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JPH0841285A - 耐フロン性abs樹脂組成物 - Google Patents

耐フロン性abs樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0841285A
JPH0841285A JP19602094A JP19602094A JPH0841285A JP H0841285 A JPH0841285 A JP H0841285A JP 19602094 A JP19602094 A JP 19602094A JP 19602094 A JP19602094 A JP 19602094A JP H0841285 A JPH0841285 A JP H0841285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
polymer
graft
graft polymer
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19602094A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Nakajima
靖 中嶋
Michio Hoshikawa
道夫 星川
Tetsuya Yamamoto
哲矢 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Polycarbonate Ltd
Original Assignee
Sumitomo Dow Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Dow Ltd filed Critical Sumitomo Dow Ltd
Priority to JP19602094A priority Critical patent/JPH0841285A/ja
Priority to TW085100505A priority patent/TW372978B/zh
Priority to MYPI96000302A priority patent/MY113116A/en
Publication of JPH0841285A publication Critical patent/JPH0841285A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Refrigerator Housings (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量平均粒子径0.05〜0.2μのゴム質
重合体40〜80重量%の存在下にシアン化ビニル化合
物30〜45重量%と芳香族ビニル化合物70〜55重
量%の単量体60〜20重量%を重合してなるグラフト
率10〜40%の小粒子径グラフト重合体が重量平均粒
子径0.8〜2.0μの房状に凝集してなる凝集グラフ
ト重合体、およびシアン化ビニル化合物35〜45重量
%と芳香族ビニル化合物65〜55重量%を重合してな
る固有粘度0.6〜0.9である共重合体から構成さ
れ、かつ、ゴム質重合体含有量が15〜25重量%であ
ることを特徴とする耐フロン性ABS樹脂組成物。 【効果】 ABS樹脂組成物を構成する重合体の構造
(房状凝集)、各種重合体の組成などを規定することに
より優れた耐フロン性が得られ、またかかるABS樹脂
組成物から成形してなる冷蔵庫内箱は代替フロン(HC
FC−141b)を用いる冷蔵庫製造に適した材料であ
り利用価値が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐フロン性ABS樹脂
組成物に関する。特に、CFC−11の代替物質を発泡
剤として用いるポリウレタン発泡法による冷蔵庫内箱製
造に適したABS樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫、冷凍庫、製氷機などの保
冷を目的とする断熱用箱体の内箱には耐衝撃性ポリスチ
レン(HIPS)やABS樹脂(アクリロニトリルーブ
タジエンゴムースチレン)が、また、断熱材としてはフ
ロンであるトリクロロモノフロロメタン(CFC−1
