
側ビード基板21は変形97を回避してこれに接触する
ことがない。従って、金属製ガスケット20の燃焼室孔
23の内周縁部には過大な熱負荷が生じることがなく、
上側ビード基板21や中間板27,28に亀裂が生じる
こともない。
【0038】次に、図8を参照して、この発明による金
属製ガスケットの更に別の実施例を説明する。図8はこ
の発明による金属製ガスケットの更に別の実施例を示す
図7に類似する断面図であるが、水穴部31,32に関
する構造は同様であるので、燃焼室孔に関する部分のみ
を断面で示すものである。この実施例による金属製ガス
ケット100は、基本的な構造は図6及び図7に示した
ものと同様であるので、同一の構成部分には同一の符号
を付し、それらの詳細な説明を省略する。
属製ガスケットの更に別の実施例を説明する。図8はこ
の発明による金属製ガスケットの更に別の実施例を示す
図7に類似する断面図であるが、水穴部31,32に関
する構造は同様であるので、燃焼室孔に関する部分のみ
を断面で示すものである。この実施例による金属製ガス
ケット100は、基本的な構造は図6及び図7に示した
ものと同様であるので、同一の構成部分には同一の符号
を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0039】この実施例では、金属製ガスケット100
を構成するすべての金属板、即ち上下のビード基板2
1,22及び中間板27,28について、燃焼室孔23
の内周縁部のうち、副燃焼室7を備えたホットプラグ8
の底面24に接触する部分の一部、即ち、ホットプラグ
8の底部10のうち低剛性部96がエンジンの運転中に
高温となり、金属製ガスケット100側に膨張する一点
鎖線で示される変形97を生じる部分との接触を回避す
るために、燃焼室孔23の輪郭即ちプロフィール形状を
外側に拡大した例である。本実施例により燃焼室孔23
を外側に拡大したプロフィールをビード基板21,22
について符号101,102で示し、中間板27,28
について符号103,104で示している。従来の燃焼
室孔23を拡大する前の従来の円形状のプロフィールを
ビード基板21,22について符号101A,102A
を付した二点鎖線で示し、中間板27,28について符
号103A,104Aを付した二点鎖線で示している。
を構成するすべての金属板、即ち上下のビード基板2
1,22及び中間板27,28について、燃焼室孔23
の内周縁部のうち、副燃焼室7を備えたホットプラグ8
の底面24に接触する部分の一部、即ち、ホットプラグ
8の底部10のうち低剛性部96がエンジンの運転中に
高温となり、金属製ガスケット100側に膨張する一点
鎖線で示される変形97を生じる部分との接触を回避す
るために、燃焼室孔23の輪郭即ちプロフィール形状を
外側に拡大した例である。本実施例により燃焼室孔23
を外側に拡大したプロフィールをビード基板21,22
について符号101,102で示し、中間板27,28
について符号103,104で示している。従来の燃焼
室孔23を拡大する前の従来の円形状のプロフィールを
ビード基板21,22について符号101A,102A
を付した二点鎖線で示し、中間板27,28について符
号103A,104Aを付した二点鎖線で示している。
【0040】ビード基板21,22と中間板27,28
との燃焼室孔23の輪郭即ちプロフィール形状が従来の
もののように円形であると、ホットプラグ8の低剛性部
96の変形97と強く接触して過大な負荷がビード基板
21、中間板27の折返し部37及び中間板28に繰り
返して作用して亀裂を生じやすいのは、既に説明したと
おりであるが、本実施例では、すべての金属板の燃焼室
孔23の輪郭即ちプロフィール形状を符号101〜10
4で示すように外側に拡大してあるので、低剛性部96
に生じる変形97が過大であっても、金属製ガスケット
100は変形97を回避してこれに接触することがな
い。従って、金属製ガスケット100の燃焼室孔23の
内周縁部には過大な負荷を生じることがなく、ビード基
板21や中間板27,28に亀裂が生じることもない。
また、先の実施例の場合のように、ビード基板21のみ
について燃焼室孔23のプロフィールを外側に拡大した
ために、ホットプラグ8の底面24と中間板27の上面
との間に燃焼ガス溜まりが生じていたが、この実施例で
は、主燃焼室6に充分一体な空間であるので、燃焼ガス
溜まりとなることはなく、万一に燃焼ガス溜まりとなる
可能性があるのであれば、この環状の空間に適当な柔軟
性を有するリングを配置してホットプラグ8による過大
な負荷が作用するのを回避するとともに燃焼ガス溜まり
となる可能性を取り去ることもできる。
との燃焼室孔23の輪郭即ちプロフィール形状が従来の
もののように円形であると、ホットプラグ8の低剛性部
96の変形97と強く接触して過大な負荷がビード基板
21、中間板27の折返し部37及び中間板28に繰り
返して作用して亀裂を生じやすいのは、既に説明したと
おりであるが、本実施例では、すべての金属板の燃焼室
孔23の輪郭即ちプロフィール形状を符号101〜10
4で示すように外側に拡大してあるので、低剛性部96
に生じる変形97が過大であっても、金属製ガスケット
100は変形97を回避してこれに接触することがな
い。従って、金属製ガスケット100の燃焼室孔23の
内周縁部には過大な負荷を生じることがなく、ビード基
板21や中間板27,28に亀裂が生じることもない。
また、先の実施例の場合のように、ビード基板21のみ
について燃焼室孔23のプロフィールを外側に拡大した
ために、ホットプラグ8の底面24と中間板27の上面
との間に燃焼ガス溜まりが生じていたが、この実施例で
は、主燃焼室6に充分一体な空間であるので、燃焼ガス
溜まりとなることはなく、万一に燃焼ガス溜まりとなる
可能性があるのであれば、この環状の空間に適当な柔軟
性を有するリングを配置してホットプラグ8による過大
な負荷が作用するのを回避するとともに燃焼ガス溜まり
となる可能性を取り去ることもできる。
【0041】ホットプラグ8の低剛性部96はその領域
が明確な境界を有しているわけではない。図7及び図8
では、熱による変形を符号97で示したが、変形量はな
だらかに変化しているのが通常である。本発明により輪
郭を拡大した燃焼室孔の周囲においては、対応するホッ
トプラグ8の底面24の変形が著しいわけではないが皆
無というわけでもない。従って、燃焼室孔23の縁部に
おいて生じる可能性がある負荷を軽減する方策を施すの
も有効である。その例の一つは、上記した水穴部31,
32による冷却であり、またその他にも、燃焼室孔23
の縁部におけるビード基板21,22に施す耐熱性被覆
材38の厚さを、他の部位における厚さに比べて減じ
て、ホットプラグ8の底部10の変形が直ちに厚い耐熱
性被覆材38に作用して大きな負荷を生じることがない
ようにしてもよい。或いは、折返し部37の折り返し幅
を大きくして、面圧の軽減を図る方策もある。更に、中
間板28の材料を強度が高い材質に変更して、中間板2
8のヘタリを防止し、結果的にビード基板21の曲げ応
力を軽減するのも好ましい。更に、図示のもののよう
に、中間板28の燃焼室孔23の縁部に面取り105を
施して、エッジ部の熱応力の悪影響を低減することもで
きる。
が明確な境界を有しているわけではない。図7及び図8
では、熱による変形を符号97で示したが、変形量はな
だらかに変化しているのが通常である。本発明により輪
郭を拡大した燃焼室孔の周囲においては、対応するホッ
トプラグ8の底面24の変形が著しいわけではないが皆
無というわけでもない。従って、燃焼室孔23の縁部に
おいて生じる可能性がある負荷を軽減する方策を施すの
も有効である。その例の一つは、上記した水穴部31,
32による冷却であり、またその他にも、燃焼室孔23
の縁部におけるビード基板21,22に施す耐熱性被覆
材38の厚さを、他の部位における厚さに比べて減じ
て、ホットプラグ8の底部10の変形が直ちに厚い耐熱
性被覆材38に作用して大きな負荷を生じることがない
ようにしてもよい。或いは、折返し部37の折り返し幅
を大きくして、面圧の軽減を図る方策もある。更に、中
間板28の材料を強度が高い材質に変更して、中間板2
8のヘタリを防止し、結果的にビード基板21の曲げ応
力を軽減するのも好ましい。更に、図示のもののよう
に、中間板28の燃焼室孔23の縁部に面取り105を
施して、エッジ部の熱応力の悪影響を低減することもで
きる。
【0042】
【発明の効果】この発明による副室式ディーゼルエンジ
ンの金属製ガスケットは、上記のように構成されてお
り、次のような効果をする。即ち、この副室式ディーゼ
ルエンジンの金属製ガスケットは、燃焼室孔を有し且つ
前記燃焼室孔の周縁に沿ってビードを形成した二枚の弾
性金属板から成るビード基板及び前記ビード基板間に積
層された中間板から構成され、副燃焼室を構成するホッ
トプラグを配置したシリンダヘッドとシリンダブロック
との間に介在され、前記中間板の燃焼室孔の内周縁部の
うち前記ホットプラグの底面とシリンダヘッドの対向面
との境界部に対応する前記中間板の部分に窪み部が形成
されているので、金属製ガスケットをシリンダヘッドと
シリンダブロックとの両対向面間に締め付けた場合に、
シリンダヘッドの下面とホットプラグの下面との境界領
域に段差が存在しても、ビード基板を鋭く押し潰そうと
しても、前記段差に押されるビード基板のうち燃焼室孔
に沿った縁部は、前記中間板の前記窪み部の凹部内へ逃
げて比較的ゆるやかな曲げ応力状態となり、前記中間板
に対して前記窪み部の比較的広い範囲で前記段差からの
押し付け力を分散させ、応力集中の発生を避け、前記ビ
ード基板及び前記中間板に割れ、クラック等が発生する
ことを防止でき、耐久性を向上させることができる。