1)を発泡剤としたポリウレタン発泡体が利用されてい
る。特にABS樹脂は、機械的強度、加工性はもとよ
り、ウレタン発泡体との接着性、CFC−11との接触
やウレタン発泡時の発熱、冷却に起因する応力特性に優
れることより断熱用箱体の内箱材料としては最適であ
る。
【0003】しかしながら、近年、CFC−11などの
オゾン層破壊物質の生産、使用が規制されてきており、
新たな発泡剤が検討されている。CFC−11の代替物
質としては、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフロ
ロエタン(HCFC−123)、1,1−ジクロロ−1
−フロロエタン(HCFC−141b)などが提案され
ているが、それら代替物質はCFC−11より極性が強
く、従来のABS樹脂では代替物質との接触により容易
にクラックや割れを発生する。
【0004】すでに、ABS樹脂を構成するゴム成分や
アクリロニトリル成分を増加させる方法が提案されてい
るが、ゴム成分の増加(特開平4−132712)は樹
脂の剛性を低下させる、またアクリロニトリル成分の増
加(特開平4−170409、5−17540、5−1
7541)はABS樹脂本来の優れた機械的強度や熱安
定性が犠牲となる。共重合体成分としてメタクリル酸エ
ステルを導入してなるABS樹脂(特開平4−1267
56)も提案されているが耐フロン性が十分でなく、ア
クリロニトリル成分の増加と同様ABS樹脂本来の優れ
た機械的強度が犠牲となる。
【0005】また、ABS樹脂に他ポリマーを配合する
方法も提案されている。例えば、熱可塑性ポリエステル
エラストマーの配合(特開平4−132762、4−1
70451)、アクリロニトリル成分を増加してなるA
BS樹脂への高級脂肪酸トリグリセリドの配合(特開平
4−154858)、アクリロニトリル成分を増加させ
たアクリル系ゴム変性グラフトとブタジエン系ゴム変性
グラフトの併用(特開平4−170460)、エチレン
−プロピレン系ゴム変性グラフトとブタジエン系ゴム変
性グラフトの併用(特開平4−170461)、エチレ
ン−プロピレン系ゴム変性グラフトとアクリル系ゴム変
性グラフトの併用(特開平4−170462)、ポリエ
ステルの配合(特開平5−17658)などである。こ
れらも耐フロン性を向上させるものの十分とは言い難
い。
【0006】さらに、ABS樹脂を構成するゴムまたは
グラフト成分として、凝集体を用いることも提案されて
いる。たとえば、ゴム成分として凝集ゴムを用いる方法
(特公昭52−30034)、ゴム成分に少量の化合物
をグラフト(低グラフト率)させた後、かかるグラフト
重合体を凝集肥大化させる方法(特公平2−2737
8)、ゴム成分に少量の化合物をグラフトさせた後、凝
集肥大化させてクラスター状とし、その後さらに多量の
化合物をグラフトさせる方法(特開平5−25227)
などである。これらも耐フロン性は向上させるが十分と
は言い難い。
【0007】このため、ABS樹脂の特長である優れた
機械的強度、熱安定性、加工性などを犠牲にすることな
く、より耐フロン性に優れる(代替物質との接触により
容易にクラックや割れを発生しない。)材料の開発が望
まれていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】本発明は、HCFC−123やHCFC−
141bなどの代替フロンを用いる断熱用箱体の内箱製
造に適した耐フロン性の優れたABS樹脂組成物を提供
するものである。
【問題点を解決するための手段】
【0009】本発明者は、小粒子径ゴムを用いたグラフ
ト重合体を房状に凝集してなる大粒子径グラフト重合体
および共重合体とからなる組成物が極めて耐フロン性に
優れる材料であることを見出し、本発明に到達したもの
である。
【0010】すなわち、本発明は、重量平均粒子径0.
05〜0.2μのゴム質重合体40〜80重量%の存在
下にシアン化ビニル化合物30〜45重量%と芳香族ビ
ニル化合物70〜55重量%の単量体60〜20重量%
を重合してなるグラフト率10〜40%の小粒子径グラ
フト重合体が重量平均粒子径0.8〜2.0μの房状に
凝集してなる凝集グラフト重合体、およびシアン化ビニ
ル化合物35〜45重量%と芳香族ビニル化合物65〜
55重量%を重合してなる固有粘度0.6〜0.9であ