ンの金属製ガスケットは、上記のように構成されてお
り、次のような効果をする。即ち、この副室式ディーゼ
ルエンジンの金属製ガスケットは、燃焼室孔を有し且つ
前記燃焼室孔の周縁に沿ってビードを形成した二枚の弾
性金属板から成るビード基板及び前記ビード基板間に積
層された中間板から構成され、副燃焼室を構成するホッ
トプラグを配置したシリンダヘッドとシリンダブロック
との間に介在され、前記中間板の燃焼室孔の内周縁部の
うち前記ホットプラグの底面とシリンダヘッドの対向面
との境界部に対応する前記中間板の部分に窪み部が形成
されているので、金属製ガスケットをシリンダヘッドと
シリンダブロックとの両対向面間に締め付けた場合に、
シリンダヘッドの下面とホットプラグの下面との境界領
域に段差が存在しても、ビード基板を鋭く押し潰そうと
しても、前記段差に押されるビード基板のうち燃焼室孔
に沿った縁部は、前記中間板の前記窪み部の凹部内へ逃
げて比較的ゆるやかな曲げ応力状態となり、前記中間板
に対して前記窪み部の比較的広い範囲で前記段差からの
押し付け力を分散させ、応力集中の発生を避け、前記ビ
ード基板及び前記中間板に割れ、クラック等が発生する
ことを防止でき、耐久性を向上させることができる。
【0043】従って、この金属製ガスケットは、従来の
金属製ガスケットのように、押し付け力が作用したとき
にビード基板がその作用方向に撓むことができなくて中
間板に直ちに当接し、ビード基板と中間板とが、燃焼室
孔の内周縁部のうち前記ホットプラグの下面外周縁部と
交差する部分において、押し付け力とその反作用力とで
極狭い範囲で強く押し潰される、というような現象は発
生しない。即ち、この金属製ガスケットでは、上記部分
におけるビード基板や中間板に生じる応力の集中が大幅
に緩和され、上記段差によって前記ビード基板や前記中
間板に亀裂が生じることがないので、シール性能が悪化
することもなく、前記ビード基板や前記中間板の表面に
腐食を生じるということはなく、金属製ガスケットの構
造的な剛性や強度に対する影響を可及的に低減すること
ができる。
金属製ガスケットのように、押し付け力が作用したとき
にビード基板がその作用方向に撓むことができなくて中
間板に直ちに当接し、ビード基板と中間板とが、燃焼室
孔の内周縁部のうち前記ホットプラグの下面外周縁部と
交差する部分において、押し付け力とその反作用力とで
極狭い範囲で強く押し潰される、というような現象は発
生しない。即ち、この金属製ガスケットでは、上記部分
におけるビード基板や中間板に生じる応力の集中が大幅
に緩和され、上記段差によって前記ビード基板や前記中
間板に亀裂が生じることがないので、シール性能が悪化
することもなく、前記ビード基板や前記中間板の表面に
腐食を生じるということはなく、金属製ガスケットの構
造的な剛性や強度に対する影響を可及的に低減すること
ができる。
【0044】また、この金属製ガスケットにおいて、前
記ビード基板の表面にゴム系又はフッ素系等の耐熱性被
覆材をコーティングしたものにあっては、前記耐熱性被
覆材が、シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面
間に締め付けたときに、両者の非平面性を吸収するの
で、前記ビード基板や前記中間板に生じる応力集中を更
に軽減して、前記ビード基板や前記中間板に亀裂を生じ
る可能性を更に低くすることができる。
記ビード基板の表面にゴム系又はフッ素系等の耐熱性被
覆材をコーティングしたものにあっては、前記耐熱性被
覆材が、シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面
間に締め付けたときに、両者の非平面性を吸収するの
で、前記ビード基板や前記中間板に生じる応力集中を更
に軽減して、前記ビード基板や前記中間板に亀裂を生じ
る可能性を更に低くすることができる。
【0045】或いは、この金属製ガスケットは、燃焼室
孔に沿ってビードを形成した弾性金属板からなる二枚の
ビード基板及び前記ビード基板間に積層された中間板か
ら構成され、副燃焼室を構成するホットプラグが設けら
れているシリンダヘッドとシリンダブロックとの間で少
なくとも前記シリンダヘッド側の前記ビード基板の前記
燃焼室孔のプロフィール形状を、前記ホットプラグの噴
口近傍の低剛性部との接触を回避するように外側に拡大
した形状に形成したので、前記ホットプラグの熱変形量
の大きい前記低剛性部に対する金属製ガスケットの接触
が回避され、前記ホットプラグの近傍で高温の燃焼ガス
に晒される金属製ガスケットに対しては、前記ホットプ
ラグの低剛性部の繰り返しの熱変形が直接に過大な熱応
力となって悪影響を及ぼすことがない。従って、この金
属製ガスケットは、燃焼室孔を外側に拡大しないものと
比較して、前記ビード基板及び前記中間板のヘタリを防
止できるとともに、前記燃焼室孔の内周縁部に及んでい
た繰り返しの過大な熱負荷を受けることがなく、繰り返
しの熱応力により亀裂を生じることもなく、シール機能
及び耐久性を向上でき、構造簡単で且つ低コストでシー
ル性能や信頼性が高いものとなる。
孔に沿ってビードを形成した弾性金属板からなる二枚の
ビード基板及び前記ビード基板間に積層された中間板か
ら構成され、副燃焼室を構成するホットプラグが設けら
れているシリンダヘッドとシリンダブロックとの間で少
なくとも前記シリンダヘッド側の前記ビード基板の前記
燃焼室孔のプロフィール形状を、前記ホットプラグの噴
口近傍の低剛性部との接触を回避するように外側に拡大
した形状に形成したので、前記ホットプラグの熱変形量
の大きい前記低剛性部に対する金属製ガスケットの接触
が回避され、前記ホットプラグの近傍で高温の燃焼ガス
に晒される金属製ガスケットに対しては、前記ホットプ
ラグの低剛性部の繰り返しの熱変形が直接に過大な熱応
力となって悪影響を及ぼすことがない。従って、この金
属製ガスケットは、燃焼室孔を外側に拡大しないものと
比較して、前記ビード基板及び前記中間板のヘタリを防
止できるとともに、前記燃焼室孔の内周縁部に及んでい
た繰り返しの過大な熱負荷を受けることがなく、繰り返
しの熱応力により亀裂を生じることもなく、シール機能
及び耐久性を向上でき、構造簡単で且つ低コストでシー
ル性能や信頼性が高いものとなる。
【0046】また、この金属製ガスケットにおいて、前
記中間板及びシリンダブロック側のビード基板の燃焼室
孔のプロフィールを前記シリンダヘッドの前記ビード基
板の前記燃焼室孔の拡大した輪郭に整合させて拡大した
場合には、中間板は、ホットプラグの低剛性部に対応す
る部分で、燃焼室孔の輪郭を外側に拡大してあるので、
ホットプラグの低剛性部が熱変形により金属製ガスケッ
ト側に膨張しても、この膨張部分はシリンダヘッド側の
ビード基板のみならず中間板に対しても接触することは
ない。従って、ホットプラグが金属製ガスケットに対し
て過大な負荷を繰り返し与えて、金属製ガスケットの中
間板に亀裂を生じさせることはない。シリンダブロック
側のビード基板の燃焼室孔の輪郭即ちプロフィールも、
シリンダヘッド側のビード基板や中間板の燃焼室孔のプ
ロフィールに整合させて外側に拡大されているので、金
属製ガスケットとしての燃焼室孔のプロフィールを揃え
ることができ、製造及び組立て等の各工程管理が容易に
なる。
記中間板及びシリンダブロック側のビード基板の燃焼室
孔のプロフィールを前記シリンダヘッドの前記ビード基
板の前記燃焼室孔の拡大した輪郭に整合させて拡大した
場合には、中間板は、ホットプラグの低剛性部に対応す
る部分で、燃焼室孔の輪郭を外側に拡大してあるので、
ホットプラグの低剛性部が熱変形により金属製ガスケッ
ト側に膨張しても、この膨張部分はシリンダヘッド側の
ビード基板のみならず中間板に対しても接触することは
ない。従って、ホットプラグが金属製ガスケットに対し
て過大な負荷を繰り返し与えて、金属製ガスケットの中
間板に亀裂を生じさせることはない。シリンダブロック
側のビード基板の燃焼室孔の輪郭即ちプロフィールも、
シリンダヘッド側のビード基板や中間板の燃焼室孔のプ
ロフィールに整合させて外側に拡大されているので、金
属製ガスケットとしての燃焼室孔のプロフィールを揃え
ることができ、製造及び組立て等の各工程管理が容易に
なる。
【0047】また、この金属製ガスケットにおいて、前
記各ビード基板の表裏両面に耐熱性被覆材を塗着した場
合には、耐熱性被覆材が、ビード基板の表面やシリンダ
ヘッド、シリンダブロック及びホットプラグのビード基
板との接触面における不整を吸収するので、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックの対向面間に締め付けたときの
金属製ガスケットのシール性能が向上する。耐熱性被覆
材の厚みは、ビード基板の全面に対して一律の厚さとす
る必要はない。ホットプラグの熱変形が皆無でなくビー
ド基板への負荷として影響があるようなそのビード基板
の領域においては、耐熱性被覆材の厚みを比較的薄くす
ることができ、その結果、熱応力により金属製ガスケッ
トに亀裂が発生するのを防止でき、高いシール機能及び
耐久性能を長期にわたって維持することができる。
記各ビード基板の表裏両面に耐熱性被覆材を塗着した場
合には、耐熱性被覆材が、ビード基板の表面やシリンダ
ヘッド、シリンダブロック及びホットプラグのビード基
板との接触面における不整を吸収するので、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックの対向面間に締め付けたときの
金属製ガスケットのシール性能が向上する。耐熱性被覆
材の厚みは、ビード基板の全面に対して一律の厚さとす
る必要はない。ホットプラグの熱変形が皆無でなくビー