る共重合体から構成され、かつ、ゴム質重合体含有量が
15〜25重量%である耐フロン性ABS樹脂組成物を
提供するものである。以下に、本発明につき詳細に説明
する。
【0011】グラフト重合体を構成するゴム質重合体と
は、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン重合体、ブ
タジエン−アクリロニトリル重合体等の共役ジエン系ゴ
ム、エチレン−プロピレン重合体、エチレン−プロピレ
ン−非共役ジエン(エチリデンノルボルネン、ジシクロ
ペンタジエンなど)重合体、エチレン−ブチレン重合体
等のエチレン−αオレフィン系ゴム、ポリイソプレン、
ポリブチルアクリレート、エチレン−酢酸ビニル重合
体、塩素化ポリエチレン、ブタジエン−スチレン重合体
の水添化物(SEBS)などが挙げられ、一種または二
種以上用いることができる。特に共役ジエン系ゴムなら
びにエチレン−αオレフィン系ゴムが好ましい。
【0012】グラフト重合体ならびに共重合体を構成す
るシアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、フマロニトリル等が挙げられ、一
種または二種以上用いることが出来る。特にアクリロニ
トリルが好ましい。また、芳香族ビニル化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブ
チルスチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルス
チレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムス
チレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレン等が例示
され、一種または二種以上用いることが出来る。特にス
チレンが好ましい。
【0013】なお、本発明の目的を逸脱しない範囲内
で、上記芳香族ビニル化合物の一部をメチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル、マ
レイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、N−
フェニルマレイミド、O−クロル−N−フェニルマレイ
ミド等のマレイミド化合物に置換することも十分可能で
ある。
【0014】・グラフト重合体 グラフト重合体は、重量平均粒子径0.05〜0.2μ
のゴム質重合体40〜80重量%の存在下にシアン化ビ
ニル化合物30〜45重量%と芳香族ビニル化合物70
〜55重量%の単量体60〜20重量%を重合してなる
グラフト率10〜40重量%の小粒子径グラフト重合体
が重量平均粒子径0.8〜2.0μの房状に凝集してな
るグラフト重合体である。
【0015】ゴム質重合体の重量平均粒子径が0.05
μ未満では耐フロン性に劣り、0.2μを越すと耐フロ
ン性の改善が図れない。ゴム質重合体が40重量%未満
では小粒子径グラフト重合体が房状とならず耐フロン性
の改善が図れない、80重量%を越すと耐フロン性が低
下し好ましくない。また、シアン化ビニル化合物が30
重量%未満(芳香族ビニル化合物70重量%を越す)で
は耐フロン性に劣り、45重量%を越すと(芳香族ビニ
ル化合物55重量%未満)小粒子径グラフト重合体の熱
安定性が低下する。
【0016】ゴム質重合体上に結合してなるシアン化ビ
ニル化合物と芳香族ビニル化合物の量を示すグラフト率
は10〜40重量%である。グラフト率は、アセトンを
溶媒として可溶部と不溶部に分離し、次式に従い求め
る。 グラフト率(%)=〔アセトン不溶部重量−グラフト重
合体中のゴム質重合体重量〕÷グラフト重合体中のゴム
質重合体重量×100。 なお、グラフト率が10重量%未満では耐フロン性に劣
り、40重量%を越すとグラフト重合体が房状とならず
耐フロン性改善が図れない。グラフト率は、重合温度、
化合物の添加方法、組成比率など重合条件を適宜変更す
ることにより調整することができる。さらに、小粒子径
グラフト重合体を製造する方法としては、公知の乳化重
合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法ならびにそ