ド基板への負荷として影響があるようなそのビード基板
の領域においては、耐熱性被覆材の厚みを比較的薄くす
ることができ、その結果、熱応力により金属製ガスケッ
トに亀裂が発生するのを防止でき、高いシール機能及び
耐久性能を長期にわたって維持することができる。
【図1】この発明による副室式ディーゼルエンジンの金
属製ガスケットの一実施例を示す概略平面図である。
属製ガスケットの一実施例を示す概略平面図である。
【図2】図1の金属製ガスケットの水穴部を含む部分を
拡大して示した拡大平面図である。
拡大して示した拡大平面図である。
【図3】図2の線A−Aにおける金属製ガスケットの一
実施例を示す断面図である。
実施例を示す断面図である。
【図4】図1乃至図3に示した金属製ガスケットを燃焼
室孔に沿って示した断面図である。
室孔に沿って示した断面図である。
【図5】副燃焼室を有する内燃機関の対向面に金属製ガ
スケットを使用した状態を、副燃焼室との位置関係と共
に示した断面図である。
スケットを使用した状態を、副燃焼室との位置関係と共
に示した断面図である。
【図6】図2の線A−Aにおける金属製ガスケットの別
の実施例を示す断面図である。
の実施例を示す断面図である。
【図7】図6の金属製ガスケットをシリンダブロックと
シリンダヘッドとの間に装着した状態を示す断面図であ
る。
シリンダヘッドとの間に装着した状態を示す断面図であ
る。
【図8】この発明による副室式ディーゼルエンジンの金
属製ガスケット更にの別の実施例を示す、図7と同様の
断面図である。
属製ガスケット更にの別の実施例を示す、図7と同様の
断面図である。
【図9】従来の金属製ガスケットの一例を示す平面図で
ある。
ある。
【図10】図9に示す従来の金属製ガスケットの燃焼室
孔付近の断面図である。
孔付近の断面図である。
【図11】従来の金属製ガスケットの別の例を示す燃焼
室孔付近の断面図である。
室孔付近の断面図である。
【図12】内燃機関におけるシリンダヘッドの対向面と
ホットプラグの底面との不整合の一例を示す断面図であ
る。
ホットプラグの底面との不整合の一例を示す断面図であ
る。
【図13】内燃機関におけるシリンダヘッドの対向面と
ホットプラグの底面との不整合の別の例を示す断面図で
ある。
ホットプラグの底面との不整合の別の例を示す断面図で
ある。
【図14】ホットプラグの底面縁部がビード基板に与え
る応力集中を概略的に示す斜視図である。
る応力集中を概略的に示す斜視図である。
【図15】ホットプラグの熱変形により金属製ガスケッ
トに生じる亀裂の一例を示す説明図である。
トに生じる亀裂の一例を示す説明図である。
1 シリンダヘッド 2 シリンダブロック 3,4 対向面 6 主燃焼室 7 副燃焼室 8 ホットプラグ 9 噴口 10 底部 18 窪み部 20,100 金属製ガスケット 21,22 ビード基板 23 燃焼室孔 24 ホットプラグの底面 25,26 ビード 27,28 中間板 38 耐熱性被覆材 39,101,102,103,104 拡大したプ
ロフィール 51 段差 52 亀裂 96 低剛性部 97 変形
ロフィール 51 段差 52 亀裂 96 低剛性部 97 変形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 和邦 大阪府東大阪市加納2丁目1番1号 日本 ガスケット株式会社内 (72)発明者 山本 秀夫 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 株式会社日発グループ中央研究所内 (72)発明者 加藤 道生 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 株式会社日発グループ中央研究所内 (72)発明者 細川 哲寛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 嶋村 仁志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 燃焼室孔を有し且つ前記燃焼室孔の周縁
に沿ってビードを形成した二枚の弾性金属板から成るビ
ード基板及び前記ビード基板間に積層された中間板から
構成され且つ副燃焼室を構成するホットプラグを配置し
たシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に介在され
る副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケットにおい
て、前記中間板の前記燃焼室孔に沿った縁部のうち前記
ホットプラグの底面と前記シリンダヘッドの対向面との
それぞれの境界部に対応する前記中間板の部分に窪み部
がそれぞれ形成されていることを特徴とする副室式ディ
ーゼルエンジンの金属製ガスケット。 - 【請求項2】 燃焼室孔に沿ってビードを形成した弾性
金属板から成る二枚のビード基板と前記ビード基板間に
積層された中間板とから構成され、副燃焼室を構成する
ホットプラグを設けたシリンダヘッドとシリンダブロッ
クとの間で前記ホットプラグの底面の一部と対向して配
置される副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケット
において、少なくとも前記シリンダヘッド側に位置する
前記ビード基板に形成した前記燃焼室孔は前記ホットプ
ラグに設けた噴口近傍の低剛性部を回避するように外側
に拡大した形状に形成されていることを特徴とする副室
式ディーゼルエンジンの金属製ガスケット。 - 【請求項3】 前記中間板と前記シリンダブロック側に
位置する前記ビード基板とに形成した前記燃焼室孔は前
記ホットプラグに設けた噴口近傍の低剛性部を回避する
ように外側に拡大した形状に形成されていることを特徴
とする請求項2に記載の副室式ディーゼルエンジンの金
属製ガスケット。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6201533A JPH0842698A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | 副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケット |
DE1995621569 DE69521569T2 (de) | 1994-08-04 | 1995-08-02 | Metalldichtung für Motoren mit Wirbelkammer |
DE1995305404 DE695897T1 (de) | 1994-08-04 | 1995-08-02 | Metalldichtung für Motoren mit Wirbelkammer |
EP19950305404 EP0695897B1 (en) | 1994-08-04 | 1995-08-02 | Metal gasket for swirl chamber type engines |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6201533A JPH0842698A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | 副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0842698A true JPH0842698A (ja) | 1996-02-16 |
Family
ID=16442630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6201533A Pending JPH0842698A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | 副室式ディーゼルエンジンの金属製ガスケット |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0695897B1 (ja) |
JP (1) | JPH0842698A (ja) |
DE (2) | DE695897T1 (ja) |
Cited By (1)
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AU2001266072B2 (en) | 2000-06-15 | 2005-12-08 | Reinz-Dichtungs-Gmbh | Flat gasket and method for the production thereof |
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FR2961574A1 (fr) * | 2010-06-17 | 2011-12-23 | Freudenberg Carl Kg | Joint de culasse multicouche a feuilles externes en materiau adapte |
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- 1994-08-04 JP JP6201533A patent/JPH0842698A/ja active Pending
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1995
- 1995-08-02 DE DE1995305404 patent/DE695897T1/de active Pending
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