れらの組み合わせが挙げられる。重合に際しては分子量
調整剤、開始剤など公知の重合助剤を用いることができ
る。
【0017】上述の組成、構造を有する小粒子径グラフ
ト重合体は、造粒、成形加工時に房状に凝集し、房状の
凝集グラフト重合体となる。凝集グラフト体は房状であ
り、従来公知のドーナッツ状に凝集したグラフト重合体
では優れた耐フロン性が得られない。凝集グラフト重合
体の重量平均粒子径は0.8〜2.0μであり、0.8
μ未満では、耐フロン性に劣り、また、2.0μを越す
と外観が劣り好ましくない。耐フロン性ならびに機械的
強度の面より、重量平均粒子径0.05〜0.2μのゴ
ム質重合体50〜60重量%の存在下にシアン化ビニル
化合物35〜40重量%と芳香族ビニル化合物65〜6
0重量%の単量体50〜40重量%を重合してなる小粒
子径グラフト重合体が重量平均粒子径0.8〜2.0μ
の房状に凝集してなるグラフト重合体が好ましい。
【0018】・共重合体 本発明で用いられる共重合体とは、シアン化ビニル化合
物35〜45重量%と芳香族ビニル化合物65〜55重
量%を重合してなる固有粘度0.6〜0.9の共重合体
である。シアン化ビニル化合物が35重量%未満(芳香
族ビニル化合物65重量%を越す)では耐フロン性の改
善が図れず、45重量%を越すと(芳香族ビニル化合物
55重量%未満)熱安定性に劣り好ましくない。なお、
共重合体の固有粘度とは、共重合体の濃度を変えたジメ
チルホロムアミド溶液(0.1〜0.5重量%濃度)を
作成し、粘度管を用いて30℃にて各比粘度を求め、比
粘度と濃度の関係式より濃度0時の値である。また、共
重合体の固有粘度が0.6未満では耐フロン性の改善が
図れず、0.9を越すとシート加工性に劣り好ましくな
い。組成物および成形品の耐フロン性、機械的強度、熱
安定性、シート加工性などの面より、シアン化ビニル化
合物35〜40重量%と芳香族ビニル化合物65〜60
重量%を重合してなる固有粘度0.7〜0.8の共重合
体が特に好ましい。固有粘度は、分子量調整剤や開始剤
の種類や量、重合温度、化合物の添加方法、組成比率な
ど重合条件を適宜変更することにより調整することがで
きる。
【0019】さらに、共重合体を製造する方法として
は、公知の乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状
重合法ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。重合
に際しては分子量調整剤、開始剤など公知の重合助剤を
用いることが出来る。
【0020】・組成物 本発明のABS樹脂組成物は、上述の房状凝集グラフト
重合体および共重合体から構成される。組成物における
グラフト重合体の凝集状況は、組成物の熱プレスシート
の断面を電子顕微鏡にて肉眼観察し、判断することがで
きる。また、凝集体の重量平均粒子径は電子顕微鏡写真
より凝集体の長軸と短軸を測定し、その平均値を粒子径
とし、その様にして測定された凝集体の少なくとも10
個の粒子径より平均粒子径が算出される。房状凝集グラ
フト重合体と共重合体との配合比率には特に制限はない
が、組成物中に占めるゴム質共重合体の含有量は15〜
25重量%である。15重量%未満では耐衝撃性、耐フ
ロン性に劣り、また25重量%を越すと剛性に劣り好ま
しくない。耐フロン性、機械的強度の面より20〜25
重量%が特に好ましい。
【0021】グラフト重合体と共重合体との混合方法に
ついては特に制限はなく、水分散状態(ラテックス)
で、又は粉末、ビーズ、ペレット等の状態で混合するこ
とができる。また、その混合順序にも制限はない。さら
に、溶融混練方法としては、バンバリーミキサー、ロー
ル、押出機等の公知の方法を採用することができる。な
お、混合時に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料、可塑剤、難燃剤、
離型剤等の添加剤を配合することができる。
【0022】本発明のABS樹脂組成物をシート押出し
た後、真空成形法で内箱を成形する方法やかかる組成物
から直接射出成形する方法などにより、冷蔵庫内箱を作
成することができる。
【0023】以下に実施例により本発明を具体的に説明
する。なお、部数および%についてはいずれも重量基準
で示した。
【0024】参考例1 ・グラフト重合体用ゴム質重合体 ブタジエン90部、スチレン10部、オレイン酸ナトリ
ウム0.5部、ドデシルメルカプタン0.2部、過硫酸
カリウム0.3部、水酸化ナトリウム0.1部及び脱イ
オン水95部を、攪拌機付ステンレス製反応器に仕込
み、60℃で18時間、次いで70℃で15時間重合さ
せた。重量平均粒子径は0.45μであった。
【0025】参考例2 ・小粒子径グラフト重合体用ゴム質重合体 オレイン酸ナトリウム量を1.5部、脱イオン水量を1
70部とした以外は参考例1と同様の操作を行い、重量
平均粒子径0.15μのゴム質重合体を得た。
【0026】参考例3 ・グラフト重合体用凝集ゴム質重合体 参考例2で作成された0.15μのゴム質重合体ラテッ
クスを攪拌しながらリン酸水溶液(5%)を添加し、p
H3とした後、さらに水酸化ナトリウム水溶液(25
%)を添加し、重量平均粒子径0.80μの房状に凝集
したゴム質重合体を得た。
【0027】参考例4 ・グラフト重合体 還流冷却器付重合槽に参考例1で得られた0.45μの
ゴム質重合体ラテックス(固形分50%)100部と脱
イオン水80部にデキストリン0.1部、無水ピロリン
酸ナトリウム0.1部及び硫酸第一鉄0.005部を溶
解した水溶液を添加し、気相部を窒素置換したのち70
℃に昇温した。槽内温度が70℃に達したらアクリロニ
トリル14部、スチレン36部、t−ドデシルメルカプ
タン0.2部、クメンハイドロパーオキサイド0.3部
の混合液及び脱イオン水20部にオレイン酸カリウム
1.5部を溶解した乳化剤溶液を4時間に亘り連続添加
した。連続添加終了後、さらに70℃で2時間熟成さ
せ、重合を完了させた。得られたグラフト重合体ラテッ
クスを硫酸マグネシウムにて塩析し、脱水、乾燥を経て
グラフト率40%のグラフト重合体を得た。
【0028】参考例5 ・グラフト重合体 参考例2で得られた0.15μのゴム質重合体ラテック
ス(固形分35.3%)170部、アクリロニトリル1
4部、スチレン26部、t−ドデシルメルカプタン0.
5部、脱イオン水10部に変更した以外は参考例4と同
様の手順にて重合し、グラフト率30%のグラフト重合
体を得た。
【0029】参考例6 ・グラフト重合体 参考例2で得られた0.15μのゴム質重合体ラテック
ス(固形分35.3%)226部、アクリロニトリル7
部、スチレン13部に変更した以外は参考例5と同様の
手順にて重合し、グラフト率6%のグラフト重合体を得
た。
【0030】参考例7 ・グラフト重合体 t−ドデシルメルカプタンを0部に変更した以外は参考
例5と同様の手順にて重合し、グラフト率50%のグラ
フト重合体を得た。
【0031】参考例8 ・グラフト重合体 参考例3で得られた凝集ゴム質重合体を使用した以外は
参考例5と同様の手順にて重合し、グラフト率30%の
グラフト重合体を得た。
【0032】参考例9 ・共重合体 攪拌機付ステンレス製反応器を窒素置換した後、脱イオ
ン水100部に硫酸カリウム0.3部を溶解した開始剤
水溶液を仕込み65℃まで昇温。その時点からスチレン
65部、アクリロニトリル35部、t−ドデシルメルカ
プタン0.25部からなる単量体混合物と、脱イオン水
20部、オレイン酸ナトリウム1.5部からなる乳化剤
水溶液を4時間に亘り連続添加し、重合した。連続添加
終了後、70℃に昇温し、2時間熟成を行い反応を完了
した。得られた共重合体ラテックスを硫酸マグネシウム
で塩析し、脱水、乾燥を経てパウダー状の共重合体を得
た。共重合体中のアクリロニトリルは33.9%、固有
粘度は0.75であった。
【0033】参考例10 ・共重合体 スチレン70部、アクリロニトリル30部、t−ドデシ
ルメルカプタン0.22部に変更した以外は参考例9と
同様の手順にて重合し、共重合体を得た。得られた共重
合体中のアクリロニトリルは28.5%、固有粘度は
0.75であった。
【0034】参考例11 ・共重合体 t−ドデシルメルカプタン0.5部に変更した以外は参
考例9と同様の手順にて重合し共重合体を得た。得られ
た共重合体中のアクリロニトリルは33.6%、固有粘
度は0.55であった。
【0035】実施例及び比較例 表−1〜2に示される配合比率に基づき参考例で得られ
たグラフト重合体と共重合体を混合後、40mm径の一
軸押出機を用い、220℃にて溶融混練し、各種組成物
(ペレット)を得た。グラフト重合体の凝集状況を確認
すると共に各種組成物の特性を評価した。結果を表−1
〜2に示す。表中のAはアクリロニトリル、IVは固有
粘度を示す。
【0036】凝集状況の確認方法。 得られたペレットより熱プレスシートを作成し、電子顕
微鏡写真より凝集の有無を判定すると共に凝集体の大き
さを算出した。
【0037】各種特性は次の要領で評価した。 (1)ノッチ付きアイゾット衝撃強度(NI) 3.5オンス射出成形機を用い、シリンダー設定温度2
20℃でASTM D−256に準拠し、1/4インチ
厚の試験片を作成後23℃で測定。 (2)加工性 220℃、10kg/cm荷重下でMFR(メルトフロ
ーレート)を測定。 (3)熱安定性 高化式フローテスター内に260℃にて30分間滞留さ
せ、その後の変色度合いを目視判定。 ○:変色 無〜小 △: 〃 中 ×: 〃 大 (4)耐フロン性 i)膨潤度 ペレットを220℃で2mm厚にプレスし、4cm×2
cmのテスト用シートとした後、マイナス30℃にて6
0時間、HCFC−141bに浸漬した後の重量変化よ
り算出。 値の低い方が耐フロン性に優れる。 ii)臨界歪 3.5オンス射出成形機を用い、シリンダー設定温度2
20℃で15cm×2cm×0.3cm厚の射出成形品
を成形した後、片持ちばりの治具に固定し3cmのたわ
みをかけ、HCFC−141b蒸気中に放置。その後、
手で折ってクラックのはいる歪量(最大値1.3%)を
求めた。値の大きい方が耐フロン性に優れる。
【0038】
【表−1】
【0039】
【表−2】
【0040】
【発明の効果】本発明のABS樹脂組成物は、従来の組
成物に比べ優れた耐フロン性(耐HCFC−141b
性)を有している。このため、代替フロン(HCFC−
141b)を用いる冷蔵庫、冷凍庫の内箱成形に適した
材料として利用価値が高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】参考例8 ・グラフト重合体 参考例3で得られた凝集ゴム質重合体ラテックス(固形
分32.0%)187部に変更した以外は参考例5と同
様の手順にて重合し、グラフト率30%のグラフト重合
体を得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均粒子径0.05〜0.2μのゴム
    質重合体40〜80重量%の存在下にシアン化ビニル化
    合物30〜45重量%と芳香族ビニル化合物70〜55
    重量%の単量体60〜20重量%を重合してなるグラフ
    ト率10〜40%の小粒子径グラフト重合体が重量平均
    粒子径0.8〜2.0μの房状に凝集してなる凝集グラ
    フト重合体、およびシアン化ビニル化合物35〜45重
    量%と芳香族ビニル化合物65〜55重量%を重合して
    なる固有粘度0.6〜0.9である共重合体から構成さ
    れ、かつ、ゴム質重合体含有量が15〜25重量%であ
    ることを特徴とする耐フロン性ABS樹脂組成物。
JP19602094A 1994-07-27 1994-07-27 耐フロン性abs樹脂組成物 Pending JPH0841285A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19602094A JPH0841285A (ja) 1994-07-27 1994-07-27 耐フロン性abs樹脂組成物
TW085100505A TW372978B (en) 1994-07-27 1996-01-16 Process for preparing freon resistant resin composition and using it in fabrication of inner box of cooling storage
MYPI96000302A MY113116A (en) 1994-07-27 1996-01-27 A chlorofluorocarbon resistant resin composition and a refrigerator inner casing formed from the same composition

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